1 00:00:34,004 --> 00:00:36,704 (梅太郎)今 何と申した? 2 00:00:39,943 --> 00:00:43,243 (文)ですから…。 3 00:00:45,081 --> 00:00:48,952 寅兄様を 獄から出してさしあげたい。 4 00:00:48,952 --> 00:00:52,756 そのための手だてがないもんかと。 5 00:00:52,756 --> 00:01:07,304 ♬~ 6 00:01:07,304 --> 00:01:10,106 梅兄様。 えっ? 7 00:01:10,106 --> 00:01:13,009 あちらです。 はい。 8 00:01:13,009 --> 00:01:15,779 (弘中勝之進) 今日は どねぇな話じゃ? 9 00:01:15,779 --> 00:01:19,449 (寅次郎)では これをご覧あれ。 10 00:01:19,449 --> 00:01:24,321 (河野)何じゃ それは? 夷狄の銭か? 11 00:01:24,321 --> 00:01:27,123 (富永)ボタオ。 (福川)ああ そう ボタオじゃ。 12 00:01:27,123 --> 00:01:31,795 さよう。 衣服に縫い付け 布と布を留めるもんです。 13 00:01:31,795 --> 00:01:35,065 これは 黒船密航の折➡ 14 00:01:35,065 --> 00:01:38,935 同志 金子重輔が メリケンとの つかみ合いの末に もぎり取った➡ 15 00:01:38,935 --> 00:01:42,405 いわば 誉れの品です。 16 00:01:42,405 --> 00:01:46,743 (大深)もちいと 金めの品は なかったんか? 17 00:01:46,743 --> 00:01:50,613 (笑い声) 18 00:01:50,613 --> 00:01:53,616 これは 私の宝です。➡ 19 00:01:53,616 --> 00:01:58,088 今は亡き金子君との 絆の証しです。➡ 20 00:01:58,088 --> 00:02:04,788 さて このような小さな品からでも 異国の文明の様が見てとれる。 21 00:02:07,097 --> 00:02:11,768 これは? 私が書きました。 22 00:02:11,768 --> 00:02:14,104 「福堂策」です。 23 00:02:14,104 --> 00:02:17,804 「福堂策」? 24 00:02:20,977 --> 00:02:29,119 ♬~(テーマ音楽) 25 00:02:29,119 --> 00:03:02,986 ♬~ 26 00:03:02,986 --> 00:03:10,093 ♬「愚かなる 吾れのことをも」 27 00:03:10,093 --> 00:03:19,436 ♬「友とめづ人は わがとも友と」 28 00:03:19,436 --> 00:03:27,777 ♬「吾れをも 友とめづ人は」 29 00:03:27,777 --> 00:03:38,054 ♬「わがとも友と めでよ人々」 30 00:03:38,054 --> 00:04:14,757 ♬~ 31 00:04:14,757 --> 00:04:22,432 ♬「吾れをも 友とめづ人は」 32 00:04:22,432 --> 00:04:31,441 ♬「わがとも友と めでよ人々」 33 00:04:31,441 --> 00:04:37,247 ♬「燃ゆ」 34 00:04:37,247 --> 00:04:49,947 ♬~ 35 00:04:56,399 --> 00:04:59,068 「福堂策」…。 36 00:04:59,068 --> 00:05:02,405 メリケンの獄を例に挙げ➡ 37 00:05:02,405 --> 00:05:07,705 日本の獄の改善すべき点を 事細かに記してある。 38 00:05:23,092 --> 00:05:25,028 (百合之助)難しゅうないんか? 39 00:05:25,028 --> 00:05:27,964 難しいけど面白いんです。 40 00:05:27,964 --> 00:05:31,434 寅兄様のお話と同じです。 41 00:05:31,434 --> 00:05:35,305 獄での寅は そねぇに教え上手か。 42 00:05:35,305 --> 00:05:41,044 教えとるとか教わっとるとか そういうんじゃのうて…。 43 00:05:41,044 --> 00:05:45,715 そう! 分かち合うとるような。 44 00:05:45,715 --> 00:05:51,054 寅次郎の記した「福堂策」とは アメリカの牢獄を例に挙げ➡ 45 00:05:51,054 --> 00:05:56,392 更生を目的として 獄囚による自治や学芸を奨励し➡ 46 00:05:56,392 --> 00:05:59,295 医師の回診などを提案した➡ 47 00:05:59,295 --> 00:06:03,295 当時としては 画期的な意見書だった。 48 00:06:05,401 --> 00:06:14,744 「人 賢愚ありといえども 各々 一 二の才能なきはなし」。 49 00:06:14,744 --> 00:06:20,083 [ 回想 ] (梅太郎)「どんな者にも 必ず優れたところがある。➡ 50 00:06:20,083 --> 00:06:22,986 獄の有り様を整えれば➡ 51 00:06:22,986 --> 00:06:27,957 人は必ず罪を改め 生まれ変わる事ができる」と。 52 00:06:27,957 --> 00:06:30,727 これを どなたかに託されるんですか? 53 00:06:30,727 --> 00:06:34,597 いや。 これは このまま 我が家に留め置く。 54 00:06:34,597 --> 00:06:38,034 えっ… 何でです!? 55 00:06:38,034 --> 00:06:40,937 罪人が政に意見するなど 許されんからじゃ。 56 00:06:40,937 --> 00:06:44,374 死罪を申し渡されても 文句は言えん。 57 00:06:44,374 --> 00:06:46,374 そんな…。 58 00:06:49,712 --> 00:06:52,048 お前が寅を慕い➡ 59 00:06:52,048 --> 00:06:54,951 獄から出したいっちゅう気持ちは よう分かる。➡ 60 00:06:54,951 --> 00:06:57,951 じゃが わしらには どうしようもない。 61 00:06:59,722 --> 00:07:02,422 (ため息) 62 00:07:05,395 --> 00:07:07,730 お話は よく分かりました。➡ 63 00:07:07,730 --> 00:07:10,066 「兄上を獄から出したい。➡ 64 00:07:10,066 --> 00:07:12,735 けれど これ以上 どうしたらいいのか分からない」。 65 00:07:12,735 --> 00:07:15,405 そういう事ですね? 66 00:07:15,405 --> 00:07:18,307 はい。 67 00:07:18,307 --> 00:07:26,049 獄に入る前 私は 300石取りの大組の奥方でした。 68 00:07:26,049 --> 00:07:32,349 大した妻ではありませんでしたが 肝に銘じていた事があります。 69 00:07:37,360 --> 00:07:43,700 殿方には 殿方のつながりがある という事です。 70 00:07:43,700 --> 00:07:47,400 殿方の? 71 00:07:49,038 --> 00:07:51,708 裏では どんなに 疎んじ合っていても➡ 72 00:07:51,708 --> 00:07:56,579 表立っては一つにまとまり 決して よそ者を受け付けません。 73 00:07:56,579 --> 00:07:59,582 おなごどもが 何を言ったところで➡ 74 00:07:59,582 --> 00:08:03,720 殿方同士の決め事が 覆るはずもありません。 75 00:08:03,720 --> 00:08:07,056 はあ… ためになります。 76 00:08:07,056 --> 00:08:15,356 ですから できる者を見つけて 任せればいいんです。 77 00:08:17,066 --> 00:08:19,402 任せる? 78 00:08:19,402 --> 00:08:24,702 味方を見つけるんです。 殿方の。 79 00:08:27,276 --> 00:08:30,747 (伊之助)兄上から 手紙が来たって? (寿)はい。 80 00:08:30,747 --> 00:08:33,649 伊之助の実の兄 松島剛蔵は➡ 81 00:08:33,649 --> 00:08:38,554 後に 初代長州藩海軍総督となる 人物である。 82 00:08:38,554 --> 00:08:42,024 兄上様は 息災のご様子ですか? 83 00:08:42,024 --> 00:08:47,363 ああ。 長崎で 洋学漬けの日々を過ごされておる。 84 00:08:47,363 --> 00:08:49,699 篤太郎。 85 00:08:49,699 --> 00:08:54,570 お前が学ぶまでには 萩にも洋学の学問所が出来る。 86 00:08:54,570 --> 00:08:57,039 父は そのために力を尽くす。 87 00:08:57,039 --> 00:09:01,039 待っちょれよ。 88 00:09:14,590 --> 00:09:25,067 ♬~ 89 00:09:25,067 --> 00:09:28,404 梅兄様から預かってまいりました。 90 00:09:28,404 --> 00:09:32,704 明倫館から寅兄様のために お借りした書物です。 91 00:09:34,210 --> 00:09:36,910 それから…。 92 00:09:41,951 --> 00:09:44,887 「福堂策」…。 93 00:09:44,887 --> 00:09:49,692 兄上が記しました。 牢獄をよい所にしたいと。 94 00:09:49,692 --> 00:09:53,029 寅次郎が? 梅兄様には➡ 95 00:09:53,029 --> 00:09:55,698 決して持ち出してはならんと 念を押されました。 96 00:09:55,698 --> 00:10:01,370 どうしても読んで頂きとうて 書き写しました。 97 00:10:01,370 --> 00:10:05,708 よろしければ ご意見をお聞かせ下さい。 98 00:10:05,708 --> 00:10:12,008 兄上のご意見を。 99 00:10:16,052 --> 00:10:19,388 そのころ 江戸の藩邸には➡ 100 00:10:19,388 --> 00:10:22,725 桂 小五郎が顔を見せていた。 101 00:10:22,725 --> 00:10:27,396 (来原)相模の方は どうじゃ? 造船術は だいぶ身についたんか? 102 00:10:27,396 --> 00:10:30,299 (桂)どうもこうも 船っちゅうのは➡ 103 00:10:30,299 --> 00:10:33,069 どうして あねぇに揺れるんでしょうかね。 104 00:10:33,069 --> 00:10:35,004 弱音を吐くな。➡ 105 00:10:35,004 --> 00:10:39,742 薩摩では すでに洋船建造を始めとるちゅう。 106 00:10:39,742 --> 00:10:43,613 我が藩も急がんにゃ。 107 00:10:43,613 --> 00:10:49,418 船もさる事ながら 来原殿も そろそろ嫁御をもらわれては? 108 00:10:49,418 --> 00:10:53,089 そうじゃ。 私の妹など いかがです? 109 00:10:53,089 --> 00:10:59,428 あっ! 大きなお世話だ。 (笑い声) 110 00:10:59,428 --> 00:11:04,728 あっ そうそう。 伊之助から手紙が届いておったど。 111 00:11:08,771 --> 00:11:13,109 「一筆啓上つかまつり候。➡ 112 00:11:13,109 --> 00:11:17,446 江戸におかれては たび重なる和親条約締結にて➡ 113 00:11:17,446 --> 00:11:23,119 ご公儀の進退 いよいよ窮まれりと拝察致し候。➡ 114 00:11:23,119 --> 00:11:25,788 にもかかわらず 我が藩➡ 115 00:11:25,788 --> 00:11:29,659 いまだ安穏と 幕府に恭順を示すのみにて➡ 116 00:11:29,659 --> 00:11:34,397 このままでは日本国と同時に 我が藩の命運も➡ 117 00:11:34,397 --> 00:11:36,732 はかなくなりしかと➡ 118 00:11:36,732 --> 00:11:41,070 いささか暗澹たる思いに 駆られ候。➡ 119 00:11:41,070 --> 00:11:44,407 今こそ 吉田寅次郎を獄から外へ。➡ 120 00:11:44,407 --> 00:11:49,707 桂殿のお力を ぜひ拝借致したく候」。 121 00:11:51,280 --> 00:11:54,083 長州のためだけにあらず➡ 122 00:11:54,083 --> 00:11:58,955 志ある者たちの登用は これからの日本のためでござる。 123 00:11:58,955 --> 00:12:03,426 何とぞ 水戸のご老公からの お口添えを。 124 00:12:03,426 --> 00:12:05,726 何とぞ! 125 00:12:07,296 --> 00:12:11,767 そして 城下に秋が訪れる頃。 126 00:12:11,767 --> 00:12:13,703 (敬親)どういう事じゃ。 127 00:12:13,703 --> 00:12:19,442 はっ。 吉田寅次郎の処分が 重すぎるのではないかと。 128 00:12:19,442 --> 00:12:23,112 (敬親)そのような声が 家中にもあるのだな? 129 00:12:23,112 --> 00:12:26,983 (周布)水戸徳川家辺りからも 起こっているようでございます。 130 00:12:26,983 --> 00:12:28,985 (敬親)水戸が? 131 00:12:28,985 --> 00:12:33,389 (周布)一度許されたはずの者を なぜ 長々と獄につなぐのか。 132 00:12:33,389 --> 00:12:37,059 毛利家は ご公儀に対し 何か含むところがあるのかと。 133 00:12:37,059 --> 00:12:38,995 何を申すか。 134 00:12:38,995 --> 00:12:41,731 国禁を犯した者を そのままにしては➡ 135 00:12:41,731 --> 00:12:46,602 家中に示しがつかん。 そう思い 決断したまでの事。 136 00:12:46,602 --> 00:12:52,742 周布殿は 殿のご采配に 異論ありと申されるか。 137 00:12:52,742 --> 00:12:57,613 それとも このわしに 何か言いたき議でも? 138 00:12:57,613 --> 00:13:03,386 (周布)めっそうもない事でござる。 椋梨様に異を唱える…。 139 00:13:03,386 --> 00:13:06,288 案ずる事はございませぬ。 140 00:13:06,288 --> 00:13:09,291 しょせん 根も葉もない臆測でございます。 141 00:13:09,291 --> 00:13:15,591 …にしても なぜ今頃 そのような。 142 00:13:18,768 --> 00:13:21,437 寅次郎を獄から出す…? 143 00:13:21,437 --> 00:13:26,108 そういう声が上がっておる。 存じておるか? 144 00:13:26,108 --> 00:13:30,980 いえ。 うわさには とんと疎いもので。 145 00:13:30,980 --> 00:13:37,680 うむ。 それでは これは どうじゃ? 146 00:13:39,388 --> 00:13:42,058 このようなものが出回り➡ 147 00:13:42,058 --> 00:13:46,929 あやつを獄から出すのは ますます難しゅうなった。 148 00:13:46,929 --> 00:13:52,929 いたずらに衆を惑わすものを 増やす訳にはいかん。 149 00:13:57,406 --> 00:14:01,706 いたずらに惑わせてなど おりませぬ! 150 00:14:08,751 --> 00:14:14,423 この策に託された考えこそ 藩にとっての宝。 151 00:14:14,423 --> 00:14:19,295 広く日本に向け 我が長州の名を知らしめす➡ 152 00:14:19,295 --> 00:14:23,595 力足りえるものと 信じるものにございます。 153 00:14:38,614 --> 00:14:41,383 なるほど。 154 00:14:41,383 --> 00:14:47,256 お主は 父親とは違う目をしておるの。 155 00:14:47,256 --> 00:14:50,556 ならば教えよう。 156 00:14:53,729 --> 00:15:00,069 己の望みを成し遂げるには さまざまな手だてがある。 157 00:15:00,069 --> 00:15:04,769 強き者につくも その一つ。 158 00:15:06,408 --> 00:15:12,408 さて 次の一手をどうする? 159 00:15:29,098 --> 00:15:32,001 伏してお願い申し上げまする。 160 00:15:32,001 --> 00:15:34,703 異国の脅威にさらされた 日本国には➡ 161 00:15:34,703 --> 00:15:40,042 今までに類いのない人物が 望まれております。 162 00:15:40,042 --> 00:15:45,342 何とぞ 吉田寅次郎の出獄を! 163 00:15:51,654 --> 00:15:55,354 文! 文! 164 00:15:57,059 --> 00:15:59,395 また余計な事を! 165 00:15:59,395 --> 00:16:02,064 え… うちは何も。 166 00:16:02,064 --> 00:16:06,936 ただ 寅兄様の書いたもんを 小田村の兄上にも読んで頂こうと。 167 00:16:06,936 --> 00:16:09,738 それが余計な事やというの。 168 00:16:09,738 --> 00:16:13,609 ようやく江戸から戻って これからという時に…。 169 00:16:13,609 --> 00:16:18,414 椋梨様ににらまれたら 何もかも おしまいやろ! 170 00:16:18,414 --> 00:16:22,284 寅兄にだって もっと厳しい ご処分が下るかもしれんのよ! 171 00:16:22,284 --> 00:16:24,286 寅兄に? 172 00:16:24,286 --> 00:16:28,757 亀! 旦那様。 どねぇされました? 173 00:16:28,757 --> 00:16:33,457 お城より ご使者が来た。 急ぎ参れと。 174 00:16:46,041 --> 00:16:49,712 広間ではございませんのか? 175 00:16:49,712 --> 00:16:53,012 こちらへ。 176 00:17:05,060 --> 00:17:09,732 この先は お一人で。 えっ? 177 00:17:09,732 --> 00:17:24,432 ♬~ 178 00:17:55,244 --> 00:17:58,244 殿! 179 00:18:00,049 --> 00:18:03,385 (敬親)よう参ったな。 180 00:18:03,385 --> 00:18:09,258 一人気ままに ものを思い 時に客を迎えるため➡ 181 00:18:09,258 --> 00:18:12,728 このような趣向を凝らしておる。 182 00:18:12,728 --> 00:18:17,599 知る者は 僅かしかおらん。 183 00:18:17,599 --> 00:18:22,071 そのような所に私など…。 184 00:18:22,071 --> 00:18:27,943 これ。 堅苦しいまねは よせ。 ここは茶室ぞ。 185 00:18:27,943 --> 00:18:31,080 はっ…。 186 00:18:31,080 --> 00:18:39,080 今日は そちに わびねばならぬ事がある。 187 00:18:46,562 --> 00:18:49,031 (梅太郎)これは…。 188 00:18:49,031 --> 00:18:56,372 (敬親)その昔 寅次郎の兵学講義の 褒美に遣わしたもんじゃ。 189 00:18:56,372 --> 00:19:03,072 あやつが密航を企てた時の荷に 入っておったそうじゃ。 190 00:19:07,383 --> 00:19:18,083 これは お前から寅次郎に渡せ。 191 00:19:26,402 --> 00:19:29,402 兄上! 192 00:19:32,007 --> 00:19:36,879 殿様の御用とは 何だったんですか? 193 00:19:36,879 --> 00:19:39,579 寅兄様は? 194 00:19:47,556 --> 00:19:52,027 寅次郎に渡せと。 195 00:19:52,027 --> 00:19:55,697 兄様に? 196 00:19:55,697 --> 00:20:00,569 「自宅での蟄居を申しつける。➡ 197 00:20:00,569 --> 00:20:05,707 寅次郎を獄から出す」と。 198 00:20:05,707 --> 00:20:09,007 えっ? 199 00:20:11,380 --> 00:20:14,680 本当ですか? 200 00:20:16,251 --> 00:20:20,389 アハハ! アハハ! 201 00:20:20,389 --> 00:20:25,689 兄上! やりましたね! 202 00:20:33,735 --> 00:20:36,405 何と申した? 203 00:20:36,405 --> 00:20:39,308 私は このままで構いません。➡ 204 00:20:39,308 --> 00:20:43,078 「福堂策」とは 「獄でさえ 改めれば➡ 205 00:20:43,078 --> 00:20:46,415 人を善に導く 福堂となす事ができる」。 206 00:20:46,415 --> 00:20:48,750 そう説いたものです。 207 00:20:48,750 --> 00:20:52,087 なのに 説いた私が ここを出てしまっては➡ 208 00:20:52,087 --> 00:20:54,990 肝心の論が ただの絵空事になってしまう。 209 00:20:54,990 --> 00:20:59,428 だから とどまる… そうおっしゃるんですか? 210 00:20:59,428 --> 00:21:02,764 私は ここで 紙の上の文字ではない➡ 211 00:21:02,764 --> 00:21:07,102 生きた言葉と人を学びました。 212 00:21:07,102 --> 00:21:11,102 これからも それを全うしとうございます。 213 00:21:20,649 --> 00:21:26,121 (滝)それにしても 出ろと言われて出ないとは➡ 214 00:21:26,121 --> 00:21:29,791 寅次郎にも困ったもんですね。 215 00:21:29,791 --> 00:21:37,065 しかたがない。 もう一度 獄へ行き 話をするしかあるまい。 216 00:21:37,065 --> 00:21:43,939 何度でも足を運び 言い聞かせる。 説き伏せる。 217 00:21:43,939 --> 00:21:47,075 まあ それでも承服せんなら 引きずり出す。 218 00:21:47,075 --> 00:21:50,375 もう嫌でございます。 ん? 219 00:21:52,414 --> 00:21:56,285 今まで ずっと 我慢しちょりましたが➡ 220 00:21:56,285 --> 00:22:00,088 もう 獄へは いらっしゃらんでつかぁさい。 221 00:22:00,088 --> 00:22:02,424 何か? 何かあったんか? 222 00:22:02,424 --> 00:22:06,295 旦那様は 獄におる女が 気になっておられるんです。 223 00:22:06,295 --> 00:22:08,297 何を申すか。 224 00:22:08,297 --> 00:22:11,099 高須様とかおっしゃる おきれいな方? 225 00:22:11,099 --> 00:22:13,035 私 気付いちょりました。 226 00:22:13,035 --> 00:22:16,438 寅次郎様を獄に訪ねる日は 朝から そわそわ。 227 00:22:16,438 --> 00:22:19,341 くだらん事を申すな。 きちんと 髪も整えて➡ 228 00:22:19,341 --> 00:22:22,778 身繕いもして…。 亀! 229 00:22:22,778 --> 00:22:28,116 私… 私…。 亀。 230 00:22:28,116 --> 00:22:30,452 わあ~! うわっ! 231 00:22:30,452 --> 00:22:33,722 よせ 亀! よせ! 232 00:22:33,722 --> 00:22:38,594 父上! 父上! 何か おっしゃって下さい。➡ 233 00:22:38,594 --> 00:22:41,597 父上! 234 00:22:41,597 --> 00:22:45,734 (寅次郎) まさか 父上が このような所に。 235 00:22:45,734 --> 00:22:50,072 何と言うか… まあ… 成り行きでな。 236 00:22:50,072 --> 00:22:53,742 (寅次郎)な… 成り行き? 237 00:22:53,742 --> 00:23:00,082 そうか。 獄の中とは こうなっとるんか。 238 00:23:00,082 --> 00:23:03,752 はい。 うん…。 239 00:23:03,752 --> 00:23:05,687 (河野)帰れ! 240 00:23:05,687 --> 00:23:09,424 吉田殿は渡さん! 帰れ! 241 00:23:09,424 --> 00:23:12,761 (おりを揺らす音) 242 00:23:12,761 --> 00:23:15,430 いやいや これは…。 (寅次郎)ご安心下され。 243 00:23:15,430 --> 00:23:18,130 私は出ません。 244 00:23:23,772 --> 00:23:31,113 私は生涯 ここへとどまる覚悟で 「福堂策」を著しました。 245 00:23:31,113 --> 00:23:35,384 ここで学び合う中で 1人でも2人でも➡ 246 00:23:35,384 --> 00:23:39,254 お家のためになるような者が 現れるんなら➡ 247 00:23:39,254 --> 00:23:46,395 それこそが 殿への忠義の道と 心得ております。 248 00:23:46,395 --> 00:23:50,065 そうか。 249 00:23:50,065 --> 00:23:55,765 うん… そうじゃな。 250 00:23:59,408 --> 00:24:01,343 さてと。 251 00:24:01,343 --> 00:24:03,745 お帰りですか? うん。 252 00:24:03,745 --> 00:24:09,084 お体を どうぞ おいとい下さい。 253 00:24:09,084 --> 00:24:16,758 文に… 何と言おうかの。 254 00:24:16,758 --> 00:24:19,058 文? 255 00:24:20,629 --> 00:24:28,629 あいつは 学びたがっとった。 お前からな。 256 00:24:31,773 --> 00:24:37,379 こたびの事 文も伊之助殿も➡ 257 00:24:37,379 --> 00:24:43,251 それはそれは お前のために 力を尽くしておった。➡ 258 00:24:43,251 --> 00:24:48,951 お前は ええ きょうだいを持った。 259 00:24:54,730 --> 00:24:57,065 (百合之助)じゃあな。 また来る。 260 00:24:57,065 --> 00:25:00,936 いや またという事もないが…。 261 00:25:00,936 --> 00:25:22,758 ♬~ 262 00:25:22,758 --> 00:25:28,458 そうか。 兄上は まだ 駄々こねとるんか。 263 00:25:30,098 --> 00:25:33,001 あいつらしいといえば あいつらしい。 264 00:25:33,001 --> 00:25:36,371 皆があれほど力を尽くしたのに…。 265 00:25:36,371 --> 00:25:40,242 兄上だって…。 気にするな。 266 00:25:40,242 --> 00:25:43,245 あいつには あいつの考えがあるんじゃ。 267 00:25:43,245 --> 00:25:47,245 無理やり引きずり出しても 意味はない。 268 00:25:49,384 --> 00:25:53,384 文が気に病む事はない。 269 00:26:00,395 --> 00:26:06,735 旦那様は なぜ いつも兄のために 力を尽くそうとされるのですか。 270 00:26:06,735 --> 00:26:10,605 今度の事は あいつのために働いたのではない。 271 00:26:10,605 --> 00:26:12,607 えっ? 272 00:26:12,607 --> 00:26:15,744 長州藩をもっと強くしたい。 273 00:26:15,744 --> 00:26:22,417 洋学所を興し 反射炉を築き 洋船を造り…。 274 00:26:22,417 --> 00:26:27,289 日本のどこにも負けん 開かれた藩にしたい。 275 00:26:27,289 --> 00:26:31,426 そんな事を…。 276 00:26:31,426 --> 00:26:34,029 そのために兄を? 277 00:26:34,029 --> 00:26:36,932 あのような男がおる。 278 00:26:36,932 --> 00:26:44,039 共に国のために 力を尽くし働いとる。 279 00:26:44,039 --> 00:26:49,339 そう思うだけで 力が湧いてくるんじゃ。 280 00:26:53,048 --> 00:27:00,348 旦那様には 私もおります。 篤太郎も。 281 00:27:02,390 --> 00:27:05,690 寿…。 282 00:27:16,404 --> 00:27:19,704 (久子)富永様。 283 00:27:21,743 --> 00:27:27,743 ん? 何じゃ? 284 00:27:30,418 --> 00:27:34,118 吉田様の事です。 285 00:27:40,695 --> 00:27:42,631 句会ですか。 286 00:27:42,631 --> 00:27:46,568 (吉村)うん。 そろそろ また 催そうと思うんだが。 287 00:27:46,568 --> 00:27:51,706 それはいい。 中秋に開いた句会も 大層 趣がございましたから。 288 00:27:51,706 --> 00:27:57,379 題は 一応随意にという事で 子細は 追ってまた。 289 00:27:57,379 --> 00:28:00,079 承知致した。 290 00:28:14,396 --> 00:28:17,299 こちらでございます。 291 00:28:17,299 --> 00:28:21,599 おお よう参ったの。 292 00:28:29,411 --> 00:28:32,681 このたびは 兄 寅次郎の出獄について➡ 293 00:28:32,681 --> 00:28:38,353 格別のご配慮を賜り まことに…。 (椋梨)堅苦しい挨拶などよい。 294 00:28:38,353 --> 00:28:43,653 どうじゃ。 お主なら どう指す? 295 00:28:54,703 --> 00:29:01,376 なるほど。 思うたとおり なかなか大胆な男じゃの。 296 00:29:01,376 --> 00:29:03,712 お褒めにあずかり。 297 00:29:03,712 --> 00:29:08,049 寅次郎の赦免嘆願のため 参ったお主の面構えも➡ 298 00:29:08,049 --> 00:29:09,985 なかなかのものであった。 299 00:29:09,985 --> 00:29:14,685 [ 回想 ] 何とぞ 吉田寅次郎の出獄を! 300 00:29:21,062 --> 00:29:25,400 わしは お主に興味を持った。 301 00:29:25,400 --> 00:29:29,070 お主は これから鞘になれ。 302 00:29:29,070 --> 00:29:33,908 吉田寅次郎という刀のな。 303 00:29:33,908 --> 00:29:38,346 あやつは 確かに逸材なれど 危うい。 304 00:29:38,346 --> 00:29:41,016 ひとたび 道を外せば➡ 305 00:29:41,016 --> 00:29:45,887 藩そのものを脅かす 刃になるやもしれぬ。 306 00:29:45,887 --> 00:29:51,187 そうならぬよう 寅次郎を見張れ。 307 00:29:53,028 --> 00:29:57,899 [ 回想 ] 己の望みを成し遂げるには さまざまな手だてがある。 308 00:29:57,899 --> 00:30:03,371 強き者につくも その一つ。 309 00:30:03,371 --> 00:30:08,043 (椋梨美鶴)さあさあ お話は それぐらいにして。 310 00:30:08,043 --> 00:30:12,043 どうぞ こちらへ。 311 00:30:14,382 --> 00:30:17,719 久しぶりの句会が開かれたのは➡ 312 00:30:17,719 --> 00:30:24,019 寅次郎が入獄し 1年を 迎えようとする冬の事だった。 313 00:30:29,064 --> 00:30:32,400 高須殿は 句は? 314 00:30:32,400 --> 00:30:36,738 今日は 皆様の作を 拝聴したく存じます。 315 00:30:36,738 --> 00:30:39,641 では 始めましょう。 316 00:30:39,641 --> 00:30:46,081 本日は それぞれ ご自分の近作を 披露願うという事で。 317 00:30:46,081 --> 00:30:49,081 では。 318 00:30:53,755 --> 00:31:01,755 (井上) 「見送れば なほ陰寒し 梅もどき」。 319 00:31:03,431 --> 00:31:05,366 「見送れば」…。 320 00:31:05,366 --> 00:31:11,306 別れのさみしさと 残された者への まなざしが すばらしい。➡ 321 00:31:11,306 --> 00:31:16,444 胸を打たれます。 322 00:31:16,444 --> 00:31:26,788 (志道) 「相宿の 朝の別れや 冬のあめ」。 323 00:31:26,788 --> 00:31:29,124 まさか…。 324 00:31:29,124 --> 00:31:32,026 (吉村)獄を相宿と詠まれるとは。 325 00:31:32,026 --> 00:31:35,930 志道殿は 腕を上げられましたな。 326 00:31:35,930 --> 00:31:38,933 恐縮の至り。 327 00:31:38,933 --> 00:31:41,233 弘中殿。 328 00:31:43,638 --> 00:31:50,638 「一とせの 夢か別れの 寒さかな」。 329 00:32:01,422 --> 00:32:07,295 「一とせの 夢か別れの 寒さかな」。 330 00:32:07,295 --> 00:32:12,433 一とせとは この1年の事を 言うておられるんですか? 331 00:32:12,433 --> 00:32:18,433 私が獄につながれてからの この1年を。 332 00:32:24,045 --> 00:32:25,980 (吉村)吉田殿。 333 00:32:25,980 --> 00:32:28,983 もうお分かりであろう。 334 00:32:28,983 --> 00:32:35,056 本日は それぞれが 別れの句を作り申した。 335 00:32:35,056 --> 00:32:40,728 ここから出ていかれる あなたのために。 336 00:32:40,728 --> 00:32:43,631 私の…。 337 00:32:43,631 --> 00:32:49,631 しかし 私は ここを 出ていくつもりはありませぬ。 338 00:32:51,372 --> 00:32:56,277 方々と共に いつまでも私は…。 (吉村)誤解されるな。 339 00:32:56,277 --> 00:33:03,418 獄を福堂となし 獄囚のために 生涯をささげるとのご決意➡ 340 00:33:03,418 --> 00:33:11,118 一同 心底感じ入ってござる。 341 00:33:12,760 --> 00:33:18,633 しかしながら あなたは 大切な事をお忘れじゃ。 342 00:33:18,633 --> 00:33:20,635 大切? 343 00:33:20,635 --> 00:33:26,774 獄囚が 真に更生したかどうかは➡ 344 00:33:26,774 --> 00:33:32,580 獄を出らんにゃ 分からんという事じゃ。 345 00:33:32,580 --> 00:33:34,582 大深殿…。 346 00:33:34,582 --> 00:33:41,723 ここを出て ここで学んだ事が 世に生かされて初めて➡ 347 00:33:41,723 --> 00:33:51,733 この獄は 福堂であったと そう言えるんではないかのう。 348 00:33:51,733 --> 00:33:56,404 今日の句会は そのために? 349 00:33:56,404 --> 00:34:01,743 富永殿が仕組まれたんじゃ。 350 00:34:01,743 --> 00:34:05,043 富永先生が? ああ いや…。 351 00:34:07,615 --> 00:34:12,086 後の事は 我々が。 352 00:34:12,086 --> 00:34:19,961 吉田殿の残り香を絶やさぬよう 励みますゆえ。 353 00:34:19,961 --> 00:34:36,044 ♬~ 354 00:34:36,044 --> 00:34:39,344 方々…。 355 00:34:44,385 --> 00:34:50,685 寅次郎は 野山獄を出る事となった。 356 00:34:57,732 --> 00:35:04,405 (荒い息遣い) 357 00:35:04,405 --> 00:35:36,704 ♬~ 358 00:35:36,704 --> 00:35:42,404 (荒い息遣い) 359 00:35:50,251 --> 00:35:53,551 二十一…。 360 00:36:02,930 --> 00:36:05,400 吉田様! 361 00:36:05,400 --> 00:36:09,070 あっ…。 362 00:36:09,070 --> 00:36:14,742 句会に形を借りて 私を送り出そうとしてくれた。 363 00:36:14,742 --> 00:36:16,677 ありがとうあんした。 364 00:36:16,677 --> 00:36:20,081 いえ 私は何もしておりませぬ。 365 00:36:20,081 --> 00:36:24,381 富永様から すべて伺いました。 366 00:36:31,692 --> 00:36:35,692 ああ うまい。 367 00:36:37,365 --> 00:36:40,034 たった今 夢を見ました。 368 00:36:40,034 --> 00:36:44,906 不思議な光が何度も 私に 数を訴えかけるんです。 369 00:36:44,906 --> 00:36:48,906 二十一と。 二十一? 370 00:36:51,045 --> 00:36:57,919 吉田という字も 実家の杉という名字も➡ 371 00:36:57,919 --> 00:37:00,721 ほら 二十一となるでしょう。 372 00:37:00,721 --> 00:37:06,060 あ… では その光は 吉田様に何か訴えようと? 373 00:37:06,060 --> 00:37:08,396 いや~ それが分からん。 374 00:37:08,396 --> 00:37:11,299 フフッ。 375 00:37:11,299 --> 00:37:14,735 不思議な方ですね あなたは。 376 00:37:14,735 --> 00:37:19,073 わ… 笑わんでつかぁさい。 私は真剣なんです これ。 377 00:37:19,073 --> 00:37:22,743 すみませぬ。 378 00:37:22,743 --> 00:37:27,415 ここを出たら 皆さんの出獄を 嘆願するつもりです。 379 00:37:27,415 --> 00:37:30,751 また 皆さんに お目にかかりたいんです。 380 00:37:30,751 --> 00:37:35,022 句を詠み 書物を回し 議論を重ね…。 381 00:37:35,022 --> 00:37:39,322 私は 議論など致しませんよ。 382 00:37:41,362 --> 00:37:45,032 フフフ…。 383 00:37:45,032 --> 00:37:48,332 フフフフ。 384 00:37:53,708 --> 00:37:58,579 お別れの前に一つだけ。 385 00:37:58,579 --> 00:38:01,879 お願い事をしても よろしいでしょうか? 386 00:38:06,721 --> 00:38:15,021 獄に入る前 娘と最後に遊んだのが お手玉でした。 387 00:38:17,365 --> 00:38:25,072 あなたが会わせてくれました。 糸と私を。 388 00:38:25,072 --> 00:38:27,408 会わせる…。 389 00:38:27,408 --> 00:38:36,684 でも 人というのは 身勝手で 少し悲しい生き物です。 390 00:38:36,684 --> 00:38:43,684 だから 出会いというのも すべてが幸せとは限りません。 391 00:38:51,032 --> 00:38:57,905 私は ただ… 分かち合いたいんです。 392 00:38:57,905 --> 00:39:02,643 私も 誰かと。 393 00:39:02,643 --> 00:39:08,049 兄上と獄の皆様のように➡ 394 00:39:08,049 --> 00:39:15,749 学問や うれしい事や 苦しい事や。 395 00:39:18,693 --> 00:39:23,598 だから 怖くはありません。 396 00:39:23,598 --> 00:39:26,898 分かち合う…。 397 00:39:29,337 --> 00:39:34,337 そういう場所があったら 楽しいでしょうね。 398 00:39:36,010 --> 00:39:42,310 にぎやかな市のような 優れた学問所のような。 399 00:39:47,355 --> 00:39:52,226 また 会いに来てもええですか? 400 00:39:52,226 --> 00:39:54,695 えっ? 401 00:39:54,695 --> 00:39:58,566 また参ります。 402 00:39:58,566 --> 00:40:21,722 ♬~ 403 00:40:21,722 --> 00:40:50,084 (おりを揺らす音と 床をたたく音) 404 00:40:50,084 --> 00:41:14,084 ♬~ 405 00:41:28,789 --> 00:41:31,789 伊之助。 406 00:41:35,062 --> 00:41:38,399 これから どうする? そうじゃな。 407 00:41:38,399 --> 00:41:43,270 父上も母上も お待ちかねです。 まずは お風呂に。 408 00:41:43,270 --> 00:41:47,742 いや。 本も読みたい。 意見も述べたい。 409 00:41:47,742 --> 00:41:53,414 魂は どこへでも行ける。 蟄居なんぞ 何の妨げにもならん。 410 00:41:53,414 --> 00:41:56,317 たった今 獄から出たというのに。 411 00:41:56,317 --> 00:42:00,755 脱藩し 建白書を送り 密航を企て➡ 412 00:42:00,755 --> 00:42:03,090 それでも まだ懲りんのか? 413 00:42:03,090 --> 00:42:05,993 むやみに猛々しい振る舞いは おやめ下さい。 414 00:42:05,993 --> 00:42:09,964 いや やる。 私は やる。 415 00:42:09,964 --> 00:42:12,767 21回やる。 21回? 416 00:42:12,767 --> 00:42:14,702 猛々しい事をか。 417 00:42:14,702 --> 00:42:21,402 すでに 3つなしたから あと18回じゃ。 418 00:42:25,780 --> 00:42:31,118 待ってつかぁさい! 兄上! 419 00:42:31,118 --> 00:42:36,924 二十一回猛士か。 420 00:42:36,924 --> 00:42:40,928 どこまでも行くがよい。 421 00:42:40,928 --> 00:42:59,079 ♬~ 422 00:42:59,079 --> 00:43:01,415 塾を開いてみませんか? 423 00:43:01,415 --> 00:43:03,751 塾生集めに奮闘する文。 424 00:43:03,751 --> 00:43:05,686 (靖)はっきりと 申し上げたらよかろう。➡ 425 00:43:05,686 --> 00:43:09,423 罪人の塾で学ぶ事などないと。 誰か! 426 00:43:09,423 --> 00:43:11,759 お前には かなわん。 427 00:43:11,759 --> 00:43:15,429 高杉晋作と申す。 もう助けてやれん。 428 00:43:15,429 --> 00:43:17,364 寝返ったっちゅう事か!? 429 00:43:17,364 --> 00:43:20,301 (寅次郎)俺は ここから出られん。 出向く訳にもいかん。 430 00:43:20,301 --> 00:43:22,303 斬られる! 斬られる! 止めて下さい! 431 00:43:22,303 --> 00:43:25,303 出てこい! 吉田寅次郎! 432 00:43:28,976 --> 00:43:31,976 やめて! 433 00:43:34,381 --> 00:43:39,253 <長州藩の政治の中心だった 萩城。➡ 434 00:43:39,253 --> 00:43:46,553 ここを治めていたのが 十三代藩主 毛利敬親です> 435 00:43:48,395 --> 00:43:52,066 <敬親は 農民の苦労を知るため➡ 436 00:43:52,066 --> 00:43:55,936 みずから 城内で稲作をしたといいます。➡ 437 00:43:55,936 --> 00:43:59,940 また 有能な人材ならば➡ 438 00:43:59,940 --> 00:44:04,078 年齢を問わず登用した敬親。➡ 439 00:44:04,078 --> 00:44:07,748 僅か11歳の松陰を城に呼び➡ 440 00:44:07,748 --> 00:44:11,418 兵学の講義をさせました。➡ 441 00:44:11,418 --> 00:44:17,758 藩主の別邸 江風山月書樓。➡ 442 00:44:17,758 --> 00:44:23,430 ここの茶室で 敬親は 身分にかかわらず➡ 443 00:44:23,430 --> 00:44:28,302 さまざまな人と茶をたてました。➡ 444 00:44:28,302 --> 00:44:33,040 歴代藩主が愛した萩焼は➡ 445 00:44:33,040 --> 00:44:38,740 400年の時を超え 今も継承されています> 446 00:44:40,915 --> 00:44:46,587 <人々の声に耳を傾けた 毛利敬親。➡ 447 00:44:46,587 --> 00:44:54,287 この藩主のもと 志士たちは 明治維新へと突き進むのです> 448 00:45:34,001 --> 00:45:37,871 雲霧のお頭と一緒に 一度 仕事してえんだ。 449 00:45:37,871 --> 00:45:41,241 <火付盗賊改 安部式部は➡ 450 00:45:41,241 --> 00:45:45,579 自ら 盗賊 不知火の勇五郎に扮して➡ 451 00:45:45,579 --> 00:45:49,750 ついに 雲霧仁左衛門との接触に 成功する。➡ 452 00:45:49,750 --> 00:45:53,087 だが あと一歩のところで➡ 453 00:45:53,087 --> 00:45:56,123 仁左衛門の巧みな動きに 翻弄されて➡ 454 00:45:56,123 --> 00:45:59,960 召し捕る好機を逃した> 455 00:45:59,960 --> 00:46:12,960 ♬~