1 00:00:02,202 --> 00:00:05,939 (花子)私は 純平君や大勢の子どもたちを➡ 2 00:00:05,939 --> 00:00:08,609 戦地へ駆り立てた。 3 00:00:08,609 --> 00:00:13,947 お国のために命をささげなさいと ラジオで語りかけて…。 4 00:00:13,947 --> 00:00:18,819 (蓮子)お国のために 命を取られるくらいなら➡ 5 00:00:18,819 --> 00:00:22,956 一緒に連れて逃げればよかった。 6 00:00:22,956 --> 00:00:27,828 この子を殺されるくらいなら…。 7 00:00:27,828 --> 00:00:38,505 (泣き声) 8 00:00:38,505 --> 00:00:41,308 ♬「これから はじまる」 9 00:00:41,308 --> 00:00:44,211 ♬「あなたの 物語」 10 00:00:44,211 --> 00:00:48,982 ♬「ずっと長く 道は続くよ」 11 00:00:48,982 --> 00:00:53,654 ♬「虹色の雨 降り注げば」 12 00:00:53,654 --> 00:00:58,992 ♬「空は 高鳴る」 13 00:00:58,992 --> 00:01:04,264 ♬「眩しい笑顔の奥に」 14 00:01:04,264 --> 00:01:09,937 ♬「悲しい音がする」 15 00:01:09,937 --> 00:01:14,608 ♬「寄りそって 今があって」 16 00:01:14,608 --> 00:01:22,482 ♬「こんなにも 愛おしい」 17 00:01:22,482 --> 00:01:27,187 ♬「手を繋げば 温かいこと」 18 00:01:27,187 --> 00:01:33,293 ♬「嫌いになれば 一人になってくこと」 19 00:01:33,293 --> 00:01:37,965 ♬「ひとつひとつが あなたになる」 20 00:01:37,965 --> 00:01:42,669 ♬「道は 続くよ」 21 00:01:53,313 --> 00:01:57,985 涙なんか とっくに かれたと 思っていたのに➡ 22 00:01:57,985 --> 00:02:01,288 まだ残っていたのね…。 23 00:02:03,590 --> 00:02:08,261 まさか はなちゃんが来てくれるなんて➡ 24 00:02:08,261 --> 00:02:10,964 思ってもいなかったわ。 25 00:02:12,933 --> 00:02:20,807 歩が死んだ時も 蓮様 そばにいてくれたじゃない。 26 00:02:20,807 --> 00:02:27,114 あの時 蓮様がいてくれなかったら 私 どうなっていた事か…。 27 00:02:32,953 --> 00:02:38,258 純平君からも 蓮様の事 頼まれたの。 28 00:02:45,298 --> 00:02:54,007 純平が こんな私の姿を見たら 悲しむわね…。 29 00:02:57,878 --> 00:03:02,582 そうよ 蓮様。 30 00:03:04,785 --> 00:03:08,255 でも…。 31 00:03:08,255 --> 00:04:18,892 ♬~ 32 00:04:18,892 --> 00:04:21,795 ねえ 英治さん。 33 00:04:21,795 --> 00:04:25,799 戦争で子どもを失った母親は 大勢いるはず。 34 00:04:25,799 --> 00:04:30,504 その人たちの悲しみを 一番よく分かるのは 蓮様だわ。 35 00:04:30,504 --> 00:04:34,941 その人たちに ラジオで 語りかけるのは どうかと思うの。 36 00:04:34,941 --> 00:04:39,613 (英治)花子さん すごくいい考えだと思うよ。 37 00:04:39,613 --> 00:04:42,616 早速 電話してみるわ。 38 00:04:44,284 --> 00:04:49,956 本当ですか! ありがとうございます。 39 00:04:49,956 --> 00:04:52,859 じゃあ よろしくお願いします。 40 00:04:52,859 --> 00:04:56,296 ええ。 失礼します。 41 00:04:56,296 --> 00:05:00,901 蓮様の出演の事 JOAKの黒沢さんが➡ 42 00:05:00,901 --> 00:05:02,836 是非やりましょうって 言って下さったわ。 43 00:05:02,836 --> 00:05:04,771 そうか。 44 00:05:04,771 --> 00:05:08,074 早速 蓮様に話してみるわ。 (英治)うん。 45 00:05:12,245 --> 00:05:18,552 そして 蓮子がラジオに出演する日が やってまいりました。 46 00:05:20,120 --> 00:05:25,258 (黒沢)蓮子さん お久しぶりです。 47 00:05:25,258 --> 00:05:28,161 ごきげんよう。 48 00:05:28,161 --> 00:05:31,932 今日は お世話になります。 49 00:05:31,932 --> 00:05:34,834 GHQの検閲が入って➡ 50 00:05:34,834 --> 00:05:38,839 何か所か 削らなければなりませんが…。 51 00:05:42,275 --> 00:05:45,612 この番組は きっと反響を呼びます。 52 00:05:45,612 --> 00:05:48,949 ええ。 私も そう思います。 53 00:05:48,949 --> 00:05:52,652 では 本番は間もなくですから。 54 00:06:02,495 --> 00:06:06,233 大丈夫かしら…。 55 00:06:06,233 --> 00:06:11,104 大丈夫よ。 落ち着いて。 56 00:06:11,104 --> 00:06:15,108 何だか恐ろしくなってきたわ。 57 00:06:20,247 --> 00:06:26,119 ねえ 蓮様。 スコット先生を覚えてる? 58 00:06:26,119 --> 00:06:30,590 ええ。 修和女学校の…。 ええ。 59 00:06:30,590 --> 00:06:36,263 あの先生がカナダに帰国なさる時に 本を渡して下さったの。 60 00:06:36,263 --> 00:06:41,935 そこに出てくる主人公が こう言うの。 61 00:06:41,935 --> 00:06:48,808 「自分の未来は まっすぐに延びた 道のように思えた。➡ 62 00:06:48,808 --> 00:06:56,283 いつも 先まで ずっと見通せるような気がした。➡ 63 00:06:56,283 --> 00:07:02,555 ところが 今 曲がり角に来たのよ。➡ 64 00:07:02,555 --> 00:07:08,895 曲がり角を曲がった先に 何があるのかは 分からないの。➡ 65 00:07:08,895 --> 00:07:15,902 でも きっと 一番よいものに 違いないと思うの」。 66 00:07:26,913 --> 00:07:32,619 その主人公 はなちゃんみたいね。 67 00:07:35,255 --> 00:07:40,961 蓮様も 勇気を出して 曲がり角を曲がって。 68 00:07:43,129 --> 00:07:49,135 きっと 蓮様の思いは届くわ。 69 00:08:04,217 --> 00:08:12,092 私が 今日 ここでお話ししたいのは➡ 70 00:08:12,092 --> 00:08:17,564 平和の尊さでございます。 71 00:08:17,564 --> 00:08:28,274 先の戦争で 私は 最愛の息子 純平を失いました。 72 00:08:32,912 --> 00:08:42,622 私にとって 息子は 何ものにも 代え難い存在でございました。 73 00:08:44,924 --> 00:08:50,797 「『お母様は 僕がお守りします』。➡ 74 00:08:50,797 --> 00:08:55,935 幼い頃より 息子は そう言って➡ 75 00:08:55,935 --> 00:09:01,541 母である私を いつも守ってくれました。➡ 76 00:09:01,541 --> 00:09:07,247 本当に 心の優しい子でした」。 77 00:09:09,416 --> 00:09:13,553 子を失う事は➡ 78 00:09:13,553 --> 00:09:19,225 心臓をもぎ取られるよりも つらい事なのだと➡ 79 00:09:19,225 --> 00:09:25,231 私は 身をもって知りました。 80 00:09:29,235 --> 00:09:36,576 もしも 女ばかりに 政治を任されたならば➡ 81 00:09:36,576 --> 00:09:41,247 戦争は 決してしないでしょう。 82 00:09:41,247 --> 00:09:48,555 かわいい息子を殺しに出す母親が 一人だってありましょうか。 83 00:09:51,891 --> 00:09:57,597 「もう二度と このような 悲痛な思いをする母親を➡ 84 00:09:57,597 --> 00:10:00,266 生み出してはなりません。➡ 85 00:10:00,266 --> 00:10:06,573 もう二度と 最愛の子を奪わせては ならないのです」。 86 00:10:09,275 --> 00:10:15,982 戦争は 人類を最大の不幸に導く 唯一の現実です。 87 00:10:17,617 --> 00:10:21,488 最愛の子を亡くされたお母様方➡ 88 00:10:21,488 --> 00:10:24,958 あなた方は 独りではありません。 89 00:10:24,958 --> 00:10:30,630 同じ悲しみを抱く母が 全国には 大勢おります。 90 00:10:30,630 --> 00:10:34,300 私たちは その悲しみをもって➡ 91 00:10:34,300 --> 00:10:38,605 平和な国を造らねばならないと 思うのです。 92 00:10:40,173 --> 00:10:48,648 私は 命が続く限り 平和を訴え続けてまいります。 93 00:10:48,648 --> 00:11:04,964 ♬~ 94 00:11:13,606 --> 00:11:18,611 蓮様… すばらしかったわ。 95 00:11:20,280 --> 00:11:23,183 はなちゃん。 96 00:11:23,183 --> 00:11:25,952 送るわ。 97 00:11:25,952 --> 00:11:32,959 もう 一人で大丈夫よ。 98 00:11:35,628 --> 00:11:38,631 ごきげんよう。 99 00:11:41,301 --> 00:11:44,637 ごきげんよう。 100 00:11:44,637 --> 00:12:07,260 ♬~ 101 00:12:07,260 --> 00:12:15,602 「焼跡に 芽吹く木のあり かくのごとく➡ 102 00:12:15,602 --> 00:12:21,274 吾子の命のかへらぬものか」。 103 00:12:21,274 --> 00:12:42,562 ♬~ 104 00:12:44,297 --> 00:12:46,232 貸して 貸して! 105 00:12:46,232 --> 00:12:48,968 美里おねえちゃん! その本 貸して! 106 00:12:48,968 --> 00:12:51,638 (美里)いいわよ。 私は 暗記するほど読んだから。 107 00:12:51,638 --> 00:12:53,573 ありがとう! 108 00:12:53,573 --> 00:12:55,975 あっ じゃあ ハルキ君は こっちね。 109 00:12:55,975 --> 00:12:59,979 ありがとう! (美里)どういたしまして。 110 00:13:06,919 --> 00:13:11,591 一度 本の整理をした方が よさそうね。 111 00:13:11,591 --> 00:13:16,262 せっかく 焼けずに残ったのに これじゃなあ…。 112 00:13:16,262 --> 00:13:19,599 ねえ みんなに ご本を貸してあげるのは どう? 113 00:13:19,599 --> 00:13:21,534 お兄ちゃまのご本や➡ 114 00:13:21,534 --> 00:13:24,470 私や直子ちゃんが 小さい頃に読んだご本を➡ 115 00:13:24,470 --> 00:13:26,939 近所の子に貸してあげるの。 116 00:13:26,939 --> 00:13:32,278 なるほど。 図書館か! 117 00:13:32,278 --> 00:13:36,616 やろうよ! 日本で一番小さい子ども図書館。 118 00:13:36,616 --> 00:13:38,551 そうね。 119 00:13:38,551 --> 00:13:41,954 みんなに読んでもらえた方が 本も喜ぶわね。 120 00:13:41,954 --> 00:13:43,890 お母様。 121 00:13:43,890 --> 00:13:46,292 図書館だ! 図書館が出来る! 122 00:13:46,292 --> 00:13:51,964 (子どもたち)万歳! 万歳! 123 00:13:51,964 --> 00:13:56,669 (拍手と子どもたちの歓声) 124 00:13:58,638 --> 00:14:03,242 村岡家の庭に建てられた 小さな図書館は➡ 125 00:14:03,242 --> 00:14:07,113 連日 子どもたちでいっぱいです。 126 00:14:07,113 --> 00:14:12,819 花子たちは 歩文庫ライブラリーと名付けました。 127 00:14:17,590 --> 00:14:21,461 美里おねえさん これ お願いします!はい。 128 00:14:21,461 --> 00:14:27,166 館長は 18歳になった美里です。 129 00:14:28,935 --> 00:14:34,607 はい どうぞ。 副館長さん ありがとう! 130 00:14:34,607 --> 00:14:40,613 英治は 副館長として 歩文庫を運営しています。 131 00:14:42,949 --> 00:14:45,618 (子どもたち)おばさん! 132 00:14:45,618 --> 00:14:47,954 これ ありがとうございます! ありがとうございます! 133 00:14:47,954 --> 00:14:49,889 行こうぜ! 134 00:14:49,889 --> 00:14:54,594 ごきげんよう。 さようなら。