1 00:01:58,085 --> 00:02:03,090 (捕り方たち)御用だ! 御用だ! 御用だ! 御用だ! 御用だ! 2 00:02:03,090 --> 00:02:23,110 ・~ 3 00:02:23,110 --> 00:02:43,130 ・~ 4 00:02:43,130 --> 00:03:03,083 ・~ 5 00:03:03,083 --> 00:03:06,083 ・~ 6 00:03:09,089 --> 00:03:12,092 (江藤)<鈴虫の声が聞こえだすと・ 7 00:03:12,092 --> 00:03:16,096 暑い夏も もう終わりでございます> 8 00:03:16,096 --> 00:03:23,103 <夜風に吹かれながら聞く虫の声は 誠に風流なものですが…> 9 00:03:23,103 --> 00:03:27,107 <しかし また美しい虫の音は・ 10 00:03:27,107 --> 00:03:32,112 やがて来る 秋の嵐の前ぶれでもございます> 11 00:03:32,112 --> 00:03:50,130 ・~ 12 00:03:50,130 --> 00:03:52,130 (岸川)エイ! 13 00:03:57,070 --> 00:04:00,070 (岸川)ターッ! 14 00:04:08,081 --> 00:04:10,083 ハーッ! ワーッ! 15 00:04:10,083 --> 00:04:12,083 ハッ! 16 00:04:23,096 --> 00:04:25,098 (杉山)おお ひでえ 17 00:04:25,098 --> 00:04:28,101 寄ってたかって 斬り刻んだって感じだな 18 00:04:28,101 --> 00:04:30,103 (狩谷)いや そう見えるが・ 19 00:04:30,103 --> 00:04:33,106 多分 1人でやった仕事だ 政吉 全部で何か所だ? 20 00:04:33,106 --> 00:04:38,111 (政吉)えーっと 12… 13… 14… 15か所です 21 00:04:38,111 --> 00:04:40,113 (杉山)ひとりで15太刀も 斬ったってのか? 22 00:04:40,113 --> 00:04:45,113 よく見ろ 全部 正面から斬られた傷だ 23 00:04:47,120 --> 00:04:53,126 う~ん 俺は当分 まぐろのぶつ 食えねえな 24 00:04:53,126 --> 00:04:56,126 物取りの仕業じゃねえな 25 00:04:59,065 --> 00:05:02,068 こいつだって 簡単に斬られるたまじゃねえぞ 26 00:05:02,068 --> 00:05:04,068 大分 修行を積んでる 27 00:05:08,074 --> 00:05:13,079 こいつを殺ったのは 恐ろしく腕の立つ奴だ 28 00:05:13,079 --> 00:05:16,082 左腕が 肩から ばっさり落とされて・ 29 00:05:16,082 --> 00:05:19,085 とどめのひと太刀は 左の肩口から右の腰骨まで・ 30 00:05:19,085 --> 00:05:22,088 袈裟がけに真っ二つです (江藤)うわぁ… 31 00:05:22,088 --> 00:05:26,088 腰の皮1枚で 胴体と つながってるって感じですね 32 00:05:28,094 --> 00:05:32,098 もう いいよ 胸が悪くなっちまうよ 33 00:05:32,098 --> 00:05:36,102 さあ すいかも食べ納めですよ たくさん召し上がってくださいな 34 00:05:36,102 --> 00:05:38,104 ・(政吉)ごめんなすって 35 00:05:38,104 --> 00:05:41,107 身元が割れたか? 旦那の読みが当たりました 36 00:05:41,107 --> 00:05:43,109 仏さんの名前は岸川兵衛 37 00:05:43,109 --> 00:05:45,111 小石川にある 岩井道場の師範代です 38 00:05:45,111 --> 00:05:47,113 すると 岩井道場の四天王のひとりか? 39 00:05:47,113 --> 00:05:50,116 ええ 相当 名の通った剣客だそうです 40 00:05:50,116 --> 00:05:52,118 (江藤)強えのか? 41 00:05:52,118 --> 00:05:55,121 岩井の師範代は 凄腕ぞろいと聞いてます 42 00:05:55,121 --> 00:05:59,059 う~ん そんな強え奴がなぁ 43 00:05:59,059 --> 00:06:03,063 なんとも哀れな末路だ なんまいだぁ なんまいだぁ 44 00:06:03,063 --> 00:06:08,068 (鳥蔵)今度の 一件は 案外あっさり底が割れそうで へい 45 00:06:08,068 --> 00:06:11,071 珍しく強気じゃないか お前 (政吉)いえね 46 00:06:11,071 --> 00:06:14,074 先代の道場主 岩井道斉が 急死してから足かけ5年 47 00:06:14,074 --> 00:06:18,078 後継ぎのないまま 4人の師範代が 道場を守ってきたそうなんですが 48 00:06:18,078 --> 00:06:20,080 最近になって もめてるそうなんで 49 00:06:20,080 --> 00:06:27,087 道場主の座を巡って4人の師範代が けんかをおっ始めたってわけか 50 00:06:27,087 --> 00:06:30,090 さすが旦那! 年季が入ってらっしゃる 51 00:06:30,090 --> 00:06:33,093 フフッ… 当たり前よ 52 00:06:33,093 --> 00:06:37,097 フフッ… そんな おだてたって すいかしか出ませんのに 53 00:06:37,097 --> 00:06:40,100 さあ どうぞ 残さず召し上がってくださいな 54 00:06:40,100 --> 00:06:43,103 はぁ こりゃあ どうも (ゆい)はい あなた1つだけね 55 00:06:43,103 --> 00:06:45,103 ああ まだ途中だから 預かっときます 56 00:06:48,108 --> 00:06:51,111 (栗原)岸川どのの亡骸は ご覧になりましたか? 57 00:06:51,111 --> 00:06:56,116 (後藤)剣を教える者に ふさわしからぬ ぶざまなことと・ 58 00:06:56,116 --> 00:06:59,116 ご迷惑をおかけする 59 00:07:01,054 --> 00:07:06,059 いや それが無念の死を遂げた 同僚に対するお言葉ですか? 60 00:07:06,059 --> 00:07:12,065 なかなか手厳しいですな 道場主が決まらぬまま・ 61 00:07:12,065 --> 00:07:16,069 4人の師範代が 5年も 面突き合わせてると・ 62 00:07:16,069 --> 00:07:20,073 時には確執もあるんでしょうな 63 00:07:20,073 --> 00:07:24,077 道場主がいないというのは 何か訳があってのことですか? 64 00:07:24,077 --> 00:07:28,081 いや 先代の 道斉先生にお子がなかった 65 00:07:28,081 --> 00:07:30,083 それだけのことでござる 66 00:07:30,083 --> 00:07:35,088 (笹部)先代のお子なら ここに 美尾どのがおられるではないか 67 00:07:35,088 --> 00:07:38,091 子がなかったというのは・ 68 00:07:38,091 --> 00:07:40,093 後継者たるべき 男子がなかったという意味だ 69 00:07:40,093 --> 00:07:43,096 それなら そうと はっきり言え! 70 00:07:43,096 --> 00:07:45,098 先代の一人娘 美尾どのだ 71 00:07:45,098 --> 00:07:50,103 今では この後藤の 女房どのになっておられる 72 00:07:50,103 --> 00:07:52,105 先代の娘子をめとられたんなら・ 73 00:07:52,105 --> 00:07:55,108 当然 あなたが道場主のはずでしょう 74 00:07:55,108 --> 00:07:59,045 後藤には その権利はない! (杉山)それは どういうことで? 75 00:07:59,045 --> 00:08:02,048 後藤が 美尾どのをめとったとき 先代は・ 76 00:08:02,048 --> 00:08:06,052 既に この世にいなかったんだ 従って この道場の後継者として・ 77 00:08:06,052 --> 00:08:10,056 後藤が 正式に認められたわけではない 78 00:08:10,056 --> 00:08:13,059 失礼ながら このお方は? 79 00:08:13,059 --> 00:08:17,063 師範代のひとり 笹部泰蔵です 80 00:08:17,063 --> 00:08:19,065 この道場には もうひと方・ 81 00:08:19,065 --> 00:08:22,068 師範代がおられるはずですが? (笹部)林軍平だ 82 00:08:22,068 --> 00:08:25,071 林どのにも 事情を伺いたいのですが… 83 00:08:25,071 --> 00:08:27,073 いや 林は 今 道場におりませぬ 84 00:08:27,073 --> 00:08:31,077 お出かけですか? 行き先をお聞かせ願いたい 85 00:08:31,077 --> 00:08:33,079 それは申し上げかねる 86 00:08:33,079 --> 00:08:36,082 私どもで 勝手に 調べるとなると こちらさまに・ 87 00:08:36,082 --> 00:08:40,086 ご迷惑をかけることになりますが かまいませんか? 88 00:08:40,086 --> 00:08:44,090 フン! 下手に隠そうとするから かえって疑われるんだ 89 00:08:44,090 --> 00:08:46,092 貴公は黙ってろ! 90 00:08:46,092 --> 00:08:49,095 林は おとといから 行方をくらましておる 91 00:08:49,095 --> 00:08:51,097 いや 偶然ですな 92 00:08:51,097 --> 00:08:55,101 岸川どのが殺害されたのも おとといの夜でござった 93 00:08:55,101 --> 00:08:57,037 ・(足音) 94 00:08:57,037 --> 00:08:59,039 ・(門人)申し上げます 95 00:08:59,039 --> 00:09:02,042 ・ ただいま 浪人者が押しかけて 指南を請うておりますが・ 96 00:09:02,042 --> 00:09:04,044 いかがいたしましょう? (後藤)追い返せ! 97 00:09:04,044 --> 00:09:07,047 ・ はぁ… それが なかなか手ごわいものですから 98 00:09:07,047 --> 00:09:10,050 おい! よせ! 他流試合は許さんぞ! 99 00:09:10,050 --> 00:09:12,052 貴様は道場主ではない 100 00:09:12,052 --> 00:09:14,052 しばらくお待ちを 101 00:09:19,059 --> 00:09:23,063 奴らの腕前を見る 絶好の機会ですよ 今日はついてる 102 00:09:23,063 --> 00:09:26,063 棒振りなんぞ 見たくもねえけどな 103 00:09:37,077 --> 00:09:40,080 アッ! (杉山)面白え狂言だろう 104 00:09:40,080 --> 00:09:44,084 なんだ! そういう筋合いですか? (杉山)作者は俺よ 105 00:09:44,084 --> 00:09:48,084 これでよ 狩谷が ころっと負ければ面白えのにな 106 00:10:09,042 --> 00:10:12,042 (笹部)ンーッ! ダーッ! 107 00:10:15,048 --> 00:10:17,050 アア… 108 00:10:17,050 --> 00:10:20,053 (ため息) 109 00:10:20,053 --> 00:10:23,056 ひと手 ご教授願おうか! 110 00:10:23,056 --> 00:10:28,056 立ち合わねば 道場の看板 もらって帰るぜ! 111 00:10:31,064 --> 00:10:33,064 ンン… 112 00:10:46,079 --> 00:10:49,079 ウワーッ! ヤッ! 113 00:10:53,086 --> 00:10:58,024 ヤーッ! アーッ! オオーッ! 114 00:10:58,024 --> 00:11:02,028 ターッ! アアーッ! 115 00:11:02,028 --> 00:11:05,031 ンンー! 116 00:11:05,031 --> 00:11:07,033 待った! 117 00:11:07,033 --> 00:11:12,038 いやいや 噂にたがわぬお手並み 感服いたした 118 00:11:12,038 --> 00:11:16,042 よっ! 大分 打ち込まれてたじゃねえかよ 119 00:11:16,042 --> 00:11:19,045 当たり前だ 俺が勝ったら道場はつぶれる 120 00:11:19,045 --> 00:11:22,048 まあ そう言うな 嘘でも お前が負けたと思うと気が晴れる 121 00:11:22,048 --> 00:11:25,051 …で どうでした? 奴らの腕の程は 122 00:11:25,051 --> 00:11:29,055 後藤も笹部も まあ 「並」ってとこだな 123 00:11:29,055 --> 00:11:34,060 あの2人が岸川を殺ったとは思えん すると やはり林軍平ですかね? 124 00:11:34,060 --> 00:11:37,063 うーん… 殺しのあった同じ日にな・ 125 00:11:37,063 --> 00:11:40,066 やっぱり師範代の林軍平ってのが 行方くらましてる 126 00:11:40,066 --> 00:11:44,070 まあ まず これが下手人だな 127 00:11:44,070 --> 00:11:49,075 そんなら話は簡単だが… どうも気に食わん 128 00:11:49,075 --> 00:11:52,078 まあ 殺しなんて単純なもんだぞ 何でも深読みすりゃ・ 129 00:11:52,078 --> 00:11:55,081 いいってもんじゃねえぞ しかし 決めつけんのはまだ早い 130 00:11:55,081 --> 00:11:57,083 (栗原)何が気に食わないんです? 131 00:11:57,083 --> 00:12:00,086 理由はない 勘だ 132 00:12:00,086 --> 00:12:06,092 よーし! じゃ 1分賭けるか? うん 2分でもいいぞ 133 00:12:06,092 --> 00:12:09,095 2分… 134 00:12:09,095 --> 00:12:13,099 杉山さん どう転んでも 林脱落はありませんよ 135 00:12:13,099 --> 00:12:15,101 お前も そう思うか? 136 00:12:15,101 --> 00:12:18,104 よし 2分! 賭けたぞ 確かに 137 00:12:18,104 --> 00:12:21,104 いいんだな? 俺の勘 当たるぞ 138 00:12:23,109 --> 00:12:29,115 (行商) 豆腐~ 生揚げ~ がんもどき~ 139 00:12:29,115 --> 00:12:34,115 豆腐~ 生揚げ~ がんもどき~ 140 00:12:38,124 --> 00:12:49,135 ・~ 141 00:12:49,135 --> 00:12:55,141 (行商)あっ いらっしゃい! 毎度 へい ありがとうございます 142 00:12:55,141 --> 00:12:59,078 へい どうぞ ありがとうございます 143 00:12:59,078 --> 00:13:18,097 ・~ 144 00:13:18,097 --> 00:13:20,099 (政吉)男が歩きだすと・ 145 00:13:20,099 --> 00:13:25,104 後藤の奥方は 黙って 野良犬みてえについていきました 146 00:13:25,104 --> 00:13:27,106 その顔が なんだか・ 147 00:13:27,106 --> 00:13:31,110 ぞっとするほど 思い詰めた顔でしてね 148 00:13:31,110 --> 00:13:34,113 惚れてたんでしょうね その男に 149 00:13:34,113 --> 00:13:38,117 それが5年ぶりに 突然 出くわしたってわけだ 150 00:13:38,117 --> 00:13:41,120 (美尾) お待ちなされませ 弁之助さま 151 00:13:41,120 --> 00:13:45,124 人をさんざん おもちゃにして ほっぽらかして・ 152 00:13:45,124 --> 00:13:48,124 わたしが どれほど 苦しんだと思うておいでか? 153 00:13:50,129 --> 00:13:53,129 人違いだとは言わせませぬぞ 154 00:14:04,077 --> 00:14:09,082 (田中)美尾どのは 5年前とは すっかり面変わりされましたな 155 00:14:09,082 --> 00:14:15,088 それも皆 お前さまのせいではないか 156 00:14:15,088 --> 00:14:18,091 男に捨てられた女の顔は・ 157 00:14:18,091 --> 00:14:23,096 さぞかし醜く 面変わりしたことでありましょう 158 00:14:23,096 --> 00:14:26,099 わたしは 決して そなたを捨てたわけではない 159 00:14:26,099 --> 00:14:29,102 今更 そのような たわ言を… 160 00:14:29,102 --> 00:14:32,105 同じ女を 2度も たぶらかせるとでも・ 161 00:14:32,105 --> 00:14:35,108 思うておいでか? 162 00:14:35,108 --> 00:14:39,112 お前さまは あのとき わたしが死のうとして・ 163 00:14:39,112 --> 00:14:43,116 後藤に拾われたことを ご存じあるまい 164 00:14:43,116 --> 00:14:49,122 その恩に報いるために わたしは 5年間 端女のように・ 165 00:14:49,122 --> 00:14:54,127 後藤に仕えてきたことも ご存じあるまい 166 00:14:54,127 --> 00:15:01,067 わたしは お前さまを憎んで憎んで 憎み抜いて生きてきた 167 00:15:01,067 --> 00:15:07,073 美尾は 5年前に自害いたしました 168 00:15:07,073 --> 00:15:13,079 今は その抜け殻だけが さまようております 169 00:15:13,079 --> 00:15:17,079 わたしは お前さまに殺されたも同然です 170 00:15:20,086 --> 00:15:22,088 お待ちなされませ 弁之助さま! 171 00:15:22,088 --> 00:15:25,091 まだまだ 言うてやりたいことが 山ほどあります 172 00:15:25,091 --> 00:15:30,096 お逃げなさるとは 卑怯ではありませぬか! 173 00:15:30,096 --> 00:15:32,098 (政吉)かなかなぜみが1匹・ 174 00:15:32,098 --> 00:15:37,103 染み通るような 哀れな声で鳴いておりましてね 175 00:15:37,103 --> 00:15:42,103 どうにもやりきれねえ気分に なっちまいました 176 00:15:48,114 --> 00:15:53,114 ああ そこもとは この間の… 道場破りでござる 177 00:15:58,057 --> 00:16:02,061 北町奉行所 定廻り同心 狩谷新八郎 178 00:16:02,061 --> 00:16:05,064 先日の無礼は おわびいたします 179 00:16:05,064 --> 00:16:08,067 まだ それがしを疑っておられるのか? 180 00:16:08,067 --> 00:16:12,071 いや 今日は5年前のことを 伺いにまいっただけです 181 00:16:12,071 --> 00:16:15,074 後藤どのは 弁之助という男を ご存じでしょうな? 182 00:16:15,074 --> 00:16:17,076 こちらの奥方と・ 183 00:16:17,076 --> 00:16:21,080 深いかかわりのある男だと いうことは分かっております 184 00:16:21,080 --> 00:16:25,084 そのことは 岸川の横死と 何の関係もござらん 185 00:16:25,084 --> 00:16:30,089 関係あるかないかは こちらで判断いたします 186 00:16:30,089 --> 00:16:36,095 実は 外聞をはばかる事情がござってな 187 00:16:36,095 --> 00:16:41,100 それがしが めとったとき 美尾は もう娘ではなかった 188 00:16:41,100 --> 00:16:45,104 あれは 許婚に裏切られたのです 189 00:16:45,104 --> 00:16:56,115 ・~ 190 00:16:56,115 --> 00:16:58,050 どうかなされましたか? 191 00:16:58,050 --> 00:17:01,053 美尾どの 気を落ち着けて聞いてくだされ 192 00:17:01,053 --> 00:17:06,058 田中弁之助が 道場の金を盗んで逃亡しました 193 00:17:06,058 --> 00:17:08,060 まさか… 194 00:17:08,060 --> 00:17:11,063 弁之助さまが・ (後藤)間違いありません 195 00:17:11,063 --> 00:17:16,068 部屋の荷物も残らず まとめて 行方をくらましております 196 00:17:16,068 --> 00:17:18,070 嘘です! 197 00:17:18,070 --> 00:17:20,072 たぶらかされていたのです 美尾どの 198 00:17:20,072 --> 00:17:24,076 田中は金が目当てに 美尾どのに 惚れたふりをしていたのです 199 00:17:24,076 --> 00:17:28,080 嘘です… 嘘です… 200 00:17:28,080 --> 00:17:31,083 嘘です! 201 00:17:31,083 --> 00:17:34,086 (泣き声) 202 00:17:34,086 --> 00:17:40,092 しかし 道場を継げば いずれは自分の金になるものを… 203 00:17:40,092 --> 00:17:42,094 何故 盗んだりしたんでしょうか? 204 00:17:42,094 --> 00:17:47,094 いや その辺の事情は 今もって それがしにも… 205 00:17:49,101 --> 00:17:51,103 それにしても 後藤どのは・ 206 00:17:51,103 --> 00:17:55,107 美尾どのをよく めとられましたな 他人の捨てた女を 207 00:17:55,107 --> 00:18:00,046 先代へのご恩返しです それがしが助けてやらねば・ 208 00:18:00,046 --> 00:18:03,049 美尾は自害しておったでしょう なるほど… 209 00:18:03,049 --> 00:18:07,049 実に あっぱれなお心がけですな 210 00:18:18,064 --> 00:18:38,084 ・~ 211 00:18:38,084 --> 00:18:42,084 ・~ 212 00:18:44,090 --> 00:18:46,092 太刀傷は いくつあった? 213 00:18:46,092 --> 00:18:49,095 (杉山) 傷んでて よく分かんないけど 10は超えてるんじゃないか? 214 00:18:49,095 --> 00:18:52,098 (栗原)それに やはり 左腕が付け根から ばっさりです 215 00:18:52,098 --> 00:18:55,101 林軍平だな (栗原)恐らく 岸川と同じ日に・ 216 00:18:55,101 --> 00:18:58,037 殺されていたんでしょう 日数がたってる 217 00:18:58,037 --> 00:19:01,040 俺の勘が当たったな 218 00:19:01,040 --> 00:19:04,043 ふむ… 2分! 2分2分 219 00:19:04,043 --> 00:19:07,046 2分貸して (栗原)もう… 220 00:19:07,046 --> 00:19:11,046 みそかには返してくださいよ ちょ… 221 00:19:13,052 --> 00:19:17,052 2分しか入ってねえじゃねえかよ 毎度! 222 00:19:19,058 --> 00:19:21,060 これで振り出しに戻っちまった 223 00:19:21,060 --> 00:19:25,064 ・(客)おちょうし1本 ・(店の娘)はい ただいま 224 00:19:25,064 --> 00:19:27,066 (店の娘)はい おちょうし1本 225 00:19:27,066 --> 00:19:29,066 (客)もう1本な! (店の娘)はい! 226 00:19:31,070 --> 00:19:34,070 (笑い声) 227 00:19:45,084 --> 00:19:49,088 どうだ? 奴の様子は ひでえもんです 228 00:19:49,088 --> 00:19:52,091 何も食わねえで 酒ばっかり ぐいぐい胃の腑へ流し込んでる 229 00:19:52,091 --> 00:19:55,091 あの飲みっぷりは 尋常じゃありませんぜ 230 00:20:05,037 --> 00:20:10,042 (美尾)美尾は 5年前に自害いたしました 231 00:20:10,042 --> 00:20:15,047 今は その抜け殻だけが さまようております 232 00:20:15,047 --> 00:20:21,053 わたしは お前さまに殺されたも同然です 233 00:20:21,053 --> 00:20:41,073 ・~ 234 00:20:41,073 --> 00:21:01,026 ・~ 235 00:21:01,026 --> 00:21:12,026 ・~ 236 00:21:17,042 --> 00:21:23,048 (小室)おい だんごのおかわり (店の娘)はい 237 00:21:23,048 --> 00:21:31,056 ・(竿竹屋)竿竹屋~ 竿竹~ 238 00:21:31,056 --> 00:21:37,062 ・ 竹屋~ 竹! 239 00:21:37,062 --> 00:21:43,068 ・ 竿竹屋~ 竿竹 (小室)ンッ! 240 00:21:43,068 --> 00:21:46,068 ・ ありがとうございました 241 00:21:52,077 --> 00:21:55,080 無礼者! どこに目つけておるのか? 242 00:21:55,080 --> 00:22:00,085 (弁之助) ちと考え事をしていたものでな 平にご容赦くだされ 243 00:22:00,085 --> 00:22:03,088 待てよ 逃げんのか? アッ? 244 00:22:03,088 --> 00:22:06,091 アッ! ちょいちょい… 245 00:22:06,091 --> 00:22:11,096 俺を怒らせるな 怒ると 何をするか分からんぞ 246 00:22:11,096 --> 00:22:16,101 この野郎! 手加減すりゃ つけあがりやがって 247 00:22:16,101 --> 00:22:20,105 勘弁できねえ! おい! 248 00:22:20,105 --> 00:22:23,105 待てー! おい! 249 00:22:26,111 --> 00:22:29,111 アーッ! ン! ン! 250 00:22:32,117 --> 00:22:34,119 ンッ! 251 00:22:34,119 --> 00:22:37,119 ウウ… 252 00:22:39,124 --> 00:22:42,124 ンーッ! やめい! 253 00:22:45,130 --> 00:22:50,135 刀をお引きください 弁之助どの 254 00:22:50,135 --> 00:22:55,140 お見忘れか? それがしも 岩井道場の末席に名を連ねた者 255 00:22:55,140 --> 00:22:59,140 こうして出会えたのも 何かの縁 是非 一献 差し上げたい 256 00:23:13,092 --> 00:23:16,095 いや 見てて はらはらしましたよ 旦那が あいつを・ 257 00:23:16,095 --> 00:23:19,098 斬っちまうんじゃないかと思って (小室)そう見えたか? 258 00:23:19,098 --> 00:23:22,098 いくら俺だって そこまではしない フフ… 259 00:23:30,109 --> 00:23:33,112 おぬしが 止めてくれたので助かった 260 00:23:33,112 --> 00:23:37,116 あのままいけば どうなっていたことか 261 00:23:37,116 --> 00:23:40,119 ご貴殿は奇妙な剣をお使いになる 262 00:23:40,119 --> 00:23:44,123 あれだけの技を どこで習得なされました? 263 00:23:44,123 --> 00:23:49,128 自慢になるような技ではない それがしの剣は邪道です 264 00:23:49,128 --> 00:23:52,131 いや ご謙遜だ 265 00:23:52,131 --> 00:23:59,071 謙遜ではない この5年間 寝食を忘れて修行をしたが・ 266 00:23:59,071 --> 00:24:03,075 それは剣の奥義を 極めるためのものではなかった 267 00:24:03,075 --> 00:24:06,075 では 何のために? 268 00:24:11,083 --> 00:24:15,087 やはり岩井道場は 弁之助どのが継ぐべきだった 269 00:24:15,087 --> 00:24:20,092 こうして話していると 余計に そう思えてくる 270 00:24:20,092 --> 00:24:22,094 それにしても 5年前・ 271 00:24:22,094 --> 00:24:26,094 美尾どのを置いて 出奔なされたのは何故です? 272 00:24:29,101 --> 00:24:32,104 「弁之助どのが 美尾どのをたぶらかして・ 273 00:24:32,104 --> 00:24:36,108 道場の金を持ち逃げした」 わたしは そう聞いています 274 00:24:36,108 --> 00:24:41,113 なに? 一体 誰が そのような偽りを? 275 00:24:41,113 --> 00:24:43,113 後藤又十郎です 276 00:24:48,120 --> 00:24:50,120 フフッ… 277 00:24:54,126 --> 00:24:57,062 真実を聞かせてください 278 00:24:57,062 --> 00:25:00,065 少しは お役に立てるかもしれません 279 00:25:00,065 --> 00:25:05,070 真実を話すには もう遅い 5年の歳月が過ぎた今となっては 280 00:25:05,070 --> 00:25:09,074 しかし それでは あまりにも 美尾どのが おいたわしい 281 00:25:09,074 --> 00:25:17,074 今更 事の真相を告げたところで 元の美しい美尾には戻らん 282 00:25:21,086 --> 00:25:23,088 狩谷どの… 283 00:25:23,088 --> 00:25:28,093 この5年の歳月には それがし 心に記することがござってな 284 00:25:28,093 --> 00:25:31,096 ひたすら そればかり考えて生きてまいった 285 00:25:31,096 --> 00:25:36,101 そのために 美尾への思いも断ち切ったのだ 286 00:25:36,101 --> 00:25:43,101 ひどい男とお思いだろうが 今更 引き返すことはできんのだ 287 00:25:48,113 --> 00:25:53,113 酒がまずくなった 御免 288 00:25:59,058 --> 00:26:01,060 旦那 289 00:26:01,060 --> 00:26:05,064 目を離すな へい 290 00:26:05,064 --> 00:26:25,084 ・~ 291 00:26:25,084 --> 00:26:35,084 ・~ 292 00:26:42,101 --> 00:26:46,105 (笹部)こんなとこへ呼び出して どういうことだ? 293 00:26:46,105 --> 00:26:50,109 少々 お尋ねしたいことが… どうぞ こちらへ 294 00:26:50,109 --> 00:26:53,109 (小室)誰も入れるなよ (栗原)うむ… 295 00:26:56,115 --> 00:26:59,051 何の真似だ? まるで罪人扱いではないか! 296 00:26:59,051 --> 00:27:03,051 田中弁之助という男を ご存じですな? 297 00:27:05,057 --> 00:27:08,060 けがしねえうちに しゃべっちまったほうが得だぞ 298 00:27:08,060 --> 00:27:12,064 黙ってちゃ分かんねえよ はっきりしろ! 299 00:27:12,064 --> 00:27:16,068 無礼な! 同心といえど承知せんぞ! 300 00:27:16,068 --> 00:27:20,068 お前の命を助けるために 聞いてんだ! しゃべれ! 301 00:27:23,075 --> 00:27:28,080 岸川と林を殺ったのは 田中弁之助だ 302 00:27:28,080 --> 00:27:32,084 次は後藤か おぬしの番だ 馬鹿な! 303 00:27:32,084 --> 00:27:35,087 あの2人が弁之助ごときに 斬られるはずがない 304 00:27:35,087 --> 00:27:39,091 奴は おぬしら4人を 斬ることだけを考えて・ 305 00:27:39,091 --> 00:27:44,091 5年間 腕を磨いてきたんだ 5年前 道場で 何があった? 306 00:27:46,098 --> 00:27:49,098 おぬしら 弁之助に何をしたんだ? 307 00:27:51,103 --> 00:27:54,103 全部しゃべるまで帰さんぞ 308 00:27:57,042 --> 00:28:01,046 先代の葬儀を終えた その夜のことだった 309 00:28:01,046 --> 00:28:04,046 俺たちは 奴を道場へ呼び出した 310 00:28:10,055 --> 00:28:15,055 話というのは何です? わたしに何か? 311 00:28:18,063 --> 00:28:20,065 取れ! 312 00:28:20,065 --> 00:28:28,065 ・~ 313 00:28:30,075 --> 00:28:32,077 どういうことですか? 314 00:28:32,077 --> 00:28:34,079 道斉先生が亡くなられたからには 315 00:28:34,079 --> 00:28:38,083 あなたは 岩井の道場主になられるお方だ 316 00:28:38,083 --> 00:28:43,083 我ら師範代に 稽古をつけていただきたい 317 00:28:46,091 --> 00:28:48,093 わたしは まだ未熟です 318 00:28:48,093 --> 00:28:51,096 稽古をつけていただくのは わたしのほうです 319 00:28:51,096 --> 00:28:53,098 そんな馬鹿な話があるか! 320 00:28:53,098 --> 00:28:57,035 貴様は 師範代より未熟で 道場主が務まると思ってるのか・ 321 00:28:57,035 --> 00:28:59,037 (笑い声) 322 00:28:59,037 --> 00:29:02,037 せめて 5年の… 323 00:29:04,042 --> 00:29:08,046 5年だけ猶予をください 必ず 腕を上げてみせます 324 00:29:08,046 --> 00:29:11,049 (岸川)ケッ! 黙れ! 325 00:29:11,049 --> 00:29:16,054 貴様のような腰抜けに 何年の猶予を与えても・ 326 00:29:16,054 --> 00:29:19,057 上達の見込みはないわ 327 00:29:19,057 --> 00:29:21,059 わたしは腰抜けではありません 328 00:29:21,059 --> 00:29:25,063 それならば その木刀を取って 我らと立ち合うてみよ! 329 00:29:25,063 --> 00:29:28,066 我らを相手に 貴様が1本でも取れれば・ 330 00:29:28,066 --> 00:29:30,066 道場主と認めてやろう 331 00:29:35,073 --> 00:29:37,075 フフッ… どうした? 332 00:29:37,075 --> 00:29:41,079 貴様 木刀の握り方も知らんのか? 333 00:29:41,079 --> 00:29:45,083 美尾どのが 床の中で 手を取って 教えてはくれなんだのか? 334 00:29:45,083 --> 00:29:50,088 (笹部)どうした弁之助? 貴様 美尾どのを手に入れれば・ 335 00:29:50,088 --> 00:29:55,093 この道場も我が手に入ると 思っていたんであろうが? ああ? 336 00:29:55,093 --> 00:29:58,093 (笑い声) 337 00:30:02,034 --> 00:30:07,039 ヤーッ! (笹部)エイッ! ヤッヤッ! 338 00:30:07,039 --> 00:30:12,044 その程度の腕で 我らを差し置いて 師範になるつもりなのか! 339 00:30:12,044 --> 00:30:15,044 クーッ! (弁之助)アッ! 340 00:30:18,050 --> 00:30:22,054 ンッ! 341 00:30:22,054 --> 00:30:25,057 アーッ! 342 00:30:25,057 --> 00:30:27,059 ヤッ! (岸川)ヤーッ! 343 00:30:27,059 --> 00:30:29,061 ウァーッ! (林)アーッ! 344 00:30:29,061 --> 00:30:34,061 ウワーッ! (岸川)ウァーッ! 345 00:30:39,071 --> 00:30:42,074 (笹部) 岩井の師範になりたくば・ 346 00:30:42,074 --> 00:30:45,077 我らをしのぐほどの技を 身につけることよ! 347 00:30:45,077 --> 00:30:48,080 (骨が折れる音) 348 00:30:48,080 --> 00:30:52,080 (叫び声) 349 00:30:57,022 --> 00:31:00,022 (杉山)ひっでえ話だな 350 00:31:02,027 --> 00:31:04,029 最初に言いだしたのは後藤だ 351 00:31:04,029 --> 00:31:08,033 奴は道場の金を横領し 口封じを 俺たち全員に配っておきながら・ 352 00:31:08,033 --> 00:31:10,035 追い出した弁之助に その盗みの罪を着せた 353 00:31:10,035 --> 00:31:17,042 そして 美尾どのを奪ったんだ 5年間 黙ってるのは つらかった 354 00:31:17,042 --> 00:31:24,049 俺は 美尾どのに 事の 真相を告げようと何度も思った 355 00:31:24,049 --> 00:31:29,049 しかし どうしてもできなかった… 356 00:31:49,074 --> 00:31:51,074 (笹部)誰だ? 357 00:31:54,079 --> 00:31:56,079 弁之助? 358 00:32:00,085 --> 00:32:03,088 文次 狩谷の旦那にご注進だ! (文次)へい! 359 00:32:03,088 --> 00:32:06,091 早まっちゃいけねえ! 旦那 360 00:32:06,091 --> 00:32:09,094 今 使いの者を 八丁堀にやってますから! 361 00:32:09,094 --> 00:32:13,098 どけ! 同心風情の手を借らずとも 俺が この手で片をつける! 362 00:32:13,098 --> 00:32:24,109 ・~ 363 00:32:24,109 --> 00:32:27,112 ヤーッ! 364 00:32:27,112 --> 00:32:29,112 (笹部)アーッ! 365 00:33:22,100 --> 00:33:24,102 旦那 申し訳ねえ 366 00:33:24,102 --> 00:33:28,106 あっしは 足がすくんじまって みすみす 奴を逃がしちまった 367 00:33:28,106 --> 00:33:31,109 そんなことはいい お前が けがしなくて良かった 368 00:33:31,109 --> 00:33:35,113 本当に ご無事で ようござんした (杉山)残るは 後藤ひとりか… 369 00:33:35,113 --> 00:33:38,116 後藤の様子 どうだい? 戦々恐々ってとこだな 370 00:33:38,116 --> 00:33:41,119 用心して 道場から1歩も出ようとしねえ 371 00:33:41,119 --> 00:33:44,122 それだけ いい子にしてりゃ まずは ひと安心だ 372 00:33:44,122 --> 00:33:48,126 ところが あいにく 明日は出稽古の日なんで 373 00:33:48,126 --> 00:33:51,129 なに? 出稽古? 後藤 10日に1回・ 374 00:33:51,129 --> 00:33:54,132 白金の伊達さまの下屋敷で 稽古つけてんだ 375 00:33:54,132 --> 00:33:59,132 仮病使って休ませるか? いや そうもいかんだろう 376 00:34:11,082 --> 00:34:13,084 お供さしていただきます 377 00:34:13,084 --> 00:34:15,086 供など必要ない! ご辞退申し上げる 378 00:34:15,086 --> 00:34:18,089 それでは 役目柄 こちらの本分が立ちません 379 00:34:18,089 --> 00:34:22,093 では 勝手になさるがよい (徳次郎)これでお顔を 380 00:34:22,093 --> 00:34:25,096 ほう ハハハッ 念の入ったことだ! 381 00:34:25,096 --> 00:34:28,096 旦那… 382 00:35:02,067 --> 00:35:22,087 ・~ 383 00:35:22,087 --> 00:35:26,091 ・~ 384 00:35:26,091 --> 00:35:29,094 栗原! お前は手を出すな 385 00:35:29,094 --> 00:35:38,103 ・~ 386 00:35:38,103 --> 00:35:42,107 おぬし… 何者だ? 387 00:35:42,107 --> 00:35:46,111 北町奉行所 定廻り同心 狩谷新八郎 388 00:35:46,111 --> 00:35:49,114 後藤が殺されるのを 捨ておくことは・ 389 00:35:49,114 --> 00:35:52,117 わたしの役目が許しません 390 00:35:52,117 --> 00:35:56,121 弁之助どの あきらめて お縄にかかっていただきたい 391 00:35:56,121 --> 00:35:59,057 それはできぬ 392 00:35:59,057 --> 00:36:03,061 今更 後藤を斬って 何になるというのです? 393 00:36:03,061 --> 00:36:05,063 美尾どのが 喜ぶとでも思うのですか? 394 00:36:05,063 --> 00:36:10,068 黙れ! 貴様に俺の苦しみが分かるか? 395 00:36:10,068 --> 00:36:12,070 そこをどけ 396 00:36:12,070 --> 00:36:16,074 あなたとは勝負したくない 刀を引いてください 397 00:36:16,074 --> 00:36:18,076 あとひとり… 398 00:36:18,076 --> 00:36:23,081 後藤を斬るまでは この首を 獄門にさらすわけにはいかんのだ 399 00:36:23,081 --> 00:36:28,081 どかぬなら おぬしとて斬る 400 00:36:30,088 --> 00:36:32,090 やむをえん 401 00:36:32,090 --> 00:36:43,090 ・~ 402 00:36:48,106 --> 00:36:51,109 (後藤)お帰りください! 入ってこられては困る 403 00:36:51,109 --> 00:36:55,113 帰りたいのは やまやまですが 我々は お奉行から・ 404 00:36:55,113 --> 00:36:59,050 あなたのお守… いや 失礼 警護を申しつかっておりましてな 405 00:36:59,050 --> 00:37:02,053 いかがなされました? 406 00:37:02,053 --> 00:37:05,056 後藤どのは 命を狙われておるのです 407 00:37:05,056 --> 00:37:07,058 誰が そのようなことを・ 408 00:37:07,058 --> 00:37:11,062 岸川 林 笹部 お三方を斬った男です 409 00:37:11,062 --> 00:37:14,065 笹部さままでが・ 410 00:37:14,065 --> 00:37:18,065 お前には関係ない! もうよい 行きなさい 411 00:37:22,073 --> 00:37:26,077 この件が吟味にかけられれば いずれは明らかになること 412 00:37:26,077 --> 00:37:29,080 人づてに耳にするよりは ご自分の口から申し上げたほうが 413 00:37:29,080 --> 00:37:32,083 よろしいんではないでしょうか? (後藤)そのようなことまで・ 414 00:37:32,083 --> 00:37:35,086 指図されるいわれはない! お引き取り願おう! 415 00:37:35,086 --> 00:37:37,088 貴様! (杉山)小室! 416 00:37:37,088 --> 00:37:40,091 このうえ まだ 美尾どのを騙し続けるつもりか! 417 00:37:40,091 --> 00:37:44,095 てめえら 弁之助に何をしたか 美尾どのにしゃべれ! 418 00:37:44,095 --> 00:37:48,099 何があったんでございますか? お聞かせください! 419 00:37:48,099 --> 00:37:50,101 5年前 こいつらは4人がかりで・ 420 00:37:50,101 --> 00:37:53,104 弁之助を さんざん なぶり者にして・ 421 00:37:53,104 --> 00:37:56,107 ぼろ切れのように 道場から放り出したんです 422 00:37:56,107 --> 00:37:58,042 馬鹿野郎! ものには 言いようがあんだろう 423 00:37:58,042 --> 00:38:00,044 ああ! 大丈夫ですか? 424 00:38:00,044 --> 00:38:03,047 旦那! や… 奴が現れやした 425 00:38:03,047 --> 00:38:07,047 (杉山)捕まえたのか? (徳次郎)それが… 426 00:38:25,069 --> 00:38:30,069 よせ! 栗原 お前のかなう相手ではない 427 00:39:05,043 --> 00:39:07,043 ウァーッ! 428 00:39:26,064 --> 00:39:31,064 美尾… 美尾… 429 00:39:57,028 --> 00:40:00,028 弁之助さま… 430 00:40:02,033 --> 00:40:12,033 (泣き声) 431 00:40:39,070 --> 00:40:41,070 (雷鳴) 432 00:41:36,060 --> 00:41:38,060 ああ… 433 00:42:03,087 --> 00:42:07,087 ・(雷鳴) 434 00:42:11,095 --> 00:42:31,115 ・~ 435 00:42:31,115 --> 00:42:38,122 ・~ 436 00:42:38,122 --> 00:42:42,126 まるで5年前に戻ったようだ 437 00:42:42,126 --> 00:42:47,131 美尾 わしのために装うてくれたのか? 438 00:42:47,131 --> 00:42:53,131 今度こそ すべて わしのものに なってくれるのだな? 439 00:42:55,139 --> 00:43:00,078 又十郎どの こちらへおいでなされませ 440 00:43:00,078 --> 00:43:11,089 ・~ 441 00:43:11,089 --> 00:43:14,092 もっと近う おいでなされませ 442 00:43:14,092 --> 00:43:17,095 もっと近う… 443 00:43:17,095 --> 00:43:23,101 ・~ 444 00:43:23,101 --> 00:43:28,101 ・(雷鳴) 445 00:44:00,071 --> 00:44:03,071 なんてこった… 446 00:44:11,082 --> 00:44:13,084 女は怖えよな 447 00:44:13,084 --> 00:44:17,088 女が怖えなんてのは 男の勝手な言いぐさだ! 448 00:44:17,088 --> 00:44:21,092 女ってのは悲しいもんだ! 449 00:44:21,092 --> 00:44:26,092 分かってらぁ 女は怖くて悲しいんだ 450 00:44:42,113 --> 00:44:45,113 (風鈴の音) 451 00:44:48,119 --> 00:44:54,125 (小室)大丈夫かな? あいつ 丸2日 飯も食ってねえようだ 452 00:44:54,125 --> 00:44:58,062 心の痛手は 大分 深いな (江藤)おい… 453 00:44:58,062 --> 00:45:02,066 そうやって 黙って見てねえでよ 言葉のひとつもかけてやれよ 454 00:45:02,066 --> 00:45:05,069 それがし 至って口不調法でございまして 455 00:45:05,069 --> 00:45:08,072 わたしの不調法は こいつ以上です 456 00:45:08,072 --> 00:45:12,076 それでは 不肖 私が (江藤)おお 457 00:45:12,076 --> 00:45:17,081 (ゆい)狩谷さま! 狩谷さま 屋根 直していただきたいんですけど 458 00:45:17,081 --> 00:45:19,083 (杉山)ご新造 (ゆい)えっ? 459 00:45:19,083 --> 00:45:22,086 今の狩谷は とても はしごを上る気力がありません 460 00:45:22,086 --> 00:45:24,088 だって 暇そうじゃありませんか 461 00:45:24,088 --> 00:45:26,090 いえいえいえ 決して暇だから・ 462 00:45:26,090 --> 00:45:29,093 寝そべってると いうわけではないのです 463 00:45:29,093 --> 00:45:33,097 こないだの嵐の晩な 雨漏りがひどくて・ 464 00:45:33,097 --> 00:45:36,100 鍋が いくつあっても 足んなかったんだ 465 00:45:36,100 --> 00:45:39,103 (江藤) おい 狩谷 気をつけろよ お前 466 00:45:39,103 --> 00:45:42,106 (栗原)大丈夫ですよ 狩谷さんは ちょっとやそっとじゃ 467 00:45:42,106 --> 00:45:46,110 へこたれませんから (江藤)ああ おいおい 無理すんな 468 00:45:46,110 --> 00:45:49,110 おい 小室 これ頼む (小室)ああ 469 00:45:51,115 --> 00:45:55,115 杉山さん これ (江藤)危ねえから ほらほら… 470 00:45:57,054 --> 00:46:01,058 なんだか腹が減ってきました 晩飯 お願いしまーす! 471 00:46:01,058 --> 00:46:05,058 分かってますよ おいしいさんま 焼いときますからね 472 00:46:08,065 --> 00:46:12,069 また さんまか… 473 00:46:12,069 --> 00:46:15,072 (釘を打つ音) 474 00:46:15,072 --> 00:46:21,078 <野面を吹き分け 稲穂を押し倒す激しい秋の風を・ 475 00:46:21,078 --> 00:46:26,083 野分き あるいは もみ落としなどと申しまして・ 476 00:46:26,083 --> 00:46:30,087 これが吹き抜けると 耳に聞こえる虫の音も・ 477 00:46:30,087 --> 00:46:35,092 細々と わびしげになってまいります> 478 00:46:35,092 --> 00:46:42,099 <「もののあわれは秋こそまされ」 と昔の人も申しておりますが・ 479 00:46:42,099 --> 00:46:49,106 嵐の中に散っていった 弁之助と美尾の末路を思うと・ 480 00:46:49,106 --> 00:46:56,113 なにやら さんまの煙も 目に染みるようでございます> 481 00:46:56,113 --> 00:47:16,067 ・~ 482 00:47:16,067 --> 00:47:36,087 ・~ 483 00:47:36,087 --> 00:47:48,087 ・~ 484 00:47:54,105 --> 00:47:56,107 <梅雨さなかの甲州街道> 485 00:47:56,107 --> 00:48:01,045 <科人護送の唐丸駕籠 その科人を奪い返そうと・ 486 00:48:01,045 --> 00:48:03,047 悪の一味は 豪雨の中・ 487 00:48:03,047 --> 00:48:06,050 白刃を抜いて 待ち伏せたのでございます> 488 00:48:06,050 --> 00:48:10,050 <地を打つ雨は 妙に静かでございました>