1 00:00:33,083 --> 00:00:36,486 (経を唱える声) 2 00:00:36,486 --> 00:00:41,825 奥御殿では 毛利敬親の病気が治るようにと➡ 3 00:00:41,825 --> 00:00:46,696 必死の祈りがささげられていた。 4 00:00:46,696 --> 00:00:55,372 (都美姫)何とぞ 何とぞ 大殿の病をお治し下さいませ。➡ 5 00:00:55,372 --> 00:00:59,176 美和。 (美和)はい。 6 00:00:59,176 --> 00:01:04,514 大殿は 美和の畑の野菜だけは 召し上がられる。 7 00:01:04,514 --> 00:01:09,386 何か よき料理を 作ってはくれぬか? 8 00:01:09,386 --> 00:01:13,190 はい。 それでは早速。 9 00:01:13,190 --> 00:01:16,092 (銀姫)美和。 興丸の守りはよい。 10 00:01:16,092 --> 00:01:18,862 今は 殿のお世話を致すのじゃ。 11 00:01:18,862 --> 00:01:20,797 はい。 12 00:01:20,797 --> 00:01:28,872 ♬~(テーマ音楽) 13 00:01:28,872 --> 00:02:02,739 ♬~ 14 00:02:02,739 --> 00:02:09,846 ♬「愚かなる 吾れのことをも」 15 00:02:09,846 --> 00:02:19,189 ♬「友とめづ人は わがとも友と」 16 00:02:19,189 --> 00:02:27,530 ♬「吾れをも 友とめづ人は」 17 00:02:27,530 --> 00:02:37,807 ♬「わがとも友と めでよ人々」 18 00:02:37,807 --> 00:03:14,511 ♬~ 19 00:03:14,511 --> 00:03:22,185 ♬「吾れをも 友とめづ人は」 20 00:03:22,185 --> 00:03:30,994 ♬「わがとも友と めでよ人々」 21 00:03:30,994 --> 00:03:37,133 ♬「燃ゆ」 22 00:03:37,133 --> 00:03:49,833 ♬~ 23 00:03:56,152 --> 00:04:03,493 (敬親)楫取は そなたの義兄であったの。 24 00:04:03,493 --> 00:04:05,793 はい。 25 00:04:11,368 --> 00:04:19,042 あやつには 一つだけ 言っておきたい事があってな。 26 00:04:19,042 --> 00:04:25,749 新政府にて 参与の職を務めていたものを➡ 27 00:04:25,749 --> 00:04:30,186 無理に呼び戻したんは わしじゃ。 28 00:04:30,186 --> 00:04:37,886 この長州のため わしを支えてほしいとな。 29 00:04:39,462 --> 00:04:47,162 そのせいで つらい目に遭わせてしもうた…。 30 00:04:49,139 --> 00:04:53,009 じゃが これからは➡ 31 00:04:53,009 --> 00:04:59,482 誰のためでもない 己の望む道を➡ 32 00:04:59,482 --> 00:05:04,821 歩いていってもらいたいと 思うておる。 33 00:05:04,821 --> 00:05:08,121 大殿様…。 34 00:05:10,493 --> 00:05:14,831 そなたとて 同じぞ。 35 00:05:14,831 --> 00:05:17,167 はい。 36 00:05:17,167 --> 00:05:25,167 どのような思いで これまで乗り越えてまいったか。 37 00:05:27,510 --> 00:05:32,115 見違えるようじゃの。 38 00:05:32,115 --> 00:05:35,785 いえ…。 39 00:05:35,785 --> 00:05:39,456 美和。 40 00:05:39,456 --> 00:05:46,756 まこと そなたの信じるよう 進め。 41 00:05:58,141 --> 00:06:01,141 どうじゃ? 42 00:06:05,014 --> 00:06:13,490 新しい日本をつくる 新しい日本人を育てたいと➡ 43 00:06:13,490 --> 00:06:17,490 思うております。 44 00:06:24,501 --> 00:06:28,501 そうせい。 45 00:06:48,458 --> 00:06:52,458 それから数日後。 46 00:06:54,130 --> 00:06:58,001 大殿…。 47 00:06:58,001 --> 00:07:09,145 ♬~ 48 00:07:09,145 --> 00:07:11,814 (素彦)大殿…。 49 00:07:11,814 --> 00:07:22,158 ♬~ 50 00:07:22,158 --> 00:07:27,030 明治4年3月28日。 51 00:07:27,030 --> 00:07:35,330 幕末という激動の時代を生きた 名君 毛利敬親は この世を去った。 52 00:07:45,782 --> 00:07:50,119 そして 喪が明けた後…。 53 00:07:50,119 --> 00:07:57,460 藩の職を すべて辞し 隠居の身となりとうございます。 54 00:07:57,460 --> 00:08:01,798 (元徳)そなたには 父亡きあとも➡ 55 00:08:01,798 --> 00:08:05,134 藩のかじ取りをしてもらいたいと 思うておる。 56 00:08:05,134 --> 00:08:12,475 私には もう そのようなご期待に 応える力はございませぬ。 57 00:08:12,475 --> 00:08:16,475 何とぞ。 58 00:08:28,024 --> 00:08:31,961 明治政府は 廃藩置県を断行。 59 00:08:31,961 --> 00:08:36,666 旧藩主は すべて 知藩事の職を解かれた。 60 00:08:36,666 --> 00:08:41,104 代わりに 明治政府の意を受けた県令が➡ 61 00:08:41,104 --> 00:08:44,974 各地に派遣される事となる。 62 00:08:44,974 --> 00:08:49,779 東京に移るとは どういう事でございますか? 63 00:08:49,779 --> 00:08:54,651 しかたがない。 新政府が決めた事なのじゃ。 64 00:08:54,651 --> 00:09:00,651 我らは 新たな場所で これから生きていかねばならぬ。 65 00:09:04,327 --> 00:09:11,801 じゃが 東京は元江戸。 懐かしい所であろう? 66 00:09:11,801 --> 00:09:17,501 はい。 生まれ育った所なれば。 67 00:09:20,143 --> 00:09:30,843 しかし そうなると この奥御殿も 閉じる事になりましょうな。 68 00:09:33,690 --> 00:09:41,690 銀。 そなた 決心はついておるようじゃな。 69 00:09:46,769 --> 00:09:49,069 はい。 70 00:09:51,441 --> 00:09:57,741 そして 奥女中たち一同が集められた。 71 00:10:08,991 --> 00:10:11,991 面を上げよ。 72 00:10:16,666 --> 00:10:19,802 皆の者。 73 00:10:19,802 --> 00:10:23,139 新政府からのお達しにより➡ 74 00:10:23,139 --> 00:10:32,148 毛利家が この地を治める世は 終わる事となった。 75 00:10:32,148 --> 00:10:41,148 毛利家は 東京に移り この奥御殿は しまいとなる! 76 00:10:46,496 --> 00:10:53,369 皆の行く末については 追って沙汰する。 77 00:10:53,369 --> 00:10:59,075 どういう事でございますか? どうなるのですか? 78 00:10:59,075 --> 00:11:04,847 (どよめき) 79 00:11:04,847 --> 00:11:13,523 (園山)皆は ここで 大事なものを身につけた。 80 00:11:13,523 --> 00:11:24,167 奥に仕える女としての振る舞い 身だしなみ 行儀作法…➡ 81 00:11:24,167 --> 00:11:29,071 お花に…。 82 00:11:29,071 --> 00:11:39,148 (泣き声) 83 00:11:39,148 --> 00:11:42,148 (潮)美和…。 84 00:11:51,494 --> 00:12:02,194 それに 料理 裁縫 掃除のしかた…。 85 00:12:05,842 --> 00:12:10,542 畑での野菜の育て方なども。 86 00:12:21,190 --> 00:12:30,490 それは 生きる力となりましょう。 87 00:12:36,472 --> 00:12:41,143 この奥の外に出てからも➡ 88 00:12:41,143 --> 00:12:49,443 ご自分の力で 生きていけるはずです。 89 00:12:58,494 --> 00:13:01,794 (鞠)せわぁない! 90 00:13:07,169 --> 00:13:12,508 せわぁない。 せわぁない。 91 00:13:12,508 --> 00:13:16,846 せわぁない。 せわぁない。 92 00:13:16,846 --> 00:13:23,185 ♬~ 93 00:13:23,185 --> 00:13:30,526 生きる力か。 いい事を言うの。 94 00:13:30,526 --> 00:13:38,801 これで皆も 少しは安心して 世に出ていけるであろう。 95 00:13:38,801 --> 00:13:46,501 あの者たちに自信を与えるとは 一番大事な事でございます。 96 00:14:09,765 --> 00:14:17,506 そなたには 本当に世話になった。 97 00:14:17,506 --> 00:14:21,506 礼を言う。 98 00:14:24,180 --> 00:14:34,790 私の人生は この奥御殿で お仕えした事が すべてです。 99 00:14:34,790 --> 00:14:46,090 これからは その思い出を大切に 余生を過ごしとうございます。 100 00:14:54,143 --> 00:14:57,046 志乃様。 101 00:14:57,046 --> 00:15:00,016 (志乃)ああ…。 102 00:15:00,016 --> 00:15:03,486 そなたが ここを作られてから➡ 103 00:15:03,486 --> 00:15:07,786 何やら 放っておけんく なってしまいました。 104 00:15:17,033 --> 00:15:20,836 ありがとあんした。 105 00:15:20,836 --> 00:15:40,122 ♬~ 106 00:15:40,122 --> 00:15:44,122 (興丸)美和! 東京には行かぬとは まことか? 107 00:15:47,797 --> 00:15:49,732 はい。 108 00:15:49,732 --> 00:15:53,032 美和が一緒でなければ嫌じゃ! 109 00:16:01,811 --> 00:16:10,152 興丸様は ご立派に大きくなられました。 110 00:16:10,152 --> 00:16:12,088 この美和がおらんでも➡ 111 00:16:12,088 --> 00:16:17,026 ご自分で何でも おできになられるはず。 112 00:16:17,026 --> 00:16:22,498 今度 お会いする事ができた時には➡ 113 00:16:22,498 --> 00:16:28,198 興丸様の夢を 美和に聞かせて下さいませ。 114 00:16:30,172 --> 00:16:34,172 楽しみにしております。 115 00:16:36,979 --> 00:16:40,979 潮様…。 116 00:16:45,121 --> 00:16:48,457 美和殿。 117 00:16:48,457 --> 00:16:55,157 うんと幸せにならんと いけませんよ。 118 00:16:59,101 --> 00:17:02,004 はい。 119 00:17:02,004 --> 00:17:25,828 ♬~ 120 00:17:25,828 --> 00:17:29,698 美和様は どうされるのです? 121 00:17:29,698 --> 00:17:33,102 皆さんのこれからを 見届けたあと➡ 122 00:17:33,102 --> 00:17:36,772 私は一度 萩の親元に戻ろうかと。 123 00:17:36,772 --> 00:17:39,108 鞠様は? 124 00:17:39,108 --> 00:17:42,978 私は 縁談が。 125 00:17:42,978 --> 00:17:49,118 相手は 幼なじみで それもまた よいかなと。 126 00:17:49,118 --> 00:17:53,455 もしや そのお方の事…。 127 00:17:53,455 --> 00:17:57,755 はい。 128 00:18:01,797 --> 00:18:05,668 (鞠)日出様は 上海に行くとか。 えっ? 129 00:18:05,668 --> 00:18:10,472 奥を出るのも 日本を出るのも 同じ事だと。 130 00:18:10,472 --> 00:18:16,145 それなら 見た事のない異国の地に 行ってみたいと申されて。 131 00:18:16,145 --> 00:18:21,817 それはまた 思い切った事を…。 132 00:18:21,817 --> 00:18:25,154 …というより 何か一つでも➡ 133 00:18:25,154 --> 00:18:29,154 美和様より先に したかっただけかと。 134 00:18:35,764 --> 00:18:40,764 決意は固いのじゃな。 135 00:18:42,438 --> 00:18:45,738 お許し下さりませ。 136 00:18:47,309 --> 00:18:52,114 私もまた この奥の外に出て➡ 137 00:18:52,114 --> 00:18:57,814 己の力で生きていってみたいと 思います。 138 00:18:59,989 --> 00:19:03,726 銀姫様にお仕えし➡ 139 00:19:03,726 --> 00:19:10,466 興丸様の守り役として過ごした この年月➡ 140 00:19:10,466 --> 00:19:16,166 生涯 忘れませぬ。 141 00:19:19,475 --> 00:19:25,347 お前には 随分と助けてもらった。 142 00:19:25,347 --> 00:19:34,047 私が子を授かり 母となれたのは そなたのおかげじゃ。 143 00:19:36,759 --> 00:19:45,100 守り役としても 十分すぎるほど務めてもらった。 144 00:19:45,100 --> 00:19:51,774 なのに 子を産んだ事もないのにと➡ 145 00:19:51,774 --> 00:19:55,774 ひどい事を言うてしもうて…。 146 00:19:57,446 --> 00:20:01,317 すまぬ事をした。 147 00:20:01,317 --> 00:20:04,617 銀姫様…。 148 00:20:06,455 --> 00:20:17,755 この奥にとって そなたは 花のようじゃった。 149 00:20:19,802 --> 00:20:26,675 どんな時も 皆を朗らかにさせてくれた。 150 00:20:26,675 --> 00:20:39,822 ♬~ 151 00:20:39,822 --> 00:20:43,122 いつか また会おうぞ。 152 00:20:46,495 --> 00:20:51,367 はい。 必ず。 153 00:20:51,367 --> 00:21:05,180 ♬~ 154 00:21:05,180 --> 00:21:11,854 戦国の世より続いた 毛利の奥御殿は 閉じられた。 155 00:21:11,854 --> 00:21:17,526 新しい時代に旅立つ者 見送る者。 156 00:21:17,526 --> 00:21:22,526 それぞれの女たちの 門出でもあった。 157 00:21:28,170 --> 00:21:39,481 ♬~ 158 00:21:39,481 --> 00:21:44,153 よいではないか! 気に入った。 159 00:21:44,153 --> 00:21:51,026 私は そのような訳の分からぬ服は 着とうもない。 160 00:21:51,026 --> 00:21:54,797 そうおっしゃらずに! 161 00:21:54,797 --> 00:21:58,700 母上様も ほら。 162 00:21:58,700 --> 00:22:03,839 だから 私は着ないと申しておる。 163 00:22:03,839 --> 00:22:06,175 そうおっしゃらずに ほら。 164 00:22:06,175 --> 00:22:12,175 そして 美和は 萩の杉家に戻っていた。 165 00:22:14,049 --> 00:22:19,521 (銀姫)「横浜の港には 外国の船がたくさん立ち寄り➡ 166 00:22:19,521 --> 00:22:22,858 生糸やお茶を買っていきます。➡ 167 00:22:22,858 --> 00:22:26,728 日本は 今 豊かな国づくりを掲げ➡ 168 00:22:26,728 --> 00:22:31,667 世界中から優れた文物を 取り入れているそうです」。 169 00:22:31,667 --> 00:22:34,803 世界を相手に…。 170 00:22:34,803 --> 00:22:39,103 (亀)これが ビスケツト…。 171 00:22:45,814 --> 00:22:48,150 う~ん…。 172 00:22:48,150 --> 00:22:53,021 弟の敏三郎も萩に戻ってきた。 173 00:22:53,021 --> 00:23:01,163 だが 戦で多くの友や仲間を失い 心の傷を抱えていた。 174 00:23:01,163 --> 00:23:04,500 (滝)よう戻ってきた。 175 00:23:04,500 --> 00:23:07,800 お帰り。 176 00:23:10,839 --> 00:23:14,176 敏…。 177 00:23:14,176 --> 00:23:17,176 (文之進)敏三郎。 178 00:23:43,805 --> 00:23:49,805 討ち死にした せがれの…。 179 00:23:58,820 --> 00:24:03,492 おい。 あれじゃ。 えっ? 180 00:24:03,492 --> 00:24:08,163 さっき お前たちが食っとったやつじゃ。 181 00:24:08,163 --> 00:24:10,863 はい。 182 00:24:18,807 --> 00:24:21,107 食え。 183 00:24:29,851 --> 00:24:34,851 顔を上げて 食え。 184 00:24:42,130 --> 00:24:48,130 よう帰ってきた。 185 00:24:59,481 --> 00:25:04,820 敏。 くよくよしとったら いけんよ。 186 00:25:04,820 --> 00:25:10,120 彦介さんや みんなの分も 頑張って生きていかんと。 187 00:25:11,693 --> 00:25:17,833 そしたら 気晴らしに二条窪に行ってきたら。 188 00:25:17,833 --> 00:25:20,502 (亀)ああ。 二条窪? 189 00:25:20,502 --> 00:25:24,373 楫取さん 二条窪で暮らす事に 決めたんやそうです。 190 00:25:24,373 --> 00:25:27,843 えっ? (滝)畑仕事をやりながら➡ 191 00:25:27,843 --> 00:25:32,114 家族で暮らしたいと 寿に話したんて。➡ 192 00:25:32,114 --> 00:25:36,785 やけど 初めての畑仕事でしょう? 193 00:25:36,785 --> 00:25:41,485 どうやろか? 手伝いがてら。 194 00:25:43,458 --> 00:25:49,131 では 私も行きます。 195 00:25:49,131 --> 00:25:51,066 (滝)あんたも? 196 00:25:51,066 --> 00:25:54,002 姉上たちが どねな暮らしか 心配やし➡ 197 00:25:54,002 --> 00:26:01,302 それに 兄上にお伝えせんと ならん事もあるんです。 198 00:26:03,145 --> 00:26:09,017 萩郊外の山あいにある 三隅村二条窪。 199 00:26:09,017 --> 00:26:13,155 楫取は ここで 家族と共に暮らしながら➡ 200 00:26:13,155 --> 00:26:18,155 慣れない畑仕事に精を出していた。 201 00:26:21,830 --> 00:26:26,702 (寿)よう来たね。 美和 敏。 202 00:26:26,702 --> 00:26:30,702 しばらく ごやっかいになります。 203 00:26:36,111 --> 00:26:39,781 よう来たな。 兄上…。 204 00:26:39,781 --> 00:26:45,654 あっ おけがを? まめ潰しただけじゃ。 205 00:26:45,654 --> 00:26:48,790 すまんな。 いえ。 206 00:26:48,790 --> 00:26:52,461 疲れたじゃろう。 しばらく のんびりと…。 207 00:26:52,461 --> 00:26:57,132 ここは 自給自足。 休んだら 早速働いてもらわんと。 208 00:26:57,132 --> 00:27:01,803 旦那様は まだまだ 畑仕事には素人やし➡ 209 00:27:01,803 --> 00:27:04,803 当てにして待っとったんよ。 210 00:27:16,818 --> 00:27:19,154 本当 大助かり。 211 00:27:19,154 --> 00:27:24,025 私は 炊事や裁縫の合間にしか できんから。 212 00:27:24,025 --> 00:27:31,099 何か 今までと違いますね。 兄上と姉上。 えっ? 213 00:27:31,099 --> 00:27:37,439 今更 変やけど 何か夫婦らしゅうなって。 214 00:27:37,439 --> 00:27:40,342 何を言うとるん。 215 00:27:40,342 --> 00:27:42,310 禄ものうなって➡ 216 00:27:42,310 --> 00:27:46,114 これからは 一家 力を合わせて 何でもせんと やっていけんの。 217 00:27:46,114 --> 00:27:51,814 まあ 昔と同じ貧乏暮らしに 逆戻りやけど。 218 00:28:00,128 --> 00:28:04,466 おうおう。 本当に あのお侍さん ここで暮らすつもりかいな。 219 00:28:04,466 --> 00:28:06,802 だまされんな。 220 00:28:06,802 --> 00:28:10,672 あいつは わしの仲間を 見殺しにしたやつじゃ。 221 00:28:10,672 --> 00:28:16,144 [ 回想 ] 維新は 民の力によってこそ 成功したのだと 私も思うとる。 222 00:28:16,144 --> 00:28:20,015 では なぜ 虫けらのように 追い払われるのか。 223 00:28:20,015 --> 00:28:23,015 必ず 善処致す。 224 00:28:43,305 --> 00:28:47,776 なかなか 受け入れてもらえんでな…。 225 00:28:47,776 --> 00:28:52,647 あの人 どこかで…。 226 00:28:52,647 --> 00:28:55,650 奇兵隊に入っとった若者じゃ。 227 00:28:55,650 --> 00:28:59,788 この村の出やったか 戻ってきたんじゃろう。 228 00:28:59,788 --> 00:29:03,088 恨まれて当然じゃ。 229 00:29:08,463 --> 00:29:14,336 篤太郎は 明倫館で勉強するため 寮に入っとるんよ。 230 00:29:14,336 --> 00:29:19,808 そう。 それで 久米次郎は…。 231 00:29:19,808 --> 00:29:22,808 (久米次郎)ただいま戻りました。 232 00:29:25,146 --> 00:29:28,446 お帰り 久米次郎。 233 00:29:30,819 --> 00:29:33,722 えっ…? 234 00:29:33,722 --> 00:29:39,022 しばらく見ん間に こねぇに大きゅうなって。 235 00:29:44,766 --> 00:29:48,066 ご無沙汰しております。 236 00:29:49,638 --> 00:29:51,640 あっ…。 237 00:29:51,640 --> 00:29:54,109 てれとるだけやから。 238 00:29:54,109 --> 00:29:57,779 今 この近くの私塾に 通わせとるの。 239 00:29:57,779 --> 00:30:01,650 久坂家の養子として 恥ずかしゅうないようにと➡ 240 00:30:01,650 --> 00:30:05,350 毎日 張り切って勉強しとるんよ。 241 00:30:10,792 --> 00:30:17,666 そのころ 京にいる辰路は 久坂の子の秀次郎を育てるため➡ 242 00:30:17,666 --> 00:30:22,804 料亭で仲居として働いていた。 243 00:30:22,804 --> 00:30:25,804 (辰路)おこしやす。 244 00:30:33,815 --> 00:30:38,153 (幾松)どんだけ心配した事か。 245 00:30:38,153 --> 00:30:42,490 ねえさん… すんません。 246 00:30:42,490 --> 00:30:52,167 ほやけど 久坂の子を 奥様が捜していると知って…。 247 00:30:52,167 --> 00:30:54,502 どうして それを? 248 00:30:54,502 --> 00:30:59,841 ばったりお会いしたんです。 奥様に。 249 00:30:59,841 --> 00:31:03,178 そう…。 250 00:31:03,178 --> 00:31:08,850 その時は うちの事も あの子がそうだとも➡ 251 00:31:08,850 --> 00:31:11,519 気付かれまへんどした。➡ 252 00:31:11,519 --> 00:31:16,191 けど 知られたら 取り上げられるんやないかって…。 253 00:31:16,191 --> 00:31:18,526 あんたさんの気持ちは 分かります。 254 00:31:18,526 --> 00:31:20,862 そやけど 秀次郎は➡ 255 00:31:20,862 --> 00:31:26,201 ご維新で大働きをされた 久坂玄瑞様のお子さんなんどすえ。 256 00:31:26,201 --> 00:31:31,473 学問して 身ぃを立てる事も 考えてやらんと。 257 00:31:31,473 --> 00:31:37,173 木戸も その事を 気にかけてるんどす。 258 00:31:40,815 --> 00:31:44,686 木戸は 明治政府の参議となり➡ 259 00:31:44,686 --> 00:31:47,489 不平等条約改正のため➡ 260 00:31:47,489 --> 00:31:52,160 岩倉使節団の一員として アメリカに来ていた。 261 00:31:52,160 --> 00:31:54,829 (木戸)何度も言うようじゃが➡ 262 00:31:54,829 --> 00:32:00,168 関税率について 日本独自に決めさせて頂きたい。 263 00:32:00,168 --> 00:32:04,839 (英語) 264 00:32:04,839 --> 00:32:07,175 (笑い声) 265 00:32:07,175 --> 00:32:11,846 (英語) 266 00:32:11,846 --> 00:32:15,717 (通訳)無理だと言っています。 267 00:32:15,717 --> 00:32:21,417 (靖)木戸さん。 今し方 日本から知らせが。 268 00:32:24,859 --> 00:32:27,195 知らせには➡ 269 00:32:27,195 --> 00:32:33,001 日本に残った西郷たちが 次々と新たな政策を実施。 270 00:32:33,001 --> 00:32:37,806 そのため 国内情勢が 不安定になっていると➡ 271 00:32:37,806 --> 00:32:40,806 書かれていた。 272 00:32:56,491 --> 00:32:59,160 兄上…。 273 00:32:59,160 --> 00:33:02,063 本気なんですか? 274 00:33:02,063 --> 00:33:05,834 本気で この荒れた土地を開こうと…。 275 00:33:05,834 --> 00:33:09,170 ああ 本気じゃ。 276 00:33:09,170 --> 00:33:12,841 私は これから 家族と一緒に この地で暮らしていく。 277 00:33:12,841 --> 00:33:18,179 その思いを村人たちにも 分かってもらいたいんじゃ。 278 00:33:18,179 --> 00:33:21,516 それだけでしょうか。 279 00:33:21,516 --> 00:33:28,189 兄上は まだ ご自分を 責めておいでなんでは? 280 00:33:28,189 --> 00:33:31,092 [ 回想 ] 私のせいじゃ…。 281 00:33:31,092 --> 00:33:34,996 あの者らの国を思う声を 生かせんで…。 282 00:33:34,996 --> 00:33:37,996 何が政じゃ…。 283 00:33:42,137 --> 00:33:46,474 いや そねな事はない。 284 00:33:46,474 --> 00:34:08,774 ♬~ 285 00:34:10,498 --> 00:34:12,433 どうしてやろうね? 286 00:34:12,433 --> 00:34:16,838 このごろ 時々 左手がしびれて…。 287 00:34:16,838 --> 00:34:22,538 こねな事じゃ 畑仕事はおろか 針仕事もできゃせん。 288 00:34:44,999 --> 00:34:47,468 それは? 289 00:34:47,468 --> 00:34:51,139 お城の畑で育てていた 野菜の苗です。 290 00:34:51,139 --> 00:34:54,042 元は 杉の家の種ですけど。 291 00:34:54,042 --> 00:35:01,042 心を込めて耕した畑には きっと根づきます。 292 00:35:06,487 --> 00:35:12,360 (久米次郎)ほら 持ってけ。 遠慮せずともよい。➡ 293 00:35:12,360 --> 00:35:15,163 父がいつも言うとるんじゃ。 294 00:35:15,163 --> 00:35:18,833 人は 侍も百姓も みんな同じ。 295 00:35:18,833 --> 00:35:22,704 分け合い 仲良うせねばならん。 (子どもたち)はい。 296 00:35:22,704 --> 00:35:24,706 (久米次郎)ほら。 ありがとあんした。 297 00:35:24,706 --> 00:35:27,842 (久米次郎)ほら。 (子どもたち)ありがとあんした。 298 00:35:27,842 --> 00:35:29,777 (久米次郎)これも やろう。 ありがとあんした! 299 00:35:29,777 --> 00:35:32,680 (久米次郎)これも大きいじゃろう。 ありがとあんした。 300 00:35:32,680 --> 00:35:35,680 (雷鳴) 301 00:35:45,126 --> 00:35:47,462 このままでは流されてしまう。 302 00:35:47,462 --> 00:35:50,162 なんとかせんと。 303 00:35:51,799 --> 00:35:55,099 (中原)手伝わしてつかぁさい! 304 00:35:58,673 --> 00:36:00,973 えっ? 305 00:36:02,810 --> 00:36:08,149 あんたが わしらを裏切り 仲間を死に追いやったと➡ 306 00:36:08,149 --> 00:36:10,449 思い込もうとしちょった。 307 00:36:12,820 --> 00:36:15,723 やけど そうやない。 308 00:36:15,723 --> 00:36:20,495 あんたは わしら百姓や町人のために➡ 309 00:36:20,495 --> 00:36:23,831 必死に頑張って下さった。➡ 310 00:36:23,831 --> 00:36:27,702 分かっとったんです。➡ 311 00:36:27,702 --> 00:36:35,777 やけど わしは 仲間を救えず 一人助かった。 312 00:36:35,777 --> 00:36:43,651 その ふがいなさや申し訳なさから 逃げたかったんです。 313 00:36:43,651 --> 00:36:49,651 それを あんたに ぶつけとったんです。 314 00:37:00,468 --> 00:37:04,138 (水が流れる音) 315 00:37:04,138 --> 00:37:26,394 ♬~ 316 00:37:26,394 --> 00:37:31,299 頼む。 手を貸してくれ。 (中原)はい! 317 00:37:31,299 --> 00:38:04,299 ♬~ 318 00:38:31,759 --> 00:38:35,096 兄上。 319 00:38:35,096 --> 00:38:41,969 兄上も もう ご自分を責めるんは おやめ下さい。 320 00:38:41,969 --> 00:38:46,107 そうやって ご無理なさっとると➡ 321 00:38:46,107 --> 00:38:51,407 何か 私まで 先に進めんような 気持ちになります。 322 00:38:58,453 --> 00:39:01,355 気恥ずかしゅうてな。 323 00:39:01,355 --> 00:39:03,324 えっ? 324 00:39:03,324 --> 00:39:09,324 お前には 誰にも見せんような姿 見せてしもうとる気がしてな。 325 00:39:12,467 --> 00:39:16,337 (笑い声) 326 00:39:16,337 --> 00:39:22,143 おい。 いや… ごめんなさい。 フフフ…。 327 00:39:22,143 --> 00:39:28,143 いや でも 安心しました。 えっ? 328 00:39:29,817 --> 00:39:36,117 私も兄上の前では 本音を ぶちまけてしまいましたから。 329 00:39:38,092 --> 00:39:44,792 兄上にお伝えせねばならん事が あったんです。 330 00:39:47,435 --> 00:39:51,105 大殿からのお言葉です。 331 00:39:51,105 --> 00:39:53,774 大殿の? 332 00:39:53,774 --> 00:40:02,116 これからは 誰のためでもない 己の望む道を➡ 333 00:40:02,116 --> 00:40:05,816 歩いていってもらいたいと。 334 00:40:11,459 --> 00:40:15,459 己の望む道…。 335 00:40:18,799 --> 00:40:22,470 大殿が そのような事を…。 336 00:40:22,470 --> 00:40:26,140 はい。 337 00:40:26,140 --> 00:40:29,477 兄上なら きっと。 338 00:40:29,477 --> 00:40:34,348 私も そのために 兄上をお支えします。 339 00:40:34,348 --> 00:40:39,648 兄上が 私を支えると 言うて下さったように。 340 00:40:44,025 --> 00:40:46,725 同志じゃな。 341 00:40:49,163 --> 00:40:51,863 はい。 342 00:40:55,836 --> 00:40:59,136 あっ。 343 00:41:06,180 --> 00:41:10,880 私も 逃げておっただけかもしれんな。 344 00:41:12,520 --> 00:41:15,856 日本のため 民のためにと➡ 345 00:41:15,856 --> 00:41:19,156 突き進んできたつもり じゃったが…。 346 00:41:22,196 --> 00:41:32,196 その肝心の民の暮らしが 初めて この身にしみた。 347 00:41:37,144 --> 00:41:41,444 あの者たちと 地に足をつけて 生きていこうと思う。 348 00:41:45,486 --> 00:41:49,186 新たな道の始まりじゃ。 349 00:41:50,825 --> 00:41:53,525 はい。 350 00:41:55,162 --> 00:41:59,033 あっ 敏 どうしたん? 351 00:41:59,033 --> 00:42:03,033 手紙… 私に? 352 00:42:04,839 --> 00:42:11,512 その手紙は 母 滝からのもので 急ぎ 戻るようにとあった。 353 00:42:11,512 --> 00:42:13,848 その理由は…。 354 00:42:13,848 --> 00:42:17,518 ≪(亀)鶏がたまげとるでしょう。 もう! 355 00:42:17,518 --> 00:42:20,187 卵 産まんくなったら どうするん! 356 00:42:20,187 --> 00:42:24,058 姉上。 ああ 美和さん! やっと戻ってきた。 357 00:42:24,058 --> 00:42:29,196 旦那様の子が来たと。 どうにかしてつかぁさい もう!➡ 358 00:42:29,196 --> 00:42:31,799 あの子ですよ。 359 00:42:31,799 --> 00:42:56,490 ♬~ 360 00:42:56,490 --> 00:43:02,490 確か 京で会うた…。 361 00:43:05,833 --> 00:43:13,133 辰路の産んだ 久坂の子 秀次郎との再会であった。 362 00:43:16,177 --> 00:43:19,513 (利助)このままでは 内乱が起こりかねません。 363 00:43:19,513 --> 00:43:22,183 (亀)行儀作法からですね。 364 00:43:22,183 --> 00:43:24,852 (辰路)秀次郎は 久坂さんの子。 365 00:43:24,852 --> 00:43:27,521 (秀次郎) お母ちゃんに捨てられたん? 366 00:43:27,521 --> 00:43:30,821 あの子を育ててみようと 思います。 367 00:43:33,127 --> 00:43:38,466 <日本海を望む山口県長門市。➡ 368 00:43:38,466 --> 00:43:42,336 藩政から身を引いた楫取素彦は➡ 369 00:43:42,336 --> 00:43:48,476 山あいの農村 二条窪で 暮らしました。➡ 370 00:43:48,476 --> 00:43:52,813 楫取は 村人と共にクワを握り➡ 371 00:43:52,813 --> 00:43:54,749 荒れ地を開墾。➡ 372 00:43:54,749 --> 00:43:59,153 更に 植林なども行ったといいます。➡ 373 00:43:59,153 --> 00:44:05,025 植林した山は 現在 楫取山と呼ばれています。➡ 374 00:44:05,025 --> 00:44:09,025 二条窪に程近い…> 375 00:44:10,765 --> 00:44:19,065 <激動の時代を走り続けた楫取は ここで心と体を癒やしました> 376 00:44:20,841 --> 00:44:26,180 <楫取と共に移り住んだ寿は 村人のために➡ 377 00:44:26,180 --> 00:44:31,786 宗善寺など 近隣の寺院から 毎月2回 僧侶を招き➡ 378 00:44:31,786 --> 00:44:34,486 法話を聞きました> 379 00:44:37,458 --> 00:44:45,800 <この法話は 140年以上たった 現在も続けられています。➡ 380 00:44:45,800 --> 00:44:52,800 人々は 今も 楫取夫妻への思いを 大切にしているのです> 381 00:45:33,080 --> 00:45:37,017 (一路)道中の間 殿をお守りするのが 私のお役目。 382 00:45:37,017 --> 00:45:41,789 <将監の手先である新三との対決を 制した一路たち。➡ 383 00:45:41,789 --> 00:45:48,495 しかし 将監の魔の手は 江戸や国元にも 襲いかかる> 384 00:45:48,495 --> 00:45:53,834 (堀江)お捜ししましたぞ 奥方様。 385 00:45:53,834 --> 00:45:57,034 (すず)堀江。