1 00:00:07,140 --> 00:00:09,943 (花子)歩…。 2 00:00:09,943 --> 00:00:13,247 歩? 3 00:00:21,555 --> 00:00:23,957 お義父様? 4 00:00:23,957 --> 00:00:30,264 (平祐)ここだ…。 歩は 無事か!? はい! 5 00:00:31,832 --> 00:00:37,971 大地震で 東京の中心部は 恐ろしい被害を受けましたが➡ 6 00:00:37,971 --> 00:00:43,677 大森の村岡家は 幸い 倒壊を免れました。 7 00:00:45,646 --> 00:00:49,516 かよ? 8 00:00:49,516 --> 00:00:54,221 かよ… 無事だっただけ! 9 00:00:55,989 --> 00:00:58,325 お帰り…。 10 00:00:58,325 --> 00:01:02,195 かよを捜しに行った英治が 大森のうちに戻ったのは➡ 11 00:01:02,195 --> 00:01:06,133 震災から3日後の事でした。 12 00:01:06,133 --> 00:01:08,936 ♬「これから はじまる」 13 00:01:08,936 --> 00:01:11,838 ♬「あなたの 物語」 14 00:01:11,838 --> 00:01:16,610 ♬「ずっと長く 道は続くよ」 15 00:01:16,610 --> 00:01:21,281 ♬「虹色の雨 降り注げば」 16 00:01:21,281 --> 00:01:26,587 ♬「空は 高鳴る」 17 00:01:26,587 --> 00:01:31,925 ♬「眩しい笑顔の奥に」 18 00:01:31,925 --> 00:01:36,797 ♬「悲しい音がする」 19 00:01:36,797 --> 00:01:42,569 ♬「寄りそって 今があって」 20 00:01:42,569 --> 00:01:49,943 ♬「こんなにも 愛おしい」 21 00:01:49,943 --> 00:01:54,815 ♬「手を繋げば 温かいこと」 22 00:01:54,815 --> 00:02:00,887 ♬「嫌いになれば 一人になってくこと」 23 00:02:00,887 --> 00:02:05,559 ♬「ひとつひとつが あなたになる」 24 00:02:05,559 --> 00:02:11,431 ♬「道は 続くよ」 25 00:02:11,431 --> 00:02:21,108 ♬「風が運ぶ 希望の種」 26 00:02:21,108 --> 00:02:32,119 ♬「光が 夢のつぼみになる」 27 00:02:37,924 --> 00:02:45,232 かよ… 心配しただよ。 郁弥さんは? 28 00:02:47,601 --> 00:02:51,271 (かよ)お姉やん…。 29 00:02:51,271 --> 00:02:56,610 郁弥さん… 結婚して下さいって 言ってくれたさ…。 30 00:02:56,610 --> 00:03:00,480 そう… よかったね。 31 00:03:00,480 --> 00:03:07,788 おら… うれしかった…。 32 00:03:10,557 --> 00:03:13,860 かよ? 33 00:03:16,430 --> 00:03:23,904 郁弥さん… おらの事 女神だって言ってくれた…。 34 00:03:23,904 --> 00:03:27,774 ほれなのに…➡ 35 00:03:27,774 --> 00:03:35,082 おら 恥ずかしくって 店 飛び出しちまったさ…。 36 00:03:37,250 --> 00:03:44,257 2人とも… とにかく 中に入って。 疲れたでしょう。 37 00:03:46,593 --> 00:03:51,264 (英治)さあ… かよさん。 38 00:03:51,264 --> 00:03:59,973 おら… 何で 「はい」って 素直に言えなんだずら…。 39 00:04:12,552 --> 00:04:18,558 おお… よかった…。 無事だったか! 40 00:04:20,227 --> 00:04:22,896 父さん…。 41 00:04:22,896 --> 00:04:29,569 郁弥が…➡ 42 00:04:29,569 --> 00:04:35,909 火災に巻き込まれて…➡ 43 00:04:35,909 --> 00:04:40,614 郁弥は 逃げきれませんでした…。 44 00:04:42,249 --> 00:04:45,919 何かの間違いだろう…。 45 00:04:45,919 --> 00:04:50,624 ひ… 人違いじゃないのか? 46 00:04:54,594 --> 00:04:57,931 そんな…。 47 00:04:57,931 --> 00:05:23,089 ♬~ 48 00:05:23,089 --> 00:05:26,560 火災が ようやく収まったって 聞いて➡ 49 00:05:26,560 --> 00:05:30,230 銀座に向かったんだ。 50 00:05:30,230 --> 00:05:33,567 銀座の町は 見る影もなく➡ 51 00:05:33,567 --> 00:05:39,439 辺り一面 すっかり燃えてしまっていた。 52 00:05:39,439 --> 00:05:45,445 かよさんと君が住んでいた長屋も 跡形もなかった。 53 00:05:48,582 --> 00:05:50,517 郁弥とかよさん…➡ 54 00:05:50,517 --> 00:05:54,254 どこかに避難してるんじゃ ないかと思って➡ 55 00:05:54,254 --> 00:05:58,124 避難所を一つずつ 回っていったんだ。 56 00:05:58,124 --> 00:06:01,528 新橋 京橋 日本橋辺りまで 捜しに捜して➡ 57 00:06:01,528 --> 00:06:08,201 ようやく 築地のお寺で かよさんを見つけたんだ。 58 00:06:08,201 --> 00:06:11,104 お寺で? 59 00:06:11,104 --> 00:06:14,541 そのお寺で…➡ 60 00:06:14,541 --> 00:06:19,412 郁弥が埋葬されるのを 見届けてくれたようだ。 61 00:06:19,412 --> 00:06:24,551 郁弥は… 本当に逃げ遅れたのか? 62 00:06:24,551 --> 00:06:26,486 そんな事 どうして分かるんだ? 63 00:06:26,486 --> 00:06:30,223 もう一度 捜しに行く! 今度は 私も行く。父さん…。 64 00:06:30,223 --> 00:06:33,560 捜してみなきゃ 分からないじゃないか! 65 00:06:33,560 --> 00:06:39,232 そうだ…。 会社の連中にも手伝ってもらおう。 66 00:06:39,232 --> 00:06:41,167 郁弥がいないと困るだろう。 えっ?➡ 67 00:06:41,167 --> 00:06:43,103 これから 村岡印刷 立て直すのに…。 68 00:06:43,103 --> 00:06:45,105 父さん! 69 00:06:45,105 --> 00:06:48,408 郁弥は もういないんです! 70 00:07:00,186 --> 00:07:07,060 あの一帯にいた人たちは みんな 助からなかったそうです…。➡ 71 00:07:07,060 --> 00:07:11,197 店の近くで かよさんは見つけたそうです。 72 00:07:11,197 --> 00:07:15,902 郁弥の時計を…。 73 00:07:26,546 --> 00:07:30,550 何もしてやれなかった…。 74 00:07:40,894 --> 00:07:46,599 (泣き声) 75 00:07:52,238 --> 00:07:57,911 甲府では 花子たちの安否が 一切分からぬ状態で➡ 76 00:07:57,911 --> 00:08:01,514 皆が不安に暮れておりました。 77 00:08:01,514 --> 00:08:05,185 (徳丸)おう。 呼びぃ行かしたのは ほかでもねえ。 78 00:08:05,185 --> 00:08:07,120 震災のこんだけんど…。 79 00:08:07,120 --> 00:08:10,056 (吉平)徳丸さん! 東京は どんな状況でえ? 80 00:08:10,056 --> 00:08:13,860 大地震から3日たっても 新聞も届かんし➡ 81 00:08:13,860 --> 00:08:16,763 電報も打てんから 子どもたちの無事も分からん! 82 00:08:16,763 --> 00:08:18,732 (朝市)役場でも 状況は 分からんみてえですし! 83 00:08:18,732 --> 00:08:20,734 (ふじ)何でもいいから 教えてくりょう! 84 00:08:20,734 --> 00:08:23,203 東京は… 大森は どんな様子ずらか!? 85 00:08:23,203 --> 00:08:25,138 まあ 落ち着けし! 86 00:08:25,138 --> 00:08:28,074 その… 大森ってとこの状況は 分からんけんど➡ 87 00:08:28,074 --> 00:08:31,878 銀座や東京の東の方は➡ 88 00:08:31,878 --> 00:08:36,216 建物が倒れたあと ひでえ火事が起こって➡ 89 00:08:36,216 --> 00:08:39,886 辺り一面 焼け野原だとう。 90 00:08:39,886 --> 00:08:41,821 てっ! てっ… 銀座が…。 91 00:08:41,821 --> 00:08:44,224 村岡さんの会社 銀座にあるじゃなかったけ? 92 00:08:44,224 --> 00:08:48,094 かよの長屋もカフェーも銀座じゃん! 93 00:08:48,094 --> 00:08:53,233 東京で地震に遭って逃げてきた うちの衆が ほう言ってるから➡ 94 00:08:53,233 --> 00:08:57,937 残念だけんど 恐らく ほうずら…。 95 00:08:59,906 --> 00:09:02,175 (リン)ふじちゃん…。 96 00:09:02,175 --> 00:09:05,512 かよちゃん…。 97 00:09:05,512 --> 00:09:08,415 はな…。 98 00:09:08,415 --> 00:09:14,187 大丈夫さよ! 「便りがねえのは いい知らせ」っていうじゃんけ! 99 00:09:14,187 --> 00:09:17,524 (武)お父様。 準備できました。 100 00:09:17,524 --> 00:09:24,864 おう。 東京は ほんな ひでえ状況だ。 101 00:09:24,864 --> 00:09:29,736 きっと みんな 食うにも困ってるはずだ。 102 00:09:29,736 --> 00:09:32,739 これっから 東京のお得意さんとこに➡ 103 00:09:32,739 --> 00:09:35,875 この物資を届ける。 104 00:09:35,875 --> 00:09:39,546 徳丸さん… おらたちも行かしてくりょう! 105 00:09:39,546 --> 00:09:41,881 子どもたちの無事を 確かめてえだ! 106 00:09:41,881 --> 00:09:44,217 徳丸さん! おらも連れてってくりょう! 107 00:09:44,217 --> 00:09:47,887 ふじちゃん。 ここは 男しに任しとけし! 108 00:09:47,887 --> 00:09:51,558 ほれなら おらも行く! 109 00:09:51,558 --> 00:09:53,493 朝市は 学校があるら! 110 00:09:53,493 --> 00:09:55,428 生徒ほったらかして 行く訳にゃあ…。 111 00:09:55,428 --> 00:09:59,899 こんな時だ。 わしから校長に 言っとくから 行ってこうし。 112 00:09:59,899 --> 00:10:03,236 徳丸さん ありがとうごいす! (リン)ありがとうごいす。 113 00:10:03,236 --> 00:10:05,905 ふんじゃあ みんな 無事でな! 114 00:10:05,905 --> 00:10:10,910 武! おまんも行くだ! てっ! 115 00:10:14,914 --> 00:10:19,786 東京では 救援活動に携わる吉太郎が➡ 116 00:10:19,786 --> 00:10:23,256 村岡家に立ち寄っていました。 117 00:10:23,256 --> 00:10:26,159 お義兄さん ありがとうございました。 118 00:10:26,159 --> 00:10:28,128 (吉太郎)いえ。 119 00:10:28,128 --> 00:10:31,831 兄やん 戻らんでいいの? そろそろ行く。 120 00:10:33,900 --> 00:10:38,905 ほうか…。 郁弥さんがな…。 121 00:10:41,941 --> 00:10:45,812 はな。 かよを頼むぞ。 122 00:10:45,812 --> 00:10:48,815 うん。 123 00:11:02,896 --> 00:11:06,766 (英治)あの子たちの親は まだ 安否が確認できないのか。 124 00:11:06,766 --> 00:11:12,772 ええ… みんな どこかに 避難しててくれればいいんだけど。 125 00:11:16,242 --> 00:11:19,145 (フミ)ねえ また お話聞かせて。 126 00:11:19,145 --> 00:11:27,153 あ… フミちゃん ごめんね。 今 ちょっと…。 127 00:11:35,261 --> 00:11:39,265 お話 してあげなよ。 128 00:11:46,606 --> 00:11:54,280 「昔 ある所に あんまり泣くので ナミダという名を付けられた➡ 129 00:11:54,280 --> 00:11:57,951 小さい娘がありました」。 130 00:11:57,951 --> 00:12:01,554 「ナミダさんは カエルに言いました。➡ 131 00:12:01,554 --> 00:12:05,425 『何だって 私についてくるのよ?』。➡ 132 00:12:05,425 --> 00:12:10,897 『なぜかと言えば もうじき お嬢さんの周りに➡ 133 00:12:10,897 --> 00:12:16,569 涙の池が出来るだろうと 思いましてね』。➡ 134 00:12:16,569 --> 00:12:22,241 ナミダは なお一層 泣きだしました。➡ 135 00:12:22,241 --> 00:12:26,112 『よして下さい! よして下さい!』。➡ 136 00:12:26,112 --> 00:12:29,582 カエルは 夢中になって 跳び回りました。➡ 137 00:12:29,582 --> 00:12:33,920 『そんなにお泣きになると 大水が出ます』。➡ 138 00:12:33,920 --> 00:12:40,260 なるほど ナミダは ちょっと泣くのをやめて➡ 139 00:12:40,260 --> 00:12:42,929 辺りを見回しますと➡ 140 00:12:42,929 --> 00:12:49,269 水は 一刻一刻に 増しておりました」。 141 00:12:49,269 --> 00:12:51,604 ナミダさん 泳げないんだよ! 142 00:12:51,604 --> 00:12:54,274 そうなの! 143 00:12:54,274 --> 00:12:58,945 「ナミダは 泳げなくて 困って また泣きだすのです。➡ 144 00:12:58,945 --> 00:13:04,217 『私を この島から 出してちょうだい』。➡ 145 00:13:04,217 --> 00:13:08,554 カエルは ナミダに こう言いました。➡ 146 00:13:08,554 --> 00:13:14,227 『この島から抜け出す道は 一つしかありません。➡ 147 00:13:14,227 --> 00:13:17,530 笑うんです』」。 148 00:13:21,100 --> 00:13:25,805 さあ ナミダさんは 笑えるかな? 149 00:13:31,577 --> 00:13:35,581 笑える訳ないじゃんけ。 150 00:13:51,264 --> 00:13:55,134 この辺りは だいぶ 無事みてえですね! 151 00:13:55,134 --> 00:14:00,873 ああ。 はな… かよ… 無事でいてくりょう! 152 00:14:00,873 --> 00:14:03,209 せ~の! 153 00:14:03,209 --> 00:14:08,881 まだけ~? おら もう駄目どう。 一歩も歩けねえ…。 154 00:14:08,881 --> 00:14:11,184 (吉平)もう すぐそこじゃん! 155 00:14:15,221 --> 00:14:19,892 お~い! はな! 無事け~!? 156 00:14:19,892 --> 00:14:23,763 てっ! おとう! お義父さん! 157 00:14:23,763 --> 00:14:26,232 朝市さんも! 来てくれたんですか! 158 00:14:26,232 --> 00:14:30,570 英治さん! はな! 朝市! 159 00:14:30,570 --> 00:14:35,908 ああ 無事だっただけ はなたれ! 武! 160 00:14:35,908 --> 00:14:38,811 よかった! 161 00:14:38,811 --> 00:14:43,783 無事で… 本当よかった! おとう…。 162 00:14:43,783 --> 00:14:50,456 吉平たちがやって来たのは 地震から5日後の事でした。 163 00:14:50,456 --> 00:14:54,460 ごきげんよう。 さようなら。