1 00:00:07,936 --> 00:00:15,644 突然の涙 英一郎は ずっと孤独だったんだ。 2 00:00:15,644 --> 00:00:20,515 エリーには 英一郎の胸の奥に広がる 寂しさが➡ 3 00:00:20,515 --> 00:00:25,815 ひしひしと伝わってきました。 4 00:00:32,460 --> 00:00:35,964 (秋風)お前は 才能がある! これは神様がくれたチャンスだ。 5 00:00:35,964 --> 00:00:40,802 いや 律君がくれたチャンスだ! 6 00:00:40,802 --> 00:00:42,737 (鈴愛)律…。 7 00:00:42,737 --> 00:00:46,975 口に出したら悲しい…。 8 00:00:46,975 --> 00:00:50,478 頭の中だけで思うより ずっと…。 9 00:00:50,478 --> 00:00:52,814 もう しゃべるな 鈴愛。 もったいない! 10 00:00:52,814 --> 00:00:57,652 しゃべらなくていい! 漫画にするんだ! 11 00:00:57,652 --> 00:00:59,688 それを描け! 12 00:00:59,688 --> 00:01:20,675 ♬~ 13 00:01:20,675 --> 00:01:25,180 ♬「おはよう 世の中」 14 00:01:25,180 --> 00:01:27,849 ♬「夢を連れて 繰り返した」 15 00:01:27,849 --> 00:01:31,286 ♬「湯気には生活のメロディ」 16 00:01:31,286 --> 00:01:35,957 ♬「鶏の 歌声も」 17 00:01:35,957 --> 00:01:38,793 ♬「線路 風の話し声も」 18 00:01:38,793 --> 00:01:42,297 ♬「すべてはモノラルのメロディ」 19 00:01:42,297 --> 00:01:44,966 ♬「涙零れる音は」 20 00:01:44,966 --> 00:01:48,837 ♬「咲いた花がはじく雨音」 21 00:01:48,837 --> 00:01:52,474 ♬「悲しみに青空を」 22 00:01:52,474 --> 00:01:58,146 ♬「つづく日々の道の先を」 23 00:01:58,146 --> 00:02:01,649 ♬「塞ぐ影に」 24 00:02:01,649 --> 00:02:03,585 ♬「アイデアを」 25 00:02:03,585 --> 00:02:09,157 ♬「雨の音で歌を歌おう」 26 00:02:09,157 --> 00:02:16,030 ♬「すべて超えて届け」 27 00:02:16,030 --> 00:02:24,530 ♬~ 28 00:02:32,380 --> 00:02:35,617 (藤堂)鈴愛ちゃんは すごいのかもしれない。 29 00:02:35,617 --> 00:02:40,121 (裕子)「月が屋根に隠れる」の話…。 30 00:02:40,121 --> 00:02:44,292 初めて聞いたよね。 初めて聞いた。 31 00:02:44,292 --> 00:02:48,463 あの子 感受性すごいのかも。 すごいもの描くかも。 32 00:02:48,463 --> 00:02:50,398 秋風先生に 天才って言われてた。 33 00:02:50,398 --> 00:02:54,636 いや 天才とは言ってないよ。 34 00:02:54,636 --> 00:02:57,305 才能があるって。 35 00:02:57,305 --> 00:02:59,808 そうか…。 でもさ 裕子ちゃん。 36 00:02:59,808 --> 00:03:03,311 鈴愛ちゃん 失恋したから いいものが描けるって事? 37 00:03:03,311 --> 00:03:06,815 うん。 秋風塾って そうだよね。 38 00:03:06,815 --> 00:03:09,651 自分の体験から物語にしていく。 39 00:03:09,651 --> 00:03:12,554 だとしても あんなに傷つかなくちゃ➡ 40 00:03:12,554 --> 00:03:16,424 いいものが描けないんだったら それは天才じゃないんじゃない? 41 00:03:16,424 --> 00:03:22,363 本当の天才は 全くの想像で 描くんじゃないかな? 42 00:03:22,363 --> 00:03:26,000 そうか…。 43 00:03:26,000 --> 00:03:31,800 でも そんな事ってあるのかなあ。 分かんないけど…。 44 00:03:34,809 --> 00:03:37,946 とにかく ボクテ。 うん 分かる。 45 00:03:37,946 --> 00:03:41,616 その先は言わなくても分かる。 46 00:03:41,616 --> 00:03:44,519 私たちも頑張ろうでしょ? 47 00:03:44,519 --> 00:03:47,956 うん 描こう。 48 00:03:47,956 --> 00:03:51,626 このままだと負ける。 岐阜の猿に。 49 00:03:51,626 --> 00:03:54,662 打倒 岐阜の猿。 50 00:03:54,662 --> 00:04:23,157 ♬~ 51 00:04:23,157 --> 00:04:27,996 <このように 鈴愛の律君失恋は➡ 52 00:04:27,996 --> 00:04:31,266 結果 秋風ハウス3人全員の➡ 53 00:04:31,266 --> 00:04:35,103 創作意欲を たきつける事になりました。➡ 54 00:04:35,103 --> 00:04:38,139 そして 鈴愛が本当に➡ 55 00:04:38,139 --> 00:04:40,441 秋風先生の言うように➡ 56 00:04:40,441 --> 00:04:44,141 才能があったかというと…> 57 00:04:53,788 --> 00:04:56,624 駄目! 全然駄目! 58 00:04:56,624 --> 00:05:00,461 構成がなってない。 セリフに溺れるな。 59 00:05:00,461 --> 00:05:04,132 <なかなか 天才には遠いようで…> 60 00:05:04,132 --> 00:05:09,637 視点の誘導ができてない。 吹き出しの位置が違う! 61 00:05:09,637 --> 00:05:12,337 見開きが弱い! 62 00:05:16,978 --> 00:05:20,648 ベタが雑! 63 00:05:20,648 --> 00:05:25,486 パース取れてない。 64 00:05:25,486 --> 00:05:29,991 お前は いつまで 「月屋根」 描いとるんじゃ おんどりゃ~! 65 00:05:29,991 --> 00:05:33,491 日が暮れて カラスが鳴くぞ~! 66 00:05:53,114 --> 00:05:56,784 <こうして 「月が屋根に隠れる」は➡ 67 00:05:56,784 --> 00:06:00,955 何度も何度でも 秋風に駄目を出され➡ 68 00:06:00,955 --> 00:06:05,293 同じ物語を150回くらい描かされ➡ 69 00:06:05,293 --> 00:06:09,163 そして また描き直す> 70 00:06:09,163 --> 00:06:18,473 ♬~ 71 00:06:18,473 --> 00:06:22,644 <アシスタント作業も もちろん続き…> 72 00:06:22,644 --> 00:06:35,289 ♬~ 73 00:06:35,289 --> 00:06:40,428 <お風呂には トーンの破片が浮き…> 74 00:06:40,428 --> 00:06:44,599 ボクテ! ん? 何? カケアミ! 75 00:06:44,599 --> 00:06:49,437 <忙しすぎて カップ麺は3分過ぎ➡ 76 00:06:49,437 --> 00:06:52,237 それでも食べ…> 77 00:06:56,310 --> 00:07:01,449 <そうして 1年がたつ頃には アシスタントとしては➡ 78 00:07:01,449 --> 00:07:04,485 どうにか こうにか 成長し➡ 79 00:07:04,485 --> 00:07:07,785 人物も任されるように…> 80 00:07:10,958 --> 00:07:14,629 <でも 鈴愛 月のきれいな夜と➡ 81 00:07:14,629 --> 00:07:21,329 眠れない夜には 必ず律君を思い出すのでした> 82 00:08:01,609 --> 00:08:15,809 (笛の音) 83 00:08:21,929 --> 00:08:31,572 ≪(笛の音) 84 00:08:31,572 --> 00:08:37,772 鈴愛ちゃんが 律君を呼んでる。 85 00:08:41,582 --> 00:08:46,082 これ 捨ててほしい。 86 00:08:48,356 --> 00:08:54,162 自分では 1年 よう捨てんかった。 87 00:08:54,162 --> 00:08:58,432 (2人)出た 岐阜弁…。 88 00:08:58,432 --> 00:09:04,105 <鈴愛の岐阜弁は 深い心情吐露のスタートです。➡ 89 00:09:04,105 --> 00:09:07,975 泣かれるのか? 身構えます> 90 00:09:07,975 --> 00:09:24,959 ♬~ 91 00:09:24,959 --> 00:09:27,862 俺が捨ててやろう。 えっ!? 92 00:09:27,862 --> 00:09:31,362 やっほ~い! (裕子)なんて事を! 93 00:09:33,568 --> 00:09:36,268 こいつが捨ててほしいと 言ったんだ。 94 00:09:39,440 --> 00:09:43,578 なあ 楡野。 お前の「月に雲が隠れる」は…。 95 00:09:43,578 --> 00:09:45,613 あっ 先生 「月が屋根に隠れる」です。 96 00:09:45,613 --> 00:09:49,083 そう それは 1年も直しているうちに➡ 97 00:09:49,083 --> 00:09:51,118 何が何だか分からなくなった。 98 00:09:51,118 --> 00:09:54,589 俺も何度も読んでいるうちに 若干 分からなくなった。 99 00:09:54,589 --> 00:09:56,524 先生 無責任です。 100 00:09:56,524 --> 00:09:59,760 こっちも人間だ。 しかたがない。 101 00:09:59,760 --> 00:10:04,098 このままでは お前は ボクテの 「女光源氏によろしく」にも➡ 102 00:10:04,098 --> 00:10:06,898 小宮の「5分待って」にも負ける! 103 00:10:11,772 --> 00:10:13,708 お前らも こんな小さいとこの争いに➡ 104 00:10:13,708 --> 00:10:16,277 勝って にんまりしてて どうする? 105 00:10:16,277 --> 00:10:19,077 ここにいるのは 岐阜の猿だぞ! 106 00:10:20,781 --> 00:10:26,454 なあ 鈴愛。 あの 痛いような気持ちを思い出すんだ。 107 00:10:26,454 --> 00:10:29,290 あの 律君に振られたばかりの…。 108 00:10:29,290 --> 00:10:35,096 あの時のお前は すごかったぞ。 食べてばかりいて。 109 00:10:35,096 --> 00:10:37,396 先生…。 110 00:10:40,001 --> 00:10:44,639 それを私に思い出させるために➡ 111 00:10:44,639 --> 00:10:47,439 今 先生は 笛を捨てたんですか? 112 00:10:49,510 --> 00:10:54,348 先生は おかしいです。 何が? 113 00:10:54,348 --> 00:10:57,985 みんなが先生と 同じとは思わないで下さい。 114 00:10:57,985 --> 00:11:00,488 何を言っている。 私たちは➡ 115 00:11:00,488 --> 00:11:02,988 漫画家である前に人間です! 116 00:11:05,359 --> 00:11:08,362 フフフフフフッ! まだ 漫画家にも➡ 117 00:11:08,362 --> 00:11:10,498 なっていないくせに…。 先生は ロボットです! 118 00:11:10,498 --> 00:11:13,401 漫画を描くためのロボット! 私は人間です! 119 00:11:13,401 --> 00:11:16,671 漫画を描くために わざと悲しく なるような事は したくないし➡ 120 00:11:16,671 --> 00:11:18,606 悲しい時は悲しむ! 121 00:11:18,606 --> 00:11:21,342 悲しい事を喜ぶ変態には なりたくない。 122 00:11:21,342 --> 00:11:27,682 先生は 漫画のために 何だってする。 123 00:11:27,682 --> 00:11:32,286 それの何が間違ってる? 先生は…➡ 124 00:11:32,286 --> 00:11:35,189 漫画を描くために 人の心を捨てたんだ! 125 00:11:35,189 --> 00:11:37,792 だから 先生は いい年して 独りもんで 家庭もなくて➡ 126 00:11:37,792 --> 00:11:39,827 友達もいないんだ! 127 00:11:39,827 --> 00:11:56,811 ♬~ 128 00:11:56,811 --> 00:12:01,649 そんなものは 創作の邪魔だ。 129 00:12:01,649 --> 00:12:33,948 ♬~ 130 00:12:33,948 --> 00:12:37,818 ある? ううん ないなあ…。 131 00:12:37,818 --> 00:12:42,518 (裕子)あっ 奥は? 奥? 見た? ない。 132 00:12:46,127 --> 00:12:50,631 小宮君。 うわっ 先生! 133 00:12:50,631 --> 00:12:54,502 あ~ うん きれいになったね。 134 00:12:54,502 --> 00:12:57,502 そういう小芝居いらないから。 135 00:13:07,982 --> 00:13:13,154 笛 うさぎの後ろに落ちてました。 136 00:13:13,154 --> 00:13:17,024 うさぎの後ろ。 137 00:13:17,024 --> 00:13:20,027 …は さっき見ましたよ。 138 00:13:20,027 --> 00:13:33,774 ♬~ 139 00:13:33,774 --> 00:13:40,948 楡野が「月屋根」を描き終えたら 返すつもりでした。 どうか。 140 00:13:40,948 --> 00:13:44,618 分かりました。 鈴愛には➡ 141 00:13:44,618 --> 00:13:48,789 落ちてたと言います。 142 00:13:48,789 --> 00:13:52,460 先生。 143 00:13:52,460 --> 00:13:56,330 家族がいなくても 友達がいなくても➡ 144 00:13:56,330 --> 00:14:00,334 私たちは 先生が好きです。 145 00:14:00,334 --> 00:14:24,992 ♬~ 146 00:14:24,992 --> 00:14:30,692 <そうして 無事に笛は また鈴愛のもとに戻り…> 147 00:14:32,733 --> 00:14:35,936 <そして また 漫画を描く。➡ 148 00:14:35,936 --> 00:14:38,772 アシスタント業務をする。➡ 149 00:14:38,772 --> 00:14:41,442 3分過ぎたカップ麺を食べる。➡ 150 00:14:41,442 --> 00:14:46,242 その繰り返しで また1年近くが過ぎた頃…> 151 00:14:51,152 --> 00:14:56,991 <大御所の原稿が落ちて そのピンチヒッターという事で➡ 152 00:14:56,991 --> 00:15:00,628 とうとう デビューが…> 153 00:15:00,628 --> 00:15:06,133 じゃあ いくよ いくよ! 早く見せてよ。 154 00:15:06,133 --> 00:15:09,036 じゃ~ん! 155 00:15:09,036 --> 00:15:13,641 <デビューしたのは 裕子さんですが…> 156 00:15:13,641 --> 00:15:16,544 イエ~イ! イエ~イ! 157 00:15:16,544 --> 00:15:20,044 あんた 分かりやすい。 え? 158 00:15:23,817 --> 00:15:25,817 すごい…。