1 00:01:57,176 --> 00:02:01,046 2 00:02:01,046 --> 00:02:06,051 (捕り方たち)御用だ! 御用だ! 御用だ! 御用だ! 御用だ! 3 00:02:06,051 --> 00:02:12,057 ・~ 4 00:02:12,057 --> 00:02:16,061 (佳代)今日のお漬物 ちょっと 漬けすぎたみたいなんですけど 5 00:02:16,061 --> 00:02:22,067 ・~ 6 00:02:22,067 --> 00:02:26,071 (江藤)ほどほどにせい ほどほどに (ゆい)分かってますよ 7 00:02:26,071 --> 00:02:28,073 ・~ 8 00:02:28,073 --> 00:02:32,077 (妙) あっ 円之助 あっち あっち見て 9 00:02:32,077 --> 00:02:45,090 ・~ 10 00:02:45,090 --> 00:02:48,093 (鳥蔵)親分! 出てきました! 11 00:02:48,093 --> 00:02:50,095 (政吉)ごちそうさん! 12 00:02:50,095 --> 00:03:07,046 ・~ 13 00:03:07,046 --> 00:03:10,049 わっしょい! わっしょい! わっしょい! 14 00:03:10,049 --> 00:03:16,055 (江藤)<江戸の三大祭りは 赤坂の山王さん 深川の八幡さん・ 15 00:03:16,055 --> 00:03:19,058 それに 神田の明神さん> 16 00:03:19,058 --> 00:03:22,061 <あまり派手にやりすぎて 御公儀のお叱りを受け・ 17 00:03:22,061 --> 00:03:27,066 「山王さんと神田明神は 1年置きの代わりばんこにした」 18 00:03:27,066 --> 00:03:30,069 …などという お話もございましたが・ 19 00:03:30,069 --> 00:03:35,074 とにかく 江戸に住む人たちは 喜びにつけ 悲しみにつけ・ 20 00:03:35,074 --> 00:03:41,080 すぐ 神さま仏さまの所へ 駆けつけたものでございます> 21 00:03:41,080 --> 00:04:01,033 ・~ 22 00:04:01,033 --> 00:04:04,036 <ただ かねがね不思議なのは・ 23 00:04:04,036 --> 00:04:10,042 同じ 神さま仏さまに なぜ はやり廃りがあるのか> 24 00:04:10,042 --> 00:04:14,046 <お賽銭や お祈りのしかたで 効能が違うとも思えず・ 25 00:04:14,046 --> 00:04:18,050 それでいて 「あそこの仏は功徳がある」・ 26 00:04:18,050 --> 00:04:22,054 「あそこの神さまは願い事が叶う」 などと 言いはやすのが・ 27 00:04:22,054 --> 00:04:26,054 どうも わたしには 今もって 腑に落ちません> 28 00:04:29,061 --> 00:04:38,061 ・~ 29 00:04:44,076 --> 00:04:46,078 (綾)お邪魔いたしました 30 00:04:46,078 --> 00:04:49,081 (了達) ああ ご主人はいかがですかな? 31 00:04:49,081 --> 00:04:52,084 少しは元気になられましたかな? 32 00:04:52,084 --> 00:04:58,023 いいえ 病が病ですから そう はかばかしくはございませんが… 33 00:04:58,023 --> 00:05:04,029 気長にな… 気長に養生することが第一じゃ 34 00:05:04,029 --> 00:05:09,029 よろしくな (綾)はい ありがとうございます 35 00:05:27,052 --> 00:05:30,055 (磯吉)おっとっと 駄目だ駄目だ 逃げようたって・ 36 00:05:30,055 --> 00:05:35,060 そうはいきませんぜ (綾)すいません 急いでますから 37 00:05:35,060 --> 00:05:37,062 あいにくと こっちも急いでるんだ 38 00:05:37,062 --> 00:05:43,068 さあ どうするね? どこで話をつけるね? 39 00:05:43,068 --> 00:05:48,073 あっ! え~い 分からねえ ご新造だ 40 00:05:48,073 --> 00:05:52,077 えっ? 取って食おうってんじゃねえ 41 00:05:52,077 --> 00:05:56,081 相談に乗ろうってんじゃねえか (綾)離して 離してください! 42 00:05:56,081 --> 00:05:59,017 (政吉)よせよ! 町中で 恥さらしな真似をすんじゃねえ! 43 00:05:59,017 --> 00:06:01,019 おっと待てよ! 待ちな! おっ… 44 00:06:01,019 --> 00:06:06,024 (狩谷)面白そうな話だな 俺が代わりに相談に乗ろうか? 45 00:06:06,024 --> 00:06:08,026 旦那… 46 00:06:08,026 --> 00:06:12,030 踏み倒しだ? へい 47 00:06:12,030 --> 00:06:14,032 あの女が 何を踏み倒した? 48 00:06:14,032 --> 00:06:17,032 決まってるじゃないですか 借金の踏み倒し 49 00:06:19,037 --> 00:06:21,039 お前 金貸しか? 50 00:06:21,039 --> 00:06:25,043 日本橋の質屋 芳善の番頭です 51 00:06:25,043 --> 00:06:28,046 裏の高利貸しで有名な あの芳善だな? 52 00:06:28,046 --> 00:06:32,050 旦那 わたしどもは 御公儀のお許しを得て・ 53 00:06:32,050 --> 00:06:38,056 商いをいたしておりますんで 高利貸しなど とんでもない 54 00:06:38,056 --> 00:06:44,062 ふ~ん もう一度 聞く 芳善ってのは質屋だな? 55 00:06:44,062 --> 00:06:46,064 へい さようで 56 00:06:46,064 --> 00:06:50,064 裏で高利貸しなどはしていないと 言うんだな? へい 57 00:06:52,070 --> 00:06:56,070 すると あの女は 一体 何を踏み倒したんだ? 58 00:07:32,044 --> 00:07:36,048 (三九郎)俺に そっくりだ (綾)えっ? 59 00:07:36,048 --> 00:07:40,048 フッ… 不器用なとこだけはな 60 00:07:42,054 --> 00:07:44,054 フフフ… 61 00:07:46,058 --> 00:07:51,063 おからは お口に合いませぬか? 62 00:07:51,063 --> 00:07:58,003 この仕事が金になったら みんなに 菓子を食わせる 63 00:07:58,003 --> 00:08:01,006 まんじゅうがいいな 64 00:08:01,006 --> 00:08:05,010 うん… 黒い餡の ぎゅっと詰まった まんじゅう 65 00:08:05,010 --> 00:08:11,010 (せきこみ) 66 00:08:14,019 --> 00:08:20,025 <侍も ひと度 扶持を離れたら それは情けない代物> 67 00:08:20,025 --> 00:08:25,025 <なんて 偉そうなことを言って 実は 我々もご同様> 68 00:08:27,032 --> 00:08:32,037 <八丁堀で いちばん繁盛したのが 実は この店> 69 00:08:32,037 --> 00:08:36,037 <うちの女房どのなども まあ 常連のひとり> 70 00:08:42,047 --> 00:08:44,047 (杉山)王手 71 00:08:51,056 --> 00:08:53,056 (杉山)王手 72 00:08:57,996 --> 00:08:59,998 ひょっとすると駄目かな? 73 00:08:59,998 --> 00:09:03,001 (杉山) ひょっとしなくても駄目です 74 00:09:03,001 --> 00:09:15,013 ・~ 75 00:09:15,013 --> 00:09:17,015 さあ 次 いきましょう! 76 00:09:17,015 --> 00:09:21,019 いや あのな… 今日は わしゃな この辺で… なっ! 77 00:09:21,019 --> 00:09:24,022 何言ってんですか 「十兵衛十番勝負」なんて・ 78 00:09:24,022 --> 00:09:27,025 粋なこと言ったの おやじさんじゃ ないですか いきましょう 79 00:09:27,025 --> 00:09:30,028 ・(ゆい)ただいま (江藤)おう! 80 00:09:30,028 --> 00:09:32,030 お邪魔しとりま~す! 81 00:09:32,030 --> 00:09:52,050 ・~ 82 00:09:52,050 --> 00:09:55,053 ・~ 83 00:09:55,053 --> 00:09:57,053 杉山さま 84 00:09:59,991 --> 00:10:03,995 はい (ゆい)どうぞ 85 00:10:03,995 --> 00:10:07,999 はっ! これは いつもいつも かたじけない 86 00:10:07,999 --> 00:10:12,003 杉山 この首に懸けましても 必ず 月末にご返済を 87 00:10:12,003 --> 00:10:14,005 ありがとうございます (ゆい)あなたの首は要りませんが 88 00:10:14,005 --> 00:10:18,009 賭け将棋の 賭け金は返していただきます 89 00:10:18,009 --> 00:10:24,015 この江藤の家では 賭け事は 一切 まかりならぬと家訓がございます 90 00:10:24,015 --> 00:10:29,020 おお そうだ… おお そうであった 91 00:10:29,020 --> 00:10:32,023 何か大切なものを 忘れておったなぁとは思ったが… 92 00:10:32,023 --> 00:10:36,027 それは 立派な家訓です 賭け将棋はいけません 93 00:10:36,027 --> 00:10:40,027 では 今日のところは失礼して… ありがとうございます 本当に 94 00:10:43,034 --> 00:10:45,034 馬鹿! 95 00:10:48,039 --> 00:10:50,039 ハァ… 96 00:10:56,982 --> 00:10:58,982 なんだ あれは? 97 00:11:00,986 --> 00:11:04,990 ・(騒ぎ声) 98 00:11:04,990 --> 00:11:08,994 鳥… 鳥! (杉山)鳥! 99 00:11:08,994 --> 00:11:11,997 (鳥蔵)あっ! 旦那! (杉山)なんだ この騒ぎ? 100 00:11:11,997 --> 00:11:14,997 へい おとといから 閉めっきりなんでい 101 00:11:24,009 --> 00:11:29,014 (たたく音) おい 開けろ! 誰かおらんのか? 102 00:11:29,014 --> 00:11:31,016 (たたく音) 103 00:11:31,016 --> 00:11:33,018 (男性) 首でも くくったんじゃねえのかな 104 00:11:33,018 --> 00:11:36,018 (男性)居留守でも 使ってるんじゃねえのか 105 00:11:46,031 --> 00:11:49,031 すいません 106 00:12:03,048 --> 00:12:09,054 (仁兵衛) 芳善というと日本橋の質屋の? 107 00:12:09,054 --> 00:12:11,054 はい 108 00:12:13,058 --> 00:12:15,058 いくらです? 借りたのは 109 00:12:17,062 --> 00:12:19,062 もとは3両でした 110 00:12:21,066 --> 00:12:25,070 それが今では… (仁兵衛)7両か8両? 111 00:12:25,070 --> 00:12:31,076 ああ もう 空恐ろしくて… (仁兵衛)お気の毒な… 112 00:12:31,076 --> 00:12:36,076 分かりました その借金 わたしが肩代わりいたしましょう 113 00:12:38,083 --> 00:12:40,085 肩代わり? 114 00:12:40,085 --> 00:12:46,091 その代わり わたしのほうに 新しい証文を入れていただく 115 00:12:46,091 --> 00:12:50,095 …といっても わたしのほうは 薬代と同じ・ 116 00:12:50,095 --> 00:12:53,098 あるとき払いの催促なしだ 117 00:12:53,098 --> 00:12:57,035 それなら 旦那さんも安心して 養生できるというもんですよ 118 00:12:57,035 --> 00:13:00,038 そうなさい そうなさい 119 00:13:00,038 --> 00:13:08,046 ・~ 120 00:13:08,046 --> 00:13:12,046 <捨てる神あれば 拾う神あり> 121 00:13:14,052 --> 00:13:19,057 <誠 「禍福は あざなえる 縄のごとし」でございますな> 122 00:13:19,057 --> 00:13:21,059 <結構 結構> 123 00:13:21,059 --> 00:13:26,064 <…と ここまでは 極めて 結構なお話でございましたが> 124 00:13:26,064 --> 00:13:33,071 (騒ぎ声) 125 00:13:33,071 --> 00:13:37,075 こら お前ら 天下の往来 何だと思ってんだ? 126 00:13:37,075 --> 00:13:41,075 ごみ捨て場じゃねえんだぞ 片づけろ もと戻せ! 127 00:13:43,081 --> 00:13:46,084 えっ? (神野)神田の相政の者だ 128 00:13:46,084 --> 00:13:48,086 (杉山)それが どうしたい? 129 00:13:48,086 --> 00:13:50,088 これは懲らしめだ 130 00:13:50,088 --> 00:13:55,093 借金を踏み倒そうとする奴らへの 見せしめなのだ 131 00:13:55,093 --> 00:14:00,031 妙な口出しは あとで泣きを見るぞ 132 00:14:00,031 --> 00:14:03,034 よし 引き揚げだ! 133 00:14:03,034 --> 00:14:06,037 ちょっと待て お前… お前 耳 聞こえねえのか? 134 00:14:06,037 --> 00:14:09,040 俺はお前らの仕事が どうのこうの 言ってんじゃねえんだよ 135 00:14:09,040 --> 00:14:14,045 人通りの邪魔になるから 道 片づけろっつったんだ 136 00:14:14,045 --> 00:14:16,045 待て… 137 00:14:29,060 --> 00:14:31,062 何て言うかな… この… 138 00:14:31,062 --> 00:14:34,065 まあ 奥歯に物が挟まったような 言い方をするという… 139 00:14:34,065 --> 00:14:39,070 そういうふうに思うかもしれんが 俺としてはだな… 140 00:14:39,070 --> 00:14:41,072 腹減ってます (江藤)うん? 141 00:14:41,072 --> 00:14:44,075 なるべく手短に (江藤)馬鹿! 142 00:14:44,075 --> 00:14:48,079 そもそも貴様がな 相政なんて やっかい者と事を構えるから・ 143 00:14:48,079 --> 00:14:52,083 こういうことになるんだ 相政はな・ 144 00:14:52,083 --> 00:14:56,087 さる大名家にも出入りして 上のほうに顔が利くんだ 145 00:14:56,087 --> 00:14:59,023 顔が! ここもですか? 146 00:14:59,023 --> 00:15:01,025 なんだと? 147 00:15:01,025 --> 00:15:05,029 奉行所の上の方も 相政に 頭が上がらんのですか? 148 00:15:05,029 --> 00:15:07,029 馬鹿者! 149 00:15:09,033 --> 00:15:13,037 馬鹿者が… 俺を困らせるなよ 150 00:15:13,037 --> 00:15:16,040 金を借りたら その金は必ず返す! なあ? 151 00:15:16,040 --> 00:15:19,043 それによって 世の中は円滑に動く 152 00:15:19,043 --> 00:15:22,046 もし 借金を踏み倒すことが 当たり前になってみろ 153 00:15:22,046 --> 00:15:24,048 天は ひっくり返るぞ 154 00:15:24,048 --> 00:15:28,052 お先 真っ暗で もう真っ暗闇に なっちまうぞ お前 うん・ 155 00:15:28,052 --> 00:15:33,057 だからぁ! 時と場合によっては 見て見ぬふりするも我らが務めよ 156 00:15:33,057 --> 00:15:35,059 (河村)伺います! (江藤)なんだ? 157 00:15:35,059 --> 00:15:38,062 (河村)上の上の そのまた上の 雲の上の方は・ 158 00:15:38,062 --> 00:15:41,065 何万両もの金を 蔵前の商人から借りたまま・ 159 00:15:41,065 --> 00:15:44,068 踏み倒しも同然と聞いてますが それも… 160 00:15:44,068 --> 00:15:47,068 お前よ そこまで言っちゃ おしまいだよ 161 00:15:53,077 --> 00:15:55,077 ちょっと ちょっと… 162 00:16:02,020 --> 00:16:07,025 嘘です… これは わたしの証文ではありません 163 00:16:07,025 --> 00:16:13,031 (清吉)しかし ご新造さん あなたの名前もあるし 爪印もある 164 00:16:13,031 --> 00:16:19,037 ああ… なんだ? どうしたと言うのだ? 165 00:16:19,037 --> 00:16:23,041 薬屋で作った 証文が書き換えられて・ 166 00:16:23,041 --> 00:16:27,041 人手に渡ったんです (三九郎)人手に? 167 00:16:29,047 --> 00:16:32,050 その証文は 手形といって・ 168 00:16:32,050 --> 00:16:36,050 それが そのまま 売り買いされて金になります 169 00:16:38,056 --> 00:16:43,061 ご新造さんの書いた証文が どういうわけで外に流れたのか・ 170 00:16:43,061 --> 00:16:48,066 それは 薬屋の 仁徳堂に お尋ねすることです 171 00:16:48,066 --> 00:16:52,070 私ども相模屋のほうとしましては 172 00:16:52,070 --> 00:16:56,074 支払いの期日が過ぎたら 気の毒だが・ 173 00:16:56,074 --> 00:17:01,012 そこに書いてある約束を 守ってもらうより ほかはない 174 00:17:01,012 --> 00:17:04,012 そういうものなんですよ 175 00:17:07,018 --> 00:17:12,023 嘘です わたしの見た証文には こんな文言はなかった 176 00:17:12,023 --> 00:17:16,023 これは あとから書き加えたのです (三九郎)誰が? 177 00:17:18,029 --> 00:17:23,034 薬屋の仁徳堂か? 仁徳堂が書き足したのか? 178 00:17:23,034 --> 00:17:29,040 わ… 分かりません わたしには もう… 179 00:17:29,040 --> 00:17:33,044 期日は あしただ 180 00:17:33,044 --> 00:17:40,051 あしたまでに 7両そろわなければ うちの若い者がまいります 181 00:17:40,051 --> 00:17:43,051 ご新造さんをお迎えにね 182 00:17:45,056 --> 00:17:48,059 ・(戸の開閉音) 183 00:17:48,059 --> 00:17:54,059 どうする? 綾… どうするつもりだ? 184 00:18:00,004 --> 00:18:02,006 いいえ 「あるとき払いの催促なし」と・ 185 00:18:02,006 --> 00:18:07,011 はっきりと この耳で聞きました 「期日は気にしなくてもいい」 186 00:18:07,011 --> 00:18:10,014 「利息はなしで 気長に待つから」と そう はっきり! 187 00:18:10,014 --> 00:18:15,019 わたしが申しましたかなぁ? (綾)言いました 確かに! 188 00:18:15,019 --> 00:18:19,023 そんな 馬鹿なことを言いましたか? 189 00:18:19,023 --> 00:18:21,025 馬鹿なこと? 190 00:18:21,025 --> 00:18:26,030 ご新造さん わたしだって 商人の端くれですよ 191 00:18:26,030 --> 00:18:31,035 商人が 利息のつかない金を 人さまに用立てるなんて・ 192 00:18:31,035 --> 00:18:34,038 そんな 馬鹿な真似をすると思いますか? 193 00:18:34,038 --> 00:18:38,042 そんなことで この生き馬の目を抜くという・ 194 00:18:38,042 --> 00:18:42,042 日本橋の真ん中で これだけの 所帯が張れると思いますか! 195 00:18:44,048 --> 00:18:50,054 ご新造さん あんた 夢を見たんですよ きっと 196 00:18:50,054 --> 00:18:54,058 看病疲れから来た悪い夢をね 197 00:18:54,058 --> 00:19:14,012 ・~ 198 00:19:14,012 --> 00:19:34,032 ・~ 199 00:19:34,032 --> 00:19:37,032 ・~ 200 00:19:54,052 --> 00:19:56,988 ・ 悪かった… 201 00:19:56,988 --> 00:20:01,993 ・ わたしが悪かったのだ 202 00:20:01,993 --> 00:20:09,993 ・ 泣くことはない お前は もう泣くことはない 203 00:20:51,042 --> 00:20:56,047 (庄兵衛)はあ なるほどなぁ 204 00:20:56,047 --> 00:21:00,985 そんなに ぴかぴかに 磨くんじゃないよ (手代)へい 205 00:21:00,985 --> 00:21:03,988 少しは汚れてたほうが お客は ありがたがるもんなんだ 206 00:21:03,988 --> 00:21:08,993 客なんてのは 何にも分かっちゃいないんだ 207 00:21:08,993 --> 00:21:11,996 いらっしゃいまし (庄兵衛)おや いらっしゃいまし 208 00:21:11,996 --> 00:21:14,999 売り物でございますか? (綾)はい 209 00:21:14,999 --> 00:21:16,999 物は 何でございます? 210 00:21:28,012 --> 00:21:32,016 ほう これはこれは… 211 00:21:32,016 --> 00:21:35,019 伝来物でございますかな? (綾)えっ・ 212 00:21:35,019 --> 00:21:39,023 お家に代々伝わる 由緒ある仏像では? 213 00:21:39,023 --> 00:21:42,026 いいえ (庄兵衛)違いましたか? 214 00:21:42,026 --> 00:21:46,030 お寺で ちょうだいしたものでございます 215 00:21:46,030 --> 00:21:53,030 ほう なるほど… ちょうだいですか ちょうだいね… 216 00:21:55,039 --> 00:22:15,059 ・~ 217 00:22:15,059 --> 00:22:27,071 ・~ 218 00:22:27,071 --> 00:22:30,074 (庄兵衛)あっ 親分! 219 00:22:30,074 --> 00:22:37,081 あれ? お前さんかい 仏像 売りに 来たってのは (綾)はい 220 00:22:37,081 --> 00:22:39,083 ちょっと聞きてえことがある 221 00:22:39,083 --> 00:22:42,083 そこの番屋まで 来てもらいてえんだが 222 00:22:45,089 --> 00:22:47,091 もう一度 聞く 223 00:22:47,091 --> 00:22:53,097 あんたは ゆうべ 本覚院の本堂で この観音さまを盗んだ 224 00:22:53,097 --> 00:22:55,099 それは認めると言うんだな? 225 00:22:55,099 --> 00:22:59,036 いいえ 盗んだのではありません いただいたのです 226 00:22:59,036 --> 00:23:02,039 いただいた? はい 227 00:23:02,039 --> 00:23:07,044 ご新造さん 嘘はいけませんよ 嘘は 228 00:23:07,044 --> 00:23:10,047 本覚院の和尚は 仏像をあげた覚えなど・ 229 00:23:10,047 --> 00:23:13,050 金輪際あるわけがないと そう言ってるんだよ 230 00:23:13,050 --> 00:23:17,054 なんなら 和尚 ここへ呼びますぜ 231 00:23:17,054 --> 00:23:21,058 誰にもらったんだ? うん? 232 00:23:21,058 --> 00:23:25,058 この観音さまを あんたに くれたのは どこの誰なんだ? 233 00:23:29,066 --> 00:23:32,069 それが はっきりしないと・ 234 00:23:32,069 --> 00:23:36,073 しばらく家には 帰れないことになるんだがな 235 00:23:36,073 --> 00:23:40,077 この観音さまが おっしゃったのです 236 00:23:40,077 --> 00:23:44,081 観音さまが・ はい 237 00:23:44,081 --> 00:23:48,085 「身代わりに・ 238 00:23:48,085 --> 00:23:51,085 このわたしを売れ」と 239 00:23:57,028 --> 00:24:02,033 (観音さま) そうだ わたしを売るのだ 240 00:24:02,033 --> 00:24:07,038 このわたしを売って 借りた金を返し・ 241 00:24:07,038 --> 00:24:12,043 子供たちを飢えから救うのだ 242 00:24:12,043 --> 00:24:18,049 わたしを売るのだ このわたしを売るのだ 243 00:24:18,049 --> 00:24:27,058 このわたしの この体を お前の身代わりに… 244 00:24:27,058 --> 00:24:34,065 身代わりに… 身代わりに… 245 00:24:34,065 --> 00:24:53,084 ・~ 246 00:24:53,084 --> 00:24:57,084 この観音さまが そう言ったのか? 247 00:24:59,023 --> 00:25:03,027 はい はっきりと そうおっしゃいました 248 00:25:03,027 --> 00:25:07,031 ですから わたしは 観音さまを 盗んだりはいたしません 249 00:25:07,031 --> 00:25:10,034 いただいたのです 250 00:25:10,034 --> 00:25:16,040 観音さま自ら 身代わりにと おっしゃってくださいましたから 251 00:25:16,040 --> 00:25:22,040 ・~ 252 00:25:24,048 --> 00:25:26,050 まったく もう! 253 00:25:26,050 --> 00:25:29,053 なんだって こうやっかいな 話を持ち込むんだろうな 254 00:25:29,053 --> 00:25:31,055 本当に もう! ええ・ 255 00:25:31,055 --> 00:25:36,060 いくら 俺が古狸だったってな 観音さまが 口利くか利かないか 256 00:25:36,060 --> 00:25:39,063 そんなこと 分かるはずないだろう! もう 257 00:25:39,063 --> 00:25:41,065 その20年前の話ってのは? 258 00:25:41,065 --> 00:25:44,068 20年でも15年でも… とにかく あれだよ… 259 00:25:44,068 --> 00:25:46,070 まだ お前さんたちが はなったれ小僧で 260 00:25:46,070 --> 00:25:49,073 その辺を駆けずり回ってる… 前の話なんだから 261 00:25:49,073 --> 00:25:53,073 う~ん その… おう ちょっとばあさん ばあさん 262 00:25:55,079 --> 00:25:59,016 はいはい 何でしょう? (江藤)ああ あれいつだったかな? 263 00:25:59,016 --> 00:26:02,019 あれが あれして… 大騒ぎになったろう? ほら 264 00:26:02,019 --> 00:26:07,024 あれがあれして あれした話などは 私もあれでございます おじいさん 265 00:26:07,024 --> 00:26:09,026 フフフ… 266 00:26:09,026 --> 00:26:11,028 あれが あれっつったら あれしかないだろう? 267 00:26:11,028 --> 00:26:13,030 分からんのか・ 268 00:26:13,030 --> 00:26:17,034 霊岸島の真性寺で金無垢の 仏さまが盗まれた話ですか? 269 00:26:17,034 --> 00:26:21,038 おう そうだ! なんだ 知っとるではないか! 270 00:26:21,038 --> 00:26:24,041 あれは組替えがあって・ 271 00:26:24,041 --> 00:26:29,046 この屋敷に移った年の 明くる年ですから… 272 00:26:29,046 --> 00:26:32,049 今から17年前のことです 273 00:26:32,049 --> 00:26:38,055 あっ! おお そうだ そうそう… うん 思い出したぞ 思い出したぞ 274 00:26:38,055 --> 00:26:42,059 うん いやいや はっきり 思い出した そう 17年前だ 275 00:26:42,059 --> 00:26:44,059 ええ… 276 00:26:46,063 --> 00:26:49,063 これか? これか? これか? うん 277 00:26:52,069 --> 00:26:57,007 あった! 見ろ! 驚いたか? ハハハ… 278 00:26:57,007 --> 00:27:00,010 わしゃな 子供のころから 物覚えだけは・ 279 00:27:00,010 --> 00:27:04,014 人並み優れておってな うん 八丁堀の神童などといわれてな 280 00:27:04,014 --> 00:27:08,018 アハハハ… 281 00:27:08,018 --> 00:27:11,021 何の話だったかな? (政吉)あっ 仏さま泥棒の 282 00:27:11,021 --> 00:27:16,026 おお そうだ おお… ええ… うん 283 00:27:16,026 --> 00:27:19,029 「霊岸島 真性寺の一件 決着」 284 00:27:19,029 --> 00:27:24,034 「盗っ人3人 神仏をも おそれぬ所業につき いずれも死罪 285 00:27:24,034 --> 00:27:27,037 死罪… 286 00:27:27,037 --> 00:27:31,041 死罪ですか… (江藤)そうだ 死罪だ 287 00:27:31,041 --> 00:27:34,041 その方も死罪に? 288 00:27:37,047 --> 00:27:39,049 その女 今 どこにおる? 289 00:27:39,049 --> 00:27:42,049 とりあえず 今日は大番屋に預けました 290 00:27:48,058 --> 00:27:52,062 佳代さん わたしも 子供のころね 291 00:27:52,062 --> 00:27:55,065 母親に連れられて 近くのお稲荷さんに・ 292 00:27:55,065 --> 00:27:59,003 お百度参り したことがあったの 毎晩 293 00:27:59,003 --> 00:28:03,003 父親の病が 早く良くなりますようにって 294 00:28:06,010 --> 00:28:09,010 結局 願いは叶わなかったんだけれど… 295 00:28:11,015 --> 00:28:14,018 でも 最後の夜ね… 296 00:28:14,018 --> 00:28:19,023 ものを言うはずのない 石のお狐さまがね… 297 00:28:19,023 --> 00:28:22,026 わたしに はっきり言ってくれたの 298 00:28:22,026 --> 00:28:28,032 「悲しみは一時 泣くなよ 泣くなよ」 299 00:28:28,032 --> 00:28:34,032 「父は病で亡くなっても泣くなよ」 はっきり そう言ったの 300 00:28:39,043 --> 00:28:43,047 本当に 心を込めてお祈りすれば… 301 00:28:43,047 --> 00:28:48,052 ううん 本当に 心を込めてお祈りする人にだけ・ 302 00:28:48,052 --> 00:28:53,057 神さまや仏さまの 声が聞こえるんだって… 303 00:28:53,057 --> 00:28:58,996 わたしは 今でも そう思ってるの今でも… 304 00:28:58,996 --> 00:29:17,014 ・~ 305 00:29:17,014 --> 00:29:19,014 (息子たち)母上! 母上 306 00:29:24,021 --> 00:29:28,025 (三九郎)侍の子が なんだ! 307 00:29:28,025 --> 00:29:31,025 (綾)入りましょう 308 00:29:38,035 --> 00:29:42,039 解き放しだ? ああ… 309 00:29:42,039 --> 00:29:46,043 お前の一存でか? まあ そういうことだ 310 00:29:46,043 --> 00:29:50,047 やばい そりゃ やばいぞ 311 00:29:50,047 --> 00:29:53,050 何しろ その女が盗んだ仏を・ 312 00:29:53,050 --> 00:29:56,053 道具屋に売ろうとしたことは 間違いねえんだろうが 313 00:29:56,053 --> 00:29:58,989 それが おとがめなしじゃ 俺たちゃ 飯の食い上げだ 314 00:29:58,989 --> 00:30:01,992 ご正道の示しがつかねえ そうだろうが? 315 00:30:01,992 --> 00:30:05,996 でも 兄上 (杉山)なんだ? 文句あるか 316 00:30:05,996 --> 00:30:10,000 仏さまが ご自身を売れと おっしゃってくれたんです 317 00:30:10,000 --> 00:30:14,004 ですから その方には 何の罪も… (杉山)黙れ! 318 00:30:14,004 --> 00:30:18,008 嘘だよ 寝言だよ そんなもん たわ言だよ 319 00:30:18,008 --> 00:30:22,012 女はな 切羽詰まると すぐ 嘘をつく 320 00:30:22,012 --> 00:30:25,015 その嘘に 手もなく騙されんのが男 321 00:30:25,015 --> 00:30:30,020 これまた女だ 女はな 生まれつきな 嘘が好きなんだ 322 00:30:30,020 --> 00:30:34,024 どうでもいいけど 佳代 この家の茶は安物だな 323 00:30:34,024 --> 00:30:36,026 もうちょっと 茶ぐらいおごれ 324 00:30:36,026 --> 00:30:40,030 仏さまを信じない方には お茶など無用でございましょう? 325 00:30:40,030 --> 00:30:46,036 その女に騙されるのが兄上なのに (杉山)なにーっ・ 326 00:30:46,036 --> 00:30:51,041 <この事件の後始末は 大変でございましたな> 327 00:30:51,041 --> 00:30:55,045 <上役衆も 仏が口を利いたなど・ 328 00:30:55,045 --> 00:30:57,981 作り事に 決まっていると言う方もあり…> 329 00:30:57,981 --> 00:31:01,985 <いや 信心あれば ありうると言う方もあり…> 330 00:31:01,985 --> 00:31:06,990 <また これは 寺社奉行の管轄と言う方もあり…> 331 00:31:06,990 --> 00:31:11,995 <いや 内輪方に知らせると かえって面倒と言う方もあり…> 332 00:31:11,995 --> 00:31:15,999 <かくなる上は 得意の根回しというやつで…> 333 00:31:15,999 --> 00:31:19,002 <とにもかくにも うやむやにして・ 334 00:31:19,002 --> 00:31:23,006 「十兵衛 良きに計らえ」と 持ち込んだのは・ 335 00:31:23,006 --> 00:31:27,010 我ながら ほれぼれするような古狸ぶり> 336 00:31:27,010 --> 00:31:32,015 まあ ああ そういうわけで 狩谷が取った処置は・ 337 00:31:32,015 --> 00:31:37,020 果たして それが妥当で あるかどうか 疑問はあるものの・ 338 00:31:37,020 --> 00:31:43,026 その女を罪にすれば また それ以上の問題ありということで 339 00:31:43,026 --> 00:31:48,031 結論的には 今回の事件は 一切不問 340 00:31:48,031 --> 00:31:54,037 つまり 初めから そんな事件は なかったということになった 341 00:31:54,037 --> 00:31:59,042 うやむやですね? つまり (江藤)何とでも言え 342 00:31:59,042 --> 00:32:03,046 おかげで首がつながりました ありがとうございます 343 00:32:03,046 --> 00:32:06,049 ただし… ただしだ 344 00:32:06,049 --> 00:32:10,053 この話は これ以上 広げては ならんという きついお達しだ 345 00:32:10,053 --> 00:32:13,056 広げてはならん? 346 00:32:13,056 --> 00:32:15,058 万一 江戸中に話が広がって・ 347 00:32:15,058 --> 00:32:20,063 仏を盗んでも 「仏がよろしいと言われた」など・ 348 00:32:20,063 --> 00:32:23,066 そのような言い逃れが まかり通るならば・ 349 00:32:23,066 --> 00:32:27,070 江戸中の仏さまが 皆 盗まれて 寺は空っぽになるやもしれぬ 350 00:32:27,070 --> 00:32:31,074 上のほうは それを きつく懸念しておるのだ 351 00:32:31,074 --> 00:32:38,081 従って この話 一切 他言無用 たとえ 親兄弟といえども・ 352 00:32:38,081 --> 00:32:41,084 決して漏らしてはならんという 厳しいお達しである 353 00:32:41,084 --> 00:32:44,087 ああ それ もう手遅れかも 354 00:32:44,087 --> 00:32:47,090 うん? なんだと・ 355 00:32:47,090 --> 00:32:52,095 そうよ そこの本覚院の観音さまよ (男性)そんな馬鹿な 356 00:32:52,095 --> 00:32:58,035 嘘なもんか! ありゃ本物だ 本物の身代わり観音よ 357 00:32:58,035 --> 00:33:03,040 「つらい 苦しいことは 何でも引き受けよう」ってな 358 00:33:03,040 --> 00:33:08,040 はっきり そう言われたのよ 本当だよ! おお! 359 00:33:11,048 --> 00:33:14,051 すいやせん お呼び立てして ゆうべの あの女か? 360 00:33:14,051 --> 00:33:17,054 へい なんですか 旦那に 相談してえことがあるそうで 361 00:33:17,054 --> 00:33:19,054 さあ どうぞ 362 00:33:23,060 --> 00:33:29,066 初めに借りたお金は 3両でございました 363 00:33:29,066 --> 00:33:33,070 そのお金は 親せき中を駆け巡って・ 364 00:33:33,070 --> 00:33:39,076 どうにか 約束の期日に 届けにまいったのです 365 00:33:39,076 --> 00:33:45,082 でも 元金だけでは 受け取れぬと突き返されて… 366 00:33:45,082 --> 00:33:54,091 利息が払えぬまま 薬屋の仁徳堂の口車に乗せられて 367 00:33:54,091 --> 00:34:01,031 新しい証文に書き換えたのが 浅はかな女の甘えだったのです 368 00:34:01,031 --> 00:34:05,031 今更のように 悔やんでおりますが… 369 00:34:07,037 --> 00:34:11,041 でも あの証文は… 370 00:34:11,041 --> 00:34:16,046 どんな証文だ? どんなふうに書かされた? 371 00:34:16,046 --> 00:34:18,046 その辺りを 詳しく聞かせてくれ 372 00:34:20,050 --> 00:34:23,053 (仁兵衛)ああ ご新造さん そこは ちょっと空けて・ 373 00:34:23,053 --> 00:34:26,056 ここに 名前と爪印を 374 00:34:26,056 --> 00:34:38,068 ・~ 375 00:34:38,068 --> 00:34:40,070 (仁兵衛)ああ そこも よろしいでしょう 376 00:34:40,070 --> 00:34:43,073 あるとき払いの催促なし 377 00:34:43,073 --> 00:34:48,078 期限など このまま 忘れてくだすっても結構ですよ 378 00:34:48,078 --> 00:34:55,085 ハハハ… ここと ここと ここに爪印を 379 00:34:55,085 --> 00:35:12,035 ・~ 380 00:35:12,035 --> 00:35:14,035 書き足したな? 381 00:35:17,040 --> 00:35:24,047 見え透いた小細工だ 汚ねえ からくりだな 382 00:35:24,047 --> 00:35:28,047 仁徳堂と相政は はなから ぐるだったんだな? 383 00:35:30,053 --> 00:35:34,057 その証拠が どこにございます? 384 00:35:34,057 --> 00:35:37,060 なんだと・ 385 00:35:37,060 --> 00:35:40,063 手形や証文というものは いざとなると・ 386 00:35:40,063 --> 00:35:46,069 必ず払えぬほうが 苦情を 申し立てるものでございます 387 00:35:46,069 --> 00:35:49,072 町回りの旦那方は存じませんが・ 388 00:35:49,072 --> 00:35:54,077 銭・金のもめ事を裁く 金公事の旦那方は・ 389 00:35:54,077 --> 00:35:58,015 その辺りは よく心得ておりますから・ 390 00:35:58,015 --> 00:36:03,020 どういう訳があろうと 証文を持って 御公儀に訴え出れば 391 00:36:03,020 --> 00:36:07,024 持っているほうの 勝ちでございます 392 00:36:07,024 --> 00:36:13,030 (政五郎)ああ どうも旦那 ご苦労さんでございやす ヘヘヘ… 393 00:36:13,030 --> 00:36:16,033 いや せっかく 足を運んでもらったのに・ 394 00:36:16,033 --> 00:36:22,039 何の力にもなれなくって すいませんね ヘヘヘ… 395 00:36:22,039 --> 00:36:25,042 ああ… そうだ 清吉 396 00:36:25,042 --> 00:36:29,046 このまんま 土産もなしに 帰ってもらうのも なんだからさ 397 00:36:29,046 --> 00:36:32,049 ああ そうだ ここは旦那の顔を立てて・ 398 00:36:32,049 --> 00:36:36,053 期日を少しばかり 繰り延べてあげちゃ どうだい? 399 00:36:36,053 --> 00:36:41,053 ええ? 9日か10日ばっかりよ (清吉)へい 400 00:36:43,060 --> 00:36:47,064 …で 旦那 まあ そんなところで・ 401 00:36:47,064 --> 00:36:50,067 今日のところは 手を打ちましょうよ 402 00:36:50,067 --> 00:36:55,072 (笑い声) 403 00:36:55,072 --> 00:36:58,072 ご苦労さんでございやす ヘヘッ 404 00:37:02,012 --> 00:37:04,012 ・(佳代)おかえりなさいませ 405 00:37:06,016 --> 00:37:11,021 佳代! 水くれ 水 ・ あっ はい… 406 00:37:11,021 --> 00:37:17,027 <その夜 べろべろに酔った狩谷は 佳代に こう言ったそうです> 407 00:37:17,027 --> 00:37:21,027 はい どうぞ 旦那さま 旦那さま はい 408 00:37:23,033 --> 00:37:27,037 佳代 はい? 409 00:37:27,037 --> 00:37:30,037 金だ 金! 410 00:37:32,042 --> 00:37:37,047 俺は 金が欲しいぞ お金? 411 00:37:37,047 --> 00:37:39,047 (割れる音) 412 00:37:42,052 --> 00:37:45,055 <その気持ち よく分かるが・ 413 00:37:45,055 --> 00:37:50,060 初めから ない所には 死ぬまで ないんだから しかたがない> 414 00:37:50,060 --> 00:37:53,063 <ところが 本来 ない所に・ 415 00:37:53,063 --> 00:37:59,002 突然 金が転がり込んできたから 話が ややこしくなった> 416 00:37:59,002 --> 00:38:04,002 (読経) 417 00:38:20,023 --> 00:38:24,027 ・♪(子供たち) な~かの な~かの 弘法大師 418 00:38:24,027 --> 00:38:27,030 ♪ なぜ 背が低い 419 00:38:27,030 --> 00:38:31,034 ♪ 立つなら 立ってみよ 420 00:38:31,034 --> 00:38:35,038 ♪ お皿の中へ~ 421 00:38:35,038 --> 00:38:38,041 ♪ 灸をすえて~ 422 00:38:38,041 --> 00:38:43,046 ♪ 痛や悲しや~ 金仏! 423 00:38:43,046 --> 00:38:46,049 ・(三九郎)綾… 424 00:38:46,049 --> 00:38:48,051 ・(せきこみ) 425 00:38:48,051 --> 00:38:50,051 ・ 綾… 426 00:38:53,056 --> 00:38:55,056 ・(せきこみ) 427 00:39:11,007 --> 00:39:17,007 証文の期限は 今夜だ どうするつもりだ? 428 00:39:19,015 --> 00:39:27,023 これから 神田の相模屋へ 掛け合いにまいります 429 00:39:27,023 --> 00:39:32,028 もう少し先に 日延べをしてくれるよう 430 00:39:32,028 --> 00:39:40,036 もう それは無理だろう きっと無理だろう 431 00:39:40,036 --> 00:39:45,036 では どうすれば… 432 00:39:48,044 --> 00:39:52,048 俺が行く (綾)あなたが? 433 00:39:52,048 --> 00:39:57,048 俺が行って 頭を下げて… 434 00:39:58,989 --> 00:40:01,989 それが叶わぬときは… 435 00:40:03,994 --> 00:40:06,997 俺が 相政を斬る! 436 00:40:06,997 --> 00:40:11,997 (せきこみ) 437 00:40:28,018 --> 00:40:31,021 これはこれは… 先日は 438 00:40:31,021 --> 00:40:36,026 和尚 7両 出さんか? 7両・ 439 00:40:36,026 --> 00:40:39,029 これまた 藪から棒に 何をおっしゃる? 440 00:40:39,029 --> 00:40:46,029 7両あれば あの観音を売ろうと した女の 一家5人が助かる 441 00:40:48,038 --> 00:40:51,041 頼む 7両 捨ててくれ 442 00:40:51,041 --> 00:40:56,980 ご冗談を! この貧乏寺に とても そんな大金は… 443 00:40:56,980 --> 00:40:58,980 和尚… 444 00:41:04,988 --> 00:41:09,988 あの声が聞こえんのか? えっ? 445 00:41:12,996 --> 00:41:17,000 「金を捨てろ」と言ってる 446 00:41:17,000 --> 00:41:20,000 あの観音の声が聞こえんのか? 447 00:41:23,006 --> 00:41:28,006 俺には聞こえる はっきり聞こえる 448 00:41:30,013 --> 00:41:34,013 身を捨てて 人を救おうとした仏の声が… 449 00:41:36,019 --> 00:41:38,019 俺には聞こえるぞ 450 00:41:42,025 --> 00:41:44,027 お前も飲め (鳥蔵)あっ ええ 451 00:41:44,027 --> 00:41:48,031 旦那 これ あがりやした ・(戸の開く音) 452 00:41:48,031 --> 00:41:51,034 政吉! 金ができた 相模屋 行くぞ 453 00:41:51,034 --> 00:41:55,038 へい! おい 鳥! 行くぞ (鳥蔵)へいへい 454 00:41:55,038 --> 00:42:00,043 これじゃ お前 火事になっちゃうよ 待てよ! 455 00:42:00,043 --> 00:42:04,047 (政五郎) 仁徳堂から お前の噂 聞いてよ 456 00:42:04,047 --> 00:42:08,051 そんな上玉じゃ 手に入れなきゃ 男じゃねえって… なあ? 457 00:42:08,051 --> 00:42:11,051 ヘヘヘッ… 458 00:42:14,057 --> 00:42:17,060 まあ ひと言で言やぁ… 459 00:42:17,060 --> 00:42:22,065 お前に ひと目惚れしちまったってわけよ 460 00:42:22,065 --> 00:42:25,068 おお ヘヘヘ… 461 00:42:25,068 --> 00:42:33,076 そんなに硬くならねえでよ なあ もっと気楽に気楽によ 462 00:42:33,076 --> 00:42:37,080 アアーッ・ この女! 463 00:42:37,080 --> 00:42:39,082 アアーッ・ 464 00:42:39,082 --> 00:42:47,090 ・~ 465 00:42:47,090 --> 00:42:50,090 ・(物音) ・(政五郎の叫び声) 466 00:42:56,099 --> 00:43:01,037 ウワーッ・ たたき斬っちまえ! 467 00:43:01,037 --> 00:43:12,037 ・~ 468 00:43:29,065 --> 00:43:31,065 相政は どこだ? 469 00:43:34,070 --> 00:43:36,072 相模屋を出せ 470 00:43:36,072 --> 00:43:56,092 ・~ 471 00:43:56,092 --> 00:44:16,045 ・~ 472 00:44:16,045 --> 00:44:22,051 ・~ 473 00:44:22,051 --> 00:44:26,055 ウワッ! ウウ… 474 00:44:26,055 --> 00:44:29,055 ハァハァ… 475 00:44:31,060 --> 00:44:51,080 ・~ 476 00:44:51,080 --> 00:45:01,024 ・~ 477 00:45:01,024 --> 00:45:06,029 <それから10日ほど あとのことだったでしょうか?> 478 00:45:06,029 --> 00:45:14,037 <奥州 棚倉藩浪人 小倉三九郎一家 夜逃げの届け出があったのが…> 479 00:45:14,037 --> 00:45:34,057 ・~ 480 00:45:34,057 --> 00:45:48,071 ・~ 481 00:45:48,071 --> 00:45:52,071 櫛ですかい? ああ… 482 00:45:54,077 --> 00:45:58,077 これ… なんだって また… 483 00:46:00,016 --> 00:46:05,021 いえ… 1両2両の 品物じゃございませんよ 484 00:46:05,021 --> 00:46:09,025 私どもなら まず買値で5両 485 00:46:09,025 --> 00:46:12,028 5両? はい 486 00:46:12,028 --> 00:46:18,034 なぜです? なぜ この櫛を 最後まで手放さなかったんです? 487 00:46:18,034 --> 00:46:29,045 ・~ 488 00:46:29,045 --> 00:46:31,045 分からん 489 00:46:33,049 --> 00:46:36,049 やっぱり分からん 490 00:46:50,066 --> 00:46:52,066 行こうか へい 491 00:46:59,008 --> 00:47:19,028 ・~ 492 00:47:19,028 --> 00:47:39,048 ・~ 493 00:47:39,048 --> 00:47:48,048 ・~ 494 00:47:55,064 --> 00:47:56,999 (佳代)<宮本武蔵さま?> 495 00:47:56,999 --> 00:48:02,004 <ウフッ… わたし あなたのように よく食べる方 大好きです> 496 00:48:02,004 --> 00:48:06,008 <えっ? 江戸で 用心棒さんをなさってる?> 497 00:48:06,008 --> 00:48:09,011 <今朝から 新八郎さまの 行方が知れないのです> 498 00:48:09,011 --> 00:48:12,014 <もしものことがあったら わたし どうしたらいいのか…> 499 00:48:12,014 --> 00:48:16,014 <武蔵さん 新八郎さまを助けて! お願い!>