1 00:01:28,019 --> 00:01:33,024 (捕り方たち)御用だ! 御用だ! 御用だ! 御用だ! 御用だ! 2 00:01:33,024 --> 00:01:53,044 ・~ 3 00:01:53,044 --> 00:02:13,064 ・~ 4 00:02:13,064 --> 00:02:33,017 ・~ 5 00:02:33,017 --> 00:02:36,017 ・~ 6 00:02:39,023 --> 00:02:43,027 (弁蔵)アハハ… どうしたい? 7 00:02:43,027 --> 00:02:46,030 下野の弁蔵なんぞは・ 8 00:02:46,030 --> 00:02:49,033 怖くはねえんじゃ なかったのかい? 9 00:02:49,033 --> 00:02:54,038 えっ? 与助 お前がその気になりゃ・ 10 00:02:54,038 --> 00:03:00,044 這いつくばらせて のたうち回らせて・ 11 00:03:00,044 --> 00:03:05,049 おいおい泣きわめかせて やるんじゃなかったのかい? 12 00:03:05,049 --> 00:03:07,051 (与助)勘弁してくれよ 親分! 13 00:03:07,051 --> 00:03:10,054 あんなものは酒のうえの与太だ 本気じゃねえ 14 00:03:10,054 --> 00:03:14,058 俺が本気で そんなこと言うはずがねえ 15 00:03:14,058 --> 00:03:18,062 分かってくれよ 親分 16 00:03:18,062 --> 00:03:23,067 そうかい 本気じゃなかったのかい 17 00:03:23,067 --> 00:03:26,070 それにしちゃ妙だな 18 00:03:26,070 --> 00:03:29,070 おい! 19 00:03:34,012 --> 00:03:37,015 この牛久の丈吉がな 20 00:03:37,015 --> 00:03:41,019 面白え話を 持ちかけられたってんだよ 21 00:03:41,019 --> 00:03:46,024 この俺を ある所に呼び出すから・ 22 00:03:46,024 --> 00:03:51,029 押し包んで たたき殺そうじゃねえかってな 23 00:03:51,029 --> 00:03:56,034 てめえは その人数を集めてくれってな 24 00:03:56,034 --> 00:03:59,037 ある所ってのは ここだよ 25 00:03:59,037 --> 00:04:03,037 呼び出したのはお前だ (与助)親分! 26 00:04:05,043 --> 00:04:09,047 こいつは嘘をついたのかい? 27 00:04:09,047 --> 00:04:13,051 勘弁してくれ 親分 許してやってくれ! 28 00:04:13,051 --> 00:04:17,055 お願えだよ 後生だよ 親分 (泣き声) 29 00:04:17,055 --> 00:04:20,058 許してやりてえなぁ 30 00:04:20,058 --> 00:04:25,063 錠前外しにかけちゃ お前の右に出る者はいねえ 31 00:04:25,063 --> 00:04:27,999 お前が いなくなりゃ・ 32 00:04:27,999 --> 00:04:32,999 俺たちの これからの仕事に 差し支えるからな 33 00:04:37,008 --> 00:04:40,011 ああっ! ああ… 34 00:04:40,011 --> 00:04:42,011 (手下)おらーっ! 35 00:04:44,015 --> 00:04:48,019 (与助)助けてくれ! 助けて… 助けてくれ! 36 00:04:48,019 --> 00:04:55,026 勘弁してくれ! 助けてくれ! 勘弁してくれ~! 親分! 37 00:04:55,026 --> 00:05:00,031 裏切り者は許しちゃおけねえんだ 勘弁できねえんだよ! 38 00:05:00,031 --> 00:05:04,035 アアッ! アア… アッ アア… 39 00:05:04,035 --> 00:05:06,037 (手下)おらーっ! 40 00:05:06,037 --> 00:05:14,045 ・~ 41 00:05:14,045 --> 00:05:16,045 ・(水の音) 42 00:05:21,052 --> 00:05:24,055 ハハハ… (弁蔵)はぁ… 43 00:05:24,055 --> 00:05:39,003 ・~ 44 00:05:39,003 --> 00:05:42,006 (杉山) 刃物で みぞおち ひと突きかよ 45 00:05:42,006 --> 00:05:44,006 たまんねえな 46 00:05:49,013 --> 00:05:51,015 (小室) 水をくみに来て 見っけたんだな? 47 00:05:51,015 --> 00:05:54,018 (女性) はい くみ上げたら 水が真っ赤で 48 00:05:54,018 --> 00:05:56,020 お前が青くなったのか? (女性)はい 49 00:05:56,020 --> 00:06:01,025 …とすると 殺されたのは昨日の夜か? 50 00:06:01,025 --> 00:06:03,027 (栗原)この水は もう飲めませんね 51 00:06:03,027 --> 00:06:05,029 飲みたきゃ飲んでいいぞ 飲め飲め 52 00:06:05,029 --> 00:06:08,029 たたりがあっても知らんぞ (政吉)旦那! 53 00:06:13,037 --> 00:06:16,040 (杉山)凶状持ちか やっぱりな 54 00:06:16,040 --> 00:06:20,044 (政吉)あっしは どうも この面には見覚えがありますぜ 55 00:06:20,044 --> 00:06:23,047 知ってるのか? (政吉)いえ 確かじゃござんせんが 56 00:06:23,047 --> 00:06:25,049 もしかすると… 57 00:06:25,049 --> 00:06:27,985 (徳次郎)そうだ こいつは与助だ 58 00:06:27,985 --> 00:06:31,989 苦しがって妙な顔つきで おっ死んでやがるが間違いねえ 59 00:06:31,989 --> 00:06:34,992 何だ? その与助ってのは 60 00:06:34,992 --> 00:06:37,995 錠前外しでさぁ お忘れですか? 61 00:06:37,995 --> 00:06:43,000 2年前 日本橋の錦屋を襲って以来 江戸を離れている下野の弁蔵 62 00:06:43,000 --> 00:06:47,004 奴と つるんでた野郎なんでい 63 00:06:47,004 --> 00:06:50,007 下野の弁蔵… 64 00:06:50,007 --> 00:06:52,009 仲間割れか? 65 00:06:52,009 --> 00:06:55,012 弁蔵が 江戸へ戻ってきてんのか 66 00:06:55,012 --> 00:06:59,016 そうだとすりゃ 一大事だ また 何か ひと仕事始めようって腹かも 67 00:06:59,016 --> 00:07:01,018 探索を進めなければいけませんね 68 00:07:01,018 --> 00:07:04,021 狩谷さんにも知らせを 入れましょうか? (小室)待て待て 69 00:07:04,021 --> 00:07:07,024 そんなことしたら奴のことだ すっ飛んで戻ってくる 70 00:07:07,024 --> 00:07:10,027 まあ しばらくは骨休みでもさせとけ 71 00:07:10,027 --> 00:07:12,029 (徳次郎)狩谷の旦那 どっかへお出かけですかい? 72 00:07:12,029 --> 00:07:16,033 墓参りだ お父上の菩提寺の 目黒村の威徳寺へな 73 00:07:16,033 --> 00:07:18,035 法事済ませりゃ 2~3日で戻ってくる 74 00:07:18,035 --> 00:07:22,039 わざわざ呼び戻すことはねえ いても一緒だろうが 75 00:07:22,039 --> 00:07:24,039 うん 76 00:07:26,978 --> 00:07:30,982 (江藤)<いやぁ たまげましたな> 77 00:07:30,982 --> 00:07:35,987 <町廻りの同心たちが 妙な拾い物をしてくるのは・ 78 00:07:35,987 --> 00:07:39,991 これまでにも よくあることでございました> 79 00:07:39,991 --> 00:07:45,997 <大工道具 下帯 刀 馬の鞍> 80 00:07:45,997 --> 00:07:53,004 <しかし この度 狩谷が 拾ってきた物は また なんと!> 81 00:07:53,004 --> 00:07:56,007 眠っておるようだな 82 00:07:56,007 --> 00:07:58,009 見りゃ分かる 83 00:07:58,009 --> 00:08:03,014 このような赤子も 夢を見るのでしょうか? 84 00:08:03,014 --> 00:08:07,018 あのな 生まれたばっかりで 世間のことを何にも分からん 85 00:08:07,018 --> 00:08:09,020 人の面も知らん 記憶もない 86 00:08:09,020 --> 00:08:12,023 そういうのが どうやって夢みるんだよ? 87 00:08:12,023 --> 00:08:15,026 だが 母親の顔は見ておるであろう 88 00:08:15,026 --> 00:08:21,032 見ておるぞ きっと 優しい優しいお母さんの夢をな 89 00:08:21,032 --> 00:08:26,037 (江藤)じゃ あの子の母親は もう この世にはおらんのか? 90 00:08:26,037 --> 00:08:31,976 (狩谷)はい わたしの手に赤子を 託したあと 息を引き取りました 91 00:08:31,976 --> 00:08:34,979 (江藤)かわいそうになぁ 92 00:08:34,979 --> 00:08:37,982 それから 村の者たちを呼び集め・ 93 00:08:37,982 --> 00:08:42,982 いくらかの金子を与えて 埋葬を済ませ 赤子と共にこちらへ 94 00:08:44,989 --> 00:08:48,993 なんで 赤子を連れてくる? 名主か寺に預けて・ 95 00:08:48,993 --> 00:08:51,996 里親探してもらえば いいじゃないか (栗原)そうですよ 96 00:08:51,996 --> 00:08:58,002 なにも男ばかりの こんな所に いや 約束をしたのだ 97 00:08:58,002 --> 00:09:02,006 約束? (小室)その母親とか? 98 00:09:02,006 --> 00:09:04,008 うむ… 99 00:09:04,008 --> 00:09:09,013 おい どういうことなんだ? もっと詳しく話をしてみろよ 100 00:09:09,013 --> 00:09:11,013 はあ… 101 00:09:13,017 --> 00:09:16,020 亡き父の墓参を済ませての帰り道 102 00:09:16,020 --> 00:09:20,020 目黒村 白金の 山中に差しかかったとき 103 00:09:35,973 --> 00:09:39,973 ・(赤ん坊の声) 104 00:09:53,991 --> 00:09:58,991 おい どうした? 大丈夫か? 105 00:10:01,999 --> 00:10:08,005 おい! おい! しっかりしろ おい! 106 00:10:08,005 --> 00:10:11,005 火のような熱でございました 107 00:10:25,022 --> 00:10:28,022 人を呼んでくる ここを動くな 108 00:10:29,960 --> 00:10:37,968 (お袖)わたしは もう… もう駄目でございます 109 00:10:37,968 --> 00:10:40,968 お願いでございます 110 00:10:42,973 --> 00:10:45,976 この子を… 111 00:10:45,976 --> 00:10:52,983 この子を父親の所へ どうか… 112 00:10:52,983 --> 00:10:56,987 女の名前はお袖 赤子は玉 113 00:10:56,987 --> 00:11:00,991 この子が 生まれて すぐに父親は江戸へ出て・ 114 00:11:00,991 --> 00:11:03,994 それっきり 帰らぬそうでございます 115 00:11:03,994 --> 00:11:07,998 お袖は それで 産後の弱り果てた体を押して・ 116 00:11:07,998 --> 00:11:10,000 ようやくに ここまで 117 00:11:10,000 --> 00:11:13,003 お約束ください 118 00:11:13,003 --> 00:11:18,008 あなたさまの手で この子を… 119 00:11:18,008 --> 00:11:25,015 この子を きっと父親のもとへ 120 00:11:25,015 --> 00:11:29,019 分かった 約束しよう 121 00:11:29,019 --> 00:11:37,019 だから安心して養生するんだ よいか? 気を強く持て! 122 00:11:40,030 --> 00:11:44,034 おい! しっかりしろ! 123 00:11:44,034 --> 00:11:48,038 おい! おい しっかりしろ! 124 00:11:48,038 --> 00:12:06,056 ・~ 125 00:12:06,056 --> 00:12:13,063 そうか じゃ あの子を父親のもとへ? 126 00:12:13,063 --> 00:12:18,068 いまわの際の約束です 叶えてやろうと思います 127 00:12:18,068 --> 00:12:20,068 うむ… 128 00:12:22,072 --> 00:12:24,074 遺品です 129 00:12:24,074 --> 00:12:35,019 ・~ 130 00:12:35,019 --> 00:12:39,019 (でんでん太鼓の音) 131 00:12:42,026 --> 00:12:47,031 やっぱり母親だなぁ 132 00:12:47,031 --> 00:12:57,041 ・~ 133 00:12:57,041 --> 00:13:00,044 (赤ん坊の泣き声) 134 00:13:00,044 --> 00:13:02,046 どうした? 何がつらい? 135 00:13:02,046 --> 00:13:05,049 いや つらいんではない これは ただ泣いておるのよ 136 00:13:05,049 --> 00:13:07,051 ただ泣きますか? (杉山)うん 137 00:13:07,051 --> 00:13:09,053 腹が減ってるのかな? 138 00:13:09,053 --> 00:13:12,056 あっ それかもしれん なに食うんだ? 139 00:13:12,056 --> 00:13:15,059 何をって そりゃおっぱいよ 140 00:13:15,059 --> 00:13:18,062 俺は出んぞ (栗原)わたしも出ません 141 00:13:18,062 --> 00:13:21,065 当たり前だ 女のおっぱいだ 142 00:13:21,065 --> 00:13:25,069 あれはいい 好みが一緒だな 143 00:13:25,069 --> 00:13:32,009 ほい 茶店の女に重湯を作ってもらった 144 00:13:32,009 --> 00:13:34,009 よし うん 145 00:13:41,018 --> 00:13:44,021 よし 146 00:13:44,021 --> 00:13:47,021 お前 妙に慣れてねえか? よし はい 147 00:13:52,029 --> 00:13:54,031 ・(小室)狩谷~! 148 00:13:54,031 --> 00:14:00,037 あっ 狩谷 その赤子 1日中 抱いて歩くつもりか? 149 00:14:00,037 --> 00:14:06,043 父親捜しの邪魔になろう? どうだ 家に預けんか? 150 00:14:06,043 --> 00:14:08,045 おぬしに? 151 00:14:08,045 --> 00:14:10,047 里子に出すわけじゃなし・ 152 00:14:10,047 --> 00:14:13,050 母親との約束を 破ることにはなるまい 153 00:14:13,050 --> 00:14:16,053 いや しかし… 遠慮するな 154 00:14:16,053 --> 00:14:19,056 愚妻がおる 愚妻が… 155 00:14:19,056 --> 00:14:23,060 我が家にも その… やがては 子宝を授かることになるからのぅ 156 00:14:23,060 --> 00:14:27,998 愚妻にも子育ての稽古を させておかねばならん 157 00:14:27,998 --> 00:14:32,002 ちょうど よいではないか? なあ? なあ! 158 00:14:32,002 --> 00:14:35,005 ああ よーし 決まった 159 00:14:35,005 --> 00:14:37,007 ならば よこせ 160 00:14:37,007 --> 00:14:39,009 気をつけて 抱かせろ 161 00:14:39,009 --> 00:14:46,009 ほら 高い高い高~い 高い高~い べろべろば~ 162 00:14:48,018 --> 00:14:50,018 ・(小室)妙~ 163 00:14:52,022 --> 00:14:57,027 妙… 今 帰ったぞ (妙)あっ… 164 00:14:57,027 --> 00:14:59,027 あっ! 165 00:15:01,031 --> 00:15:05,031 ああ! 妙! 166 00:15:13,043 --> 00:15:18,048 いかんいかん 身重な体で そのようなことを 167 00:15:18,048 --> 00:15:20,050 ばあさんにやらせなさい ばあさんに 168 00:15:20,050 --> 00:15:23,053 (妙)大丈夫ですよ 夏物をしまってただけですから 169 00:15:23,053 --> 00:15:27,991 そういう油断が禁物じゃ そなたひとりの体ではないのだぞ 170 00:15:27,991 --> 00:15:31,995 愛の… 愛の結晶が 宿っておるのじゃからのぅ 171 00:15:31,995 --> 00:15:37,000 あなた 狩谷さまが (小室)あっ おお すまんすまん 172 00:15:37,000 --> 00:15:40,003 上がってくれ 何を遠慮しておるのだ 173 00:15:40,003 --> 00:15:43,006 いやいや 遠慮してるわけではないが 174 00:15:43,006 --> 00:15:48,011 狩谷さま そのお子は? はあ この子は… 175 00:15:48,011 --> 00:15:52,011 拾ったのだ 狩谷の隠し子ではないぞ 176 00:15:56,019 --> 00:15:58,021 母親を亡くした子でな 177 00:15:58,021 --> 00:16:02,025 行方知れずの父親を 狩谷が捜し出さねばならん 178 00:16:02,025 --> 00:16:05,028 だから その間 家で 預かっておくことにしたのだ 179 00:16:05,028 --> 00:16:07,030 この子を家で? (小室)うむ… 180 00:16:07,030 --> 00:16:11,034 いや 勝手に決めてしもうたが 無理にとは申さん 181 00:16:11,034 --> 00:16:15,038 見れば お体も大変そうだし ご迷惑でもござろうから 182 00:16:15,038 --> 00:16:21,044 迷惑などと 何を申すか! 母のない哀れな子ではないか 183 00:16:21,044 --> 00:16:25,048 それにな 宅であれば 愚妻の乳を分けてもやれる 184 00:16:25,048 --> 00:16:27,985 お乳は まだ出ませぬ 185 00:16:27,985 --> 00:16:31,989 うっ・ しかし… 186 00:16:31,989 --> 00:16:34,992 生まれるまでは お乳は出ませぬ 187 00:16:34,992 --> 00:16:38,996 うっ! そういうものか・ 188 00:16:38,996 --> 00:16:40,996 (ため息) 189 00:16:43,000 --> 00:16:46,003 狩谷さま 190 00:16:46,003 --> 00:16:48,003 あっ… 191 00:16:51,008 --> 00:16:55,012 アハッ かわいい 192 00:16:55,012 --> 00:16:59,016 承知いたしました お預かりいたします 193 00:16:59,016 --> 00:17:02,019 妙どの ご心配には及びませぬ 194 00:17:02,019 --> 00:17:07,024 私 国もとで和子さまのご養育係を 仰せつかったことがありますゆえ 195 00:17:07,024 --> 00:17:10,027 子育てには慣れてますから 196 00:17:10,027 --> 00:17:12,029 いや かたじけない 197 00:17:12,029 --> 00:17:14,031 それでは お言葉に甘えさせていただく 198 00:17:14,031 --> 00:17:20,037 これで良しと これで良しと うん 199 00:17:20,037 --> 00:17:22,039 あとは この狩谷のおじちゃんが・ 200 00:17:22,039 --> 00:17:26,977 1日も早う お父っちゃんを 見つけてくれることだけだ… な! 201 00:17:26,977 --> 00:17:29,980 のう 狩谷 うん そうだな 202 00:17:29,980 --> 00:17:34,980 よろしゅうお頼み申します はっ 203 00:17:51,001 --> 00:17:56,006 (嘉兵衛)平塚の鶴吉さん? うん 腕のいい職人らしい 204 00:17:56,006 --> 00:17:59,009 あんたを頼って この江戸に 出てきたはずなんだがな 205 00:17:59,009 --> 00:18:02,012 そのお袖さんとかいう 亡くなったお内儀が・ 206 00:18:02,012 --> 00:18:05,015 そう おっしゃったんで? そうだ 207 00:18:05,015 --> 00:18:10,020 確かに わたしどもの店では 煙管も扱っておりますから・ 208 00:18:10,020 --> 00:18:13,023 煙管職人が出入りもいたしますが 209 00:18:13,023 --> 00:18:17,027 鶴吉さんってえ名前は… 覚えがないってのか? 210 00:18:17,027 --> 00:18:22,032 はい 申し訳ございませんが そんなはずはないんだがな 211 00:18:22,032 --> 00:18:24,034 えっ? 考えてもみろよ 212 00:18:24,034 --> 00:18:26,970 鶴吉は 女房にいいかげんなこと 言ったわけじゃない 213 00:18:26,970 --> 00:18:29,973 現に この店だって ちゃんとあった 214 00:18:29,973 --> 00:18:32,976 はあ… 215 00:18:32,976 --> 00:18:35,976 出入りの職人どもの 名前と居所を書いてくれ 216 00:18:37,981 --> 00:18:40,984 ひとり残らずだ 全部に当たりゃ ひとりぐらい・ 217 00:18:40,984 --> 00:18:42,986 鶴吉を 知ってる奴にぶつかるかもしれん 218 00:18:42,986 --> 00:18:48,986 はい それは名案でございますな 219 00:18:52,996 --> 00:18:59,002 ええっと 阿部川町の… 220 00:18:59,002 --> 00:19:08,011 ・~ 221 00:19:08,011 --> 00:19:13,016 (杉山)ひぃ ふぅ みぃ よぅ いぃ これ 全部当たったのか? 222 00:19:13,016 --> 00:19:15,018 うむ… 223 00:19:15,018 --> 00:19:19,022 1日がかりだ (杉山)ああ 224 00:19:19,022 --> 00:19:22,025 手がかりはない みんな知らぬ存ぜぬだ 225 00:19:22,025 --> 00:19:26,029 変だなぁ その死んだお袖って女の 思い違いじゃねえのか? 226 00:19:26,029 --> 00:19:31,029 いや 俺には どうも あの店の 主人の様子が引っ掛かってんだ 227 00:19:32,970 --> 00:19:34,972 奴は きっと何か隠してる 228 00:19:34,972 --> 00:19:37,975 だけど 一体 何を隠すってんです? 229 00:19:37,975 --> 00:19:40,978 たかだか 赤ん坊の父親ぐれえの ことじゃありませんか? 230 00:19:40,978 --> 00:19:46,984 なにも隠すほどのこたぁ うむ… そのはずなんだがな 231 00:19:46,984 --> 00:19:50,988 どうも分からん きっと何かあんだ 232 00:19:50,988 --> 00:19:52,990 (鳥蔵)はい 旦那 233 00:19:52,990 --> 00:19:56,994 何があるか分かんないけどさ 父親捜しが思ったより・ 234 00:19:56,994 --> 00:19:59,997 手間暇 食うことだけは 確かだな… なっ! 235 00:19:59,997 --> 00:20:03,000 えれえもの しょい込んじまいましたね 旦那 236 00:20:03,000 --> 00:20:05,002 お手伝いしてさしあげてえが・ 237 00:20:05,002 --> 00:20:08,005 こっちはこっちで 下野の弁蔵の一件で手いっぱいだ 238 00:20:08,005 --> 00:20:11,005 どうも申し訳ございません (ため息) 239 00:20:17,014 --> 00:20:20,017 (弁蔵)同心が鶴吉のガキを? 240 00:20:20,017 --> 00:20:24,021 (丈吉)へい どうやら そういった話らしいんで 241 00:20:24,021 --> 00:20:26,957 面倒なことになりやしたぜ 242 00:20:26,957 --> 00:20:30,961 鶴吉を引っ張り出したまでは 良かったが・ 243 00:20:30,961 --> 00:20:34,965 まさか女房が追っかけてくるとは 思いもよらねえ 244 00:20:34,965 --> 00:20:39,965 ガキをひり出したばっかりで 体も弱っておりやしたからね 245 00:20:41,972 --> 00:20:43,974 どうしやす? 親分 246 00:20:43,974 --> 00:20:45,974 (笑い声) 247 00:20:47,978 --> 00:20:51,982 どうにもこうにも しようがあるめえよ 248 00:20:51,982 --> 00:20:55,986 女房が追っかけてきたのも 思いのほかなら・ 249 00:20:55,986 --> 00:20:59,990 そのガキが同心の手に渡ったのも 思いのほかだ 250 00:20:59,990 --> 00:21:01,992 だけどよ… 251 00:21:01,992 --> 00:21:06,997 心配するねえ! そのことは 鶴吉は まだ知らねえんだ 252 00:21:06,997 --> 00:21:12,002 早えとこ仕事を片づけて 姿をくらましゃあ・ 253 00:21:12,002 --> 00:21:14,004 どうってことあるめえ 254 00:21:14,004 --> 00:21:17,004 嘉兵衛の店も たたんじまうんだ 255 00:21:19,009 --> 00:21:22,012 あとは 野となれ山となれよ 256 00:21:22,012 --> 00:21:26,016 それじゃ 親分 こっちは筋書きどおりで? 257 00:21:26,016 --> 00:21:28,016 そういうこった 258 00:21:30,020 --> 00:21:32,022 例の物は持ってきてるだろうな? (丈吉)へい 259 00:21:32,022 --> 00:21:35,022 そのほうは 抜かりはござんせん 260 00:21:51,041 --> 00:21:54,044 鶴吉のことは こっちでさばくぜ 261 00:21:54,044 --> 00:21:57,047 お前は同心のほうを 気にかけといてくれ 262 00:21:57,047 --> 00:21:59,049 合点でござんす 263 00:21:59,049 --> 00:22:02,052 何にしろ 用心に越したことはねえからな 264 00:22:02,052 --> 00:22:22,072 ・~ 265 00:22:22,072 --> 00:22:42,025 ・~ 266 00:22:42,025 --> 00:23:02,045 ・~ 267 00:23:02,045 --> 00:23:04,047 ・~ 268 00:23:04,047 --> 00:23:06,047 (戸の開く音) 269 00:23:10,053 --> 00:23:13,056 うまくいったぜ 鶴吉 270 00:23:13,056 --> 00:23:21,056 牛久の丈吉が取ってきた 錠前の蝋型だ 近江屋の金蔵のな 271 00:23:26,069 --> 00:23:30,006 こっから先は お前の仕事だ 272 00:23:30,006 --> 00:23:34,010 約束どおり きっちりと 合鍵さえ 作ってくれりゃ文句はねえ 273 00:23:34,010 --> 00:23:36,010 よろしく頼むぜ 274 00:23:38,014 --> 00:23:41,017 (鶴吉)この仕事が終わったら 間違えなく帰してくれるんだな? 275 00:23:41,017 --> 00:23:44,020 もう二度と 俺の周りを うろつくことはねえんだな! 276 00:23:44,020 --> 00:23:47,023 しつこい野郎だな 俺は 嘘はつかねえよ 277 00:23:47,023 --> 00:23:52,028 女房とガキが待ってるんだ 足洗ってたんだよ 俺は 278 00:23:52,028 --> 00:23:58,034 分かってるって! 俺だって 真っ当な暮らしをしてるお前を 279 00:23:58,034 --> 00:24:01,037 またぞろ 引きずり込みたかぁなかったよ 280 00:24:01,037 --> 00:24:06,042 だけどな 与助の奴が裏切りやがったんだ 281 00:24:06,042 --> 00:24:13,049 奴の始末はつけたが そうなると 錠前外しに腕の利く奴がいねえ 282 00:24:13,049 --> 00:24:17,053 しかたがなかったんだよ 283 00:24:17,053 --> 00:24:21,057 その代わり 50両 悪くはねえはずだぜ 284 00:24:21,057 --> 00:24:26,062 金なんか どうだっていい 俺の宝は女房とガキだ 285 00:24:26,062 --> 00:24:30,000 気が気じゃねえんだよ ガキは生まれたばかりだし・ 286 00:24:30,000 --> 00:24:33,003 女房のお袖も 体の丈夫なほうじゃねえ 287 00:24:33,003 --> 00:24:37,003 置き去りにされて 今ごろ どうしていやがるのか 288 00:24:39,009 --> 00:24:43,013 いいか? 弁蔵 合鍵は作ってやる 289 00:24:43,013 --> 00:24:47,017 だがな 女房とガキに もしものことがあってみろ 290 00:24:47,017 --> 00:24:51,021 ただじゃおかねえ 殺してやるからな 覚えてろ! 291 00:24:51,021 --> 00:24:55,025 ああ 重々承知の助だ 292 00:24:55,025 --> 00:24:59,025 念には及ばねえよ そう言ってるじゃねえか 293 00:25:04,034 --> 00:25:12,042 ・~ 294 00:25:12,042 --> 00:25:16,046 (ゆい)まあ かわいらしい 295 00:25:16,046 --> 00:25:22,052 わたし こんなに近くで 赤ちゃん見るの 初めて 296 00:25:22,052 --> 00:25:25,055 かわいいわね 本当に 297 00:25:25,055 --> 00:25:28,992 ねえ ちょっと抱いてもいいかしら? 298 00:25:28,992 --> 00:25:33,997 ええ どうぞ 気をつけて (ゆい)そう それじゃ 299 00:25:33,997 --> 00:25:35,999 よちよち はい いらっちゃい いらっちゃい 300 00:25:35,999 --> 00:25:40,003 よいちょ まず頭起こして よいしょ こうかな? 301 00:25:40,003 --> 00:25:44,007 ああ いい子だ いい子だ… よくお似合いですよ 302 00:25:44,007 --> 00:25:46,009 とても子供を お持ちでないとは思えませんね 303 00:25:46,009 --> 00:25:48,011 わたしのせいじゃありませんよ 304 00:25:48,011 --> 00:25:50,013 うちの旦那さまが だらしがないんです 305 00:25:50,013 --> 00:25:54,017 はあ さようでございますか 306 00:25:54,017 --> 00:25:58,021 でも ご新造さまなら これからでも (ゆい)えっ・ 307 00:25:58,021 --> 00:26:03,026 いや そんな それは だって あなた 無理です 308 00:26:03,026 --> 00:26:08,031 だって そう… フフフ… いや それにね わたし・ 309 00:26:08,031 --> 00:26:11,034 こうやって抱いたりしてる分には いいんだけど・ 310 00:26:11,034 --> 00:26:16,039 おしめ取り替えたり お尻ふいたり そういうの苦手なの ウフフ… 311 00:26:16,039 --> 00:26:20,043 子供の物には毒はござりませぬ 312 00:26:20,043 --> 00:26:25,048 そりゃそうでしょうけど そうは言ってもねえ 313 00:26:25,048 --> 00:26:27,984 ごめんなさいね 本当は わたしが預かるのが・ 314 00:26:27,984 --> 00:26:29,986 いちばんなんでしょうけど (妙)いいえ 315 00:26:29,986 --> 00:26:33,990 旦那さまのお申しつけですし わたし 楽しゅうございますから 316 00:26:33,990 --> 00:26:35,992 そう? 317 00:26:35,992 --> 00:26:39,996 狩谷さま 父親捜しのほうは いかがなご様子でしょう? 318 00:26:39,996 --> 00:26:44,000 まだ見つかりませんか? はあ それが… 319 00:26:44,000 --> 00:26:49,005 いろいろと手を尽くして 当たってはいるんですが まだ 320 00:26:49,005 --> 00:26:53,009 母親を亡くしたうえに 父親も見つからぬでは・ 321 00:26:53,009 --> 00:26:56,012 この子の行く末が案じられます 322 00:26:56,012 --> 00:27:03,019 お骨折りとは思いますが 何とぞ1日も早う はあ 323 00:27:03,019 --> 00:27:09,025 本当… それを思うと かわいそうに… ねえ 324 00:27:09,025 --> 00:27:16,032 あれ? なんか温かいけど これ… ねえ これ おしっこじゃないの? 325 00:27:16,032 --> 00:27:19,035 妙さん どうしたらいいの? (妙)はいはい 326 00:27:19,035 --> 00:27:24,040 (ゆい)こっち? あらあら おしっこしちゃったの そう 327 00:27:24,040 --> 00:27:26,976 (政吉)旦那! やっぱり ここにいらしたんで 328 00:27:26,976 --> 00:27:30,980 どうした? へい ちょっとね ああ… 329 00:27:30,980 --> 00:27:32,982 この徳次郎が・ 330 00:27:32,982 --> 00:27:35,982 聞き捨てならねえ話を 仕入れてきやしたんで 331 00:27:39,989 --> 00:27:42,992 小間物屋の嘉兵衛が 与助殺しの一件とつながってる? 332 00:27:42,992 --> 00:27:44,994 へい 間違いなく 333 00:27:44,994 --> 00:27:47,997 与助の飲み仲間って奴に 当たってみたんですが・ 334 00:27:47,997 --> 00:27:52,001 奴は殺される前に 下野の弁蔵を 裏切る算段をしてたんでさぁ 335 00:27:52,001 --> 00:27:54,003 弁蔵が江戸に出てくる 336 00:27:54,003 --> 00:27:57,006 子分の1人に小店を持たせて そこを足がかりにするから・ 337 00:27:57,006 --> 00:28:01,010 油断をさせて その店で殺っちまおうってね 338 00:28:01,010 --> 00:28:05,014 その店ってのがね 旦那 あの嘉兵衛の店なんで 339 00:28:05,014 --> 00:28:08,017 確かな話か? へい 340 00:28:08,017 --> 00:28:12,021 調べてみると あの店は ほんの 4~5か月前に開いたばかりでした 341 00:28:12,021 --> 00:28:15,024 それに 主人の昔のことを・ 342 00:28:15,024 --> 00:28:19,028 あの辺りの者が 誰も知らねえってのも妙だ 343 00:28:19,028 --> 00:28:22,031 驚きましたね 旦那 赤ん坊の父親捜しと・ 344 00:28:22,031 --> 00:28:26,035 下野の弁蔵が結び付くとは 思いもよらなかった 345 00:28:26,035 --> 00:28:27,971 その父親が 江戸へ出てきたってのも・ 346 00:28:27,971 --> 00:28:31,975 こいつは 恐らく弁蔵に 呼び出されたに違いありませんぜ 347 00:28:31,975 --> 00:28:33,977 しかし 死んだお袖の話じゃ・ 348 00:28:33,977 --> 00:28:37,981 亭主の鶴吉は働き者で 真面目一方の男だったというが 349 00:28:37,981 --> 00:28:40,984 腕のいい煙管職人だったんで ございやしょう おう… 350 00:28:40,984 --> 00:28:44,988 それじゃ きっと 手先の細工は器用なはずだ 351 00:28:44,988 --> 00:28:49,993 殺された与助は 錠前外しでございやしたよ 352 00:28:49,993 --> 00:28:52,996 ここまで手はずが整ってると なりゃ 弁蔵のことだ・ 353 00:28:52,996 --> 00:28:57,000 もう間なしに どっかへ押し込む算段のはずだ 354 00:28:57,000 --> 00:29:00,003 嘉兵衛の店に踏み込んで 泥を吐かせやしょうか? 355 00:29:00,003 --> 00:29:03,006 いや それじゃ 肝心の弁蔵に逃げられちまう 356 00:29:03,006 --> 00:29:06,009 そうなると 鶴吉の居所も分からなくなって・ 357 00:29:06,009 --> 00:29:09,012 俺は お袖との約束を 果たせなくなっちまう 358 00:29:09,012 --> 00:29:15,018 旦那 そんな 今更 約束なんて 約束は守らねばならん! 359 00:29:15,018 --> 00:29:18,021 亭主が どんな奴だろうと 何をしていようと 俺は・ 360 00:29:18,021 --> 00:29:20,023 赤子を渡さなきゃならんのだ 361 00:29:20,023 --> 00:29:23,026 旦那 心配するな 362 00:29:23,026 --> 00:29:26,026 俺にちょいと思い当たることが ある 一緒に来てくれ へい 363 00:29:29,966 --> 00:29:48,985 ・~ 364 00:29:48,985 --> 00:29:53,990 《お袖 待っていろ もうじきだ》 365 00:29:53,990 --> 00:29:56,993 《この仕事を 終えたら すぐに帰る》 366 00:29:56,993 --> 00:30:00,997 《お前のそばに すぐに帰るからな》 367 00:30:00,997 --> 00:30:04,000 《お袖… お玉!》 368 00:30:04,000 --> 00:30:24,020 ・~ 369 00:30:24,020 --> 00:30:32,962 ・~ 370 00:30:32,962 --> 00:30:35,965 (女性)じゃあ お先だよ (お袖)どうも 371 00:30:35,965 --> 00:30:55,985 ・~ 372 00:30:55,985 --> 00:30:57,987 ・~ 373 00:30:57,987 --> 00:31:00,990 ありがとよ (お袖)頑張ってね 374 00:31:00,990 --> 00:31:21,010 ・~ 375 00:31:21,010 --> 00:31:28,017 ・~ 376 00:31:28,017 --> 00:31:30,019 江戸へ? (鶴吉)ああ 377 00:31:30,019 --> 00:31:33,022 江戸へ行くんだ 赤坂の紀伊国坂下にある・ 378 00:31:33,022 --> 00:31:36,025 小間物屋の 嘉兵衛さんってお人の所へな 379 00:31:36,025 --> 00:31:38,027 心配は要らねえ いつになるか分からねえが・ 380 00:31:38,027 --> 00:31:40,029 きっと帰ってくる 待っててくんな 381 00:31:40,029 --> 00:31:42,031 いつになるか分からないって どうして そんな… 382 00:31:42,031 --> 00:31:45,034 訳は言えねえ 昔に義理のあったお人だ 383 00:31:45,034 --> 00:31:48,037 断るわけにはいかねえんだよ (お袖)だって お前さん 384 00:31:48,037 --> 00:31:51,040 聞かねえでくれ! 385 00:31:51,040 --> 00:31:56,045 大丈夫だ 少しは蓄えもある 何かあったときには・ 386 00:31:56,045 --> 00:31:59,048 大家の清兵衛さんに 相談すりゃいい 387 00:31:59,048 --> 00:32:01,050 きっと 力になってくださるはずだ 388 00:32:01,050 --> 00:32:04,053 だって お前さんがいなくちゃ・ 389 00:32:04,053 --> 00:32:09,058 わたしと この子の 2人っきりでこの先 どうして… 390 00:32:09,058 --> 00:32:12,061 (鶴吉)だから 必ず帰るって 言ってるじゃねえか 391 00:32:12,061 --> 00:32:15,064 辛抱して待っててくれ! なあ 頼んだぜ 392 00:32:15,064 --> 00:32:19,068 お前さん! お前さん! 393 00:32:19,068 --> 00:32:23,072 (赤ん坊の泣き声) お前さん… 394 00:32:23,072 --> 00:32:36,072 ・~ 395 00:32:43,025 --> 00:32:46,025 あの男だ 覚え ねえか? 396 00:32:50,032 --> 00:32:56,032 丈吉… 間違いねえ 牛久の丈吉だ 397 00:33:01,043 --> 00:33:07,043 (丈吉)親分に言っときな やるなら今夜だってな 398 00:33:23,065 --> 00:33:30,006 (弁蔵)これでもう近江屋の金蔵は さらったも同じだ 399 00:33:30,006 --> 00:33:33,009 抜かるんじゃねえぞ (一同)へい 400 00:33:33,009 --> 00:33:38,009 それと鶴吉のことだがな 401 00:33:41,017 --> 00:33:45,021 あとあと 面倒なことになっちゃいけねえ 402 00:33:45,021 --> 00:33:49,025 錠前さえ外してもらやあ もう 用はねえんだ 403 00:33:49,025 --> 00:33:57,025 だからよう うめえとこ 奴が錠前を外したところで 404 00:33:59,035 --> 00:34:02,038 恋女房が待ってるんだ 405 00:34:02,038 --> 00:34:06,042 喜び勇んで 三途の川を渡るだろうぜ 406 00:34:06,042 --> 00:34:09,042 (笑い声) 407 00:34:19,055 --> 00:34:39,008 ・~ 408 00:34:39,008 --> 00:34:59,028 ・~ 409 00:34:59,028 --> 00:35:05,034 ・~ 410 00:35:05,034 --> 00:35:08,037 ・(鍵の開く音) 開いたぜ 411 00:35:08,037 --> 00:35:10,039 ウウッ! 412 00:35:10,039 --> 00:35:17,046 (捕り方たち)御用だ! 御用だ! 御用だ! 御用だ! 御用だ! 413 00:35:17,046 --> 00:35:21,046 下野の弁蔵! あれ見ろ! 414 00:35:23,052 --> 00:35:25,054 てめえらのやることは・ 415 00:35:25,054 --> 00:35:28,991 この牛久の丈吉が 全部 吐いてくれた 416 00:35:28,991 --> 00:35:31,994 今ごろ 嘉兵衛の店にも 手が入ってるはずだ 417 00:35:31,994 --> 00:35:33,996 観念して お縄をちょうだいするんだな 418 00:35:33,996 --> 00:35:38,000 ヘン! 捕まりゃ獄門と決まってるんだ 419 00:35:38,000 --> 00:35:41,003 誰が観念するもんか おい! やっちまいな! 420 00:35:41,003 --> 00:35:46,008 ・~ 421 00:35:46,008 --> 00:35:49,011 (杉山)往生際が悪いな お前ら (栗原)思い知らせてやりますか? 422 00:35:49,011 --> 00:35:52,014 おお 暴れまくるぞー! 423 00:35:52,014 --> 00:36:12,034 ・~ 424 00:36:12,034 --> 00:36:17,039 ・~ 425 00:36:17,039 --> 00:36:19,041 (杉山)栗原ーっ! 426 00:36:19,041 --> 00:36:21,041 (小室)ウウッ… 427 00:36:24,046 --> 00:36:26,046 ウウッ 428 00:36:28,985 --> 00:36:30,985 (手下)ええい くそーっ! 429 00:36:33,990 --> 00:36:36,993 (鶴吉)ちきしょう! ちきしょう! 430 00:36:36,993 --> 00:36:39,996 死んでたまるか! 捕まってたまるか! 431 00:36:39,996 --> 00:36:43,996 俺は帰るんだ 女房とガキの所に帰るんだ 432 00:36:51,007 --> 00:36:54,007 (赤ん坊の声) 433 00:37:00,016 --> 00:37:03,019 なっ… なんでぇ そのガキは? 434 00:37:03,019 --> 00:37:05,019 鶴吉だな? 435 00:37:07,023 --> 00:37:11,027 お袖に頼まれて お前に この子を届けに来た 436 00:37:11,027 --> 00:37:13,027 なんだと・ 437 00:37:16,032 --> 00:37:19,035 お袖は死んだ 438 00:37:19,035 --> 00:37:24,040 お前を追いかけて 江戸へ出てきて 目黒村でな 439 00:37:24,040 --> 00:37:27,977 嘘だ! 嘘だ 嘘だ! 440 00:37:27,977 --> 00:37:31,981 お袖が死んだなんて もう この世にいねえなんて・ 441 00:37:31,981 --> 00:37:34,981 そんなこと 嘘だ! 嘘じゃねえ! 442 00:37:36,986 --> 00:37:40,990 死に水は 俺が取った 443 00:37:40,990 --> 00:37:43,993 お袖は お前に会いたがってた 444 00:37:43,993 --> 00:37:49,999 「会いたい どうしても会いたい 死ぬまでに ひと目会いたい」 445 00:37:49,999 --> 00:37:52,001 そう言ってたがな… 446 00:37:52,001 --> 00:37:56,005 もう駄目なことは 自分でも分かってた 447 00:37:56,005 --> 00:37:58,007 だから この子だけでも・ 448 00:37:58,007 --> 00:38:02,011 父親のお前に 会わせてやってくれって 449 00:38:02,011 --> 00:38:05,011 それが 俺とお袖の約束だ 450 00:38:07,016 --> 00:38:10,019 だが 会わなくて良かった 451 00:38:10,019 --> 00:38:15,024 今のお前の姿を見たら お袖は どう思う? 452 00:38:15,024 --> 00:38:18,027 幸せな 暮らしだったそうじゃねえか 453 00:38:18,027 --> 00:38:20,029 贅沢はできなくても・ 454 00:38:20,029 --> 00:38:26,035 つつましい真面目な暮らしだった そうじゃねえか ええ? 455 00:38:26,035 --> 00:38:29,972 何の不足があって こんな真似しなきゃいけねえんだ 456 00:38:29,972 --> 00:38:49,992 ・~ 457 00:38:49,992 --> 00:38:54,997 ・~ 458 00:38:54,997 --> 00:39:00,002 そいつを… その暮らしを守りたかったんだ 459 00:39:00,002 --> 00:39:03,005 不足なんてあるわけはねえ 460 00:39:03,005 --> 00:39:07,009 俺にとっちゃ 夢のような暮らしだった 461 00:39:07,009 --> 00:39:12,014 昔 悪だった俺が もったいねえような女房もらって 462 00:39:12,014 --> 00:39:17,014 ガキもできて もったいねえような暮らしだった 463 00:39:19,021 --> 00:39:22,021 そんなときだ 弁蔵が来やがったのは 464 00:39:24,026 --> 00:39:27,963 奴のせいで 昔のことが ばれたら・ 465 00:39:27,963 --> 00:39:30,966 女房は 俺に愛想尽かすかもしれねえ 466 00:39:30,966 --> 00:39:34,970 いや… そうじゃなくても 近所で そんなことが噂になったら 467 00:39:34,970 --> 00:39:37,973 この暮らしは めちゃくちゃだ 468 00:39:37,973 --> 00:39:42,978 そう思って俺は いっぺんこっきりのつもりで・ 469 00:39:42,978 --> 00:39:49,985 お袖には 本当のことを言わずに この江戸へ出てきたんだ 470 00:39:49,985 --> 00:39:52,988 だけど まさか… 471 00:39:52,988 --> 00:39:56,992 まさか お袖が… 472 00:39:56,992 --> 00:40:01,997 あの体で 俺を追っかけてくるなんて… 473 00:40:01,997 --> 00:40:06,001 その上 途中で死んじまうなんて 474 00:40:06,001 --> 00:40:14,009 じゃ 俺は… 俺は 一体 何のために こんなことを! 475 00:40:14,009 --> 00:40:20,009 (泣き声) 476 00:40:25,020 --> 00:40:30,960 鶴吉 お前は とんでもない 考え違いをしたんだぜ 477 00:40:30,960 --> 00:40:34,960 悪さ重ねて まともな暮らしを 守れる道理がねえじゃねえか! 478 00:40:36,966 --> 00:40:40,970 それにな 昔のことを打ち明けたところで・ 479 00:40:40,970 --> 00:40:44,974 あのお袖さんなら きっと許してくれたろう 480 00:40:44,974 --> 00:40:47,974 2人して弁蔵から 逃げる算段してくれたろうぜ 481 00:40:49,979 --> 00:40:52,982 俺には分かる 482 00:40:52,982 --> 00:40:56,986 そういう 一途な女だと思ったからこそ・ 483 00:40:56,986 --> 00:40:58,986 俺は頼みを聞いたんだ 484 00:41:11,000 --> 00:41:17,000 (赤ん坊の声) 485 00:41:19,008 --> 00:41:21,008 さあ… 486 00:41:23,012 --> 00:41:25,012 さあ 抱け 487 00:41:28,017 --> 00:41:31,020 お前の子だ 488 00:41:31,020 --> 00:41:36,020 そして お袖さんの命の滴のこもった子だ 489 00:41:39,028 --> 00:41:42,031 長い旅をしてきたんだぜ 490 00:41:42,031 --> 00:42:02,051 ・~ 491 00:42:02,051 --> 00:42:06,055 お袖… 許してくれ… 492 00:42:06,055 --> 00:42:26,075 ・~ 493 00:42:26,075 --> 00:42:46,028 ・~ 494 00:42:46,028 --> 00:42:50,032 ・~ 495 00:42:50,032 --> 00:42:56,032 (でんでん太鼓の音) 496 00:42:58,040 --> 00:43:02,044 なんだか名残惜しいわねぇ 497 00:43:02,044 --> 00:43:04,046 平塚まで ついてっちゃおうかしら 498 00:43:04,046 --> 00:43:06,048 いやいや それは ご勘弁ください 499 00:43:06,048 --> 00:43:11,053 赤ん坊のほかに ご新造の面倒まで 見せられては 身がもちません 500 00:43:11,053 --> 00:43:13,055 (笑い声) 何言ってるんですか 501 00:43:13,055 --> 00:43:15,057 わたしは 赤ちゃんの心配してるんですよ 502 00:43:15,057 --> 00:43:18,060 あなたの 荷物になんかなりません! ねえ 503 00:43:18,060 --> 00:43:24,066 ご新造さまは あれから毎日 お顔を見においででしたからね 504 00:43:24,066 --> 00:43:28,003 本当に大丈夫なんでしょうね その平塚の清兵衛さんとやら 505 00:43:28,003 --> 00:43:30,005 はい 子のない夫婦で・ 506 00:43:30,005 --> 00:43:33,008 鶴吉とお袖が出していた 小店の大家です 507 00:43:33,008 --> 00:43:38,013 事情を聞いて 鶴吉が戻るまで 是非 預かりたいと 508 00:43:38,013 --> 00:43:41,016 いや 人柄はご心配ありませんぞ 509 00:43:41,016 --> 00:43:44,019 鶴吉が石川島の人足寄せ場で・ 510 00:43:44,019 --> 00:43:47,022 2年の労役という 軽い刑で済んだのも・ 511 00:43:47,022 --> 00:43:52,027 その清兵衛と申す者のおかげ 近所の連中を説いて回り・ 512 00:43:52,027 --> 00:43:57,032 一同そろって 罪減らしの 嘆願をしてくれたからでござる 513 00:43:57,032 --> 00:44:02,032 そう… まあ そういうお方なら安心だけど… 514 00:44:08,043 --> 00:44:10,045 さあ 狩谷さま・ 515 00:44:10,045 --> 00:44:13,048 そろそろ おたちになりませんと 到着が遅くなります 516 00:44:13,048 --> 00:44:16,048 では そろそろ 517 00:44:21,056 --> 00:44:24,059 よし はい 518 00:44:24,059 --> 00:44:28,059 ああ… うん 519 00:44:29,998 --> 00:44:35,003 さよなら お玉ちゃん 幸せにね 520 00:44:35,003 --> 00:44:37,005 では いってまいります 521 00:44:37,005 --> 00:44:40,005 (ゆい)気をつけてね はい 522 00:44:44,012 --> 00:44:48,016 大したものだ 狩谷の奴… 523 00:44:48,016 --> 00:44:53,021 一介の名もなき女との約束 ついに果たしおった 524 00:44:53,021 --> 00:44:58,026 ええ お見事でございましたね 525 00:44:58,026 --> 00:45:02,026 しかし 寂しゅうなりましたな ご新造 526 00:45:04,032 --> 00:45:07,035 寂しくなんかあるもんですか 527 00:45:07,035 --> 00:45:12,040 だって あの子は幸せになるんですもの 528 00:45:12,040 --> 00:45:16,044 あっ それに わたしには 妙さんがいらっしゃいますから 529 00:45:16,044 --> 00:45:18,046 えっ? 530 00:45:18,046 --> 00:45:21,049 (ゆい)頑張りますよ~ わたし 531 00:45:21,049 --> 00:45:25,053 もう吹っ切れました おしめだって何だって替えます 532 00:45:25,053 --> 00:45:28,991 妙さんの子は わたしにお任せください 533 00:45:28,991 --> 00:45:30,993 フフフッ 534 00:45:30,993 --> 00:45:35,998 ハハハ… これは まいりましたなぁ 535 00:45:35,998 --> 00:45:38,998 先が思いやられるわい… (妙)フフッ 536 00:45:43,005 --> 00:45:46,008 <ひと騒動でございました> 537 00:45:46,008 --> 00:45:51,013 <鶴吉の処分については 赤子の行く末のこともあり・ 538 00:45:51,013 --> 00:45:56,018 まあ お奉行所内でも さまざまに 意見が分かれたそうでございます> 539 00:45:56,018 --> 00:45:59,021 <…が やはり悪事は悪事> 540 00:45:59,021 --> 00:46:02,024 <「その責めは きちんと負わせねばなるまい」> 541 00:46:02,024 --> 00:46:04,026 <…ということに なったわけでございます> 542 00:46:04,026 --> 00:46:09,031 <まあ 2年の辛抱でございますがな> 543 00:46:09,031 --> 00:46:13,035 <子供には神がつくと申します> 544 00:46:13,035 --> 00:46:17,039 <きっと この赤子も 晴れて父親が戻るまで・ 545 00:46:17,039 --> 00:46:22,044 神さまが守っていてくださる ことでございましょう> 546 00:46:22,044 --> 00:46:41,997 ・~ 547 00:46:41,997 --> 00:47:02,017 ・~ 548 00:47:02,017 --> 00:47:18,017 ・~ 549 00:47:24,039 --> 00:47:26,975 <「花に嵐」の例えあり> 550 00:47:26,975 --> 00:47:30,979 <桜舞い散る刑場で ざん首を待つ女> 551 00:47:30,979 --> 00:47:35,984 <死に急ぐ その女の冷めた美しい横顔に・ 552 00:47:35,984 --> 00:47:37,986 得心が行かんのでございます> 553 00:47:37,986 --> 00:47:41,986 <あながち さよならだけが 人生ではございますまいて> 554 00:59:42,143 --> 00:59:43,010 555 00:59:43,010 --> 00:59:47,014 「時代劇専門チャンネル」の 全てが分かる番組情報誌 556 00:59:47,014 --> 00:59:49,014 『時代劇専門チャンネルガイド』 557 00:59:50,017 --> 00:59:53,020 毎月のおすすめ作品を 解説した特集記事や・ 558 00:59:53,020 --> 00:59:58,020 番組表・コラム・時代劇クロスワードなど 見どころ満載! 559 01:00:05,032 --> 01:00:07,032 まずは 見本誌を 無料で お届け!