1 00:00:02,936 --> 00:00:06,607 (黒沢)ここに 社長は いません。 お帰り下さい。 2 00:00:06,607 --> 00:00:10,277 伝助の炭鉱で ガス爆発の事故が起こり➡ 3 00:00:10,277 --> 00:00:14,581 怒りを募らせた男たちが 乗り込んできました。 4 00:00:16,149 --> 00:00:23,624 (蓮子)ごきげんよう。 私に 何かご用でしょうか? 5 00:00:23,624 --> 00:00:26,293 ♬「これから はじまる」 6 00:00:26,293 --> 00:00:29,196 ♬「あなたの 物語」 7 00:00:29,196 --> 00:00:33,967 ♬「ずっと長く 道は続くよ」 8 00:00:33,967 --> 00:00:38,305 ♬「虹色の雨 降り注げば」 9 00:00:38,305 --> 00:00:43,977 ♬「空は 高鳴る」 10 00:00:43,977 --> 00:00:48,849 ♬「眩しい笑顔の奥に」 11 00:00:48,849 --> 00:00:54,321 ♬「悲しい音がする」 12 00:00:54,321 --> 00:00:59,660 ♬「寄りそって 今があって」 13 00:00:59,660 --> 00:01:07,267 ♬「こんなにも 愛おしい」 14 00:01:07,267 --> 00:01:11,939 ♬「手を繋げば 温かいこと」 15 00:01:11,939 --> 00:01:18,278 ♬「嫌いになれば 一人になってくこと」 16 00:01:18,278 --> 00:01:22,950 ♬「ひとつひとつが あなたになる」 17 00:01:22,950 --> 00:01:27,254 ♬「道は 続くよ」 18 00:01:35,529 --> 00:01:41,635 貴様 白蓮とかいう名で くだらん本ば出しちょるらしいな。 19 00:01:41,635 --> 00:01:46,306 くだらん本? 読んでから 批評なさって下さいね。 20 00:01:46,306 --> 00:01:48,241 あの本に いくら金かけたんか。 21 00:01:48,241 --> 00:01:50,177 お前だちが道楽できるとは➡ 22 00:01:50,177 --> 00:01:53,981 わしらが命懸けで石炭ば掘りよる おかげやろうが! あ? 23 00:01:53,981 --> 00:01:55,916 ご婦人に何をする! 24 00:01:55,916 --> 00:01:59,853 貴様 何者か? 私は 新聞記者です。 25 00:01:59,853 --> 00:02:02,789 このような無礼な振る舞い 記事にしますよ。 26 00:02:02,789 --> 00:02:06,259 ああ 上等たい! ばってん 新聞に書くとなら➡ 27 00:02:06,259 --> 00:02:08,595 わしらの怒りも全部書けよ! 28 00:02:08,595 --> 00:02:12,899 お前だちのぜいたくのために 仲間が命落としたとたい! 29 00:02:14,468 --> 00:02:17,270 心より お悔やみ申し上げます。 30 00:02:17,270 --> 00:02:20,607 けがして もう働けんごと なったもんも大層おる! 31 00:02:20,607 --> 00:02:23,944 それは… お気の毒に…。 32 00:02:23,944 --> 00:02:29,282 私 お見舞いに伺います。 どちらの病院でしょうか? 33 00:02:29,282 --> 00:02:31,618 見舞いやと? ふざくんな! 34 00:02:31,618 --> 00:02:35,288 お前だちが 仲間ば殺したも同然やろうが! 35 00:02:35,288 --> 00:02:38,191 責任ば取れ! どこにおると 社長は! 36 00:02:38,191 --> 00:02:40,494 (嘉納)やめんか! 37 00:02:42,629 --> 00:02:48,969 わしの留守中に 土足で 上がり込むとは 何たる無礼か! 38 00:02:48,969 --> 00:02:53,640 お… 俺たちの話を 聞こうとせんとが悪いとたい! 39 00:02:53,640 --> 00:02:56,943 誠意を見せろ! そうじゃ! 40 00:03:02,249 --> 00:03:08,121 分かった。 話は聞くき。 41 00:03:08,121 --> 00:03:13,593 タミ 座敷の方に。 (タミ)はい。 42 00:03:13,593 --> 00:03:16,596 こちらにどうぞ。 43 00:03:21,935 --> 00:03:27,274 怖か思いさせて すまんやったな。 大丈夫か。 44 00:03:27,274 --> 00:03:31,578 あなた。 仕事の場に おなごは邪魔やき。 45 00:03:35,148 --> 00:03:38,885 わしも ガキの頃から➡ 46 00:03:38,885 --> 00:03:44,825 真っ暗い穴ん中 はいつくばって 石炭掘りよった。 47 00:03:44,825 --> 00:03:52,499 そやき お前らの苦労も 仲間を思う気持ちも➡ 48 00:03:52,499 --> 00:03:56,636 誰よりも分かっちょるつもりたい。 49 00:03:56,636 --> 00:03:59,973 皆さんが来るち 分かっちょったら➡ 50 00:03:59,973 --> 00:04:02,242 いろいろと 用意しちょったばってん➡ 51 00:04:02,242 --> 00:04:08,582 こげなもんしか 用意できんとですけど➡ 52 00:04:08,582 --> 00:04:11,885 こらえちゃんなっせ。 53 00:04:18,258 --> 00:04:22,129 (嘉納)近いうち 必ず話し合いの場を持つき➡ 54 00:04:22,129 --> 00:04:27,834 そん時までに そちらの要望を まとめちょってくれんね。 55 00:04:37,611 --> 00:04:41,948 私 許せません! はい? 56 00:04:41,948 --> 00:04:45,285 ろくに話し合う事もしないで お金を渡したんじゃ➡ 57 00:04:45,285 --> 00:04:47,621 何の解決にもならないでしょう! 58 00:04:47,621 --> 00:04:50,524 これが この家の 昔からのやり方ですき。 59 00:04:50,524 --> 00:04:53,293 あんな大金を 勝手に支払うなんて! 60 00:04:53,293 --> 00:04:56,963 うちは 旦那様から信用されて 預かっちょるとです。 61 00:04:56,963 --> 00:04:59,299 それが何か? 62 00:04:59,299 --> 00:05:04,137 妻である私に そんな口を利いて いいと思っているの!? 63 00:05:04,137 --> 00:05:09,910 妻! 妻らしい事やら 何一つしよらん人は➡ 64 00:05:09,910 --> 00:05:13,780 人形らしゅう 黙っちょきゃあいいとたい! 65 00:05:13,780 --> 00:05:16,783 何ですって…。 66 00:05:25,458 --> 00:05:28,929 2人とも やめんか。 67 00:05:28,929 --> 00:05:32,599 先に奥様の方が 手を出したとですよ。 68 00:05:32,599 --> 00:05:35,502 離しなさい! 69 00:05:35,502 --> 00:05:42,209 とんでもねえ伯爵家の娘ばい。 ハッハッハッハ。 70 00:05:44,211 --> 00:05:50,217 こんな家にいたら 私だって おかしくなります! 71 00:05:54,854 --> 00:05:57,824 あ~ 痛か。 72 00:05:57,824 --> 00:06:04,130 (伝助の笑い声) 73 00:06:07,234 --> 00:06:10,904 「主人にとって 私は➡ 74 00:06:10,904 --> 00:06:15,775 床の間に飾られた人形に すぎないのです。➡ 75 00:06:15,775 --> 00:06:18,578 どんなに財産があっても➡ 76 00:06:18,578 --> 00:06:22,449 生きがいのない毎日は むなしい。➡ 77 00:06:22,449 --> 00:06:28,755 今すぐにでも逃げ出したい。 けれど…」。 78 00:06:30,590 --> 00:06:36,596 (嘉納)俺たい。 ちょっと よかろうか。 79 00:06:41,601 --> 00:06:44,938 何でございましょう? 80 00:06:44,938 --> 00:06:51,645 今日は いろいろ すまんやったな。 81 00:06:53,280 --> 00:06:58,618 もう結構です。 よく分かりました。 82 00:06:58,618 --> 00:07:03,890 私が この家で いかに軽く見られているか。 83 00:07:03,890 --> 00:07:06,559 何を言いよるとか。 84 00:07:06,559 --> 00:07:10,430 爆発事故の事すら 知らされていなかったんですよ。 85 00:07:10,430 --> 00:07:19,906 お前は… 仕事ん事は 知らんでいいと…。 86 00:07:19,906 --> 00:07:22,809 どうかなさったんですか? 87 00:07:22,809 --> 00:07:26,780 いや どげんもない…。 88 00:07:26,780 --> 00:07:30,550 あっ! 89 00:07:30,550 --> 00:07:33,853 あなた! 90 00:07:35,922 --> 00:07:38,258 誰か! 早く お医者様を! 91 00:07:38,258 --> 00:07:41,161 あなた! あなた しっかりして下さい! 92 00:07:41,161 --> 00:07:46,599 (医者)当分 しっかり 安静にさせちょって下さい。 93 00:07:46,599 --> 00:07:48,535 はい。 94 00:07:48,535 --> 00:07:52,472 嘉納さんは この地には なくてはならん お人やき➡ 95 00:07:52,472 --> 00:07:56,609 何かあったら すぐ 知らせちゃんなっせよ。 96 00:07:56,609 --> 00:08:01,314 どうも ありがとうございました。 97 00:08:10,156 --> 00:08:13,560 旦那様 お気の毒に…。 98 00:08:13,560 --> 00:08:17,263 主人に触らないで下さい。 99 00:08:19,232 --> 00:08:23,103 主人の看病は 私が致します。 100 00:08:23,103 --> 00:08:26,906 お湯も沸かせんげな奥様が 旦那様の看病げな…。 101 00:08:26,906 --> 00:08:30,777 出てってちょうだい! ほら 早く! 102 00:08:30,777 --> 00:08:33,246 何しよっとですか。 103 00:08:33,246 --> 00:09:30,437 ♬~ 104 00:09:30,437 --> 00:09:33,740 (嘉納)ううん…。 105 00:09:36,142 --> 00:09:39,846 ご気分は いかがですか? 106 00:09:42,582 --> 00:09:46,886 だいぶ ようなった。 107 00:09:50,256 --> 00:09:53,927 うっ! ああ…。 108 00:09:53,927 --> 00:09:59,632 まさか お前が 看病しちゃるとはなあ。 109 00:10:01,801 --> 00:10:05,805 倒れてみるもんばい。 110 00:10:10,276 --> 00:10:18,585 今は 仕事の事は忘れて ゆっくりと静養なさって下さい。 111 00:10:26,626 --> 00:10:32,632 召し上がりますか? ああ もらおうか。 112 00:10:40,974 --> 00:10:44,310 熱っ! あ… ご… ごめんなさい! 113 00:10:44,310 --> 00:10:47,647 熱か。 114 00:10:47,647 --> 00:10:52,318 蓮子が柄にもなく 夫の看病をしている頃➡ 115 00:10:52,318 --> 00:10:55,221 はなは…。 116 00:10:55,221 --> 00:11:10,803 ♬~ 117 00:11:10,803 --> 00:11:13,606 「あなたは いつになったら➡ 118 00:11:13,606 --> 00:11:17,277 安東花子の名前で 本を出すのですか?➡ 119 00:11:17,277 --> 00:11:19,612 ぐずぐずしていると➡ 120 00:11:19,612 --> 00:11:22,949 おばあちゃんに なってしまいますわよ」。 121 00:11:22,949 --> 00:11:48,174 ♬~ 122 00:11:48,174 --> 00:11:53,913 「物語を書きたい。 何か書かなければ」と➡ 123 00:11:53,913 --> 00:11:59,919 焦れば焦るほど 自分に いらだってしまう はなでした。 124 00:12:07,460 --> 00:12:10,930 (吉平)あれっから ももは 何か言ってたけ? 125 00:12:10,930 --> 00:12:16,269 (ふじ)何かって?ふんだから 北海道の縁談の事じゃ。 126 00:12:16,269 --> 00:12:19,172 別に 何も。 127 00:12:19,172 --> 00:12:22,141 ふんじゃあ 朝市のこんは? 128 00:12:22,141 --> 00:12:25,945 ほのこんは ほっといてやれしって 言ってるじゃん。 129 00:12:25,945 --> 00:12:28,247 (戸が開く音) 130 00:12:29,816 --> 00:12:32,619 何でえ? もも。 131 00:12:32,619 --> 00:12:36,289 (もも)夕飯 出来たけんど…。 132 00:12:36,289 --> 00:12:41,160 お姉やん 遅えな。 また 教会の本の部屋ずらか。 133 00:12:41,160 --> 00:12:43,162 きっと ほうずら。 134 00:12:43,162 --> 00:12:47,467 おら 呼びに行ってくる。 気ぃ付けろし。 135 00:13:04,917 --> 00:13:07,620 (朝市)はな? 136 00:13:12,792 --> 00:13:15,261 (朝市)はな。 137 00:13:15,261 --> 00:13:18,564 こんなとこで寝てたら 風邪ひくら。 138 00:13:27,607 --> 00:13:31,611 ボコみてえな顔して…。 139 00:13:40,953 --> 00:13:44,257 朝市さん…。 140 00:14:13,586 --> 00:14:33,606 ♬~ 141 00:14:33,606 --> 00:14:40,279 大好きな朝市の心の中にいるのは 自分ではない事を➡ 142 00:14:40,279 --> 00:14:44,584 ももは 知ってしまったのです。 143 00:14:46,152 --> 00:14:50,456 ごきげんよう。 さようなら。