1 00:00:03,937 --> 00:00:08,275 (平祐)花子さん どこ行ったんだ? どこにもいないぞ。 2 00:00:08,275 --> 00:00:15,582 翻訳の仕事を完成させた花子が いなくなってしまいました。 3 00:00:17,284 --> 00:00:19,953 (英治)かよさん! 4 00:00:19,953 --> 00:00:23,290 (かよ)お義兄さん。 こんな時間に どうしたですか? 5 00:00:23,290 --> 00:00:26,627 花子 来てませんか? いいえ。 6 00:00:26,627 --> 00:00:29,529 (蓮子)えっ? はなちゃん いなくなったんですか? 7 00:00:29,529 --> 00:00:34,968 すみませんが 連絡があったら教えて下さい。 8 00:00:34,968 --> 00:00:36,904 (戸が閉まる音) 9 00:00:36,904 --> 00:00:40,641 (浪子)早まった事 考えなきゃいいけどね。 10 00:00:40,641 --> 00:00:43,310 えっ…。 11 00:00:43,310 --> 00:00:45,979 英治さん! 12 00:00:45,979 --> 00:00:48,315 はい。 13 00:00:48,315 --> 00:00:50,984 私も一緒に捜します。 14 00:00:50,984 --> 00:00:53,887 すみません。 15 00:00:53,887 --> 00:00:56,323 ♬「これから はじまる」 16 00:00:56,323 --> 00:00:59,226 ♬「あなたの 物語」 17 00:00:59,226 --> 00:01:03,931 ♬「ずっと長く 道は続くよ」 18 00:01:03,931 --> 00:01:08,602 ♬「虹色の雨 降り注げば」 19 00:01:08,602 --> 00:01:13,941 ♬「空は 高鳴る」 20 00:01:13,941 --> 00:01:19,613 ♬「眩しい笑顔の奥に」 21 00:01:19,613 --> 00:01:24,484 ♬「悲しい音がする」 22 00:01:24,484 --> 00:01:29,623 ♬「寄りそって 今があって」 23 00:01:29,623 --> 00:01:37,497 ♬「こんなにも 愛おしい」 24 00:01:37,497 --> 00:01:42,202 ♬「手を繋げば 温かいこと」 25 00:01:42,202 --> 00:01:48,308 ♬「嫌いになれば 一人になってくこと」 26 00:01:48,308 --> 00:01:52,980 ♬「ひとつひとつが あなたになる」 27 00:01:52,980 --> 00:01:57,985 ♬「道は 続くよ」 28 00:02:07,494 --> 00:02:10,464 父さん! おお…。 29 00:02:10,464 --> 00:02:14,935 花子 まだ戻ってませんか? ああ。 30 00:02:14,935 --> 00:02:18,605 僕が目を離したりしなければ…。 31 00:02:18,605 --> 00:02:20,540 おばさん ナミダさんのお話 して! 32 00:02:20,540 --> 00:02:23,477 僕は みみずのフト子さんの話がいい! 33 00:02:23,477 --> 00:02:27,614 はなちゃん! 34 00:02:27,614 --> 00:02:32,319 花子さん! 心配したよ…。 35 00:02:35,288 --> 00:02:39,159 (花子) 早くに目が覚めてしまって…➡ 36 00:02:39,159 --> 00:02:41,962 散歩に行っただけよ。 37 00:02:41,962 --> 00:02:45,298 そしたら この子たちに…。 早く お話聞かせて! 38 00:02:45,298 --> 00:02:50,637 早く 早く! おばさん お願い! お願い! 39 00:02:50,637 --> 00:02:55,509 「それでも 雲は 勇ましく こう言いました。➡ 40 00:02:55,509 --> 00:03:00,247 『下界の人たちよ。➡ 41 00:03:00,247 --> 00:03:06,586 私は 自分の体が どうなっても構わない。➡ 42 00:03:06,586 --> 00:03:10,457 あなたたちを助けよう。➡ 43 00:03:10,457 --> 00:03:17,230 私は 自分のいの…➡ 44 00:03:17,230 --> 00:03:24,237 自分の命を… あなたたちにあげよう』」。 45 00:03:27,607 --> 00:03:30,944 おばちゃん どうしたの? 46 00:03:30,944 --> 00:03:35,816 ごめんなさい…。 続きは また今度ね。 47 00:03:35,816 --> 00:03:38,518 ありがとう。 またね! 48 00:03:40,954 --> 00:03:45,959 今日は 歩君 どうしたんだろう? いないね。 49 00:03:55,502 --> 00:04:00,507 英治。 ちょっと。 50 00:04:17,591 --> 00:04:21,595 花子さんまで失っていいのか? 51 00:04:28,935 --> 00:04:32,606 散歩に行っただけだと 言っていたが➡ 52 00:04:32,606 --> 00:04:36,943 本当だと思うか? 53 00:04:36,943 --> 00:04:44,618 郁弥が亡くなった時 私は 郁弥のそばに行きたいと願った。 54 00:04:44,618 --> 00:04:47,521 花子さんの気持ちは よく分かる。 55 00:04:47,521 --> 00:04:52,959 僕にも 分かります。 56 00:04:52,959 --> 00:04:56,663 だったら 花子さんと ちゃんと話をしろ。 57 00:05:00,767 --> 00:05:03,570 お前だって つらいのは 分かってる。 しかし➡ 58 00:05:03,570 --> 00:05:07,240 花子さんの悲しみを 受け止めてやれるのは➡ 59 00:05:07,240 --> 00:05:09,943 お前しかいないんだぞ。 60 00:05:11,912 --> 00:05:18,585 歩が死んだのは 誰のせいでもないんだ。 61 00:05:18,585 --> 00:05:41,608 ♬~ 62 00:05:41,608 --> 00:05:48,915 僕を置いて 一人で歩のところに 行こうとしたんじゃない? 63 00:05:57,958 --> 00:06:02,262 海に連れていけばよかった…。 64 00:06:03,763 --> 00:06:11,071 歩… あんなに 海に行きたがってたのに…。 65 00:06:15,442 --> 00:06:21,915 晴れたら行こうねって 約束したのに…➡ 66 00:06:21,915 --> 00:06:26,920 私が破ってしまって…。 67 00:06:31,591 --> 00:06:36,263 仕事なんかしないで…➡ 68 00:06:36,263 --> 00:06:40,267 海に行けばよかった…。 69 00:06:49,276 --> 00:06:52,979 行きましょうよ…。 70 00:06:54,948 --> 00:06:59,653 これから 海に行きましょう。 71 00:07:01,221 --> 00:07:06,226 ねえ。 行きましょう。 72 00:07:45,265 --> 00:07:49,936 もう ここに来る事もないと 思ってたわ。 73 00:07:49,936 --> 00:07:54,941 思い出なんて つらいだけだもの。 74 00:07:59,946 --> 00:08:05,218 もっと たくさん してやれた…。 75 00:08:05,218 --> 00:08:08,121 仕事なんてしないで➡ 76 00:08:08,121 --> 00:08:13,893 もっと そばにいてやればよかった。 77 00:08:13,893 --> 00:08:20,233 もっと 私が ちゃんと見ていれば 歩ちゃん…➡ 78 00:08:20,233 --> 00:08:24,571 あんなに早く 天国に行く事もなかったのに…。 79 00:08:24,571 --> 00:08:29,275 花子さん! そんな事ないって! 80 00:08:32,445 --> 00:08:37,150 私みたいな母親のところに 生まれてこなければ➡ 81 00:08:37,150 --> 00:08:40,920 歩は もっと幸せになれた! 82 00:08:40,920 --> 00:08:43,590 私の子になんか➡ 83 00:08:43,590 --> 00:08:46,259 生まれてこなければ よかったのに! 84 00:08:46,259 --> 00:08:49,929 花子さん! それは 違うよ!➡ 85 00:08:49,929 --> 00:08:52,932 歩 言ってたんだ。 86 00:08:55,602 --> 00:08:59,606 「神様に頼んだ」って。 87 00:09:01,408 --> 00:09:05,412  回想  (歩)神様と雲の上から見てたんだ。 88 00:09:05,412 --> 00:09:08,882 そしたら お母ちゃまが見えたの。 89 00:09:08,882 --> 00:09:11,551 (吉太郎)雲の上から? 90 00:09:11,551 --> 00:09:16,890 お母ちゃま 英語のご本を読んだり 紙にお話を書いたり➡ 91 00:09:16,890 --> 00:09:19,793 忙しそうだったよ。 92 00:09:19,793 --> 00:09:22,762 でも 楽しそうだった。 93 00:09:22,762 --> 00:09:25,231 だから 神様に頼んだの。 94 00:09:25,231 --> 00:09:28,535 「僕は あの女の人のところに 行きたいです」って。 95 00:09:30,103 --> 00:09:33,573 歩が そんな事を…? 96 00:09:33,573 --> 00:09:36,910 その時は 信じられなかったよ。 97 00:09:36,910 --> 00:09:44,217 歩は… 君に似て 想像の翼を広げる子だから。 98 00:09:45,919 --> 00:09:50,256 でも 今は信じる。 99 00:09:50,256 --> 00:09:54,127 歩は 本当に君を選んで➡ 100 00:09:54,127 --> 00:09:58,832 この地上にやって来てくれた ような気がするんだ。 101 00:10:02,836 --> 00:10:10,944 君は 歩が選んだ 最高のお母さんじゃないか。 102 00:10:10,944 --> 00:10:42,642 ♬~ 103 00:10:42,642 --> 00:10:45,545 はなちゃん! 104 00:10:45,545 --> 00:11:02,829 ♬~ 105 00:11:08,268 --> 00:11:11,604 てっ…。 106 00:11:11,604 --> 00:11:14,274  回想  (歩)僕 分かったよ。 107 00:11:14,274 --> 00:11:17,944 雲はね 雨を降らせて消えちゃったあと➡ 108 00:11:17,944 --> 00:11:19,879 虹になるんだよ! 109 00:11:19,879 --> 00:11:21,814 そうね。 110 00:11:21,814 --> 00:11:26,286 お別れに お空の虹になったんだ。 111 00:11:26,286 --> 00:11:50,310 ♬~ 112 00:11:50,310 --> 00:11:53,980 英治さん。 113 00:11:53,980 --> 00:11:58,651 私 もっと忙しくなってもいい? 114 00:11:58,651 --> 00:12:00,954 えっ? 115 00:12:03,256 --> 00:12:10,129 これから すてきな物語を もっともっとたくさん➡ 116 00:12:10,129 --> 00:12:15,268 子どもたちに届けたいの。 117 00:12:15,268 --> 00:12:18,938 歩にしてやれなかった事を➡ 118 00:12:18,938 --> 00:12:24,244 日本中の子どもたちに してあげたいの。 119 00:12:26,279 --> 00:12:32,919 もちろん。 大賛成だよ。 120 00:12:32,919 --> 00:12:44,264 ♬~ 121 00:12:44,264 --> 00:12:47,166 はなちゃん…。 122 00:12:47,166 --> 00:12:58,278 ♬~ 123 00:12:58,278 --> 00:13:01,881 歩…。 124 00:13:01,881 --> 00:13:05,218 ありがとう…。 125 00:13:05,218 --> 00:13:53,933 ♬~ 126 00:14:00,873 --> 00:14:03,776 花子は 書き始めました。 127 00:14:03,776 --> 00:14:08,548 歩に話してやったお話を 思い出しながら。 128 00:14:08,548 --> 00:14:13,886 「夕立のあった場所一帯に 美しい美しい虹が➡ 129 00:14:13,886 --> 00:14:18,224 雲のための凱旋門のように アーチを作り➡ 130 00:14:18,224 --> 00:14:26,899 天にあるだけの輝いた光線が 虹のアーチに色をつけました。➡ 131 00:14:26,899 --> 00:14:32,572 自分の命を消してまでも 人間のために尽くした➡ 132 00:14:32,572 --> 00:14:39,445 大きな雲の愛の心が 別れの言葉として残した挨拶は➡ 133 00:14:39,445 --> 00:14:44,450 その虹だったのです」。 134 00:14:50,123 --> 00:14:54,827 ごきげんよう。 さようなら。