1 00:00:06,006 --> 00:00:07,440 {\an8}(秀吉(ひでよし))鶴松(つるまつ)… 2 00:00:07,507 --> 00:00:10,110 {\an8}(語り)豊臣(とよとみ)家の 世継ぎ 鶴松は— 3 00:00:10,176 --> 00:00:12,879 {\an8}僅か3歳で この世を去った 4 00:00:13,480 --> 00:00:14,514 {\an8}(秀吉)官兵衛(かんべえ) 5 00:00:15,015 --> 00:00:18,385 肥前(ひぜん)のよき所に 城を建てよ 6 00:00:19,519 --> 00:00:21,988 朝鮮へ渡る支度をいたす 7 00:00:22,055 --> 00:00:23,390 (官兵衛)無謀! 8 00:00:23,456 --> 00:00:25,825 (官兵衛)いまだ 朝鮮は従っておりませぬ 9 00:00:25,892 --> 00:00:28,561 いきなり攻め込むとは あまりにも無謀! 10 00:00:28,628 --> 00:00:29,662 官兵衛! 11 00:00:30,697 --> 00:00:33,199 もう待ってはおれん 12 00:00:35,368 --> 00:00:39,606 (秀吉)もはや このわしには このこと以外に望みはない! 13 00:00:40,840 --> 00:00:45,512 明国(みんこく)を我がものにするのじゃ! 14 00:00:45,578 --> 00:00:50,050 (語り)秀吉は ついに 大陸への出兵を宣言した 15 00:00:50,116 --> 00:00:51,951 (官兵衛)殿下は糸の切れた凧(たこ) 16 00:00:52,485 --> 00:00:54,621 どこへ行ってしまうか分からぬ 17 00:00:55,055 --> 00:00:59,025 黒田(くろだ)が支えねば 豊臣は… 18 00:01:00,226 --> 00:01:01,227 いや… 19 00:01:06,299 --> 00:01:08,435 この国が滅びてしまう 20 00:01:09,936 --> 00:01:11,938 ♪~ 21 00:03:49,896 --> 00:03:51,898 ~♪ 22 00:03:52,398 --> 00:03:59,038 (勅使)“内大臣 豊臣朝臣秀次(あそん ひでつぐ)” 23 00:04:01,474 --> 00:04:04,310 {\an8}(語り)天正(てんしょう)19年12月 24 00:04:04,377 --> 00:04:08,982 {\an8}秀吉は 関白の位を 甥(おい)の秀次に譲り— 25 00:04:09,048 --> 00:04:12,051 {\an8}自らは 太閤(たいこう)と称した 26 00:04:21,527 --> 00:04:25,431 (お静)お方さま 夕げの支度が 整いましてございます 27 00:04:27,467 --> 00:04:28,768 お方さま 28 00:04:37,877 --> 00:04:39,379 (淀(よど))触るでない! 29 00:04:42,682 --> 00:04:45,685 (語り)官兵衛は 肥前 名護屋(なごや)に— 30 00:04:45,752 --> 00:04:49,022 明との戦いの 前進基地となる城の— 31 00:04:49,088 --> 00:04:51,124 普請を進めていた 32 00:04:51,858 --> 00:04:54,260 (善助(ぜんすけ))なんとか 普請が間に合いましたな 33 00:04:54,327 --> 00:05:01,234 (長政(ながまさ))ああ この城から殿下は 朝鮮攻めの采配を振るわれるのだな 34 00:05:01,300 --> 00:05:05,972 (善助)ええ 城の周りには続々と 諸大名の屋敷が建っております 35 00:05:06,539 --> 00:05:09,509 日本国中の大名が この地に集まり— 36 00:05:09,575 --> 00:05:12,178 いずれ ここは 都のようになりましょう 37 00:05:30,897 --> 00:05:32,298 (近習(きんじゅう))申し上げます 38 00:05:33,700 --> 00:05:36,536 石田三成(いしだ みつなり)さまと増田長盛(ました ながもり)さまが お見えでございます 39 00:05:50,183 --> 00:05:52,552 (官兵衛)お役目ご苦労に存ずる 40 00:05:57,223 --> 00:05:59,192 (三成)お久しゅうございますな 41 00:06:02,428 --> 00:06:04,764 (長政)日限どおり 普請を終えました 42 00:06:05,365 --> 00:06:07,767 太閤殿下が お気に召すと ようござるが… 43 00:06:10,803 --> 00:06:13,940 (三成)殿下は 3月に大坂(おおさか)をご出立されます 44 00:06:14,374 --> 00:06:16,876 我々は 殿下が ご到着されるまでに— 45 00:06:16,943 --> 00:06:20,513 船の手配 および 兵糧の支度をいたします 46 00:06:21,114 --> 00:06:23,883 黒田どのも ご出陣の支度を急がれませ 47 00:06:23,950 --> 00:06:27,920 (長盛)4月には 朝鮮へ向け 出兵となり申す 48 00:06:32,725 --> 00:06:37,764 黒田どのは こたびの出兵に しきりに異を唱えておられましたな 49 00:06:41,667 --> 00:06:44,837 それがしは 殿下の名代たる奉行として— 50 00:06:45,471 --> 00:06:51,277 黒田が本心から働くか否か しかと見極める所存でござる 51 00:06:56,749 --> 00:06:57,784 では 52 00:07:05,525 --> 00:07:07,226 (長政)何じゃ あれは! 53 00:07:07,994 --> 00:07:10,630 急いで城を造った我らに ねぎらいの言葉もありませぬ! 54 00:07:10,696 --> 00:07:13,065 よせ! 長政 55 00:07:23,176 --> 00:07:24,610 (秀吉)茶々(ちゃちゃ)… 56 00:07:25,945 --> 00:07:28,181 少し痩せたのではないか? 57 00:07:29,315 --> 00:07:31,083 ちゃんと食べておるのか? 58 00:07:31,984 --> 00:07:35,254 (淀)あまり 食が進みませぬ… 59 00:07:35,988 --> 00:07:37,423 (秀吉)それはいかん 60 00:07:38,157 --> 00:07:40,493 茶々まで病になったら— 61 00:07:41,327 --> 00:07:43,663 このわしは どうすればよいんじゃ? 62 00:07:47,233 --> 00:07:51,404 茶々 茶々… 63 00:07:53,139 --> 00:07:57,844 わしは これより 肥前に行かねばならん 64 00:07:58,711 --> 00:08:03,549 じゃが 茶々のことが 心配で心配で… 65 00:08:04,984 --> 00:08:07,653 私も連れていってくださいませ 66 00:08:09,322 --> 00:08:10,590 何じゃと? 67 00:08:10,923 --> 00:08:13,826 城にいると気が変になります 68 00:08:13,893 --> 00:08:18,130 お願いでございます わたくしも 連れていってくださいませ 69 00:08:18,197 --> 00:08:21,968 お~ それはよい それはよい 70 00:08:22,869 --> 00:08:24,036 ついてこい 71 00:08:25,838 --> 00:08:30,009 安芸(あき)の厳島(いつくしま)を見せてやろう 72 00:08:31,777 --> 00:08:33,479 美しいぞ 73 00:08:35,047 --> 00:08:36,983 船旅も楽しかろう 74 00:08:37,917 --> 00:08:42,121 土地土地のうまいものを たらふく食わしてやる 75 00:08:43,389 --> 00:08:46,259 -(茶々)はい -(秀吉)ハハハハハハ… 76 00:08:46,325 --> 00:08:49,328 きっと 気も晴れよう 77 00:08:51,130 --> 00:08:56,002 この 胸が潰れるような思いは— 78 00:08:57,937 --> 00:09:02,708 このわしと茶々にしか 分からんからの 79 00:09:11,884 --> 00:09:13,085 殿下… 80 00:09:14,287 --> 00:09:15,588 何じゃ? 81 00:09:19,125 --> 00:09:23,729 わたくしは まだ 若(わこ)うございます 82 00:09:37,410 --> 00:09:38,811 (語り)3月 83 00:09:39,178 --> 00:09:43,382 秀吉の到着を待たずに 出陣することが決まり— 84 00:09:43,816 --> 00:09:47,320 名護屋城に 諸大名が呼び出された 85 00:09:51,424 --> 00:09:53,926 (秀家(ひでいえ))皆 大儀である 86 00:09:54,393 --> 00:09:55,361 {\an8}(秀家)早速だが 87 00:09:55,428 --> 00:09:57,363 {\an8}太閤殿下のご到着を 待たずに— 88 00:09:57,430 --> 00:09:59,932 {\an8}直ちに 船を出すことと相なった 89 00:10:00,266 --> 00:10:01,300 {\an8}石田どの 90 00:10:01,801 --> 00:10:02,835 はっ 91 00:10:08,074 --> 00:10:11,844 “先陣は 小西行長(こにし ゆきなが)どの” 92 00:10:12,244 --> 00:10:14,413 “次いで 加藤清正(かとう きよまさ)どの” 93 00:10:14,480 --> 00:10:16,282 {\an8}(清正) お待ちくだされ 総大将 94 00:10:18,084 --> 00:10:20,252 {\an8}先鋒(せんぽう)は それがしに お命じを 95 00:10:21,087 --> 00:10:22,688 (行長)これは異なことを 96 00:10:23,155 --> 00:10:25,625 殿下のお決めになった陣立てに ご不満か? 97 00:10:25,691 --> 00:10:28,494 (正則(まさのり))薬屋上がりに 大戦(おおいくさ)の先鋒など務まらぬ! 98 00:10:28,561 --> 00:10:29,829 -(行長)なに! -(正則)何だ! 99 00:10:29,895 --> 00:10:31,397 (官兵衛)福島(ふくしま)どの! 100 00:10:32,298 --> 00:10:36,969 かくいう わしも 目薬屋の出だ 101 00:10:37,870 --> 00:10:38,904 (正則)あっ… 102 00:10:45,845 --> 00:10:48,547 (官兵衛)今は 内輪で もめている時ではない 103 00:10:49,715 --> 00:10:51,283 どうであろうか… 104 00:10:52,284 --> 00:10:56,055 ここは 小西どの 加藤どのが— 105 00:10:56,555 --> 00:10:59,725 1日交代で 先手(さきて)を 務めることにしては いかがか? 106 00:11:00,626 --> 00:11:02,328 -(長政)なるほど -(正則)妙案じゃ 107 00:11:02,395 --> 00:11:04,030 しかし それでは… 108 00:11:04,096 --> 00:11:06,399 (隆景(たかかげ))黒田どのの 申されるとおりじゃ 109 00:11:06,465 --> 00:11:09,368 味方同士 いがみ合って 勝てる戦ではない 110 00:11:09,902 --> 00:11:12,004 宇喜多(うきた)どの お下知を 111 00:11:17,343 --> 00:11:21,080 先手は 1日交代とする 112 00:11:23,082 --> 00:11:24,350 承知いたした 113 00:11:34,860 --> 00:11:36,962 これでは 誰が総大将だか分からぬ 114 00:11:37,029 --> 00:11:39,632 (長盛)宇喜多さまは お若い 抑えが利かぬ 115 00:11:39,698 --> 00:11:41,734 結局は黒田どの頼みじゃ 116 00:11:43,102 --> 00:11:45,838 これ以上 余計な口出しはさせん 117 00:11:46,672 --> 00:11:47,807 断じて! 118 00:11:52,344 --> 00:11:55,681 (語り)いよいよ 大陸侵攻が決行された 119 00:11:58,717 --> 00:12:02,354 (長政)皆 気をつけろ! しばらく波が続くぞ! 120 00:12:04,757 --> 00:12:06,792 ほら しっかり つかまっておけ! 121 00:12:06,859 --> 00:12:08,661 (一同)はっ! 122 00:12:10,062 --> 00:12:11,931 (太兵衛(たへえ))ハハハハハハ! 123 00:12:11,997 --> 00:12:15,501 何じゃ だらしがないのう! 124 00:12:21,107 --> 00:12:25,578 (語り)総勢15万8000の軍が 海を渡った 125 00:12:27,680 --> 00:12:30,683 釜山(ふざん)に到着した遠征軍は— 126 00:12:30,750 --> 00:12:35,621 小西行長を先頭に 首都 漢城(かんじょう)を目指して北上 127 00:12:37,723 --> 00:12:38,858 (兵士)放て! 128 00:12:38,924 --> 00:12:41,494 (銃声) 129 00:12:41,560 --> 00:12:46,699 (語り)圧倒的な数の鉄砲の力で 破竹の進撃を続けた 130 00:12:47,767 --> 00:12:49,702 (秀吉)面白いことを申すのう 131 00:12:49,769 --> 00:12:51,937 ハハハハハハ… 132 00:12:52,304 --> 00:12:57,510 徳川(とくがわ)どの 朝鮮攻めは うまくいっておりまするぞ 133 00:12:57,576 --> 00:12:59,812 (家康(いえやす))そのようでございますな 134 00:12:59,879 --> 00:13:03,582 (秀吉)無謀な戦と 異を唱える者もおったが 135 00:13:03,649 --> 00:13:08,120 蓋を開けたら 存外たやすいことであった 136 00:13:08,187 --> 00:13:10,990 ハハハハハハ… 137 00:13:13,926 --> 00:13:16,796 -(三成)失礼いたしまする -(秀吉)おっ いかがした? 138 00:13:17,563 --> 00:13:20,499 (三成)殿下 吉報にございます 139 00:13:20,566 --> 00:13:21,600 (秀吉)何じゃ? 140 00:13:21,934 --> 00:13:25,771 5月3日に 朝鮮の都 漢城が落ちました 141 00:13:26,305 --> 00:13:29,775 誠か!? 漢城が落ちたか! 142 00:13:29,842 --> 00:13:33,913 ハハハハハ… でかした! でかしたぞ 三成! 143 00:13:33,979 --> 00:13:36,182 ほれ どうじゃ? 144 00:13:36,248 --> 00:13:38,417 漢城にいた朝鮮の王は いかがした? 145 00:13:38,984 --> 00:13:41,954 都を見捨てて 逃げ出したそうでございます 146 00:13:42,021 --> 00:13:43,956 (秀吉)そうか… 147 00:13:44,523 --> 00:13:48,360 このまま一気に 明を征服じゃ! 148 00:13:48,894 --> 00:13:51,030 王を逃がしたか… 149 00:13:51,764 --> 00:13:57,336 (秀吉)いよいよ このわしが 海を渡る時が来たようじゃのう 150 00:13:57,403 --> 00:14:00,039 ハハハハハハ… 151 00:14:00,105 --> 00:14:01,140 殿下 152 00:14:01,207 --> 00:14:02,575 何じゃい? 153 00:14:02,641 --> 00:14:05,277 (家康)それは おやめになられたほうが… 154 00:14:05,344 --> 00:14:06,612 何ゆえじゃ? 155 00:14:07,112 --> 00:14:08,948 殿下のご出馬となれば— 156 00:14:09,014 --> 00:14:12,151 この国の守りは がら空きとなってしまいまする 157 00:14:12,618 --> 00:14:16,589 しかも あの辺りの海は 6~7月は荒れるそうで— 158 00:14:16,655 --> 00:14:17,923 危のうござる 159 00:14:18,490 --> 00:14:21,794 ここは 総大将 宇喜多どのに しばらく お任せし— 160 00:14:21,860 --> 00:14:24,063 様子を見てからでも 遅くはないかと 161 00:14:24,129 --> 00:14:26,098 徳川どの そういうわけには まいらぬ 162 00:14:26,165 --> 00:14:28,267 (官兵衛)徳川さまの 申されるとおりにございます 163 00:14:29,902 --> 00:14:30,936 殿下 164 00:14:31,003 --> 00:14:32,204 (秀吉)何じゃい? 165 00:14:34,540 --> 00:14:37,243 それがしを 朝鮮へ お遣わしください 166 00:14:37,543 --> 00:14:38,644 誠か!? 167 00:14:38,711 --> 00:14:42,648 (官兵衛)今は 我が軍勢の勢いに 朝鮮は のまれておりますが 168 00:14:42,715 --> 00:14:46,652 王が生きておるからには いずれ 巻き返しを図ってくるでしょう 169 00:14:47,253 --> 00:14:50,990 それに備え 陣容を整え直さねばなりませぬ 170 00:14:51,056 --> 00:14:53,459 ハハハハハハ… 171 00:14:53,525 --> 00:14:57,096 そうか 官兵衛が やる気を出したか! 172 00:14:57,162 --> 00:14:59,431 よし 朝鮮へ行ってまいれ! 173 00:14:59,498 --> 00:15:00,399 -(官兵衛)はっ -(秀吉)うむ 174 00:15:00,466 --> 00:15:02,167 (三成)それがしも参りまする 175 00:15:05,904 --> 00:15:10,843 戦場の さまをこの目で確かめ 正しく殿下にお伝えいたします 176 00:15:11,343 --> 00:15:16,882 分かった 三成 おぬしも行ってまいれ! 177 00:15:16,949 --> 00:15:19,051 ハハハハハハ… 178 00:15:19,818 --> 00:15:23,055 これは面白くなってきたぞ! 179 00:15:23,122 --> 00:15:25,524 ワッハハハハハ… 180 00:15:25,591 --> 00:15:26,992 ハハハハハハ… 181 00:15:28,127 --> 00:15:32,564 (三成)それがし 朝鮮へ参ることとなりました 182 00:15:35,200 --> 00:15:37,636 (淀)遠い異国の地での戦 183 00:15:39,038 --> 00:15:41,106 くれぐれも気をつけられよ 184 00:15:43,075 --> 00:15:44,777 (三成)ありがとうございます 185 00:15:46,879 --> 00:15:49,848 -(淀)三成どの… -(三成)はい 186 00:15:51,717 --> 00:15:57,456 わたくしは もう一度 殿下の子を産んでみせます 187 00:16:01,360 --> 00:16:02,828 お世継ぎを… 188 00:16:05,764 --> 00:16:06,799 …はい 189 00:16:17,176 --> 00:16:21,146 これは… わたくしの戦 190 00:16:28,954 --> 00:16:33,425 (語り)5月半ば 官兵衛は朝鮮に渡った 191 00:16:45,871 --> 00:16:47,639 (長政)もう一度 考えてくれ 192 00:16:50,275 --> 00:16:53,379 この道のほかに 抜け道はないのか? 193 00:16:54,346 --> 00:16:56,682 (朝鮮語) 194 00:16:58,217 --> 00:17:05,190 {\an8}(朝鮮語) 195 00:17:13,565 --> 00:17:15,034 “ない”と言っております 196 00:17:15,100 --> 00:17:16,869 さようか… 197 00:17:20,973 --> 00:17:24,243 -(善助)大殿のご到着じゃ -(長政)父上! 198 00:17:25,944 --> 00:17:27,713 -(一成(かずしげ))よくぞ ご無事で -(九郎右衛門(くろうえもん))大殿 199 00:17:27,780 --> 00:17:29,815 (又兵衛(またべえ)) 長旅 お疲れさまでございます 200 00:17:34,720 --> 00:17:36,655 (官兵衛)だいぶ疲れておるのう 201 00:17:37,056 --> 00:17:40,292 (善助)慣れぬ異国の地ゆえ 無理もないかと… 202 00:17:40,359 --> 00:17:44,696 当初は破竹の勢いで 平壌(へいじょう)まで兵を進めたのですが 203 00:17:45,431 --> 00:17:48,000 各地で 敵が 巻き返しを強めております 204 00:17:48,467 --> 00:17:51,103 (太兵衛)その兵を進めるにも ひと苦労で… 205 00:17:51,804 --> 00:17:53,038 このように— 206 00:17:53,739 --> 00:17:56,208 手探りで道を見つけながら 行くしかありませぬ 207 00:17:56,275 --> 00:18:00,546 もともと渡された絵図といえば あれだけにございます 208 00:18:01,513 --> 00:18:06,085 (九郎右衛門)朝鮮の八道(はちどう)を 赤国(あかこく)青国(あおこく)白国(しろこく)などと称し— 209 00:18:06,151 --> 00:18:09,188 上陸当初は どこに何があるのかも 分からぬまま— 210 00:18:09,254 --> 00:18:11,256 半ば むやみに戦っておりました 211 00:18:11,323 --> 00:18:13,292 (又兵衛)今は この地の百姓に金をやって— 212 00:18:13,358 --> 00:18:17,296 道案内をさせておりますが いつまで従うことか… 213 00:18:18,664 --> 00:18:21,033 (一成)兵糧も 次第に乏しくなっております 214 00:18:21,867 --> 00:18:25,437 (長政)このひと月 敵の水軍に阻まれ— 215 00:18:25,938 --> 00:18:27,840 何も届いておりませぬ 216 00:18:28,540 --> 00:18:30,242 (又兵衛) 疫病も はやっております 217 00:18:30,576 --> 00:18:34,313 このままでは 我ら黒田の兵は この地で野たれ死にでございます 218 00:18:38,050 --> 00:18:40,152 思った以上に ひどいな 219 00:18:41,653 --> 00:18:42,921 (善助)ええ 220 00:18:48,260 --> 00:18:50,329 (官兵衛)全軍 漢城に集まり— 221 00:18:50,829 --> 00:18:52,764 守りを固めるべきでござる 222 00:18:52,831 --> 00:18:53,966 わしも そう思う 223 00:18:54,032 --> 00:18:58,303 いや 平壌を奪った勢いで 一気に 明に攻め込むべきでございます 224 00:18:58,370 --> 00:19:00,672 -(大名)そうじゃ -(官兵衛)明を侮ってはならぬ 225 00:19:00,739 --> 00:19:03,575 まずは守りを固め 敵の出方をうかがうのだ 226 00:19:03,642 --> 00:19:06,411 なまぬるい! 構わず蹴散らすのみ 227 00:19:06,478 --> 00:19:08,413 何をさように はやっておる 228 00:19:14,153 --> 00:19:16,421 (三成)加藤どのは どこにおられます? 229 00:19:16,922 --> 00:19:19,491 (秀家)逃げた朝鮮国の王子を 生け捕りにすると— 230 00:19:19,558 --> 00:19:20,859 北へ向かったが… 231 00:19:21,326 --> 00:19:23,028 また 抜け駆けじゃ 232 00:19:23,095 --> 00:19:25,564 あやつは己の手柄のことしか 考えておらんのだ 233 00:19:25,631 --> 00:19:27,966 小西どの 無礼であろう 234 00:19:28,033 --> 00:19:30,202 そんなに先を越されるのが お嫌か? 235 00:19:30,269 --> 00:19:31,570 なに!? 236 00:19:32,604 --> 00:19:33,639 (長政)石田どの 237 00:19:34,606 --> 00:19:39,478 兵糧が一向に届きませぬが 一体 どうなっておるのでござる? 238 00:19:40,045 --> 00:19:41,980 兵は飢えておりまする 239 00:19:42,614 --> 00:19:48,120 今 水軍を立て直しておるところで いましばらく お待ちいただきたい 240 00:19:48,554 --> 00:19:50,889 (正則)待てぬ! 腹が減っては戦はできぬ! 241 00:19:50,956 --> 00:19:54,393 (大名)そうじゃ! そもそも おぬしは何しに来た? 242 00:19:55,294 --> 00:19:59,665 それがし 皆さまの働きを 見極めるために参りました 243 00:19:59,731 --> 00:20:00,799 (正則)戦もせずに— 244 00:20:00,866 --> 00:20:03,335 あることないこと 殿下に吹き込むつもりか! 245 00:20:04,169 --> 00:20:06,171 あるがままをご報告する 246 00:20:06,972 --> 00:20:10,542 それが殿下の名代の 拙者(せっしゃ)の役目でござる 247 00:20:11,810 --> 00:20:14,780 殿下に 何を お報(しら)せするおつもりやら 248 00:20:16,348 --> 00:20:18,383 讒言(ざんげん)するのが お役目か? 249 00:20:19,551 --> 00:20:21,453 いま一度 申してみよ 250 00:20:25,190 --> 00:20:26,358 (官兵衛)よせ! 251 00:20:26,425 --> 00:20:28,193 (隆景)皆も少し頭を冷やせ 252 00:20:28,260 --> 00:20:29,528 石田どの 253 00:20:35,000 --> 00:20:36,168 (隆景)休むぞ 254 00:20:50,849 --> 00:20:54,720 勢いに任せて ここまで 兵を進めてまいりましたが 255 00:20:55,887 --> 00:20:59,258 かように 皆の心が ばらばらとは… 256 00:20:59,758 --> 00:21:02,628 この戦には大義がないからじゃ 257 00:21:03,328 --> 00:21:05,197 このままでは まずい 258 00:21:06,064 --> 00:21:07,899 わしは一旦 名護屋へ帰る 259 00:21:08,300 --> 00:21:09,368 はっ 260 00:21:10,202 --> 00:21:11,770 下手をすると— 261 00:21:13,939 --> 00:21:15,974 日本国が滅びるぞ 262 00:21:22,047 --> 00:21:24,249 (語り)官兵衛は 急きょ 帰国し— 263 00:21:24,683 --> 00:21:27,185 名護屋の秀吉のもとへ戻った 264 00:21:28,353 --> 00:21:29,721 しかし… 265 00:21:30,389 --> 00:21:32,057 大政所(おおまんどころ)さまが…? 266 00:21:32,624 --> 00:21:35,661 (直政(なおまさ))お亡くなりになられたのは 半月ほど前 267 00:21:36,128 --> 00:21:39,331 それで 殿下は 急ぎ 大坂に戻られました 268 00:21:41,299 --> 00:21:46,371 お母上を亡くされ 殿下は大変な悲しみようじゃ 269 00:21:47,606 --> 00:21:51,376 しばらくは こちらへは戻られぬであろう 270 00:22:01,520 --> 00:22:03,889 朝鮮の様子は どうじゃ? 271 00:22:07,025 --> 00:22:09,361 軍に まとまりがございませぬ 272 00:22:09,861 --> 00:22:13,632 兵糧は尽きかけ 危のうござる 273 00:22:14,466 --> 00:22:16,702 やはり 無謀な戦であったか… 274 00:22:17,869 --> 00:22:19,938 (官兵衛)お身内の大事は 分かりますが 275 00:22:20,405 --> 00:22:25,377 海の向こうでは 十数万の兵が難渋しておる! 276 00:22:27,446 --> 00:22:29,481 今すぐ手を打たねば… 277 00:22:30,649 --> 00:22:33,151 それがし 大坂へ上り 殿下を説いてまいる 278 00:22:33,218 --> 00:22:35,854 今 申し上げても無駄じゃ 279 00:22:36,621 --> 00:22:39,524 殿下が夢から覚めるのを 待つしかあるまい 280 00:22:49,835 --> 00:22:50,936 (朝鮮語) 281 00:22:51,737 --> 00:22:56,641 (語り)年が明け 朝鮮での戦況は 更に悪化した 282 00:22:57,509 --> 00:23:00,846 (又兵衛)さあ どんどん 中へ! けが人を奥へ連れていけ! 283 00:23:00,912 --> 00:23:04,049 (長政)ここは黒田の城じゃ 安堵(あんど)せよ! 284 00:23:04,383 --> 00:23:05,917 小西どの! 285 00:23:11,156 --> 00:23:12,190 (一成)さあ 286 00:23:17,129 --> 00:23:18,530 (長政)大事ありませぬか? 287 00:23:19,464 --> 00:23:20,766 (行長)面目ない… 288 00:23:23,034 --> 00:23:28,473 明の大軍が平壌に押し寄せ 命からがら逃げてまいった 289 00:23:29,808 --> 00:23:30,842 (長政)兵は? 290 00:23:32,310 --> 00:23:37,115 1万5000いたが 戻るころには… 291 00:23:37,482 --> 00:23:38,784 半分に… 292 00:23:41,052 --> 00:23:42,654 (行長)浅はかであった… 293 00:23:44,589 --> 00:23:46,858 官兵衛さまのおっしゃったとおり 294 00:23:48,160 --> 00:23:51,663 漢城で守りを固めるべきであった 295 00:23:58,870 --> 00:24:00,338 宇喜多さまに報せよ 296 00:24:01,273 --> 00:24:03,942 “我らは すぐに 小西勢と漢城まで戻り—” 297 00:24:04,509 --> 00:24:05,977 “敵を迎え撃つ”と 298 00:24:06,444 --> 00:24:07,479 はっ 299 00:24:14,986 --> 00:24:20,725 (語り)一方 そのころ 名護屋城には 秀吉が戻っていた 300 00:24:20,792 --> 00:24:24,763 (謡(うたい)) 301 00:24:33,872 --> 00:24:39,544 (秀吉)あ~ あ~ ハハハハハハ… 302 00:24:39,611 --> 00:24:42,047 腰に来てしもうた ハハハ 303 00:24:42,113 --> 00:24:45,884 師匠 ありがたや ありがたや 304 00:24:45,951 --> 00:24:48,153 ハハハハハハハ… 305 00:24:48,620 --> 00:24:51,456 また お頼み申すぞ 306 00:24:52,190 --> 00:24:55,093 ハハハハハハ… 307 00:24:55,393 --> 00:24:59,431 ハッハハハハハ… 308 00:24:59,498 --> 00:25:03,368 いや~ 体が思うように動かんのう 309 00:25:03,435 --> 00:25:06,738 しかし 実に面白い 310 00:25:06,805 --> 00:25:09,241 ハハハハハハ… 311 00:25:09,574 --> 00:25:12,210 茶々 おぬしも退屈であろう 312 00:25:12,978 --> 00:25:16,281 舞を お前も習ったらどうじゃ? 313 00:25:18,116 --> 00:25:20,585 今の わたくしには 無理でございます 314 00:25:20,652 --> 00:25:22,787 あ~ 何ゆえじゃ? 315 00:25:23,722 --> 00:25:27,526 ん? 何ゆえじゃ? フフフ 316 00:25:27,592 --> 00:25:32,030 何ゆえじゃ 何ゆえじゃ 何ゆえじゃ? 317 00:25:32,097 --> 00:25:35,333 フフッ ん? ん? ん? 318 00:25:46,211 --> 00:25:47,512 戯(ざ)れ言ではあるまいな? 319 00:25:51,216 --> 00:25:53,752 初めてではございませぬゆえ 320 00:25:57,289 --> 00:25:58,990 間違いありませぬ 321 00:25:59,057 --> 00:26:02,694 ハハハハハハ… 322 00:26:02,761 --> 00:26:06,865 でかした! でかしたぞ 茶々! ハハハハハハ… 323 00:26:07,365 --> 00:26:09,067 でかした でかした! 324 00:26:09,134 --> 00:26:14,105 ハハハハハハ… 325 00:26:14,806 --> 00:26:17,642 ♪ めでたけれ 326 00:26:17,709 --> 00:26:20,478 ♪ めでたけれ 327 00:26:20,545 --> 00:26:21,880 ♪ めでたけれ 328 00:26:21,947 --> 00:26:24,849 (語り)鶴松の死から 1年余りで— 329 00:26:25,283 --> 00:26:27,953 淀は 再び みごもった 330 00:26:31,423 --> 00:26:32,824 (足音) 331 00:26:32,891 --> 00:26:36,261 (秀吉)ハハハハハハ ハハハハハハ… 332 00:26:36,828 --> 00:26:38,863 官兵衛! 長吉(ながよし)! 333 00:26:39,197 --> 00:26:43,001 喜べ ハハハハハハ… 334 00:26:43,068 --> 00:26:46,304 茶々が みごもった! 335 00:26:47,305 --> 00:26:48,840 祝着至極に存じまする 336 00:26:48,907 --> 00:26:50,141 (秀吉)ハハハハハハ… 337 00:26:50,208 --> 00:26:51,242 (浅野(あさの))おめでとうございまする 338 00:26:51,676 --> 00:26:57,148 きっと 相性がよいのであろう わしと茶々は 339 00:26:57,215 --> 00:27:00,051 ハハハハハハハ… 340 00:27:01,653 --> 00:27:09,194 鶴松は “棄(すてる)”と名付けて 早死にしてしもうた 341 00:27:10,328 --> 00:27:13,932 じゃがな こたびは縁起を担いで— 342 00:27:14,733 --> 00:27:19,104 “棄”の逆 “拾(ひろい)”と名付けようと 思っておる 343 00:27:20,372 --> 00:27:23,408 まだ おのこと 分かったわけではないが 344 00:27:23,875 --> 00:27:25,443 きっと おのこに違いない! 345 00:27:25,944 --> 00:27:28,646 ハハハハハハ… 346 00:27:28,713 --> 00:27:31,082 このわしの跡継ぎじゃ 347 00:27:31,149 --> 00:27:36,087 跡継ぎじゃ~! ハハハハハハ… 348 00:27:37,889 --> 00:27:41,526 して 用向きは何じゃい? 349 00:27:43,828 --> 00:27:49,134 敵が朝鮮の都 漢城に迫り 苦戦を強いられておりまする 350 00:27:50,035 --> 00:27:52,871 お味方の奮戦で 一旦は押し返しましたが 351 00:27:52,937 --> 00:27:55,073 その勢いは侮れませぬ 352 00:27:56,141 --> 00:28:00,245 かくなる上は 和睦を図るほかございませぬ 353 00:28:01,346 --> 00:28:02,847 和睦じゃと? 354 00:28:02,914 --> 00:28:08,153 兵糧も尽きかけております 海は 朝鮮の水軍に抑えられ— 355 00:28:08,219 --> 00:28:12,457 陸路も 義兵を名乗る一揆(いっき)が起こり 手を焼いております 356 00:28:13,191 --> 00:28:16,294 兵の士気も下がり 皆 疲れ果て— 357 00:28:17,562 --> 00:28:19,464 多くの者が死にました 358 00:28:22,834 --> 00:28:24,803 ひどい ありさまでございます 359 00:28:26,738 --> 00:28:27,972 何とぞ… 360 00:28:38,616 --> 00:28:39,651 相分かった! 361 00:28:41,553 --> 00:28:45,490 官兵衛 おぬしに任せる 362 00:28:46,157 --> 00:28:46,991 はっ! 363 00:28:47,058 --> 00:28:48,093 (秀吉)うむ 364 00:28:50,061 --> 00:28:52,964 (秀吉)ハハハハハハ… 365 00:28:54,265 --> 00:28:57,969 (光(てる))淀のお方さまが また ご懐妊なさいましたこと— 366 00:28:58,036 --> 00:29:00,538 心より お祝い申し上げます 367 00:29:00,605 --> 00:29:02,373 (おね)ありがとう 368 00:29:02,807 --> 00:29:08,246 殿下のお年を考えたら もう無理かと思っていましたが 369 00:29:08,680 --> 00:29:12,083 分からないものですね ハハハハハハ… 370 00:29:13,318 --> 00:29:17,555 やはり 淀のお方さまには 運がおありになるようで 371 00:29:17,622 --> 00:29:20,892 おかげで 殿下も 立ち直ったようです 372 00:29:21,292 --> 00:29:25,163 明との戦も 和睦が進んでおるようで… 373 00:29:25,797 --> 00:29:30,435 このまま終われば 長政も 清正も 正則も— 374 00:29:30,502 --> 00:29:32,537 皆 無事に帰ってきます 375 00:29:32,604 --> 00:29:35,006 誠でございますか? 376 00:29:36,141 --> 00:29:39,477 そうなれば こんなに うれしいことはないのですが… 377 00:29:39,544 --> 00:29:41,646 わたくしとて同じ 378 00:29:41,713 --> 00:29:45,083 我が子同然に育てた 大事な息子たちです 379 00:29:46,417 --> 00:29:50,121 官兵衛どのが ついていてくれた おかげですね 380 00:29:56,995 --> 00:30:02,734 (語り) 2月 官兵衛は 和睦のため 再び 朝鮮へ渡った 381 00:30:04,502 --> 00:30:08,206 しかし 秀吉が出した和睦の条件は— 382 00:30:08,273 --> 00:30:12,810 明や朝鮮の合意を得るには 程遠いものであった 383 00:30:22,120 --> 00:30:23,855 (官兵衛)小西を助け— 384 00:30:25,557 --> 00:30:28,026 黒田が踏みとどまったがゆえに— 385 00:30:28,726 --> 00:30:32,163 我が方は 全軍 総崩れにならずに済んだのだ 386 00:30:33,865 --> 00:30:35,333 皆 よくやった 387 00:30:39,938 --> 00:30:42,173 おぬしたちの苦労も これまでじゃ 388 00:30:44,008 --> 00:30:46,644 …して 和睦は? 389 00:30:47,278 --> 00:30:48,613 許しが出た 390 00:30:52,617 --> 00:30:56,487 (太兵衛)ようやく 先が見えてきましたな 391 00:30:58,556 --> 00:31:03,194 大殿 正直 皆 国へ帰りたがっております 392 00:31:03,661 --> 00:31:07,065 かような異国の地に 屍(しかばね)は さらしたくありませぬゆえ 393 00:31:11,069 --> 00:31:12,237 (足音) 394 00:31:15,473 --> 00:31:16,774 小西どの… 395 00:31:24,315 --> 00:31:28,219 (行長)それがしは いかがすればよいのでしょう? 396 00:31:30,154 --> 00:31:33,524 殿下から 明との和睦の折衝を 命じられましたが 397 00:31:33,591 --> 00:31:37,829 殿下が示した申し条を 明がのむとは とても思えませぬ 398 00:31:41,432 --> 00:31:42,901 読まれましたか? 399 00:31:45,703 --> 00:31:47,171 (官兵衛)知っておる 400 00:31:48,473 --> 00:31:51,476 “明国の王女を 我が国の朝廷に嫁がせよ” 401 00:31:51,876 --> 00:31:55,780 “朝鮮の半分を割譲せよ”などと 無理難題ばかり… 402 00:31:55,847 --> 00:31:59,083 これでは 和睦など かないませぬ 403 00:32:01,419 --> 00:32:02,453 手はある 404 00:32:04,355 --> 00:32:05,590 どのような? 405 00:32:07,759 --> 00:32:10,161 申し条を見せねばよい 406 00:32:10,228 --> 00:32:12,130 (行長)はっ 何を! 407 00:32:15,867 --> 00:32:17,368 明とて… 408 00:32:19,337 --> 00:32:21,572 長い戦を望んではおらぬ 409 00:32:23,074 --> 00:32:27,245 申し条を伏せたまま 明と折衝し— 410 00:32:29,180 --> 00:32:31,215 使者を出すように促す 411 00:32:32,617 --> 00:32:33,718 殿下を… 412 00:32:36,120 --> 00:32:37,588 欺くのでござるか? 413 00:32:38,556 --> 00:32:40,291 ほかに道はない 414 00:32:46,164 --> 00:32:47,532 とにかく— 415 00:32:49,801 --> 00:32:52,904 1日も早く この無謀な戦を終わらせる 416 00:33:00,211 --> 00:33:04,549 このこと 他言無用じゃ 417 00:33:05,783 --> 00:33:06,818 よいな? 418 00:33:15,326 --> 00:33:18,496 我らは あまりにも 敵を知らなすぎた 419 00:33:21,966 --> 00:33:23,301 この1年 420 00:33:26,204 --> 00:33:29,907 言葉も分からぬ異国の地で 戦う難しさが— 421 00:33:30,942 --> 00:33:32,744 身にしみたはず 422 00:33:36,681 --> 00:33:39,283 今や この国の民からも— 423 00:33:40,852 --> 00:33:42,620 敵と見なされておる! 424 00:33:45,590 --> 00:33:48,526 すぐに兵を退(ひ)くのが 最善の策でござる! 425 00:33:48,593 --> 00:33:52,563 官兵衛の言うとおりじゃ 兵糧も尽きかけておる 426 00:33:52,997 --> 00:33:55,166 このままでは 総崩れじゃ 427 00:33:56,734 --> 00:34:01,239 (官兵衛)和睦を進める以上 この漢城に とどまる意味はない 428 00:34:02,039 --> 00:34:04,175 すぐに兵を釜山まで退こう 429 00:34:04,242 --> 00:34:06,044 お待ちくだされ 430 00:34:08,379 --> 00:34:13,151 殿下から 何があっても漢城を 守れとの命を受けております 431 00:34:13,584 --> 00:34:15,052 離れるわけにはいきませぬ 432 00:34:15,119 --> 00:34:19,457 当地のありさまをお伝えすれば 殿下も お分かりいただける 433 00:34:19,524 --> 00:34:21,692 殿下の命に背くおつもりか? 434 00:34:22,627 --> 00:34:24,762 殿下の命を守って— 435 00:34:27,131 --> 00:34:29,667 皆に討ち死にせよと申されるか? 436 00:34:35,373 --> 00:34:40,912 ここは 総大将の秀家さまに ご決断を仰ごう 437 00:34:45,950 --> 00:34:48,653 兵糧がなくては 生きてはいけぬ 438 00:34:52,890 --> 00:34:54,759 釜山まで退くこととする! 439 00:34:57,895 --> 00:35:00,298 よし すぐに支度じゃ 440 00:35:00,364 --> 00:35:01,499 (一同)はっ 441 00:35:17,748 --> 00:35:19,584 よいのか? 三成! 442 00:35:19,650 --> 00:35:21,052 このまま漢城を捨てたら— 443 00:35:21,119 --> 00:35:24,355 この1年に及ぶ戦は 何の意味もなくなる 444 00:35:24,422 --> 00:35:29,060 奉行の我らが 殿下から おとがめを受けることになるぞ 445 00:35:34,398 --> 00:35:35,566 (三成)黒田どの 446 00:35:41,038 --> 00:35:45,176 我ら奉行衆は ひと足先に名護屋へ帰りまする 447 00:35:46,477 --> 00:35:48,379 黒田どのも ご同行願いたい 448 00:35:54,819 --> 00:35:56,454 こたびの成り行き 449 00:35:57,421 --> 00:35:59,924 殿下に しかと 説き明かしていただきたい 450 00:36:01,025 --> 00:36:06,264 これは 軍師 黒田官兵衛どのにしか できぬお役目でござる 451 00:36:08,099 --> 00:36:09,233 分かった 452 00:36:21,979 --> 00:36:25,550 (語り)日本軍は 首都 漢城を放棄し— 453 00:36:25,616 --> 00:36:27,885 釜山まで兵を退いた 454 00:36:28,419 --> 00:36:34,492 一方 官兵衛は 三成らと共に 名護屋へ戻った 455 00:36:34,559 --> 00:36:36,093 (秀吉)面を上げよ 456 00:36:41,265 --> 00:36:43,267 朝鮮の件は聞いた 457 00:36:44,936 --> 00:36:48,339 官兵衛… おぬしは— 458 00:36:48,839 --> 00:36:54,011 初めから この戦 やめることばかり考えておったのう 459 00:36:55,680 --> 00:36:58,816 そのとおりになったということか 460 00:37:00,952 --> 00:37:06,824 しかし こうまで このわしの命を ないがしろにされては— 461 00:37:07,892 --> 00:37:09,760 腹に据えかねる 462 00:37:10,995 --> 00:37:13,898 (官兵衛)釜山まで 兵を 退いたことでございましょうか? 463 00:37:14,465 --> 00:37:15,733 (秀吉)そうじゃ 464 00:37:17,034 --> 00:37:19,604 何ゆえ 漢城を捨てた? 465 00:37:22,139 --> 00:37:24,508 (官兵衛)漢城に しがみついていては— 466 00:37:24,575 --> 00:37:26,811 総崩れのおそれがございました 467 00:37:27,445 --> 00:37:31,015 ゆえに 兵を退いたのでございます 468 00:37:32,216 --> 00:37:36,654 殿下は それがしに任せると お命じになられたはず 469 00:37:37,221 --> 00:37:40,725 わしの命に背いてよいとは 言っておらぬ 470 00:37:42,660 --> 00:37:43,995 まだあるぞ 471 00:37:44,929 --> 00:37:48,966 おぬしは このわしの名代たる奉行衆を— 472 00:37:50,167 --> 00:37:52,169 ないがしろにしたそうじゃな 473 00:37:53,838 --> 00:37:55,940 (官兵衛) 何のことでございましょうか? 474 00:37:56,007 --> 00:38:02,413 (秀吉)朝鮮で 三成と共に 奉行衆が— 475 00:38:02,747 --> 00:38:05,850 おぬしの意見を聞こうと 訪ねたところ 476 00:38:06,517 --> 00:38:10,788 おぬしは 碁に夢中になっており— 477 00:38:11,322 --> 00:38:13,457 会わなかったそうじゃな 478 00:38:13,791 --> 00:38:15,359 それは違います 479 00:38:16,093 --> 00:38:20,164 確かに碁打ちに興じている時に お奉行衆が訪ねてまいりました 480 00:38:20,498 --> 00:38:23,968 されど その時は 大した用件ではないゆえ— 481 00:38:24,035 --> 00:38:26,704 また 出直してまいるとのことで ござったはず 482 00:38:27,038 --> 00:38:29,774 (秀吉)ハハハハハハ… 483 00:38:30,307 --> 00:38:34,211 このわしが聞いたことと 随分 違うのう 484 00:38:36,747 --> 00:38:38,149 まあ よい 485 00:38:39,517 --> 00:38:40,918 官兵衛… 486 00:38:45,790 --> 00:38:47,858 極め付けは今じゃ! 487 00:38:50,528 --> 00:38:51,962 わしは— 488 00:38:53,331 --> 00:38:57,335 おぬしに 帰国せよと命じた覚えはない 489 00:39:02,640 --> 00:39:05,910 何ゆえ 無断で帰ってきた? 490 00:39:05,976 --> 00:39:07,344 無断? 491 00:39:16,120 --> 00:39:17,421 (官兵衛)三成… 492 00:39:23,527 --> 00:39:25,930 わしを陥れるために— 493 00:39:29,333 --> 00:39:30,768 ここまでやるか… 494 00:39:31,802 --> 00:39:33,237 (秀吉)官兵衛! 495 00:39:34,472 --> 00:39:37,041 貴様 誰に向かって 口を利いておる! 496 00:39:39,043 --> 00:39:40,244 貴様の… 497 00:39:42,747 --> 00:39:45,182 無礼な態度に— 498 00:39:46,650 --> 00:39:49,820 このわしは 幾度となく腹を立ててきた 499 00:39:51,989 --> 00:39:56,393 じゃが それを許したのは— 500 00:39:57,962 --> 00:40:01,098 おぬしとは長いつきあいゆえじゃ 501 00:40:02,767 --> 00:40:06,670 じゃが こたびの件は— 502 00:40:07,605 --> 00:40:12,910 さすがに このわしも 堪忍袋の緒が切れた! 503 00:40:12,977 --> 00:40:17,148 ハハハハハハ… 504 00:40:20,117 --> 00:40:25,356 この太閤をこけにした罪は重いぞ 505 00:40:27,892 --> 00:40:30,294 (秀吉)当地にて蟄居(ちっきょ)せよ 506 00:40:31,862 --> 00:40:34,899 覚悟して沙汰を待て! 507 00:41:09,567 --> 00:41:13,537 (三成)殿下の怒りを全て 黒田どのに向けることができました 508 00:41:15,239 --> 00:41:17,575 これで 我らに おとがめはない 509 00:41:18,342 --> 00:41:23,047 更に 黒田どのを 葬り去ることができ— 510 00:41:26,250 --> 00:41:28,152 一挙両得でござる 511 00:41:28,786 --> 00:41:32,022 恐ろしい男だ おぬしは 512 00:41:44,435 --> 00:41:46,837 (長政)父上が蟄居を命じられた 513 00:41:48,472 --> 00:41:50,040 どういうことだ? 514 00:41:50,107 --> 00:41:52,610 悪くすると… 切腹? 515 00:41:52,977 --> 00:41:54,011 なに!? 516 00:41:54,345 --> 00:41:56,247 そんな馬鹿(ばか)な… 517 00:41:57,281 --> 00:41:59,383 一体 何があったというのだ! 518 00:42:00,251 --> 00:42:05,256 (雨の音) 519 00:42:27,011 --> 00:42:30,347 (語り)この時 官兵衛は— 520 00:42:30,414 --> 00:42:34,485 生きるか死ぬかの瀬戸際に 立たされていた 521 00:42:39,423 --> 00:42:42,226 (官兵衛)我が命 尽きるか長らえるか… 522 00:42:42,293 --> 00:42:43,727 全ては 明日 決まる 523 00:42:44,028 --> 00:42:45,496 (秀吉)このわしが— 524 00:42:45,563 --> 00:42:46,931 死んでからということか… 525 00:42:46,997 --> 00:42:49,500 (秀次)わしは 誠の力を手に入れたいのだ 526 00:42:49,567 --> 00:42:51,869 (淀)邪魔立てする者は 全て… 527 00:42:51,936 --> 00:42:53,037 (家康)切腹…? 528 00:42:53,103 --> 00:42:53,771 ズド~ン! 529 00:42:53,837 --> 00:42:56,106 (官兵衛)この命 お救い願いたい! 530 00:42:56,173 --> 00:42:56,974 如水(じょすい)どの 531 00:42:57,041 --> 00:42:58,709 如水じゃと? 532 00:42:58,776 --> 00:43:00,577 (官兵衛)この黒田官兵衛 533 00:43:00,644 --> 00:43:03,948 名を如水円清(えんせい)と 号しとう存じまする