1 00:00:02,202 --> 00:00:20,954 ♬~ (テーマ音楽) 2 00:00:20,954 --> 00:00:59,693 ♬~ 3 00:00:59,693 --> 00:01:02,095 (松浪)ちょっと 頼みたいことがあるんだが。 4 00:01:02,095 --> 00:01:04,765 こっちの仕事が済んだら 後で来てくれるかい? 5 00:01:04,765 --> 00:01:08,969 礼拝堂にいる。 (りん)はい。 行きます! 6 00:01:13,440 --> 00:01:16,944 さあ どんどん やっぺ! 7 00:01:27,788 --> 00:01:32,125 学校の用事で 明日 東京へ行くことになったんだ。 8 00:01:32,125 --> 00:01:35,996 東京へ!? あっ あの… また帰ってらっしゃるんですか? 9 00:01:35,996 --> 00:01:39,100 もちろん 帰ってくるよ。 えがった…。 10 00:01:39,100 --> 00:01:43,737 それで… これを あの3人に➡ 11 00:01:43,737 --> 00:01:46,306 渡してもらいたいんだが いいかな?はい。 12 00:01:46,306 --> 00:01:48,809 わたす 今日 おくにさんのとこ 行くつもりでしたから。 13 00:01:48,809 --> 00:01:52,312 そうか。 それじゃ ちょうどよかった。 14 00:01:52,312 --> 00:01:57,184 これからも あの3人との連絡は 君に頼むことになると思うが。 15 00:01:57,184 --> 00:01:59,820 はいっ! わたすに させてください! 16 00:01:59,820 --> 00:02:01,788 先生や あの方たちの お役に立つことなら➡ 17 00:02:01,788 --> 00:02:06,426 わたす 何でもします! ありがとう。 頼むよ。 18 00:02:06,426 --> 00:02:09,763 あの… この封筒の中➡ 19 00:02:09,763 --> 00:02:12,599 わたすも おくにさんたちと一緒に 見せてもらって いいですか? 20 00:02:12,599 --> 00:02:18,405 かまわないよ。 それにはね もし あの3人が希望すれば➡ 21 00:02:18,405 --> 00:02:21,775 東京のミッション系の女学校に 入学できるように➡ 22 00:02:21,775 --> 00:02:24,277 私が話をしてもいいということを 書いたんだ。 23 00:02:24,277 --> 00:02:26,213 東京の女学校!? 24 00:02:26,213 --> 00:02:30,784 もちろん あの3人が 希望すればの話だし➡ 25 00:02:30,784 --> 00:02:35,455 希望しても 東京の女学校で うんと言わないかもしれない。 26 00:02:35,455 --> 00:02:41,328 しかしね 私は このまま あの3人が 中途半端で➡ 27 00:02:41,328 --> 00:02:46,099 学問をやめてしまうことが 実に残念でね。 28 00:02:46,099 --> 00:02:50,637 彼女たちのように 物事を きちんと考えられる女性が➡ 29 00:02:50,637 --> 00:02:54,975 これからの日本には 是非 必要なんだよ。 30 00:02:54,975 --> 00:02:59,312 決して 押しつけるわけではないが➡ 31 00:02:59,312 --> 00:03:05,085 彼女たちには もっと勉強し もっと自分を高めてほしいんだ。 32 00:03:05,085 --> 00:03:11,258 そして 女の可能性を 社会に示してほしいんだ。 33 00:03:11,258 --> 00:03:16,129 女性の地位が 社会的に 認められない国は➡ 34 00:03:16,129 --> 00:03:20,267 本当の文明国とは 言えないからね。 35 00:03:20,267 --> 00:03:24,938 あの3人を このまま ほうり出してしまうことは➡ 36 00:03:24,938 --> 00:03:28,608 教師としての 責任放棄だとも思うし…。 37 00:03:28,608 --> 00:03:30,944 あの3人の 今後のことについては➡ 38 00:03:30,944 --> 00:03:34,448 私で できうる限りのことを したいと思ってるんだ。 39 00:03:34,448 --> 00:03:36,383 してあげてください。 40 00:03:36,383 --> 00:03:39,119 先生が 相談相手に なってくだされば➡ 41 00:03:39,119 --> 00:03:41,621 あの方たちも どんなに うれしいか…。 42 00:03:41,621 --> 00:03:46,793 いや 彼女たちが 「そんな必要は ない」と言えば それまでだし➡ 43 00:03:46,793 --> 00:03:50,597 また ご両親のご意向も あるだろうから…。 44 00:03:52,299 --> 00:03:54,801 あの方たちも 学校を追い出されたことで➡ 45 00:03:54,801 --> 00:03:56,737 悲しんで苦しんでます。 46 00:03:56,737 --> 00:03:59,306 だれかの助けが欲しいんです! 47 00:03:59,306 --> 00:04:02,075 とにかく 私は 明日 東京へ行く。 48 00:04:02,075 --> 00:04:05,412 これを読んで 相談したいことがあれば➡ 49 00:04:05,412 --> 00:04:08,915 今日中に私に連絡をくれるように そう伝えてくれたまえ。 50 00:04:08,915 --> 00:04:10,851 私は 自宅にいる。 51 00:04:10,851 --> 00:04:14,654 はい 今から すぐ行ってきます。 頼んだよ。 52 00:04:16,656 --> 00:04:19,626 先生! どうなさったんですか? 53 00:04:19,626 --> 00:04:25,365 いや…。 大丈夫だ 何でもない。 54 00:04:25,365 --> 00:04:29,236 ここのところ あまり眠ってないから。 55 00:04:29,236 --> 00:04:32,139 さあ 早く行きたまえ。 56 00:04:32,139 --> 00:04:39,279 はい。 あの…。 何? 57 00:04:39,279 --> 00:04:42,949 こんな大事なこと わたすに話してくださって…。 58 00:04:42,949 --> 00:04:45,652 わたすで ええんですか? 59 00:04:51,291 --> 00:04:53,293 行ってきます! 60 00:05:06,573 --> 00:05:10,443 (しづ)もし… もし 本当に 東京の女学校で 勉強ができたら➡ 61 00:05:10,443 --> 00:05:13,914 私を東北女学校から 追放してくださった ミス ウィルソンに➡ 62 00:05:13,914 --> 00:05:16,817 心から お礼を申し上げなくちゃ いけないわ。 63 00:05:16,817 --> 00:05:18,785 夢だったの。➡ 64 00:05:18,785 --> 00:05:21,588 東京の女学校で勉強する っていうのが 私の夢だったのよ。 65 00:05:21,588 --> 00:05:23,924 (くに)そうね。 二宮さん いっつも おっしゃってたわね。 66 00:05:23,924 --> 00:05:26,259 東京の明和女学校。 一度で ええから➡ 67 00:05:26,259 --> 00:05:28,195 あの明和女学校で 勉強してみたいって。 68 00:05:28,195 --> 00:05:30,931 明和女学校で教えてらっしゃる 先生方➡ 69 00:05:30,931 --> 00:05:33,834 特に 文学や芸術関係の先生方は➡ 70 00:05:33,834 --> 00:05:36,102 それは すばらしい方 ばかりなんですもの。 71 00:05:36,102 --> 00:05:38,605 そうそう 詩人の滝村東風も 確か➡ 72 00:05:38,605 --> 00:05:40,540 明和女学校で 教えてござらしたわね? 73 00:05:40,540 --> 00:05:43,944 あら 滝村先生が いらっしゃる っていうだけじゃないわ。 74 00:05:43,944 --> 00:05:46,846 (くに)さようでござりすか。 もう! いやな おくにさん! 75 00:05:46,846 --> 00:05:48,815 あ 痛い~! 痛い痛い…。 76 00:05:48,815 --> 00:05:52,619 (笑い声) 77 00:05:52,619 --> 00:05:57,290 ああ でも いがったぁ… みんな 喜んでくれて。 78 00:05:57,290 --> 00:06:00,260 (なつ) 私たち 笑ったの 何日ぶり? 79 00:06:00,260 --> 00:06:04,731 ほんとね。 ここしばらく 笑うっていうの 忘れてたわね。 80 00:06:04,731 --> 00:06:07,634 笑うって すばらしいわ! ねえ 笑いましょうよ! 81 00:06:07,634 --> 00:06:10,604 もっと笑いましょうよ! そんな 笑えって言われて➡ 82 00:06:10,604 --> 00:06:13,240 笑えるもんではないわ。 んだば だれか音頭とって。 83 00:06:13,240 --> 00:06:15,575 よし! そんだば わたすが。 84 00:06:15,575 --> 00:06:18,278 アッハハハ… はいっ! 85 00:06:19,913 --> 00:06:22,916 (笑い声) 86 00:06:25,085 --> 00:06:27,587 あ… あの…。 87 00:06:27,587 --> 00:06:30,624 (泣き声) 88 00:06:30,624 --> 00:06:33,393 ごめんなさいね 泣いたりして。 89 00:06:33,393 --> 00:06:39,199 まだ 東京の女学校に入れるか どうかも 決まってないのにね。 90 00:06:39,199 --> 00:06:41,768 でも うれしかったのよ。 91 00:06:41,768 --> 00:06:45,272 松浪先生が 私たちのことを そんなに真剣に➡ 92 00:06:45,272 --> 00:06:47,307 心配してくださってるって いうことが 分かって➡ 93 00:06:47,307 --> 00:06:50,010 私たち 本当に うれしかったの。 94 00:06:52,145 --> 00:06:56,983 (なつ)強がっていても ほんとは 寂しかったのよ。 95 00:06:56,983 --> 00:07:04,224 味方は こちらのお宅や あなたたちだけで 後は孤立無援。 96 00:07:04,224 --> 00:07:08,395 本当に どうしていいか 分からなかったの…。 97 00:07:08,395 --> 00:07:13,266 そしたら 松浪先生が こんなに 私たちのことを…。 98 00:07:13,266 --> 00:07:16,136 松浪先生は 夜も眠れねえくらい➡ 99 00:07:16,136 --> 00:07:18,405 皆さんのこと 心配してるみたいです。 100 00:07:18,405 --> 00:07:21,074 大丈夫だ。 松浪先生に任しておけば➡ 101 00:07:21,074 --> 00:07:23,410 きっと 皆さんのこと いいようにしてくれっから! 102 00:07:23,410 --> 00:07:26,313 そうよ。 松浪先生さ すべて お任せしましょうよ。 103 00:07:26,313 --> 00:07:28,281 先生なら大丈夫! 104 00:07:28,281 --> 00:07:30,750 さ これから みんなで 先生のとこさ お伺いして➡ 105 00:07:30,750 --> 00:07:32,752 お願いしましょ! 106 00:07:38,925 --> 00:07:41,428 ただいまっ! 107 00:07:41,428 --> 00:07:45,765 ただいまっ! 聞こえねえのかい? 108 00:07:45,765 --> 00:07:47,701 (イネ)どっちさ言ってんだ? 109 00:07:47,701 --> 00:07:52,939 私にか? こちらのお方にか? え? 110 00:07:52,939 --> 00:07:55,275 (やえ)何だべ まあ…。 111 00:07:55,275 --> 00:07:58,311 「ただいま ただいま」って 童子みてえに どなって。 112 00:07:58,311 --> 00:08:01,114 それでも女学生だべか? ん? 113 00:08:02,882 --> 00:08:05,919 母ちゃん! 114 00:08:05,919 --> 00:08:11,391 あ… なして 来たの? 115 00:08:11,391 --> 00:08:15,729 別に 用でねんだげんと➡ 116 00:08:15,729 --> 00:08:21,534 鶴次さんが 仙台さ来るっつうから たんだ ついてきてみたんだ。 117 00:08:21,534 --> 00:08:26,906 相馬のみんな 元気?元気だぁ。 そう…。 118 00:08:26,906 --> 00:08:29,909 お前も 元気か? 元気。 119 00:08:31,778 --> 00:08:36,916 あ いけね! 私 薪小屋さ 用事があったんだ。 120 00:08:36,916 --> 00:08:41,755 悪いけんど つうっとばり ここ頼むからな おりんさん。 121 00:08:41,755 --> 00:08:46,426 気をつけて 行ってらっしゃいませ。 122 00:08:46,426 --> 00:08:48,361 おりん…! 123 00:08:48,361 --> 00:08:50,864 いやいや…。 124 00:08:52,599 --> 00:08:54,634 元気だ。 アハハ。 125 00:08:54,634 --> 00:08:58,471 あ それが まあ 落っこどしちまったんだ…。 126 00:08:58,471 --> 00:09:02,275 あら? あら? あ~ 母ちゃん! 127 00:09:02,275 --> 00:09:05,879 押されて ハァ…。母ちゃん! いや 何? 128 00:09:05,879 --> 00:09:08,548 早くから分かっていたら もっと いろんなもの➡ 129 00:09:08,548 --> 00:09:12,052 作ってきたんだげんと 急だもんだから まあ➡ 130 00:09:12,052 --> 00:09:14,554 これぐらいのものしか出来ねくて。 131 00:09:14,554 --> 00:09:17,891 いやぁ あんころ餅! 132 00:09:17,891 --> 00:09:22,062 急だもんだから まあ 夜中に まあ 餅ついたり➡ 133 00:09:22,062 --> 00:09:24,097 小豆煮たり 大騒ぎでなぃ。 134 00:09:24,097 --> 00:09:26,566 この餅 おとっつぁんが ついたんだぞぇ。 135 00:09:26,566 --> 00:09:29,469 じいさまが こねて。 この草餅ね➡ 136 00:09:29,469 --> 00:09:31,738 おみつと ばあさまが ほら➡ 137 00:09:31,738 --> 00:09:34,574 あの 宇多川の土手で 春に摘んどいたのを➡ 138 00:09:34,574 --> 00:09:36,910 干したのを使ったんだから。 139 00:09:36,910 --> 00:09:41,247 みんなの手がかかってるんだから ミバ悪いけど うまいぞぇ。 140 00:09:41,247 --> 00:09:44,918 いや こんな田舎のもので お口に合わねえかしれねえけど➡ 141 00:09:44,918 --> 00:09:47,587 どうぞ食べてくだっしょなぇ。 (節子)ありがとうございます。 142 00:09:47,587 --> 00:09:51,091 いただきます。 おいしそう! 143 00:09:51,091 --> 00:09:53,760 うちの あんころ餅 うめえんだぞぇ。 144 00:09:53,760 --> 00:09:56,663 ほれ お前も ほれ! 145 00:09:56,663 --> 00:09:58,965 いただきま~す! 146 00:10:05,271 --> 00:10:07,207 うめぇぇぇ~! 147 00:10:07,207 --> 00:10:10,610 なんだべ ヤギっ子みてえな声 出して。 148 00:10:10,610 --> 00:10:13,112 こったな山猿で なんぼか➡ 149 00:10:13,112 --> 00:10:15,615 お前さまの ごやっかいに なっておりやすべ? 150 00:10:15,615 --> 00:10:18,284 すまねえことで ござりやす。 いいえ。 151 00:10:18,284 --> 00:10:21,187 こちらの方こそ おりんさんには お世話になっております。 152 00:10:21,187 --> 00:10:26,159 いえいえ あ~… これは 体だけは 丈夫に産んでおきやしたから➡ 153 00:10:26,159 --> 00:10:28,928 まあ 気ぃ遣わねえで どんどん 使ってやってくだっしょなぇ。 154 00:10:28,928 --> 00:10:32,465 ほれ もっと食べな。 そったに食べられねえわ。 155 00:10:32,465 --> 00:10:35,969 何 語って。 若え娘っこが これくらい食べられねえで➡ 156 00:10:35,969 --> 00:10:38,805 なじょする…。 何? 腹の具合でも 悪いのかぇ? 157 00:10:38,805 --> 00:10:41,841 そ… そだことねえよ。 母ちゃんなぇ➡ 158 00:10:41,841 --> 00:10:45,979 10日ばあし前に 何だ 変な夢 見ちまってなぇ。 159 00:10:45,979 --> 00:10:50,850 お前が青い顔して しょんぼり うちさ 帰ってきてんだ。 160 00:10:50,850 --> 00:10:53,720 これ みんな だれにも 言ってねえんだげんと➡ 161 00:10:53,720 --> 00:10:56,623 それからハァ 何だかお前のことが 気になって 気になって…。➡ 162 00:10:56,623 --> 00:11:00,159 もっと ほら 食べてくだっしょ。 ありがとうございます。 163 00:11:00,159 --> 00:11:02,128 鶴次さんが 仙台さ行くって言うから➡ 164 00:11:02,128 --> 00:11:04,998 お前の様子 見てきてくれって 頼んだの。 165 00:11:04,998 --> 00:11:10,270 そしたら おとっつぁんが 黙って 私に汽車賃くれたんだ。 166 00:11:10,270 --> 00:11:13,173 父ちゃんが? あの おとっつぁんが ほら➡ 167 00:11:13,173 --> 00:11:16,075 大事にしてた 古物の脇差があったべ? 168 00:11:16,075 --> 00:11:18,444 あれを 売ってきて。 169 00:11:18,444 --> 00:11:21,281 あの脇差 売っつまったの 父ちゃん…。 170 00:11:21,281 --> 00:11:25,118 (やえ)おとっつぁんも 心配してんだべ お前のこと。➡ 171 00:11:25,118 --> 00:11:27,453 夏休みも 帰ってこねかったし。 172 00:11:27,453 --> 00:11:31,958 何だ お前 やせたなぇ。 あ… そだことねえよ。 173 00:11:31,958 --> 00:11:34,994 いや やせてる。 ほれ ちょっと立ってみな。 174 00:11:34,994 --> 00:11:38,464 やっぱし この辺が すっかり減っちまってる。 175 00:11:38,464 --> 00:11:40,400 腕も細くなっちまってなぇ…。 176 00:11:40,400 --> 00:11:43,970 何 この着物の着方。 いやいや はだけちまって。 177 00:11:43,970 --> 00:11:47,840 また どっかで はねてきたんだ この はね駒!痛っ! 178 00:11:47,840 --> 00:11:50,843 ほれ ちゃんと結んでやっから ほら。 179 00:11:50,843 --> 00:11:53,680 (節子)私…。 何か 言っておられる。 180 00:11:53,680 --> 00:11:56,683 お茶 いれてきます。 節子さん わたすが行くから! 181 00:11:56,683 --> 00:11:59,485 いいのよ。 お母さまと お話ししてらっしゃい。 182 00:12:02,355 --> 00:12:05,925 いい人と一緒で えがったなぇ。 183 00:12:05,925 --> 00:12:11,731 「お母さま」だと。 いやいや 大変だわ…。 184 00:12:11,731 --> 00:12:16,936 ほんなら わたすも… お母さまも あんころ餅 いただくかなぇ。 185 00:12:18,504 --> 00:12:24,277 節子さんなぇ… おっかさま いねえんだと。 186 00:12:24,277 --> 00:12:27,780 小さいころ 亡くなったんだと。 187 00:12:37,790 --> 00:12:41,294 (鶴次)ほんとに あの子が生まれる 時は お世話になりました。 188 00:12:41,294 --> 00:12:43,963 (彌七)いや 全く あの時は 慌てたね。 189 00:12:43,963 --> 00:12:46,466 産婆おぶって 走ったってのは 生まれて初めてだけどね➡ 190 00:12:46,466 --> 00:12:48,401 軽いばあさんで 良かったよ。 191 00:12:48,401 --> 00:12:51,304 俺のおっかさまみてえのだったら 俺は つぶれたね。 192 00:12:51,304 --> 00:12:54,340 アハハハハ! ありがとうございました。 193 00:12:54,340 --> 00:12:57,477 おかげさまで おマリは 大層 元気で➡ 194 00:12:57,477 --> 00:12:59,512 もう あの… つかまり立ちをして。 195 00:12:59,512 --> 00:13:02,248 こんなに? いや このくらい。 196 00:13:02,248 --> 00:13:06,586 私に似てましてね かわいいんですよ。 197 00:13:06,586 --> 00:13:08,621 (源造)おマリちゃんっていう お名前ですか? 198 00:13:08,621 --> 00:13:13,760 はい。 マリア様から ちょうだいして おマリと付けました。 199 00:13:13,760 --> 00:13:17,597 キリスト様から頂いて 「おキリ」っていうのも➡ 200 00:13:17,597 --> 00:13:21,100 いいなと思ったんですが ちょっと もったいなくて。 201 00:13:21,100 --> 00:13:24,604 「おヤソ」っていうのも 悪くないけどね。 202 00:13:24,604 --> 00:13:26,939 おマリちゃんの産湯は 私と おりんちゃんと➡ 203 00:13:26,939 --> 00:13:29,442 2人で くんだんですよ。 そうですか。 204 00:13:29,442 --> 00:13:33,313 きっと おりんちゃんに似て いい娘に なってくれるでしょう。 205 00:13:33,313 --> 00:13:37,116 あ… 私も くんだんです。 男は いいんです。 206 00:13:40,787 --> 00:13:42,822 (やえ)ほんとに 勝手なお願いを いたしまして…。 207 00:13:42,822 --> 00:13:45,291 (田島) いいから お掛けになって…。 208 00:13:45,291 --> 00:13:47,226 今日は 土曜日ですから➡ 209 00:13:47,226 --> 00:13:50,463 身元の はっきりした所への 外泊は 許されております。 210 00:13:50,463 --> 00:13:52,965 そのかわり 明日は 安息日ですから➡ 211 00:13:52,965 --> 00:13:55,802 こっちさ戻って 静かに お過ごしください。 212 00:13:55,802 --> 00:13:57,737 はいっ はいっ。 213 00:13:57,737 --> 00:14:00,640 明日は 必ず 戻ってまいりますので。 214 00:14:00,640 --> 00:14:05,912 おっかさまは 何か? しばらく こっちさ ご滞在でやっか? 215 00:14:05,912 --> 00:14:08,948 はい。 主人の弟のとこで ちょっとばあし…。 216 00:14:08,948 --> 00:14:12,418 そうですか。 ほんじゃば お嬢さまと2人で➡ 217 00:14:12,418 --> 00:14:16,089 積もるお話など…。 お嬢さまと? いや~。 218 00:14:16,089 --> 00:14:19,425 いえ 私ではなくて おりんさんのことです。 219 00:14:19,425 --> 00:14:21,761 え? …ああ そう。 220 00:14:21,761 --> 00:14:26,599 お母さまの お嬢さまだべ わたす! 221 00:14:26,599 --> 00:14:29,268 そんでは 今夜は母と一緒に➡ 222 00:14:29,268 --> 00:14:32,105 叔父の家に 泊まらせてもらいやすので。 223 00:14:32,105 --> 00:14:35,141 気ぃつけてな。 ありがとうござりやした。 224 00:14:35,141 --> 00:14:38,978 節子さん ごめんなぇ 1人にして。 大丈夫よ 一晩ぐらい。 225 00:14:38,978 --> 00:14:44,117 節子さん 私の部屋で一緒に寝ても いいですよ。 寝ますか? 226 00:14:44,117 --> 00:14:46,786 結構でございます! 227 00:14:46,786 --> 00:14:51,791 (笑い声) 228 00:14:53,960 --> 00:14:55,962 (咳払い)