1 00:00:33,197 --> 00:00:35,599 (寅次郎) これは 取って置きなさい。➡ 2 00:00:35,599 --> 00:00:39,270 この先 どんな苦難に襲われようと➡ 3 00:00:39,270 --> 00:00:41,605 今夜の我々の絆があれば➡ 4 00:00:41,605 --> 00:00:46,277 志は 必ず果たせます。➡ 5 00:00:46,277 --> 00:00:48,946 その証しに。 6 00:00:48,946 --> 00:00:52,616 金子様は 寅兄様が殺したんです。 7 00:00:52,616 --> 00:00:55,286 違う! 俺は 金子と生きたんじゃ。 8 00:00:55,286 --> 00:00:57,221 ならば 証しを見せてつかぁさい! 9 00:00:57,221 --> 00:01:00,624 ああ~! 10 00:01:00,624 --> 00:01:06,624 (久子)高須 久です。 お願いがございます。 11 00:01:09,633 --> 00:01:13,504 うちが… でございますか? (梅太郎)そうじゃ。 12 00:01:13,504 --> 00:01:19,643 獄の中に1人 女がおる。 名を… 高須久子。 13 00:01:19,643 --> 00:01:21,579 高須様。 14 00:01:21,579 --> 00:01:23,981 (梅太郎)寅次郎を通じて 申し入れがあった。 15 00:01:23,981 --> 00:01:27,651 亡き父の菩提を弔いたいんで 遺品をもらい受けたい。➡ 16 00:01:27,651 --> 00:01:31,522 獄にて お前を見かけて その使いを頼めんかと。 17 00:01:31,522 --> 00:01:34,822 はい。 18 00:01:38,929 --> 00:01:42,266 お願い申し上げます。 19 00:01:42,266 --> 00:01:45,603 書状を持参致しました。 20 00:01:45,603 --> 00:01:49,303 お取り次ぎ願います。 21 00:01:51,475 --> 00:01:54,612 お願い申し上げます! 22 00:01:54,612 --> 00:02:00,912 (扉が開く音) 23 00:02:03,287 --> 00:02:11,161 ♬~(テーマ音楽) 24 00:02:11,161 --> 00:02:45,262 ♬~ 25 00:02:45,262 --> 00:02:52,136 ♬「愚かなる 吾れのことをも」 26 00:02:52,136 --> 00:03:01,612 ♬「友とめづ人は わがとも友と」 27 00:03:01,612 --> 00:03:09,954 ♬「吾れをも 友とめづ人は」 28 00:03:09,954 --> 00:03:20,297 ♬「わがとも友と めでよ人々」 29 00:03:20,297 --> 00:03:56,934 ♬~ 30 00:03:56,934 --> 00:04:04,608 ♬「吾れをも 友とめづ人は」 31 00:04:04,608 --> 00:04:13,617 ♬「わがとも友と めでよ人々」 32 00:04:13,617 --> 00:04:19,490 ♬「燃ゆ」 33 00:04:19,490 --> 00:04:32,190 ♬~ 34 00:04:44,915 --> 00:04:47,818 高須久子。 35 00:04:47,818 --> 00:04:52,589 後年 吉田松陰との交流で 名を知られる事になる➡ 36 00:04:52,589 --> 00:04:58,462 この女性は この時 在獄2年の身であった。 37 00:04:58,462 --> 00:05:02,599 高須 久です。 38 00:05:02,599 --> 00:05:06,937 (福川)頼まれ事の 報告がしたいそうじゃ。 39 00:05:06,937 --> 00:05:11,608 あ… お屋敷を 早速 お訪ねしました。 40 00:05:11,608 --> 00:05:16,947 ですが… なかなか うもういかんで…。 41 00:05:16,947 --> 00:05:19,283 追い返されましたか。 42 00:05:19,283 --> 00:05:23,153 せめて書状だけでもと お願いしたんですが…。 43 00:05:23,153 --> 00:05:26,957 無理は承知の上です。 44 00:05:26,957 --> 00:05:33,230 何度でも。 何度でも訪ねて頂けませぬか? 45 00:05:33,230 --> 00:05:35,566 はい。 46 00:05:35,566 --> 00:05:38,866 お願い致しますね。 47 00:05:45,576 --> 00:05:47,911 何か? 48 00:05:47,911 --> 00:05:54,611 あ… いや… おきれいです。 49 00:05:58,922 --> 00:06:03,222 あなたも かわいいですよ。 ほら。 50 00:06:05,796 --> 00:06:08,599 よう見えません…。 51 00:06:08,599 --> 00:06:11,935 あっ…。 52 00:06:11,935 --> 00:06:14,838 あの…。 53 00:06:14,838 --> 00:06:18,809 兄は 元気でおりますか? 54 00:06:18,809 --> 00:06:24,109 ここしばらく お見かけしてませんので…。 55 00:06:26,483 --> 00:06:31,221 これを お渡し願えますか? 56 00:06:31,221 --> 00:06:34,124 これは…。 57 00:06:34,124 --> 00:06:41,124 大切な方の残したもんです。 元気が出るかもしれません。 58 00:06:47,571 --> 00:06:52,571 あと… これを。 59 00:06:54,244 --> 00:06:59,544 私に? はい。 母に教わって作りました。 60 00:07:05,589 --> 00:07:10,589 あなたの事 大層 心配されておりました。 61 00:07:25,609 --> 00:07:28,946 (富永)愚かなやつめ。 62 00:07:28,946 --> 00:07:33,784 己を責めとるんじゃ。➡ 63 00:07:33,784 --> 00:07:39,784 弟子を殺した己をな。 64 00:07:46,230 --> 00:07:52,102 己を責める…。 65 00:07:52,102 --> 00:07:56,573 (滝) そんなにおきれいな方なんですか 久子様は。 66 00:07:56,573 --> 00:08:01,245 でも 何で あのようなお方が 獄におられるんでしょう? 67 00:08:01,245 --> 00:08:06,116 人には いろいろ事情が あるんじゃ。 詮索すんな。 次。 68 00:08:06,116 --> 00:08:13,257 「資治通鑑」。 「資治通鑑」と。 69 00:08:13,257 --> 00:08:17,127 次。 「日本外史」。 70 00:08:17,127 --> 00:08:23,900 「日本外史」。 次。 71 00:08:23,900 --> 00:08:29,273 兄上の文字 何か せいてるような…。 72 00:08:29,273 --> 00:08:31,541 何? 73 00:08:31,541 --> 00:08:37,214 「字」? 字が何か? 74 00:08:37,214 --> 00:08:42,085 これ 寅次郎の字ではありゃせんね。 75 00:08:42,085 --> 00:08:44,087 (梅太郎)紛れ込んだようじゃな。 76 00:08:44,087 --> 00:08:48,225 (百合之助)これほどの達筆は わしも見た事がない。 77 00:08:48,225 --> 00:08:51,925 でも この字…。 78 00:08:59,836 --> 00:09:02,572 差し入れじゃ。 79 00:09:02,572 --> 00:09:05,475 あ~ 寅次郎なら隣じゃ。 80 00:09:05,475 --> 00:09:09,446 お主にじゃ。 ええ? わしに? 81 00:09:09,446 --> 00:09:11,746 ほれ。 82 00:09:13,583 --> 00:09:17,283 吉田の妹御からじゃ。 83 00:09:19,456 --> 00:09:21,458 わしに? 84 00:09:21,458 --> 00:09:24,594 (福川)お主が書いた文字に いたく感服したそうじゃ。 85 00:09:24,594 --> 00:09:28,465 だが ところどころ 墨がかすれておったんで➡ 86 00:09:28,465 --> 00:09:30,934 筆先が荒れとるんではと。 87 00:09:30,934 --> 00:09:37,207 うん… うんうん… よう気付いた。 わしの文字に よう気付いた。 88 00:09:37,207 --> 00:09:41,878 吉田の妹の慧眼 恐るべし。 89 00:09:41,878 --> 00:09:44,548 好みの品でないなどと わがまま言うなよ。 90 00:09:44,548 --> 00:09:46,483 かあ~! 91 00:09:46,483 --> 00:09:49,483 フフフフフフ…。 92 00:09:53,557 --> 00:09:55,492 どうじゃ? 93 00:09:55,492 --> 00:10:00,897 妹の心尽くしの品でございます。 どうぞ ご愛用下さい。 94 00:10:00,897 --> 00:10:07,237 ん。 いや~ 久しぶりに書を書きとうなった。 95 00:10:07,237 --> 00:10:13,110 どれ。 墨でも すろうかのう。 96 00:10:13,110 --> 00:10:20,250 あ~ 望むなら 稽古をつけてやってもええがの。 97 00:10:20,250 --> 00:10:23,920 えっ ならば わしに教えてもらえるか? 98 00:10:23,920 --> 00:10:26,823 あっ? (吉村)わしも頼めるか? 99 00:10:26,823 --> 00:10:29,259 何だと? 我が句が一つでも世に出るなら➡ 100 00:10:29,259 --> 00:10:31,595 見苦しゅうない文字で 残したいんじゃ! 101 00:10:31,595 --> 00:10:33,530 お前の句など 世に出ん! 102 00:10:33,530 --> 00:10:38,268 教わりたいと言うとるんじゃ。 素直に教えろ! 103 00:10:38,268 --> 00:10:44,268 (福川)もめるな! 離れろ! 104 00:10:52,816 --> 00:10:55,516 (せきこみ) 105 00:11:01,958 --> 00:11:04,628 お願い申し上げます。 106 00:11:04,628 --> 00:11:06,963 お取り次ぎ願います。 107 00:11:06,963 --> 00:11:11,301 おい! 楷書は誰を学べばええ? 108 00:11:11,301 --> 00:11:16,640 (富永) 欧陽詢 虞世南の名跡を学べ! 109 00:11:16,640 --> 00:11:19,309 何べん言うたら分かるんじゃ。 さあ 帰れ! 110 00:11:19,309 --> 00:11:21,244 お願いでございます。 ダメじゃ! 111 00:11:21,244 --> 00:11:23,647 帰れ言うとるじゃろ! 敏! 112 00:11:23,647 --> 00:11:26,647 お願いです。 ダメじゃ! かなわん! 113 00:11:33,457 --> 00:11:36,226 (富永)これを配れ。 (福川)ああ もう! 114 00:11:36,226 --> 00:11:39,596 皆 牢が開いてからにせい! 115 00:11:39,596 --> 00:11:41,932 これは 誰のじゃ? 116 00:11:41,932 --> 00:11:46,632 わしの筆。 117 00:11:48,805 --> 00:11:53,505 お願いでございます! せめて… せめて書状…。 118 00:12:23,306 --> 00:12:26,643 もし。➡ 119 00:12:26,643 --> 00:12:29,980 我が家に何か? 120 00:12:29,980 --> 00:12:32,883 あなた様…。 121 00:12:32,883 --> 00:12:38,255 相手をしてはなりませぬ。 さあ こちらへ。 122 00:12:38,255 --> 00:12:42,125 高須久子様から ご伝言にございます。 123 00:12:42,125 --> 00:12:45,929 久子…。 124 00:12:45,929 --> 00:12:50,229 ひょっとして 久子様の…。 125 00:12:51,801 --> 00:12:54,604 あっ… あの! お待ち下さい! 126 00:12:54,604 --> 00:12:58,942 書状を! 書状をお願い…! 帰れ。 127 00:12:58,942 --> 00:13:03,242 お願いでございます! 128 00:13:06,816 --> 00:13:10,287 (吉村)よう書けとるであろう? 129 00:13:10,287 --> 00:13:14,287 (志道又三郎)そうかのう? 何じゃ その言い方は。 130 00:13:17,627 --> 00:13:20,530 (福川)お前が富永に差し入れた 筆のせいで➡ 131 00:13:20,530 --> 00:13:22,966 皆が書に夢中じゃ。 132 00:13:22,966 --> 00:13:26,303 「新しいすずりが欲しい」。 「紙を差し入れろ」。 133 00:13:26,303 --> 00:13:31,575 それぞれが家元に 一斉に無心の手紙を書き始めた。 134 00:13:31,575 --> 00:13:35,245 でも お身内は ちゃんと 差し入れて下さるんですね。 135 00:13:35,245 --> 00:13:38,915 やっかい払いをした後ろめたさも あるんじゃろうな。 136 00:13:38,915 --> 00:13:41,251 やっかい払い? 137 00:13:41,251 --> 00:13:45,121 この獄におる者は おおむね 家から疎まれた者ばかりじゃ。 138 00:13:45,121 --> 00:13:48,592 いわば捨てられたんじゃ。 家族に。 139 00:13:48,592 --> 00:13:53,263 捨てられた…。 生涯 家には戻れん。 140 00:13:53,263 --> 00:13:57,563 ただ ここで 死ぬんを待たれておる。 141 00:14:01,605 --> 00:14:04,605 久子様。 142 00:14:09,279 --> 00:14:11,948 申し訳ありません。 143 00:14:11,948 --> 00:14:17,821 あれから 何度も お訪ねしたんですが なかなか…。 144 00:14:17,821 --> 00:14:21,958 でも お約束は 必ず果たしますので。 145 00:14:21,958 --> 00:14:25,629 あれは もうよいのです。 146 00:14:25,629 --> 00:14:27,964 いけません そんなの! 147 00:14:27,964 --> 00:14:32,264 お嬢様にも きっと。 お願い致しますから。 148 00:14:36,239 --> 00:14:39,239 もう構わないで。 149 00:14:41,111 --> 00:14:44,114 久子様…。 150 00:14:44,114 --> 00:15:24,954 ♬~ 151 00:15:24,954 --> 00:15:30,627 そして 城では 新たな動きが起きようとしていた。 152 00:15:30,627 --> 00:15:34,230 (椋梨)小田村伊之助にございます。 (伊之助)はっ。 153 00:15:34,230 --> 00:15:36,566 (椋梨)江戸より呼び戻しました。 154 00:15:36,566 --> 00:15:39,903 これより 明倫館で教える事となります。 155 00:15:39,903 --> 00:15:43,203 江戸は どうであった? 156 00:15:44,774 --> 00:15:48,244 こたびの条約の締結によって➡ 157 00:15:48,244 --> 00:15:51,915 我が国は 辛くも 外国との戦を免れました。 158 00:15:51,915 --> 00:15:56,586 しかし 我が藩も きたるべき異国との対決に備え➡ 159 00:15:56,586 --> 00:15:59,923 今こそ 広く学ぶべき時ではないかと。 160 00:15:59,923 --> 00:16:04,594 すでに そなたの兄 松島剛蔵殿を 長崎へ差し向け➡ 161 00:16:04,594 --> 00:16:07,931 洋学を学ばせておる。 それでは足りませぬ。 162 00:16:07,931 --> 00:16:12,602 この萩にも 洋学所を作るべきでございます。 163 00:16:12,602 --> 00:16:14,537 なるほど。 164 00:16:14,537 --> 00:16:19,943 そのとおり。 なれば 今は富を蓄える時である。 165 00:16:19,943 --> 00:16:23,613 富を得ても 使い方を知らねば 意味はありませぬ。 166 00:16:23,613 --> 00:16:26,516 小田村の申すとおり 人を育てるも急務。 167 00:16:26,516 --> 00:16:30,487 このままでは 日本国を守る事など 到底できませぬ! 168 00:16:30,487 --> 00:16:33,187 まずは お家であろう! 169 00:16:40,897 --> 00:16:45,897 足元を見ずして 何の憂国か! 170 00:16:48,571 --> 00:16:53,910 人材の育成なら わしも心得ておる。 171 00:16:53,910 --> 00:16:57,247 そのためにも 小田村には➡ 172 00:16:57,247 --> 00:17:03,586 明倫館にて なお一層 励ませる所存にございます。 173 00:17:03,586 --> 00:17:06,286 うむ。 174 00:17:09,459 --> 00:17:12,595 そうせい。 175 00:17:12,595 --> 00:17:15,295 (一同)はっ。 176 00:17:20,937 --> 00:17:23,937 寅次郎。 177 00:17:27,610 --> 00:17:30,280 伊之助か! 178 00:17:30,280 --> 00:17:33,183 周布様から 獄吏に話を通して頂いた。 179 00:17:33,183 --> 00:17:38,087 萩に戻ってきたんか。 ああ。 180 00:17:38,087 --> 00:17:42,225 こねぇな所で書を? 181 00:17:42,225 --> 00:17:46,095 近頃は 1人の方が落ち着くんじゃ。 182 00:17:46,095 --> 00:17:51,901 ここなら 何者にも邪魔されず ひたすら 己に没頭できる。 183 00:17:51,901 --> 00:17:56,773 何を言うておる! お前の力がいるんじゃ! 184 00:17:56,773 --> 00:18:02,912 お前を ここから出す。 そのために戻ってきたんじゃ。 185 00:18:02,912 --> 00:18:08,251 あの… 今日は高須様は? 186 00:18:08,251 --> 00:18:14,591 来ん。 声はかけたが 会わんと言うておった。 187 00:18:14,591 --> 00:18:18,291 そうですか…。 188 00:18:20,263 --> 00:18:23,166 ≪静かにしろ! 離れろ! 189 00:18:23,166 --> 00:18:25,935 河野が自分の書を汚されたと! 190 00:18:25,935 --> 00:18:30,635 ああ もう。 ちいと ここで待て。 191 00:18:32,208 --> 00:18:34,908 (福川)こら! 192 00:18:54,898 --> 00:18:58,568 あっ その筆。 193 00:18:58,568 --> 00:19:03,439 富永有隣と申す。 194 00:19:03,439 --> 00:19:06,242 富永様。 195 00:19:06,242 --> 00:19:11,114 筆は お気に召しましたか? うむ! 196 00:19:11,114 --> 00:19:15,919 よい品をかたじけない。 197 00:19:15,919 --> 00:19:22,219 兄上なら 客が来てるようだぞ。 客? 198 00:19:27,530 --> 00:19:29,830 ん。 199 00:19:37,540 --> 00:19:39,876 あっ 兄上。 200 00:19:39,876 --> 00:19:41,811 この藩は 腐っておる。 201 00:19:41,811 --> 00:19:45,548 これからの日本は 軍艦を造り 兵をそろえ➡ 202 00:19:45,548 --> 00:19:48,885 一刻も早う 異国との交渉に備えねばならぬ。 203 00:19:48,885 --> 00:19:52,755 やのに 藩のお歴々は 安穏とするばかりで➡ 204 00:19:52,755 --> 00:19:56,759 ただ 金の事ばかり案じ 一向に動こうとせん! 205 00:19:56,759 --> 00:19:58,895 落ち着け。➡ 206 00:19:58,895 --> 00:20:00,830 和親条約を結んだ以上➡ 207 00:20:00,830 --> 00:20:04,567 列強も 安易に 戦を仕掛けてくる事はあるまい。 208 00:20:04,567 --> 00:20:09,267 今のうちに 次の策を練ればよい。 209 00:20:10,907 --> 00:20:14,207 次の策とは 何じゃ? 210 00:20:15,778 --> 00:20:20,078 それは 俺とお前で 立てるもんではないんか? 211 00:20:26,456 --> 00:20:32,929 証しを見せろと言われた。 文に。 212 00:20:32,929 --> 00:20:39,629 己のしでかした密航が 大義である証しを示せと。 213 00:20:41,604 --> 00:20:43,539 兄上…。 214 00:20:43,539 --> 00:20:47,539 金子の分も生きねばならん。 215 00:20:58,955 --> 00:21:04,627 獄の中で生きる事が 金子のためか? 216 00:21:04,627 --> 00:21:07,530 ひたすら書物に没し➡ 217 00:21:07,530 --> 00:21:11,300 己が傷つかんよう 息を潜めて生きる。 218 00:21:11,300 --> 00:21:13,636 それが償いか! 分からん! 219 00:21:13,636 --> 00:21:20,510 だが今は ここで 己を尽くさねばならん。 220 00:21:20,510 --> 00:21:23,810 伊之助…。 221 00:21:27,650 --> 00:21:30,950 俺を頼るな。 222 00:21:58,614 --> 00:22:02,485 萩の桜か…。 223 00:22:02,485 --> 00:22:10,226 江戸の桜ほどは 華やかでないでしょうが…。 224 00:22:10,226 --> 00:22:17,300 萩には篤太郎がおる。 寿も ようしてくれる。 225 00:22:17,300 --> 00:22:20,600 はい。 226 00:22:24,173 --> 00:22:29,312 近頃の俺は ちいと焦っちょったかもしれん。 227 00:22:29,312 --> 00:22:32,915 何か せねばと 心は せいてるのに➡ 228 00:22:32,915 --> 00:22:36,915 一人では 何にもなせん。 229 00:22:42,925 --> 00:22:47,597 心配かけて すまんね。 230 00:22:47,597 --> 00:22:50,897 父上と母上によろしく。 231 00:22:52,468 --> 00:22:57,168 近いうち ご挨拶に伺うからと。 232 00:23:03,146 --> 00:23:21,964 ♬~ 233 00:23:21,964 --> 00:23:27,303 ありがとう。 遊ぼうか。 234 00:23:27,303 --> 00:23:44,003 ♬~ 235 00:23:47,590 --> 00:23:49,525 そのころ。 236 00:23:49,525 --> 00:23:53,462 (梅太郎)おい! 237 00:23:53,462 --> 00:23:58,234 (福川)急ぎ知らせにまいった。➡ 238 00:23:58,234 --> 00:24:02,939 明日 高須家の者が 久子殿を訪ねると。 239 00:24:02,939 --> 00:24:06,275 (梅太郎)さようでございますか。 ついては お前にも➡ 240 00:24:06,275 --> 00:24:10,275 立ち会うてほしいというんじゃが 来られるか? 241 00:24:12,949 --> 00:24:15,949 さあ こちらへ。 242 00:24:22,959 --> 00:24:25,259 文…。 243 00:24:49,118 --> 00:24:53,256 大きくなりましたね。 244 00:24:53,256 --> 00:24:57,126 お話があって参りました。 245 00:24:57,126 --> 00:25:00,930 近頃 しきりに 我が家に使いをよこし➡ 246 00:25:00,930 --> 00:25:03,599 おじい様の遺品を 求めているようですが➡ 247 00:25:03,599 --> 00:25:06,269 おやめ頂けますか。➡ 248 00:25:06,269 --> 00:25:10,139 二度と このような事は なさらないよう。 249 00:25:10,139 --> 00:25:14,139 それだけです。 では。 250 00:25:16,612 --> 00:25:21,284 おそれながら お嬢様でいらっしゃいますよね。 251 00:25:21,284 --> 00:25:24,620 (福川)おい。 お身内の思い出が欲しいという➡ 252 00:25:24,620 --> 00:25:28,620 母上様のお気持ち 私には よう分かります。 253 00:25:30,960 --> 00:25:34,230 非礼は おわびします。 254 00:25:34,230 --> 00:25:36,899 ですから 母上様のお願いを…。 255 00:25:36,899 --> 00:25:39,568 この人は 母ではありません。➡ 256 00:25:39,568 --> 00:25:45,908 知っていますか? この人の罪を。 257 00:25:45,908 --> 00:25:49,779 不貞です。➡ 258 00:25:49,779 --> 00:25:55,584 この女は 夫を亡くした寂しさから 歌舞音曲に溺れ➡ 259 00:25:55,584 --> 00:25:59,255 気に入りの三味線弾きを 夜な夜な 屋敷に引き入れたあげく➡ 260 00:25:59,255 --> 00:26:03,125 密通に及んだのです。➡ 261 00:26:03,125 --> 00:26:05,928 身分低き者との不貞を とがめられ➡ 262 00:26:05,928 --> 00:26:10,628 身内の者が訴えて ここへ つないで頂きました。 263 00:26:14,937 --> 00:26:18,808 皆が つらい思いを致しました。➡ 264 00:26:18,808 --> 00:26:22,808 我が家も 取り潰されるところでした。 265 00:26:24,613 --> 00:26:28,613 二度と 私に関わらないで下さい。 266 00:26:32,888 --> 00:26:35,791 (糸)鏡? 267 00:26:35,791 --> 00:26:39,091 誰に こびを売ってるんだか。 268 00:26:41,230 --> 00:26:44,567 待ってつかぁさい! 待ってつかぁさい! 269 00:26:44,567 --> 00:26:47,903 もう少し 話を してあげてつかぁさい。 母上様と。 270 00:26:47,903 --> 00:26:49,839 この者は 母ではありません! 271 00:26:49,839 --> 00:26:54,777 分かりませんか? 私が 何で お屋敷を訪ねたか。 272 00:26:54,777 --> 00:27:01,450 久子様に頼まれて 私は無我夢中でした。 273 00:27:01,450 --> 00:27:05,254 久子様は 申されました。 274 00:27:05,254 --> 00:27:10,926 「何度でも 何度でも お屋敷に伺うように」と。 275 00:27:10,926 --> 00:27:13,596 あなたも とんだ巻き添えでしたね。 276 00:27:13,596 --> 00:27:19,296 母上様は あなたを怒らせたかったんです。 277 00:27:20,936 --> 00:27:23,839 どういう事でしょう? 278 00:27:23,839 --> 00:27:26,609 何度も私が訪ねれば➡ 279 00:27:26,609 --> 00:27:29,945 あなたは きっと ここに どなり込んでくるに違いない。 280 00:27:29,945 --> 00:27:32,214 そう考えたんです。 281 00:27:32,214 --> 00:27:35,514 あなたに会いたかったから。 282 00:27:37,086 --> 00:27:40,556 嫌われて 怒らせて➡ 283 00:27:40,556 --> 00:27:42,892 でも それしか あなたに会うすべはなかったから。 284 00:27:42,892 --> 00:27:47,592 違います。 考え過ぎですよ。 285 00:27:51,567 --> 00:27:56,906 以前 私が拝見した時 その鏡は曇っていました。 286 00:27:56,906 --> 00:28:00,206 それが きれいに磨かれて…。 287 00:28:01,777 --> 00:28:07,477 今日の久子様は 大層きれいです。 288 00:28:09,919 --> 00:28:12,822 見てあげてつかぁさい。 289 00:28:12,822 --> 00:28:16,122 もっと近くで。 290 00:28:17,793 --> 00:28:20,793 さあ。 それには及びません。 291 00:28:23,466 --> 00:28:26,469 娘さん。 292 00:28:26,469 --> 00:28:29,939 おっしゃる事は よく分かりました。 293 00:28:29,939 --> 00:28:35,744 二度と 勝手なお願いは致しません。 294 00:28:35,744 --> 00:28:42,218 これから先 あなたが嫁ぎ 子をなしても➡ 295 00:28:42,218 --> 00:28:46,918 二度と あなたの前には 姿を見せません。 296 00:28:48,891 --> 00:28:52,228 (久子)それでも…➡ 297 00:28:52,228 --> 00:28:58,100 今日は 会えて うれしゅうございました。➡ 298 00:28:58,100 --> 00:29:01,800 どうぞ お帰り下さいませ。 299 00:29:05,774 --> 00:29:09,774 帰りなさい! 糸! 300 00:29:46,215 --> 00:29:50,886 二度と ここには参りません。 301 00:29:50,886 --> 00:29:58,186 私は あなたを憎みます。 302 00:30:21,584 --> 00:30:29,258 憎んだ人の事は 忘れないでしょうから。 303 00:30:29,258 --> 00:31:10,633 ♬~ 304 00:31:10,633 --> 00:31:16,633 あなたも。 お帰りなさい。 305 00:31:18,307 --> 00:31:21,607 うち…。 これでいいのです。 306 00:31:27,983 --> 00:31:31,283 ありがとう。 307 00:31:35,591 --> 00:31:38,494 覚えてますから。 308 00:31:38,494 --> 00:31:44,933 うちが ずっと。 今日のお二人の事。 309 00:31:44,933 --> 00:32:18,634 ♬~ 310 00:32:18,634 --> 00:32:21,970 母上。 311 00:32:21,970 --> 00:32:26,270 あっ。 ちいと待ちんさい。 312 00:32:29,311 --> 00:32:31,246 はい どうぞ。 313 00:32:31,246 --> 00:32:33,182 えっ? 314 00:32:33,182 --> 00:32:38,921 お前は 泣きだすと長いから。 ほら。 315 00:32:38,921 --> 00:32:40,856 (笑い声) 316 00:32:40,856 --> 00:32:45,594 どうしたん。 おかしな子じゃねえ。 317 00:32:45,594 --> 00:32:48,894 違いますよ。 318 00:32:50,933 --> 00:32:55,933 肩をおもみしようと思って。 319 00:33:11,954 --> 00:33:18,254 肩をもんでくれるんや ないんですか? 320 00:33:24,967 --> 00:33:27,870 はい。 321 00:33:27,870 --> 00:33:32,574 あっ。 こそばいって。 322 00:33:32,574 --> 00:33:37,874 動かんで。 (滝)ああ そこ。 323 00:33:39,915 --> 00:33:42,251 ん? おお そうか。 324 00:33:42,251 --> 00:33:46,922 よし! やってくれ。 325 00:33:46,922 --> 00:33:50,592 痛い! 痛い。 痛い!➡ 326 00:33:50,592 --> 00:33:52,528 敏 痛いよ! 痛い! アハハハ! 327 00:33:52,528 --> 00:33:54,930 (百合之助)わざと やっとるな? 328 00:33:54,930 --> 00:33:57,630 (福川)出てええぞ。 329 00:33:59,268 --> 00:34:03,968 おっ? それは 高須殿の…。 330 00:34:09,278 --> 00:34:15,617 (井上喜左衛門)もし。 高須殿。 聞かしてくれんか。 331 00:34:15,617 --> 00:34:19,488 これの事でござる。 (吉村)何じゃ それは? 332 00:34:19,488 --> 00:34:23,492 (福川)吉田の妹御が 高須殿に差し入れたもんじゃ。 333 00:34:23,492 --> 00:34:26,261 文が? (志道)それを なぜ お主が持っとる? 334 00:34:26,261 --> 00:34:29,631 拾うたんじゃ。 拾うた? 335 00:34:29,631 --> 00:34:32,901 それは 私が捨てたものでございます。 336 00:34:32,901 --> 00:34:41,243 何でじゃ? 妹御の心尽くしの品を 何で捨てた? 337 00:34:41,243 --> 00:34:45,113 お主は それで 楽しげに興じとらんかったか? 338 00:34:45,113 --> 00:34:47,916 (志道)わしも見たぞ。 一人で笑うとった。 339 00:34:47,916 --> 00:34:50,819 (福川)そねな大切な品を何で…。 340 00:34:50,819 --> 00:34:54,256 大切な品だったからでございます。 341 00:34:54,256 --> 00:34:57,256 捨てた…? 342 00:35:09,271 --> 00:35:12,174 お聞かせ下さい。 343 00:35:12,174 --> 00:35:17,613 私にも手放せんもんがある。 なのに あなたは捨てたという。 344 00:35:17,613 --> 00:35:20,949 大切だから捨てたと。 345 00:35:20,949 --> 00:35:25,949 なぜじゃ? なぜ あなたは そのような事ができたんじゃ。 346 00:35:28,824 --> 00:35:32,524 あの子が嫌いでございました。 347 00:35:34,496 --> 00:35:42,237 文さんは 私が二度と 求めてはならないものを➡ 348 00:35:42,237 --> 00:35:46,937 あまりに無邪気に まとっておいででした。 349 00:35:49,912 --> 00:35:54,583 獄につながれた時 言い聞かせました。 350 00:35:54,583 --> 00:35:58,921 二度と求めてはいけないと。 351 00:35:58,921 --> 00:36:05,921 美しいものも 楽しいものも 全て。 352 00:36:07,930 --> 00:36:12,601 娘とも決して会わぬつもりでした。 353 00:36:12,601 --> 00:36:14,937 でも…。 354 00:36:14,937 --> 00:36:18,937 (大深虎之丞)会えたではないか。 355 00:36:20,809 --> 00:36:28,809 諦めて背を向けておったもんに 巡り会うたではないか。 356 00:36:31,420 --> 00:36:35,891 娘は 私を憎いと言いました。 357 00:36:35,891 --> 00:36:40,228 でも どうした事でしょう。 358 00:36:40,228 --> 00:36:45,528 その言葉を聞いた時 初めて分かったのです。 359 00:36:47,102 --> 00:36:54,402 生きて傷つく事も 償いではないかと。 360 00:37:00,248 --> 00:37:04,248 [ 回想 ] ならば 証しを見せてつかぁさい! 361 00:37:10,258 --> 00:37:13,958 孟子は こう言われました。 362 00:37:28,276 --> 00:37:31,880 つまり すべての感情は➡ 363 00:37:31,880 --> 00:37:36,752 もともと 人の本性の中に 備わっているもんなんです。 364 00:37:36,752 --> 00:37:42,224 悲しみや悪だけではない。 365 00:37:42,224 --> 00:37:49,524 善も またしかり。 喜びも またしかり。 366 00:37:51,233 --> 00:37:54,569 一生 獄の中にあろうと➡ 367 00:37:54,569 --> 00:37:59,908 心を磨き 己の心に目を凝らし 誠を尽くせば➡ 368 00:37:59,908 --> 00:38:02,811 人は 生まれ変わる事ができる。 369 00:38:02,811 --> 00:38:06,782 幻を申すな! 370 00:38:06,782 --> 00:38:09,782 幻などではない。 371 00:38:12,487 --> 00:38:19,594 現に これを手にして 高須殿は変わられた。 372 00:38:19,594 --> 00:38:25,294 筆を手にして 富永殿も変わられたではないか。 373 00:38:28,603 --> 00:38:31,506 皆は どうです? 374 00:38:31,506 --> 00:38:35,877 鳥と書けば 鳥が見える。 375 00:38:35,877 --> 00:38:38,780 花と書けば 桜が匂う。 376 00:38:38,780 --> 00:38:46,521 心に それを感じたのであれば それは 幻などではない! 377 00:38:46,521 --> 00:38:52,427 人は 変われるんです。 378 00:38:52,427 --> 00:39:11,580 ♬~ 379 00:39:11,580 --> 00:39:18,453 己の心から目を背けては いけん。 380 00:39:18,453 --> 00:39:21,590 (大深)そうじゃ。 381 00:39:21,590 --> 00:39:26,261 お前は なかなか ええ事を言う。 382 00:39:26,261 --> 00:39:29,931 続けろ。 383 00:39:29,931 --> 00:39:33,931 お主の話をもっと聞きたい。 384 00:39:35,537 --> 00:39:42,210 在獄48年 今日は まことに愉快である。 385 00:39:42,210 --> 00:39:44,146 はっ。 386 00:39:44,146 --> 00:39:51,446 (笑い声) 387 00:40:10,238 --> 00:40:13,575 富永殿…。 388 00:40:13,575 --> 00:40:47,575 ♬~ 389 00:40:49,277 --> 00:40:52,277 あの~。 390 00:40:53,949 --> 00:40:57,619 失礼致します! 391 00:40:57,619 --> 00:41:01,957 あれ… 誰もおらん。 392 00:41:01,957 --> 00:41:05,293 ≪(寅次郎)「必ず先ず その心志を苦しめ➡ 393 00:41:05,293 --> 00:41:10,966 その筋骨を労せしめ…」。 寅次郎の声じゃ。 394 00:41:10,966 --> 00:41:14,836 ≪(寅次郎)「その体膚を餓えしめ その身を空乏にし➡ 395 00:41:14,836 --> 00:41:21,309 行うこと その為さんとする所に 払乱せしむ」。 396 00:41:21,309 --> 00:41:24,212 寅兄様…。 397 00:41:24,212 --> 00:41:27,983 (寅次郎)つまり 天は➡ 398 00:41:27,983 --> 00:41:30,885 ある者を見込んで その才を試そうとする時➡ 399 00:41:30,885 --> 00:41:33,255 まず 試練を与える。 400 00:41:33,255 --> 00:41:40,128 逆境こそが人を育てる。 人を大いなるものにする。➡ 401 00:41:40,128 --> 00:41:46,428 獄も またしかり。 (一同)ほう…。 402 00:41:49,604 --> 00:41:54,604 兄上。 寅兄様と話さんでええんですか? 403 00:41:56,278 --> 00:42:00,148 ええんじゃ。 でも…。 404 00:42:00,148 --> 00:42:04,953 俺には俺のやる事がある。 405 00:42:04,953 --> 00:42:12,294 胸を張って そう言えるまで あいつとは会わん。 406 00:42:12,294 --> 00:42:22,637 ♬~ 407 00:42:22,637 --> 00:42:29,978 では 楽しみとは何か。 さて 何じゃ?➡ 408 00:42:29,978 --> 00:42:32,247 こんな言葉があります。➡ 409 00:42:32,247 --> 00:42:35,583 「賢者にして しかるのちに 此を楽しむ。➡ 410 00:42:35,583 --> 00:42:40,255 不賢者は 此ありといえども…」。 411 00:42:40,255 --> 00:42:43,255 どうして こねな事に。 412 00:42:44,926 --> 00:42:51,800 そうさなぁ。 強いて言やぁ➡ 413 00:42:51,800 --> 00:42:56,500 お前の筆のせいじゃ。 筆? 414 00:42:59,941 --> 00:43:08,950 「君臣相楽しみ 兄弟親族 朋友郷党 相楽しむの境を自得せば➡ 415 00:43:08,950 --> 00:43:13,250 豈楽しからずや」。 416 00:43:21,296 --> 00:43:24,632 吉田寅次郎の出獄を! (寅次郎)私は出ません。 417 00:43:24,632 --> 00:43:27,535 (亀)獄におる女が 気になっておられるんです。 418 00:43:27,535 --> 00:43:31,235 (久子)一人だけ獄を出ていくなど 懲らしめないと。 419 00:43:32,907 --> 00:43:36,244 <萩市を流れる松本川。➡ 420 00:43:36,244 --> 00:43:41,116 毎年2月から しろうお漁が行われます。➡ 421 00:43:41,116 --> 00:43:47,255 しろうおは 小田村伊之助も 大好物だったといいます。➡ 422 00:43:47,255 --> 00:43:52,927 伊之助が教鞭をとった 藩校 明倫館。➡ 423 00:43:52,927 --> 00:43:56,798 高杉晋作も ここで学びました。➡ 424 00:43:56,798 --> 00:44:02,937 後に伊之助と共に 薩長同盟に奔走する坂本龍馬も➡ 425 00:44:02,937 --> 00:44:08,276 ここで剣術の試合を行ったと いわれています。➡ 426 00:44:08,276 --> 00:44:13,615 その後 伊之助は 楫取素彦と名を改め➡ 427 00:44:13,615 --> 00:44:17,952 明治に入ってからは 群馬県令として活躍。➡ 428 00:44:17,952 --> 00:44:22,824 教育に力を注ぎ 松下村塾の後継者として➡ 429 00:44:22,824 --> 00:44:27,295 その教えを後世に伝えたのです。➡ 430 00:44:27,295 --> 00:44:30,198 明倫小学校では 毎朝➡ 431 00:44:30,198 --> 00:44:33,902 松陰の言葉の朗唱が 行われています> 432 00:44:33,902 --> 00:44:40,775 (児童たち)「誠は天の道なり。 誠を思うは人の道なり。➡ 433 00:44:40,775 --> 00:44:44,913 至誠にして動かざるは…」。 434 00:44:44,913 --> 00:44:48,249 <伊之助がつないだ松陰の教えは➡ 435 00:44:48,249 --> 00:44:53,949 今も 人々の胸に 生き続けているのです> 436 00:45:33,194 --> 00:45:37,599 <享保の頃 江戸市中は もとより➡ 437 00:45:37,599 --> 00:45:45,273 関東 東海道 中山道 上方にまで 縦横無尽に盗み働きをしていた➡ 438 00:45:45,273 --> 00:45:47,775 盗賊一味があった。➡ 439 00:45:47,775 --> 00:45:50,678 一人も殺さず 傷つけず。➡ 440 00:45:50,678 --> 00:45:54,282 雲か霧のように 消えてしまうところから➡ 441 00:45:54,282 --> 00:45:57,619 雲霧一党と 人は呼んだ。➡