1 00:00:38,470 --> 00:00:43,208 200年以上に及ぶ 鎖国状態にあった日本に➡ 2 00:00:43,208 --> 00:00:46,945 欧米列強が開国を迫った。 3 00:00:46,945 --> 00:00:50,282 江戸幕府大老に就任した 井伊直弼は➡ 4 00:00:50,282 --> 00:00:53,952 通商条約締結は 避けられぬものと➡ 5 00:00:53,952 --> 00:00:57,289 開国へと かじを切る。 6 00:00:57,289 --> 00:01:00,959 一方 開国に反対する勢力は➡ 7 00:01:00,959 --> 00:01:04,296 天皇を中心として京に集結。 8 00:01:04,296 --> 00:01:08,967 外国を打ち払う事を主張した。 9 00:01:08,967 --> 00:01:12,304 開国か攘夷か。 10 00:01:12,304 --> 00:01:17,642 途方もない嵐が この国に吹き荒れようとしていた。 11 00:01:17,642 --> 00:01:20,979 そのころ 萩の松下村塾で➡ 12 00:01:20,979 --> 00:01:24,649 祝言を挙げた 文と久坂玄瑞であったが➡ 13 00:01:24,649 --> 00:01:31,349 程なく 久坂は 渦中の江戸へと 旅立っていったのである。 14 00:01:37,596 --> 00:01:41,896 (文)旦那様 おはようございます。 15 00:01:45,270 --> 00:01:48,173 「江戸の暮らしは いかがでございますか?➡ 16 00:01:48,173 --> 00:01:53,144 松下村塾は 相変わらず 寅兄様と塾生の方たちが➡ 17 00:01:53,144 --> 00:01:58,617 学んだり 議論をしたり 皆 お元気に暮らしております。➡ 18 00:01:58,617 --> 00:02:03,955 前原一誠様が 目出村から萩へ戻られ➡ 19 00:02:03,955 --> 00:02:07,626 少し変わった塾生も 加わりました」。 20 00:02:07,626 --> 00:02:10,528 (前原)「地雷火」? 21 00:02:10,528 --> 00:02:14,299 大筒や鉄砲のように 敵を狙い撃ちするのではなく➡ 22 00:02:14,299 --> 00:02:17,969 あらかじめ 地中に埋め込んだ 火薬を爆発させるのです。 23 00:02:17,969 --> 00:02:19,904 (寅次郎)待ち伏せて討ち取る わなのような? 24 00:02:19,904 --> 00:02:22,841 発火は 離れた場所から エレキテルを用います。 25 00:02:22,841 --> 00:02:24,843 (利助)エ… エレ…? 26 00:02:24,843 --> 00:02:29,581 (小野)エレキテルとは 銅で作った 細い糸の中を流れていくものです。 27 00:02:29,581 --> 00:02:33,451 「長崎で洋式砲術を学んだ 小野為八様は➡ 28 00:02:33,451 --> 00:02:39,924 朝から晩まで 何やら難しい話を なさっています。➡ 29 00:02:39,924 --> 00:02:43,261 増えたんは 塾生だけじゃありません。➡ 30 00:02:43,261 --> 00:02:45,930 姉上が男の子を産みました。➡ 31 00:02:45,930 --> 00:02:49,630 次男の久米次郎です」。 32 00:02:51,269 --> 00:02:58,269 「旦那様も江戸での暮らし くれぐれも お体にお気を付けて」。 33 00:03:06,818 --> 00:03:08,820 (稔麿)久坂さん!➡ 34 00:03:08,820 --> 00:03:11,289 やはり 朝廷は 幕府とアメリカの条約を➡ 35 00:03:11,289 --> 00:03:14,626 お認めにならんかったようです。 (玄瑞)そうか。 36 00:03:14,626 --> 00:03:17,962 お文さんからの手紙! 違う。 37 00:03:17,962 --> 00:03:20,865 お文さんの花嫁姿 きれいやったでしょうね~! 38 00:03:20,865 --> 00:03:22,834 違う! 39 00:03:22,834 --> 00:03:25,637 いや… それは まあ きれいっちゅうか…。 40 00:03:25,637 --> 00:03:29,974 ちゃんと 返事は 出してあげて下さいね。 いや…。 41 00:03:29,974 --> 00:03:33,578 (桂)久坂 出かけるぞ。 はい。 42 00:03:33,578 --> 00:03:35,513 水戸藩の者たちに引き合わせる。 43 00:03:35,513 --> 00:03:38,450 あの井伊大老が おとなしゅう 朝廷に従うはずがない。 44 00:03:38,450 --> 00:03:41,252 幕府が暴れ出した時に 抑えられるんは➡ 45 00:03:41,252 --> 00:03:44,252 水戸の斉昭公しかおられん。 はっ! 46 00:03:46,124 --> 00:03:50,595 きれい…。 何か お探しでございますか? 47 00:03:50,595 --> 00:03:53,498 江戸の旦那様に 手紙を書くんです。 48 00:03:53,498 --> 00:03:56,198 そりゃあ よろしゅうございますな。 49 00:03:57,936 --> 00:04:00,271 ああ これも きれい。 50 00:04:00,271 --> 00:04:02,207 (きく)うちの。 51 00:04:02,207 --> 00:04:07,612 干物が売れたら おっ母さんが買うてくれるって。 52 00:04:07,612 --> 00:04:10,949 そう。 楽しみやねえ。 53 00:04:10,949 --> 00:04:14,285 浜から商いに来ちょる者の 娘でございます。 54 00:04:14,285 --> 00:04:17,956 おきくちゃん。 おっ母さんなら とっくに買うて帰ったよ。 55 00:04:17,956 --> 00:04:21,256 その辺で見かけんかったかね? 56 00:04:23,628 --> 00:04:28,967 (風鈴の音) 逃げろ! こら 何しとんじゃ! 57 00:04:28,967 --> 00:04:32,570 あっ あの… この子のおっ母様 知らんですか? 58 00:04:32,570 --> 00:04:35,240 知らんのう。 59 00:04:35,240 --> 00:04:39,911 すみません。 この子のおっ母様 知らんですか? 60 00:04:39,911 --> 00:04:42,814 さあ? (小野)お文様。 61 00:04:42,814 --> 00:04:46,785 あっ 小野様。 これから塾に? はい。 62 00:04:46,785 --> 00:04:52,257 誰ぞ お捜しですか? この子の母親を。 63 00:04:52,257 --> 00:04:55,160 商いに出たまま 戻らんのです。 64 00:04:55,160 --> 00:04:59,597 どっかで けがなど しとるんじゃないかと…。 65 00:04:59,597 --> 00:05:03,935 ひょ… ひょっとして…➡ 66 00:05:03,935 --> 00:05:07,272 父のところに おるんかもしれません。 67 00:05:07,272 --> 00:05:09,572 お父上? 68 00:05:11,142 --> 00:05:16,614 ごめんくださりませ。 往診じゃろうか…。 69 00:05:16,614 --> 00:05:19,614 あっ! 70 00:05:24,489 --> 00:05:26,624 おっ母さんじゃ! 71 00:05:26,624 --> 00:05:28,960 (山根)近づいてはならん! 72 00:05:28,960 --> 00:05:33,798 (小野)父上。 あの者は コロリを患うておる。 73 00:05:33,798 --> 00:05:36,768 コロリ? 74 00:05:36,768 --> 00:05:42,240 先生! いきなり 腹を壊して 何を食うても吐いてしまうんじゃ。 75 00:05:42,240 --> 00:05:44,175 そこへ。 早う離れろ。 76 00:05:44,175 --> 00:05:48,475 お手伝いしましょう。 ならん! 離れろ! 77 00:05:52,884 --> 00:06:00,925 ♬~(テーマ音楽) 78 00:06:00,925 --> 00:06:34,792 ♬~ 79 00:06:34,792 --> 00:06:41,900 ♬「愚かなる 吾れのことをも」 80 00:06:41,900 --> 00:06:51,242 ♬「友とめづ人は わがとも友と」 81 00:06:51,242 --> 00:06:59,584 ♬「吾れをも 友とめづ人は」 82 00:06:59,584 --> 00:07:09,928 ♬「わがとも友と めでよ人々」 83 00:07:09,928 --> 00:07:46,564 ♬~ 84 00:07:46,564 --> 00:07:49,901 ♬「吾れをも」 85 00:07:49,901 --> 00:07:54,238 ♬「友と めづ人は」 86 00:07:54,238 --> 00:08:03,247 ♬「わがとも友と めでよ人々」 87 00:08:03,247 --> 00:08:09,120 ♬「燃ゆ」 88 00:08:09,120 --> 00:08:21,820 ♬~ 89 00:08:29,273 --> 00:08:35,546 あの… コロリとは いかなる病なのでございますか? 90 00:08:35,546 --> 00:08:38,216 かかると 腹を壊し➡ 91 00:08:38,216 --> 00:08:42,887 三日三晩 吐き続けて衰弱し 死ぬる。 92 00:08:42,887 --> 00:08:44,822 そねぇな…。 93 00:08:44,822 --> 00:08:49,560 長崎に停泊中のアメリカ船 ミシシッピー号で発生し➡ 94 00:08:49,560 --> 00:08:51,496 東に広まっとるらしい。 95 00:08:51,496 --> 00:08:55,433 異国から持ち込まれた病…。 96 00:08:55,433 --> 00:08:59,570 こら! 近づいちゃならんと言うたろう! 97 00:08:59,570 --> 00:09:07,570 おきくちゃんは もう おっ母様に 近づく事はできんのですか? 98 00:09:11,916 --> 00:09:16,587 おっ母様に鶴を折りましょう。 ねっ? 99 00:09:16,587 --> 00:09:21,926 初代長州藩洋学所師範 松島剛蔵は➡ 100 00:09:21,926 --> 00:09:24,595 小田村伊之助の兄である。 101 00:09:24,595 --> 00:09:28,266 元は 長崎で学んだ藩医であった。 102 00:09:28,266 --> 00:09:30,601 コロリに薬はない。 103 00:09:30,601 --> 00:09:34,472 キニーネという薬に いささか効力あり と説かれておるが➡ 104 00:09:34,472 --> 00:09:38,209 高価な上 品不足じゃ。 長崎でも手に入らん。 105 00:09:38,209 --> 00:09:41,112 じゃあ 病人をどうすれば…。 106 00:09:41,112 --> 00:09:43,881 (剛蔵)これを。 107 00:09:43,881 --> 00:09:46,784 「虎狼痢…」。 (剛蔵)「治準」。 108 00:09:46,784 --> 00:09:49,754 適塾の緒方洪庵先生が 記されたもんじゃ。 109 00:09:49,754 --> 00:09:53,224 ええか? 患者には絶対近づくな。 110 00:09:53,224 --> 00:09:57,095 まずは 己がコロリに関わらんよう 気を付ける事。 111 00:09:57,095 --> 00:09:59,897 はい。 112 00:09:59,897 --> 00:10:02,567 お文さんは その本を塾生たちに届けろ。 113 00:10:02,567 --> 00:10:05,903 俺は 伊之助のところへ行く。 兄上の? 114 00:10:05,903 --> 00:10:10,203 萩中がコロリでやられる前に 手だてを考えねば。 115 00:10:14,245 --> 00:10:17,915 (靖)入浴で まことに コロリが防げるんでしょうか? 116 00:10:17,915 --> 00:10:19,851 ご本には そう書いとるんです。 117 00:10:19,851 --> 00:10:22,253 (晋作)文句を言わんと黙って入れ。 118 00:10:22,253 --> 00:10:24,922 「もし それらしい兆候が現れた時は➡ 119 00:10:24,922 --> 00:10:28,259 油に浸した布で体を摩擦し 外気に触れさせない。➡ 120 00:10:28,259 --> 00:10:32,597 熱めの風呂で体を温め 布団でくるむ」か。 121 00:10:32,597 --> 00:10:34,532 要は 大根になったつもりで➡ 122 00:10:34,532 --> 00:10:36,467 おとなしゅう煮られておれば ええんじゃ。 123 00:10:36,467 --> 00:10:39,270 (寺島)なるほど 大根か。 よっしゃ。 124 00:10:39,270 --> 00:10:41,939 よっしゃ! 125 00:10:41,939 --> 00:10:44,609 熱っ! 熱っ! 熱っ! 126 00:10:44,609 --> 00:10:47,945 (品川)ああ もう 脱ぐな! 飛び出すな! (笑い声) 127 00:10:47,945 --> 00:10:52,945 真面目になされませ! 病は そこまで来とるんです! 128 00:10:55,820 --> 00:11:00,291 小野さんは お父上を 手伝わんでええんですか? 129 00:11:00,291 --> 00:11:04,962 兵学を志した時から 父には見放されとります。 130 00:11:04,962 --> 00:11:08,833 藩医の道を捨て 攘夷を志すか。 131 00:11:08,833 --> 00:11:11,833 誰かと似ておるのう。 132 00:11:14,639 --> 00:11:17,939 そういやあ 先生は? 133 00:11:28,986 --> 00:11:33,286 ここにおられたんですか。 134 00:11:40,932 --> 00:11:43,835 どうされましたか? 135 00:11:43,835 --> 00:11:46,835 怖いんです。 136 00:11:48,606 --> 00:11:55,947 コロリがですか。 コロリで揺らぐ この国がです。 137 00:11:55,947 --> 00:12:02,620 異国から もたらされた病に その場しのぎの策しか持たん。 138 00:12:02,620 --> 00:12:07,291 薬すら 手に入らん。 139 00:12:07,291 --> 00:12:13,291 我々は すでに無力のまま 彼らの脅威にさらされとる。 140 00:12:23,307 --> 00:12:29,307 おきくちゃん。 握り飯 持ってきたよ。 141 00:12:30,982 --> 00:12:36,254 わあ! 上手じゃねえ。 142 00:12:36,254 --> 00:12:40,954 先生に頼んで おっ母様に届けてもらおう。 143 00:12:42,927 --> 00:12:49,627 先生。 ちょうどよかった。 この鶴を…。 144 00:12:52,937 --> 00:12:56,607 (雷鳴) 145 00:12:56,607 --> 00:13:00,478 まさか…。 146 00:13:00,478 --> 00:13:03,948 おっ母さん…。 おっ母さん! おっ母さん! 147 00:13:03,948 --> 00:13:05,883 おきくちゃん いけん。 おっ母さん! 148 00:13:05,883 --> 00:13:10,821 いけん! おっ母さん! おっ母さん!➡ 149 00:13:10,821 --> 00:13:13,821 おっ母さん…。 150 00:13:15,960 --> 00:13:17,895 (間部)コロリでございますか。 151 00:13:17,895 --> 00:13:21,299 (井伊)西国の方で またぞろ はやり始めているらしい。 152 00:13:21,299 --> 00:13:23,968 異国の病が広がれば➡ 153 00:13:23,968 --> 00:13:27,638 攘夷を唱える公家連中が ますます つけあがりましょう。 154 00:13:27,638 --> 00:13:31,909 「それ見た事か。 やはり 夷狄は 打ち払わねばならぬ」と。 155 00:13:31,909 --> 00:13:37,782 浅はかな…。 小手先の攘夷で 病は消えぬ。 156 00:13:37,782 --> 00:13:41,252 今の日本に欠かせぬものは➡ 157 00:13:41,252 --> 00:13:46,123 病に打ち勝てる西洋の知識と 文明じゃ。 158 00:13:46,123 --> 00:13:51,896 しかし 天子様のお許しなく 条約を締結する訳には…。 159 00:13:51,896 --> 00:13:57,802 このままでは この国は 前に進む事ができぬ。 160 00:13:57,802 --> 00:14:04,802 異国との戦を避け 前に進むには…。 161 00:14:06,477 --> 00:14:08,946 6月。 162 00:14:08,946 --> 00:14:15,286 井伊は 勅許を待たずに アメリカとの修好通商条約を締結した。 163 00:14:15,286 --> 00:14:17,221 条約締結? 164 00:14:17,221 --> 00:14:20,157 ありえん! 天子様のお許しもなく 条約を結ぶなど➡ 165 00:14:20,157 --> 00:14:22,159 正気の沙汰とは思えません! 166 00:14:22,159 --> 00:14:25,629 港が開かれれば 交易が始まる。 いらんもんを買わされ➡ 167 00:14:25,629 --> 00:14:27,965 国内の富は すぐにも 吸い取られていくでしょう。 168 00:14:27,965 --> 00:14:29,900 (彦介)もはや 一刻の猶予もなりません! 169 00:14:29,900 --> 00:14:31,836 殿様に建白書を 差し上げましょう! 今すぐ! 170 00:14:31,836 --> 00:14:33,771 むだじゃ! 171 00:14:33,771 --> 00:14:37,775 外様大名の殿は 幕府の政に口を挟めません。 172 00:14:37,775 --> 00:14:39,910 じゃあ どうせえと! 173 00:14:39,910 --> 00:14:42,580 建白書は書きましょう。 じゃが それだけでは足りん。 174 00:14:42,580 --> 00:14:44,515 (亀太郎)ほかに何が? 175 00:14:44,515 --> 00:14:47,251 異国に対し 決して侵略は許さんという➡ 176 00:14:47,251 --> 00:14:49,186 強い意志を見せなければ。 177 00:14:49,186 --> 00:14:52,923 (小野)地雷火。 178 00:14:52,923 --> 00:14:56,260 今こそ 敵をひるませ 侵略をためらわせる➡ 179 00:14:56,260 --> 00:14:58,596 新しい武器がなくては。 180 00:14:58,596 --> 00:15:00,931 そのような備えがあれば➡ 181 00:15:00,931 --> 00:15:05,269 殿も きっと心強く思われるに 相違ありません。 182 00:15:05,269 --> 00:15:09,140 (山根)あいつは 昔から 新奇なもんを見ると➡ 183 00:15:09,140 --> 00:15:11,942 我を忘れるたちでな。 184 00:15:11,942 --> 00:15:18,816 兵学を志すと言うた時から 医者にするんは諦めた。 185 00:15:18,816 --> 00:15:21,952 私の夫も医業を捨て➡ 186 00:15:21,952 --> 00:15:25,823 武士として 生きようとしております。 187 00:15:25,823 --> 00:15:31,762 愚かな。 槍や鉄砲が何になる。 188 00:15:31,762 --> 00:15:35,499 この者たち一人 救えんではないか。 189 00:15:35,499 --> 00:15:40,237 病人に入り用なんは 医術と薬。➡ 190 00:15:40,237 --> 00:15:42,937 死んだあとは 念仏だけじゃ。 191 00:15:44,575 --> 00:15:49,914 私には 医術の心得もありません。 192 00:15:49,914 --> 00:15:52,583 そしたら もう ここには来んな。 193 00:15:52,583 --> 00:15:56,253 これ以上 病人が増えては かなわん。 194 00:15:56,253 --> 00:16:01,125 しょせん 人は人に何もできん。 195 00:16:01,125 --> 00:16:06,263 死にゆく者を前にして わしは いつも思う。 196 00:16:06,263 --> 00:16:09,563 何もできん。 197 00:16:11,135 --> 00:16:15,940 (山根)何べん言うても 家に帰ろうとせんのじゃ。➡ 198 00:16:15,940 --> 00:16:18,275 あの奥から 元気になったおっ母さんが➡ 199 00:16:18,275 --> 00:16:20,611 戻ってくると思うとる。 200 00:16:20,611 --> 00:16:24,611 鶴を手渡すまではと。 201 00:16:32,890 --> 00:16:36,560 私を 京へ行かしてつかぁさい。➡ 202 00:16:36,560 --> 00:16:38,896 井伊様が天子様を➡ 203 00:16:38,896 --> 00:16:40,831 彦根に おうつしするんではという うわさがあります。 204 00:16:40,831 --> 00:16:42,766 私も聞きました。 205 00:16:42,766 --> 00:16:47,238 攘夷を吹き込む公家連中から 天子様を引き離すためとか。 206 00:16:47,238 --> 00:16:49,907 このまま 捨て置く訳にゃいきません。 207 00:16:49,907 --> 00:16:52,810 己の目で 耳で 確かめに参りたいんです。 208 00:16:52,810 --> 00:16:54,778 (来原)ならん! 209 00:16:54,778 --> 00:17:00,551 お前には 医術修業ちゅう 藩命が下されちょる。 210 00:17:00,551 --> 00:17:02,920 何とぞ! 211 00:17:02,920 --> 00:17:07,791 (桂)藩命に背けば ただじゃ済まんぞ。 212 00:17:07,791 --> 00:17:14,532 松陰先生を思い出せ。 あれほどのお方が 脱藩により➡ 213 00:17:14,532 --> 00:17:16,934 どれほど 苦難の道を強いられたか。 214 00:17:16,934 --> 00:17:21,805 私は 志のために萩を出たんです。 215 00:17:21,805 --> 00:17:26,944 己が信じる果ての苦しみなら 恐れる事は 何もありません! 216 00:17:26,944 --> 00:17:31,282 こん大バカ者が! 大概にせえ! 217 00:17:31,282 --> 00:18:01,579 ♬~ 218 00:18:01,579 --> 00:18:05,449 久坂が京都へ向かったという 知らせは➡ 219 00:18:05,449 --> 00:18:10,921 吉田稔麿によって 萩にも もたらされた。 220 00:18:10,921 --> 00:18:13,591 あの石頭! 221 00:18:13,591 --> 00:18:16,927 藩命に背くなど らしゅうない事をしおって。 222 00:18:16,927 --> 00:18:21,799 それだけ やむにやまれん 思いだったんでしょう。 223 00:18:21,799 --> 00:18:27,938 天子様を彦根に おうつしするなど いくら井伊でも するはずがない。 224 00:18:27,938 --> 00:18:31,542 やるかもしれません。 あの井伊です。 225 00:18:31,542 --> 00:18:36,413 そう思うとる者は 大勢おります。 226 00:18:36,413 --> 00:18:39,883 じゃから これを利用したら いかがでしょうか? 227 00:18:39,883 --> 00:18:44,555 利用? 藩のお歴々に このうわさを広め➡ 228 00:18:44,555 --> 00:18:47,891 探索のため 京へ人を送るよう しむけるんです。 229 00:18:47,891 --> 00:18:49,827 京へ…。 230 00:18:49,827 --> 00:18:53,230 これからは 京が争いの中心になります。 231 00:18:53,230 --> 00:18:57,901 公家や他藩の内情を探索する者が 必ず入り用となります。 232 00:18:57,901 --> 00:19:03,574 そん中には 当然 お前も加わるっちゅう魂胆じゃな。 233 00:19:03,574 --> 00:19:06,874 できますれば。 234 00:19:10,447 --> 00:19:12,583 京…。 235 00:19:12,583 --> 00:19:19,283 これで お前と俺は そろって 萩に取り残された。 236 00:19:24,194 --> 00:19:27,131 煙が…。 237 00:19:27,131 --> 00:19:33,431 コロリで死んだ者を 荼毘に付す煙じゃ。 238 00:19:39,543 --> 00:19:43,881 辛気くそうて かなわんのう! 239 00:19:43,881 --> 00:19:48,752 何もかもが 異国に振り回されっ放しじゃ。 240 00:19:48,752 --> 00:19:53,052 病も政も。 241 00:19:56,226 --> 00:20:00,564 あれを眺めとると よう分かる…。 242 00:20:00,564 --> 00:20:03,467 皆で夕げを囲んで➡ 243 00:20:03,467 --> 00:20:11,467 その日あった事を 笑いながら語らい 眠る…。 244 00:20:13,577 --> 00:20:21,577 そねな当たり前の暮らしが どれほど大切な宝物か…。 245 00:20:25,189 --> 00:20:28,189 京ですか。 246 00:20:29,927 --> 00:20:36,600 手紙もよこさんで どこにおるんかと思うたら。 247 00:20:36,600 --> 00:20:46,944 ♬~ 248 00:20:46,944 --> 00:20:49,613 [ 回想 ] (玄瑞)誰にバカにされようと 笑われようと➡ 249 00:20:49,613 --> 00:20:51,548 本気で思うとる! 250 00:20:51,548 --> 00:20:54,952 武士でない自分にも できる事があると! 251 00:20:54,952 --> 00:20:59,652 しょせん 人は人に何もできん。 252 00:21:01,825 --> 00:21:03,961 (滝)どうしました? 253 00:21:03,961 --> 00:21:08,261 あっ… いえ。 254 00:21:10,634 --> 00:21:14,505 せわぁない! えっ? 255 00:21:14,505 --> 00:21:20,310 手紙が来んのは お達者な証しです。 256 00:21:20,310 --> 00:21:26,183 うちには… 何もできんのでしょうか。 257 00:21:26,183 --> 00:21:40,264 ♬~ 258 00:21:40,264 --> 00:21:42,933 字を? はい。 259 00:21:42,933 --> 00:21:45,836 読み書きを教えてやりたいんです。 260 00:21:45,836 --> 00:21:51,275 これから 一人で生きていくのに 少しでも この子の力になれば。 261 00:21:51,275 --> 00:21:57,975 (富永)筆は持った事はあるか? ああ? 262 00:21:59,950 --> 00:22:03,287 怖くはありませんよ。 263 00:22:03,287 --> 00:22:05,956 フフフフフフ! 264 00:22:05,956 --> 00:22:09,626 「い」。 265 00:22:09,626 --> 00:22:11,562 「ろ」。 266 00:22:11,562 --> 00:22:17,562 くるっと回して… 「は」。 267 00:22:34,785 --> 00:22:40,924 このころ 幕府の横暴に 危機感を募らせた寅次郎は➡ 268 00:22:40,924 --> 00:22:44,624 一つの建白書を書き上げた。 269 00:22:52,536 --> 00:22:56,473 (周布) 寅次郎が差し出した建白書じゃ。 270 00:22:56,473 --> 00:23:01,173 (長井)公方様を討てと言うておる。 271 00:23:02,946 --> 00:23:07,284 (伊之助)「征夷は天下の賊なり」。 272 00:23:07,284 --> 00:23:10,187 公方様を賊と…。 273 00:23:10,187 --> 00:23:16,293 勅許を得ず 条約が結ばれた事を 天子様への大逆と断じ➡ 274 00:23:16,293 --> 00:23:18,962 討ってしかるべしと 書き立てておる。 275 00:23:18,962 --> 00:23:24,301 そのような過激な文が ご公儀の目に触れたら 何とする! 276 00:23:24,301 --> 00:23:28,171 我が藩に謀反の疑いありと 思われてしまうではないか! 277 00:23:28,171 --> 00:23:32,109 お待ち下さいませ。 確かに捨て置けぬ内容なれど➡ 278 00:23:32,109 --> 00:23:37,109 寅次郎は 焦燥に駆られ したためたものに相違なく…。 279 00:23:38,815 --> 00:23:45,589 実は 井伊大老が天子様を彦根に おうつしまいらせるのではとの➡ 280 00:23:45,589 --> 00:23:47,524 うわさがございます。 281 00:23:47,524 --> 00:23:49,927 彦根に…? 282 00:23:49,927 --> 00:23:53,797 江戸の桂からも そのような知らせが届いておる。 283 00:23:53,797 --> 00:23:55,799 なれば まずは京へ人をやり➡ 284 00:23:55,799 --> 00:24:01,799 寅次郎の憂慮が 真か偽か 確かめる事こそ先決かと。 285 00:24:06,476 --> 00:24:11,776 うまい。 お文様の握り飯は格別です。 286 00:24:14,618 --> 00:24:20,958 小野様は 何で 兄のとこにいらしたんですか? 287 00:24:20,958 --> 00:24:25,295 家業の医術を捨ててまで…。 288 00:24:25,295 --> 00:24:31,568 私は 筋道を立てて考えれば 必ず答えが見つかる➡ 289 00:24:31,568 --> 00:24:35,238 そういう学問が好きなんです。➡ 290 00:24:35,238 --> 00:24:42,579 筋道を尽くしても どうにもならず 苦しむ父を見てきましたから…。 291 00:24:42,579 --> 00:24:49,252 確かに 何かにたどりつく。 そういう道を目指そうと。 292 00:24:49,252 --> 00:24:55,125 「確かに 何かに」…。 293 00:24:55,125 --> 00:25:00,864 (破裂音) 何じゃ! どねぇした!? 294 00:25:00,864 --> 00:25:05,268 地雷火の火薬が! 大丈夫です。 すぐ消えます! 295 00:25:05,268 --> 00:25:07,604 (寅次郎)伊之助! 296 00:25:07,604 --> 00:25:09,940 何をしておった? 297 00:25:09,940 --> 00:25:13,276 異国の侵略に備え 新しい武器が出来んかと➡ 298 00:25:13,276 --> 00:25:16,179 皆で 知恵を 凝らしておっただけじゃ。➡ 299 00:25:16,179 --> 00:25:19,879 なっ。 はい。 300 00:25:22,619 --> 00:25:25,288 約束してくれ。 301 00:25:25,288 --> 00:25:32,095 殿に いくら意見をしてもよい。 時勢を いくら論じてもよい。 302 00:25:32,095 --> 00:25:36,900 じゃが せっかく つくり上げた この福堂から➡ 303 00:25:36,900 --> 00:25:41,238 むやみに飛び出してはならぬ。 304 00:25:41,238 --> 00:25:44,141 生涯 僕に ここから出るなと? 305 00:25:44,141 --> 00:25:46,910 そねな事を言うとるのではない。 306 00:25:46,910 --> 00:25:50,580 ここを壊すなと言うとるんじゃ。 307 00:25:50,580 --> 00:25:58,880 お前と この場所を福堂とする 塾生たちのためじゃ。 308 00:26:00,590 --> 00:26:05,890 お前は 塾生の何を知っておる? 309 00:26:07,464 --> 00:26:11,601 書をめくるだけならば 一人 座してすればええ。 310 00:26:11,601 --> 00:26:13,937 ここへ来るんは 皆➡ 311 00:26:13,937 --> 00:26:16,840 それだけじゃ満たされんもんが あるからじゃ。➡ 312 00:26:16,840 --> 00:26:22,279 身分に泣き 飢えに苦しみ 世に受け入れられず➡ 313 00:26:22,279 --> 00:26:26,149 それでも やまれん思いを 何かに注ぎたいと ここへ通う。 314 00:26:26,149 --> 00:26:29,152 僕も その一人じゃ。 315 00:26:29,152 --> 00:26:33,557 意見をするんも 戦道具を工夫してみるんも➡ 316 00:26:33,557 --> 00:26:36,257 そのためじゃ! 317 00:26:42,566 --> 00:26:49,906 軽挙はするな。 思いがあれば なおの事。 318 00:26:49,906 --> 00:26:54,244 論じるだけでは 国は変わらん! 伊之助! 319 00:26:54,244 --> 00:26:58,915 ここを踏み出す一歩が いずれ世の中を変える! 320 00:26:58,915 --> 00:27:01,585 僕らは信じとる。 321 00:27:01,585 --> 00:27:03,920 まことを尽くせば➡ 322 00:27:03,920 --> 00:27:08,220 この狭い座敷からでも 世の中は変えられると! 323 00:27:14,564 --> 00:27:19,269 長州の久坂玄瑞でございます。 (雲浜)待っておったぞ。 324 00:27:19,269 --> 00:27:23,940 久坂殿は 藩命に背き 処罰を覚悟で京に参った。 325 00:27:23,940 --> 00:27:27,611 (一同)おお! もはや 京におらねば 時勢は語れんと。 326 00:27:27,611 --> 00:27:31,281 政を論じるのに 逃げ隠れは いらぬ。 327 00:27:31,281 --> 00:27:33,981 はい! 328 00:27:36,553 --> 00:27:40,253 (赤禰)久坂。 表に。 329 00:27:45,896 --> 00:27:51,768 なるほど。 それが藩命に背いた者の面か。 330 00:27:51,768 --> 00:27:55,906 どうするつもりじゃ これから。 入れ。 331 00:27:55,906 --> 00:28:00,243 梅田雲浜先生に引き合わしちゃる。 こっちの話が先じゃろう。 332 00:28:00,243 --> 00:28:03,580 当分 ここで 朝廷や他藩の動きを探る。 333 00:28:03,580 --> 00:28:06,249 やはり 京は違う。 攘夷の機運がみなぎっちょる。 334 00:28:06,249 --> 00:28:11,949 そねな事は 俺たちがやるんじゃ。 お前は江戸に戻れ。 335 00:28:22,799 --> 00:28:26,937 せめて お文さんに手紙を書け。 336 00:28:26,937 --> 00:28:32,209 文は元気か? 337 00:28:32,209 --> 00:28:37,881 (晋作)コロリで母を亡くした娘に 読み書きを教えとる。➡ 338 00:28:37,881 --> 00:28:40,550 お文さんは待っとる。➡ 339 00:28:40,550 --> 00:28:44,421 決して 口にはせんが 俺には分かる。 340 00:28:44,421 --> 00:28:48,425 今 大きゅう何かが動く。 341 00:28:48,425 --> 00:28:52,162 その流れに やっと手が届いたんじゃ。 342 00:28:52,162 --> 00:28:54,564 今 ここを動く訳にゃいかん。 343 00:28:54,564 --> 00:28:58,902 そのために 里心を戒めとるっちゅう訳か。 344 00:28:58,902 --> 00:29:00,837 違う。 345 00:29:00,837 --> 00:29:03,573 それとも おなごへの手紙の 書き方が分からんか? 346 00:29:03,573 --> 00:29:06,910 何じゃと? お前は ただの石頭じゃ。 347 00:29:06,910 --> 00:29:10,610 朴念仁が。 違う! 348 00:29:13,250 --> 00:29:15,585 出てった? 349 00:29:15,585 --> 00:29:20,457 (百合之助)親戚の者が来てのう 引き取られていった。 350 00:29:20,457 --> 00:29:22,926 おきくちゃんが…。 351 00:29:22,926 --> 00:29:26,596 お前が帰るんを ず~っと待っていたんじゃが➡ 352 00:29:26,596 --> 00:29:29,896 諦めて たっていった。 353 00:29:31,434 --> 00:29:34,204 ああ 文。 354 00:29:34,204 --> 00:29:39,204 これを お前に。 355 00:29:44,547 --> 00:29:48,885 おお。 これは元気のええ。 356 00:29:48,885 --> 00:29:55,585 うん。 これなら どこへ行っても せわぁない。 元気でやれる。 357 00:30:03,433 --> 00:30:07,133 おきくちゃん…。 358 00:30:09,205 --> 00:30:13,905 (鈴の音) 359 00:30:15,578 --> 00:30:18,578 私に? 360 00:30:20,250 --> 00:30:22,950 これで最後です。 361 00:30:25,588 --> 00:30:29,926 ここに火薬を爆発させる仕掛けを 差し込み➡ 362 00:30:29,926 --> 00:30:32,829 離れた所の発火機とつなぎます。 363 00:30:32,829 --> 00:30:35,265 ほんで エレキを通せば。 364 00:30:35,265 --> 00:30:37,200 爆発するんですね? 365 00:30:37,200 --> 00:30:39,602 すごい! すごい からくりです! 366 00:30:39,602 --> 00:30:42,939 こねな戦道具が作れるとは 小野様は すごい! 367 00:30:42,939 --> 00:30:46,609 まだです。 まことに爆発するか どうか確かめねば。 368 00:30:46,609 --> 00:30:49,512 実際に発火させるというんか! 369 00:30:49,512 --> 00:30:53,283 今夜 やらせてもらえませんか? 今夜ですか? 370 00:30:53,283 --> 00:30:56,953 私が今まで学んできた事が 少しでも 皆さんの…➡ 371 00:30:56,953 --> 00:31:00,623 いや この国のお役に 立てるかどうか➡ 372 00:31:00,623 --> 00:31:03,960 皆さんに見極めて頂きたいんです。 373 00:31:03,960 --> 00:31:07,260 ですが それは…。 374 00:31:10,300 --> 00:31:12,969 河原は どうでしょう? 375 00:31:12,969 --> 00:31:15,872 夜明け前の河原なら あるいは。 376 00:31:15,872 --> 00:31:17,841 ここを出る事ができん先生にも➡ 377 00:31:17,841 --> 00:31:20,643 上がった煙で 成果を見せる事ができます。 378 00:31:20,643 --> 00:31:22,979 前原さん…。 379 00:31:22,979 --> 00:31:27,317 我々に まことに何かをなす力は あるんか➡ 380 00:31:27,317 --> 00:31:30,987 これは それを確かめるための 大切な第一歩です。 381 00:31:30,987 --> 00:31:34,257 私も知りたい。 382 00:31:34,257 --> 00:31:41,598 力を尽くせば まことに我々に 世を動かす事はできるんか。 383 00:31:41,598 --> 00:31:57,947 ♬~ 384 00:31:57,947 --> 00:32:01,618 やりましょう。 385 00:32:01,618 --> 00:32:05,488 試すんなら 早い方がええ。 すぐに準備を! 386 00:32:05,488 --> 00:32:08,488 先生…。 387 00:32:10,293 --> 00:32:12,629 小野様。 388 00:32:12,629 --> 00:32:14,564 どうされました? 389 00:32:14,564 --> 00:32:17,264 父上がお倒れに。 390 00:32:18,968 --> 00:32:21,638 コロリです。 391 00:32:21,638 --> 00:32:23,973 早く診療所へ。 392 00:32:23,973 --> 00:32:28,973 (読経) 393 00:32:36,252 --> 00:32:41,552 病がうつる事も覚悟しておけ。 394 00:32:57,273 --> 00:33:01,945 遅うなって…。 395 00:33:01,945 --> 00:33:05,645 地雷火を作っておった。 396 00:33:07,617 --> 00:33:10,617 出来たんか? 397 00:33:12,956 --> 00:33:16,956 明け方に試す。 398 00:33:18,828 --> 00:33:25,969 わしの方は どうやら 異国に負けたらしい。 399 00:33:25,969 --> 00:33:28,638 父上…。 400 00:33:28,638 --> 00:33:35,938 医術も己も 何の役にも立たん。 401 00:33:37,447 --> 00:33:40,917 大丈夫でございます。 402 00:33:40,917 --> 00:33:48,258 私がおります。 仲間もおります。 403 00:33:48,258 --> 00:33:57,600 皆で必ず国を変え いずれ 病も滅ぼしてみせます。 404 00:33:57,600 --> 00:34:02,472 お前の作ったもんが その力に? 405 00:34:02,472 --> 00:34:06,276 そのつもりです! 406 00:34:06,276 --> 00:34:13,149 でなければ 医術を捨て➡ 407 00:34:13,149 --> 00:34:18,149 打ち込んできた意味が ありません! 408 00:34:20,823 --> 00:34:31,523 ならば待とう。 わしも… 夜明けを。 409 00:34:35,438 --> 00:34:39,175 (靖)気ぃ付けて運びましょう。 はい。 410 00:34:39,175 --> 00:34:42,912 小野さんが戻るんを待って➡ 411 00:34:42,912 --> 00:34:46,783 明け方とともに 河原で発火させます。 412 00:34:46,783 --> 00:35:15,278 ♬~ 413 00:35:15,278 --> 00:35:17,947 文。 414 00:35:17,947 --> 00:35:29,947 ♬~ 415 00:35:32,462 --> 00:35:39,162 小野様の父上が亡くなられました。 416 00:35:41,571 --> 00:35:44,474 父上が…。 417 00:35:44,474 --> 00:35:48,911 教えてつかぁさい。 418 00:35:48,911 --> 00:35:55,211 これも… 異国のせいなんですか? 419 00:35:57,587 --> 00:36:03,459 突如現れて 我々の暮らしに牙をむく。 420 00:36:03,459 --> 00:36:11,759 我々の力だけじゃ 押し戻す事も振り払う事もできん。 421 00:36:14,604 --> 00:36:22,904 やから 戦うんですか? 地雷火を使うて。 422 00:36:24,947 --> 00:36:27,617 文。 423 00:36:27,617 --> 00:36:34,424 戦いとは ただ 戦の事を言うんではない。 424 00:36:34,424 --> 00:36:42,131 戦いとは 屈しない心を持つ事を言うんじゃ。 425 00:36:42,131 --> 00:36:46,831 屈しない心…。 426 00:36:50,840 --> 00:36:55,244 (寅次郎)お前も戦うたではないか。 427 00:36:55,244 --> 00:37:01,584 きくに字を教え 送り出した。➡ 428 00:37:01,584 --> 00:37:07,884 戦いを教えたんじゃ。 あの子が生きるために。 429 00:37:11,260 --> 00:37:13,930 (小野)先生。 430 00:37:13,930 --> 00:37:17,800 小野様。 そこで 皆さんと行き合いました。 431 00:37:17,800 --> 00:37:19,802 これから地雷火を試します。 432 00:37:19,802 --> 00:37:22,271 父上についとらんで ええんですか!? 433 00:37:22,271 --> 00:37:24,207 先生をお連れしようと。 434 00:37:24,207 --> 00:37:26,142 僕を? 435 00:37:26,142 --> 00:37:30,613 いけません。 兄は蟄居の身です。 この家を出てはいけないんです。 436 00:37:30,613 --> 00:37:35,885 足を着かなければええんです。 地面に。 437 00:37:35,885 --> 00:37:39,222 そねな…。 私が背負ってさしあげます。 438 00:37:39,222 --> 00:37:42,125 君が? 439 00:37:42,125 --> 00:37:47,563 うちが代わりではいけませんか? 440 00:37:47,563 --> 00:37:50,900 私も見とうございます。 441 00:37:50,900 --> 00:38:02,245 それが 兄上や小野様や… 旦那様が進まれるという道なら…。 442 00:38:02,245 --> 00:38:10,586 これから 私たちに何が起きて どのようなもんが襲ってくるんか。 443 00:38:10,586 --> 00:38:14,257 おなごは危ない。 444 00:38:14,257 --> 00:38:18,928 首尾よく爆発すれば ここで煙が見れます。 445 00:38:18,928 --> 00:38:23,800 それが証しです。 ここでお待ち下さい。 446 00:38:23,800 --> 00:38:26,602 ですが…。 「夜明けを待つ」と➡ 447 00:38:26,602 --> 00:38:30,273 父に言われました。 448 00:38:30,273 --> 00:38:35,573 待たずに 父は逝きました。 449 00:38:39,882 --> 00:38:47,582 見届けて頂きたいんです。 父の代わりに。 450 00:38:54,897 --> 00:38:58,568 お乗り下さい。 451 00:38:58,568 --> 00:39:05,908 負わせて下さい。 父のつもりで。 452 00:39:05,908 --> 00:39:29,932 ♬~ 453 00:39:29,932 --> 00:39:35,538 (風の音) 454 00:39:35,538 --> 00:39:38,441 (水音) 455 00:39:38,441 --> 00:39:52,555 ♬~ 456 00:39:52,555 --> 00:39:56,425 小野君 下ろして下さい。 457 00:39:56,425 --> 00:39:58,895 えっ…。 458 00:39:58,895 --> 00:40:03,195 ええんです。 下ろして下さい。 459 00:40:08,905 --> 00:40:11,605 先生…。 460 00:40:14,777 --> 00:40:20,777 この一歩がいずれ…。 461 00:40:27,924 --> 00:41:16,624 ♬~ 462 00:41:30,653 --> 00:41:34,353 あれが…。 463 00:41:51,941 --> 00:41:55,641 旦那様…。 464 00:41:57,279 --> 00:42:01,279 あれは いかなる火になるんでしょう…? 465 00:42:04,153 --> 00:42:09,625 (玄瑞)「昨夜 ふと お前の顔を思い出そうと思うて➡ 466 00:42:09,625 --> 00:42:15,498 しばらく じっと考えとった。➡ 467 00:42:15,498 --> 00:42:21,237 いつの間にか そのまま眠ってしもうた。➡ 468 00:42:21,237 --> 00:42:30,537 夢の中のお前は それは楽しそうで 幸せそうで…」。 469 00:42:36,786 --> 00:42:43,926 「いつまでも その顔を見ていたいと思うた」。 470 00:42:43,926 --> 00:42:59,926 ♬~ 471 00:43:06,615 --> 00:43:10,953 一人残らず捕らえよ。 一網打尽に致せ。 472 00:43:10,953 --> 00:43:13,856 久坂さんは 生死も分からんと…。 473 00:43:13,856 --> 00:43:18,294 親に背いても 主君に背いても やらねばならん事があるんです。 474 00:43:18,294 --> 00:43:20,629 寅次郎! 父を殺せ! 475 00:43:20,629 --> 00:43:23,329 (稔麿)先生の大義のためには 死ねません。 476 00:43:26,969 --> 00:43:30,969 松下村塾は 閉鎖となります。 477 00:43:33,576 --> 00:43:38,247 <若狭湾を望む福井県小浜市。➡ 478 00:43:38,247 --> 00:43:41,150 港町として栄えた この地に➡ 479 00:43:41,150 --> 00:43:46,122 小浜藩士の子として生まれたのが 梅田雲浜です。➡ 480 00:43:46,122 --> 00:43:52,261 後に 尊王攘夷運動の 先頭に立って活躍しました。➡ 481 00:43:52,261 --> 00:43:57,561 藩校 順造館で学び…> 482 00:44:01,270 --> 00:44:06,142 <ペリー来航後は いち早く攘夷を主張。➡ 483 00:44:06,142 --> 00:44:13,282 全国を遊説して回り 松陰とも親交を深めました。➡ 484 00:44:13,282 --> 00:44:17,953 京都で活動をしていた 雲浜の邸宅には➡ 485 00:44:17,953 --> 00:44:23,626 久坂や伊藤博文 西郷隆盛など 多くの志士たちが➡ 486 00:44:23,626 --> 00:44:28,326 その教えを聴くために 集まったといいます> 487 00:44:31,901 --> 00:44:34,804 <雲浜が残した歌には➡ 488 00:44:34,804 --> 00:44:40,504 勤王家としての 熱い心情が 込められています> 489 00:44:42,545 --> 00:44:48,450 <雲浜の働きで勢いを増す 尊王攘夷運動。➡ 490 00:44:48,450 --> 00:44:55,750 しかし 安政の大獄という嵐が 近づいていたのです> 491 00:45:33,529 --> 00:45:36,465 いよいよ 今夜じゃな。 492 00:45:36,465 --> 00:45:38,467 九つ。 493 00:45:38,467 --> 00:45:40,603 <この仕事を 最後と決め➡ 494 00:45:40,603 --> 00:45:44,473 越後屋を狙った 雲霧一党であったが➡ 495 00:45:44,473 --> 00:45:48,277 火付盗賊改方の働きによって➡ 496 00:45:48,277 --> 00:45:51,113 そのたくらみは 失敗に終わった> 497 00:45:51,113 --> 00:45:53,113 引け! 引け! 498 00:45:54,783 --> 00:45:57,286 逃げ延びて下さい! 吉五郎…! 499 00:45:57,286 --> 00:45:59,221 神妙に致せ!