1 00:00:34,064 --> 00:00:37,401 松陰の塾は 訪れる者を➡ 2 00:00:37,401 --> 00:00:39,737 身分にかかわらず受け入れる➡ 3 00:00:39,737 --> 00:00:43,407 型破りな学舎として 広く知られるようになり➡ 4 00:00:43,407 --> 00:00:47,745 叔父の玉木文之進の塾であった 松下村塾の名を➡ 5 00:00:47,745 --> 00:00:50,648 正式に譲り受ける事となった。 6 00:00:50,648 --> 00:00:53,648 (一同)おお~! 7 00:01:02,092 --> 00:01:05,763 (玄瑞)えいえい…。 (一同)お~! 8 00:01:05,763 --> 00:01:08,432 (一同)えいえいお~!➡ 9 00:01:08,432 --> 00:01:13,303 えいえいお~! えいえいお~!➡ 10 00:01:13,303 --> 00:01:20,778 えいえいお~! えいえいお~! えいえいお~! 11 00:01:20,778 --> 00:01:25,449 「女は形よりも 心の勝れるを善とすべし」。 12 00:01:25,449 --> 00:01:29,119 おなごに一番大切なんは 顔形ではない。➡ 13 00:01:29,119 --> 00:01:32,723 心ばえにあるという事です。 14 00:01:32,723 --> 00:01:34,658 (せきばらい) 15 00:01:34,658 --> 00:01:40,958 (文)兄上の「女大学」のご講義が あれほど つまらんとは…。 16 00:01:43,367 --> 00:01:46,737 (亀)やけど 寅次郎さんは きっと➡ 17 00:01:46,737 --> 00:01:50,074 皆さんのために 話して下さったんでしょう。 18 00:01:50,074 --> 00:01:53,944 そろそろ お嫁入りの年頃ですけぇ。 19 00:01:53,944 --> 00:01:55,946 嫁入り! 20 00:01:55,946 --> 00:01:58,415 そねぇに驚く事はないでしょう。 21 00:01:58,415 --> 00:02:01,085 ええお方と ご縁を結びたいもんです。 22 00:02:01,085 --> 00:02:03,987 心ときめくような出会いが しとうございます。 23 00:02:03,987 --> 00:02:07,958 ときめく? その人の事を考えると➡ 24 00:02:07,958 --> 00:02:10,761 稲妻が走ったみたいに ビカッとなって➡ 25 00:02:10,761 --> 00:02:15,632 心の臓がキュッとなって ドキドキが止まらんくなるような。 26 00:02:15,632 --> 00:02:18,635 今まで そねぇな気持ちに なった事ないそ? 27 00:02:18,635 --> 00:02:22,372 あるような なかったような…。 28 00:02:22,372 --> 00:02:26,310 高杉さんや寺島さん 品川さんを 見ても何も? 29 00:02:26,310 --> 00:02:28,312 ないです。 伊藤さんは? 30 00:02:28,312 --> 00:02:32,382 伊藤さんは ないですよね。 ないない! 31 00:02:32,382 --> 00:02:35,382 久坂さんは? 32 00:02:37,054 --> 00:02:40,724 えっ? 文武に秀でた美男やし➡ 33 00:02:40,724 --> 00:02:45,395 おまけに あのお声! そうやろか? 34 00:02:45,395 --> 00:02:48,298 あっ 姉上は あるんですか? 35 00:02:48,298 --> 00:02:52,069 う~ん 嫌じゃねえ 文さんったら! 36 00:02:52,069 --> 00:02:55,939 あっ 母上は? ありますよ。 37 00:02:55,939 --> 00:02:59,743 え~っ お相手は? 相手は どなたです? 38 00:02:59,743 --> 00:03:03,080 ん? 何じゃ? 誰の話じゃ? 39 00:03:03,080 --> 00:03:08,418 旦那様のお話ですよ。 (百合之助)ん? わしの? 40 00:03:08,418 --> 00:03:10,754 母上…。 (百合之助)おお 文。 41 00:03:10,754 --> 00:03:14,091 江戸から届いておったぞ。 あっ はい。 42 00:03:14,091 --> 00:03:20,430 あっ 稔麿さんから。 兄上が? 43 00:03:20,430 --> 00:03:23,767 江戸のお菓子作りの本やね。 44 00:03:23,767 --> 00:03:30,440 わあ~! どれもこれも ほぉべたがほろけそうな。 45 00:03:30,440 --> 00:03:33,140 心がときめきまする。 46 00:03:34,711 --> 00:03:37,047 (晋作) 稔麿から手紙が来たんじゃと? 47 00:03:37,047 --> 00:03:40,347 ハリスの謁見を 公方様が許したそうじゃ。 48 00:03:41,919 --> 00:03:44,388 かねてから幕府に対し➡ 49 00:03:44,388 --> 00:03:50,060 通商条約締結を迫っていたアメリカは 下田に艦隊を送り➡ 50 00:03:50,060 --> 00:03:57,734 アメリカ領事 ハリスと将軍 家定との 会見を強く要求した。 51 00:03:57,734 --> 00:04:00,637 (伊之助)ご公儀が我らに意見を? 52 00:04:00,637 --> 00:04:05,075 (椋梨)ハリスから迫られた 通商条約の締結について➡ 53 00:04:05,075 --> 00:04:08,412 どう対処すべきか 思うところを述べよと。 54 00:04:08,412 --> 00:04:12,082 武力で脅されて 通商条約を結んだとなれば➡ 55 00:04:12,082 --> 00:04:14,985 他国から 日本は 武力で脅しさえすれば➡ 56 00:04:14,985 --> 00:04:17,955 言う事を聞く国と 侮られてしまいます。 57 00:04:17,955 --> 00:04:21,091 まずは日本も力をつける事が 肝要であり…。 (椋梨)小田村。 58 00:04:21,091 --> 00:04:26,763 幕府と事を構えて 我が藩に よい事があるか? 59 00:04:26,763 --> 00:04:33,570 ご公儀が欲しておるのは 要は 通商条約への賛同じゃ。 60 00:04:33,570 --> 00:04:38,870 意見書も そのように まとめておけ。 61 00:04:43,046 --> 00:04:50,921 ♬~(テーマ音楽) 62 00:04:50,921 --> 00:05:25,088 ♬~ 63 00:05:25,088 --> 00:05:31,895 ♬「愚かなる 吾れのことをも」 64 00:05:31,895 --> 00:05:41,371 ♬「友とめづ人は わがとも友と」 65 00:05:41,371 --> 00:05:49,713 ♬「吾れをも 友とめづ人は」 66 00:05:49,713 --> 00:06:00,057 ♬「わがとも友と めでよ人々」 67 00:06:00,057 --> 00:06:36,693 ♬~ 68 00:06:36,693 --> 00:06:44,368 ♬「吾れをも 友とめづ人は」 69 00:06:44,368 --> 00:06:53,377 ♬「わがとも友と めでよ人々」 70 00:06:53,377 --> 00:06:59,249 ♬「燃ゆ」 71 00:06:59,249 --> 00:07:11,949 ♬~ 72 00:07:15,399 --> 00:07:18,301 うちがお菓子をですか? 73 00:07:18,301 --> 00:07:22,072 (寿)椋梨家の奥方様が お知り合いを招くんです。 74 00:07:22,072 --> 00:07:25,942 その席で 味わいに 工夫を凝らしたものをご所望です。 75 00:07:25,942 --> 00:07:28,745 ぜひとも作ってほ…。 76 00:07:28,745 --> 00:07:31,648 (くしゃみ) お風邪ですか? 77 00:07:31,648 --> 00:07:35,018 お香のお稽古で くしゃみと鼻水が止まらんで。 78 00:07:35,018 --> 00:07:37,687 大変なんですね おつきあいも。 79 00:07:37,687 --> 00:07:40,357 作ってくれるよね。 お菓子。 80 00:07:40,357 --> 00:07:45,695 うれしいお話やけど 無理です。 何で!? 81 00:07:45,695 --> 00:07:49,366 日に日に塾生が増えております。 その おさんどんと やりくりで➡ 82 00:07:49,366 --> 00:07:52,702 とても人様のお菓子を…。 (彦介)あの~! 83 00:07:52,702 --> 00:07:54,638 すずりのお水を 頂きたいんですが。 84 00:07:54,638 --> 00:07:57,574 どうにも腹が減って 先生のお話が頭に入りません。 85 00:07:57,574 --> 00:08:00,577 差し入れの魚 持ってきました! (寺島)うわ~! おいしそうじゃ! 86 00:08:00,577 --> 00:08:04,714 いつも すみません。 87 00:08:04,714 --> 00:08:06,650 通商条約は まだ早い。 88 00:08:06,650 --> 00:08:09,052 これ以外の結論はありません! (品川)そんとおり! 89 00:08:09,052 --> 00:08:11,388 (利助)でも 異国の事は 学ばんにゃならんでしょう。 90 00:08:11,388 --> 00:08:14,724 (靖)学ぶんは大事じゃ。 じゃが 異国の連中の言いなりで➡ 91 00:08:14,724 --> 00:08:16,660 通商を受け入れる訳にゃいかん。 92 00:08:16,660 --> 00:08:20,397 前原君。 君は どう思いますか? 93 00:08:20,397 --> 00:08:26,736 (前原)皆さんのお話が 今の私には どこか遠すぎて。 94 00:08:26,736 --> 00:08:30,407 …というと? 私が ここへ来たんは➡ 95 00:08:30,407 --> 00:08:34,678 何で飢える者がなくならんのか それを知りたいと思うたからです。 96 00:08:34,678 --> 00:08:37,581 米が取れりゃ食える。 不作じゃったら飢える。 97 00:08:37,581 --> 00:08:39,549 そんだけの事じゃ。 98 00:08:39,549 --> 00:08:43,849 そんだけの事が 何で うもういかんのかと。 99 00:08:47,257 --> 00:08:52,028 どうぞ 詳しく。 100 00:08:52,028 --> 00:08:55,899 私の住む目出村は 貧しい土地です。 101 00:08:55,899 --> 00:09:01,371 そこでは 武士も百姓もない。 皆が ひたすら畑を耕します。 102 00:09:01,371 --> 00:09:05,709 それでも 食うていかれん者がおるんです。 103 00:09:05,709 --> 00:09:08,044 皆さんのお話を聞いとると➡ 104 00:09:08,044 --> 00:09:12,916 今の日本国が ただ どうしようもなく愚かで➡ 105 00:09:12,916 --> 00:09:15,719 ふがいないだけの国だと 言われとるようで➡ 106 00:09:15,719 --> 00:09:19,419 ちいと悲しいような…。 107 00:09:23,059 --> 00:09:26,730 すんません。 議論に水をさしてしもうて。 108 00:09:26,730 --> 00:09:29,065 いいんですよ。 109 00:09:29,065 --> 00:09:31,968 (足音) 110 00:09:31,968 --> 00:09:35,338 兄上。 111 00:09:35,338 --> 00:09:38,675 何じゃ? 112 00:09:38,675 --> 00:09:42,345 兄上は 文を どのようにお考えなんですか? 113 00:09:42,345 --> 00:09:44,681 何じゃ お前 やぶから棒に。 114 00:09:44,681 --> 00:09:47,584 年頃の娘に 娘らしい たしなみも学ばせず➡ 115 00:09:47,584 --> 00:09:50,353 来る日も来る日も おさんどんばかり。 116 00:09:50,353 --> 00:09:53,256 このままでは 文は塾生のお世話で 一生が終わってしまいます! 117 00:09:53,256 --> 00:09:55,225 姉上! 118 00:09:55,225 --> 00:09:57,227 ご講義の邪魔を してはいけません! 119 00:09:57,227 --> 00:10:01,698 まさか 文を塾生のどなたかに 嫁がせようなどと➡ 120 00:10:01,698 --> 00:10:04,034 お思いではないでしょうね。 えっ? 121 00:10:04,034 --> 00:10:06,734 えっ? なるほど! 122 00:10:08,371 --> 00:10:11,041 文は 塾の女中ではございません! 123 00:10:11,041 --> 00:10:14,377 これ以上 都合よく使い回すのは おやめ下さいませ。 124 00:10:14,377 --> 00:10:19,377 文の嫁ぎ先なら 私が見つけます。 お前が? 125 00:10:21,051 --> 00:10:24,387 そこのあなた。 はっ? 126 00:10:24,387 --> 00:10:27,057 茶話会の日 椋梨様のお屋敷まで➡ 127 00:10:27,057 --> 00:10:29,960 文に付き添って下さいませんか? 私が? 128 00:10:29,960 --> 00:10:32,395 この人は 塾に学びに来とるんです。 129 00:10:32,395 --> 00:10:38,095 そねぇな…。 変な虫がついては困りますから! 130 00:10:44,407 --> 00:10:51,081 ハハハハハハ! お前がのう。 131 00:10:51,081 --> 00:10:53,984 そもそも 一番の虫とは お前じゃろう。 132 00:10:53,984 --> 00:10:56,419 どねぇな意味じゃ。 133 00:10:56,419 --> 00:11:00,290 それにしても 椋梨様のお屋敷を訪ねるとは。 134 00:11:00,290 --> 00:11:03,760 お寿さんは 椋梨様のご家族と ご昵懇ですから。 135 00:11:03,760 --> 00:11:05,695 まあ おおかた お文さんの縁談でも➡ 136 00:11:05,695 --> 00:11:07,631 頼みにあがるっちゅう ところでしょう。 137 00:11:07,631 --> 00:11:10,433 縁談? 家の格が 合わんのではありませんか? 138 00:11:10,433 --> 00:11:12,369 では 家の格の違いを言われて➡ 139 00:11:12,369 --> 00:11:14,771 慣れん屋敷で ただ嫌がらせをされるという事も。 140 00:11:14,771 --> 00:11:16,706 嫌がらせ? あるある。 141 00:11:16,706 --> 00:11:20,110 何せ椋梨様は 先生を蛇蝎のごとく 嫌うておられますから。 142 00:11:20,110 --> 00:11:24,110 いかん…。 そりゃいかん。 143 00:11:26,783 --> 00:11:31,121 ち… 違う! 塾と先生のためじゃ! 144 00:11:31,121 --> 00:11:34,024 断じて あいつのためじゃない! ふ~ん。 (笑い声) 145 00:11:34,024 --> 00:11:37,727 違う! 俺は… 俺は…➡ 146 00:11:37,727 --> 00:11:43,400 お文は… 美人じゃないし 俺の好みじゃない。 147 00:11:43,400 --> 00:11:48,100 「女は形よりも 心の勝れるを善とすべし」。 148 00:11:49,739 --> 00:11:53,739 あっ いえ。 「女大学」には そう。 149 00:11:55,612 --> 00:11:58,081 そのころ 伊之助は➡ 150 00:11:58,081 --> 00:12:02,781 幕府への意見書をまとめる事に 没頭していた。 151 00:12:05,955 --> 00:12:08,425 旦那様。 152 00:12:08,425 --> 00:12:11,094 どちらが よろしゅうございましょう? 153 00:12:11,094 --> 00:12:13,430 俺に着物の事など分からんよ。 154 00:12:13,430 --> 00:12:16,766 美鶴様に文を引き合わせようと 思うんです。➡ 155 00:12:16,766 --> 00:12:21,438 こちらは若々しく こちらは清楚でございましょう? 156 00:12:21,438 --> 00:12:24,107 文を椋梨様の奥方に? 157 00:12:24,107 --> 00:12:28,445 このままでは 文は 塾のおさんどんに使われるばかり。 158 00:12:28,445 --> 00:12:31,715 そうなる前に しかるべき方に嫁がせてやらんと。 159 00:12:31,715 --> 00:12:34,050 その話 文は心得ておるんか? 160 00:12:34,050 --> 00:12:39,389 お任せ下さい。 文の嫁ぎ先も旦那様のお仕事も➡ 161 00:12:39,389 --> 00:12:43,689 私が うまくいくよう 万事 計らいますから。 162 00:13:00,410 --> 00:13:04,110 行ってまいります。 163 00:13:06,082 --> 00:13:08,418 一緒に参る。 164 00:13:08,418 --> 00:13:12,088 結構です。 子どもじゃありませんから。 165 00:13:12,088 --> 00:13:16,760 お前の姉上に頼まれたんじゃ。 行く。 166 00:13:16,760 --> 00:13:21,431 ひょっとして この羊羹が欲しいんですか? 167 00:13:21,431 --> 00:13:24,768 ええ! そこまで言うんなら勝手に行け! 168 00:13:24,768 --> 00:13:28,638 言われんでも 勝手に参ります。 169 00:13:28,638 --> 00:13:46,055 ♬~ 170 00:13:46,055 --> 00:13:48,725 行きました! お… お文さんの後を追って➡ 171 00:13:48,725 --> 00:13:51,060 久坂さんが歩きだしました。 よし! 172 00:13:51,060 --> 00:13:53,396 久坂の朴念仁が どねなざまを さらすか➡ 173 00:13:53,396 --> 00:13:56,733 見届けちゃる。 174 00:13:56,733 --> 00:13:59,068 (利助)高杉さん! 175 00:13:59,068 --> 00:14:01,768 前原君。 176 00:14:05,742 --> 00:14:08,077 (前原)「日本政記」…。 177 00:14:08,077 --> 00:14:10,747 この前 前原君は言っていましたね。 178 00:14:10,747 --> 00:14:14,083 「皆の話を聞いていると 日本国がただ➡ 179 00:14:14,083 --> 00:14:19,756 愚かで ふがいないだけの国にしか 聞こえん。 それが悲しい」と。 180 00:14:19,756 --> 00:14:23,092 胸に刺さりました。 181 00:14:23,092 --> 00:14:25,428 近頃の議論は いつも➡ 182 00:14:25,428 --> 00:14:29,299 我が国が何も知らん赤子にすぎん という事から始まります。 183 00:14:29,299 --> 00:14:34,237 ですが 我が国は まことに ただの無知な赤子にすぎんのか。 184 00:14:34,237 --> 00:14:39,709 他国に誇るべき思想は… 魂はないんでしょうか? 185 00:14:39,709 --> 00:14:44,047 いま一度 日本国の歴史から学びましょう。 186 00:14:44,047 --> 00:14:46,950 非常の時ほど 足元を固めねばならん。 187 00:14:46,950 --> 00:14:51,387 その事を僕は忘れていた。 188 00:14:51,387 --> 00:14:56,087 思い出させてくれて どうも ありがとう。 189 00:14:57,727 --> 00:15:01,027 先生…。 190 00:15:13,276 --> 00:15:15,278 高杉。 191 00:15:15,278 --> 00:15:19,415 何じゃ。 中には入れてもらえんのか。 192 00:15:19,415 --> 00:15:24,087 送り届けるんが役目やからの。 193 00:15:24,087 --> 00:15:28,387 俺やったら 中の様子を なんとかして知りたいと思うがな。 194 00:15:32,695 --> 00:15:35,995 よくまあ…。 195 00:15:40,036 --> 00:15:43,373 (小声で)何で 届けた着物を 着てこんかったの。 196 00:15:43,373 --> 00:15:49,073 (小声で)お菓子をお届けしたら すぐに帰ろうと思うて…。 197 00:15:54,384 --> 00:16:00,256 あの… 江戸の老舗 船橋屋の 名物でございます。 198 00:16:00,256 --> 00:16:06,396 同じ作り方で こしらえてみました。 199 00:16:06,396 --> 00:16:08,731 どうぞ。 200 00:16:08,731 --> 00:16:11,401 ≪(家士)おい! こっちじゃ! ≪(玄瑞)お待ち下され! 201 00:16:11,401 --> 00:16:14,304 ≪(家士)おとなしゅうせえ! 202 00:16:14,304 --> 00:16:16,739 (美鶴)何の騒ぎです 一体? 203 00:16:16,739 --> 00:16:20,410 (家士)屋敷の外で うろうろと 中をうかがっておりました! 204 00:16:20,410 --> 00:16:24,080 (玄瑞)決して そのような…。 ここを誰の屋敷と心得ますか。 205 00:16:24,080 --> 00:16:27,750 事と次第によっては 許しませんよ。 206 00:16:27,750 --> 00:16:30,653 申し訳ございませぬ。 207 00:16:30,653 --> 00:16:33,356 私の付き添いでございます。 208 00:16:33,356 --> 00:16:35,656 お文さん…。 209 00:16:38,227 --> 00:16:40,229 あなたは? 210 00:16:40,229 --> 00:16:45,702 杉 文と申します。 妹の文でございます。 211 00:16:45,702 --> 00:16:49,372 こちらに参る途中 何か不都合があってはと思い➡ 212 00:16:49,372 --> 00:16:51,708 その方に供を頼みました。 213 00:16:51,708 --> 00:16:54,377 松下村塾 久坂玄瑞と申します。 214 00:16:54,377 --> 00:16:57,714 ご無礼の段 平に ご容赦願いまする。 215 00:16:57,714 --> 00:17:05,388 そうでしたか。 松陰先生の…。 216 00:17:05,388 --> 00:17:14,388 国禁を犯した大罪人に学ぶとは どんな面構えかと思うたら…。 217 00:17:17,734 --> 00:17:21,604 なんと また かわいらしい。 218 00:17:21,604 --> 00:17:27,076 この者に 向こうで茶など。 (家士)はっ。 219 00:17:27,076 --> 00:17:29,412 あなたも こちらへ。 220 00:17:29,412 --> 00:17:35,685 お菓子作りの得意な妹御とは あなたの事でしたか。 221 00:17:35,685 --> 00:17:41,357 実は 本日は 文の事で奥様にお願いが。 222 00:17:41,357 --> 00:17:43,693 私に? 223 00:17:43,693 --> 00:17:47,363 どなたか よいご縁を お世話頂けたらと。 224 00:17:47,363 --> 00:17:49,298 えっ? 225 00:17:49,298 --> 00:17:51,234 (寿)身の程知らずとは 承知しております。 226 00:17:51,234 --> 00:17:54,704 それでも 文は 私のただ一人の妹。 227 00:17:54,704 --> 00:17:58,374 身内に罪人を持つ娘が 良縁を得るには➡ 228 00:17:58,374 --> 00:18:01,044 並のお引き立てでは かないませぬ。 229 00:18:01,044 --> 00:18:06,382 何とぞ 椋梨様のお力で。 お願い申し上げます! 230 00:18:06,382 --> 00:18:09,382 姉上…。 231 00:18:16,059 --> 00:18:22,732 寿殿。 手をお上げなさいまし。 232 00:18:22,732 --> 00:18:27,603 私どもでよければ お力になりますとも。➡ 233 00:18:27,603 --> 00:18:32,008 近々 また 香の会を催します。 234 00:18:32,008 --> 00:18:35,878 主人が目をかけている お若い方々も参ります。 235 00:18:35,878 --> 00:18:39,578 あなたも ぜひ。 236 00:18:44,020 --> 00:18:45,955 聞いてません! 237 00:18:45,955 --> 00:18:50,693 いいじゃありませんか。 あねな事をお願いするなんて。 238 00:18:50,693 --> 00:18:53,596 それじゃあ聞くけど。 239 00:18:53,596 --> 00:18:57,366 お前は 自分で お相手を見つける事ができるの? 240 00:18:57,366 --> 00:19:01,704 いつまでも寅兄にくっついて 塾のお世話をして➡ 241 00:19:01,704 --> 00:19:03,639 それで 何か いい事があるんですか? 242 00:19:03,639 --> 00:19:05,575 別に そういうつもりでいる訳では…。 243 00:19:05,575 --> 00:19:09,045 あの寅兄が また何かしでかしても びくともせん➡ 244 00:19:09,045 --> 00:19:11,380 そういうお相手に嫁がんと➡ 245 00:19:11,380 --> 00:19:14,050 うちら 幸せになるなんて できんのよ。 246 00:19:14,050 --> 00:19:18,387 幸せって そねなもんでしょうか? 247 00:19:18,387 --> 00:19:20,323 (足音) 248 00:19:20,323 --> 00:19:22,258 (寿)手習いは済んだの? 249 00:19:22,258 --> 00:19:27,558 まあ よく書けたこと! おいで。 250 00:19:35,872 --> 00:19:39,172 すまん。 251 00:19:45,348 --> 00:19:51,648 こちらこそ 姉上が勝手な事をお願いして。 252 00:19:55,358 --> 00:20:00,358 共に頭を下げてもろうて…。 253 00:20:02,231 --> 00:20:08,704 へえ… 一応 礼儀は 心得ておいでなんですね。 254 00:20:08,704 --> 00:20:13,576 お前の縁談に差し障りが出たら 寝覚めが悪いからな。 255 00:20:13,576 --> 00:20:17,876 あなたには関わりのない事です! 256 00:20:31,727 --> 00:20:36,399 (滝)お上手やね~! 助かります。 257 00:20:36,399 --> 00:20:44,740 たった10日ほどでしたが ここでの事は 生涯忘れません。 258 00:20:44,740 --> 00:20:51,614 お帰りになるんですか もう? ええ。 明日。 259 00:20:51,614 --> 00:20:56,352 私は 歩くんが遅い。 この足じゃ➡ 260 00:20:56,352 --> 00:21:00,289 生涯 誰に追いつく事も できんのじゃないかと➡ 261 00:21:00,289 --> 00:21:03,426 ずっと不安でした。➡ 262 00:21:03,426 --> 00:21:05,761 じゃが 分かったんです。 263 00:21:05,761 --> 00:21:08,664 怖かったんは 足のせいじゃない。 264 00:21:08,664 --> 00:21:14,770 どこへ歩いていけばええか 分からんかったからなんじゃと。 265 00:21:14,770 --> 00:21:18,770 もう怖くはないんですか? 266 00:21:23,446 --> 00:21:26,349 先生がおられます。 267 00:21:26,349 --> 00:21:33,723 明かりを見つけたんなら もう せく事はない。 268 00:21:33,723 --> 00:21:40,023 あとは 自分の目指すところに ゆっくり近づけばええ。 269 00:21:44,734 --> 00:21:49,405 ここは楽しかった。 270 00:21:49,405 --> 00:21:54,744 (滝)さあ お入りんさい。 (前原)えっ? いえ 私は…。 271 00:21:54,744 --> 00:21:59,081 風呂は 仕事をした者から 入るんですよ。➡ 272 00:21:59,081 --> 00:22:02,381 遠慮せんで。 さあ。 273 00:22:10,693 --> 00:22:14,430 おや 帰っとったの。 274 00:22:14,430 --> 00:22:21,103 塾の方たちのお世話 私も好きです。 そうですか。 275 00:22:21,103 --> 00:22:27,103 でも 姉上は そんなうちが心配みたいで…。 276 00:22:28,778 --> 00:22:34,383 寿なりに あなたの事を思うてるんですよ。 277 00:22:34,383 --> 00:22:39,255 ええじゃありませんか。 ちいと行き違いがあっても。 278 00:22:39,255 --> 00:22:44,060 ふっと また 分かる事もありますよ。 279 00:22:44,060 --> 00:22:47,930 お互い思い合う気持ちがあれば。 280 00:22:47,930 --> 00:22:51,930 思い合う気持ち…。 281 00:23:03,079 --> 00:23:07,750 (靖)お文さん? 今日は どちらへ? 282 00:23:07,750 --> 00:23:10,450 文。 283 00:23:16,092 --> 00:23:20,429 本日は 椋梨様のお屋敷で催される 香の会に参ります。 284 00:23:20,429 --> 00:23:25,429 皆さんのお世話は 母が致しますので あしからず。 285 00:23:28,104 --> 00:23:30,773 出かけてまいります。 286 00:23:30,773 --> 00:23:33,042 おう。 287 00:23:33,042 --> 00:23:35,711 後をつけるなど 子どもじみた振る舞いは➡ 288 00:23:35,711 --> 00:23:39,382 おやめ下さいましね。 289 00:23:39,382 --> 00:23:42,718 誰が追うか。 290 00:23:42,718 --> 00:23:46,589 行ってまいります。 291 00:23:46,589 --> 00:24:06,742 ♬~ 292 00:24:06,742 --> 00:24:10,413 ついてこんでって言うたで…。 293 00:24:10,413 --> 00:24:15,413 あ… すいません。 294 00:24:23,759 --> 00:24:26,662 (美鶴)まあまあ 文さん。 295 00:24:26,662 --> 00:24:32,662 どうぞ お楽に。 もっと香りを楽しんで。 296 00:24:42,044 --> 00:24:45,714 (くしゃみ) 297 00:24:45,714 --> 00:24:48,384 すみません。 298 00:24:48,384 --> 00:24:50,319 (椋梨)大評定も近いというのに➡ 299 00:24:50,319 --> 00:24:54,056 ご公儀への意見書が なかなか進まぬようだが。 300 00:24:54,056 --> 00:24:55,991 いえ。 301 00:24:55,991 --> 00:25:02,398 万事 ご公儀の御意に従いますると 記すだけでは 納得がいかぬか? 302 00:25:02,398 --> 00:25:05,067 公方様への忠勤が それに尽きるとは➡ 303 00:25:05,067 --> 00:25:09,738 とても思えないのです。 何か 新たな道はないものかと。 304 00:25:09,738 --> 00:25:14,076 まずは 藩の財政を万全にし➡ 305 00:25:14,076 --> 00:25:17,746 変わらぬ忠義を持って ご公儀をお支えする。 306 00:25:17,746 --> 00:25:20,649 これこそが毛利家の第一義である。 307 00:25:20,649 --> 00:25:26,088 ほかのお歴々も そのように お考えなのでしょうか? 308 00:25:26,088 --> 00:25:28,991 何じゃと? 309 00:25:28,991 --> 00:25:34,363 そこまで仰せなら 椋梨様お一人の考えではなく➡ 310 00:25:34,363 --> 00:25:38,663 いま一度 家中で論議を 尽くされるべきではないかと。 311 00:25:40,703 --> 00:25:47,042 なるほど。 若い者の顔色を見てか。 312 00:25:47,042 --> 00:25:53,342 周布めなら あるいは そのように計らうかもしれぬが。 313 00:25:59,054 --> 00:26:03,926 (周布)なるほど。 椋梨殿がのう。 314 00:26:03,926 --> 00:26:08,063 いま一度 家中で論議を尽くすよう 計らう事は できんでしょうか? 315 00:26:08,063 --> 00:26:11,400 お主から椋梨殿に 申せばよいではないか。 316 00:26:11,400 --> 00:26:13,736 申し上げておりますが…。 317 00:26:13,736 --> 00:26:18,607 自分では動けんから わしを動かそうっちゅうんか?➡ 318 00:26:18,607 --> 00:26:22,411 女将! 酒じゃ! ≪(女将)かしこまりました。 319 00:26:22,411 --> 00:26:26,081 いかにも わしは椋梨が嫌いじゃ。 320 00:26:26,081 --> 00:26:28,417 じゃが その下で➡ 321 00:26:28,417 --> 00:26:33,689 長崎海軍伝習所に行った お主の兄は 洋学所を開き➡ 322 00:26:33,689 --> 00:26:38,360 初めての西洋式軍艦を 造り上げる事ができた。 323 00:26:38,360 --> 00:26:44,033 お主が やつの懐に 飛び込んでくれたおかげじゃ。 324 00:26:44,033 --> 00:26:47,369 わしを裏切ってな。 325 00:26:47,369 --> 00:26:50,706 裏切ったなどと…。 326 00:26:50,706 --> 00:26:54,577 それを今度は 己の意見が通らんからと➡ 327 00:26:54,577 --> 00:26:56,579 あいつを裏切るっちゅうんか。 328 00:26:56,579 --> 00:26:58,581 そのようなつもりで 伺ったのではありません。 329 00:26:58,581 --> 00:27:01,350 ならば 意見書など捨て置け。➡ 330 00:27:01,350 --> 00:27:06,255 我が藩の意見書が ご公儀の心を動かすなど➡ 331 00:27:06,255 --> 00:27:09,391 ありえん。 332 00:27:09,391 --> 00:27:24,406 ♬~ 333 00:27:24,406 --> 00:27:27,076 隣 ええか? 334 00:27:27,076 --> 00:27:29,011 小田村様。 335 00:27:29,011 --> 00:27:32,311 おやじ。 へい。 336 00:27:33,882 --> 00:27:39,655 高杉なら ともかく こねな所で君と会おうとは。 337 00:27:39,655 --> 00:27:46,355 何か あったんか? 別に何も。 338 00:27:56,238 --> 00:27:59,538 何でも言うてみい。 339 00:28:17,393 --> 00:28:26,393 いつも心と裏腹の事をして 居たたまれん気持ちになるんです。 340 00:28:28,037 --> 00:28:33,676 幼い頃から そうです。 独りぼっちで。 341 00:28:33,676 --> 00:28:40,549 まことは 誰より人が恋しいのに 平気な顔をしたり。 342 00:28:40,549 --> 00:28:48,023 どねぇに欲しいもんも 「ああ 俺には無理じゃ」と➡ 343 00:28:48,023 --> 00:28:51,023 初めから諦めて…。 344 00:28:52,695 --> 00:29:01,036 そうして 心を偽るうちに えろう大事な…➡ 345 00:29:01,036 --> 00:29:07,736 決して譲っちゃいけんもんも 失うてしまいそうで…。 346 00:29:10,379 --> 00:29:18,079 あいつがおらんようになったら… 俺は もう…。 347 00:29:23,926 --> 00:29:27,396 くだらん悩みじゃな。 348 00:29:27,396 --> 00:29:30,733 くだらんとは。 349 00:29:30,733 --> 00:29:35,571 心を偽るなど 生きていく上では 当たり前の事じゃ。 350 00:29:35,571 --> 00:29:39,007 皆 そうして生きとる。 351 00:29:39,007 --> 00:29:41,910 決して まともに 向き合うてはいけん事が➡ 352 00:29:41,910 --> 00:29:44,610 世の中には あるんじゃ。 353 00:29:48,016 --> 00:29:51,687 俺は それを父から学んだ。 354 00:29:51,687 --> 00:29:55,357 お父上は? 355 00:29:55,357 --> 00:30:01,057 死んだ。 曲げられん己を抱えたまま。 356 00:30:04,032 --> 00:30:08,332 俺は あのようには ならん。 357 00:30:13,041 --> 00:30:15,944 どねぇした? 358 00:30:15,944 --> 00:30:20,716 強い方なんですね お父上は。 359 00:30:20,716 --> 00:30:23,051 ん? 360 00:30:23,051 --> 00:30:27,389 曲げられん己を抱えたまま 死ぬなどと…➡ 361 00:30:27,389 --> 00:30:30,726 すごい事です。 362 00:30:30,726 --> 00:30:36,598 そねなふうに生きていけたら…。 363 00:30:36,598 --> 00:30:49,077 ♬~ 364 00:30:49,077 --> 00:30:52,414 今 分かった。 365 00:30:52,414 --> 00:30:55,751 俺は お前とは合わん。 366 00:30:55,751 --> 00:30:59,087 なんぼじゃ? 失敬な! 結構ですよ。 367 00:30:59,087 --> 00:31:02,424 こっちこそ あなたとは合わん! …合いません。 368 00:31:02,424 --> 00:31:05,761 じゃが… 行かんでつかぁさい! 369 00:31:05,761 --> 00:31:09,431 酒癖悪いな お前! 370 00:31:09,431 --> 00:31:12,100 あいつに嫌われるぞ。 371 00:31:12,100 --> 00:31:17,973 知っとるか? あいつには どねな見栄も体裁も通じん。 372 00:31:17,973 --> 00:31:21,109 何もかも 見透かされてしまうんじゃ。 373 00:31:21,109 --> 00:31:25,781 うそも弱いところも全部。 374 00:31:25,781 --> 00:31:39,081 ♬~ 375 00:31:41,730 --> 00:31:45,400 (寅次郎)どうした? 誰ぞに用か? 376 00:31:45,400 --> 00:31:48,700 あ… いえ。 377 00:32:12,628 --> 00:32:17,099 ご公儀への意見書が まとまりましてございます。 378 00:32:17,099 --> 00:32:20,435 うむ。 して どのように? 379 00:32:20,435 --> 00:32:24,773 当家と致しましては ご公儀をお支えし➡ 380 00:32:24,773 --> 00:32:31,380 通商条約については 更に吟味の上で 締結を。 381 00:32:31,380 --> 00:32:35,050 大儀であった。 382 00:32:35,050 --> 00:32:40,389 椋梨の申し条に異論はないな? 383 00:32:40,389 --> 00:32:43,725 ございませぬ。 同じく。 384 00:32:43,725 --> 00:32:46,628 同じく。 しかりと存ずる。 385 00:32:46,628 --> 00:32:50,399 同じく。 同じく。 386 00:32:50,399 --> 00:32:53,068 同じく。 同じく。 387 00:32:53,068 --> 00:32:58,407 同じく。 同じく。 同じく。 388 00:32:58,407 --> 00:33:30,105 ♬~ 389 00:33:30,105 --> 00:33:34,376 しばらく! 390 00:33:34,376 --> 00:33:37,676 しばらくお待ち下さいませ。 391 00:33:41,249 --> 00:33:44,386 おそれながら! 392 00:33:44,386 --> 00:33:49,057 いま一度 意見書の内容をご吟味頂きたく。 393 00:33:49,057 --> 00:33:51,727 お願い申し上げまする。 394 00:33:51,727 --> 00:33:54,396 これでは 不十分と申すか。 395 00:33:54,396 --> 00:33:57,299 (椋梨)その儀は無用。 一同 同意のはず。 396 00:33:57,299 --> 00:34:00,736 いま一度! 397 00:34:00,736 --> 00:34:05,607 皆様 いま一度 お考え頂けませぬか。 398 00:34:05,607 --> 00:34:08,410 (椋梨)小田村 控えよ。 今 異国の申すままに➡ 399 00:34:08,410 --> 00:34:10,345 通商を承諾しては➡ 400 00:34:10,345 --> 00:34:15,283 日本は いずれ清国のごとく 金銀と土地を収奪され➡ 401 00:34:15,283 --> 00:34:19,755 異国の侵略を 許してしまう事になりまする。 402 00:34:19,755 --> 00:34:22,424 決して 条約を認めてはなりませぬ! 403 00:34:22,424 --> 00:34:26,762 控えよと申すに。 待て。 404 00:34:26,762 --> 00:34:32,567 小田村 思うところを述べよ。 405 00:34:32,567 --> 00:34:35,267 はっ。 406 00:34:37,039 --> 00:34:41,376 ご公儀は 我らに 服従を求めているのではない。 407 00:34:41,376 --> 00:34:45,714 意見を求めているのです! 408 00:34:45,714 --> 00:34:51,386 ならば 諸外国の武威に屈しての 通商条約は 時期尚早! 409 00:34:51,386 --> 00:34:54,056 そのように はっきり申し上げる事こそ➡ 410 00:34:54,056 --> 00:34:57,926 ご公儀への 何よりの忠義と存じまする。 411 00:34:57,926 --> 00:35:00,929 三方を海に囲まれた 我が藩なればこそ➡ 412 00:35:00,929 --> 00:35:07,629 異国の脅威をつぶさに 心より ご公儀に説く事ができるのです。 413 00:35:09,404 --> 00:35:15,277 そのように この日本国に ご公儀に尽くす事ができるんは➡ 414 00:35:15,277 --> 00:35:20,749 我が藩をおいて ほかにございませぬ! 415 00:35:20,749 --> 00:35:24,419 今 この意見書を おざなりなままに済ませれば➡ 416 00:35:24,419 --> 00:35:31,226 いずれ我が藩の… この日本国の➡ 417 00:35:31,226 --> 00:35:36,526 決して譲れぬ一大事を 見誤る事になりますぞ! 418 00:35:38,934 --> 00:35:42,904 (周布)おそれながら。 419 00:35:42,904 --> 00:35:47,604 小田村の申す事にも一理ござる。 420 00:35:49,377 --> 00:35:54,049 服従恭順のみが 我が藩の 生きる道ではございませぬ。 421 00:35:54,049 --> 00:35:57,719 時に 我らの存念を しかと申し上げ➡ 422 00:35:57,719 --> 00:36:02,591 その上で 軽挙をおいさめ申す事も ご公儀への忠。 423 00:36:02,591 --> 00:36:07,395 ひいては 毛利家のとるべき策の 一つと心得まする! 424 00:36:07,395 --> 00:36:10,732 毛利家とな…。 425 00:36:10,732 --> 00:36:14,402 おそれながら。 私も。 そのように。 426 00:36:14,402 --> 00:36:17,305 同じく。 同じく。 同じく。 427 00:36:17,305 --> 00:36:24,305 殿。 ご裁断を願いまする! 428 00:36:30,418 --> 00:36:35,690 周布。 改めて そちに申しつける。 429 00:36:35,690 --> 00:36:44,390 早急に我が藩中の意見を集め それをまとめよ。 430 00:36:46,334 --> 00:36:52,040 必ずや 毛利家の面目躍如たるものを。 431 00:36:52,040 --> 00:36:57,040 そうせい。 はっ! 432 00:37:09,391 --> 00:37:14,062 奥方様! 小田村でございます! 433 00:37:14,062 --> 00:37:18,733 急ぎ お見舞いに参りました。 434 00:37:18,733 --> 00:37:23,605 奥方様! お加減は いかがですか? 435 00:37:23,605 --> 00:37:26,074 奥方様! 436 00:37:26,074 --> 00:37:29,744 椋梨様が政務役から外された? 437 00:37:29,744 --> 00:37:33,348 (梅太郎) 後に就くんは 周布政之助様と 専らのうわさじゃ。 438 00:37:33,348 --> 00:37:35,684 周布様が…。 439 00:37:35,684 --> 00:37:39,354 大評定の席で ご公儀への意見書について➡ 440 00:37:39,354 --> 00:37:44,693 伊之助殿が それはそれは根気強く 殿に申上されたという事じゃ。 441 00:37:44,693 --> 00:37:46,628 (寅次郎)伊之助が…。 442 00:37:46,628 --> 00:37:50,628 …で その伊之助殿が これを。 443 00:37:54,369 --> 00:37:57,272 「近頃は 会う事もまれなれど➡ 444 00:37:57,272 --> 00:38:02,043 相変わらず 息災の事と拝察致し候。➡ 445 00:38:02,043 --> 00:38:06,915 お前ほどではないが このたび 私も一つ猛をなした。➡ 446 00:38:06,915 --> 00:38:12,387 そこで今日は お前に一つ意見を具申したい」。 447 00:38:12,387 --> 00:38:17,687 私に? 一体 何を? 448 00:38:19,261 --> 00:38:21,396 寅兄様? 449 00:38:21,396 --> 00:38:24,396 お入り。 450 00:38:44,019 --> 00:38:46,922 久坂君。 はい。 451 00:38:46,922 --> 00:38:49,691 文。 はい。 452 00:38:49,691 --> 00:38:52,691 お話があります。 453 00:38:55,563 --> 00:38:59,263 伊之助からの手紙です。 454 00:39:01,036 --> 00:39:06,374 「こたび 塾では 新しい学舎を得たと聞く。➡ 455 00:39:06,374 --> 00:39:10,712 若き塾生らと 新たな福堂を得たお前に➡ 456 00:39:10,712 --> 00:39:15,583 友として 一つ進言をしたい」。 457 00:39:15,583 --> 00:39:19,721 「決して 己を曲げられん男がおる。➡ 458 00:39:19,721 --> 00:39:26,594 掲げた志を胸に 暗い道を ひたすら歩く事のできる男じゃ。➡ 459 00:39:26,594 --> 00:39:29,064 女がおる。➡ 460 00:39:29,064 --> 00:39:36,364 温かく人を見つめ 寒風にも 決して折れん樹のような女じゃ」。 461 00:39:42,344 --> 00:39:45,680 久坂。 462 00:39:45,680 --> 00:39:50,018 文。 463 00:39:50,018 --> 00:39:55,018 お前たち 夫婦になれ。 464 00:39:59,361 --> 00:40:02,697 重ねて私からも頼む。 465 00:40:02,697 --> 00:40:08,570 君こそは 必ずや第一流の人物となる。➡ 466 00:40:08,570 --> 00:40:12,374 天下の英才じゃと私は信じとる。 467 00:40:12,374 --> 00:40:14,709 家族となってくれたら➡ 468 00:40:14,709 --> 00:40:19,381 こねぇに心強く うれしい事はない。 469 00:40:19,381 --> 00:40:25,053 お前は 今はまだ 妻となるには未熟かもしれん。 470 00:40:25,053 --> 00:40:30,925 じゃが 誰よりも この塾を 大事に育んでくれとる。➡ 471 00:40:30,925 --> 00:40:36,398 一人で生きてきた久坂の事も よう分かっとる。 472 00:40:36,398 --> 00:40:39,300 互いを思い合う 気持ちさえありゃあ➡ 473 00:40:39,300 --> 00:40:44,000 お前たちは きっとええ夫婦になれる。 474 00:41:00,422 --> 00:41:06,761 謹んでお受け致します。 475 00:41:06,761 --> 00:41:10,632 兄上様が そうおっしゃって下さるんなら。 476 00:41:10,632 --> 00:41:18,106 それに… 思い合う気持ちがあれば➡ 477 00:41:18,106 --> 00:41:23,806 必ず幸せに近づけると存じます。 478 00:41:27,449 --> 00:41:32,749 ええんか? 俺と夫婦やぞ。 479 00:41:36,057 --> 00:41:43,398 はい。 夫婦です。 480 00:41:43,398 --> 00:42:08,089 ♬~ 481 00:42:08,089 --> 00:42:10,758 あ…。 482 00:42:10,758 --> 00:42:15,430 どうした? 何でしょう? 483 00:42:15,430 --> 00:42:22,103 心の臓の辺りがキュッと。 484 00:42:22,103 --> 00:42:24,772 病かもしれん。 横になれ! 485 00:42:24,772 --> 00:42:28,109 あっ… フフフ。 486 00:42:28,109 --> 00:42:31,713 大事ありません。 お構いなく。 487 00:42:31,713 --> 00:42:33,648 何か こう…➡ 488 00:42:33,648 --> 00:42:38,386 この辺りがキュッとして ドキドキして…。 489 00:42:38,386 --> 00:42:40,722 どねぇな痛みじゃ? ええから 横になれ。 490 00:42:40,722 --> 00:42:43,057 大丈夫です。 491 00:42:43,057 --> 00:42:45,393 (玄瑞)ちゃんと 飯は食うとるんか? 食べました。 492 00:42:45,393 --> 00:42:47,729 大丈夫です。 493 00:42:47,729 --> 00:42:50,632 朝 起きた時とかは? 大丈夫です。 494 00:42:50,632 --> 00:42:54,068 キュッとなっただけです。 キュッと…? 495 00:42:54,068 --> 00:42:56,004 でも 病じゃったら…。 496 00:42:56,004 --> 00:43:01,304 文と久坂の結婚が決まった。 497 00:43:06,080 --> 00:43:08,983 晴れて夫婦となった文と久坂。 498 00:43:08,983 --> 00:43:11,753 しかし 早くも2人に試練が。 499 00:43:11,753 --> 00:43:14,656 狂う時が来たんじゃ。 行って下さい 久坂さん! 500 00:43:14,656 --> 00:43:18,092 突然 久坂に 江戸行きの命が下ります。 501 00:43:18,092 --> 00:43:20,762 久坂の思わぬ決断に文は…。 502 00:43:20,762 --> 00:43:23,762 厳しい処罰が下される事になろう。 503 00:43:25,433 --> 00:43:27,368 ご期待下さい。 504 00:43:27,368 --> 00:43:31,668 私の一生の志です。 505 00:43:33,241 --> 00:43:36,711 <長州藩の軍事改革は➡ 506 00:43:36,711 --> 00:43:42,050 西洋の知識を取り入れた 革新的なものでした。➡ 507 00:43:42,050 --> 00:43:45,720 黒船来航の3年後➡ 508 00:43:45,720 --> 00:43:52,060 長州藩は軍備強化のため 造船所を建設します。➡ 509 00:43:52,060 --> 00:43:58,360 長州初の西洋式軍艦 丙辰丸を造りました> 510 00:44:01,736 --> 00:44:06,608 <郡司鋳造所では 西洋式の大砲を量産し➡ 511 00:44:06,608 --> 00:44:10,608 海岸防備を固めます> 512 00:44:13,348 --> 00:44:18,086 <大砲に必要な 強い鉄を生み出すため➡ 513 00:44:18,086 --> 00:44:21,786 反射炉も試されました> 514 00:44:24,425 --> 00:44:32,700 <最新の科学技術や医学の 研究所が置かれた南園。➡ 515 00:44:32,700 --> 00:44:37,572 ここでは ガラスも作られていました。➡ 516 00:44:37,572 --> 00:44:43,272 ガラス製品は 志士たちが 愛用したといいます> 517 00:44:45,713 --> 00:44:49,384 <危機意識に目覚めた長州藩は➡ 518 00:44:49,384 --> 00:44:55,384 近代化に いち早く挑戦していたのです> 519 00:45:33,328 --> 00:45:37,198 和田屋は もともと こっちが狙っていた筋だ。 520 00:45:37,198 --> 00:45:39,567 来ちまった…。 お時ちゃん…。 521 00:45:39,567 --> 00:45:43,738 <かつての子分 血桜の銀蔵の裏切りによって➡ 522 00:45:43,738 --> 00:45:47,608 和田屋の仕事をふいにした 雲霧仁左衛門は➡ 523 00:45:47,608 --> 00:45:49,911 すぐさま 報復に立ち上がった> 524 00:45:49,911 --> 00:45:51,946 後悔させてやるんだ。 525 00:45:51,946 --> 00:45:54,248 <動きを察知した 安部式部は➡ 526 00:45:54,248 --> 00:45:57,585 巧妙な罠を仕掛けて 待ち受けたが➡