1 00:00:33,702 --> 00:00:39,375 (せい)はい。 この煮た繭を鍋に出しますよ。 2 00:00:39,375 --> 00:00:43,245 群馬に春が訪れていた。 3 00:00:43,245 --> 00:00:48,384 (せい)繭を1つずつ 挽いていく。 4 00:00:48,384 --> 00:00:53,055 やってごらん。 (美和)えっ? はい。 5 00:00:53,055 --> 00:00:57,926 1粒ずつ…。 あっ! 熱い。 熱いよ。 気を付けて。 6 00:00:57,926 --> 00:01:00,396 回して…。 7 00:01:00,396 --> 00:01:04,066 案外 ぶきっちょだね。 すいません。 8 00:01:04,066 --> 00:01:09,738 「安子様。 いかがお過ごしで いらっしゃいますか?➡ 9 00:01:09,738 --> 00:01:14,076 私は今 生糸作りに励んでおります。➡ 10 00:01:14,076 --> 00:01:19,948 これが なかなか難しゅうて 根気のいる手仕事で…➡ 11 00:01:19,948 --> 00:01:22,751 ちいと参っております」。 12 00:01:22,751 --> 00:01:26,422 今度は 糸挽きを始めたか。 13 00:01:26,422 --> 00:01:32,027 本当に美和は物好きじゃのう。 14 00:01:32,027 --> 00:01:34,696 「ですが うれしい事も。➡ 15 00:01:34,696 --> 00:01:39,568 糸挽きを教わる代わりに 勉強のお手伝いをしております。➡ 16 00:01:39,568 --> 00:01:45,707 女たちが 自分で学ぶすべを 身につけようとしとるんです。➡ 17 00:01:45,707 --> 00:01:48,043 誰もが 夢をみ➡ 18 00:01:48,043 --> 00:01:55,918 自分の人生に希望を持って 生きていけるように」。 19 00:01:55,918 --> 00:02:04,059 ♬~(テーマ音楽) 20 00:02:04,059 --> 00:02:37,926 ♬~ 21 00:02:37,926 --> 00:02:45,033 ♬「愚かなる 吾れのことをも」 22 00:02:45,033 --> 00:02:54,376 ♬「友とめづ人は わがとも友と」 23 00:02:54,376 --> 00:03:02,718 ♬「吾れをも 友とめづ人は」 24 00:03:02,718 --> 00:03:13,061 ♬「わがとも友と めでよ人々」 25 00:03:13,061 --> 00:03:49,698 ♬~ 26 00:03:49,698 --> 00:03:57,372 ♬「吾れをも 友とめづ人は」 27 00:03:57,372 --> 00:04:06,381 ♬「わがとも友と めでよ人々」 28 00:04:06,381 --> 00:04:12,254 ♬「燃ゆ」 29 00:04:12,254 --> 00:04:24,954 ♬~ 30 00:04:35,344 --> 00:04:38,680 (キク)おせいさん! (せい)ん? ああ そこ置いとくれ。 31 00:04:38,680 --> 00:04:41,016 (キク)はい。➡ 32 00:04:41,016 --> 00:04:42,951 あっ。 33 00:04:42,951 --> 00:04:46,688 (せい)ん? 34 00:04:46,688 --> 00:04:53,028 そんなとこに いねえで こっち 入ってきない。 35 00:04:53,028 --> 00:04:57,899 (ナツ)おせいさん すんません! 36 00:04:57,899 --> 00:05:02,704 (トメ)ナツさん 東京にいる息子に 手紙を出したいって。 37 00:05:02,704 --> 00:05:05,374 ほら 最近 郵便局が出来たがね。 38 00:05:05,374 --> 00:05:09,244 私が教えたんです。 美和さんに頼んだらって。 39 00:05:09,244 --> 00:05:12,047 おせいさんには 顔向けできねんだけど…。 40 00:05:12,047 --> 00:05:15,747 太吉が ずっと戻ってこねえもんで…。 41 00:05:17,719 --> 00:05:20,055 美和さん。 あっ はい。 42 00:05:20,055 --> 00:05:22,724 ちょっと ナツさんとこ行って➡ 43 00:05:22,724 --> 00:05:26,061 手紙 書いてやってくれねえですか? 44 00:05:26,061 --> 00:05:29,931 あ… はい。 分かりました。 45 00:05:29,931 --> 00:05:33,335 (せい)じゃあ お願いします。 46 00:05:33,335 --> 00:05:46,682 ♬~ 47 00:05:46,682 --> 00:05:51,019 ナツさん ずっと後悔してるんですよ。 48 00:05:51,019 --> 00:05:56,692 うちより高値で繭を買うって 言われたんだろう? 49 00:05:56,692 --> 00:05:59,594 小林さんとこに。 50 00:05:59,594 --> 00:06:06,702 ナツさんとこも亭主が働かねえし 大変だかんね。 51 00:06:06,702 --> 00:06:13,375 「達者でいるか否かだけでも 知らせて下さい。 母より」で➡ 52 00:06:13,375 --> 00:06:15,711 ええですか? はい。 53 00:06:15,711 --> 00:06:19,711 しばらく戻ってきねんで それが心配で。 54 00:06:23,585 --> 00:06:26,885 はい。 出来ました。 55 00:06:30,258 --> 00:06:32,661 ありがとがんした。 56 00:06:32,661 --> 00:06:36,998 こんなんが届いたら 息子も たまげます。 57 00:06:36,998 --> 00:06:39,334 また いつでも言うて下さいね。 58 00:06:39,334 --> 00:06:44,005 やけど 一番は 自分で書けるようになる事です。 59 00:06:44,005 --> 00:06:46,908 おせいさんのところ 寄ってみて下さい。 60 00:06:46,908 --> 00:06:50,345 私なんかが…。 61 00:06:50,345 --> 00:06:53,682 大丈夫だよ。 うちのおっ母ちゃんだって➡ 62 00:06:53,682 --> 00:06:56,682 はあ 本も 読めるようになったんだから。 63 00:06:59,354 --> 00:07:01,690 (小林)ナツさん いるかい? 64 00:07:01,690 --> 00:07:04,359 小林さん。 ああ どうも。 65 00:07:04,359 --> 00:07:06,294 ちょっと すんません。 66 00:07:06,294 --> 00:07:09,698 (小林)これかいな。 もらってくよ。 67 00:07:09,698 --> 00:07:12,033 払いは 次にしてくんない。 68 00:07:12,033 --> 00:07:15,704 もうすぐ まとまって 銭が入ってくるからさ。 69 00:07:15,704 --> 00:07:18,373 (ナツ)本当に大丈夫なんかい? 70 00:07:18,373 --> 00:07:20,709 お願えしますよ。 ハハハ。 71 00:07:20,709 --> 00:07:25,046 あっ こっちの繭は ちゃんと 別にしておくれ。 72 00:07:25,046 --> 00:07:27,746 (小林)ああ。 ハハッ…。 73 00:07:30,385 --> 00:07:33,385 じゃあ また。 74 00:07:42,664 --> 00:07:47,536 ずっと おせいさんに お世話んなってたんだけどね。 75 00:07:47,536 --> 00:07:52,536 うちも苦しくてさ…。 76 00:07:57,679 --> 00:08:00,015 ≪(工藤)大変です! 77 00:08:00,015 --> 00:08:04,352 生糸の値が暴落しそうです! (権蔵)何? 78 00:08:04,352 --> 00:08:07,255 群馬の生糸は➡ 79 00:08:07,255 --> 00:08:11,693 世界中で その品質の高さが 認められていたが➡ 80 00:08:11,693 --> 00:08:17,365 粗悪品がまざり 価格が下がり始めていた。 81 00:08:17,365 --> 00:08:23,238 楫取は 粗悪品の対策に乗り出していた。 82 00:08:23,238 --> 00:08:28,977 (工藤)上質な生糸は 端から端まで 同じ細さです。 83 00:08:28,977 --> 00:08:31,880 粗悪品は 巻き始めと巻き終わりの 両端だけは➡ 84 00:08:31,880 --> 00:08:33,849 細くって きれいですが➡ 85 00:08:33,849 --> 00:08:38,987 中は 質の悪い繭で 太く 雑によられています。 86 00:08:38,987 --> 00:08:41,323 (素彦)どうして そねな事を? 87 00:08:41,323 --> 00:08:44,659 生糸は 重さを量って 売り買いされます。 88 00:08:44,659 --> 00:08:48,330 見せかけだけ上質にして あとは重さを増やして売るんです。 89 00:08:48,330 --> 00:08:51,233 誰も 粗悪品と 気付かんかったんか? 90 00:08:51,233 --> 00:08:57,672 その… 気付いてはいるんですが 少しでも量を増やして利益を…。 91 00:08:57,672 --> 00:09:00,575 分かっとってという事か。 92 00:09:00,575 --> 00:09:17,359 ♬~ 93 00:09:17,359 --> 00:09:20,262 もう一つ 教えてもらいたい。 94 00:09:20,262 --> 00:09:25,700 私への報告が遅れたのは なぜじゃ? 95 00:09:25,700 --> 00:09:30,372 それは… 阿久沢様が➡ 96 00:09:30,372 --> 00:09:32,974 わざわざ お知らせして 心配させる事はねえだろうと➡ 97 00:09:32,974 --> 00:09:34,974 おっしゃられて…。 98 00:09:37,312 --> 00:09:41,983 ですが やっぱし お耳に入れておいた方がいんかと。 99 00:09:41,983 --> 00:09:44,683 君の一存でか? 100 00:09:46,855 --> 00:09:51,660 私の実家は 赤城山の麓で百姓をしております。 101 00:09:51,660 --> 00:09:55,997 そこを県令殿が訪ねられた時 年老いた 私の母に➡ 102 00:09:55,997 --> 00:09:59,334 困った事はないかと 優しく聞いて下されたと。 103 00:09:59,334 --> 00:10:05,206 あんな偉えお方がと 母が泣いて喜んでおりました。 104 00:10:05,206 --> 00:10:08,343 私は 県令殿の事を 誤解しておりました。 105 00:10:08,343 --> 00:10:14,343 今は 県令殿の下で働ける事を 心より うれしく思っております。 106 00:10:16,017 --> 00:10:20,889 ありがとう。 これからも よろしく頼む。 107 00:10:20,889 --> 00:10:23,889 はい。 108 00:10:31,566 --> 00:10:34,703 しょうがねえですな。 109 00:10:34,703 --> 00:10:36,638 では 改めんと? 110 00:10:36,638 --> 00:10:38,573 そんな事をすりゃあ➡ 111 00:10:38,573 --> 00:10:42,577 たちまち 百姓の暮らしは 立ち行かなくなります。 112 00:10:42,577 --> 00:10:47,048 じゃが そねな事をしていては 群馬の生糸の価値は下がる。 113 00:10:47,048 --> 00:10:49,718 生糸は 必需品。 114 00:10:49,718 --> 00:10:52,620 下がっても また すぐに上がります。 115 00:10:52,620 --> 00:10:56,320 心配には及びませんよ。 116 00:11:06,267 --> 00:11:10,267 よう実って…。 117 00:11:12,741 --> 00:11:16,441 何で 石が…。 118 00:11:22,417 --> 00:11:24,753 (船津伝次平)こら! えっ…。 119 00:11:24,753 --> 00:11:29,090 何すんだい! えっ… のけようと…。 120 00:11:29,090 --> 00:11:31,026 余計な事するな! 121 00:11:31,026 --> 00:11:34,696 これは 野菜のために してるんだい! えっ? 122 00:11:34,696 --> 00:11:36,631 太陽に当てて温まった石を 置く事で➡ 123 00:11:36,631 --> 00:11:39,034 早く育つ効果があるんだ。 124 00:11:39,034 --> 00:11:41,703 そねな事 聞いた事ありません。 125 00:11:41,703 --> 00:11:45,040 当たり前だ。 わしが初めて見っけた やり方だ。 126 00:11:45,040 --> 00:11:47,375 はっ? 127 00:11:47,375 --> 00:11:51,246 いいか? これまでのやり方が 正しいとは限んねえ。 128 00:11:51,246 --> 00:11:54,946 常識を疑うところから まずは始まる。 129 00:11:57,385 --> 00:12:01,723 この男 船津伝次平。 130 00:12:01,723 --> 00:12:06,723 後に 近代農業の父と呼ばれる事になる。 131 00:12:08,396 --> 00:12:13,735 知ってっか? 猟師のやつらは 攻めて獲物を取る。 132 00:12:13,735 --> 00:12:17,072 わしら百姓は 待って育てる。 133 00:12:17,072 --> 00:12:23,411 おんなし 山麓に住んでいながら 随分違う道を生きてきたもんだ。 134 00:12:23,411 --> 00:12:27,082 そうですね。 135 00:12:27,082 --> 00:12:33,354 育つんを待ち 実らせるんがええですね。 136 00:12:33,354 --> 00:12:40,028 それは 野菜も人も同じです。 ん? 137 00:12:40,028 --> 00:12:45,700 ついでに 人それぞれに合った 育て方をしたいんです。 138 00:12:45,700 --> 00:12:50,572 ほう。 なかなか分かってるじゃねえか。 139 00:12:50,572 --> 00:12:53,872 面白え おなごだ。 140 00:12:57,045 --> 00:13:03,745 これ 持って帰れ。 えっ… ええんですか? 141 00:13:05,386 --> 00:13:09,686 ほれ。 ありがとうございます。 142 00:13:12,260 --> 00:13:15,063 うん うまい。 143 00:13:15,063 --> 00:13:17,966 この時期にしては よう育ったもんじゃな。 144 00:13:17,966 --> 00:13:21,402 何か不思議な方でした。 145 00:13:21,402 --> 00:13:25,273 「これまでのやり方が正しいとは 限んねえ」って。 146 00:13:25,273 --> 00:13:27,973 これまでのやり方…。 147 00:13:32,680 --> 00:13:36,017 何か あったんですか? 148 00:13:36,017 --> 00:13:40,355 いや… 生糸じゃが➡ 149 00:13:40,355 --> 00:13:43,024 品質を下げずに 価格を安定させるんが➡ 150 00:13:43,024 --> 00:13:45,693 早急の課題なんじゃ。 151 00:13:45,693 --> 00:13:52,367 今日 お訪ねした養蚕農家も 随分 苦労されとるようでした。 152 00:13:52,367 --> 00:13:56,704 でも 大事に蚕を育てとって…。 153 00:13:56,704 --> 00:14:02,043 [ 回想 ] お蚕様 いっぺえ食べて 大きくなり。 154 00:14:02,043 --> 00:14:10,385 あっ… 生糸の価格が安定すれば 楽になるんでしょうか? 155 00:14:10,385 --> 00:14:16,257 そのためには 製糸業に 新しい仕組みがいると思うとる。 156 00:14:16,257 --> 00:14:19,257 新しい仕組み…。 157 00:14:23,398 --> 00:14:28,736 そのころ 明治10年に始まった西南戦争は➡ 158 00:14:28,736 --> 00:14:35,036 西郷率いる薩摩軍が 徹底抗戦を続けていた。 159 00:14:37,011 --> 00:14:43,711 そんなある日 楫取のもとに ある訃報が届けられた。 160 00:14:48,356 --> 00:14:53,027 [ 回想 ] (木戸)もし 万が一 私に何かあれば…➡ 161 00:14:53,027 --> 00:14:58,327 あとは お願いします。 162 00:15:00,368 --> 00:15:07,368 木戸… お前まで…。 163 00:15:20,388 --> 00:15:26,728 木戸が京都で亡くなったのは 5月の事だった。 164 00:15:26,728 --> 00:15:37,672 ♬~ 165 00:15:37,672 --> 00:15:41,009 (辰路)ご病気やったなんて…。 166 00:15:41,009 --> 00:15:50,018 (松子)あの人は 政府での立場と 長州の侍であった自分との間で➡ 167 00:15:50,018 --> 00:15:53,888 いっつも苦しんでました。 168 00:15:53,888 --> 00:15:57,358 それで 命を縮めたようなもんどす。 169 00:15:57,358 --> 00:16:00,261 ねえさん…。 170 00:16:00,261 --> 00:16:08,261 けど 私には ええ思い出を残してくれました。 171 00:16:32,994 --> 00:16:38,866 [ 回想 ] お前にも ロンドンの街を見せてやりたい。 172 00:16:38,866 --> 00:16:43,004 はい。 楽しみですわ。 173 00:16:43,004 --> 00:16:47,875 お前も 洋装の支度をせんとな。 174 00:16:47,875 --> 00:16:50,875 (松子)私は着物で…。 175 00:17:01,356 --> 00:17:08,229 日本も あのようにと 夢みた国…。 176 00:17:08,229 --> 00:17:15,229 私とお前で歩くんじゃ。 177 00:17:19,374 --> 00:17:24,245 どれだけ無念やったやろ…。 178 00:17:24,245 --> 00:17:32,245 夢にみた 新しい日本を 見届けられんとは…。 179 00:17:33,888 --> 00:17:36,588 せわぁない。 180 00:17:41,329 --> 00:17:50,338 男はんが本気でみはった夢は 必ず 誰かがかなえてくれます。 181 00:17:50,338 --> 00:17:54,008 辰路さん…。 182 00:17:54,008 --> 00:18:40,521 ♬~ 183 00:18:40,521 --> 00:18:43,521 視察に行ってくる。 184 00:18:47,228 --> 00:18:54,228 兄上。 ちいと 私に つきおうてくれませんか? 185 00:18:55,937 --> 00:18:59,637 ご案内したいとこがあるんです。 186 00:19:02,677 --> 00:19:05,677 こちらです。 187 00:19:13,321 --> 00:19:31,639 ♬~ 188 00:19:31,639 --> 00:19:35,510 (船津)県令様が 畑 耕すとはな。 189 00:19:35,510 --> 00:19:42,283 はい。 兄上は変わっておりますから。 190 00:19:42,283 --> 00:19:46,988 やけど それは 船津さんも同じですね。 191 00:19:46,988 --> 00:19:49,891 そのとおり。 192 00:19:49,891 --> 00:19:54,862 面白えもん 見てえか? ちょっと こっちへ。 193 00:19:54,862 --> 00:20:08,276 ♬~ 194 00:20:08,276 --> 00:20:11,212 これを見てみぃ。 ゴボウ? 195 00:20:11,212 --> 00:20:14,015 ワシの結論からすっと➡ 196 00:20:14,015 --> 00:20:17,885 ゴボウの肥やしは 浅い所に 施した方がいいようだい。 197 00:20:17,885 --> 00:20:22,690 その方が 雨が降ると 肥やしが溶けて 土が吸う。 198 00:20:22,690 --> 00:20:26,027 深い所じゃ そうはいかねえ。 199 00:20:26,027 --> 00:20:30,898 どうだ? 違うだんべに。 200 00:20:30,898 --> 00:20:37,038 百姓は 野菜が育たなくなると 氏神様にお参りに行く。 201 00:20:37,038 --> 00:20:39,941 そんな事じゃあ解決できねえ。 202 00:20:39,941 --> 00:20:49,050 何度も実験して出した答えは 必ず 将来の日本の農業に役立つ。 203 00:20:49,050 --> 00:21:01,062 ♬~ 204 00:21:01,062 --> 00:21:06,400 二条窪以来じゃな 百姓は。 はい。 205 00:21:06,400 --> 00:21:10,071 木戸が二条窪に来た時➡ 206 00:21:10,071 --> 00:21:15,743 やつは 県令になれと言ってきたが 私は百姓の格好で…。 207 00:21:15,743 --> 00:21:19,614 あの時のやつの顔を思い出した。 208 00:21:19,614 --> 00:21:31,225 ♬~ 209 00:21:31,225 --> 00:21:34,695 船津さんの言うように➡ 210 00:21:34,695 --> 00:21:42,570 将来のため 私も 木戸の願いに応えねばならんな。 211 00:21:42,570 --> 00:22:01,722 ♬~ 212 00:22:01,722 --> 00:22:05,593 (久米次郎) 母上。 ただいま戻りました。 213 00:22:05,593 --> 00:22:11,065 (寿)お帰りんさい。 久米次郎。 214 00:22:11,065 --> 00:22:13,968 今日は 起きても大丈夫なんですか? 215 00:22:13,968 --> 00:22:16,737 ええ。 216 00:22:16,737 --> 00:22:21,437 今 美和からの手紙を 読んどったんです。 217 00:22:24,412 --> 00:22:28,082 あの人からの手紙…。 218 00:22:28,082 --> 00:22:32,687 あの人などと そねな言い方…。 219 00:22:32,687 --> 00:22:37,358 好きになれんです。 220 00:22:37,358 --> 00:22:40,695 あの人が 母上の代わりに➡ 221 00:22:40,695 --> 00:22:44,395 今 父上のお世話を しておるなどと…。 222 00:22:49,036 --> 00:22:53,708 この母が頼んだんです。 223 00:22:53,708 --> 00:22:59,008 父上のお世話を 安心して頼めるんは美和だけです。 224 00:23:03,050 --> 00:23:09,750 久米次郎。 二度と そのような事を 言うてはなりません。 225 00:23:12,727 --> 00:23:15,427 …はい。 226 00:23:25,072 --> 00:23:29,410 おせいさん。 これ。 227 00:23:29,410 --> 00:23:33,410 小林さんとこで作った生糸です。 228 00:23:46,894 --> 00:23:48,896 ひどいね これ。 229 00:23:48,896 --> 00:23:51,665 まとまった銭が入るっつうから おかしいと思ったら➡ 230 00:23:51,665 --> 00:23:55,569 美和さんが 一緒に小林さんとこ 行こうっつってくれて。 231 00:23:55,569 --> 00:24:00,374 いつか こういう事が起きるんじゃ ないかと思ってたんだよ。 232 00:24:00,374 --> 00:24:03,043 県令様は? 233 00:24:03,043 --> 00:24:06,343 どうなさろうとしてるんです? 234 00:24:09,383 --> 00:24:12,052 兄上。 235 00:24:12,052 --> 00:24:19,352 この間 お話しした 農家が育てた繭で作られた糸です。 236 00:24:28,402 --> 00:24:32,402 今 問題になっとる粗悪品じゃ。 237 00:24:34,008 --> 00:24:39,346 必死で育てた蚕が このような品になっとる事に➡ 238 00:24:39,346 --> 00:24:43,017 えろう悔しい思いをされとります。 239 00:24:43,017 --> 00:24:44,952 せいさんたちも➡ 240 00:24:44,952 --> 00:24:49,652 自分たちが挽いた糸も 同じように思われるんではと…。 241 00:24:52,026 --> 00:24:57,898 兄上。 これをお預けします。 242 00:24:57,898 --> 00:25:06,198 生糸を作る女たちの気持ちを どうか…。 243 00:25:15,249 --> 00:25:22,723 楫取は 民間の製糸工場を営む 星野のもとを訪れた。 244 00:25:22,723 --> 00:25:26,060 (星野)生糸は 生産者が仲買人に売り➡ 245 00:25:26,060 --> 00:25:29,730 その仲買人は 問屋を通して横浜に売ります。 246 00:25:29,730 --> 00:25:33,000 生産者は 仲買人に安く買われるため➡ 247 00:25:33,000 --> 00:25:35,336 水増しを余儀なくされます。 248 00:25:35,336 --> 00:25:41,636 なんとか その悪循環を 断ち切る仕組みはないものか…。 249 00:25:43,210 --> 00:25:48,349 組合を作ってはどうでしょうか? 組合? 250 00:25:48,349 --> 00:25:51,685 生産者の皆さんには 組合員になってもらい➡ 251 00:25:51,685 --> 00:25:54,588 それぞれが作った生糸を 一旦集めて管理し➡ 252 00:25:54,588 --> 00:25:57,358 品質を統一できるように するんです。 253 00:25:57,358 --> 00:25:59,693 なるほど。 (星野)そのためには➡ 254 00:25:59,693 --> 00:26:02,029 共同の揚返場が必要です。 255 00:26:02,029 --> 00:26:04,932 もう一度 糸を巻き直す場か。 256 00:26:04,932 --> 00:26:10,371 それと アメリカに渡った弟から 連絡がありました。 257 00:26:10,371 --> 00:26:14,708 現地で会社を作ったようです。 258 00:26:14,708 --> 00:26:18,708 そうか…。 準備が整ったか! 259 00:26:20,381 --> 00:26:25,252 これで アメリカに 新たな販路を切り開ける。 260 00:26:25,252 --> 00:26:30,057 あとは こちらの仕組みを 作り上げるだけじゃな。 261 00:26:30,057 --> 00:26:38,357 ですが そのやり方だと 仲買人は はあ いらなくなります。 262 00:26:41,669 --> 00:26:44,004 分かっとる。 263 00:26:44,004 --> 00:26:49,677 今までのやり方を変えるんじゃ。 大きな抵抗があるじゃろう。 264 00:26:49,677 --> 00:26:54,548 じゃが これが実現すれば 日本の製糸業の活路が開ける。 265 00:26:54,548 --> 00:26:58,018 何としても やり遂げねば。 266 00:26:58,018 --> 00:27:01,889 やり方を変えりゃあ 必ず混乱する。➡ 267 00:27:01,889 --> 00:27:04,358 今までどおりで十分。 じゃが それでは➡ 268 00:27:04,358 --> 00:27:07,261 品質を保つ事はできません。 269 00:27:07,261 --> 00:27:10,030 生糸の品質を保つためには➡ 270 00:27:10,030 --> 00:27:13,367 組合と揚返場が どねぇしても必要なんです。 271 00:27:13,367 --> 00:27:17,037 アメリカに会社も出来 近いうちに直輸出もかなうんです。 272 00:27:17,037 --> 00:27:19,707 まだ 実績も何もねえ そんな会社を➡ 273 00:27:19,707 --> 00:27:22,042 当てにしろと おっしゃるんですかな? 274 00:27:22,042 --> 00:27:23,978 何事もやらんと結果は出ません! 275 00:27:23,978 --> 00:27:26,978 どっちにしろ 認める訳にはまいりません! 276 00:27:32,319 --> 00:27:39,319 申し訳ないが 今回は 私の提案を受け入れてもらいます。 277 00:27:42,329 --> 00:27:47,029 (鈴木)よろしんでごぜえますか? よろしいはずねえだろう! 278 00:27:55,676 --> 00:27:58,345 (工藤)失礼します。 279 00:27:58,345 --> 00:28:01,248 県令殿 このままでは…。 分かっとる。 280 00:28:01,248 --> 00:28:05,686 じゃが ここで引く訳にはいかん。 281 00:28:05,686 --> 00:28:08,986 職員たちを集めてくれ。 282 00:28:14,361 --> 00:28:17,264 群馬の生糸を守るためにも➡ 283 00:28:17,264 --> 00:28:22,264 組合を作り 共同揚返場を作らねばならん。 284 00:28:28,909 --> 00:28:35,909 もし うまくいかなかった時は どうされるおつもりで…。 285 00:28:45,325 --> 00:28:48,625 その時は…。 286 00:28:51,198 --> 00:28:54,668 責任を取る。 287 00:28:54,668 --> 00:28:59,668 なるほど。 288 00:29:08,015 --> 00:29:12,686 明治10年9月24日。 289 00:29:12,686 --> 00:29:18,358 西南戦争において 政府軍の総攻撃が始まった。 290 00:29:18,358 --> 00:29:20,658 西郷どん! 291 00:29:22,696 --> 00:29:27,996 そろそろ 終わりにせんとなぁ。 292 00:29:31,038 --> 00:29:33,640 うっ! 293 00:29:33,640 --> 00:29:36,940 ごめんやったもんせ! 294 00:29:38,512 --> 00:29:46,987 西郷隆盛の死によって 不平士族の反乱は 終焉した。 295 00:29:46,987 --> 00:29:58,999 ♬~ 296 00:29:58,999 --> 00:30:02,870 (久米次郎)母上。 297 00:30:02,870 --> 00:30:05,873 何です? 298 00:30:05,873 --> 00:30:08,873 父上に会いに行きたいんですが。 299 00:30:10,611 --> 00:30:13,013 (久米次郎)西郷さんが亡くなり➡ 300 00:30:13,013 --> 00:30:16,350 武士の世は終わったと 皆が申しております。 301 00:30:16,350 --> 00:30:22,222 これから先の世を 父上は どうお考えか 知りたいんです。➡ 302 00:30:22,222 --> 00:30:26,693 私は 武士として生まれました。 303 00:30:26,693 --> 00:30:34,034 ですが 仲間と誓い合った志を 全うできず➡ 304 00:30:34,034 --> 00:30:38,906 共に死ぬ事さえ かなわず…。 305 00:30:38,906 --> 00:30:44,378 あの時から 時が止まったようなんです。 306 00:30:44,378 --> 00:30:48,678 どのように生きていけばええんか 分からんまま…。 307 00:31:07,601 --> 00:31:10,301 分かりました。 308 00:31:13,073 --> 00:31:16,073 お行きなさい。 309 00:31:19,413 --> 00:31:22,316 はい。 310 00:31:22,316 --> 00:31:54,047 ♬~ 311 00:31:54,047 --> 00:31:57,384 久米次郎。 312 00:31:57,384 --> 00:32:01,255 どねぇしたん? 父上は? 313 00:32:01,255 --> 00:32:06,727 今日は 沼田という所へ 出張で出かけられております。 314 00:32:06,727 --> 00:32:10,397 では 私も そちらへ。 あっ いや… 遠いんよ。 315 00:32:10,397 --> 00:32:15,269 夜には戻られるんやから ここで待っておれば…。 316 00:32:15,269 --> 00:32:20,407 一体 父上は このような場所で一人➡ 317 00:32:20,407 --> 00:32:29,750 どねなつもりでいらっしゃるんか。 誇りはないんか。 318 00:32:29,750 --> 00:32:32,750 一刻も早う お尋ねしたいんです。 319 00:32:36,556 --> 00:32:39,559 久米次郎。 320 00:32:39,559 --> 00:32:44,264 あなたの父上は 残された人間として➡ 321 00:32:44,264 --> 00:32:48,235 懸命に 国づくりを この群馬からしておると➡ 322 00:32:48,235 --> 00:32:50,535 私は思います。 323 00:32:53,373 --> 00:32:59,046 いくつも履き潰し 自分の目で この地の現状を見て➡ 324 00:32:59,046 --> 00:33:01,746 変えようとされとるんです。 325 00:33:03,383 --> 00:33:07,254 あなたに 父上の事を言うてほしゅうない。 326 00:33:07,254 --> 00:33:11,258 あなたに分かるはずないんです! 327 00:33:11,258 --> 00:33:15,729 私の事だって 誰も分かるはずがない。 328 00:33:15,729 --> 00:33:20,729 父上にだって どうにもできんのかもしれん。 329 00:33:23,070 --> 00:33:27,741 久米次郎…。 330 00:33:27,741 --> 00:33:30,410 父上とよう話して…。 どうなろうと➡ 331 00:33:30,410 --> 00:33:34,710 あなたには 関わりありません。 332 00:33:36,216 --> 00:33:39,219 私の事など 放っておいて下さい。 333 00:33:39,219 --> 00:33:43,690 久米次郎! 久米次…。 334 00:33:43,690 --> 00:33:46,390 久米次郎! 335 00:33:51,031 --> 00:33:55,902 そのころ 楫取は 近郊の村を回り➡ 336 00:33:55,902 --> 00:34:00,374 養蚕農家たちとの話し合いを 続けていた。 337 00:34:00,374 --> 00:34:03,043 組合でございますか…。 338 00:34:03,043 --> 00:34:07,714 けれど 私らぁ 今までどおりでも…。 339 00:34:07,714 --> 00:34:10,384 価格を安定させるためには➡ 340 00:34:10,384 --> 00:34:13,720 生糸の品質を 少しでも よくしなければならないんです。 341 00:34:13,720 --> 00:34:19,393 今 建設中の共同揚返場で ちゃんと 品質を管理します。 342 00:34:19,393 --> 00:34:25,065 組合は 皆さんの生糸を よりよくするためのものなんです。 343 00:34:25,065 --> 00:34:28,402 ですから…。 おい! 俺たちは反対だい! 344 00:34:28,402 --> 00:34:32,005 勝手に 組合だ 揚返場だなんて。 そんな事されっちゃ➡ 345 00:34:32,005 --> 00:34:34,674 仲買人の俺たちの仕事が なくなっちまうだんべ! 346 00:34:34,674 --> 00:34:39,374 そうだ! そうだ! 347 00:34:42,349 --> 00:34:47,220 仲買人の諸君には それぞれ 身が立つように考えてます。 348 00:34:47,220 --> 00:34:51,691 今まで 生糸の商いで 稼いできたんだい! 349 00:34:51,691 --> 00:34:55,691 お上の下でこき使われるなんざ ごめんだ! 350 00:35:00,367 --> 00:35:07,707 父は県令です。 やのに こねな事まで…。 351 00:35:07,707 --> 00:35:13,046 (工藤)わらじ履きで 一軒一軒 村々を訪ね歩く方ですかんね。 352 00:35:13,046 --> 00:35:17,046 今回も みずから説得に回ると おっしゃられて…。 353 00:35:18,718 --> 00:35:23,390 (工藤)誰よりも 我々の暮らし そして この群馬の未来を➡ 354 00:35:23,390 --> 00:35:25,690 考えてくれてるんです。 355 00:35:27,260 --> 00:35:30,063 群馬の生糸には➡ 356 00:35:30,063 --> 00:35:35,869 この土地の… そして 日本の未来が懸かってるんです! 357 00:35:35,869 --> 00:35:40,340 ここにいる皆さん一人一人が 生糸に関わる者として➡ 358 00:35:40,340 --> 00:35:43,243 品質を守る責任がある! 359 00:35:43,243 --> 00:35:48,014 どうか その責任を果たして頂きたい! 360 00:35:48,014 --> 00:35:56,314 皆で力を合わせていかなければ 道は開けません! 361 00:35:59,025 --> 00:36:02,725 旦那様! 旦那様! これを! 362 00:36:05,365 --> 00:36:10,036 くそ! 早く連絡しに行け! 363 00:36:10,036 --> 00:36:12,939 (せい)どうしたんです? 364 00:36:12,939 --> 00:36:19,045 また相場が下がった。 悪いうわさが出回ってるせいだ。 365 00:36:19,045 --> 00:36:22,916 いんですか? 何が? 366 00:36:22,916 --> 00:36:28,388 この群馬の生糸が バカにされたまんまで。 367 00:36:28,388 --> 00:36:33,226 もう…。 生糸は群馬の誇りなんですよ! 368 00:36:33,226 --> 00:36:36,663 あんな… そんな誇りより➡ 369 00:36:36,663 --> 00:36:40,333 銭があっからこそ みんな 食っていけるんだ。 370 00:36:40,333 --> 00:36:44,204 分かってますけどね 旦那様の信条は。 371 00:36:44,204 --> 00:36:49,342 ですが生糸は この土地の女たちの 苦労のたまもの。 372 00:36:49,342 --> 00:36:52,679 それが いいように 買いたたかれたままだなんて➡ 373 00:36:52,679 --> 00:36:55,348 私は我慢なりませんね。 374 00:36:55,348 --> 00:36:58,685 お前 おかしいぞ。 何がです? 375 00:36:58,685 --> 00:37:01,354 そんな きれい事並べて どうした? 376 00:37:01,354 --> 00:37:05,225 それに 女たちに 勉強さしているそうだな。 377 00:37:05,225 --> 00:37:10,697 いつまでも 私たちが守ってやれねえんですよ。 378 00:37:10,697 --> 00:37:18,038 女だって 自分で生きてく力を 身につけないとね。 379 00:37:18,038 --> 00:37:26,338 それだけは たとえ旦那様でも 邪魔ぁさせませんよ。 380 00:37:35,989 --> 00:37:37,924 おかしい…。 381 00:37:37,924 --> 00:37:40,860 あの県令殿が来てっからだ。 382 00:37:40,860 --> 00:37:45,332 だが それも そろそろだいな。 そろそろとは? 383 00:37:45,332 --> 00:37:51,671 何かが起こる。 そして その責任は取ってもらう。 384 00:37:51,671 --> 00:37:58,671 (雷鳴) 385 00:38:02,015 --> 00:38:03,950 一同帰りました。 386 00:38:03,950 --> 00:38:06,886 今日も ご足労おかけしたっつうんに…。 387 00:38:06,886 --> 00:38:12,025 また 物別れに 終わってしもうたな。 388 00:38:12,025 --> 00:38:15,895 私の気持ちが ちゃんと伝わっとらんのじゃ。 389 00:38:15,895 --> 00:38:19,366 県令殿…。 390 00:38:19,366 --> 00:38:24,037 また明日からも説得を続ける。 391 00:38:24,037 --> 00:38:28,908 真心を尽くす。 392 00:38:28,908 --> 00:38:30,910 よろしく頼む。 393 00:38:30,910 --> 00:38:35,315 はい。 394 00:38:35,315 --> 00:38:37,984 あっ…。 395 00:38:37,984 --> 00:38:41,321 これを預かりました。 396 00:38:41,321 --> 00:38:45,992 それと これも置いていきました。 397 00:38:45,992 --> 00:38:57,003 ♬~ 398 00:38:57,003 --> 00:38:59,906 (雷鳴) 399 00:38:59,906 --> 00:39:11,906 ♬~ 400 00:39:14,354 --> 00:39:18,024 美和。 兄上…。 どねぇした? 401 00:39:18,024 --> 00:39:23,324 久米次郎… 久米次郎は どこです? 402 00:39:25,699 --> 00:39:31,037 ここには おらん。 えっ… では どこへ? 403 00:39:31,037 --> 00:39:35,875 久米次郎が心配なんです。 何か思い詰めとるようで…。 404 00:39:35,875 --> 00:39:39,175 大丈夫じゃ。 405 00:39:43,616 --> 00:39:46,986 久米次郎が置いてった。 406 00:39:46,986 --> 00:39:50,657 読んでもええですか? ああ。 407 00:39:50,657 --> 00:39:57,330 (久米次郎)「私は 何もせず ただ逃げているだけでした。➡ 408 00:39:57,330 --> 00:40:02,630 父上のように これからは 己に向き合いたいと思います」。 409 00:40:04,671 --> 00:40:07,971 久米次郎…。 410 00:40:16,282 --> 00:40:18,218 どうしましょう? 411 00:40:18,218 --> 00:40:21,221 この雨で崖が崩れて 町への道が塞がれたと➡ 412 00:40:21,221 --> 00:40:24,691 今 知らせが。 えっ? 413 00:40:24,691 --> 00:40:29,391 (雷鳴) 414 00:40:38,238 --> 00:40:42,242 [ 回想 ] 私は この村に知り合いがいるんで そこに泊まりますが➡ 415 00:40:42,242 --> 00:40:46,242 お二人は 近くの宿屋へ。 416 00:40:52,385 --> 00:40:57,056 すいませんね。 あいにく 部屋が一つきしゃ空いてなくって。 417 00:40:57,056 --> 00:41:00,056 では どうぞ ごゆっくり。 418 00:41:02,929 --> 00:41:07,400 久米次郎は 雨が降りだす前に帰ったそうじゃ。 419 00:41:07,400 --> 00:41:10,400 よかった…。 420 00:41:14,741 --> 00:41:18,041 どうしましょう…。 421 00:41:24,751 --> 00:41:27,420 しかたない。 422 00:41:27,420 --> 00:42:30,750 ♬~ 423 00:42:30,750 --> 00:42:36,450 [ 回想 ] よろしくな。 お前は 俺の妹じゃ。 424 00:42:40,560 --> 00:42:47,260 ≪(雨の音) 425 00:42:54,374 --> 00:43:01,247 そのころ 事件は起きようとしていた。 426 00:43:01,247 --> 00:43:14,547 ♬~ 427 00:43:16,396 --> 00:43:20,066 県令様ときたら 美和さんと 宿にお泊まりだったっつうよ。 428 00:43:20,066 --> 00:43:22,402 やましい事なんぞ 何もありません。 429 00:43:22,402 --> 00:43:24,337 諦めるつもりはない。 430 00:43:24,337 --> 00:43:28,074 私は もう いらんのかもしれませんね。 431 00:43:28,074 --> 00:43:31,374 私 この家を出ます。 432 00:43:33,346 --> 00:43:40,019 <赤城山の麓にある原之郷の農家に 船津伝次平は 生まれました。➡ 433 00:43:40,019 --> 00:43:47,694 伝次平は さまざまな農作物の 栽培方法の研究に取り組みます。➡ 434 00:43:47,694 --> 00:43:51,564 従来の太陰暦に代わり 新たに採用された➡ 435 00:43:51,564 --> 00:43:55,568 太陽暦に合わせて 一年の農作業を書き込んだ➡ 436 00:43:55,568 --> 00:43:58,705 「太陽暦耕作一覧」は➡ 437 00:43:58,705 --> 00:44:04,043 県内の農家に配られ 喜ばれました。➡ 438 00:44:04,043 --> 00:44:07,914 また 水不足を解消するため➡ 439 00:44:07,914 --> 00:44:11,918 赤城山の山麓に 30万本の植林を行い➡ 440 00:44:11,918 --> 00:44:16,622 山頂にある大沼から 水を引く計画を立てるなど➡ 441 00:44:16,622 --> 00:44:21,394 村人たちのために 尽力したといいます。➡ 442 00:44:21,394 --> 00:44:27,734 明治10年 政府は 農業の生産力向上のため➡ 443 00:44:27,734 --> 00:44:30,403 全国から指導者を募集。➡ 444 00:44:30,403 --> 00:44:37,010 ただ一人選ばれたのが 楫取が推薦した伝次平でした。➡ 445 00:44:37,010 --> 00:44:41,681 その後 東京大学農学部の前身である➡ 446 00:44:41,681 --> 00:44:45,351 駒場農学校の教師となった 伝次平は➡ 447 00:44:45,351 --> 00:44:48,688 農業技術の改良や普及に努め➡ 448 00:44:48,688 --> 00:44:54,388 日本の農業の近代化に 大きく貢献するのです> 449 00:45:36,235 --> 00:45:39,906 張った 張った! 丁半どっちも! 半! 450 00:45:39,906 --> 00:45:42,575 丁! 半! 丁! 451 00:45:42,575 --> 00:45:45,078 半方ないか? 半方ないか? (お絹)半! 452 00:45:45,078 --> 00:45:47,980 丁半 駒そろいました。 勝負! 453 00:45:47,980 --> 00:45:50,283 誰や? あの女。 454 00:45:50,283 --> 00:45:54,454 このごろ たまに顔見せんのやけど 一体 どこの何者なんか。 455 00:45:54,454 --> 00:46:01,954 そやけど ええ度胸やないか。 女だてらにな。 ハハハハ。