1 00:00:02,202 --> 00:00:04,938 (生徒たち)さいなら! はな先生! 2 00:00:04,938 --> 00:00:06,874 (はな)ありがとう。 3 00:00:06,874 --> 00:00:09,610 (本多)おまんは この小学校の誇りじゃん! 4 00:00:09,610 --> 00:00:11,545 (緑川)元気で頑張れし! 5 00:00:11,545 --> 00:00:17,284 (朝市)安東先生の事は 決して忘れんさ。 6 00:00:17,284 --> 00:00:23,156 はなは また 新しい曲がり角を 曲がろうとしていました。 7 00:00:23,156 --> 00:00:25,626 夢をかなえるために➡ 8 00:00:25,626 --> 00:00:29,496 東京の出版社で 働く事にしたのです。 9 00:00:29,496 --> 00:00:43,644 ♬~ 10 00:00:43,644 --> 00:00:47,981 (かよ)「お姉やんが東京に来たら また一緒に暮らせるね。➡ 11 00:00:47,981 --> 00:00:52,286 楽しみに待ってるじゃんね。 かよより」。 12 00:00:56,990 --> 00:00:59,660 てっ。 13 00:00:59,660 --> 00:01:02,663 ここけ。 14 00:01:05,933 --> 00:01:18,946 ♬~ 15 00:01:18,946 --> 00:01:21,848 (かよ)いらっしゃいませ。 16 00:01:21,848 --> 00:01:24,818 てっ! かよ! 17 00:01:24,818 --> 00:01:30,123 (小声で)お姉やん ほんな大きな声 出さねえでくれちゃ。 18 00:01:31,959 --> 00:01:38,665 なんと かよは カフェーの女給さんに なっていたのです。 19 00:01:40,300 --> 00:01:42,970 ♬「これから はじまる」 20 00:01:42,970 --> 00:01:45,872 ♬「あなたの 物語」 21 00:01:45,872 --> 00:01:50,644 ♬「ずっと長く 道は続くよ」 22 00:01:50,644 --> 00:01:54,982 ♬「虹色の雨 降り注げば」 23 00:01:54,982 --> 00:02:00,587 ♬「空は 高鳴る」 24 00:02:00,587 --> 00:02:05,926 ♬「眩しい笑顔の奥に」 25 00:02:05,926 --> 00:02:10,797 ♬「悲しい音がする」 26 00:02:10,797 --> 00:02:16,269 ♬「寄りそって 今があって」 27 00:02:16,269 --> 00:02:24,144 ♬「こんなにも 愛おしい」 28 00:02:24,144 --> 00:02:28,849 ♬「手を繋げば 温かいこと」 29 00:02:28,849 --> 00:02:34,955 ♬「嫌いになれば 一人になってくこと」 30 00:02:34,955 --> 00:02:39,292 ♬「ひとつひとつが あなたになる」 31 00:02:39,292 --> 00:02:44,965 ♬「道は 続くよ」 32 00:02:44,965 --> 00:02:55,308 ♬「風が運ぶ 希望の種」 33 00:02:55,308 --> 00:03:06,620 ♬「光が 夢のつぼみになる」 34 00:03:08,855 --> 00:03:13,260 かよ。 女給さんって 一体どういう事でえ? 35 00:03:13,260 --> 00:03:15,595 話は 仕事が終わってから。 36 00:03:15,595 --> 00:03:18,932 ご注文は ブラジルコーヒーでよろしいですか? 37 00:03:18,932 --> 00:03:21,268 ブラジルコーヒー? 38 00:03:21,268 --> 00:03:24,938 ここのお客さんは みんな ほれを飲みに来るだよ。 39 00:03:24,938 --> 00:03:27,607 ほれじゃあ それを。 40 00:03:27,607 --> 00:03:29,543 シェークスピアは どうだ? 41 00:03:29,543 --> 00:03:31,945 作品によるだろう。 「リア王」は? 42 00:03:31,945 --> 00:03:34,848 あんな強欲ジジイの話して 誰が喜ぶんだよ! 43 00:03:34,848 --> 00:03:38,285 ここは 「ハムレット」なんて どうだ? それこそ貴族の話じゃないか。 44 00:03:38,285 --> 00:03:41,621 当時 銀座の町には➡ 45 00:03:41,621 --> 00:03:47,961 こういう しゃれたカフェーが 次々にオープンしておりました。 46 00:03:47,961 --> 00:03:53,967 さて 初めて飲むコーヒーのお味は? 47 00:03:58,305 --> 00:04:00,907 苦え! 48 00:04:00,907 --> 00:04:02,843 最初は みんな ほうだけんど➡ 49 00:04:02,843 --> 00:04:05,245 何べんも飲んでるうちに おいしくなるだよ。 50 00:04:05,245 --> 00:04:07,948 ほうけ。 51 00:04:10,117 --> 00:04:14,588 (田中) よし 分かった。 今度の公演は チェーホフをやらないか? 52 00:04:14,588 --> 00:04:16,523 (荒井)「かもめ」か 「桜の園」は? 53 00:04:16,523 --> 00:04:21,261 (龍一)いや 脚本は一から作る。 54 00:04:21,261 --> 00:04:26,133 今 この時代を生きている 女性の叫びを芝居にするんだ。 55 00:04:26,133 --> 00:04:29,603 例えば…。 56 00:04:29,603 --> 00:04:32,305 君。 57 00:04:41,615 --> 00:04:44,951 君は ここへ来る前 何をしていたの? 58 00:04:44,951 --> 00:04:51,291 えっと… 洋服店の縫い子や 製糸工場の女工をしてました。 59 00:04:51,291 --> 00:04:54,628 女工は つらかったろう。 60 00:04:54,628 --> 00:04:58,498 死ぬほど つらくて 逃げ出しました。 61 00:04:58,498 --> 00:05:03,236 それは 大変だったね。 62 00:05:03,236 --> 00:05:09,109 ほら。 この子も 資本家に 踏みつけにされた犠牲者だ。 63 00:05:09,109 --> 00:05:13,880 特権階級は ますます私腹を肥やし 労働者は 苦しむ一方だ。➡ 64 00:05:13,880 --> 00:05:16,583 だが ロシアでも革命が起きた。 65 00:05:16,583 --> 00:05:18,919 俺たちは 演劇による革命を 起こそうじゃないか! 66 00:05:18,919 --> 00:05:20,854 おう!やってやろう! そのとおりだ! 67 00:05:20,854 --> 00:05:23,590 かよ。 大丈夫なの? 68 00:05:23,590 --> 00:05:27,928 あの学生さんたち いっつも ああいう話ばっかしてるだよ。 69 00:05:27,928 --> 00:05:31,231 まるで おとうみてえずら。 70 00:05:32,799 --> 00:05:38,939 (猫の鳴き声) 71 00:05:38,939 --> 00:05:43,944 ここが 今 おらが住んでるお城だ。 72 00:05:50,951 --> 00:05:57,624 かよ。 洋服店は どうして辞めたでえ? 73 00:05:57,624 --> 00:06:02,229 おら 前から カフェーで働きてえと思ってただ。 74 00:06:02,229 --> 00:06:07,100 きれいな着物の女給さんたちに 憧れてただ。 75 00:06:07,100 --> 00:06:09,102 そう…。 76 00:06:09,102 --> 00:06:14,808 おら 製糸工場逃げ出して おかあに迷惑かけたら。 77 00:06:14,808 --> 00:06:19,246 ふんだから うちに仕送りしてえさ。 78 00:06:19,246 --> 00:06:21,581 ふんだけど おらは➡ 79 00:06:21,581 --> 00:06:23,917 お姉やんみたいに 学校行っちゃいん。 80 00:06:23,917 --> 00:06:27,787 お金が うんと もらえる 職業婦人には なれん。 81 00:06:27,787 --> 00:06:32,592 ほれでも 女給になれば お客さんから チップがもらえるだよ。 82 00:06:32,592 --> 00:06:37,264 頑張って働けば働いた分 うんと稼げるじゃん。 83 00:06:37,264 --> 00:06:40,166 ふんだけど お姉やん 心配だ。 84 00:06:40,166 --> 00:06:44,604 あのお店は いかがわしい事する カフェーじゃねえから安心して。 85 00:06:44,604 --> 00:06:48,942 男のお客さんだけじゃなくて 女のお客さんだって多いし。 86 00:06:48,942 --> 00:06:52,812 あっ ほうだ。 醍醐さんも よく来るだよ。 87 00:06:52,812 --> 00:06:55,282 醍醐さんも? 88 00:06:55,282 --> 00:06:58,184 本当に大丈夫だから。 89 00:06:58,184 --> 00:07:02,889 おら お姉やんよりは しっかりしてると思ってるし。 90 00:07:04,891 --> 00:07:06,826 ほうだね。 91 00:07:06,826 --> 00:07:10,830 お姉やんこそ 東京の男には 気を付けろし。 92 00:07:12,565 --> 00:07:16,269 おとうにも 同じ事言われたさ。 93 00:07:17,904 --> 00:07:23,243 ほれじゃあ 今日っから お世話になりやす。 94 00:07:23,243 --> 00:07:26,947 こっちこそ よろしくお願えしやす。 95 00:07:28,581 --> 00:07:32,886 (笑い声) 96 00:07:39,225 --> 00:07:44,597 さあ はなの出勤1日目です。 97 00:07:44,597 --> 00:08:00,547 ♬~ 98 00:08:00,547 --> 00:08:04,217 ごきげんよう。 99 00:08:04,217 --> 00:08:08,088 (醍醐)はなさん! 醍醐さん ごきげんよう。 100 00:08:08,088 --> 00:08:10,557 首を長くして待っていたのよ。 101 00:08:10,557 --> 00:08:14,227 (梶原)いや~ 安東君! 来たか。 102 00:08:14,227 --> 00:08:17,564 梶原編集長 また お世話になります。 103 00:08:17,564 --> 00:08:19,499 よろしくお願いします! 104 00:08:19,499 --> 00:08:24,237 今日から働いてもらう安東君だ。 105 00:08:24,237 --> 00:08:28,575 よろしくお願いします! (一同)よろしく! 106 00:08:28,575 --> 00:08:31,244 (梶原) 我々の目標となる「赤い鳥」には➡ 107 00:08:31,244 --> 00:08:36,116 芥川龍之介 有島武郎 泉 鏡花などといった➡ 108 00:08:36,116 --> 00:08:39,919 名だたる作家が寄稿している。 うちの創刊号も➡ 109 00:08:39,919 --> 00:08:42,822 それに匹敵するような作家を 引っ張ってこよう。 110 00:08:42,822 --> 00:08:44,791 (須藤)そうですね。 はい! 111 00:08:44,791 --> 00:08:47,794 そして この聡文堂の顔になるような➡ 112 00:08:47,794 --> 00:08:50,263 新しい児童雑誌を作るんだ。 113 00:08:50,263 --> 00:08:54,601 安東君。 君も 小学校の 教員をしていた経験を踏まえて➡ 114 00:08:54,601 --> 00:08:57,937 自由に意見を出してくれ。 はい。 115 00:08:57,937 --> 00:09:01,207 物語だけじゃなくて 子どもたちが わくわくするような記事も➡ 116 00:09:01,207 --> 00:09:03,543 載せましょうよ。 例えば どんな? 117 00:09:03,543 --> 00:09:07,414 毎号 最新のおリボンやお帽子の 記事なんかも入れたいですね。 118 00:09:07,414 --> 00:09:12,218 この雑誌を手に取る読者が リボンの記事なんか喜びますかね。 119 00:09:12,218 --> 00:09:14,554 あ… あの…➡ 120 00:09:14,554 --> 00:09:16,890 子どもたちの作文を➡ 121 00:09:16,890 --> 00:09:18,825 投稿してもらったら どうでしょうか? 122 00:09:18,825 --> 00:09:23,229 間違ってもらっては 困る。 児童向けといっても➡ 123 00:09:23,229 --> 00:09:27,567 大人が読むに堪える小説や詩を 載せるべきだと 私は思いますね。 124 00:09:27,567 --> 00:09:32,906 まあ この雑誌に必要なのは あくまで芸術性だ。 125 00:09:32,906 --> 00:09:35,575 僕も 三田君に賛成です。 126 00:09:35,575 --> 00:09:38,244 (三田)まず 宇田川先生の交渉を 継続しましょう。 127 00:09:38,244 --> 00:09:42,582 交渉は やっぱり 醍醐君ですかね。 (醍醐)私ですか? 128 00:09:42,582 --> 00:09:46,453 結局 はなは ひと言しか発言できず➡ 129 00:09:46,453 --> 00:09:50,757 それも あっさり却下されてしまいました。 130 00:09:55,929 --> 00:10:00,266 今日の主役は 安東君だ。 ようこそ 聡文堂へ。 131 00:10:00,266 --> 00:10:05,605 あっ あの… 私 お酒は ちょっと。 132 00:10:05,605 --> 00:10:10,477 そっか… 作家の先生たちは 酒好きも多いから➡ 133 00:10:10,477 --> 00:10:12,946 飲めるようにならないと大変だよ。 134 00:10:12,946 --> 00:10:15,615 はなさん ブドウ酒じゃないんだから 大丈夫よ。 135 00:10:15,615 --> 00:10:19,486 編集者は 飲むのも仕事のうち! そうだよ。 136 00:10:19,486 --> 00:10:24,491 では 少しだけ。 137 00:10:29,629 --> 00:10:37,937 では 新しい仲間を歓迎して乾杯! (一同)乾杯! 138 00:10:49,315 --> 00:10:53,653 おいしい! このお酒 おいしいですね! 139 00:10:53,653 --> 00:10:57,991 ウイスキー 気に入った? 西洋のね 焼酎みたいなものだ。 140 00:10:57,991 --> 00:11:00,260 へえ~。 141 00:11:00,260 --> 00:11:03,596 お姉やん ほれ 強えよ。 大丈夫? 142 00:11:03,596 --> 00:11:07,901 ブドウ酒じゃねえから大丈夫だ。 143 00:11:15,608 --> 00:11:19,479 くあ~! 144 00:11:19,479 --> 00:11:23,783 あ~ おいしい! もう一杯! 145 00:11:25,952 --> 00:11:31,658 ちょっと まずい予感が致します。 146 00:11:34,627 --> 00:11:38,965 西洋の焼酎 もう一杯下さ~い! 147 00:11:38,965 --> 00:11:41,301 それくらいにしといたら? 148 00:11:41,301 --> 00:11:46,639 編集長。 まだ3杯目ですよ 3杯目! 149 00:11:46,639 --> 00:11:48,575 3杯で酔っちゃうなんて➡ 150 00:11:48,575 --> 00:11:51,978 はなさんって そもそも お酒が強くなかったのね。 151 00:11:51,978 --> 00:11:55,848 まだ酔ってませんってば! 安東君…。 152 00:11:55,848 --> 00:11:58,651 あ~! 153 00:11:58,651 --> 00:12:01,554 お姉やん 送ってくから もう帰ろう。 154 00:12:01,554 --> 00:12:06,459 まだまだ 夜は これっからじゃんね! 先輩。 155 00:12:06,459 --> 00:12:09,596 先輩? 156 00:12:09,596 --> 00:12:12,498 姉のために 歓迎会を ありがとうございました。 157 00:12:12,498 --> 00:12:16,269 お姉やん! 大丈夫?➡ 158 00:12:16,269 --> 00:12:19,572 あっ お姉やん! 159 00:12:22,141 --> 00:12:26,846 あっ 星…。 160 00:12:28,848 --> 00:12:30,817 ♬「Twinkle, twinkle,」 161 00:12:30,817 --> 00:12:33,620 ♬「little star,」 もう お姉やん 帰るよ! 162 00:12:33,620 --> 00:12:35,955 こっち? そう! 163 00:12:35,955 --> 00:12:42,295 ♬「How I wonder what you are」 お姉やん 危ねえよ。 164 00:12:42,295 --> 00:12:46,633 ♬「Up above the world so high,」 (かよ)はいはいはい。 165 00:12:46,633 --> 00:12:48,568 (英治)あっ! すいません! 166 00:12:48,568 --> 00:12:51,304 痛…。 167 00:12:51,304 --> 00:12:56,976 あっ 壁かと思ったら 村岡印刷さん。 168 00:12:56,976 --> 00:12:59,879 歓迎会に呼んで頂いたのに 遅くなってすいません。 169 00:12:59,879 --> 00:13:03,583 もう だいぶ酔ってますね。 170 00:13:03,583 --> 00:13:07,920 村岡印刷さん ご無沙汰してます。 171 00:13:07,920 --> 00:13:10,590 ごきげんよ~う。 172 00:13:10,590 --> 00:13:12,525 わあ ちょっと! 173 00:13:12,525 --> 00:13:16,829 おうちまで送ります。 すみません! 174 00:13:18,464 --> 00:13:22,201 こちらです。 はい。 175 00:13:22,201 --> 00:13:35,815 ♬~ 176 00:13:35,815 --> 00:13:38,618 助かりました。 ありがとうございました。 177 00:13:38,618 --> 00:13:42,488 いえ。 じゃあ 僕は これで。 178 00:13:42,488 --> 00:13:45,291 あ~! 179 00:13:45,291 --> 00:13:48,194 あっ 逃げるだけ。 180 00:13:48,194 --> 00:13:52,165 逃げませんよ。 また明日 会社で会いましょう。 181 00:13:52,165 --> 00:13:55,168 じゃあ。 182 00:13:58,838 --> 00:14:01,774 どうして 辞書が漬物石に…。 183 00:14:01,774 --> 00:14:04,243 あれ~? 184 00:14:04,243 --> 00:14:08,548 あっ おらが置いたの。 ちょうどいい重さだったから。 185 00:14:10,116 --> 00:14:16,255 うわ~! あなたのくれた辞書 なかなか役に立つじゃんね! 186 00:14:16,255 --> 00:14:20,593 全然 使っていなんだし ちょうどいいだよ。 187 00:14:20,593 --> 00:14:24,464 花子さんは 英語の勉強 やめてしまったんですか? 188 00:14:24,464 --> 00:14:28,935 てっ 花子! 189 00:14:28,935 --> 00:14:32,605 花子なんて呼ばれたら 酔いがさめちもうら。 190 00:14:32,605 --> 00:14:36,943 英語の翻訳 続けてなかったんですか? 191 00:14:36,943 --> 00:14:42,615 エヘヘヘ…。 192 00:14:42,615 --> 00:14:47,954 はなにとっては 痛い言葉でした。 193 00:14:47,954 --> 00:14:52,658 ごきげんよう。 さようなら。