1 00:00:04,605 --> 00:00:07,608 (花子)歩…。 2 00:00:11,278 --> 00:00:19,620 9月1日の明け方 歩が疫痢で息を引き取りました。 3 00:00:19,620 --> 00:00:22,289 ♬「これから はじまる」 4 00:00:22,289 --> 00:00:25,192 ♬「あなたの 物語」 5 00:00:25,192 --> 00:00:29,963 ♬「ずっと長く 道は続くよ」 6 00:00:29,963 --> 00:00:34,301 ♬「虹色の雨 降り注げば」 7 00:00:34,301 --> 00:00:39,973 ♬「空は 高鳴る」 8 00:00:39,973 --> 00:00:45,312 ♬「眩しい笑顔の奥に」 9 00:00:45,312 --> 00:00:50,183 ♬「悲しい音がする」 10 00:00:50,183 --> 00:00:55,656 ♬「寄りそって 今があって」 11 00:00:55,656 --> 00:01:03,931 ♬「こんなにも 愛おしい」 12 00:01:03,931 --> 00:01:08,268 ♬「手を繋げば 温かいこと」 13 00:01:08,268 --> 00:01:14,141 ♬「嫌いになれば 一人になってくこと」 14 00:01:14,141 --> 00:01:18,612 ♬「ひとつひとつが あなたになる」 15 00:01:18,612 --> 00:01:23,617 ♬「道は 続くよ」 16 00:01:32,159 --> 00:01:36,630 (英治)本日は 歩の葬儀に お集まり下さいまして➡ 17 00:01:36,630 --> 00:01:39,333 ありがとうございました。 18 00:01:40,968 --> 00:01:47,307 歩の死は… あまりに突然でした。➡ 19 00:01:47,307 --> 00:01:50,310 今でも信じられません。 20 00:01:53,180 --> 00:01:55,983 (英治)歩のいない時間を➡ 21 00:01:55,983 --> 00:01:59,853 どうやって 過ごしていったらいいのか➡ 22 00:01:59,853 --> 00:02:07,594 情けない話ですが 僕たちには まだ考えられません。 23 00:02:07,594 --> 00:02:14,468 皆さん どうか 花子を支えてやって下さい。➡ 24 00:02:14,468 --> 00:02:18,772 よろしくお願いします。 25 00:02:31,284 --> 00:02:33,954 (戸が開く音) 26 00:02:33,954 --> 00:03:03,583 ♬~ 27 00:03:03,583 --> 00:03:39,953 (泣き声) 28 00:03:39,953 --> 00:03:43,824 (吉太郎)すいません…。 29 00:03:43,824 --> 00:03:50,964 (醍醐)吉太郎さんは 歩ちゃんの 親友でいらっしゃいましたものね。 30 00:03:50,964 --> 00:04:05,912 ♬~ 31 00:04:05,912 --> 00:04:08,248 (蓮子)ただいま 純平。 32 00:04:08,248 --> 00:04:12,552 遅くなって ごめんね。 (純平)お帰りなさ~い。 33 00:04:14,121 --> 00:04:19,259 お母様は 僕が死んだら悲しいの? 34 00:04:19,259 --> 00:04:21,928 純平? 35 00:04:21,928 --> 00:04:25,932 歩君 天国に行っちゃったんでしょ? 36 00:04:27,601 --> 00:04:30,504 (浪子)私が教えたの。 37 00:04:30,504 --> 00:04:33,273 花子さんのところへ行って 歩君と遊ぶんだって➡ 38 00:04:33,273 --> 00:04:35,208 聞かないもんだから。 39 00:04:35,208 --> 00:04:37,911 お母様。 40 00:04:44,618 --> 00:04:48,288 悲しいわよ。 41 00:04:48,288 --> 00:04:54,961 純平がいなくなったら お母様 とても生きていけない…。 42 00:04:54,961 --> 00:04:57,631 くすぐったいよ~。➡ 43 00:04:57,631 --> 00:05:01,234 くすぐったいよ~。 44 00:05:01,234 --> 00:05:57,290 ♬~ 45 00:05:57,290 --> 00:06:03,563 (吉平)はな… 大丈夫け? 46 00:06:03,563 --> 00:06:06,866 うん…。 47 00:06:10,437 --> 00:06:12,906 (セミの声) 48 00:06:12,906 --> 00:06:20,213 翌日 蓮子は 再び 花子のもとを訪れました。 49 00:06:48,608 --> 00:06:50,944 はなちゃん…。 50 00:06:50,944 --> 00:06:54,614 こんな事しかできなくて ごめんなさい…。 51 00:06:54,614 --> 00:06:58,318 蓮様…。 52 00:07:00,887 --> 00:07:04,758 蓮様…。 53 00:07:04,758 --> 00:07:08,461 ありがとう…。 54 00:07:11,231 --> 00:07:22,942 「あすよりの 淋しき胸を 思ひやる 心に悲し 夜の雨の音」。 55 00:07:26,246 --> 00:07:37,257 「母と子が 並びし床の 空しきを 思いやるなり われも人の親」。 56 00:07:37,257 --> 00:07:49,269 「われにさへ けさは冷き 秋の風 子をうしなひし 君がふところ」。 57 00:07:49,269 --> 00:08:22,902 ♬~ 58 00:08:22,902 --> 00:08:30,577 蓮子から贈られた歌の数々が 花子を仕事に向かわせました。 59 00:08:30,577 --> 00:08:42,922 ♬~ 60 00:08:42,922 --> 00:08:46,226 はな どうしてますか? 61 00:08:48,795 --> 00:08:54,100 書斎に籠もって 仕事をしています。 62 00:08:55,935 --> 00:08:58,271 仕事? 63 00:08:58,271 --> 00:09:12,285 ♬~ 64 00:09:16,756 --> 00:09:19,459 はな…。 65 00:09:22,228 --> 00:09:26,533 あっ… 兄やん 来てただけ。 66 00:09:28,101 --> 00:09:31,905 もう 仕事なんしてるだか…。 67 00:09:31,905 --> 00:09:36,242 翻訳の締め切り 過ぎちまって 急がんきゃ。 68 00:09:36,242 --> 00:09:42,248 歩が死んだばっかだに よく 仕事なんできるじゃんけ! 69 00:09:47,587 --> 00:09:50,924 これ 持ってくぞ。 70 00:09:50,924 --> 00:09:55,628 (時計の音) 71 00:10:08,475 --> 00:10:12,212 はなのやつ こんな時に仕事なんか…。 72 00:10:12,212 --> 00:10:14,948 (かよ)兄やん? 73 00:10:14,948 --> 00:10:18,284 母親が仕事してるせいで 歩が どんだけ寂しい思いしてたか➡ 74 00:10:18,284 --> 00:10:21,988 はなは ちっとも分かっちゃいん…。 75 00:10:23,623 --> 00:10:29,329 お姉やん 今 ほうしかできんじゃねえかな。 76 00:10:30,964 --> 00:10:34,968 おらも あのころ ほうだった。 77 00:10:37,837 --> 00:10:44,511 体 動かしていんと 苦しくて 寂しくて…➡ 78 00:10:44,511 --> 00:10:48,515 生きてるのが怖かった。 79 00:10:48,515 --> 00:10:55,822 ふんだから 昼も夜も がむしゃらに働いてたさ。 80 00:10:59,659 --> 00:11:02,262 お姉やんにとっちゃ きっと➡ 81 00:11:02,262 --> 00:11:08,935 ほれが 物語作ったり 翻訳する事なんだよ。 82 00:11:08,935 --> 00:11:34,193 ♬~ 83 00:11:34,193 --> 00:11:36,663 (英治)徹夜したの? 84 00:11:36,663 --> 00:11:42,335 ええ…。 ありがとう。 85 00:11:42,335 --> 00:11:46,673 梶原さんには 僕が電話して渡しておくから➡ 86 00:11:46,673 --> 00:11:49,576 君は ゆっくり休めよ。 87 00:11:49,576 --> 00:11:53,279 まだ眠くならないから もう少しだけ。 88 00:12:43,329 --> 00:12:47,200 (梶原)英治君。 89 00:12:47,200 --> 00:12:49,902 これ。 90 00:12:56,342 --> 00:13:00,046 申し訳ない事を したかもしれないな…。 91 00:13:02,148 --> 00:13:05,618 「歩ちゃん。➡ 92 00:13:05,618 --> 00:13:11,324 あなたと一緒に このご本を 読みたかったのですよ」。 93 00:13:13,293 --> 00:13:19,165 「でも もう あなたは 天のおうちね…。➡ 94 00:13:19,165 --> 00:13:23,636 お母ちゃまは バカでしたね…。➡ 95 00:13:23,636 --> 00:13:26,539 こんなに早く 天国に行ってしまうなら➡ 96 00:13:26,539 --> 00:13:30,309 仕事ばかりしていないで➡ 97 00:13:30,309 --> 00:13:36,983 あなたのそばに ずっと いてやればよかった…」。 98 00:13:36,983 --> 00:13:41,654 (雨の音) 99 00:13:41,654 --> 00:13:45,324 「雨が降ってきました…。➡ 100 00:13:45,324 --> 00:13:51,664 お母ちゃまの心にも 雨が降っています…。➡ 101 00:13:51,664 --> 00:13:55,535 かわいい お宝の歩ちゃん…。➡ 102 00:13:55,535 --> 00:14:01,941 お母ちゃまの命は あなたの命と一緒に➡ 103 00:14:01,941 --> 00:14:06,612 この世から離れてしまったような 気がします」。 104 00:14:06,612 --> 00:14:18,624 ♬~ 105 00:14:18,624 --> 00:14:22,929 (泣き声) 106 00:14:24,497 --> 00:14:29,268 (平祐)英治。 花子さん どこ行ったんだ? 107 00:14:29,268 --> 00:14:33,639 ゆうべ 徹夜したので まだ寝てるはずですが…。 108 00:14:33,639 --> 00:14:36,943 いや… どこにもいないぞ。 109 00:14:45,251 --> 00:14:49,188 花子が姿を消してしまいました。 110 00:14:49,188 --> 00:14:55,194 ごきげんよう。 さようなら。