1 00:00:02,202 --> 00:00:05,606 (梶原)記念すべき 「にじいろ」 創刊号の完成を祝って➡ 2 00:00:05,606 --> 00:00:08,275 乾杯! (一同)乾杯! 3 00:00:08,275 --> 00:00:11,945 (醍醐)英治さん こんな日にも いらっしゃらないなんて残念ね。 4 00:00:11,945 --> 00:00:14,848 (梶原)ずっと 英治君 見ないけど 奥さんの具合 そんなに悪いの? 5 00:00:14,848 --> 00:00:18,285 (郁弥)兄と結婚してすぐに 義姉は 胸を患って➡ 6 00:00:18,285 --> 00:00:20,621 今も入院してるんです。 7 00:00:20,621 --> 00:00:24,925 (英治)香澄。 今日は どう? 8 00:00:29,963 --> 00:00:32,633 ♬「これから はじまる」 9 00:00:32,633 --> 00:00:35,302 ♬「あなたの 物語」 10 00:00:35,302 --> 00:00:39,973 ♬「ずっと長く 道は続くよ」 11 00:00:39,973 --> 00:00:44,645 ♬「虹色の雨 降り注げば」 12 00:00:44,645 --> 00:00:49,983 ♬「空は 高鳴る」 13 00:00:49,983 --> 00:00:55,322 ♬「眩しい笑顔の奥に」 14 00:00:55,322 --> 00:01:00,594 ♬「悲しい音がする」 15 00:01:00,594 --> 00:01:05,465 ♬「寄りそって 今があって」 16 00:01:05,465 --> 00:01:13,607 ♬「こんなにも 愛おしい」 17 00:01:13,607 --> 00:01:18,278 ♬「手を繋げば 温かいこと」 18 00:01:18,278 --> 00:01:24,151 ♬「嫌いになれば 一人になってくこと」 19 00:01:24,151 --> 00:01:28,922 ♬「ひとつひとつが あなたになる」 20 00:01:28,922 --> 00:01:34,294 ♬「道は 続くよ」 21 00:01:34,294 --> 00:01:45,305 ♬「風が運ぶ 希望の種」 22 00:01:45,305 --> 00:01:55,615 ♬「光が 夢のつぼみになる」 23 00:02:00,787 --> 00:02:04,257 今日は 調子がよさそうで 安心したよ。 24 00:02:04,257 --> 00:02:07,594 (香澄)その辺 飛び回りたいぐらい 元気なの。 25 00:02:07,594 --> 00:02:13,266 また 無理するなよ。 分かってるわ。 26 00:02:13,266 --> 00:02:16,169 新しい雑誌? うん。 27 00:02:16,169 --> 00:02:18,939 郁弥が初めて担当した 童話雑誌なんだ。 28 00:02:18,939 --> 00:02:22,609 あいつ 早く君に届けろって うるさくて。 29 00:02:22,609 --> 00:02:24,911 フフフ。 30 00:02:29,950 --> 00:02:33,620 この絵… あなたが描いたのね。 31 00:02:33,620 --> 00:02:36,289 …うん。 32 00:02:36,289 --> 00:02:39,960 珍しいわね。 あなたが挿絵を描くなんて。 33 00:02:39,960 --> 00:02:43,830 絵描きになるのは 諦めたんじゃなかったの? 34 00:02:43,830 --> 00:02:46,833 才能がないからね。 35 00:02:46,833 --> 00:02:52,305 でも… これは すてきだわ。 36 00:02:52,305 --> 00:02:54,241 この童話➡ 37 00:02:54,241 --> 00:02:57,644 郁弥がイギリスで買ってきた本を 翻訳したものなんだ。 38 00:02:57,644 --> 00:03:01,248 舞台になってる 16世紀のイギリスの 雰囲気を出したページに➡ 39 00:03:01,248 --> 00:03:03,550 しようって事になって。 40 00:03:08,922 --> 00:03:13,260 女性の 翻訳者なんて 珍しいわね。 41 00:03:13,260 --> 00:03:17,597 君は「にじいろ」創刊号の 読者第1号だから➡ 42 00:03:17,597 --> 00:03:19,533 忌憚ない意見を聞かせてくれ。 43 00:03:19,533 --> 00:03:23,270 私が第1号なの? 刷り上がったばかりだからね。 44 00:03:23,270 --> 00:03:25,205 まあ うれしい。 45 00:03:25,205 --> 00:03:29,209 じゃあ 心して読ませて頂きます。 46 00:03:37,818 --> 00:03:43,590 (かよ)ついに出来ただね! すてきな雑誌じゃん。 47 00:03:43,590 --> 00:03:45,525 てっ!➡ 48 00:03:45,525 --> 00:03:48,495 「訳 安東花子」! 49 00:03:48,495 --> 00:03:52,966 お姉やん 本当にすげえなあ! 50 00:03:52,966 --> 00:03:55,869 これ見たら おとうなんか大喜びして➡ 51 00:03:55,869 --> 00:03:58,305 村中に宣伝して回るよ きっと。 52 00:03:58,305 --> 00:04:02,175 (はな)うれしいけんど 恥ずかしいじゃんね。 53 00:04:02,175 --> 00:04:06,580 あっ ひょっとしたら また 行商に出ちまったりして。 54 00:04:06,580 --> 00:04:09,249 「おとうが はなの本を 売ってやる」とか言って。 55 00:04:09,249 --> 00:04:13,920 てっ 言いそう 言いそう。 56 00:04:13,920 --> 00:04:18,925 この挿絵も すごくいいじゃん。 57 00:04:20,594 --> 00:04:25,265 ほれ 村岡さんが描えてくれただ。 58 00:04:25,265 --> 00:04:29,936 てっ…。 お兄さんの方? 59 00:04:29,936 --> 00:04:36,810 おかげで いいページに仕上がったさ。 感謝してるだ。 60 00:04:36,810 --> 00:04:40,947 お姉やん…。 61 00:04:40,947 --> 00:04:48,655 心配かけて ごめんね。 でも もう本当に大丈夫だから。 62 00:04:50,957 --> 00:04:56,296 あっ 宇田川先生の話も すっごくいいだよ。 63 00:04:56,296 --> 00:04:58,632 あの人 性格は きっついけんど➡ 64 00:04:58,632 --> 00:05:02,235 心は 水みてえに 透き通った人なんだなあ。 65 00:05:02,235 --> 00:05:06,106 こんなに すてきな童話 書いてもらえて➡ 66 00:05:06,106 --> 00:05:08,909 本当に よかったさ。 67 00:05:08,909 --> 00:05:12,245 ほういえば ミスター ドミンゴさんが褒めてただ。 68 00:05:12,245 --> 00:05:14,181 ミスター ドミンゴさん? 69 00:05:14,181 --> 00:05:17,884 ほら コーヒーが好きな紳士じゃん。 70 00:05:19,586 --> 00:05:24,257  回想  (平祐)あなたは 編集者には 全く向いてない。 71 00:05:24,257 --> 00:05:27,160 てっ あの紳士が? 72 00:05:27,160 --> 00:05:31,598 お姉やんの事 編集者らしくなったって。 73 00:05:31,598 --> 00:05:36,937 わあ… ほれじゃあ もう 国に帰らんでいいだね。 74 00:05:36,937 --> 00:05:39,639 はあ…。 75 00:05:41,608 --> 00:06:48,308 ♬~ 76 00:06:57,617 --> 00:06:59,552 (梶原)安東君。 77 00:06:59,552 --> 00:07:06,226 これ 作家に渡す分だから。 はい。 78 00:07:06,226 --> 00:07:10,897 作家には 担当者から 早急に創刊号を渡すように。 79 00:07:10,897 --> 00:07:14,567 分かってます。 発売日よりも前に渡さないと➡ 80 00:07:14,567 --> 00:07:17,904 あの人たち へそを曲げるどころ じゃありませんからね。 81 00:07:17,904 --> 00:07:21,574 (須藤)作家先生ってのは 怒らせると面倒な人種ですからね。 82 00:07:21,574 --> 00:07:27,447 ご機嫌 損ねないように頼むぞ。 はい。 83 00:07:27,447 --> 00:07:31,918 安東君。 それが終わったら 村岡印刷 行くぞ。 84 00:07:31,918 --> 00:07:34,254 あの…? 85 00:07:34,254 --> 00:07:37,157 社長に挨拶がてら紹介するよ。 86 00:07:37,157 --> 00:07:42,929 「王子と乞食」のページが出来たのも 村岡兄弟のおかげだからな。 87 00:07:42,929 --> 00:07:45,598 編集長! 88 00:07:45,598 --> 00:07:49,269 それ 私に行かせて下さい。 89 00:07:49,269 --> 00:07:52,605 (三田)醍醐君は これから 岡田先生と打ち合わせでしょう。 90 00:07:52,605 --> 00:07:54,541 そうでした…。 91 00:07:54,541 --> 00:07:56,943 じゃあ 三田さん 行ってきて下さい! 92 00:07:56,943 --> 00:07:58,878 何で 忙しい僕が。 93 00:07:58,878 --> 00:08:01,548 大丈夫よ 醍醐さん。 でも…。 94 00:08:01,548 --> 00:08:07,253 醍醐君。 安東君を村岡印刷に 行かせたくない理由でもあるの? 95 00:08:10,223 --> 00:08:12,559 本当に大丈夫だから。 96 00:08:12,559 --> 00:08:15,895 ヘマしないように 編集長のお供してきます。 97 00:08:15,895 --> 00:08:18,565 じゃあ 行こうか。 98 00:08:18,565 --> 00:08:22,235 行ってらっしゃい。 99 00:08:22,235 --> 00:08:25,238 行ってらっしゃい。 100 00:08:31,244 --> 00:08:35,548 何してるの? あ… いえ。 101 00:08:38,118 --> 00:08:40,253 こんにちは。 102 00:08:40,253 --> 00:08:43,590 ああ… わざわざ お越し頂いて すいません。 103 00:08:43,590 --> 00:08:45,925 あいにく 兄は 出かけていて。 104 00:08:45,925 --> 00:08:49,262 そう。 今日は 英治君にも お礼を言いたかったんだけど。 105 00:08:49,262 --> 00:08:51,598 くれぐれも 梶原さんに よろしく伝えてくれと➡ 106 00:08:51,598 --> 00:08:54,267 言っていました。➡ 107 00:08:54,267 --> 00:08:57,170 社長。 108 00:08:57,170 --> 00:09:02,876 やあやあ。 「にじいろ」創刊 おめでとうございます。 どうぞ。 109 00:09:02,876 --> 00:09:06,546 てっ… ミスター ドミンゴ! (平祐)やあ 「みみずの女王」。 110 00:09:06,546 --> 00:09:10,216 何だ 安東君。 知り合いだったの? 111 00:09:10,216 --> 00:09:13,119 カフェーで 何度か お目にかかりました。 112 00:09:13,119 --> 00:09:15,088 僕も忙しくて行けないのに➡ 113 00:09:15,088 --> 00:09:17,090 父さんは あの店に行き過ぎなんだよ。 114 00:09:17,090 --> 00:09:19,225 父さん? 115 00:09:19,225 --> 00:09:22,896 はい。 社長で父です。 116 00:09:22,896 --> 00:09:29,235 という事は… ご兄弟のお父様…。 117 00:09:29,235 --> 00:09:33,573 安東君 今日は おかしいぞ。 大丈夫か? 118 00:09:33,573 --> 00:09:36,910 やっぱり 君は 田舎に帰った方が いいんじゃないかね。 119 00:09:36,910 --> 00:09:40,246 そんな…。あまり 編集者として優秀になると➡ 120 00:09:40,246 --> 00:09:43,583 女性は 生意気になるからね。 この辺で帰った方がいい。 121 00:09:43,583 --> 00:09:47,454 あの これ つまらないものですが。 122 00:09:47,454 --> 00:09:52,258 ありがたく頂戴します。 ほう ウイスキーとは また。 123 00:09:52,258 --> 00:09:54,194 最近 凝ってまして。 124 00:09:54,194 --> 00:09:57,597 しかし いい雑誌に仕上がりましたな。 125 00:09:57,597 --> 00:10:03,470 「にじいろ」は これから 長~く 愛される雑誌に成長しますよ。 126 00:10:03,470 --> 00:10:06,272 社長に そう言って頂けると 自信がつきますよ。 127 00:10:06,272 --> 00:10:12,612 社長。 郁弥君。 この度は 「にじいろ」創刊へのご尽力➡ 128 00:10:12,612 --> 00:10:16,282 本当に ありがとうございました。 ありがとうございました。 129 00:10:16,282 --> 00:10:19,185 いや~ あの「王子と乞食」のページ すばらしい出来栄えです。 130 00:10:19,185 --> 00:10:23,623 はい。 本当に すてきなページに して頂きました。 131 00:10:23,623 --> 00:10:29,295 英治は あのページ えらく入れ込んでましたよ。 132 00:10:29,295 --> 00:10:34,300 次号の安東さんの翻訳 兄が楽しみにしてますから。 133 00:10:36,636 --> 00:10:38,571 (梶原)安東君? 134 00:10:38,571 --> 00:10:45,278 はい。 あ… ご期待に沿えるように 頑張ります。 135 00:11:00,827 --> 00:11:03,596 こんにちは。 こんにちは。 136 00:11:03,596 --> 00:11:05,532 今日は 奥様➡ 137 00:11:05,532 --> 00:11:08,468 気分がすぐれないから 帰ってほしいと。 138 00:11:08,468 --> 00:11:11,271 あ… 大丈夫なんですか? 139 00:11:11,271 --> 00:11:13,940 心配なさるほどでは ないですけどね。 140 00:11:13,940 --> 00:11:17,610 そうですか…。 では 申し訳ありませんが➡ 141 00:11:17,610 --> 00:11:22,282 これ 着替えなので 渡して頂けますか。 はい。 142 00:11:22,282 --> 00:11:25,285 よろしくお願いします。 143 00:11:35,628 --> 00:11:38,531 (看護婦) 本当によかったんですか? 144 00:11:38,531 --> 00:11:41,968 ご主人 随分 心配なさってましたよ。 145 00:11:41,968 --> 00:11:46,839 いいんです。 ありがとうございました。 146 00:11:46,839 --> 00:11:50,543 お着替え しまっておきますね。 147 00:11:53,313 --> 00:11:59,652 毎日のように お見舞いにいらして 優しいご主人ですね。 148 00:11:59,652 --> 00:12:04,357 ええ。 優しいんです。 149 00:12:07,260 --> 00:12:10,563 …優しすぎるの。 150 00:12:19,272 --> 00:12:22,609 (ため息) 151 00:12:22,609 --> 00:12:24,944 安東君 どう? 152 00:12:24,944 --> 00:12:28,815 まだ かかりそうです。 153 00:12:28,815 --> 00:12:32,619 今日 うち 結婚記念日なんだよな。 154 00:12:32,619 --> 00:12:35,521 あっ じゃあ 奥様 おうちでお待ちでしょうから➡ 155 00:12:35,521 --> 00:12:38,291 あとは 任せて下さい! 156 00:12:38,291 --> 00:12:42,962 明日の朝一番に尾崎先生のとこ 持ってくんだけど 大丈夫? 157 00:12:42,962 --> 00:12:45,298 はい。 158 00:12:45,298 --> 00:12:48,601 じゃあ 悪いけど お先! 159 00:12:50,970 --> 00:12:53,306 失礼します。 160 00:12:53,306 --> 00:12:56,309 ごきげんよう。 161 00:13:00,580 --> 00:13:08,888 ⚟(雷鳴と雨の音) 162 00:13:11,591 --> 00:13:15,294  回想 (英治)うわっ! てっ! 163 00:13:16,929 --> 00:13:19,232 あっ…。 164 00:13:20,800 --> 00:13:35,281 ♬~ 165 00:13:35,281 --> 00:13:37,950 (梶原)安東君。 166 00:13:37,950 --> 00:13:40,853 編集長…。 167 00:13:40,853 --> 00:13:43,623 英治君と何があったか 知らないが➡ 168 00:13:43,623 --> 00:13:49,295 そういう時こそ 仕事を頑張りなさい。 169 00:13:49,295 --> 00:13:52,999 仕事は 裏切らないよ。 170 00:13:54,634 --> 00:14:00,440 「にじいろ」の次号に向けて また頑張ってくれって事だ。 171 00:14:00,440 --> 00:14:04,444 期待してるぞ。 172 00:14:04,444 --> 00:14:07,914 もちろん 頑張ります。 173 00:14:07,914 --> 00:14:11,250 じゃあ お先に。 174 00:14:11,250 --> 00:14:15,254 お疲れさまでした。 ごきげんよう。 175 00:14:24,797 --> 00:14:27,800 (ドアが閉まる音) 176 00:14:34,474 --> 00:14:37,477 降りやまない雨は ない。 177 00:14:37,477 --> 00:14:39,612 (雨の音) 178 00:14:39,612 --> 00:14:46,619 はなの心に降る雨も いつかは やむのでしょうか。 179 00:14:48,621 --> 00:14:53,626 ごきげんよう。 さようなら。