1 00:01:22,687 --> 00:01:42,707 ♬~ 2 00:01:42,707 --> 00:02:02,727 ♬~ 3 00:02:02,727 --> 00:02:22,681 ♬~ 4 00:02:22,681 --> 00:02:35,681 ♬~ 5 00:02:41,700 --> 00:02:45,704 (蔦吉) ♬ かんかんのぉきゅうれんす➡ 6 00:02:45,704 --> 00:02:47,706 ♬ ちいかんさん 7 00:02:47,706 --> 00:02:50,709 (蔦吉) ♬ あぴんぴん たいたいやんろ 8 00:02:50,709 --> 00:02:55,714 ♬ あそれ かんかんの ほれ きゅうれんす 9 00:02:55,714 --> 00:02:58,717 ♬ きゅわきゅできゅう さんしょならえ 10 00:02:58,717 --> 00:03:03,722 ♬ さあ いほう めんこが こわふで きゅうれんす 11 00:03:03,722 --> 00:03:06,725 ♬ あかんかん… (おえん)蔦ちゃん どうしたのさ 12 00:03:06,725 --> 00:03:08,727 掃除 手伝っちゃ悪い? (おえん)雪でも降らなきゃ➡ 13 00:03:08,727 --> 00:03:10,729 いいと思ってさ 14 00:03:10,729 --> 00:03:12,731 いつも こちらには お世話なってますからね 15 00:03:12,731 --> 00:03:14,733 たまにはね 16 00:03:14,733 --> 00:03:16,735 ≪(お光)おかみさん (蔦吉)♬ かんかんのぉ… 17 00:03:16,735 --> 00:03:19,738 (おえん)何だい (お光)蔦吉ねえさん➡ 18 00:03:19,738 --> 00:03:22,674 さっきは 船だまりで ため息ついてたんですよ 19 00:03:22,674 --> 00:03:25,677 (蔦吉)♬ ほれ さあ いほう 20 00:03:25,677 --> 00:03:27,679 (お光・おえん)あっ! (蔦吉)ああっ! 21 00:03:27,679 --> 00:03:29,681 (おえん)蔦吉! 22 00:03:29,681 --> 00:03:31,683 (客)ここ置いとくよ (蔦吉)はい➡ 23 00:03:31,683 --> 00:03:33,683 まあ どうもありがとうございました 24 00:03:36,688 --> 00:03:38,690 (蔦吉)いらっしゃいまし 25 00:03:38,690 --> 00:03:41,693 (佐次)ねえさん 26 00:03:41,693 --> 00:03:43,695 (りよ)お断りしたんですけど➡ 27 00:03:43,695 --> 00:03:46,695 どうしても 手伝うって おっしゃって 28 00:03:48,700 --> 00:03:51,703 (りよ) どうしたんでしょうね 蔦吉さん 29 00:03:51,703 --> 00:03:55,703 今日は 何だか ただならない様子で 30 00:03:58,710 --> 00:04:01,710 (佐次)残九郎の旦那のお見合い 31 00:04:06,718 --> 00:04:10,718 (蔦吉)ハァー 駄目だ 私 (りよ)そんなことは 32 00:04:15,727 --> 00:04:35,680 ♬~ 33 00:04:35,680 --> 00:04:45,690 ♬~ 34 00:04:45,690 --> 00:04:52,690 (田島)ハハッ しかし見合いで 順番待ちとは思わなかった ハハッ 35 00:05:01,706 --> 00:05:04,706 (竹林)田島久太夫殿 (田島)はっ 36 00:05:11,716 --> 00:05:13,716 (残九郎)頑張れよ 37 00:05:26,665 --> 00:05:31,670 (平八)鍋島家 江戸藩邸 お納戸役 倉林平八と申します 38 00:05:31,670 --> 00:05:34,673 松平残九郎家正だ 39 00:05:34,673 --> 00:05:39,678 あ… 同じ鍋島家の御家中か 40 00:05:39,678 --> 00:05:42,681 (麻佐女)《鍋島家 お留守居役》➡ 41 00:05:42,681 --> 00:05:46,685 《大木隼人正殿の 娘御を嫁にいたせば➡ 42 00:05:46,685 --> 00:05:51,690 そなたにも 何かのお役が付くかもしれず》➡ 43 00:05:51,690 --> 00:05:58,697 《そのときこそ 我が松平家の 再興のときと心得よ》 44 00:05:58,697 --> 00:06:01,700 《しかし そんな大役を》 45 00:06:01,700 --> 00:06:06,705 (麻佐女)《断るなら 舌をかむ!》 46 00:06:06,705 --> 00:06:08,707 かめ… 47 00:06:08,707 --> 00:06:10,707 ああ… 48 00:06:19,718 --> 00:06:23,718 (竹林)松平残九郎殿 49 00:06:31,663 --> 00:06:33,663 (吉乃のあくび) 50 00:07:12,704 --> 00:07:19,711 (竹林)松平残九郎殿にございます 松平残九郎家正でござる 51 00:07:19,711 --> 00:07:25,650 (竹林)この残九郎殿は… ちょっと待った なぜ名乗らぬ 52 00:07:25,650 --> 00:07:28,653 (竹林)いや しかし 初対面の相手には➡ 53 00:07:28,653 --> 00:07:31,653 自ら名乗るのが礼儀だと心得るが 54 00:07:38,663 --> 00:07:42,667 よう 縁日の屋台じゃねえんだ 55 00:07:42,667 --> 00:07:44,669 見合いの相手をずらっと並べて 品定めするってのは➡ 56 00:07:44,669 --> 00:07:48,673 どういう了見なんだ 勘違いしてるんじゃねえのか? 57 00:07:48,673 --> 00:07:51,676 それに あの あくびだ なにも 退屈してんのは➡ 58 00:07:51,676 --> 00:07:53,678 お前さんだけじゃねえんだ さんざん待たされたあげくに➡ 59 00:07:53,678 --> 00:07:55,680 あんなもん見せられたら かなわねえな 60 00:07:55,680 --> 00:07:58,683 (吉乃)竹林 (竹林)はっ 61 00:07:58,683 --> 00:08:01,686 こんな無礼なお家も わがまま勝手な娘御も➡ 62 00:08:01,686 --> 00:08:04,686 こっちから願い下げだ あばよ 63 00:08:12,697 --> 00:08:16,701 おお… 何だ何だ すまねえな おいおいおい ハハッ 64 00:08:16,701 --> 00:08:20,705 あれ やめといた方がいいな 65 00:08:20,705 --> 00:08:24,705 (平八)あっ あの あ… あの 66 00:08:31,649 --> 00:08:35,653 (麻佐女)駄目!? だ… 駄目とは一体 67 00:08:35,653 --> 00:08:41,659 あ… やはり 母上との御相性を考えた場合➡ 68 00:08:41,659 --> 00:08:45,663 このお話は なかったことに 私のために? 69 00:08:45,663 --> 00:08:48,666 ですから こちらから お断りすると… 申したのか 70 00:08:48,666 --> 00:08:52,666 いや ですから 母上のためを思えばこそ 71 00:08:54,672 --> 00:08:57,675 (すすり泣き) 72 00:08:57,675 --> 00:09:00,678 母上 73 00:09:00,678 --> 00:09:04,682 夫 喜左衛門殿 亡き後➡ 74 00:09:04,682 --> 00:09:09,687 我が家は 衰退の一途であった 75 00:09:09,687 --> 00:09:15,693 せがれや娘たちは それぞれ 他家へ婿入りしたり➡ 76 00:09:15,693 --> 00:09:20,698 奥向きへの御奉公などで この家を出た 77 00:09:20,698 --> 00:09:24,636 残る ただ一人の跡継ぎ九郎殿は➡ 78 00:09:24,636 --> 00:09:29,641 お役にも就けず 夜ごと ちまたをはいかい 79 00:09:29,641 --> 00:09:35,647 この上は 当家を かつてのように盛り返すには➡ 80 00:09:35,647 --> 00:09:40,652 そなたに 良い縁組みあるのみと 81 00:09:40,652 --> 00:09:44,656 く… 九郎? 82 00:09:44,656 --> 00:09:51,663 ですから 母上のお気持ちは重々 ほら ここに たこが… 83 00:09:51,663 --> 00:09:57,669 く… 九郎! 84 00:09:57,669 --> 00:09:59,671 ハハハ… (伝三郎・佐次)ハハハ… 85 00:09:59,671 --> 00:10:04,676 だって しょうがねえだろうが 痛えな ばか野郎 86 00:10:04,676 --> 00:10:06,678 何しやがんだよ ハハハ… (りよ)いらっしゃい 87 00:10:06,678 --> 00:10:08,680 (蔦吉)あ… (八重)ありがとう 88 00:10:08,680 --> 00:10:11,683 何だよ 座敷帰りに東八とは 珍しいな フフフ… 89 00:10:11,683 --> 00:10:13,685 (蔦吉)おにぎやかなことで (伝三郎)いや それは➡ 90 00:10:13,685 --> 00:10:17,689 こいつの例の見合いが (佐次)おしゃかになりました 91 00:10:17,689 --> 00:10:21,626 (蔦吉)へえ まあ お相手があることですしね➡ 92 00:10:21,626 --> 00:10:25,630 そう 駄目でしたか 俺が駄目にしたんです 93 00:10:25,630 --> 00:10:27,632 (伝三郎)な… それが このばか➡ 94 00:10:27,632 --> 00:10:30,635 見合い相手に 意見なんぞしたそうだ ハハハ… 95 00:10:30,635 --> 00:10:34,639 人に意見なんかできる柄ですかね あっ そいじゃ 私もおつきあい 96 00:10:34,639 --> 00:10:37,639 (りよ)あっ 今ちょうど かんがついたところで (蔦吉)私が 97 00:10:41,646 --> 00:10:48,653 (竹林)あるじ 隼人正様が 是非 残九郎様にお会いしたいと➡ 98 00:10:48,653 --> 00:10:55,660 申しおりまして (麻佐女)九郎めに 何か落ち度でも 99 00:10:55,660 --> 00:10:59,664 (竹林)実は 見合いの席で➡ 100 00:10:59,664 --> 00:11:04,669 残九郎様には 吉乃様を叱責なされ (麻佐女)何と 101 00:11:04,669 --> 00:11:09,674 (竹林)にもかかわらず 吉乃様は 痛く感動いたされ➡ 102 00:11:09,674 --> 00:11:12,677 お会いになった殿方の中では➡ 103 00:11:12,677 --> 00:11:17,682 残九郎様がよいと 申しておられます➡ 104 00:11:17,682 --> 00:11:24,689 あるじが そのことを聞き及び 残九郎様に お目にかかりたいと 105 00:11:24,689 --> 00:11:26,689 (麻佐女)それは 106 00:11:28,693 --> 00:11:33,698 まあ いろいろございましょうが 107 00:11:33,698 --> 00:11:38,703 なるほど 大木殿が (竹林)はい 108 00:11:38,703 --> 00:11:42,707 (麻佐女)そちらが お望みとあらば しかたがない 109 00:11:42,707 --> 00:11:46,711 九郎めには 是非とも伺わせましょう 110 00:11:46,711 --> 00:11:48,711 九郎 111 00:11:53,718 --> 00:11:56,718 私の九郎ちゃん 112 00:11:59,724 --> 00:12:02,727 九郎 九郎… 113 00:12:02,727 --> 00:12:06,727 九郎 どうしましょう 114 00:12:10,735 --> 00:12:12,737 参るであろうな? 115 00:12:12,737 --> 00:12:24,682 ♬~ 116 00:12:24,682 --> 00:12:27,682 ヒヒヒ… ハハハ… 117 00:12:31,689 --> 00:12:34,692 (琴江)ごめんくださりませ (よね)はっ 118 00:12:34,692 --> 00:12:40,698 (琴江)こちらは 松平残九郎様の お屋敷でござりますね 119 00:12:40,698 --> 00:12:44,702 (よね)さようで ≪(麻佐女)よね よね 120 00:12:44,702 --> 00:12:46,704 (よね)はい! はい こちらに 121 00:12:46,704 --> 00:12:48,706 (麻佐女) よね えっと 今日の夕げは➡ 122 00:12:48,706 --> 00:12:51,709 たいの塩焼きと お赤飯は 必ず付けましょう 123 00:12:51,709 --> 00:12:56,709 そして おなますは おなますを何しよう (よね)あ… 124 00:13:04,722 --> 00:13:09,722 (琴江)お久しぶりでございます 麻佐女様 125 00:13:12,730 --> 00:13:14,732 お琴ちゃん!➡ 126 00:13:14,732 --> 00:13:19,737 この年になって 琴江殿に お会いするなんて➡ 127 00:13:19,737 --> 00:13:22,673 まさか夢にも 128 00:13:22,673 --> 00:13:27,678 (琴江)本所南割下水の 松平様とお聞きして もしやと 129 00:13:27,678 --> 00:13:30,681 で… 琴江殿は 今は? 130 00:13:30,681 --> 00:13:34,685 麻佐女様が嫁がれて 5年後 131 00:13:34,685 --> 00:13:40,691 鍋島家 江戸藩邸の 倉林小太夫に嫁ぎました 132 00:13:40,691 --> 00:13:45,696 鍋島 (琴江)夫は 10年前に この世を… 133 00:13:45,696 --> 00:13:50,701 (麻佐女)私も同じです (琴江)そうでしたか 134 00:13:50,701 --> 00:13:54,705 (麻佐女)本郷の辺りには? (琴江)いいえ 135 00:13:54,705 --> 00:14:00,711 親が亡くなってからは とんと足が向きません 136 00:14:00,711 --> 00:14:06,717 (麻佐女)あそこらで よく ぎんなんの実を拾った 137 00:14:06,717 --> 00:14:08,719 菊坂町の喜福寺の 138 00:14:08,719 --> 00:14:15,726 (麻佐女)そう 喜福寺 喜福寺 その隣が 法真寺で➡ 139 00:14:15,726 --> 00:14:22,667 そうそう あの坂の途中に おいしい お菓子屋さんがあって➡ 140 00:14:22,667 --> 00:14:26,667 あの店の名前は 何といいましたか 141 00:14:29,674 --> 00:14:35,680 えっ? (琴江)実は今日は お願いがあって 142 00:14:35,680 --> 00:14:38,683 あ… あいにく当家では お金のことは 143 00:14:38,683 --> 00:14:44,689 (琴江)いえ… 私の一人息子 平八が➡ 144 00:14:44,689 --> 00:14:49,694 鍋島家 江戸藩邸 留守居役 大木様の娘御と見合いを 145 00:14:49,694 --> 00:14:54,699 まあ うちのせがれも (琴江)その残九郎様が➡ 146 00:14:54,699 --> 00:14:57,702 吉乃様のお相手に選ばれたと お聞きいたしました 147 00:14:57,702 --> 00:15:04,709 ええ まあ 何と言いますか まあ けがの功名とでも申しましょうか 148 00:15:04,709 --> 00:15:07,712 残九郎様に それを 辞退していただくわけには➡ 149 00:15:07,712 --> 00:15:11,716 まいりませんか (麻佐女)はっ? 150 00:15:11,716 --> 00:15:14,719 (琴江) 何とぞ お断りくださるように 151 00:15:14,719 --> 00:15:17,722 (麻佐女)琴江殿 152 00:15:17,722 --> 00:15:24,662 倉林家は もともと 藩の重役を勤めた家柄 153 00:15:24,662 --> 00:15:31,669 夫に先立たれた後 親類縁者たちの 思惑に惑わされて➡ 154 00:15:31,669 --> 00:15:36,669 今では お納戸役の末席というありさま 155 00:15:38,676 --> 00:15:41,679 こたびは 何としても 大木家と縁を結び➡ 156 00:15:41,679 --> 00:15:44,682 息子を重役の一角にと 157 00:15:44,682 --> 00:15:51,689 ああ… しかし それは できぬ相談 (琴江)失礼は承知の上です 158 00:15:51,689 --> 00:15:54,689 何とぞ 何とぞ 何とぞ! 159 00:16:00,698 --> 00:16:05,703 それは 無理です (琴江)どうあっても? 160 00:16:05,703 --> 00:16:07,703 お断りするしか 161 00:16:15,713 --> 00:16:21,713 お麻佐様は やはり 娘時分と お変わりない 162 00:16:23,654 --> 00:16:29,660 えっ? (琴江)でも 私は諦めません 163 00:16:29,660 --> 00:16:35,660 息子 平八に 何としても吉乃様をお迎えします 164 00:16:51,682 --> 00:16:54,685 (蔦吉)色男!➡ 165 00:16:54,685 --> 00:16:59,685 お客さんですよ 女の 166 00:17:04,695 --> 00:17:07,698 (琴江) 松平残九郎殿でございますか? 167 00:17:07,698 --> 00:17:09,700 いかにも 168 00:17:09,700 --> 00:17:13,704 (琴江) 私は 鍋島家 江戸藩邸 納戸役➡ 169 00:17:13,704 --> 00:17:17,708 倉林平八の母 琴江と申します 170 00:17:17,708 --> 00:17:22,646 鍋島 倉林平八 どっかで聞いたな 171 00:17:22,646 --> 00:17:29,646 大木吉乃様のお見合いの席で ああ で… 何か 172 00:17:32,656 --> 00:17:34,658 お人払いを 173 00:17:34,658 --> 00:17:38,658 いや しかし 是非 174 00:17:42,666 --> 00:17:44,666 (せきばらい) 175 00:17:48,672 --> 00:17:51,675 私は何としても 息子 平八を➡ 176 00:17:51,675 --> 00:17:54,678 吉乃様に めあわせたいと存じております 177 00:17:54,678 --> 00:17:57,681 いや お宅が そうおっしゃるのも 分からなくはないですけどね 178 00:17:57,681 --> 00:18:00,684 でも どうやら あちらは 俺のことをさ 179 00:18:00,684 --> 00:18:03,684 お受けになるのですか 180 00:18:10,694 --> 00:18:12,696 いかが? 181 00:18:12,696 --> 00:18:16,696 いや 俺もね あんまり 気乗りはしてねえんだ 182 00:18:18,702 --> 00:18:22,640 何としても 我が子 平八を吉乃様に 183 00:18:22,640 --> 00:18:24,642 だから 向こうが何て言うかさ 184 00:18:24,642 --> 00:18:29,647 ですから あなた様に お断りしていただきたいのです 185 00:18:29,647 --> 00:18:33,651 俺も そうはしてえんだけどさ 186 00:18:33,651 --> 00:18:37,655 おふくろ様ですか? 187 00:18:37,655 --> 00:18:43,661 麻佐女様? おふくろを御存じで 188 00:18:43,661 --> 00:18:49,667 あの麻佐女様に逆らってでも お断りできますか? 189 00:18:49,667 --> 00:18:52,667 どうしたもんかね 190 00:18:54,672 --> 00:18:57,675 (蔦吉)あ… 申し訳ありません お話は 191 00:18:57,675 --> 00:19:01,679 (おえん)でも いくら断るにしても あんまり むげにはね 192 00:19:01,679 --> 00:19:03,681 角も立ちますし 193 00:19:03,681 --> 00:19:05,683 (蔦吉) おふくろ様の手前もござんしょう? 194 00:19:05,683 --> 00:19:09,687 まあ それもあることはあるな 195 00:19:09,687 --> 00:19:12,690 (蔦吉)だったら あちらに 断られるような形にしたら➡ 196 00:19:12,690 --> 00:19:14,692 いいんじゃありませんか あのな 俺は 生まれてこの方➡ 197 00:19:14,692 --> 00:19:16,694 一度も 女に断られたことなんかねえんだ 198 00:19:16,694 --> 00:19:20,694 誠に (おえん)冗談でございます 199 00:19:23,634 --> 00:19:25,636 あっ そうだ 佐次 200 00:19:25,636 --> 00:19:27,638 お前 今は りよさんがいるから ともかく 201 00:19:27,638 --> 00:19:29,640 40年と この方 女とは縁がねえだろう 202 00:19:29,640 --> 00:19:32,643 その秘けつは何だ 203 00:19:32,643 --> 00:19:34,645 はっ? だからさ➡ 204 00:19:34,645 --> 00:19:37,648 どうやったら 女が すーって引いていく? 205 00:19:37,648 --> 00:19:41,652 (琴江)まあ ここは ひとつ 人助けとおぼし召して 206 00:19:41,652 --> 00:19:46,657 おう 佐次 ほら (琴江)お願いいたします 207 00:19:46,657 --> 00:19:48,657 分かりました 208 00:19:54,665 --> 00:19:57,668 まず (琴江)まず… 209 00:19:57,668 --> 00:20:01,672 しばらく 風呂に入らねえこと うん 210 00:20:01,672 --> 00:20:07,678 で… 人前で 平然と歯をせせり➡ 211 00:20:07,678 --> 00:20:12,683 鼻くそをほじり おならを ぷって…➡ 212 00:20:12,683 --> 00:20:14,683 どうでしょうか 213 00:20:36,640 --> 00:20:39,643 わっ! (吉乃)あっ! 214 00:20:39,643 --> 00:20:44,643 (藩士)殿 これが 米問屋 肥前屋の昨年のものです 215 00:20:50,654 --> 00:20:54,658 (隼人正)やはり 土橋源左衛門 216 00:20:54,658 --> 00:20:59,663 (吉乃)で… 残九郎様は 芝居見物などには参られますか? 217 00:20:59,663 --> 00:21:01,665 まあ 芝居なんてのは 女子供のもんだからな 218 00:21:01,665 --> 00:21:05,669 男は やっぱり岡場所だろう 219 00:21:05,669 --> 00:21:10,674 岡場所とは? つまり… 220 00:21:10,674 --> 00:21:14,678 (げっぷ) ≪(竹林のせきばらい) 221 00:21:14,678 --> 00:21:17,681 失礼いたします おう 222 00:21:17,681 --> 00:21:20,684 大木隼人正様です 223 00:21:20,684 --> 00:21:22,686 (隼人正)えっ!? ああ こりゃこりゃ 224 00:21:22,686 --> 00:21:27,691 父上 岡場所に行きたい (隼人正)おか… 何と申した 225 00:21:27,691 --> 00:21:30,694 どうやら 岡場所を御存じないらしい 226 00:21:30,694 --> 00:21:33,697 何か 風呂入ってなかったら かゆくなってきちゃったな 227 00:21:33,697 --> 00:21:35,697 ちょっと 失礼 228 00:21:39,703 --> 00:21:41,705 (うがい) 229 00:21:41,705 --> 00:21:46,710 (隼人正)よ… 吉乃 (吉乃)残九郎様 230 00:21:46,710 --> 00:21:49,713 (隼人正) 吉乃 そなた あのような男を 231 00:21:49,713 --> 00:21:53,717 いいえ 私は 残九郎様がいいと思います 232 00:21:53,717 --> 00:21:59,723 面白いお方だし 楽しいし フフッ 第一 りりしい 233 00:21:59,723 --> 00:22:02,726 ああ… (竹林)お嬢様 234 00:22:02,726 --> 00:22:20,744 ♬~ 235 00:22:20,744 --> 00:22:22,680 御免くださりませ➡ 236 00:22:22,680 --> 00:22:27,685 残九郎殿は こちらに? (蔦吉)どうなすったんです 237 00:22:27,685 --> 00:22:30,688 (琴江) あなたたちは あなたたちは!➡ 238 00:22:30,688 --> 00:22:33,691 吉乃様は 残九郎殿に御執心じゃ 239 00:22:33,691 --> 00:22:37,695 (蔦吉)どうして… (琴江)どうして? 240 00:22:37,695 --> 00:22:42,700 まあ よく おめおめと 241 00:22:42,700 --> 00:22:46,704 向こうに断らせるような手だてを などと申しておきながら➡ 242 00:22:46,704 --> 00:22:49,707 かえって 向こうに 好かれたではありませぬか 243 00:22:49,707 --> 00:22:51,709 好かれた? 244 00:22:51,709 --> 00:22:54,712 (足音) 245 00:22:54,712 --> 00:22:56,714 どうされた (琴江)そなた!➡ 246 00:22:56,714 --> 00:22:59,717 こうなることを 計算していましたね! 247 00:22:59,717 --> 00:23:02,720 はっ? (琴江)母親が母親なら➡ 248 00:23:02,720 --> 00:23:05,723 息子も息子です! 249 00:23:05,723 --> 00:23:08,726 麻佐女様は 娘時分 周りで評判でした 250 00:23:08,726 --> 00:23:11,729 目端が利いて 心配りが細やかだと 251 00:23:11,729 --> 00:23:16,734 でも それは 私に言わせれば 計算高いということです➡ 252 00:23:16,734 --> 00:23:18,736 立ち居振る舞いも しとやかで➡ 253 00:23:18,736 --> 00:23:22,673 でも それは 人を見下ろしていただけ! 254 00:23:22,673 --> 00:23:26,677 好奇心も旺盛で それも評判でしたが➡ 255 00:23:26,677 --> 00:23:29,680 要は 人の持ち物や動向が 気になっていただけです 256 00:23:29,680 --> 00:23:33,684 しばらく! いいですか? あんな おふくろだって➡ 257 00:23:33,684 --> 00:23:36,687 おいらにとっちゃ たった一人のおふくろなんだ! 258 00:23:36,687 --> 00:23:39,687 あんまり あしざまに言われると 腹も立ちますからな 259 00:23:45,696 --> 00:23:51,696 明日 申の刻 回向院 本堂裏においでください 260 00:23:56,707 --> 00:23:59,710 何だ あら 261 00:23:59,710 --> 00:24:04,710 ふーん お相手に望まれたんじゃ 男冥利だ 262 00:24:06,717 --> 00:24:09,717 身を固める いい潮時かもしれませんね 263 00:24:15,726 --> 00:24:18,729 (寺田)しかし お留守居役に 調べられるのは まずいぞ 264 00:24:18,729 --> 00:24:21,665 (新兵ヱ) いや 隼人正殿だけではない 265 00:24:21,665 --> 00:24:25,669 他に 誰が (佐藤)あの お納戸役の 266 00:24:25,669 --> 00:24:30,674 (新兵ヱ)隼人正の娘と どうも 見合いをしたと聞いた 267 00:24:30,674 --> 00:24:32,676 (佐藤)倉林平八が? 268 00:24:32,676 --> 00:24:36,680 (新兵ヱ) 平八の動きも気になるところだ 269 00:24:36,680 --> 00:24:41,685 (蔦吉)♬ どう諦めた (男性)おっ 御機嫌だね 270 00:24:41,685 --> 00:24:47,691 (蔦吉)♬ 諦められぬと➡ 271 00:24:47,691 --> 00:24:49,693 ♬ 諦めた 272 00:24:49,693 --> 00:24:55,699 (新兵ヱ)おい ぶつかっておいて 挨拶もなしか 273 00:24:55,699 --> 00:24:58,702 (蔦吉)あたしゃ 今晩 ちょいと 機嫌が良くありませんでね➡ 274 00:24:58,702 --> 00:25:03,707 まあ 勘弁しておくんないな (寺田)勘弁ならん! 275 00:25:03,707 --> 00:25:06,710 (蔦吉)ちょいと こっちは 千鳥足なんですよ➡ 276 00:25:06,710 --> 00:25:09,713 お前さん方は しらふで 3人 目ん玉の数は➡ 277 00:25:09,713 --> 00:25:12,716 そっちの方が多いんだ よけんのは そっちじゃないのかい 278 00:25:12,716 --> 00:25:16,720 (佐藤)何! (新兵ヱ)待て 279 00:25:16,720 --> 00:25:20,724 (蔦吉)フッ 何だい 280 00:25:20,724 --> 00:25:26,724 ♬ 腰抜け侍 281 00:25:40,677 --> 00:25:42,677 ハァー 282 00:25:45,682 --> 00:25:48,685 平八 283 00:25:48,685 --> 00:25:51,688 おいおいおい! (琴江)この上は➡ 284 00:25:51,688 --> 00:25:53,690 息子 平八と勝負を かーっ 285 00:25:53,690 --> 00:25:56,693 (平八) よ… 吉乃様をお主に取られ➡ 286 00:25:56,693 --> 00:25:58,695 おめおめ 引き下がるわけにはいかぬ 287 00:25:58,695 --> 00:26:01,698 そう おふくろ様が 言わしてるだけじゃねえのか! 288 00:26:01,698 --> 00:26:05,702 ばかが… 嫁一人のことで 斬った張ったはねえだろう! 289 00:26:05,702 --> 00:26:07,702 (琴江)平八! 290 00:26:12,709 --> 00:26:15,712 第一 俺を斬ったって 向こうが お前を選ぶわけじゃねえんだ! 291 00:26:15,712 --> 00:26:17,714 とにかく そなたに いてもらっては困る! 292 00:26:17,714 --> 00:26:20,717 あの じゃじゃ馬 この せがれじゃ 無理だな 293 00:26:20,717 --> 00:26:23,654 何と 苦労するだけだぜ 294 00:26:23,654 --> 00:26:25,656 倉林のためじゃ! 295 00:26:25,656 --> 00:26:28,659 (平八のおびえる声) 296 00:26:28,659 --> 00:26:30,659 お前の腹は どうなんだ 297 00:26:32,663 --> 00:26:35,666 こんなことまで おふくろに手綱取られて➡ 298 00:26:35,666 --> 00:26:37,668 てめえ それでも男か! (琴江)ああ… 平八 299 00:26:37,668 --> 00:26:43,674 (平八)黙れ! 父上 亡き後 母上は 一人で苦労なされた! 300 00:26:43,674 --> 00:26:48,679 お家のため 私のため だから 私としては➡ 301 00:26:48,679 --> 00:26:53,684 何としても 母上に恩返しを 母上に… 302 00:26:53,684 --> 00:26:55,684 (琴江)平八… 303 00:27:01,692 --> 00:27:04,695 (新兵ヱ)故あって 名は明かせぬが お尋ねしたい 304 00:27:04,695 --> 00:27:07,698 (佐藤)倉林平八と いさかいを持たれたようだが➡ 305 00:27:07,698 --> 00:27:09,698 その訳を 是非 306 00:27:12,703 --> 00:27:14,705 嫌だ (寺田・佐藤)何! 307 00:27:14,705 --> 00:27:17,708 名も名乗らねえやつに 何で言わなきゃならねえんだよ! 308 00:27:17,708 --> 00:27:20,711 (佐藤)間島さん! (新兵ヱ)待て 309 00:27:20,711 --> 00:27:23,711 まあ お忘れくだされ 310 00:27:34,658 --> 00:27:38,662 忘れるわきゃねえだろう 311 00:27:38,662 --> 00:27:44,668 (八重)ひい ふう みい よう いつ (りよ)いらっしゃいませ 312 00:27:44,668 --> 00:27:47,668 (平八)あ… あの (りよ)あ… どうぞ 313 00:27:49,673 --> 00:27:52,676 おう あっ 314 00:27:52,676 --> 00:27:56,680 わざわざ すまねえな いえ 何か 315 00:27:56,680 --> 00:27:59,683 心配するな この間の 続きやろうってわけじゃねえんだ 316 00:27:59,683 --> 00:28:02,686 上がれ 317 00:28:02,686 --> 00:28:05,689 やるか? (平八)いえ 私は お酒は 318 00:28:05,689 --> 00:28:09,693 佐次 お茶! ≪(佐次)はい 319 00:28:09,693 --> 00:28:14,698 この間 果たし合いのあとでさ 間島ってやつに 声掛けられた 320 00:28:14,698 --> 00:28:17,701 間島? 間島 321 00:28:17,701 --> 00:28:21,701 お前との いさかいの訳は何だと 322 00:28:23,640 --> 00:28:27,640 何なんだろうね さあ 323 00:28:29,646 --> 00:28:31,646 (佐次)どうぞ (平八)何か 324 00:28:33,650 --> 00:28:38,655 知らねえのか (平八)何を 325 00:28:38,655 --> 00:28:43,660 何だか 鍋島の家中が がたがたしてるそうじゃねえか 326 00:28:43,660 --> 00:28:48,665 藩内に 不正があるとかねえとか うわさは そりゃ ありますが 327 00:28:48,665 --> 00:28:52,669 ある 勘定方が あきんどと結託して➡ 328 00:28:52,669 --> 00:28:54,671 私腹を肥やしているとか 329 00:28:54,671 --> 00:28:59,676 で… その調べの 陣頭指揮を執ってるのが➡ 330 00:28:59,676 --> 00:29:01,678 この間 お二人がお見合いをなさった➡ 331 00:29:01,678 --> 00:29:05,682 お嬢様のお父上で 大木隼人正 332 00:29:05,682 --> 00:29:10,687 えっ ま… まさか 誠ですか 333 00:29:10,687 --> 00:29:12,687 こいつは 地獄耳なんだ 334 00:29:22,632 --> 00:29:29,639 しかし なぜ私に 見合いしたからだろう 大木の娘と 335 00:29:29,639 --> 00:29:32,642 間島様が おう 336 00:29:32,642 --> 00:29:36,646 その間島と親しい勘定方 いそうかい? 337 00:29:36,646 --> 00:29:41,651 土橋源左衛門様が 間島様の親戚筋に当たると 338 00:29:41,651 --> 00:29:45,651 これから そいつらの動きに 気ぃつけるんだな 339 00:29:47,657 --> 00:29:50,660 しかし なぜ私にそんなことを 340 00:29:50,660 --> 00:29:55,665 同病 相哀れむってやつだな 共に おふくろで苦労してる 341 00:29:55,665 --> 00:29:57,665 とても ひと事とは思えねえんだ 342 00:30:02,672 --> 00:30:04,672 フフッ 343 00:30:09,679 --> 00:30:14,684 (琴江)この平八が 吉乃様を諦めると申します 344 00:30:14,684 --> 00:30:16,686 聞けば 私に黙って➡ 345 00:30:16,686 --> 00:30:20,690 外で 残九郎殿と会っていると 申すではありませんか 346 00:30:20,690 --> 00:30:24,628 親子して 平八を たぶらかしているに相違ない 347 00:30:24,628 --> 00:30:27,631 たぶらかすとは聞き捨てならぬ (平八)母上 348 00:30:27,631 --> 00:30:30,631 (琴江)お黙り (平八)いえ! 349 00:30:34,638 --> 00:30:39,643 (平八)そのことは 私の一存です (琴江)そんなはずはない 350 00:30:39,643 --> 00:30:42,646 吉乃様をめぐっては 対立もし➡ 351 00:30:42,646 --> 00:30:45,649 先日は やいばを向けたにもかかわらず➡ 352 00:30:45,649 --> 00:30:49,653 残九郎様は 親身になって私のことを 353 00:30:49,653 --> 00:30:52,656 これは 一体 何だろうと考えました 354 00:30:52,656 --> 00:30:55,659 残九郎というお人を 知れば知るほど➡ 355 00:30:55,659 --> 00:31:02,666 その懐の広さや 強さ 到底 私など足元にも 356 00:31:02,666 --> 00:31:06,670 (琴江)そう思わせるのが この親子のずるさとは思わぬか 357 00:31:06,670 --> 00:31:08,672 (麻佐女)ずるさ… 358 00:31:08,672 --> 00:31:12,676 母上のこれまでの御苦労を 忘れたわけではありません 359 00:31:12,676 --> 00:31:16,680 周りの親戚から 痛い目に遭ったこともありました➡ 360 00:31:16,680 --> 00:31:19,683 だから 母上は いつも そんなふうに周りを恐れ➡ 361 00:31:19,683 --> 00:31:22,686 敵視して生きてこられた そうすることで➡ 362 00:31:22,686 --> 00:31:26,686 家を守るしかなかった 母上のつらさも分かりますが 363 00:31:28,692 --> 00:31:33,692 もう… おやめください 364 00:31:36,700 --> 00:31:40,704 (平八) 母上は いつも私の風よけでした➡ 365 00:31:40,704 --> 00:31:45,709 それが うれしい時期もありました 楽でもあったのです 366 00:31:45,709 --> 00:31:49,709 いつも 母上の後ろを ついていけばよかったのですから 367 00:31:51,715 --> 00:31:55,719 でも もう 私も 独り歩きをすべきだと 368 00:31:55,719 --> 00:32:01,719 だから 母上の言いなりになるのは もう 369 00:32:03,727 --> 00:32:08,727 ですから… ですから お許しを 370 00:32:29,686 --> 00:32:31,686 お当てになって 371 00:32:37,694 --> 00:32:41,698 (麻佐女) 男の子というものは いつかは… 372 00:32:41,698 --> 00:32:47,704 哀れみは無用です (麻佐女)お琴ちゃん 373 00:32:47,704 --> 00:32:53,710 私が 自ら よろいを着➡ 374 00:32:53,710 --> 00:33:00,710 周りを敵視するようになったのは 夫に死なれる ずっと前から 375 00:33:02,719 --> 00:33:08,719 昔 本郷で お麻佐様と一緒に 遊んでたころから それは 376 00:33:10,727 --> 00:33:13,730 お麻佐様と 5つ違いの私は➡ 377 00:33:13,730 --> 00:33:18,735 小さいときから お麻佐様を 姉のように慕っておりました 378 00:33:18,735 --> 00:33:23,673 なのに お麻佐様ったら だんだん 大きくなると➡ 379 00:33:23,673 --> 00:33:28,678 いつだったか お麻佐様 指に けがをされて➡ 380 00:33:28,678 --> 00:33:32,682 お琴のおさらい会に 出られなくなったことがありました 381 00:33:32,682 --> 00:33:38,688 そしたら あろうことか 私にも出るなと脅しました 382 00:33:38,688 --> 00:33:42,692 私が出ると 竹村門下の中で いちばん優れているのは➡ 383 00:33:42,692 --> 00:33:45,695 私だと評判が立つのを 恐れたのです 384 00:33:45,695 --> 00:33:48,698 そんな! お琴の腕では➡ 385 00:33:48,698 --> 00:33:51,701 おさらい会があろうとなかろうと いちばんは私だと みんなが 386 00:33:51,701 --> 00:33:54,704 (琴江)榊道場の門弟だった 大森庄三郎殿を➡ 387 00:33:54,704 --> 00:33:58,708 私が好きだと言うと お麻佐様ったら➡ 388 00:33:58,708 --> 00:34:02,712 あんな へなへなの どこがいいのなどと言いながら➡ 389 00:34:02,712 --> 00:34:04,714 お稽古などで お使いくださいって➡ 390 00:34:04,714 --> 00:34:07,717 陰で こっそり 手拭いを届けたのは 誰です? 391 00:34:07,717 --> 00:34:10,720 (麻佐女)よくも まあ 昔のことをぺらぺらと 392 00:34:10,720 --> 00:34:16,726 (琴江)その上 年頃になると 早々に 松平家にお嫁入り 393 00:34:16,726 --> 00:34:21,664 私も そのあと 倉林の家に嫁ぎましたけど➡ 394 00:34:21,664 --> 00:34:28,664 願いは ただただ お麻佐様より 幸せになろうと それだけ 395 00:34:30,673 --> 00:34:34,677 そうやって これまで 生きてきました 396 00:34:34,677 --> 00:34:37,677 そんなこととは 397 00:34:43,686 --> 00:34:47,690 もう お麻佐様には 負けたくなかったから 398 00:34:47,690 --> 00:34:59,702 ♬~ 399 00:34:59,702 --> 00:35:06,702 お琴ちゃん… いちばんの友達だと思ってたのに 400 00:35:10,713 --> 00:35:12,715 (男性)よいしょ (男性)おう 401 00:35:12,715 --> 00:35:14,717 (男性)あいよ (男性)よいしょ 402 00:35:14,717 --> 00:35:17,717 (男性)よいしょ (男性)よいしょっと 403 00:35:20,723 --> 00:35:22,659 肥前屋ね 404 00:35:22,659 --> 00:35:26,663 (佐次)ええ 鍋島家の勘定方の土橋ってのが➡ 405 00:35:26,663 --> 00:35:29,666 この米問屋と かなり深く関わってます➡ 406 00:35:29,666 --> 00:35:31,668 だろう? 407 00:35:31,668 --> 00:35:36,673 (梅吉)ここ4~5日の間に 川遊びが1回 芝居見物が1回 408 00:35:36,673 --> 00:35:40,677 そのつど 柳橋の料亭に繰り込んでおります 409 00:35:40,677 --> 00:35:42,679 いいな 410 00:35:42,679 --> 00:35:46,683 (土橋)わしの身辺を 探っているのは 何者だ 411 00:35:46,683 --> 00:35:48,685 それが しかとは 412 00:35:48,685 --> 00:35:54,685 隼人正の手の者ではないのか (寺田)それが 何とも 413 00:35:58,695 --> 00:36:02,699 (土橋)隼人正に 今 動かれては まずいのだ➡ 414 00:36:02,699 --> 00:36:04,699 のう 新兵ヱ 415 00:36:06,703 --> 00:36:11,708 (新兵ヱ)何としても お留守居役の調べは阻みます 416 00:36:11,708 --> 00:36:15,708 (土橋)うむ 近う 417 00:36:24,654 --> 00:36:29,659 (八重)ひい ふう みい よう いつ あっ アハッ 418 00:36:29,659 --> 00:36:33,663 ごめん ごめん… どうした 419 00:36:33,663 --> 00:36:37,667 (平八)実は 今日の午後 吉乃様が 肥前屋という米問屋の寮に➡ 420 00:36:37,667 --> 00:36:39,669 あじさい見物と称して 急に招かれることに 421 00:36:39,669 --> 00:36:41,671 隼人正は? 奥様の御実家の➡ 422 00:36:41,671 --> 00:36:44,674 菩提寺に行かれております 423 00:36:44,674 --> 00:37:04,694 ♬~ 424 00:37:04,694 --> 00:37:06,696 (隼人正)間島新兵ヱか 425 00:37:06,696 --> 00:37:09,696 (新兵ヱ)うわさの究明は おやめくださるよう 426 00:37:11,701 --> 00:37:15,705 困るというのか (新兵ヱ)藩内に不正などござらん 427 00:37:15,705 --> 00:37:21,644 それを私が ただすのだ (寺田)なにも 事を荒立てることは 428 00:37:21,644 --> 00:37:25,648 (新兵ヱ)大木様 律儀だけでは 藩は保てませんぞ 429 00:37:25,648 --> 00:37:27,650 (隼人正)間島 430 00:37:27,650 --> 00:37:47,670 ♬~ 431 00:37:47,670 --> 00:37:53,676 ♬~ 432 00:37:53,676 --> 00:37:56,679 (新兵ヱ) 娘御の命は どうでもよろしいのか 433 00:37:56,679 --> 00:37:59,682 何! ひきょう! 434 00:37:59,682 --> 00:38:02,685 吉乃殿は 心配御無用 435 00:38:02,685 --> 00:38:15,698 ♬~ 436 00:38:15,698 --> 00:38:18,701 町方が 何の用だ 437 00:38:18,701 --> 00:38:21,701 (佐次) ここは 武家屋敷じゃねえんですよ 438 00:38:23,640 --> 00:38:27,644 怪しいことがあれば 勝手に探らせてもらいます 439 00:38:27,644 --> 00:38:30,647 倉林 お前! 440 00:38:30,647 --> 00:38:33,650 吉乃様が かどわかしに 遭われましたので お捜しに 441 00:38:33,650 --> 00:38:37,654 改めるぜ! (佐藤)待て! 442 00:38:37,654 --> 00:38:39,654 (藩士)くそ! 443 00:38:44,661 --> 00:38:47,664 (佐次)倉林様! (平八)はい! 444 00:38:47,664 --> 00:38:59,676 ♬~ 445 00:38:59,676 --> 00:39:01,676 (平八)吉乃様 446 00:39:10,687 --> 00:39:12,687 倉林 447 00:39:24,634 --> 00:39:26,634 ≪(佐藤)倉林! 448 00:39:31,641 --> 00:39:33,641 うっ! 449 00:39:40,650 --> 00:39:42,652 平八 見事! 450 00:39:42,652 --> 00:39:44,654 (佐次)西尾様! (伝三郎)間に合ったか➡ 451 00:39:44,654 --> 00:39:47,657 残九郎に聞いた! (平井)倉林殿 娘御を早く 452 00:39:47,657 --> 00:39:50,660 (平八)はい 453 00:39:50,660 --> 00:39:52,660 (藩士)おのれ! 454 00:40:01,671 --> 00:40:06,676 何と申してよいか その 455 00:40:06,676 --> 00:40:12,682 こたびの残九郎様と 吉乃様とのことは その…➡ 456 00:40:12,682 --> 00:40:15,685 なかったことに ひとつ➡ 457 00:40:15,685 --> 00:40:21,624 突然 その… 吉乃様が 別の人物の名前を 458 00:40:21,624 --> 00:40:27,630 それは? (竹林)名前の儀は 御勘弁ください 459 00:40:27,630 --> 00:40:32,635 年は? (竹林)残九郎様より若く 460 00:40:32,635 --> 00:40:36,639 若い? (竹林)それに 残九郎様と違って➡ 461 00:40:36,639 --> 00:40:41,644 お役にも就いておりまして (麻佐女)やっぱりの 462 00:40:41,644 --> 00:40:47,650 残九郎様には いっときも早い 御仕官をお祈りして➡ 463 00:40:47,650 --> 00:40:50,650 それがしは これにて 464 00:41:14,677 --> 00:41:26,689 ♬~ 465 00:41:26,689 --> 00:41:28,691 フフフッ 466 00:41:28,691 --> 00:41:33,696 (蔦吉)しかし 残念でしたね (佐次)えっ? 467 00:41:33,696 --> 00:41:36,699 何? (佐次)いや 468 00:41:36,699 --> 00:41:40,699 よかった (蔦吉)あら どうして? 469 00:41:42,705 --> 00:41:45,708 ですから… 470 00:41:45,708 --> 00:41:49,712 (蔦吉)よかったなんて 振られた人に悪いわよ 471 00:41:49,712 --> 00:41:51,714 義理で行ったんです 見合いなんて 472 00:41:51,714 --> 00:41:54,717 (蔦吉)でも いっときは思われて うれしかったんじゃありませんか 473 00:41:54,717 --> 00:42:01,724 けっ 初めてじゃあるまいし (蔦吉)失礼いたしました 474 00:42:01,724 --> 00:42:06,729 (りよ)いらっしゃい (伝三郎)残九郎 475 00:42:06,729 --> 00:42:11,734 嫁取りのこと 残念だったな➡ 476 00:42:11,734 --> 00:42:14,737 例の肥前屋 鍋島家には お出入り禁止になったそうだ 477 00:42:14,737 --> 00:42:17,740 (佐次)当然でございますよ (伝三郎)聞くところによると➡ 478 00:42:17,740 --> 00:42:21,677 鍋島家の江戸藩邸でも 役替えがあるそうだ 479 00:42:21,677 --> 00:42:27,677 そうか (佐次)そいじゃ あの倉林様は… 480 00:42:38,694 --> 00:42:40,696 あ… あ… 481 00:42:40,696 --> 00:42:45,701 (琴江)実は この度 平八が 勘定方になりました 482 00:42:45,701 --> 00:42:48,704 (麻佐女)御出世? (琴江)はい 483 00:42:48,704 --> 00:42:50,706 よかった 484 00:42:50,706 --> 00:42:54,710 それに 詳しくは存じませんが➡ 485 00:42:54,710 --> 00:42:58,714 こたびの藩内の ごたごたに関わって➡ 486 00:42:58,714 --> 00:43:03,719 平八が 大いなる働きをしたとして 吉乃様の婿に 487 00:43:03,719 --> 00:43:05,721 まあ 488 00:43:05,721 --> 00:43:10,726 多分 残九郎様に いろいろ お骨折りいただいたと存じます 489 00:43:10,726 --> 00:43:15,726 (麻佐女)アハハ… まさか (琴江)そう思います 490 00:43:17,733 --> 00:43:20,736 (麻佐女)あれから 30年➡ 491 00:43:20,736 --> 00:43:25,675 いえ 40年➡ 492 00:43:25,675 --> 00:43:28,675 お琴ちゃんは どのように? 493 00:43:31,681 --> 00:43:36,686 (琴江)幸せというほどでもなく➡ 494 00:43:36,686 --> 00:43:39,689 かといって 不幸せでもございませんでした 495 00:43:39,689 --> 00:43:42,689 (麻佐女)私も同じようなもの 496 00:43:44,694 --> 00:43:50,700 (琴江)恨んだり 腹を立てたりして 生きてきましたけど➡ 497 00:43:50,700 --> 00:43:56,706 最後は ちゃんと帳尻の合う 人生だったように思います 498 00:43:56,706 --> 00:43:58,708 (麻佐女)本当によかった 499 00:43:58,708 --> 00:44:03,713 (琴江)お麻佐様 この前 申したことは お忘れになって 500 00:44:03,713 --> 00:44:06,716 ええ 501 00:44:06,716 --> 00:44:12,722 (琴江)私は お麻佐様と仲良くもし けんかもし➡ 502 00:44:12,722 --> 00:44:16,726 恨んだりもしてきましたけど➡ 503 00:44:16,726 --> 00:44:24,667 結局は お麻佐様によって 生かされてきたようです 504 00:44:24,667 --> 00:44:29,672 恨みを支えに? (琴江)ええ 505 00:44:29,672 --> 00:44:35,672 (麻佐女・琴江)フフフ… (琴江)アハハ… 506 00:44:39,682 --> 00:44:43,686 もしかすると 近々 国表に参ることに➡ 507 00:44:43,686 --> 00:44:46,689 なるやもしれません (麻佐女)肥前へ? 508 00:44:46,689 --> 00:44:53,689 ええ… そうなると お麻佐様とも 今日で お別れということに 509 00:44:55,698 --> 00:44:59,702 (麻佐女)会えてよかった (琴江)私も 510 00:44:59,702 --> 00:45:19,722 ♬~ 511 00:45:19,722 --> 00:45:38,674 ♬~ 512 00:45:38,674 --> 00:45:40,676 ♬~ 513 00:45:40,676 --> 00:45:43,679 こたびは 琴江殿のために いろいろと 514 00:45:43,679 --> 00:45:46,679 いえ こちらこそ いろいろと 515 00:45:55,691 --> 00:46:15,711 ♬~ 516 00:46:15,711 --> 00:46:35,664 ♬~ 517 00:46:35,664 --> 00:46:55,684 ♬~ 518 00:46:55,684 --> 00:47:15,684 ♬~ 519 00:47:17,706 --> 00:47:19,706 (麻佐女)よーっ! 520 00:47:25,648 --> 00:47:29,652 お前さんが稽古に来るのを そわそわ… 待ってた 521 00:47:29,652 --> 00:47:31,652 紅なんか差しちまって 522 00:47:35,658 --> 00:47:37,658 恋ってやつだな 523 00:47:40,663 --> 00:47:44,663 おふくろの夢の後始末だけは つけてほしいと思ってるんだよ