1 00:00:02,200 --> 00:00:16,450 ・~ (テーマ音楽) 2 00:00:16,450 --> 00:01:19,640 ・~ 3 00:01:30,790 --> 00:01:33,830 <二本松の祭りの夜に出会い・ 4 00:01:33,830 --> 00:01:38,460 りんの胸に なぜか忘れ難い 思い出を残した その人・ 5 00:01:38,460 --> 00:01:42,130 松浪 毅との思いがけない再会に・ 6 00:01:42,130 --> 00:01:45,600 りんは まるで夢を見ているようでした> 7 00:01:48,310 --> 00:01:51,140 (松浪)あれから 何ともありませんか? 足の方。 8 00:01:51,140 --> 00:01:55,980 (りん)はい。 何ともないです! 本当です! 9 00:01:55,980 --> 00:01:59,250 ホレ! ホレ! 10 00:02:00,820 --> 00:02:04,690 (みどり) 何で跳ねてるの? この人。 11 00:02:04,690 --> 00:02:08,690 (鶴次)松浪先生 どうして おりんさんと? 12 00:02:08,690 --> 00:02:13,100 鶴次君 私はね 君たちよりも ずっと前から・ 13 00:02:13,100 --> 00:02:16,970 この人と 友達だったんだよ。 へえ~。 それは どういう…? 14 00:02:16,970 --> 00:02:20,440 私 高木みどりです。 あなたの名前は? 15 00:02:20,440 --> 00:02:23,780 あの… 橘りんです。 16 00:02:23,780 --> 00:02:27,050 よろしく。 シェーク ハンド! 17 00:02:27,050 --> 00:02:29,950 アイム グラッド トゥ ミート ユー。 は? 18 00:02:29,950 --> 00:02:34,120 私 仙台の東北女学校で 松浪先生の生徒なの。 19 00:02:34,120 --> 00:02:41,460 あなたは どこの女学校? あの… 中村小学校の高等科です。 20 00:02:41,460 --> 00:02:46,730 小学生なの? あんた。 あっ そう…。 21 00:02:49,630 --> 00:02:54,510 (松浪)二本松の祭りの夜に 会ったんだ。 ね? 22 00:02:54,510 --> 00:02:56,770 はい! 23 00:03:00,040 --> 00:03:03,950 (幸助)ヤソか…。 貸さねば よかったべか。 24 00:03:03,950 --> 00:03:06,420 (やえ)さあさあ 入らっしょ。 入らっしょ。 25 00:03:06,420 --> 00:03:08,350 どうぞ。 遠慮しねで どうぞ。 26 00:03:08,350 --> 00:03:10,760 あ わたすの家で ねがったわ。 27 00:03:10,760 --> 00:03:12,690 (千代)どうぞ ご一緒に。 ごめんなんしょ。 28 00:03:12,690 --> 00:03:15,430 松浪先生 みどりさん どうぞ お入りください。 29 00:03:15,430 --> 00:03:18,260 狭くて汚いところで 申し訳ございませんが さ どうぞ。 30 00:03:18,260 --> 00:03:22,430 あらぁ 本当に狭いんだわ。 悪がったなえ。 31 00:03:22,430 --> 00:03:26,800 ・(みどり)松浪先生 どうぞ。 32 00:03:26,800 --> 00:03:31,440 いらっしゃい。 はい! 33 00:03:31,440 --> 00:03:34,410 ・(新之助)おりんちゃん。 34 00:03:40,190 --> 00:03:43,620 えっ 兄ちゃんが 新之助さんに お金を!? 35 00:03:43,620 --> 00:03:46,520 (新之助) 「必ず返すから ちょっとの間だけ 貸してくれ」って・ 36 00:03:46,520 --> 00:03:48,790 俺宛てに手紙よこしたんだ。 37 00:03:48,790 --> 00:03:51,300 大儲けできる仕事が 今 目の前にあるんだと。 38 00:03:51,300 --> 00:03:54,130 いくら貸してくれって? 20円。 39 00:03:54,130 --> 00:03:56,630 ウッター! ほんなに!? 40 00:03:56,630 --> 00:03:59,400 必ず 利子つけて 返すからって…。 41 00:04:01,610 --> 00:04:05,340 これが あにさんからの手紙だ。 42 00:04:05,340 --> 00:04:11,080 「なお この件 我ら二人のみの 秘密とし 絶対に口外無用・ 43 00:04:11,080 --> 00:04:14,420 くれぐれも御内密に願い上げ候。・ 44 00:04:14,420 --> 00:04:19,690 貴殿を未来のおとうと りんの亭主と見込んでの願い・ 45 00:04:19,690 --> 00:04:22,590 ぜひぜひ お聞き届けくださるべく・ 46 00:04:22,590 --> 00:04:27,000 吉報を首を長くして お待ち申し上げ候」。 47 00:04:27,000 --> 00:04:29,900 もう 兄ちゃんたら! 48 00:04:29,900 --> 00:04:32,600 「くれぐれも内密に」って 書いてあっけど・ 49 00:04:32,600 --> 00:04:36,110 おりんちゃんにだけは ちょっと 耳に入れておこうと思って。 50 00:04:36,110 --> 00:04:40,450 あの まさか このお金…。 すぐ 送っておいた。 51 00:04:40,450 --> 00:04:43,480 20円も!? 52 00:04:43,480 --> 00:04:46,780 質蔵の中の金目の物 家の者に分かんねえように・ 53 00:04:46,780 --> 00:04:49,820 こっそり 持ち出して 福島さ行って 売っ払ってよ…。 54 00:04:49,820 --> 00:04:55,790 「泥棒を捕えてみれば我が子なり」。 アハハハハ! 55 00:04:55,790 --> 00:05:00,230 でも… もし 兄ちゃんが 返せなかったら? 56 00:05:00,230 --> 00:05:05,570 かまわねえ。 おりんちゃんへの 結納金だと思えばいいんだから。 57 00:05:05,570 --> 00:05:09,440 このこと 俺は 絶対に 誰にも しゃべんねえから・ 58 00:05:09,440 --> 00:05:11,910 心配すっことねえよ。 59 00:05:11,910 --> 00:05:14,580 これは 2人だけの秘密だ。 60 00:05:14,580 --> 00:05:20,080 夫婦が 一緒の秘密を持つのは いいことなんだよ おりんちゃん。 61 00:05:20,080 --> 00:05:37,400 ・~ 62 00:05:37,400 --> 00:05:40,770 ヤソが来たんだと。 ヤソが何か言ってんだと。 63 00:05:40,770 --> 00:05:43,540 道端で 何か くっちゃべってんだと。 64 00:05:46,280 --> 00:05:50,450 (鶴次)みな様と共に 悩みや 苦しみを分かち合い・ 65 00:05:50,450 --> 00:05:53,790 みな様と共に 幸せに生きられるよう・ 66 00:05:53,790 --> 00:05:58,960 少しでも みな様のお役に立ち お力になることを願って・ 67 00:05:58,960 --> 00:06:01,730 この相馬に やってまいりました。・ 68 00:06:01,730 --> 00:06:07,230 私たちと みなさんとは 今 初めて こうして お目にかかって…。 69 00:06:07,230 --> 00:06:24,080 ・~(「賛美歌」) 70 00:06:24,080 --> 00:06:26,750 (松浪) こんなに ヒビやシモヤケができて・ 71 00:06:26,750 --> 00:06:29,420 よく家の手伝いをするんだろう。・ 72 00:06:29,420 --> 00:06:32,920 うん うん 偉い 偉い。 73 00:06:32,920 --> 00:06:36,590 痛いか? 74 00:06:36,590 --> 00:06:42,930 でもね 寒い冬が過ぎて 暖かい春が やって来ると・ 75 00:06:42,930 --> 00:06:47,670 だんだん このヒビも シモヤケも よくなっていくからね。・ 76 00:06:47,670 --> 00:06:51,640 そういう具合にね 神様が してくださってるんだ。・ 77 00:06:51,640 --> 00:06:56,410 だから この痛さに負けないで 頑張るんだよ。 78 00:07:00,250 --> 00:07:04,260 道端の説教では 聞くほうも 切ねえなえ。 79 00:07:04,260 --> 00:07:06,720 どだこと 語ってんだべか。 80 00:07:06,720 --> 00:07:09,390 (こと)もっと丁寧に きちんと並べて…。 81 00:07:09,390 --> 00:07:13,260 あっ おっかさん わたす やりますから…。 82 00:07:13,260 --> 00:07:18,100 ほんでも ハア わたす ぶったまげたわ おっかさま。 83 00:07:18,100 --> 00:07:23,240 その先生つう人の まあ いい顔してっこと してっこと。 84 00:07:23,240 --> 00:07:26,140 あれは ヤソにしておぐのは もったいねえわ。 85 00:07:26,140 --> 00:07:29,050 ちょっと ヌカ それでは入れすぎませんか? 86 00:07:29,050 --> 00:07:31,750 これくらい入れねえと 味が よくならねえから。 87 00:07:31,750 --> 00:07:35,250 沢山 入れれば よいという ものでは ありますまい。 88 00:07:35,250 --> 00:07:38,090 「過ぎたるは及ばざるがごとし」。 89 00:07:38,090 --> 00:07:44,200 その松浪先生に お茶をいれて…。 やえさん。 やえさん。 90 00:07:44,200 --> 00:07:47,100 夫ある身が そのように・ 91 00:07:47,100 --> 00:07:50,940 他の殿方のことを 嬉しそうに 話すものではありません。 92 00:07:50,940 --> 00:07:56,440 はしたないことです。 いや わたす 嬉しそうになんて…。 93 00:07:56,440 --> 00:08:01,850 あれ 柿の皮は? 柿の皮? 94 00:08:01,850 --> 00:08:05,220 柿の皮を むいたあと 集めて・ 95 00:08:05,220 --> 00:08:07,250 ザルに入れて とっておきやしたけどね。 96 00:08:07,250 --> 00:08:09,390 あれは 捨てやした。 捨てた!? 97 00:08:09,390 --> 00:08:12,290 あれ 捨てては悪かったんだべか? 98 00:08:12,290 --> 00:08:15,730 この漬物に 入れようと思っていたのに。 99 00:08:15,730 --> 00:08:17,660 柿の皮を? 100 00:08:17,660 --> 00:08:21,230 柿の皮を 一緒に漬けると 甘みが出て・ 101 00:08:21,230 --> 00:08:24,140 おいしい沢庵漬けに なるのです。 102 00:08:24,140 --> 00:08:27,740 二本松の方では みんな そうしておりやすよ。 103 00:08:27,740 --> 00:08:32,080 (やえ)皮をね…。 初めて聞いた。 104 00:08:32,080 --> 00:08:36,580 弘次郎は そういうことは 何にも話しませんでしたか? 105 00:08:36,580 --> 00:08:40,920 何にも。 おとっつぁんは わたすの漬けた漬物は・ 106 00:08:40,920 --> 00:08:45,760 何でも 「おいしい おいしい」 …とは言わねげんと・ 107 00:08:45,760 --> 00:08:48,790 黙って おいしそうに食べてます。 108 00:08:48,790 --> 00:08:50,930 どんなまずい物でも・ 109 00:08:50,930 --> 00:08:56,200 文句を言わずに食べるように 私が しつけました。 110 00:09:01,370 --> 00:09:04,210 (徳右衛門)精が出るのう。 111 00:09:04,210 --> 00:09:08,880 (弘次郎)雪のくる前に 畑の物を 室に囲っておくんです。 112 00:09:08,880 --> 00:09:13,720 冬構えか。 このイモや ゴボウは みな お前が こしらえたのか? 113 00:09:13,720 --> 00:09:16,620 そうです。 家族が食べるぐらいは・ 114 00:09:16,620 --> 00:09:19,060 なんとか間に合うようにと 思ってるんですが・ 115 00:09:19,060 --> 00:09:21,090 今年は 天気の具合が悪くて・ 116 00:09:21,090 --> 00:09:23,730 あまり いい出来では ありませんでした。 117 00:09:23,730 --> 00:09:29,230 今年の冬から 食べる口が 2つ増えて 冬構えも大変じゃの。 118 00:09:29,230 --> 00:09:32,570 なに 2人分ぐらい 大した変わりは ないです。 119 00:09:32,570 --> 00:09:36,040 親父さまは 何も心配することはありません。 120 00:09:39,080 --> 00:09:42,780 わしも 畑仕事でも手伝うか? 121 00:09:42,780 --> 00:09:46,420 余計な気を遣わずに 年寄りは のんびりしていてください。 122 00:09:46,420 --> 00:09:48,350 そう年寄り扱いするな。 123 00:09:48,350 --> 00:09:50,760 何もしねえでは 体が なまってしまう。 124 00:09:50,760 --> 00:09:54,630 素振りも 止められてしまったし。 125 00:09:54,630 --> 00:09:56,930 止めはしません。 126 00:09:56,930 --> 00:10:00,430 「あの声だけは勘弁してくれ」と 言っただけです。 127 00:10:00,430 --> 00:10:08,540 ・~ 128 00:10:08,540 --> 00:10:12,410 ちりぢりになった 家中の者たち・ 129 00:10:12,410 --> 00:10:17,620 みな それぞれに 懸命に生きているのであろうな。 130 00:10:17,620 --> 00:10:24,290 弦一郎が 今 生きていたら どのような仕事をしているか…。 131 00:10:26,790 --> 00:10:33,560 お前にも わしにも あの戦は まだ終わってはいねえの。 132 00:10:37,130 --> 00:10:40,170 (千代)どうぞ。 (幸助)沢山 集まってくれたかい? 133 00:10:40,170 --> 00:10:43,310 子供たちは 珍しそうに 集まってきたんですが・ 134 00:10:43,310 --> 00:10:45,810 大人たちは やっぱり 何だか怖いものでも・ 135 00:10:45,810 --> 00:10:47,850 見るように 遠巻きで…。 136 00:10:47,850 --> 00:10:50,310 それでも 集まってくれた人たちは みんな・ 137 00:10:50,310 --> 00:10:53,220 私たちの話を 静かに聞いてくれたじゃないか。 138 00:10:53,220 --> 00:10:57,190 青空伝道の第1日としては いい滑り出しだ。 139 00:10:57,190 --> 00:11:00,120 でも すごい目をして 睨んでいた お坊さんが居たわ。 140 00:11:00,120 --> 00:11:05,430 坊主が ヤソになったんでは 檀家が困っつまうべ。 141 00:11:05,430 --> 00:11:09,770 俺だって この家は貸したが ヤソには なんねえよ。 142 00:11:09,770 --> 00:11:13,440 俺は 南無阿弥陀仏だ。 いや それで結構ですよ。 143 00:11:13,440 --> 00:11:16,270 それでも こうして 部屋を貸してくださって・ 144 00:11:16,270 --> 00:11:19,610 本当に ありがとうございました。 いやいやいや! 145 00:11:19,610 --> 00:11:22,650 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏…。 146 00:11:22,650 --> 00:11:27,950 (やえ)ちょっと 切り漬けだ。 うめえんだから 食って…。 147 00:11:27,950 --> 00:11:30,290 (千代)まあ どうも。 148 00:11:30,290 --> 00:11:32,960 お茶うけに おつまみ くださりませ。 149 00:11:32,960 --> 00:11:35,790 すんません おおきに。 150 00:11:35,790 --> 00:11:38,700 どうぞ 上がって 松浪先生と お話 どうぞ。 151 00:11:38,700 --> 00:11:41,870 そんな… 夫ある身で はしたない。 152 00:11:44,140 --> 00:11:54,180 ・~ 153 00:11:54,180 --> 00:11:59,980 おりんちゃん! 何 考え込んでんだ? 154 00:11:59,980 --> 00:12:02,750 何にも。 足 洗ってんだよ。 155 00:12:02,750 --> 00:12:04,690 さっき 新之助さんが 呼ばってたっけが・ 156 00:12:04,690 --> 00:12:06,620 何の話だったんだえ? 157 00:12:06,620 --> 00:12:13,030 何でもねえよ。 普通の話。 結納のこと 何か言ってたかい? 158 00:12:13,030 --> 00:12:15,770 何にも。 じゃあ 何 話してたんだ? 159 00:12:15,770 --> 00:12:19,600 何でもねえよ! 足 洗ってんだ わたす! 160 00:12:19,600 --> 00:12:29,610 ・~ 161 00:12:29,610 --> 00:12:32,920 何 怒ってんだべ。 162 00:12:32,920 --> 00:12:44,300 ・~ 163 00:12:44,300 --> 00:12:46,630 [ 回想 ] (新之助) これは 2人だけの秘密だ。・ 164 00:12:46,630 --> 00:12:52,440 夫婦が 一緒の秘密を持つのは いいことなんだよ。 165 00:12:52,440 --> 00:12:57,310 [ 心の声 ] 兄ちゃん なして 新之助さんに お金なんか借りたの?・ 166 00:12:57,310 --> 00:13:00,240 なして そんなこと…。 167 00:13:00,240 --> 00:13:28,940 ・~ 168 00:13:28,940 --> 00:13:32,910 (松浪)ほう 素振りか。 これは 勇ましいな。 169 00:13:35,250 --> 00:13:40,150 誰かに 剣術でも習ったのかな? いえ…。 170 00:13:40,150 --> 00:13:43,050 そうか。 171 00:13:43,050 --> 00:13:47,690 しかし そのヘッピリ腰は よろしくないな。 172 00:13:47,690 --> 00:13:52,530 素振りをするなら 腰をもっと締めて・ 173 00:13:52,530 --> 00:13:57,300 姿勢を まっすぐに 正しく構えて。 174 00:13:57,300 --> 00:14:00,970 こう…。 さあ 打ち込んでこい! 175 00:14:08,350 --> 00:14:13,050 何を やってるんだ…。 あの…。 176 00:14:13,050 --> 00:14:17,020 いや つい 昔に戻って 妙なことを してしまった。 177 00:14:17,020 --> 00:14:20,260 邪魔をして 悪かったね。 178 00:14:20,260 --> 00:14:31,700 ・~ 179 00:14:31,700 --> 00:14:33,670 じいさま。 180 00:14:39,440 --> 00:14:45,780 どこの家中に居たのか… かなりの使い手だな あれは。 181 00:14:45,780 --> 00:14:55,060 ・~