1 00:00:02,069 --> 00:00:16,316 ♬~ (テーマ音楽) 2 00:00:16,316 --> 00:01:19,513 ♬~ 3 00:01:30,657 --> 00:01:33,694 <二本松の祭りの夜に出会い➡ 4 00:01:33,694 --> 00:01:38,332 りんの胸に なぜか忘れ難い 思い出を残した その人➡ 5 00:01:38,332 --> 00:01:42,002 松浪 毅との思いがけない再会に➡ 6 00:01:42,002 --> 00:01:45,505 りんは まるで夢を見ているようでした> 7 00:01:48,175 --> 00:01:51,011 (松浪)あれから 何ともありませんか? 足の方。 8 00:01:51,011 --> 00:01:55,849 (りん)はい。 何ともないです! 本当です! 9 00:01:55,849 --> 00:01:59,152 ホレ! ホレ! 10 00:02:00,687 --> 00:02:04,558 (みどり) 何で跳ねてるの? この人。 11 00:02:04,558 --> 00:02:08,562 (鶴次)松浪先生 どうして おりんさんと? 12 00:02:08,562 --> 00:02:12,966 鶴次君 私はね 君たちよりも ずっと前から➡ 13 00:02:12,966 --> 00:02:16,837 この人と 友達だったんだよ。 へえ~。 それは どういう…? 14 00:02:16,837 --> 00:02:20,307 私 高木みどりです。 あなたの名前は? 15 00:02:20,307 --> 00:02:23,643 あの… 橘りんです。 16 00:02:23,643 --> 00:02:26,913 よろしく。 シェーク ハンド! 17 00:02:26,913 --> 00:02:29,816 アイム グラッド トゥ ミート ユー。 は? 18 00:02:29,816 --> 00:02:33,987 私 仙台の東北女学校で 松浪先生の生徒なの。 19 00:02:33,987 --> 00:02:41,328 あなたは どこの女学校? あの… 中村小学校の高等科です。 20 00:02:41,328 --> 00:02:46,633 小学生なの? あんた。 あっ そう…。 21 00:02:49,503 --> 00:02:54,374 (松浪)二本松の祭りの夜に 会ったんだ。 ね? 22 00:02:54,374 --> 00:02:56,677 はい! 23 00:02:59,913 --> 00:03:03,817 (幸助)ヤソか…。 貸さねば よかったべか。 24 00:03:03,817 --> 00:03:06,286 (やえ)さあさあ 入らっしょ。 入らっしょ。 25 00:03:06,286 --> 00:03:08,221 どうぞ。 遠慮しねで どうぞ。 26 00:03:08,221 --> 00:03:10,624 あ わたすの家で ねがったわ。 27 00:03:10,624 --> 00:03:12,559 (千代)どうぞ ご一緒に。 ごめんなんしょ。 28 00:03:12,559 --> 00:03:15,295 松浪先生 みどりさん どうぞ お入りください。 29 00:03:15,295 --> 00:03:18,131 狭くて汚いところで 申し訳ございませんが さ どうぞ。 30 00:03:18,131 --> 00:03:22,302 あらぁ 本当に狭いんだわ。 悪がったなえ。 31 00:03:22,302 --> 00:03:26,673 ⚟(みどり)松浪先生 どうぞ。 32 00:03:26,673 --> 00:03:31,311 いらっしゃい。 はい! 33 00:03:31,311 --> 00:03:34,314 ⚟(新之助)おりんちゃん。 34 00:03:40,053 --> 00:03:43,490 えっ 兄ちゃんが 新之助さんに お金を!? 35 00:03:43,490 --> 00:03:46,393 (新之助) 「必ず返すから ちょっとの間だけ 貸してくれ」って➡ 36 00:03:46,393 --> 00:03:48,662 俺宛てに手紙よこしたんだ。 37 00:03:48,662 --> 00:03:51,164 大儲けできる仕事が 今 目の前にあるんだと。 38 00:03:51,164 --> 00:03:54,000 いくら貸してくれって? 20円。 39 00:03:54,000 --> 00:03:56,503 ウッター! ほんなに!? 40 00:03:56,503 --> 00:03:59,306 必ず 利子つけて 返すからって…。 41 00:04:01,475 --> 00:04:05,212 これが あにさんからの手紙だ。 42 00:04:05,212 --> 00:04:10,951 「なお この件 我ら二人のみの 秘密とし 絶対に口外無用➡ 43 00:04:10,951 --> 00:04:14,287 くれぐれも御内密に願い上げ候。➡ 44 00:04:14,287 --> 00:04:19,559 貴殿を未来のおとうと りんの亭主と見込んでの願い➡ 45 00:04:19,559 --> 00:04:22,462 ぜひぜひ お聞き届けくださるべく➡ 46 00:04:22,462 --> 00:04:26,867 吉報を首を長くして お待ち申し上げ候」。 47 00:04:26,867 --> 00:04:29,769 もう 兄ちゃんたら! 48 00:04:29,769 --> 00:04:32,472 「くれぐれも内密に」って 書いてあっけど➡ 49 00:04:32,472 --> 00:04:35,976 おりんちゃんにだけは ちょっと 耳に入れておこうと思って。 50 00:04:35,976 --> 00:04:40,313 あの まさか このお金…。 すぐ 送っておいた。 51 00:04:40,313 --> 00:04:43,350 20円も!? 52 00:04:43,350 --> 00:04:46,653 質蔵の中の金目の物 家の者に分かんねえように➡ 53 00:04:46,653 --> 00:04:49,689 こっそり 持ち出して 福島さ行って 売っ払ってよ…。 54 00:04:49,689 --> 00:04:55,662 「泥棒を捕えてみれば我が子なり」。 アハハハハ! 55 00:04:55,662 --> 00:05:00,100 でも… もし 兄ちゃんが 返せなかったら? 56 00:05:00,100 --> 00:05:05,438 かまわねえ。 おりんちゃんへの 結納金だと思えばいいんだから。 57 00:05:05,438 --> 00:05:09,309 このこと 俺は 絶対に 誰にも しゃべんねえから➡ 58 00:05:09,309 --> 00:05:11,778 心配すっことねえよ。 59 00:05:11,778 --> 00:05:14,447 これは 2人だけの秘密だ。 60 00:05:14,447 --> 00:05:19,953 夫婦が 一緒の秘密を持つのは いいことなんだよ おりんちゃん。 61 00:05:19,953 --> 00:05:37,270 ♬~ 62 00:05:37,270 --> 00:05:40,640 ヤソが来たんだと。 ヤソが何か言ってんだと。 63 00:05:40,640 --> 00:05:43,443 道端で 何か くっちゃべってんだと。 64 00:05:46,146 --> 00:05:50,317 (鶴次)みな様と共に 悩みや 苦しみを分かち合い➡ 65 00:05:50,317 --> 00:05:53,653 みな様と共に 幸せに生きられるよう➡ 66 00:05:53,653 --> 00:05:58,825 少しでも みな様のお役に立ち お力になることを願って➡ 67 00:05:58,825 --> 00:06:01,595 この相馬に やってまいりました。➡ 68 00:06:01,595 --> 00:06:07,100 私たちと みなさんとは 今 初めて こうして お目にかかって…。 69 00:06:07,100 --> 00:06:23,950 ♬~(「賛美歌」) 70 00:06:23,950 --> 00:06:26,620 (松浪) こんなに ヒビやシモヤケができて➡ 71 00:06:26,620 --> 00:06:29,289 よく家の手伝いをするんだろう。➡ 72 00:06:29,289 --> 00:06:32,792 うん うん 偉い 偉い。 73 00:06:32,792 --> 00:06:36,463 痛いか? 74 00:06:36,463 --> 00:06:42,802 でもね 寒い冬が過ぎて 暖かい春が やって来ると➡ 75 00:06:42,802 --> 00:06:47,540 だんだん このヒビも シモヤケも よくなっていくからね。➡ 76 00:06:47,540 --> 00:06:51,511 そういう具合にね 神様が してくださってるんだ。➡ 77 00:06:51,511 --> 00:06:56,316 だから この痛さに負けないで 頑張るんだよ。 78 00:07:00,120 --> 00:07:04,124 道端の説教では 聞くほうも 切ねえなえ。 79 00:07:04,124 --> 00:07:06,593 どだこと 語ってんだべか。 80 00:07:06,593 --> 00:07:09,262 (こと)もっと丁寧に きちんと並べて…。 81 00:07:09,262 --> 00:07:13,133 あっ おっかさん わたす やりますから…。 82 00:07:13,133 --> 00:07:17,971 ほんでも ハア わたす ぶったまげたわ おっかさま。 83 00:07:17,971 --> 00:07:23,109 その先生つう人の まあ いい顔してっこと してっこと。 84 00:07:23,109 --> 00:07:26,012 あれは ヤソにしておぐのは もったいねえわ。 85 00:07:26,012 --> 00:07:28,915 ちょっと ヌカ それでは入れすぎませんか? 86 00:07:28,915 --> 00:07:31,618 これくらい入れねえと 味が よくならねえから。 87 00:07:31,618 --> 00:07:35,121 沢山 入れれば よいという ものでは ありますまい。 88 00:07:35,121 --> 00:07:37,957 「過ぎたるは及ばざるがごとし」。 89 00:07:37,957 --> 00:07:44,064 その松浪先生に お茶をいれて…。 やえさん。 やえさん。 90 00:07:44,064 --> 00:07:46,966 夫ある身が そのように➡ 91 00:07:46,966 --> 00:07:50,804 他の殿方のことを 嬉しそうに 話すものではありません。 92 00:07:50,804 --> 00:07:56,309 はしたないことです。 いや わたす 嬉しそうになんて…。 93 00:07:56,309 --> 00:08:01,715 あれ 柿の皮は? 柿の皮? 94 00:08:01,715 --> 00:08:05,085 柿の皮を むいたあと 集めて➡ 95 00:08:05,085 --> 00:08:07,120 ザルに入れて とっておきやしたけどね。 96 00:08:07,120 --> 00:08:09,255 あれは 捨てやした。 捨てた!? 97 00:08:09,255 --> 00:08:12,158 あれ 捨てては悪かったんだべか? 98 00:08:12,158 --> 00:08:15,595 この漬物に 入れようと思っていたのに。 99 00:08:15,595 --> 00:08:17,530 柿の皮を? 100 00:08:17,530 --> 00:08:21,101 柿の皮を 一緒に漬けると 甘みが出て➡ 101 00:08:21,101 --> 00:08:24,003 おいしい沢庵漬けに なるのです。 102 00:08:24,003 --> 00:08:27,607 二本松の方では みんな そうしておりやすよ。 103 00:08:27,607 --> 00:08:31,945 (やえ)皮をね…。 初めて聞いた。 104 00:08:31,945 --> 00:08:36,449 弘次郎は そういうことは 何にも話しませんでしたか? 105 00:08:36,449 --> 00:08:40,787 何にも。 おとっつぁんは わたすの漬けた漬物は➡ 106 00:08:40,787 --> 00:08:45,625 何でも 「おいしい おいしい」 …とは言わねげんと➡ 107 00:08:45,625 --> 00:08:48,661 黙って おいしそうに食べてます。 108 00:08:48,661 --> 00:08:50,797 どんなまずい物でも➡ 109 00:08:50,797 --> 00:08:56,102 文句を言わずに食べるように 私が しつけました。 110 00:09:01,241 --> 00:09:04,077 (徳右衛門)精が出るのう。 111 00:09:04,077 --> 00:09:08,748 (弘次郎)雪のくる前に 畑の物を 室に囲っておくんです。 112 00:09:08,748 --> 00:09:13,586 冬構えか。 このイモや ゴボウは みな お前が こしらえたのか? 113 00:09:13,586 --> 00:09:16,489 そうです。 家族が食べるぐらいは➡ 114 00:09:16,489 --> 00:09:18,925 なんとか間に合うようにと 思ってるんですが➡ 115 00:09:18,925 --> 00:09:20,960 今年は 天気の具合が悪くて➡ 116 00:09:20,960 --> 00:09:23,596 あまり いい出来では ありませんでした。 117 00:09:23,596 --> 00:09:29,102 今年の冬から 食べる口が 2つ増えて 冬構えも大変じゃの。 118 00:09:29,102 --> 00:09:32,439 なに 2人分ぐらい 大した変わりは ないです。 119 00:09:32,439 --> 00:09:35,942 親父さまは 何も心配することはありません。 120 00:09:38,945 --> 00:09:42,649 わしも 畑仕事でも手伝うか? 121 00:09:42,649 --> 00:09:46,286 余計な気を遣わずに 年寄りは のんびりしていてください。 122 00:09:46,286 --> 00:09:48,221 そう年寄り扱いするな。 123 00:09:48,221 --> 00:09:50,623 何もしねえでは 体が なまってしまう。 124 00:09:50,623 --> 00:09:54,494 素振りも 止められてしまったし。 125 00:09:54,494 --> 00:09:56,796 止めはしません。 126 00:09:56,796 --> 00:10:00,300 「あの声だけは勘弁してくれ」と 言っただけです。 127 00:10:00,300 --> 00:10:08,408 ♬~ 128 00:10:08,408 --> 00:10:12,278 ちりぢりになった 家中の者たち➡ 129 00:10:12,278 --> 00:10:17,484 みな それぞれに 懸命に生きているのであろうな。 130 00:10:17,484 --> 00:10:24,190 弦一郎が 今 生きていたら どのような仕事をしているか…。 131 00:10:26,659 --> 00:10:33,466 お前にも わしにも あの戦は まだ終わってはいねえの。 132 00:10:37,003 --> 00:10:40,039 (千代)どうぞ。 (幸助)沢山 集まってくれたかい? 133 00:10:40,039 --> 00:10:43,176 子供たちは 珍しそうに 集まってきたんですが➡ 134 00:10:43,176 --> 00:10:45,678 大人たちは やっぱり 何だか怖いものでも➡ 135 00:10:45,678 --> 00:10:47,714 見るように 遠巻きで…。 136 00:10:47,714 --> 00:10:50,183 それでも 集まってくれた人たちは みんな➡ 137 00:10:50,183 --> 00:10:53,086 私たちの話を 静かに聞いてくれたじゃないか。 138 00:10:53,086 --> 00:10:57,056 青空伝道の第1日としては いい滑り出しだ。 139 00:10:57,056 --> 00:10:59,993 でも すごい目をして 睨んでいた お坊さんが居たわ。 140 00:10:59,993 --> 00:11:05,298 坊主が ヤソになったんでは 檀家が困っつまうべ。 141 00:11:05,298 --> 00:11:09,636 俺だって この家は貸したが ヤソには なんねえよ。 142 00:11:09,636 --> 00:11:13,306 俺は 南無阿弥陀仏だ。 いや それで結構ですよ。 143 00:11:13,306 --> 00:11:16,142 それでも こうして 部屋を貸してくださって➡ 144 00:11:16,142 --> 00:11:19,479 本当に ありがとうございました。 いやいやいや! 145 00:11:19,479 --> 00:11:22,515 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏…。 146 00:11:22,515 --> 00:11:27,820 (やえ)ちょっと 切り漬けだ。 うめえんだから 食って…。 147 00:11:27,820 --> 00:11:30,156 (千代)まあ どうも。 148 00:11:30,156 --> 00:11:32,825 お茶うけに おつまみ くださりませ。 149 00:11:32,825 --> 00:11:35,662 すんません おおきに。 150 00:11:35,662 --> 00:11:38,565 どうぞ 上がって 松浪先生と お話 どうぞ。 151 00:11:38,565 --> 00:11:41,768 そんな… 夫ある身で はしたない。 152 00:11:44,003 --> 00:11:54,047 ♬~ 153 00:11:54,047 --> 00:11:59,852 おりんちゃん! 何 考え込んでんだ? 154 00:11:59,852 --> 00:12:02,622 何にも。 足 洗ってんだよ。 155 00:12:02,622 --> 00:12:04,490 さっき 新之助さんが 呼ばってたっけが➡ 156 00:12:04,490 --> 00:12:06,426 何の話だったんだえ? 157 00:12:06,426 --> 00:12:12,832 何でもねえよ。 普通の話。 結納のこと 何か言ってたかい? 158 00:12:12,832 --> 00:12:15,568 何にも。 じゃあ 何 話してたんだ? 159 00:12:15,568 --> 00:12:19,405 何でもねえよ! 足 洗ってんだ わたす! 160 00:12:19,405 --> 00:12:29,415 ♬~ 161 00:12:29,415 --> 00:12:32,719 何 怒ってんだべ。 162 00:12:32,719 --> 00:12:44,097 ♬~ 163 00:12:44,097 --> 00:12:46,432  回想  (新之助) これは 2人だけの秘密だ。➡ 164 00:12:46,432 --> 00:12:52,238 夫婦が 一緒の秘密を持つのは いいことなんだよ。 165 00:12:52,238 --> 00:12:57,110  心の声  兄ちゃん なして 新之助さんに お金なんか借りたの?➡ 166 00:12:57,110 --> 00:13:00,046 なして そんなこと…。 167 00:13:00,046 --> 00:13:28,741 ♬~ 168 00:13:28,741 --> 00:13:32,745 (松浪)ほう 素振りか。 これは 勇ましいな。 169 00:13:35,048 --> 00:13:39,952 誰かに 剣術でも習ったのかな? いえ…。 170 00:13:39,952 --> 00:13:42,855 そうか。 171 00:13:42,855 --> 00:13:47,493 しかし そのヘッピリ腰は よろしくないな。 172 00:13:47,493 --> 00:13:52,332 素振りをするなら 腰をもっと締めて➡ 173 00:13:52,332 --> 00:13:57,103 姿勢を まっすぐに 正しく構えて。 174 00:13:57,103 --> 00:14:00,807 こう…。 さあ 打ち込んでこい! 175 00:14:08,147 --> 00:14:12,852 何を やってるんだ…。 あの…。 176 00:14:12,852 --> 00:14:16,823 いや つい 昔に戻って 妙なことを してしまった。 177 00:14:16,823 --> 00:14:20,059 邪魔をして 悪かったね。 178 00:14:20,059 --> 00:14:31,504 ♬~ 179 00:14:31,504 --> 00:14:33,506 じいさま。 180 00:14:39,245 --> 00:14:45,585 どこの家中に居たのか… かなりの使い手だな あれは。 181 00:14:45,585 --> 00:14:54,894 ♬~