1 00:00:02,169 --> 00:00:04,838 (リン)大変だ! (はな)おばさん。 2 00:00:04,838 --> 00:00:09,509 周造さんが倒れただよ! おじぃやんが? 3 00:00:15,515 --> 00:00:18,185 ♬「これから はじまる」 4 00:00:18,185 --> 00:00:21,188 ♬「あなたの 物語」 5 00:00:21,188 --> 00:00:25,526 ♬「ずっと長く 道は続くよ」 6 00:00:25,526 --> 00:00:30,197 ♬「虹色の雨 降り注げば」 7 00:00:30,197 --> 00:00:35,869 ♬「空は 高鳴る」 8 00:00:35,869 --> 00:00:40,874 ♬「眩しい笑顔の奥に」 9 00:00:40,874 --> 00:00:46,213 ♬「悲しい音がする」 10 00:00:46,213 --> 00:00:51,218 ♬「寄りそって 今があって」 11 00:00:51,218 --> 00:00:59,226 ♬「こんなにも 愛おしい」 12 00:00:59,226 --> 00:01:04,164 ♬「手を繋げば 温かいこと」 13 00:01:04,164 --> 00:01:09,836 ♬「嫌いになれば 一人になってくこと」 14 00:01:09,836 --> 00:01:14,508 ♬「ひとつひとつが あなたになる」 15 00:01:14,508 --> 00:01:19,780 ♬「道は 続くよ」 16 00:01:37,864 --> 00:01:40,200 (吉平)先生。 17 00:01:40,200 --> 00:01:43,870 一命は取り留めたけんど 心臓が かなり弱っている。 18 00:01:43,870 --> 00:01:48,542 もう一遍 発作が起きたら ほの時は… 覚悟してくりょう。 19 00:01:50,210 --> 00:01:52,879 (医者)もう 無理させんように。 20 00:01:52,879 --> 00:01:58,151 お大事に。 (ふじ)先生 ありがとうごいした。 21 00:02:06,059 --> 00:02:13,066 おらのせいだ…。 あの女の事に気ぃ取られて➡ 22 00:02:13,066 --> 00:02:18,839 お父やん一人に 畑仕事を押しつけちまって…。 23 00:02:18,839 --> 00:02:21,508 おかあ…。 24 00:02:21,508 --> 00:02:23,844 ふじ…。 25 00:02:23,844 --> 00:02:28,849 俺で手伝えるこん あったら 何でも言ってくりょう。 26 00:02:28,849 --> 00:02:33,120 おまんに ふじちゃんが 素直に頼める訳ねえら! 27 00:02:36,189 --> 00:02:39,860 先生 送ってくる…。 28 00:02:55,208 --> 00:03:01,815 おかあ。 おらが見てるから おかあは 少し休めし。 29 00:03:01,815 --> 00:03:06,486 おまんは 明日も学校があるじゃんけ。 30 00:03:11,158 --> 00:03:14,494 寒くねえかな…。 31 00:03:14,494 --> 00:03:17,764 おじぃやんのかいまき取ってくる。 32 00:03:35,515 --> 00:03:38,518 (ふじ)はなの本? 33 00:03:38,518 --> 00:03:41,188 どっから持ってきたでえ? 34 00:03:41,188 --> 00:03:44,191 おじぃやんの寝床に 置いてあったさ。 35 00:03:44,191 --> 00:03:49,863 てっ! お父やん 字が読めねえのに。 36 00:03:49,863 --> 00:03:54,868 明日 学校から帰ってきたら 読んであげてくりょう。 37 00:03:54,868 --> 00:03:57,537 きっと元気出るら。 38 00:04:04,044 --> 00:04:07,814 おかあ…。 39 00:04:07,814 --> 00:04:12,486 おとうの事 このまんまでいいの? 40 00:04:21,495 --> 00:04:28,502 吉平も その夜は 一睡もできませんでした。 41 00:04:28,502 --> 00:04:46,520 ♬~ 42 00:04:46,520 --> 00:04:50,190 (朝市)はな。 43 00:04:50,190 --> 00:04:53,193 大丈夫け? 44 00:04:53,193 --> 00:04:57,864 おらは 大丈夫。 ふんだけんど➡ 45 00:04:57,864 --> 00:05:02,035 おかあは 寝なんで おじぃやんの看病して➡ 46 00:05:02,035 --> 00:05:05,038 ほのまま 畑行った…。 47 00:05:05,038 --> 00:05:11,812 ほうか。 おばさんまで倒れんきゃ いいけんどな…。 48 00:05:11,812 --> 00:05:17,484 あっ おらにできる事があったら 何でも言ってくりょう。 49 00:05:22,155 --> 00:05:26,159 うちのおかあも おせっかい やきたがってるけんど➡ 50 00:05:26,159 --> 00:05:28,495 あのおしゃべりが行っちゃ➡ 51 00:05:28,495 --> 00:05:32,165 周造じぃやんも やかましくて おちおち寝てられんら。 52 00:05:37,170 --> 00:05:42,442 大丈夫。 きっと元気になるさ。 53 00:05:44,177 --> 00:05:48,448 うん。 ありがとう。 54 00:05:57,524 --> 00:06:01,127 (徳丸)おまん 商売してる場合け! 55 00:06:01,127 --> 00:06:04,464 周造さん倒れて 大変だったらしいじゃん。 56 00:06:04,464 --> 00:06:06,466 ああ…。 57 00:06:06,466 --> 00:06:10,470 まさか まだ うちに帰っちゃいんだけ!? 58 00:06:10,470 --> 00:06:15,442 ふじが許しちゃくれんだ…。 59 00:06:18,478 --> 00:06:24,818 おまん 本当に ふじちゃんを 裏切るような事してねえだけ? 60 00:06:24,818 --> 00:06:31,491 いや… 俺は やってねえ… と思う。 61 00:06:31,491 --> 00:06:34,761 ふんだったら してねえだ。 62 00:06:37,163 --> 00:06:43,503 こういう時こそ ふじちゃんの そばにいてやるべきずら。 63 00:06:43,503 --> 00:06:48,842 ふんだけんど やっぱし 俺にできるこんちゅうのは➡ 64 00:06:48,842 --> 00:06:55,181 行商で金稼いで 早く借金返すぐれえで…。 65 00:06:55,181 --> 00:06:57,517 おまんは バカけ? 66 00:06:57,517 --> 00:07:00,453 金貸してる わしが➡ 67 00:07:00,453 --> 00:07:04,724 「行商なんやめて うち帰れ」ってんだ。 68 00:07:07,460 --> 00:07:12,799 今 ふじちゃんが 心っから頼れるのは➡ 69 00:07:12,799 --> 00:07:19,139 誰でもねえ 亭主のおまんずら。 70 00:07:19,139 --> 00:08:00,180 ♬~ 71 00:08:00,180 --> 00:08:07,787 (周造)ああ… 字が読めたらな…。 72 00:08:07,787 --> 00:08:11,458 (吉平)あの…。 73 00:08:11,458 --> 00:08:16,730 俺でよかったら読みますけんど…。 74 00:08:19,466 --> 00:08:25,472 あ… 失礼しやした。 75 00:08:25,472 --> 00:08:28,441 (周造)待て。 76 00:08:30,143 --> 00:08:34,114 おまんしか いねえだから しょうがねえら。 77 00:08:39,152 --> 00:08:43,823 ふんじゃあ 読まして頂きます。 78 00:08:43,823 --> 00:08:49,496 「『たんぽぽの目』。➡ 79 00:08:49,496 --> 00:08:53,833 百合子は 一人っ子でしたから➡ 80 00:08:53,833 --> 00:08:59,506 お友達が遊びに来ない時は 寂しくて たまりませんでした。➡ 81 00:08:59,506 --> 00:09:03,443 『誰か遊びに来ないかなあ』と 言いながら➡ 82 00:09:03,443 --> 00:09:07,781 お庭の木戸から 裏の原っぱへ出ていきました。➡ 83 00:09:07,781 --> 00:09:15,054 『今日は だ~れも 出ていないわ。 つまらないなあ』」。 84 00:09:17,457 --> 00:09:25,131 あれ? おじぃやん? つまらんですか? 85 00:09:26,800 --> 00:09:31,137 はなの作った話が つまらん訳ねえら。 86 00:09:31,137 --> 00:09:33,139 はあ…。 87 00:09:33,139 --> 00:09:41,815 こうして 目をつぶった方が 景色が浮かぶだ。 88 00:09:44,150 --> 00:09:49,823 さっさと続きょう読めし。 (吉平)はい。 89 00:09:49,823 --> 00:09:55,161 「背の高い草が茂っていて その上に…」。 90 00:09:55,161 --> 00:10:01,835 「『私 大きくなったら お歌を作る人になりたいの。➡ 91 00:10:01,835 --> 00:10:05,505 なれるでしょうか。 どうでしょう』」。➡ 92 00:10:05,505 --> 00:10:08,174 「『お父さんも これからは➡ 93 00:10:08,174 --> 00:10:11,845 たんぽぽを邪魔だなんて 言わないようにしようね』。➡ 94 00:10:11,845 --> 00:10:20,520 お父さんは 優しく 百合子の頭をなでました」。 95 00:10:20,520 --> 00:10:24,791 おしまい。 96 00:10:27,861 --> 00:10:35,201 はなは 本当に面白えボコだったな。 97 00:10:35,201 --> 00:10:40,540 ええ。 神童ですから。 98 00:10:40,540 --> 00:10:47,213 おまんが 東京の女学校に 入れるって言いだしたときゃあ➡ 99 00:10:47,213 --> 00:10:52,552 とんでもねえこんになったと 思ったけんど➡ 100 00:10:52,552 --> 00:10:59,559 はなが こうして 本を出すようになるとはな。 101 00:10:59,559 --> 00:11:01,728 婿殿が➡ 102 00:11:01,728 --> 00:11:05,698 変わりもんだった おかげかもしれねえな。 103 00:11:08,168 --> 00:11:11,838 はっきり言って おまんのこたぁ➡ 104 00:11:11,838 --> 00:11:18,178 ふじが 結婚してえって 連れてきた時っから➡ 105 00:11:18,178 --> 00:11:22,515 ずっと好かなんだ。 106 00:11:22,515 --> 00:11:25,852 知ってました。 107 00:11:25,852 --> 00:11:33,192 こっちから見る富士山が 裏富士だなんて言いくさって。 108 00:11:33,192 --> 00:11:43,202 一つ屋根の下にいて 目も合わしてくれなんだ。 109 00:11:43,202 --> 00:11:47,173 そうさな。 110 00:11:54,213 --> 00:11:58,885 お義父さん…。 この度は➡ 111 00:11:58,885 --> 00:12:06,826 いろいろ ご心労をおかけして すまなんだです。 112 00:12:06,826 --> 00:12:17,837 あのサダとかいう女とは 何もなかったずら。 113 00:12:17,837 --> 00:12:28,181 よ~く考えてみりゃあ おまんは ほんな甲斐性のある男じゃねえら。 114 00:12:28,181 --> 00:12:30,850 はあ…。 115 00:12:30,850 --> 00:12:38,191 ふんだけんど ふじは ほう簡単にゃあ 許さねえぞ。 116 00:12:38,191 --> 00:12:45,531 あいつは 噴火すると おっかねえからな。 117 00:12:45,531 --> 00:12:50,203 名前が ふじですから。 118 00:12:50,203 --> 00:12:54,474 ああ。 ハハハハ…。 119 00:12:59,879 --> 00:13:03,049 婿殿。 はい。 120 00:13:03,049 --> 00:13:09,489 わしは もう そう長くはねえ。 121 00:13:09,489 --> 00:13:12,458 お義父さん…。 122 00:13:15,828 --> 00:13:24,170 ふじの事 こぴっと頼むぞ。➡ 123 00:13:24,170 --> 00:13:30,843 子どもたちの事も頼んだぞ。 124 00:13:45,858 --> 00:13:49,529 もう一遍 読んでくりょう。 125 00:13:49,529 --> 00:13:52,799 はい。 126 00:13:59,205 --> 00:14:02,809 「『たんぽぽの目』。➡ 127 00:14:02,809 --> 00:14:08,481 百合子は 一人っ子でしたから➡ 128 00:14:08,481 --> 00:14:14,153 お友達が遊びに来ない時は 寂しくて たまりませんでした。➡ 129 00:14:14,153 --> 00:14:18,825 『誰か遊びに来ないかなあ』と 言いながら➡ 130 00:14:18,825 --> 00:14:26,499 お庭の木戸から 裏の原っぱへ出ていきました。➡ 131 00:14:26,499 --> 00:14:32,839 『今日は だ~れも出ていないわ。 つまらないなあ』」。 132 00:14:32,839 --> 00:14:37,176 その日 吉平は 周造にせがまれ➡ 133 00:14:37,176 --> 00:14:42,849 何べんも何べんも はなの小説を読みました。 134 00:14:42,849 --> 00:14:49,188 「『百合子さん いらっしゃい』」。 135 00:14:49,188 --> 00:14:54,160 ごきげんよう。 さようなら。