1 00:00:34,220 --> 00:00:36,956 (花子)もしもし 黒沢さん? 2 00:00:36,956 --> 00:00:38,891 村岡です。 3 00:00:38,891 --> 00:00:42,628 ああ… あの~…➡ 4 00:00:42,628 --> 00:00:48,301 ラジオ出演のお話 是非 受けさせて下さい。 5 00:00:48,301 --> 00:00:50,236 はい。 6 00:00:50,236 --> 00:00:52,638 ♬「これから はじまる」 7 00:00:52,638 --> 00:00:55,541 ♬「あなたの 物語」 8 00:00:55,541 --> 00:01:00,313 ♬「ずっと長く 道は続くよ」 9 00:01:00,313 --> 00:01:04,984 ♬「虹色の雨 降り注げば」 10 00:01:04,984 --> 00:01:10,323 ♬「空は 高鳴る」 11 00:01:10,323 --> 00:01:15,661 ♬「眩しい笑顔の奥に」 12 00:01:15,661 --> 00:01:20,533 ♬「悲しい音がする」 13 00:01:20,533 --> 00:01:26,005 ♬「寄りそって 今があって」 14 00:01:26,005 --> 00:01:33,813 ♬「こんなにも 愛おしい」 15 00:01:33,813 --> 00:01:38,584 ♬「手を繋げば 温かいこと」 16 00:01:38,584 --> 00:01:44,490 ♬「嫌いになれば 一人になってくこと」 17 00:01:44,490 --> 00:01:49,228 ♬「ひとつひとつが あなたになる」 18 00:01:49,228 --> 00:01:53,928 ♬「道は 続くよ」 19 00:02:05,645 --> 00:02:08,645 (ふじ)お帰り。 20 00:02:10,316 --> 00:02:13,616 ずっと待ってるだよ。 21 00:02:19,325 --> 00:02:21,625 (吉太郎)醍醐さん? 22 00:02:26,198 --> 00:02:33,839 (吉平)おお あんたは はなの女学校からの友達の…。 23 00:02:33,839 --> 00:02:39,946 (醍醐)お義父様 吉太郎さん 突然 押しかけまして…。 24 00:02:39,946 --> 00:02:43,816 醍醐さん どうして ここに? 25 00:02:43,816 --> 00:02:49,288 直接 吉太郎さんに お伝えしに来たんです。 26 00:02:49,288 --> 00:02:54,961 私が… どれほど怒っているか。 27 00:02:54,961 --> 00:02:56,896 えっ? 28 00:02:56,896 --> 00:02:59,298 ずっと捜してたんですよ! 29 00:02:59,298 --> 00:03:04,170 心配で心配で 夜も眠れなくて…。 30 00:03:04,170 --> 00:03:10,643 そんなに心配かけていたとは… すみませんでした。 31 00:03:10,643 --> 00:03:14,981 もう これ以上 吉太郎さんを 待っていられません! 32 00:03:14,981 --> 00:03:17,316 これ以上 待ってたら➡ 33 00:03:17,316 --> 00:03:20,616 よぼよぼのおばあちゃんに なってしまいます。 34 00:03:22,655 --> 00:03:29,328 私も 吉太郎さんと一緒に ブドウ酒を造ります! 35 00:03:29,328 --> 00:03:34,166 てっ? (2人)て~っ。 36 00:03:34,166 --> 00:03:39,605 お義父様 お義母様。 37 00:03:39,605 --> 00:03:43,476 私 お料理もお掃除も ちっとも得意ではありませんが➡ 38 00:03:43,476 --> 00:03:46,278 これから 必死に努力致します。 39 00:03:46,278 --> 00:03:52,618 ですから… 私を ここに置いて下さい。 40 00:03:52,618 --> 00:03:54,954 あの… 醍醐さん。 41 00:03:54,954 --> 00:04:00,654 私 帰れと言われても 帰りませんから。 42 00:04:03,629 --> 00:04:08,300 あなたは… いつも肝心な事を➡ 43 00:04:08,300 --> 00:04:12,171 自分から どんどん先に 言ってしまう! 44 00:04:12,171 --> 00:04:15,871 ごめんなさい 私…。 45 00:04:20,312 --> 00:04:26,652 おとう。 おかあ。 46 00:04:26,652 --> 00:04:33,352 おら この人と一緒んなりてえ。 47 00:04:39,598 --> 00:04:46,898 こんなボロ家に 本当に来てくれるんですか? 48 00:04:48,941 --> 00:04:52,812 はい…。 49 00:04:52,812 --> 00:04:56,282 はい! 50 00:04:56,282 --> 00:05:03,622 (リン)てっ! 吉太郎が やっとこさ結婚するだと!? 51 00:05:03,622 --> 00:05:05,958 てっ リンさん。 52 00:05:05,958 --> 00:05:11,258 あっ おら ちょっくら 用事を思い出したさ。 53 00:05:15,301 --> 00:05:19,638 あ… あ~ 行っちまった。 あ~。 54 00:05:19,638 --> 00:05:27,313 こりゃあ あっという間に 村中に知れ渡るらな。 55 00:05:27,313 --> 00:05:32,613 (笑い声) 56 00:05:39,592 --> 00:05:46,932 年が明け 花子が5年ぶりに ラジオに 出演する日がやって来ました。 57 00:05:46,932 --> 00:05:50,269 ご無沙汰しております。 ご無沙汰しております。 58 00:05:50,269 --> 00:05:54,140 (黒沢)村岡先生と また こうして ご一緒できた事➡ 59 00:05:54,140 --> 00:05:56,142 本当にうれしいです。 60 00:05:56,142 --> 00:06:00,913 こちらこそ 黒沢さんが いて下さって心強いです。 61 00:06:00,913 --> 00:06:04,283 今は GHQの 厳しい統制下に置かれていて➡ 62 00:06:04,283 --> 00:06:07,283 以前とは違う ご不便を おかけするかもしれませんが…。 63 00:06:08,954 --> 00:06:11,254 ママさん? 64 00:06:24,970 --> 00:06:26,970 チビ…。 65 00:06:36,582 --> 00:06:40,882 あっ この万年筆は 父の形見で…。 66 00:06:47,927 --> 00:06:49,927 Mister. 67 00:06:58,571 --> 00:07:00,871 村岡先生。 68 00:07:18,290 --> 00:07:21,290 Be quiet! 69 00:08:09,942 --> 00:08:13,612 (黒沢)あの… 何と? 70 00:08:13,612 --> 00:08:17,912 「部下の非礼をお詫びします」と おっしゃっています。 71 00:08:33,899 --> 00:08:45,244 ♬~ 72 00:08:45,244 --> 00:08:52,584 そろそろ はなのラジオが始まるら。 73 00:08:52,584 --> 00:08:56,922 おとう 無理しちゃ駄目じゃん。 74 00:08:56,922 --> 00:09:02,922 今日は 気分がいいだ。 75 00:09:05,597 --> 00:09:10,269 はなさん 今日は 何のお話をするのかしら? 76 00:09:10,269 --> 00:09:15,140 (アナウンサー)「皆さん 本日は 『ごきげんよう』でおなじみの➡ 77 00:09:15,140 --> 00:09:19,140 村岡花子さんをお招きしました」。 78 00:09:21,280 --> 00:09:28,620 全国の皆さん ごきげんよう。 村岡花子です。 79 00:09:28,620 --> 00:09:31,957 村岡さん どうぞ よろしくお願い致します。 80 00:09:31,957 --> 00:09:34,226 よろしくお願い致します。 81 00:09:34,226 --> 00:09:39,098 「村岡さんは 英語の 翻訳家としても ご活躍ですが➡ 82 00:09:39,098 --> 00:09:42,568 どのようにして 英語を学ばれたんですか?」。 83 00:09:42,568 --> 00:09:47,906 「修和女学校で カナダのすばらしい 宣教師の先生方から…」。 84 00:09:47,906 --> 00:09:52,244 「ごきげんよう」のおばさんの声 懐かしいな。 85 00:09:52,244 --> 00:09:59,244 俺 尋常小学校の頃 毎日 楽しみにラジオ聞いてたよ。 86 00:10:00,919 --> 00:10:04,790 (かよ)よかったら これ どうぞ。 おまけです。 87 00:10:04,790 --> 00:10:07,593 (宇田川)また ラジオに出るなんて➡ 88 00:10:07,593 --> 00:10:14,266 「みみずの女王」も懲りないわね。 89 00:10:14,266 --> 00:10:17,936 「そこの本を ほとんど全部 読んでしまったので➡ 90 00:10:17,936 --> 00:10:23,609 『あなたのために 図書室を増築しなければ』と➡ 91 00:10:23,609 --> 00:10:27,479 冗談で言われた事もありました」。 92 00:10:27,479 --> 00:10:31,483 翻訳という仕事に 興味を持ったのも➡ 93 00:10:31,483 --> 00:10:37,623 修和女学校で学んでいた時でした。 94 00:10:37,623 --> 00:10:41,623 [ 回想 ] (蓮子)脚本 最後まで読みました。 95 00:10:43,295 --> 00:10:47,966 率直に感動致しました。 96 00:10:47,966 --> 00:10:52,838 あなた やっぱり 翻訳力だけは 大したものだわ。 97 00:10:52,838 --> 00:11:02,838 腹心の友が 翻訳の道へと 進む勇気をくれたのです。 98 00:11:07,986 --> 00:11:11,323 はなちゃん…。 99 00:11:11,323 --> 00:11:13,992 (アナウンサー)では 最初に 英語を教えて下さったのも➡ 100 00:11:13,992 --> 00:11:17,863 修和女学校の先生方ですか? 101 00:11:17,863 --> 00:11:21,667 いいえ。 102 00:11:21,667 --> 00:11:28,340 私に 最初に 英語を教えてくれたのは 父です。 103 00:11:28,340 --> 00:11:35,147 てっ… 俺のこんけ。 104 00:11:35,147 --> 00:11:40,285 「幼い頃から 本が大好きだった私を見て➡ 105 00:11:40,285 --> 00:11:46,959 父は 修和女学校に入れようと 思いついたのです」。 106 00:11:46,959 --> 00:11:50,829 うちは 貧しい農家でしたが➡ 107 00:11:50,829 --> 00:11:55,300 私が給費生として 編入できるように➡ 108 00:11:55,300 --> 00:11:57,970 父は 奔走してくれました。 109 00:11:57,970 --> 00:12:00,639 [ 回想 ] 東京の女学校へ行ったら➡ 110 00:12:00,639 --> 00:12:03,308 大好きな本が なんぼうでも読めるだぞ。 111 00:12:03,308 --> 00:12:05,244 本当? 112 00:12:05,244 --> 00:12:07,646 毎日 思っきし 本が読めるんじゃ。 113 00:12:07,646 --> 00:12:10,549 ほういう学校に行きてえか? うん! 114 00:12:10,549 --> 00:12:14,319 よ~し! おとうに任しとけ! 115 00:12:14,319 --> 00:12:19,658 10歳の時 初めて 故郷の甲府を出て➡ 116 00:12:19,658 --> 00:12:28,000 東京へ向かう汽車の中で 父が英語を教えてくれました。 117 00:12:28,000 --> 00:12:30,903 [ 回想 ] グッド モーニング。 グッド アフタヌーン。 グッド イブニングじゃ。 118 00:12:30,903 --> 00:12:36,608 何でえ ほれ。 何かの… 呪文け? 119 00:12:36,608 --> 00:12:39,511 朝は グッド モーニング。 120 00:12:39,511 --> 00:12:42,281 グッド モーニング…。 121 00:12:42,281 --> 00:12:44,616 昼は グッド アフタヌーン。 122 00:12:44,616 --> 00:12:48,287 グッド アフタヌーン…。 そうじゃ。 123 00:12:48,287 --> 00:12:51,190 いつも 突拍子もない事をして➡ 124 00:12:51,190 --> 00:12:56,161 母や私たち兄妹を ハラハラさせる父ですが➡ 125 00:12:56,161 --> 00:12:59,898 あの おとうがいなかったら➡ 126 00:12:59,898 --> 00:13:04,836 私は 英語に出会う事も➡ 127 00:13:04,836 --> 00:13:11,310 翻訳の道へと進む事も ありませんでした。 128 00:13:11,310 --> 00:13:16,648 はな…。 129 00:13:16,648 --> 00:13:19,985 外国の言葉を知るという事は➡ 130 00:13:19,985 --> 00:13:26,325 それだけ 多くの心の窓を持つという事です。 131 00:13:26,325 --> 00:13:34,600 戦時中は その窓も 閉ざさなければいけませんでした。 132 00:13:34,600 --> 00:13:43,942 さあ 心の窓を大きく開けて 一歩を踏み出しましょう。 133 00:13:43,942 --> 00:13:48,614 それぞれに 戦争のむごさや➡ 134 00:13:48,614 --> 00:13:53,485 家族を失う悲しみを 経験しましたが➡ 135 00:13:53,485 --> 00:14:00,225 勇気を出して歩いていけば➡ 136 00:14:00,225 --> 00:14:08,300 その先には きっと 一番よいものが待っていると➡ 137 00:14:08,300 --> 00:14:11,970 私は 信じています。 138 00:14:11,970 --> 00:14:30,322 ♬~ 139 00:14:30,322 --> 00:14:34,022 あんた。 140 00:14:40,932 --> 00:14:44,232 あ…。 141 00:14:46,805 --> 00:14:54,505 花子の声を聞きながら 吉平は 息を引き取りました。 142 00:15:00,285 --> 00:15:05,585 ごきげんよう。 さようなら。 143 00:15:41,560 --> 00:15:43,578 >>わー、きれいな絵はがき。 144 00:15:45,647 --> 00:15:49,418 >>絵はがきではありません。 北海道の最高峰、 145 00:15:49,418 --> 00:15:51,436 大雪山系の旭岳です。 146 00:15:51,436 --> 00:15:55,240 >>絵はがきじゃない証拠に、煙 がたなびいています。 147 00:15:55,240 --> 00:15:59,010 >>今週火曜日、平年より9日早 く、初冠雪を観測しました。