1 00:00:33,684 --> 00:00:36,620 空襲が激しくなる中➡ 2 00:00:36,620 --> 00:00:40,424 花子は 家中の原稿用紙をかき集め➡ 3 00:00:40,424 --> 00:00:46,424 「ANNE of GREEN GABLES」の翻訳に 取りかかりました。 4 00:00:48,098 --> 00:00:54,972 そして 学徒出陣で陸軍に入り 訓練を受けていた純平が➡ 5 00:00:54,972 --> 00:00:58,742 1年ぶりに 蓮子のもとに帰ってきました。 6 00:00:58,742 --> 00:01:00,678 (蓮子)お帰りなさい! 7 00:01:00,678 --> 00:01:03,978 (純平) 特別休暇がもらえましたので。 8 00:01:05,649 --> 00:01:08,118 ♬「これから はじまる」 9 00:01:08,118 --> 00:01:11,021 ♬「あなたの 物語」 10 00:01:11,021 --> 00:01:15,793 ♬「ずっと長く 道は続くよ」 11 00:01:15,793 --> 00:01:20,464 ♬「虹色の雨 降り注げば」 12 00:01:20,464 --> 00:01:25,803 ♬「空は 高鳴る」 13 00:01:25,803 --> 00:01:31,141 ♬「眩しい笑顔の奥に」 14 00:01:31,141 --> 00:01:36,413 ♬「悲しい音がする」 15 00:01:36,413 --> 00:01:41,752 ♬「寄りそって 今があって」 16 00:01:41,752 --> 00:01:49,426 ♬「こんなにも 愛おしい」 17 00:01:49,426 --> 00:01:54,098 ♬「手を繋げば 温かいこと」 18 00:01:54,098 --> 00:01:59,970 ♬「嫌いになれば 一人になってくこと」 19 00:01:59,970 --> 00:02:04,441 ♬「ひとつひとつが あなたになる」 20 00:02:04,441 --> 00:02:09,441 ♬「道は 続くよ」 21 00:02:18,789 --> 00:02:23,489 おばあ様 ただいま帰りました。 22 00:02:25,462 --> 00:02:29,133 この辺りは 空襲で燃えなかったんですね。 23 00:02:29,133 --> 00:02:33,737 東京で空襲が始まってから 心配していました。 24 00:02:33,737 --> 00:02:36,407 今 どこにいるの? 25 00:02:36,407 --> 00:02:42,746 すいません…。 軍機だから お母様にも言えません。 26 00:02:42,746 --> 00:02:48,085 そう…。 いつまでいられるの? 27 00:02:48,085 --> 00:02:50,754 明日の午後 たちます。 28 00:02:50,754 --> 00:02:53,657 じゃあ 今夜は 泊まれるのね? 29 00:02:53,657 --> 00:02:56,427 よろしいですか? 30 00:02:56,427 --> 00:03:02,427 当たり前じゃないの。 ここは あなたのおうちですよ。 31 00:03:04,768 --> 00:03:09,440 父上は あれから 連絡はありませんか? 32 00:03:09,440 --> 00:03:12,342 ええ…。 33 00:03:12,342 --> 00:03:15,342 そうですか…。 34 00:03:19,783 --> 00:03:24,655 ねえ お夕食は 何がいいかしら? 35 00:03:24,655 --> 00:03:27,458 手に入るものは 限られているけれど…。 36 00:03:27,458 --> 00:03:32,062 お母様の作るものであれば 何でも。 37 00:03:32,062 --> 00:03:38,402 まあ。 そんなお世辞まで 言えるようになったのね。 38 00:03:38,402 --> 00:03:49,747 ♬~ 39 00:03:49,747 --> 00:03:52,447 (かよ)蓮子さん! 40 00:03:54,418 --> 00:03:58,088 ごきげんよう。 ご無沙汰しております。 41 00:03:58,088 --> 00:04:01,425 こちらこそ。 あっ どうぞ。 42 00:04:01,425 --> 00:04:05,125 本当にお久しぶりです。 43 00:04:10,434 --> 00:04:13,771 今日は お願いがあって参りました。 44 00:04:13,771 --> 00:04:16,106 はい。 45 00:04:16,106 --> 00:04:21,806 入営している純平が つい先ほど 休暇で帰ってまいりましたの。 46 00:04:23,981 --> 00:04:26,750 お恥ずかしい話ですが➡ 47 00:04:26,750 --> 00:04:32,750 今晩 食べさせてやるものが 何もなくて困っているんです。 48 00:04:34,391 --> 00:04:40,391 分かりました。 そういう事なら。 ちょっと待ってて下さいね。 49 00:04:48,739 --> 00:04:51,074 (花子)純平君? 50 00:04:51,074 --> 00:04:54,374 大変 ご無沙汰しております。 51 00:04:56,413 --> 00:05:02,085 お母様 お変わりない? おかげさまで。 52 00:05:02,085 --> 00:05:09,426 実は… お母様と しばらくお会いしていないの。 53 00:05:09,426 --> 00:05:13,297 やはり そうでしたか。 えっ? 54 00:05:13,297 --> 00:05:20,070 母は 以前 花子おば様の事を よく 僕たちに話していました。 55 00:05:20,070 --> 00:05:23,774 本当に楽しそうに。 56 00:05:23,774 --> 00:05:30,113 でも… ある時から パタリと何も言わなくなりました。 57 00:05:30,113 --> 00:05:35,919 ごめんなさい…。 私たち 衝突してしまったの。 58 00:05:35,919 --> 00:05:38,722 お互い譲れない事があって…。 59 00:05:38,722 --> 00:05:43,594 みんな 離れていきます。 60 00:05:43,594 --> 00:05:49,366 うちは 父も母も変わってますから。 61 00:05:49,366 --> 00:05:51,301 そんな…。 62 00:05:51,301 --> 00:05:54,738 母の事が心配です。 63 00:05:54,738 --> 00:05:57,074 花子おば様。 64 00:05:57,074 --> 00:06:02,074 何かあった時は 母を助けてやって下さい! 65 00:06:05,415 --> 00:06:08,752 お願いします! 66 00:06:08,752 --> 00:06:12,452 純平君…。 67 00:06:16,426 --> 00:06:22,726 どうしても それだけを 花子おば様にお願いしたくて。 68 00:06:26,103 --> 00:06:29,439 お邪魔しました! 69 00:06:29,439 --> 00:06:33,439 ま… 待って! 純平君。 70 00:06:40,384 --> 00:06:45,684 これ 今夜 皆さんで召し上がって。 71 00:06:48,058 --> 00:06:51,758 お母様もお好きなブドウ酒よ。 72 00:06:53,397 --> 00:06:57,067 いいんですか? こんなに貴重なもの…。 73 00:06:57,067 --> 00:06:59,403 味は 保証できないの。 74 00:06:59,403 --> 00:07:03,103 甲府の実家の父が造った ブドウ酒だから。 75 00:07:06,076 --> 00:07:09,776 遠慮なく頂きます。 76 00:07:11,415 --> 00:07:15,715 純平君。 はい。 77 00:07:17,754 --> 00:07:23,093 うちの歩も生きていたら あなたと同じように➡ 78 00:07:23,093 --> 00:07:26,793 今頃 兵隊さんになって 出征していたはず。 79 00:07:28,432 --> 00:07:33,270 あなたを送り出す 蓮子さんの気持ちを思うと➡ 80 00:07:33,270 --> 00:07:35,570 たまらないの。 81 00:07:39,042 --> 00:07:45,742 お母様のために 必ず帰ってきなさい。 82 00:07:48,051 --> 00:07:55,751 母の事 どうか どうか よろしくお願いします! 83 00:07:59,396 --> 00:08:02,096 純平君…。 84 00:08:04,067 --> 00:08:06,970 (純平)どうしたんですか? こんな ごちそう! 85 00:08:06,970 --> 00:08:11,942 まるで おとぎの国から魔法使いが やって来たみたいでしょう? 86 00:08:11,942 --> 00:08:18,081 (富士子)ただいま帰りました。 お帰りなさい。 87 00:08:18,081 --> 00:08:20,417 お帰り 富士子。 88 00:08:20,417 --> 00:08:24,087 お兄様! どうしたの? 89 00:08:24,087 --> 00:08:26,990 何でもない。 ただの休暇だ。 90 00:08:26,990 --> 00:08:30,427 まあ すごいごちそう! 91 00:08:30,427 --> 00:08:33,030 さあ ごはんにしましょう。 92 00:08:33,030 --> 00:08:38,368 お鍋なんて何年ぶりかしら。 もっと よく見たいわ。 93 00:08:38,368 --> 00:08:41,068 (純平)ああ 富士子。 94 00:08:48,378 --> 00:08:50,313 これは? 95 00:08:50,313 --> 00:08:53,717 ああ… 大学の友人から もらってきたんだ。 96 00:08:53,717 --> 00:08:57,587 今どき 珍しいだろ? ブドウ酒なんて。➡ 97 00:08:57,587 --> 00:09:01,287 さあ 頂こう! 98 00:09:05,328 --> 00:09:09,733 お母様は もう飲まないんですか? 99 00:09:09,733 --> 00:09:14,404 何だか 今日は 胸がいっぱいで…。 純平 召し上がれ。 100 00:09:14,404 --> 00:09:17,404 はい。 101 00:09:23,080 --> 00:09:28,080 ああ… うまい。 102 00:09:30,954 --> 00:09:36,654 そのブドウ酒は 甲府のではないかしら? 103 00:09:41,031 --> 00:09:43,731 そうなのね。 104 00:09:45,368 --> 00:09:51,241 実は 今日 花子おば様に会ってきました。 105 00:09:51,241 --> 00:09:55,378 そう…。 106 00:09:55,378 --> 00:10:00,050 はなちゃん 元気だった? 107 00:10:00,050 --> 00:10:07,750 はい。 お母様の事を お願いしてきました。 108 00:10:11,061 --> 00:10:14,731 花子おば様に言われました。 109 00:10:14,731 --> 00:10:21,031 「お母様のためにも 無事に帰ってきなさい」と。 110 00:10:23,073 --> 00:10:25,742 でも 僕は➡ 111 00:10:25,742 --> 00:10:31,081 お母様や富士子のために 戦って死ぬなら➡ 112 00:10:31,081 --> 00:10:34,081 悔いはありません。 113 00:10:37,420 --> 00:10:40,757 純平。 114 00:10:40,757 --> 00:10:45,757 親より先に死ぬくらい 親不孝な事は ないのよ。 115 00:10:47,430 --> 00:10:52,730 お母様 そんな事 言わないで下さい。 116 00:10:55,305 --> 00:11:01,978 どうか 明日は笑顔で 送り出して下さい。 117 00:11:01,978 --> 00:11:13,123 ♬~ 118 00:11:13,123 --> 00:11:18,423 お母様 行ってまいります。 119 00:11:23,133 --> 00:11:26,469 お元気で。 120 00:11:26,469 --> 00:11:40,417 ♬~ 121 00:11:40,417 --> 00:11:43,417 純平! 122 00:11:52,996 --> 00:11:59,296 武運長久を祈っています。 123 00:12:06,443 --> 00:12:09,779 はい! 124 00:12:09,779 --> 00:12:24,794 ♬~ 125 00:12:24,794 --> 00:12:35,071 ♬~ 126 00:12:35,071 --> 00:12:41,745 [ 心の声 ] 「曲がり角を曲がった先に 何があるのかは分からないの。➡ 127 00:12:41,745 --> 00:12:45,081 でも それは きっと…」。 128 00:12:45,081 --> 00:12:47,017 (空襲警報) 129 00:12:47,017 --> 00:12:52,956 [ 心の声 ] 「きっと 一番よいものに 違いないと思うの」。 130 00:12:52,956 --> 00:12:55,091 (空襲警報) 131 00:12:55,091 --> 00:12:58,791 美里! 美里! 132 00:13:01,431 --> 00:13:04,100 (有馬)「東部軍管区司令部発表。➡ 133 00:13:04,100 --> 00:13:07,771 22時15分現在 敵機の第1目標は➡ 134 00:13:07,771 --> 00:13:12,108 相模湾より逐次 帝都南西部地区に 侵入するもようであります。➡ 135 00:13:12,108 --> 00:13:14,044 繰り返します」。 136 00:13:14,044 --> 00:13:17,781 (美里)お父様は!? 夜勤で遅くなるの。 137 00:13:17,781 --> 00:13:37,734 (空襲警報と飛行機のエンジン音) 138 00:13:37,734 --> 00:13:40,403 ありがとう。 139 00:13:40,403 --> 00:13:43,703 (爆撃音) 140 00:13:46,076 --> 00:13:50,413 お母様。 美里… 大丈夫? 141 00:13:50,413 --> 00:13:53,083 逃げましょう。 142 00:13:53,083 --> 00:14:22,112 ♬~ 143 00:14:22,112 --> 00:14:24,781 美里! 逃げましょう! 144 00:14:24,781 --> 00:14:27,450 (爆撃音) 145 00:14:27,450 --> 00:14:30,750 (悲鳴) 146 00:14:37,060 --> 00:14:39,396 大丈夫よ。 147 00:14:39,396 --> 00:14:44,267 (飛行機のエンジン音) 148 00:14:44,267 --> 00:14:48,738 焼夷弾が雨のように降る町を 逃げながら➡ 149 00:14:48,738 --> 00:14:52,075 花子は 祈りました。 150 00:14:52,075 --> 00:14:57,414 生きた証しとして この本だけは 訳したい。 151 00:14:57,414 --> 00:15:02,085 花子の祈りは 届くのでしょうか。 152 00:15:02,085 --> 00:15:06,785 ごきげんよう。 さようなら。 153 00:15:44,461 --> 00:15:48,231 >>雨が激しく降り続いています。 154 00:15:48,231 --> 00:15:52,001 そして時折、稲光が光るのが分か ります。 155 00:15:54,037 --> 00:15:56,072 >>火曜日から、 156 00:15:56,072 --> 00:15:59,843 各地で猛烈な雨が降った北海道。