1 00:00:02,202 --> 00:00:21,955 ♬~ (テーマ音楽) 2 00:00:21,955 --> 00:00:59,259 ♬~ 3 00:01:07,267 --> 00:01:09,603 (りん)これは? (田島)これはね➡ 4 00:01:09,603 --> 00:01:11,538 私が ここで ずっとつけていた➡ 5 00:01:11,538 --> 00:01:15,475 賄いの金銭出納簿と献立表なの。 これを わたすに? 6 00:01:15,475 --> 00:01:18,612 うん。 あなたにね 預っていただきたいと思って。 7 00:01:18,612 --> 00:01:22,282 でも これは 田島先生の後に 舎監になられる先生に…。 8 00:01:22,282 --> 00:01:24,217 私はね おりんちゃん どうしても あなたに➡ 9 00:01:24,217 --> 00:01:26,153 受け取ってもらいたいのよね。 10 00:01:26,153 --> 00:01:28,622 これはね 私が この学校に入ってからの➡ 11 00:01:28,622 --> 00:01:32,492 歴史であり 私の宝物なのよね。 だから どうしてもね➡ 12 00:01:32,492 --> 00:01:35,495 気心のしれない人には お渡ししたくないの。 13 00:01:35,495 --> 00:01:37,631 だから あなたに これ 預ってもらえれば➡ 14 00:01:37,631 --> 00:01:40,968 私は 安心して この学校を 去ることができるんですよ。 15 00:01:40,968 --> 00:01:43,303 ね? お願いします。 16 00:01:43,303 --> 00:01:48,308 そうですか…。 それじゃ お預かりします。 17 00:01:53,647 --> 00:01:55,983 先生…。 うん? 18 00:01:55,983 --> 00:02:00,587 いよいよ お別れですね。 おりんちゃん…。 19 00:02:00,587 --> 00:02:03,490 先生には 本当に お世話になりました。 20 00:02:03,490 --> 00:02:06,460 田舎から出てきて 何にも知らねがった わたすに➡ 21 00:02:06,460 --> 00:02:10,597 きちんとした規則正しい生活を 教えてくださって…。 22 00:02:10,597 --> 00:02:14,468 先生 本当に ありがとうございました。 23 00:02:14,468 --> 00:02:18,271 おりんちゃん…。 先生➡ 24 00:02:18,271 --> 00:02:23,610 お幸せに。 ありがとう。 25 00:02:23,610 --> 00:02:27,948 ねえ… あんな大津波の 大災害があったあとに➡ 26 00:02:27,948 --> 00:02:31,284 不幸な人が たくさん いるっていう時に➡ 27 00:02:31,284 --> 00:02:35,155 私ばっかり 幸せになって いいかしらねぇ…。 28 00:02:35,155 --> 00:02:37,157 おりんちゃんたちにばっかり➡ 29 00:02:37,157 --> 00:02:39,159 救援隊で ご迷惑をかけてしまって➡ 30 00:02:39,159 --> 00:02:42,295 私 ほんとに 心苦しく 申し訳ないと思ってるのよ。 31 00:02:42,295 --> 00:02:44,631 いいえ ちっとも! え? 32 00:02:44,631 --> 00:02:48,502 いえ… 救援隊に入れてもらえて➡ 33 00:02:48,502 --> 00:02:51,505 わたす 本当に良かったと 思ってます。 本当です。 34 00:02:51,505 --> 00:02:54,307 救援隊で あそこに行けて 本当に 幸せでした。 35 00:02:54,307 --> 00:02:56,977 まあ なんという立派なお言葉! 36 00:02:56,977 --> 00:03:00,580 まるで イエス様のように 愛と奉仕の心に満ちあふれて…。 37 00:03:00,580 --> 00:03:03,483 そんな立派なことでないんです。 ほんの個人的なことで…。 38 00:03:03,483 --> 00:03:06,453 まあ ご謙遜ね。 奥ゆかしいわ…。 39 00:03:06,453 --> 00:03:09,589 おりんちゃん あなたも 幸せになってちょうだいよ。 40 00:03:09,589 --> 00:03:12,492 はい! わたす 先生に負けないように➡ 41 00:03:12,492 --> 00:03:14,461 負けないくらいに 幸せになります! 42 00:03:14,461 --> 00:03:17,931 負けないぐらい? それは いけませんよ。え? 43 00:03:17,931 --> 00:03:20,267 だって あなたは 私の生徒でしょ? 44 00:03:20,267 --> 00:03:24,604 ちょっとは負けてください。 「三尺下がって 師の影 踏まず」。 45 00:03:24,604 --> 00:03:27,274 あら! あら 先生 ずるっこいこど! 46 00:03:27,274 --> 00:03:29,609 (笑い声) 47 00:03:29,609 --> 00:03:31,611 ずるっこいかな? 48 00:03:33,280 --> 00:03:38,151 <一学期の終業式を終えて 夏休みに入った日➡ 49 00:03:38,151 --> 00:03:42,622 田島先生は 結婚のため 長年勤めた女学校と➡ 50 00:03:42,622 --> 00:03:46,493 長すぎた春に 別れを告げることになりました> 51 00:03:46,493 --> 00:03:49,296 本当に もう ここで 結構でございますから。 52 00:03:49,296 --> 00:03:53,633 本当に ありがとうございました。 (節子)先生 どうぞ お幸せに。 53 00:03:53,633 --> 00:03:55,969 節子さんには いろいろと教えていただいて➡ 54 00:03:55,969 --> 00:03:57,904 ありがとうございました。 (節子)いいえ。 55 00:03:57,904 --> 00:04:00,807 先生なら さぞかし いい奥さんに なれますわ。 56 00:04:00,807 --> 00:04:02,776 (笑い声) 57 00:04:02,776 --> 00:04:05,579 先生 とっても おきれいですよ。 58 00:04:05,579 --> 00:04:08,248 (マーチン)とってもbeautifulですよ ミセス 田島。 59 00:04:08,248 --> 00:04:12,119 やだ まだ 「ミス」ですよ。 「ミセス」は 明後日から。 60 00:04:12,119 --> 00:04:16,123 ちょっと あの… この帯の具合 曲がってません? 61 00:04:16,123 --> 00:04:20,594 みなさん ごきげんよう。 ごきげんよう。 62 00:04:20,594 --> 00:04:23,497 グッドバイ! お幸せに! 63 00:04:23,497 --> 00:04:25,465 旦那さんに よろしく! 64 00:04:25,465 --> 00:04:32,172 ♬~ 65 00:04:39,279 --> 00:04:42,616 こんにちは! (きわ)あら いらっしゃい。 66 00:04:42,616 --> 00:04:45,519 今日は 学校 お休み? ええ もう夏休み。 67 00:04:45,519 --> 00:04:49,489 ああ そうか。 いいわねぇ 学校は お休みがあって。 68 00:04:49,489 --> 00:04:51,625 あたしたちが そんなことしてたら➡ 69 00:04:51,625 --> 00:04:54,294 たちまち おまんまの食い上げだわ。 70 00:04:54,294 --> 00:04:57,964 今日は 相馬に帰る前に ちょっと ごあいさつと思って。 71 00:04:57,964 --> 00:05:02,235 ああ 相馬に帰るの? いいわね。 72 00:05:02,235 --> 00:05:05,572 お宅のみなさんたちに よろしくね。 73 00:05:05,572 --> 00:05:08,475 あっ おきわさんは 今日は こっちの お手伝い? 74 00:05:08,475 --> 00:05:11,444 そうなの。 志津川から帰ってきてから➡ 75 00:05:11,444 --> 00:05:13,446 あの人たち 忙しくて ろくに 掃除もしないから。 76 00:05:13,446 --> 00:05:16,216 でも 小僧さんたちは? 知らなかった? 77 00:05:16,216 --> 00:05:18,585 あの子たちにはね とっくに暇をやったわ。 78 00:05:18,585 --> 00:05:21,488 えっ? 居たって 仕事がないんですもの。 79 00:05:21,488 --> 00:05:24,257 でも 源造さんたちは 忙しくしてるんでしょ? 80 00:05:24,257 --> 00:05:28,595 仕事じゃなくって お金集めでね。➡ 81 00:05:28,595 --> 00:05:32,933 そりゃあね 困ってる人を 助けるのは 立派なことよ。 82 00:05:32,933 --> 00:05:35,836 「義を見てせざるは 勇なきなり」ってね。 83 00:05:35,836 --> 00:05:38,805 あの人たちは 勇気のある いい男ですよ。 84 00:05:38,805 --> 00:05:42,442 でもねぇ なにも 財産を スッカラカンにするほど➡ 85 00:05:42,442 --> 00:05:44,477 やらなくったってねぇ…。 86 00:05:44,477 --> 00:05:48,949 ほんとに スッカラカンにしてしまったのね。 87 00:05:48,949 --> 00:05:51,618 フッ… 源造さんらしいわ。 88 00:05:51,618 --> 00:05:53,954 笑い事じゃありませんよ。 89 00:05:53,954 --> 00:05:56,623 ほんとに これから どうするつもりなのかしら。 90 00:05:56,623 --> 00:06:00,227 大丈夫よ。 源造さんは こんなことに負けて➡ 91 00:06:00,227 --> 00:06:03,129 引っ込んでしまうような人では ないわ。 92 00:06:03,129 --> 00:06:05,098 自分たちの分まで➡ 93 00:06:05,098 --> 00:06:07,901 全部 他人にあげてしまうような 人なんですもの。 94 00:06:07,901 --> 00:06:10,570 並みの人じゃ できないわ。 95 00:06:10,570 --> 00:06:15,909 そういう人なんだから 大丈夫よ 源造さんに任しといて。 96 00:06:15,909 --> 00:06:18,578 「源造さん 源造さん」てね…。 97 00:06:18,578 --> 00:06:20,914 この店は 源造さん一人のものじゃないわよ。 98 00:06:20,914 --> 00:06:23,583 もともと この店は 彌七つぁんの 作ったものですからね。 99 00:06:23,583 --> 00:06:27,254 彌七つぁんを 忘れないでちょうだい! 100 00:06:27,254 --> 00:06:29,189 (笑い声) 101 00:06:29,189 --> 00:06:34,127 何よ 先生に しかられたみたいな顔して。 102 00:06:34,127 --> 00:06:36,263 あんまり 「源造さん 源造さん」て 言うからね➡ 103 00:06:36,263 --> 00:06:38,198 ちょいと おどしてみたの。 104 00:06:38,198 --> 00:06:42,135 …おきわさん! もう! 105 00:06:42,135 --> 00:06:46,273 おりんちゃん 源造さんと 何か約束でもしたの? 106 00:06:46,273 --> 00:06:50,944 ううん そんな 約束なんか…。 そんなんじゃないの 私たち。 107 00:06:50,944 --> 00:06:52,879 「そんなんじゃない」って どんなんなの? 108 00:06:52,879 --> 00:06:55,815 どんなんでもないのっ! やんだぁ もう おきわさん! 109 00:06:55,815 --> 00:06:58,285 いいわねぇ 若い人は。 110 00:06:58,285 --> 00:07:00,287 ⚟(源造)こっちです。 どうぞ。 111 00:07:04,891 --> 00:07:08,561 来てたの…。 ええ…。 112 00:07:08,561 --> 00:07:10,497 (せきばらい) あ…。 113 00:07:10,497 --> 00:07:12,899 今 そこで 珍しいお客さんに会って…。 114 00:07:12,899 --> 00:07:16,569 (彌七)源造! 桐山さんが 倉庫を 先に見たいと おっしゃるから…。 115 00:07:16,569 --> 00:07:18,505 あっ どうぞ。 しかし➡ 116 00:07:18,505 --> 00:07:22,509 お目に かけるようなものは 何もありませんけど。 どうぞ。 117 00:07:31,117 --> 00:07:33,420 さ お茶 お茶。 118 00:07:35,922 --> 00:07:40,593 (桐山)いや 結構なものを 見せていただいた。 119 00:07:40,593 --> 00:07:46,266 ありがとうございました。 まあ どうぞ お茶でも。 120 00:07:46,266 --> 00:07:48,601 あの… この方は? 121 00:07:48,601 --> 00:07:53,273 (彌七)私の めいです。 東京の桐山さんとおっしゃる方だ。 122 00:07:53,273 --> 00:07:57,610 橘りんでございます。 桐山です。 123 00:07:57,610 --> 00:08:00,213 あの… 確か あなたも➡ 124 00:08:00,213 --> 00:08:04,551 あの志津川の小学校に おられましたな?えっ? 125 00:08:04,551 --> 00:08:08,888 あっ そうです。 おりんさんは 女学校の救援隊で。 126 00:08:08,888 --> 00:08:12,759 私を覚えていませんか? 127 00:08:12,759 --> 00:08:18,231 もっとも あの時 私は ひどい格好をしていたから…。 128 00:08:18,231 --> 00:08:21,568 ああ! あの 手をケガしておられた…? 129 00:08:21,568 --> 00:08:27,440 そう。 あそこでは 本当に お世話になりました。 130 00:08:27,440 --> 00:08:29,909 いや あの時は 私も➡ 131 00:08:29,909 --> 00:08:33,580 材木の買い付けに 庄内に行った帰りに➡ 132 00:08:33,580 --> 00:08:36,483 志津川の 弟のところへ寄って➡ 133 00:08:36,483 --> 00:08:39,919 節句の酒で いい気分になっているところを➡ 134 00:08:39,919 --> 00:08:41,855 やられてしまいまして。➡ 135 00:08:41,855 --> 00:08:46,259 どうやって助かったのか いまだに 不思議なんですよ。 136 00:08:46,259 --> 00:08:49,162 弟の家族は 全滅でした。 137 00:08:49,162 --> 00:08:52,599 まあ… お気の毒に…。 138 00:08:52,599 --> 00:08:56,936 我々も 無傷で助かったのが 申し訳ないようで…。 139 00:08:56,936 --> 00:08:59,839 それで ちょっと 救援の方を 手伝わせてもらったんです。 140 00:08:59,839 --> 00:09:03,543 いや あの時の 小野寺さんのお働きは➡ 141 00:09:03,543 --> 00:09:05,879 まことに ご立派なもので➡ 142 00:09:05,879 --> 00:09:08,214 私は 大変に 感銘を受けましたよ。➡ 143 00:09:08,214 --> 00:09:11,117 その上 ご自分の店の品物を➡ 144 00:09:11,117 --> 00:09:15,088 洗いざらい 我々のために 供出してくださって…。 145 00:09:15,088 --> 00:09:23,229 今 あの空っぽの倉庫を拝見して 私は 涙が出ましたよ。 146 00:09:23,229 --> 00:09:25,565 本当に ありがとうございました。 147 00:09:25,565 --> 00:09:28,234 いや あそこの海から あがるもので➡ 148 00:09:28,234 --> 00:09:30,170 さんざん 儲けさせてもらいましたから➡ 149 00:09:30,170 --> 00:09:32,105 そこに お返しをしただけのことで。 150 00:09:32,105 --> 00:09:35,909 (桐山)いや なかなか まねのできることではありません。 151 00:09:35,909 --> 00:09:39,579 とにかく 一度 お礼だけでも 申し上げたいと思って➡ 152 00:09:39,579 --> 00:09:43,450 仙台に来たついでに お寄りした次第です。 153 00:09:43,450 --> 00:09:46,453 恐縮です。 154 00:09:46,453 --> 00:09:50,590 (彌七)桐山さんは 東京で どういう お仕事を? 155 00:09:50,590 --> 00:09:54,260 建築関係の会社を やっていますが➡ 156 00:09:54,260 --> 00:09:56,596 おかげさまで 仕事の方は➡ 157 00:09:56,596 --> 00:10:00,900 断らねばならぬほど 次々に舞い込んできまして…。 158 00:10:02,469 --> 00:10:06,940 東京で そんなに 借家が 足りなくなってるというのは➡ 159 00:10:06,940 --> 00:10:09,843 そんだけ 人間が いっぱい 集まるということだろうな。 160 00:10:09,843 --> 00:10:12,612 やっぱり 天子様の おひざもとだもの。 161 00:10:12,612 --> 00:10:17,283 戦争のあとの好景気で どっと 東京へ 出ていったんだろうな。 162 00:10:17,283 --> 00:10:20,954 でも 桐山さんも ちょうどいい ご商売をなさったものね。 163 00:10:20,954 --> 00:10:23,623 建てても建てても 家が足りないなんて➡ 164 00:10:23,623 --> 00:10:25,558 景気がいいじゃないの。 165 00:10:25,558 --> 00:10:28,495 わたすも 東京って よく知らないけど➡ 166 00:10:28,495 --> 00:10:31,297 何だか 人間も 空気も➡ 167 00:10:31,297 --> 00:10:33,967 こう ワ~ッと沸き立って 動いてるような感じ。 168 00:10:33,967 --> 00:10:37,637 みんな 生き生きしてるみたい。 わたすも行ってみたいなぁ。 169 00:10:37,637 --> 00:10:42,308 行きたい? うん 行ってみたい。 170 00:10:42,308 --> 00:10:45,211 前から 東京って どんなとこだろうなって➡ 171 00:10:45,211 --> 00:10:49,182 こう想像したりして…。 ほら 明和女学校に行った➡ 172 00:10:49,182 --> 00:10:52,318 わたすのお友達の 浜田おくにさんが➡ 173 00:10:52,318 --> 00:10:54,988 東京には おりんさんみたいな はね駒が➡ 174 00:10:54,988 --> 00:10:58,324 うじゃうじゃ いっぱいいるよって 何か そんなこと言ってた。 175 00:10:58,324 --> 00:11:01,928 東京じゃね はね駒じゃなくて 「じゃじゃ馬」って言うのよ。 176 00:11:01,928 --> 00:11:05,598 (彌七)あ ここにも じゃじゃ馬が 1匹いるな。 177 00:11:05,598 --> 00:11:08,268 じゃじゃ馬は嫌い? 彌七つぁん。 178 00:11:08,268 --> 00:11:11,938 いや… 俺は 馬は どんな馬でも好きだから。 179 00:11:11,938 --> 00:11:16,643 アハハハ… ごまかして。 180 00:11:18,278 --> 00:11:21,614 何だか おとなしいわね 源造さん。 何 考えてるの? 181 00:11:21,614 --> 00:11:24,317 あっ いや 別に 何も…。 182 00:11:38,631 --> 00:11:43,970 おりんちゃん…。 …はい。 183 00:11:43,970 --> 00:11:47,640 東京に行きたいって言ったの…➡ 184 00:11:47,640 --> 00:11:49,943 あれ ほんとか? 185 00:11:55,515 --> 00:11:58,284 東京へ…!? 186 00:11:58,284 --> 00:12:01,921 源造さん 東京へ行ってしまうの!? 187 00:12:01,921 --> 00:12:08,595 うん 行こうと思う。 …行きたい! 188 00:12:08,595 --> 00:12:11,931 どうして? 189 00:12:11,931 --> 00:12:16,269 ご覧のとおり 我々は まる裸になった。 190 00:12:16,269 --> 00:12:20,139 もちろん また 一から やり直せば➡ 191 00:12:20,139 --> 00:12:24,944 ここで 元のように 同じ商売をやってくことはできる。 192 00:12:24,944 --> 00:12:29,816 しかし どうせ 一から やり直すのであれば➡ 193 00:12:29,816 --> 00:12:33,286 また同じことの繰り返しじゃ つまらない。 194 00:12:33,286 --> 00:12:37,624 別の天地で 別の商売を 別の自分を賭けて➡ 195 00:12:37,624 --> 00:12:40,293 思いっきり やってみたいんだ。 196 00:12:40,293 --> 00:12:43,630 この文明開化の世の中で➡ 197 00:12:43,630 --> 00:12:46,966 ただ 自分の築いたものを 守っていくだけの➡ 198 00:12:46,966 --> 00:12:50,303 そんな小さな商人に 収まってしまうより➡ 199 00:12:50,303 --> 00:12:54,641 もっと 外に向けて 自分を ぶつけていくような…➡ 200 00:12:54,641 --> 00:12:58,511 そんな商人に 俺は なりたいんだ。 201 00:12:58,511 --> 00:13:02,248 それには 東京が 一番だ。 202 00:13:02,248 --> 00:13:05,952 俺は 東京へ行くよ おりんちゃん。 203 00:13:07,920 --> 00:13:10,923 源造さん…。 204 00:13:12,592 --> 00:13:19,465 そして 一生懸命 働いて 新しい商売を 軌道に乗せて➡ 205 00:13:19,465 --> 00:13:22,935 自分の思いどおりに 仕事ができるようになった時…。 206 00:13:22,935 --> 00:13:25,638 その時 おりんちゃんを…。 207 00:13:28,274 --> 00:13:34,614 その時… おりんちゃんを➡ 208 00:13:34,614 --> 00:13:38,317 俺の嫁さんに もらいに来てもいいかな。 209 00:13:40,953 --> 00:13:47,960 それまで… 俺のことを 待っていてもらえるかな? 210 00:13:50,630 --> 00:13:54,934 嫌なら嫌と言ってくれ。 そしたら あきらめる。 211 00:13:58,304 --> 00:14:01,908 そんなものなの? え? 212 00:14:01,908 --> 00:14:06,579 嫌と言ったら あきらめるくらいのものなの? 213 00:14:06,579 --> 00:14:11,284 じゃあ… じゃあ 嫌だ。 おりんちゃん! 214 00:14:13,252 --> 00:14:18,558 うそ。 …待ってます。 215 00:14:21,594 --> 00:14:27,600 腰が曲がるくらいまでには 迎えに来てくださいね。 216 00:14:30,269 --> 00:14:36,275 東京で 頑張って。 私のことは 心配ご無用です。 217 00:14:39,612 --> 00:14:42,281 おりんちゃん…! 218 00:14:42,281 --> 00:14:55,294 ♬~