1 00:00:02,202 --> 00:00:04,605 ♬「これから はじまる」 2 00:00:04,605 --> 00:00:07,941 ♬「あなたの 物語」 3 00:00:07,941 --> 00:00:12,613 ♬「ずっと長く 道は続くよ」 4 00:00:12,613 --> 00:00:16,950 ♬「虹色の雨 降り注げば」 5 00:00:16,950 --> 00:00:22,289 ♬「空は 高鳴る」 6 00:00:22,289 --> 00:00:27,961 ♬「眩しい笑顔の奥に」 7 00:00:27,961 --> 00:00:32,833 ♬「悲しい音がする」 8 00:00:32,833 --> 00:00:38,305 ♬「寄りそって 今があって」 9 00:00:38,305 --> 00:00:45,979 ♬「こんなにも 愛おしい」 10 00:00:45,979 --> 00:00:50,651 ♬「手を繋げば 温かいこと」 11 00:00:50,651 --> 00:00:56,523 ♬「嫌いになれば 一人になってくこと」 12 00:00:56,523 --> 00:01:01,261 ♬「ひとつひとつが あなたになる」 13 00:01:01,261 --> 00:01:06,266 ♬「道は 続くよ」 14 00:01:14,608 --> 00:01:21,281 (宇田川)敗戦後 私が筆を折っていたのは ご存じ? 15 00:01:21,281 --> 00:01:23,951 (花子)ええ…。 16 00:01:23,951 --> 00:01:27,621 何を書くべきか 分からなくなってしまったの。 17 00:01:27,621 --> 00:01:35,495 7年間も 宇田川満代は がらんどうだった。 18 00:01:35,495 --> 00:01:41,501 その私が… また書けるような気がするの。 19 00:01:44,972 --> 00:01:48,308 ありがとう。 20 00:01:48,308 --> 00:01:50,644 宇田川先生…。 21 00:01:50,644 --> 00:01:55,515 あなたじゃなくて 「赤毛のアン」にお礼を言ったのよ。 22 00:01:55,515 --> 00:01:58,218 あっ 今 お茶を…。 23 00:02:00,454 --> 00:02:02,589 宇田川先生! 24 00:02:02,589 --> 00:02:05,258 もう 書きたい言葉が あふれてるんだから➡ 25 00:02:05,258 --> 00:02:07,561 邪魔しないで! 26 00:02:10,931 --> 00:02:16,637 「赤毛のアン」は たちまち ベストセラーになりました。 27 00:02:18,271 --> 00:02:24,611 「プリンス・エドワード島は 世界中で 一番きれいな所だって➡ 28 00:02:24,611 --> 00:02:26,546 いつも聞いていましたから➡ 29 00:02:26,546 --> 00:02:32,285 自分が そこに住んでいるところを よく想像していましたけれど➡ 30 00:02:32,285 --> 00:02:37,624 まさか 本当に そうなるなんて 夢にも思わなかったわ」。 31 00:02:37,624 --> 00:02:39,960 (朝市)「もう驚きもしないし➡ 32 00:02:39,960 --> 00:02:43,630 あんた方を 気の毒とも思いませんよ」。 33 00:02:43,630 --> 00:02:46,533 (リン)このリンド夫人ちゅうのは➡ 34 00:02:46,533 --> 00:02:53,640 口やかましくって 人騒がせなおばさんじゃんね~。 35 00:02:53,640 --> 00:02:56,977 (武)「貧乏な者の幸せの一つは➡ 36 00:02:56,977 --> 00:03:03,784 たくさん 想像できるものが あるというところだわね」。 37 00:03:03,784 --> 00:03:07,254 (蓮子) 「愛すべき懐かしき世界よ。➡ 38 00:03:07,254 --> 00:03:10,924 あなたは なんて美しいのでしょう。➡ 39 00:03:10,924 --> 00:03:18,231 ここで暮らす事ができて この上なく うれしいわ」。 40 00:03:26,473 --> 00:03:29,609 (かよ)「小さな手が 自分の手に触れた時➡ 41 00:03:29,609 --> 00:03:34,481 何か 身内の温まるような 快いものが➡ 42 00:03:34,481 --> 00:03:37,484 マリラの胸に湧き上がった。➡ 43 00:03:37,484 --> 00:03:44,157 多分 これまで味わわなかった 母性愛であろう」。 44 00:03:44,157 --> 00:03:46,626 (旭)「重なっていく日々は➡ 45 00:03:46,626 --> 00:03:53,300 一年と名付けられたネックレスに 連ねられた➡ 46 00:03:53,300 --> 00:03:58,972 黄金の玉のようにも アンには思われた」。 47 00:03:58,972 --> 00:04:04,578 「自分が美人なのが 一番すてきだけれど➡ 48 00:04:04,578 --> 00:04:09,916 それは 私には駄目だから➡ 49 00:04:09,916 --> 00:04:20,227 その次にすてきな事は 美人の腹心の友を持つ事だわ」。 50 00:04:26,466 --> 00:04:32,172 今日は 出版の成功を祝うパーティーです。 51 00:04:32,172 --> 00:04:42,816 ♬~ 52 00:04:42,816 --> 00:04:45,285 はなさん。 53 00:04:45,285 --> 00:04:48,955 間に合いそう? 大丈夫? 54 00:04:48,955 --> 00:04:53,293 話したい事が 次から次へとあふれてくるの。 55 00:04:53,293 --> 00:04:55,629 (小泉)ああ… 村岡先生。 56 00:04:55,629 --> 00:04:57,564 新聞や雑誌から 取材の依頼が殺到しています。 57 00:04:57,564 --> 00:04:59,499 後で お時間下さい。 58 00:04:59,499 --> 00:05:02,903 (門倉)その前に 続編の打ち合わせだよ。 59 00:05:02,903 --> 00:05:05,572 てっ… 今 何て? 60 00:05:05,572 --> 00:05:08,475 ですから 「赤毛のアン」の 続編を出したいんです。 61 00:05:08,475 --> 00:05:11,478 てっ! 続編? 62 00:05:14,247 --> 00:05:17,584 (英治)はい。 63 00:05:17,584 --> 00:05:21,922 君が読むのを我慢していた 「ANNE of AVONLEA」。 64 00:05:21,922 --> 00:05:25,592 今日のお祝いに 持ってきたんだけど➡ 65 00:05:25,592 --> 00:05:29,596 ちょうどよかったね。 英治さん…。 66 00:05:31,464 --> 00:05:35,936 (梶原)ルーシー・モード・モンゴメリという カナダの作家と➡ 67 00:05:35,936 --> 00:05:41,274 村岡花子君は 映し鏡のように重なり合うのです。 68 00:05:41,274 --> 00:05:46,613 ありふれた日常を輝きに変える 言葉がちりばめられた➡ 69 00:05:46,613 --> 00:05:52,953 この小説は まさに 非凡に通じる 洗練された平凡であります。 70 00:05:52,953 --> 00:05:59,626 必ず 時代を越えて読み継がれる ベストセラーとなる事でしょう。 71 00:05:59,626 --> 00:06:02,896 どうも ありがとうございました。 72 00:06:02,896 --> 00:06:05,799 (拍手) 73 00:06:05,799 --> 00:06:08,235 (小泉)では 最後に➡ 74 00:06:08,235 --> 00:06:12,105 日本語版「赤毛のアン」の 生みの親である➡ 75 00:06:12,105 --> 00:06:16,409 村岡花子先生に ご登壇頂きましょう。 76 00:06:19,246 --> 00:06:22,549 どうしたのかしら。 77 00:06:26,586 --> 00:06:30,924 cantankerous… cantankerous…。 花子さん! 78 00:06:30,924 --> 00:06:34,594 はい 英治さん。 ねえ 辞書は ないかしら? 79 00:06:34,594 --> 00:06:37,497 えっ!? みんな 君のスピーチを待ってるんだよ! 80 00:06:37,497 --> 00:06:39,499 ほら 急いで! 81 00:06:45,238 --> 00:06:51,611 (拍手) 82 00:06:51,611 --> 00:06:59,953 あ… ほ… 本日は こんなに大勢の皆様に➡ 83 00:06:59,953 --> 00:07:05,558 「赤毛のアン」の出版を 祝って頂き➡ 84 00:07:05,558 --> 00:07:09,863 こんなに幸せな事はありません。 85 00:07:12,232 --> 00:07:18,104 私は 本の力を信じています。 86 00:07:18,104 --> 00:07:26,246 一冊の本が心の支えとなって 自分を絶えず励まし➡ 87 00:07:26,246 --> 00:07:29,549 勇気づけてくれるのです。 88 00:07:32,118 --> 00:07:37,257 私にとって 「ANNE of GREEN GABLES」は➡ 89 00:07:37,257 --> 00:07:40,927 その一冊でした。 90 00:07:40,927 --> 00:07:44,798 主人公を取り巻いている世界は➡ 91 00:07:44,798 --> 00:07:49,269 私が修和女学校の寄宿舎で 過ごした日々と➡ 92 00:07:49,269 --> 00:07:51,971 あまりにも似ていました。 93 00:07:53,606 --> 00:07:57,477 厳しいけれど 深い愛情を持つマリラは➡ 94 00:07:57,477 --> 00:08:03,216 まるで 校長のブラックバーン先生のようでした。 95 00:08:03,216 --> 00:08:08,088 腹心の友 ダイアナは➡ 96 00:08:08,088 --> 00:08:15,095 私が寄宿舎で出会った 2人の大切な親友です。 97 00:08:17,764 --> 00:08:26,239 彼女たちは 生涯を通じて 私の腹心の友となってくれました。 98 00:08:26,239 --> 00:08:31,945 2人? 私も…。 99 00:08:41,254 --> 00:08:47,594 この本との出会いは 運命のように思いました。 100 00:08:47,594 --> 00:08:55,468 13年前 私は ミス スコットと約束しました。 101 00:08:55,468 --> 00:09:02,542 「平和が訪れた時 必ず この本を翻訳して➡ 102 00:09:02,542 --> 00:09:07,881 日本の多くの人に 読んでもらいます」と。 103 00:09:07,881 --> 00:09:14,220 けれど 日本は 大きな曲がり角を曲がり➡ 104 00:09:14,220 --> 00:09:18,525 戦争は 激しくなる一方でした。 105 00:09:20,894 --> 00:09:29,235 どんなに不安で暗い夜でも 必ず明けて 朝がやって来ます。 106 00:09:29,235 --> 00:09:38,912 そして 曲がり角の先には きっと 一番いいものが待っている。 107 00:09:38,912 --> 00:09:47,220 それは 物語の中で アンが教えてくれた事でした。 108 00:09:50,256 --> 00:09:54,127 私の今までの人生を 振り返っても➡ 109 00:09:54,127 --> 00:09:58,131 いくつもの曲がり角を 曲がってきました。 110 00:10:00,900 --> 00:10:11,611 関東大震災 愛する息子の死 戦争…。 111 00:10:15,949 --> 00:10:22,288 思いがけないところで 曲がり角を曲がり➡ 112 00:10:22,288 --> 00:10:28,161 見通しのきかない細い道を 歩く事になったとしても➡ 113 00:10:28,161 --> 00:10:38,638 そこにも 優しい心 幸福 友情などの➡ 114 00:10:38,638 --> 00:10:45,645 美しい花が咲いていると 今は 強く信じています。 115 00:10:47,981 --> 00:10:52,852 アンのように 勇気を出して歩いていけば➡ 116 00:10:52,852 --> 00:10:59,325 曲がり角の先には きっと…➡ 117 00:10:59,325 --> 00:11:06,132 きっと 美しい景色が待っています。 118 00:11:06,132 --> 00:11:16,809 ♬~ 119 00:11:16,809 --> 00:11:23,516 日本中に アンの腹心の友ができますように。 120 00:11:23,516 --> 00:11:52,512 (拍手) 121 00:11:54,314 --> 00:11:57,984 村岡先生! 花子さん! 122 00:11:57,984 --> 00:12:02,255 cantankerous… cantankerous…。 123 00:12:02,255 --> 00:12:19,606 ♬~ 124 00:12:19,606 --> 00:12:25,612 cantankerous… cantankerous… cantankerous…。 125 00:12:29,949 --> 00:12:36,289 cantankerous… cantankerous…。 126 00:12:36,289 --> 00:12:39,192 あった。 127 00:12:39,192 --> 00:12:44,897 「意地悪な」 「気難しい」か。 128 00:12:59,512 --> 00:13:05,251 「ある気持ちのよい 8月の午後の事。➡ 129 00:13:05,251 --> 00:13:12,125 プリンス・エドワード島の 一軒の農家の玄関先➡ 130 00:13:12,125 --> 00:13:15,261 赤い砂岩の踏み段の上に➡ 131 00:13:15,261 --> 00:13:21,934 背の高い ほっそりとした少女が 座っていた」。 132 00:13:21,934 --> 00:13:46,959 ♬~ 133 00:13:46,959 --> 00:13:51,964 (羽ばたく音) 134 00:13:55,968 --> 00:13:59,639 花子が命懸けで守り➡ 135 00:13:59,639 --> 00:14:04,243 愛と友情を込めて翻訳した 「赤毛のアン」は➡ 136 00:14:04,243 --> 00:14:07,914 昭和から平成の時代を経て➡ 137 00:14:07,914 --> 00:14:14,787 今なお 多くの人々に読み継がれ 希望を与えています。 138 00:14:14,787 --> 00:14:24,263 ♬~ 139 00:14:24,263 --> 00:14:33,606 「アンの心は はるか彼方の すばらしい世界へ➡ 140 00:14:33,606 --> 00:14:37,310 飛び去っていた」。 141 00:14:39,479 --> 00:14:44,484 ごきげんよう。 さようなら。