1 00:00:02,210 --> 00:00:20,590 ・~ (テーマ音楽) 2 00:00:20,590 --> 00:00:59,830 ・~ 3 00:00:59,830 --> 00:01:04,430 万歳! 万歳! 4 00:01:04,430 --> 00:01:06,770 ほんだば 行ってまいりやす! 5 00:01:06,770 --> 00:01:10,110 <かねてから 朝鮮出征を巡って 対立していた・ 6 00:01:10,110 --> 00:01:13,140 日本と清国との関係が ついに決裂し・ 7 00:01:13,140 --> 00:01:19,280 明治27年8月1日 日本は 清国に対し宣戦布告・ 8 00:01:19,280 --> 00:01:22,620 いわゆる日清戦争が 始まったのです> 9 00:01:22,620 --> 00:01:25,290 (りん)元気で帰って こさんしょなぇ! 10 00:01:25,290 --> 00:01:28,190 (やえ)働き手を 兵隊に とられちまった家では・ 11 00:01:28,190 --> 00:01:31,630 今年の秋の取り入れは 大変だべなぇ。 12 00:01:31,630 --> 00:01:33,660 (千代)うちの主人も そう言っています。 13 00:01:33,660 --> 00:01:38,500 はよ戦いが終わるように 毎日 お祈りしてるんですよ。 14 00:01:38,500 --> 00:01:41,340 (みつ)わたす 稲刈りや何か 手伝いに行ってやるわ。 15 00:01:41,340 --> 00:01:44,140 (やえ)手伝いも いいげんと ほら 自分の仕事も覚えねっか。 16 00:01:44,140 --> 00:01:49,310 この端の方 ほら 板目に合わせて ビシッと まっつぐ。・ 17 00:01:49,310 --> 00:01:51,980 ほら ブカブカしねえように よく ほら なでて。 18 00:01:51,980 --> 00:01:54,320 ふのりの煮方が ちょっと濃すぎたべか。 19 00:01:54,320 --> 00:01:56,820 自分でやっと よく分かっぺ? 20 00:01:56,820 --> 00:01:59,660 母さんに頼ってばあし いては 駄目だぞぃ。 21 00:01:59,660 --> 00:02:02,430 おみっちゃんは 家のこと 何でも よく できるから・ 22 00:02:02,430 --> 00:02:05,130 今すぐにでも お嫁さんに行けるわね。 23 00:02:06,760 --> 00:02:10,100 (千代)あ お帰りなさい。 (みつ)父ちゃん お帰り。 24 00:02:10,100 --> 00:02:14,100 (やえ)暑くて大変だったべ。 ここ済んだら すぐ昼にすっから。 25 00:02:17,610 --> 00:02:20,280 父ちゃん この頃 機嫌悪いなぇ。 26 00:02:20,280 --> 00:02:25,620 自分の思うとおり いかねえのが 世の中っつうもんだげんとなぇ。 27 00:02:25,620 --> 00:02:31,290 (幸助) なんせ 本式に外国相手の戦争は 初めてだからなぃ。 28 00:02:31,290 --> 00:02:33,220 こいつは負けらんねえ。 29 00:02:33,220 --> 00:02:36,160 (徳右衛門)負けては いかん。 絶対に負けては いかん。 30 00:02:36,160 --> 00:02:38,800 戦に負けることぐらい 無残なことはない。 31 00:02:38,800 --> 00:02:43,130 死んだ者は ただの 死に損になるだけだ。 32 00:02:43,130 --> 00:02:47,000 この間までは 戦は 侍に任せっぱなしだったげんと・ 33 00:02:47,000 --> 00:02:50,310 今は 誰でもが 鉄砲 持てるからなぃ。 34 00:02:50,310 --> 00:02:55,140 俺も若ければ 志願してでも 敵をやっつけに 出かけるんだが。 35 00:02:55,140 --> 00:02:57,080 わしとて 思いは同じ。 36 00:02:57,080 --> 00:03:01,250 戊辰の役で 理不尽にも着せられた 賊軍の汚名を・ 37 00:03:01,250 --> 00:03:05,760 この戦で晴らせるもんなら… なぁ 弘次郎。 38 00:03:05,760 --> 00:03:08,790 (弘次郎) わたすは ごめんこうむります。 (徳右衛門)何? 39 00:03:08,790 --> 00:03:13,500 我々に 賊軍の汚名を着せたのは 薩長の新政府。 40 00:03:13,500 --> 00:03:16,100 その新政府が おっ始めた 戦争のために・ 41 00:03:16,100 --> 00:03:18,430 命を投げ出すつもりなど 毛頭ありません。 42 00:03:18,430 --> 00:03:21,940 ふむ… しかし 今度の相手は外国だぞ。 43 00:03:21,940 --> 00:03:26,610 (こと)国が敗れては 薩長も徳川も ありますまい。 44 00:03:26,610 --> 00:03:30,780 とにかく この戦にかかわることは ごめんこうむります。 45 00:03:30,780 --> 00:03:33,280 勝とうが負けようが 勝手にするがいい。 46 00:03:33,280 --> 00:03:36,120 弘次郎! お前は それでも日本人か! 47 00:03:36,120 --> 00:03:40,790 (幸助) ま ま ま! ここで戦争するのは やめてくだっしょ。 48 00:03:40,790 --> 00:03:44,960 ま 俺なんか 薩長も徳川も関係ねえから・ 49 00:03:44,960 --> 00:03:48,000 なんとか お国のために 働きたいと思ってなぇ・ 50 00:03:48,000 --> 00:03:50,630 軍夫にでも なっかと思って。 51 00:03:50,630 --> 00:03:52,670 軍夫? 52 00:03:52,670 --> 00:03:55,510 (幸助)あら? 知らねかったかぇ。 53 00:03:55,510 --> 00:03:58,810 ほれ こういう おふれが 出回ってるんだぞぇ。 54 00:03:58,810 --> 00:04:04,410 俺は 駐在さんから もらったんだげんと。 何 何? 55 00:04:04,410 --> 00:04:09,750 「身体壮健にして 1日8里以上の行程に耐え・ 56 00:04:09,750 --> 00:04:15,560 雑役に従事する時は 12時間以上 連日の労働に耐うる者」。 57 00:04:15,560 --> 00:04:19,260 兵隊になれねえまでも 物を運んだり 作ったり・ 58 00:04:19,260 --> 00:04:22,300 兵隊の手助けをする人夫を 募るっつうわけだ。 59 00:04:22,300 --> 00:04:24,930 ほう 軍夫をな…。 60 00:04:24,930 --> 00:04:28,440 (こと)やっぱり 人手が要るんで ござりやしょうなぃ。 61 00:04:28,440 --> 00:04:32,280 でも その軍夫つうのも 兵隊と同じように・ 62 00:04:32,280 --> 00:04:34,610 鉄砲弾の飛んでくるとこまで 行くんだべ? 63 00:04:34,610 --> 00:04:36,650 それは そうだよ。 弾運びも すんだべから。 64 00:04:36,650 --> 00:04:39,120 ほんじゃ やっぱり命がけだなぇ。 65 00:04:39,120 --> 00:04:41,780 やめた方が いいんでないかな 幸助おんつぁん。 66 00:04:41,780 --> 00:04:43,820 女が そだことに 口をはさむんでねえ! 67 00:04:43,820 --> 00:04:45,820 あっちさ行ってろ! 68 00:04:47,590 --> 00:04:51,790 (蝉の声) (六波羅)どうも どうも。 69 00:04:51,790 --> 00:04:56,130 誰か いたかい? (やえ)いたぞい! 70 00:04:56,130 --> 00:05:01,100 いやいや まんつ忙しいこと 忙しいこと! 71 00:05:01,100 --> 00:05:04,840 ああ 戦争が こだに 忙しいものとは知らねかった。 72 00:05:04,840 --> 00:05:07,410 あっち行っても万歳 こっち行っても万歳。 73 00:05:07,410 --> 00:05:12,920 万歳の音頭取りだけでも大変だ。・ 74 00:05:12,920 --> 00:05:18,420 それで 山田村の吉川へも 昨日 やっと 行ってきたんだげんと・ 75 00:05:18,420 --> 00:05:25,760 向こうでも 次男が出征で 大騒ぎでなぃ。 76 00:05:25,760 --> 00:05:29,430 (みつ)どうぞ。 おみっちゃん。 向こうの おっかさまが・ 77 00:05:29,430 --> 00:05:32,100 おみっちゃんに 早く来てもらいてえんだど。・ 78 00:05:32,100 --> 00:05:36,440 早く 息子の嫁っこに なってくだっしょと。 ハハハ…。 79 00:05:36,440 --> 00:05:38,470 知んね おら。 80 00:05:38,470 --> 00:05:40,940 おみつを からかわねえでくだっしょ。 81 00:05:40,940 --> 00:05:44,610 あの子 おぼこなんだから。 いや からかったんでねえぞい。 82 00:05:44,610 --> 00:05:47,450 ほんとに 吉川の おっかさまに そう言われたんだ。 83 00:05:47,450 --> 00:05:51,950 こだ ご時世では 若い男は いつ どうなっか 分かんねから・ 84 00:05:51,950 --> 00:05:58,130 早く跡継ぎをつくるために この秋にも 祝言を挙げたいって。 85 00:05:58,130 --> 00:06:00,830 この秋に? 86 00:06:07,240 --> 00:06:10,140 (やえ)なじょするつもりだぇ? おとっつぁん。 87 00:06:10,140 --> 00:06:12,110 やるとか やらねえとか・ 88 00:06:12,110 --> 00:06:14,610 こっちからも はっきりした返事しねっか・ 89 00:06:14,610 --> 00:06:17,610 駐在さんの言うとおりに 決まっちまうよ。 90 00:06:17,610 --> 00:06:20,080 おりんを先にと思ったって・ 91 00:06:20,080 --> 00:06:23,120 あの子は 先生になるの何のって 言い張ってんだから。 92 00:06:23,120 --> 00:06:25,760 おとっつぁん どう思ってんだか 言ってくだっしょ。 93 00:06:25,760 --> 00:06:29,430 おとっつぁん。 うっつぁしいな。 あっちさ行ってろ。 94 00:06:29,430 --> 00:06:32,460 おとっつぁん こればっかりは わたす・ 95 00:06:32,460 --> 00:06:35,230 黙って あっちさ行ってるわけには いかねえから。 96 00:06:35,230 --> 00:06:38,100 女の嫁入りは 一生の一大事。 97 00:06:38,100 --> 00:06:42,440 女の幸せも不幸せも 嫁入りで決まっちまうんだから。 98 00:06:42,440 --> 00:06:45,270 おとっつぁんが 本気で考えて くれねえんだったら わたすも…。 99 00:06:45,270 --> 00:06:47,780 誰が 本気で考えねえっつった! ほんじゃら もっと・ 100 00:06:47,780 --> 00:06:50,450 はっきりした考え 言ってくれたら いいべした。 101 00:06:50,450 --> 00:06:54,280 何も言わねえで うっつぁしいだの あっちさ行けだの。 102 00:06:54,280 --> 00:06:56,320 ほかのこととは 違いやすからなぃ。 103 00:06:56,320 --> 00:06:58,620 わたす 今度ばかしは 黙って引っ込んでねえから。 104 00:06:58,620 --> 00:07:01,390 何だ その口は! 親は自分だけだと思ってんのか! 105 00:07:01,390 --> 00:07:04,290 そう思ってたら こだこと 言わねえぞぃ! 106 00:07:04,290 --> 00:07:08,560 (こと)待ってくだされ お前さま! 弘次郎 弘次郎・ 107 00:07:08,560 --> 00:07:11,400 父上を止めてくだされ! 放せ! 放せっつうに! 108 00:07:11,400 --> 00:07:13,740 (弘次郎)どうしたんですか! (こと)どうしたも こうしたも・ 109 00:07:13,740 --> 00:07:17,240 おとっつぁまが 軍夫に応募すると言うて。 110 00:07:17,240 --> 00:07:19,180 (弘次郎)軍夫に? (やえ)じいさまが!? 111 00:07:19,180 --> 00:07:23,910 わしが軍夫になって 何が悪い。 年も まだ65歳 身体も頑健。 112 00:07:23,910 --> 00:07:25,850 ここらで ひとつ 死に花を咲かすのも・ 113 00:07:25,850 --> 00:07:28,250 よかろうではないか! 何をバカなことを言ってるんです。 114 00:07:28,250 --> 00:07:31,750 何のために 父上が軍夫などに! 何がバカなことだ! 115 00:07:31,750 --> 00:07:34,260 先行きの望みもなく 何もせず・ 116 00:07:34,260 --> 00:07:36,290 無為に朽ち果てていくのを 待つより・ 117 00:07:36,290 --> 00:07:39,760 いま一度 命をかけて 何かをやってみるのも・ 118 00:07:39,760 --> 00:07:43,430 人生の締めくくりとして 悪くはなかろう! 119 00:07:43,430 --> 00:07:47,770 わしは行く! これから 軍夫の応募を申し入れてくる。 120 00:07:47,770 --> 00:07:51,640 (やえ)おりん じいさま 止めて 止めて! え? 121 00:07:51,640 --> 00:07:54,440 じいさま! じいさま! 放せ! 122 00:07:54,440 --> 00:07:57,950 (嘉助)やあ これは みなさん 団子になって。 123 00:07:57,950 --> 00:08:00,220 まあ おにぎやかに 何のお仕事ですか? 124 00:08:00,220 --> 00:08:03,550 兄ちゃん! まあ 家じゅう 総出で。 125 00:08:03,550 --> 00:08:07,390 まさか 久しぶりに故郷へ帰った 我が輩を みんなして出迎え。・ 126 00:08:07,390 --> 00:08:11,060 …というわけでもないよね。 ハハハハ。 127 00:08:11,060 --> 00:08:14,930 <3年前の 松浪先生襲撃事件以来・ 128 00:08:14,930 --> 00:08:17,730 ようとして 行方を絶っていた嘉助が・ 129 00:08:17,730 --> 00:08:21,600 またまた 派手派手しく ひょっこり帰ってきたのです> 130 00:08:21,600 --> 00:08:23,910 戦争が おっ始まったと聞いて・ 131 00:08:23,910 --> 00:08:26,940 俺は 俺の人生も もう これまでだなって覚悟したんだよ。 132 00:08:26,940 --> 00:08:29,410 兵隊に しょっぴかれる。 船に乗せられる。 133 00:08:29,410 --> 00:08:32,450 敵の軍艦に狙われる。 ボカ~ンと 沈められる。 ね。 134 00:08:32,450 --> 00:08:35,920 俺は泳げないから 板につかまって アップアップ。 ね。 135 00:08:35,920 --> 00:08:37,950 敵の軍艦に拾われる。 136 00:08:37,950 --> 00:08:42,090 「おのれ にっくき日本兵 何で生かして返さりょか!」。 137 00:08:42,090 --> 00:08:46,330 あ~ これで俺の人生も あわれ おだぶつよ。 138 00:08:46,330 --> 00:08:49,600 やんだ 兄ちゃん死ぐなんて! ところが・ 139 00:08:49,600 --> 00:08:52,640 よく考えてみたら 俺は 兵隊の資格 持ってなかったんだ。 140 00:08:52,640 --> 00:08:55,470 んだなぇ。 お前 兵隊検査で はねられたんだ。 141 00:08:55,470 --> 00:08:59,110 そうだよ 扁平足でね。 扁平足って何? 142 00:08:59,110 --> 00:09:01,540 ベタ足ってやつさ。 143 00:09:01,540 --> 00:09:03,880 ほら この足。 144 00:09:03,880 --> 00:09:07,750 いや~ ベタ足さまさま! ベタ足大明神! 145 00:09:07,750 --> 00:09:13,060 男のくせに そだに命惜しがりでは 情けないな。 146 00:09:13,060 --> 00:09:15,390 命を惜しがってんじゃねえんだよ。 147 00:09:15,390 --> 00:09:18,060 たった一つしかない命を 大事にしてんだよ 俺は。 148 00:09:18,060 --> 00:09:20,730 (弘次郎)嘉助 それで お前は 今 何をしてるんだ? 149 00:09:20,730 --> 00:09:23,930 よく聞いてくれました おとっつぁん! 150 00:09:26,400 --> 00:09:28,400 はい おとっつぁん。 151 00:09:30,070 --> 00:09:34,710 今 我が輩は こういうピクチャーを セールしてるんです。 152 00:09:34,710 --> 00:09:36,780 今度の清国との戦争のことを・ 153 00:09:36,780 --> 00:09:39,620 あたかも この目で見るがごとく 錦絵にしてあるんだよ。 154 00:09:39,620 --> 00:09:43,450 今 東京や横浜では この戦争錦絵が売れて売れて・ 155 00:09:43,450 --> 00:09:45,890 絵草紙屋は 大繁盛なんだよ。 ハハハハ。 156 00:09:45,890 --> 00:09:47,820 兄ちゃんも これ売ってんのかぇ? そうだよ。 157 00:09:47,820 --> 00:09:50,790 兄ちゃんはな これを 東京や横浜だけでなく・ 158 00:09:50,790 --> 00:09:53,930 日本中の人たちに見せて 喜んでもらおうと思って・ 159 00:09:53,930 --> 00:09:56,970 こうやって 持って歩ってるんだよ。 160 00:09:56,970 --> 00:10:03,110 それから これは 今 東京辺りで みんなが歌っている・ 161 00:10:03,110 --> 00:10:05,140 戦争を歌った はやり歌を 書いてあるんだよ。・ 162 00:10:05,140 --> 00:10:11,150 この歌を知っとかなきゃ 時代に乗り遅れちまうよ。 アハハハハ。 163 00:10:14,280 --> 00:10:17,190 いいか? 164 00:10:17,190 --> 00:10:19,490 (咳払い) 165 00:10:24,790 --> 00:10:33,500 ・「道は六百八十里…」 166 00:10:33,500 --> 00:10:36,810 (弘次郎)やめろ! やめろ 嘉助。 167 00:10:36,810 --> 00:10:38,840 これから さわりなんだけど おとっつぁん。 168 00:10:38,840 --> 00:10:41,310 その音は やめろ。 169 00:10:41,310 --> 00:10:44,810 はばかりに行きたくなるような 音だな それは。 170 00:10:44,810 --> 00:10:47,720 これは バイオリンっていう 西洋の高尚な楽器なんだよ。 171 00:10:47,720 --> 00:10:50,690 (みつ)兄ちゃんは 西洋の物 何でも持ってんだなぇ。 172 00:10:50,690 --> 00:10:52,690 そうだよ。 兄ちゃんはな・ 173 00:10:52,690 --> 00:10:55,320 今 大もうけしてるんだよ。 この錦絵で。 174 00:10:55,320 --> 00:10:58,990 そのうち 東京か横浜に 錦絵御殿 ド~ンと おっ建てて・ 175 00:10:58,990 --> 00:11:02,260 みんな 呼んでやっからよ。 楽しみに待っとくんな。 ヘヘヘ。 176 00:11:02,260 --> 00:11:04,930 やっぱり 故郷は いいねぇ。 177 00:11:04,930 --> 00:11:08,770 ・「道は六百八十里…」 178 00:11:08,770 --> 00:11:26,460 ・~(歌声) 179 00:11:40,300 --> 00:11:43,140 わたす 洗うから。 いいから。 180 00:11:43,140 --> 00:11:46,040 わたす こっち やってっから 母ちゃん 向こうで・ 181 00:11:46,040 --> 00:11:48,640 兄ちゃんと話してな。 久しぶりに会ったんだもの。 182 00:11:48,640 --> 00:11:51,550 いいんだ。 母ちゃん ここで 釜洗ってる方がいいんだ。 183 00:11:51,550 --> 00:11:54,750 あっちで おとっつぁんの顔 見てる方が せつねえ。 184 00:11:56,990 --> 00:12:01,760 母ちゃん…。 やっぱり変わってねえな 嘉助は。 185 00:12:01,760 --> 00:12:04,590 相変わらずだ…。 186 00:12:04,590 --> 00:12:10,900 「今度 帰ってくっ時は もっと地道な人間になってっぺ。・ 187 00:12:10,900 --> 00:12:14,600 今度こそは いや 今度こそは」。 188 00:12:14,600 --> 00:12:18,470 おとっつぁんも そう思って 待っていたと思うんだ。 189 00:12:18,470 --> 00:12:23,310 ウフフ… 人間つうのは・ 190 00:12:23,310 --> 00:12:27,520 そだに簡単に 変われるもんでねえんだなぃ。 191 00:12:30,450 --> 00:12:36,960 兄ちゃん いつ みんなのことを 安心させてくれんだべなぁ。 192 00:12:36,960 --> 00:12:40,830 さっき じいさまが 軍夫に行くって言いだしてなぇ。 193 00:12:40,830 --> 00:12:43,630 軍夫? じいさまが!? 194 00:12:43,630 --> 00:12:49,940 何の望みもなくて このまま ただ年とっていくより・ 195 00:12:49,940 --> 00:12:53,480 ここらで 死に花 咲かせたいって。 196 00:12:53,480 --> 00:12:57,650 じいさまが そ… そだことを…。 197 00:12:57,650 --> 00:13:03,920 年寄りが そだこと言う気持ち お前 分がっか? 198 00:13:03,920 --> 00:13:07,790 息子や孫に 後を任せて・ 199 00:13:07,790 --> 00:13:13,930 何の心配もなく 安心していられる 年寄りだら そだこと言わね。 200 00:13:13,930 --> 00:13:20,270 穏やかに年とっていくのを 楽しむんだ。 201 00:13:20,270 --> 00:13:24,140 じいさまが 軍夫に行くっつうのは・ 202 00:13:24,140 --> 00:13:28,610 死に花 咲かせたいっつうのは・ 203 00:13:28,610 --> 00:13:33,820 じいさまが今 満足して生きてねえ ってことなんだよ。 204 00:13:37,620 --> 00:13:43,290 親孝行のつもりで じいさまたちに こっちさ来てもらったげんと・ 205 00:13:43,290 --> 00:13:48,800 年寄り 安心させてやれねえで 親孝行も ねえもんだわ。 206 00:13:52,800 --> 00:13:55,640 じいさまに 軍夫に 行くって言われて・ 207 00:13:55,640 --> 00:13:58,540 一番つらかったのは おとっつぁんだべ。 208 00:13:58,540 --> 00:14:02,440 そこへ また 嘉助が あの調子だ。 209 00:14:02,440 --> 00:14:06,750 ここさ居る方が 気が楽だっつう 母ちゃんの気持ち 分かっぺ? 210 00:14:06,750 --> 00:14:14,090 お前は 嫁さ行かねえで 先生になるっつうし・ 211 00:14:14,090 --> 00:14:18,960 おみつは 明日にでも嫁にくれ っていう騒ぎだし…。 212 00:14:18,960 --> 00:14:25,430 まあまあ いろいろある方が 退屈する暇なくて いいなぇ。 213 00:14:25,430 --> 00:14:27,940 いいから いいから。 214 00:14:27,940 --> 00:14:55,930 ・~