1 00:00:02,210 --> 00:00:16,290 ・~ (テーマ音楽) 2 00:00:16,290 --> 00:01:20,080 ・~ 3 00:01:22,090 --> 00:01:24,790 (りん)源造さん…。 4 00:01:24,790 --> 00:01:29,460 (源造)結婚してから 住む家を 探す手間が省けて よかった。 5 00:01:29,460 --> 00:01:32,960 俺が一緒に住むようになるまで 君が先に行って・ 6 00:01:32,960 --> 00:01:35,000 よく住み慣れておいてくれよな。 7 00:01:35,000 --> 00:01:38,770 わたすの家族と一緒で それで いいの? 8 00:01:38,770 --> 00:01:43,670 いいも何も それが 俺の夢だったんだから。 9 00:01:43,670 --> 00:01:49,380 来年の春 桜の咲く頃 迎えに行く。 10 00:01:51,350 --> 00:01:55,050 来年は いい年にしよう。 な? 11 00:02:05,430 --> 00:02:10,770 <源造の申し出により 新しい家で 新しい年を迎えるべく・ 12 00:02:10,770 --> 00:02:14,640 大みそかの引っ越しとなった 橘一家でしたが・ 13 00:02:14,640 --> 00:02:18,110 どういうわけか 大みそかに 名古屋から上京してきた・ 14 00:02:18,110 --> 00:02:22,980 源造の両親と 連れの娘も 一緒に ついてきたのです> 15 00:02:22,980 --> 00:02:25,780 はいはい どいて どいて どいて! ちょっと どいて! 16 00:02:29,450 --> 00:02:32,960 おりんちゃん これ どこ? それ 台所の物が入ってるから。 17 00:02:32,960 --> 00:02:35,990 台所 じゃあ こっちだな。 (いち)あ ちょっと…。・ 18 00:02:35,990 --> 00:02:38,460 ちょっと聞きたいことがあるんだ。 何? 19 00:02:38,460 --> 00:02:41,970 この家を建てた いきさつをだな まあちょっと詳しく…。 20 00:02:41,970 --> 00:02:45,770 おっかさま そういう話は 後で。 先に荷物を片づけてしまうで な? 21 00:02:49,470 --> 00:02:51,510 (彌七)あっちの部屋に お願いします。 22 00:02:51,510 --> 00:02:55,280 (いち)こんなもん 私… 私は どうしたら ええだか…。 23 00:02:55,280 --> 00:02:57,810 おとっつぁま! おとっつぁま! 24 00:02:57,810 --> 00:03:00,250 (やえ) それは こっちでいいんだから。 25 00:03:00,250 --> 00:03:02,920 わたすが いたしやすから お前さま方は そこに・ 26 00:03:02,920 --> 00:03:04,950 座ってて 黙って座っててくだっしょ。 27 00:03:04,950 --> 00:03:07,790 ばあさま じいさま 荷が着きやしたぞぃ! 28 00:03:07,790 --> 00:03:10,430 「黙って座ってろ」って まあ なんて言い方だろう。 29 00:03:10,430 --> 00:03:13,930 私らを何だと思っとるんだろう。 おとっつぁま! 30 00:03:13,930 --> 00:03:16,270 ちょっと こっちに…。 31 00:03:16,270 --> 00:03:18,940 (源左衛門)あっ! 32 00:03:18,940 --> 00:03:20,870 どうした? どうした? 33 00:03:20,870 --> 00:03:23,610 (やえ)大丈夫かぇ? 34 00:03:23,610 --> 00:03:26,640 (こと)けがは ござりやせんか? 35 00:03:26,640 --> 00:03:31,110 気ぃつけてくだっしょ。 (やえ)こだに散らかして…。 36 00:03:31,110 --> 00:03:33,920 こだ散らかして… あっちさ取って。 37 00:03:38,860 --> 00:03:41,620 何でしょう? 38 00:03:41,620 --> 00:03:44,960 え? 何ですか? 39 00:03:44,960 --> 00:03:47,960 あの… いまちっと大きい声で お願いします。 40 00:03:49,800 --> 00:03:53,670 お手水…? あっ お便所! 41 00:03:53,670 --> 00:03:56,670 えっとね お便所は…。 42 00:03:56,670 --> 00:03:59,680 あ… そう! こっち こっち こっち。 43 00:04:04,250 --> 00:04:07,150 はい お便所は こちらです。 (すみ)おおきに。 44 00:04:07,150 --> 00:04:09,420 え? ああ 大きいのも大丈夫。 え? 45 00:04:09,420 --> 00:04:11,450 ええと… はい。 46 00:04:11,450 --> 00:04:15,260 はい どうぞ どうぞ。 はい ごゆっくり。 47 00:04:17,160 --> 00:04:20,930 ・(やえ)おりん! どこさ いるんだ? おりん! 48 00:04:20,930 --> 00:04:22,970 はい! 49 00:04:22,970 --> 00:04:26,440 どこさ 行ってたの? 早く 釜に湯を沸かさねっか・ 50 00:04:26,440 --> 00:04:28,770 年越しそば 作らんにがら…。 51 00:04:28,770 --> 00:04:31,270 このそば 彌七さんが こねたんだ。 52 00:04:31,270 --> 00:04:35,450 片手で よく こねらえたこと。 んじゃ すぐ 湯 沸かすから。 53 00:04:35,450 --> 00:04:39,780 それにしても この家 薪とか たきつけとか どこにあるんだろ? 54 00:04:39,780 --> 00:04:42,620 はい これで 台所の道具は しまいです。 55 00:04:42,620 --> 00:04:44,650 ねえねえ 源造さん 源造さん この家って・ 56 00:04:44,650 --> 00:04:47,790 薪とか たきつけとか どこさ置いてあるの? 外の物置? 57 00:04:47,790 --> 00:04:50,130 物置にあるけど 薪や たきつけ どうするの? 58 00:04:50,130 --> 00:04:52,460 だから お湯を沸かすの。 おそば ゆでるお湯。 59 00:04:52,460 --> 00:04:54,500 じゃあ ガス 使えば いいじゃないか。 ガス? 60 00:04:54,500 --> 00:04:57,300 ほら ここにあるのが ガスのコンロだよ。 61 00:04:57,300 --> 00:04:59,800 じゃあ もう ガス ひけてるの? うん この辺は 早く・ 62 00:04:59,800 --> 00:05:03,010 ガス管が ひけたんだ。 ほら こうやって…。 63 00:05:05,410 --> 00:05:08,240 ウッタ~。 何だい これ? 64 00:05:08,240 --> 00:05:11,750 ガスだと。 これで 薪とか たきつけとか なくっても・ 65 00:05:11,750 --> 00:05:15,620 煮炊きできるんだよ これで。 何もしねくても 火が燃えんの? 66 00:05:15,620 --> 00:05:18,520 いや まんつ バテレンの魔法だなぇ。 67 00:05:18,520 --> 00:05:21,420 こうやって締めれば 消える。 分かった? 68 00:05:21,420 --> 00:05:23,760 分かった。 いいですか? 69 00:05:23,760 --> 00:05:27,100 いや~ ガスだと。 文明開化だなぇ 母ちゃん。 70 00:05:27,100 --> 00:05:29,130 お前 やってみせ。 え? え? 71 00:05:29,130 --> 00:05:32,770 母ちゃん やってみせ。 台所で 一番偉いのは・ 72 00:05:32,770 --> 00:05:34,800 母ちゃんなんだから 一番お先に どうぞ。 73 00:05:34,800 --> 00:05:39,010 そうかぇ? 悪いなぇ。 ほんじゃ…。 74 00:05:41,780 --> 00:05:46,950 これを こうしてから マッチつけるんだなぇ。 75 00:05:46,950 --> 00:05:48,890 今 やるから 今…。 76 00:05:48,890 --> 00:05:51,290 待て 待て。 77 00:05:51,290 --> 00:05:55,160 いくぞぇ。 78 00:05:55,160 --> 00:05:57,460 (爆発音) キャ~! 79 00:05:57,460 --> 00:06:01,900 母ちゃん…。 (弘次郎)何だ! どうしたんだ? 80 00:06:01,900 --> 00:06:04,730 ガスに 火つけようとしたら…。 81 00:06:04,730 --> 00:06:08,240 いや おっかねえなぇ 文明開化って…。 82 00:06:10,070 --> 00:06:13,410 何だぇ? このにおい。 変なにおい…。 83 00:06:13,410 --> 00:06:15,750 あ…。 84 00:06:15,750 --> 00:06:18,580 え…? 俺じゃない! 85 00:06:18,580 --> 00:06:21,620 わたす 何もしねえもの わたすも…。 86 00:06:21,620 --> 00:06:25,450 いいから いいから。 わたすが したってことに しておくから…。 87 00:06:25,450 --> 00:06:28,090 何を言うか! 本当に俺でねえ! 88 00:06:28,090 --> 00:06:30,930 何やってんですか? 向こうまで ガスのにおいが…。 89 00:06:30,930 --> 00:06:33,430 あっ ほら 栓が半分しか しまってない。 90 00:06:33,430 --> 00:06:35,930 危ないな もう 気をつけてくださいよ。 91 00:06:35,930 --> 00:06:37,870 生のガスは 毒なんですから。 92 00:06:37,870 --> 00:06:41,600 死ぬの? んだから 文明開化は好かんのだ。 93 00:06:41,600 --> 00:06:44,610 何だ 俺のせいにして… ばかもん! 94 00:06:47,410 --> 00:06:50,780 何 騒いどんの? 何でもないって。 95 00:06:50,780 --> 00:06:53,620 何でもないって どえらい声出して どうなっとるんだ? 96 00:06:53,620 --> 00:06:56,120 何か用か? あ そうそう 源造・ 97 00:06:56,120 --> 00:06:58,790 電気灯が 明るすぎて もったいないで・ 98 00:06:58,790 --> 00:07:01,060 ちょこっと 芯を切ってもらえんかな。 99 00:07:01,060 --> 00:07:02,990 ちょこっと切ると ええあんばいになるで。 100 00:07:02,990 --> 00:07:06,230 おみゃあさまも そう思いますなも? 101 00:07:06,230 --> 00:07:10,070 電気灯は ランプでにゃあんだから 芯を切ったりすることできせんの。 102 00:07:10,070 --> 00:07:12,100 明るいから ええんでないか。 103 00:07:12,100 --> 00:07:16,240 あれが文明開化の明るさなんだわ。 今までが暗すぎたんだわ。 104 00:07:16,240 --> 00:07:18,910 ほんでも あんなに カンカンに とぼいとっちゃ もったいないで。 105 00:07:18,910 --> 00:07:21,740 かかりが えらいこったろう。 その銭は 誰が払うだね? 106 00:07:21,740 --> 00:07:23,680 今は そんなこと 心配せんでもええの。 107 00:07:23,680 --> 00:07:26,580 何 語ってんだか…。 何か わたすに・ 108 00:07:26,580 --> 00:07:31,250 お尋ねのようだげんと… わたすは 東京弁なら分かるんだげんと・ 109 00:07:31,250 --> 00:07:36,090 他の田舎の言葉は 分かんねくて ごめんなぇ。 110 00:07:36,090 --> 00:07:40,930 田舎と言やぁしたなも。 名古屋は 田舎ではございませんですよ。 111 00:07:40,930 --> 00:07:43,270 御三家 尾州 徳川六十二万石の・ 112 00:07:43,270 --> 00:07:45,940 お膝許でござぁますよ。 金のシャチホコでござぁますよ。 113 00:07:45,940 --> 00:07:47,970 田舎呼ばわりは せんといて ちょうだいあそばせ。 114 00:07:47,970 --> 00:07:51,270 田舎は どちらかの お方じゃ ございませんでしょうかなも。 115 00:07:51,270 --> 00:07:55,440 何 言ってんの…? あ… 通訳します。 116 00:07:55,440 --> 00:07:58,280 うちの母も 電気灯は 初めてなもんで・ 117 00:07:58,280 --> 00:08:00,880 「明るすぎるから 芯を切ってくれ」 なんて 変なこと言ってるんです。 118 00:08:00,880 --> 00:08:03,220 それと あの… 「名古屋は田舎じゃない」と。 119 00:08:03,220 --> 00:08:05,150 それだけのことなんです。 気にしないでください。 120 00:08:05,150 --> 00:08:08,720 うちの母も そんな 悪気で 田舎つったんでないんですから・ 121 00:08:08,720 --> 00:08:10,660 どうぞ あんまり お気になさらないで。 122 00:08:10,660 --> 00:08:14,600 (源左衛門)おいち! おいち! あ… おいち ここにおったのか。 123 00:08:14,600 --> 00:08:16,900 すみも一緒か? (いち)いいや。 124 00:08:16,900 --> 00:08:18,830 すみちゃんが どうぞしたきゃ? 125 00:08:18,830 --> 00:08:21,400 いや 姿が見えん。 どうして? 126 00:08:21,400 --> 00:08:23,910 どうしてだか いつの間にか 見えんように なってまった。 127 00:08:23,910 --> 00:08:26,410 そんな すみちゃんが 消えて まったら えらいことだがね。・ 128 00:08:26,410 --> 00:08:29,310 すみちゃん! すみちゃん! あの子 すみちゃんっていうのか? 129 00:08:29,310 --> 00:08:33,920 何を言っとる。 あれは 源兵衛のところの すみだわ。 130 00:08:33,920 --> 00:08:35,950 源兵衛叔父さんとこの すみちゃん? 131 00:08:35,950 --> 00:08:39,420 そうだぞ。 3番目の娘の すみだわ。 132 00:08:39,420 --> 00:08:42,260 俺が知ってる時の すみちゃんは こんな ちっちゃい…。 133 00:08:42,260 --> 00:08:46,130 あれが あの すみちゃんか。 女は変わるもんだなぁ。 134 00:08:46,130 --> 00:08:49,600 本当に すみちゃん おらせんがな。 どこに行っただろうなも? 135 00:08:49,600 --> 00:08:51,530 どうしよう? 2階は? 136 00:08:51,530 --> 00:08:53,770 あ 2階かもしれんな。 137 00:08:53,770 --> 00:08:56,110 何 言ってんだか 分かんね。 138 00:08:56,110 --> 00:08:59,610 あのお嬢さんは 源造さんの妹さんでねえんだって。 139 00:08:59,610 --> 00:09:03,880 どっか親せきの娘さんなんだって。 ああ そうかい…。 140 00:09:03,880 --> 00:09:06,780 母ちゃん そば のばして切っから お前・ 141 00:09:06,780 --> 00:09:09,750 早く 釜いっぱい 湯を沸かしてくだっしょ。 142 00:09:09,750 --> 00:09:12,560 早く 食べねっか 年越しそば 食べねっか・ 143 00:09:12,560 --> 00:09:14,890 年が明けちまうわ。 144 00:09:14,890 --> 00:09:20,200 ・(いち)すみちゃ~ん! あっ そうだ あそこだわ! 145 00:09:25,600 --> 00:09:29,110 おすみさん? おすみさん? 146 00:09:31,910 --> 00:09:35,580 開けますよ。 147 00:09:35,580 --> 00:09:37,610 あら いねえわ…。 148 00:09:37,610 --> 00:09:40,250 ほんとに どこさ行っちまったんだべ? 149 00:09:40,250 --> 00:09:42,250 おすみさ~ん! 150 00:09:43,920 --> 00:09:46,590 2階には いない? いないんだ。 どこ行ったんだろう。 151 00:09:46,590 --> 00:09:49,090 あの部屋は? さっき おふくろが見たけど・ 152 00:09:49,090 --> 00:09:52,290 いなかったって。 まさか 表 行ったんじゃ…。 153 00:10:07,780 --> 00:10:13,980 (除夜の鐘) 154 00:10:26,800 --> 00:10:29,800 今年も終わるわ…。 155 00:10:34,140 --> 00:10:36,470 ハッ! 156 00:10:36,470 --> 00:10:39,810 おすみさん? おすみさん! 157 00:10:39,810 --> 00:10:41,740 もう どこ行ってたの!? 158 00:10:41,740 --> 00:10:44,980 はぁ 家の周りを 見せてもらいました。 159 00:10:44,980 --> 00:10:47,480 こういう家は 初めてだもんで。 160 00:10:47,480 --> 00:10:52,320 ちょっと もう 心配したのよ! おすみさんの姿が見えなくて。 161 00:10:52,320 --> 00:10:55,660 そうですか。 それは どうもすみませんでした。 162 00:10:55,660 --> 00:11:01,260 とにかく 行きましょう。 みんな 安心すっから…。 163 00:11:01,260 --> 00:11:05,100 キャッ! 誰? 164 00:11:05,100 --> 00:11:07,940 (嘉助)俺だよ。 驚かすなよ おい! 165 00:11:07,940 --> 00:11:09,970 兄ちゃん! 166 00:11:09,970 --> 00:11:13,740 何を こんな暗い所で 2人で ゴソゴソやってんだ? え? 167 00:11:13,740 --> 00:11:15,810 何か悪いことでも したんだろ? 168 00:11:15,810 --> 00:11:20,120 おまわりさんに 言いつけちゃうよっと。 169 00:11:20,120 --> 00:11:23,620 お~ いい部屋じゃねえか! 170 00:11:23,620 --> 00:11:26,660 ああ これは 寺の離れより ずっといいや。 171 00:11:26,660 --> 00:11:29,960 大みそかでも何でも 引っ越してきたくなっちまうなぁ。 172 00:11:29,960 --> 00:11:34,300 兄ちゃん 来てくれたの? 当たり前さ。 173 00:11:34,300 --> 00:11:38,170 俺はな こう見えても いつだって 家のこと心配してるんだよ。 174 00:11:38,170 --> 00:11:40,470 正月ぐらい みんなと一緒に しようと思ってよ・ 175 00:11:40,470 --> 00:11:42,810 万障繰り合わせて 寺へ駆けつけたら・ 176 00:11:42,810 --> 00:11:45,710 もう みんな 引っ越したって 言うだろ? 俺は…。 177 00:11:45,710 --> 00:11:51,210 こちらさまは? まあまあ おきれいな方で。 178 00:11:55,380 --> 00:12:12,800 (除夜の鐘) 179 00:12:12,800 --> 00:12:16,110 あっぱとっぱしながら 作りやしたから・ 180 00:12:16,110 --> 00:12:18,940 どだな味でやすか…。 いや~ うまいですよ。 181 00:12:18,940 --> 00:12:21,640 うまいですよね? おとっつぁま おっかさま。 182 00:12:24,450 --> 00:12:27,350 片手で こねたんで どうかと思ったんだが・ 183 00:12:27,350 --> 00:12:29,790 これだったら まあまあだ。 184 00:12:29,790 --> 00:12:33,090 うまいよ おんつぁん。 すきっ腹に しみ通るよ。 185 00:12:35,290 --> 00:12:40,160 すみませんが あの お湯をくださいませんかなも。 186 00:12:40,160 --> 00:12:42,160 少し辛かったですか? 187 00:12:42,160 --> 00:12:44,970 名古屋のほうは 薄味なんですよ 何でも。 188 00:12:44,970 --> 00:12:46,900 (やえ)これは どうもどうも。・ 189 00:12:46,900 --> 00:12:50,310 いやいや お口に合わずに 申し訳ござりやせん。 190 00:12:50,310 --> 00:12:54,140 (こと)私らのほうは こういう味に 慣れておりやすので…。 191 00:12:54,140 --> 00:12:58,450 いや うまいですよ。 おっかさん そんな 少しぐらい辛くたって…。 192 00:13:02,590 --> 00:13:07,420 そだに 辛かったでやすか…。 まあ こんな時でございますで・ 193 00:13:07,420 --> 00:13:11,760 何でも結構です。 こちらで 口を合わせますで…。 194 00:13:11,760 --> 00:13:15,970 申し訳ござりやせん。 おっかさま…。 195 00:13:18,100 --> 00:13:21,940 (徳右衛門)しかし 何はともあれ 新しい家に落ち着いて・ 196 00:13:21,940 --> 00:13:24,440 皆で こうして 年越しのそばが食べられるのは・ 197 00:13:24,440 --> 00:13:26,940 ありがたいことで ござりやすなあ。 198 00:13:26,940 --> 00:13:29,980 まことに。 199 00:13:29,980 --> 00:13:34,280 あっ… 鐘が鳴りやんでる。 200 00:13:36,290 --> 00:13:40,960 本当だ。 年が明けたんだ。 201 00:13:40,960 --> 00:13:43,460 新しい年が来たんだ。 202 00:13:43,460 --> 00:13:45,960 今年は いい年にするぞ! 203 00:13:45,960 --> 00:13:50,470 (いち)そうだよ。 今年こそ お前も ええ年にしてくれな。・ 204 00:13:50,470 --> 00:13:53,970 私ら わざわざ 名古屋から出てきたんだで。 205 00:13:53,970 --> 00:13:56,470 おいちの言うとおり わしらが こうして・ 206 00:13:56,470 --> 00:14:00,340 大みそかに出てきたのも おみゃあと共に正月を迎えて・ 207 00:14:00,340 --> 00:14:03,910 今年一年のことを しっかりと話し合おうと思ってな。 208 00:14:03,910 --> 00:14:06,250 「一年の計は 元旦にあり」。 209 00:14:06,250 --> 00:14:10,750 今年こそは おみゃあにも 身を固めてもらうぞ。 210 00:14:10,750 --> 00:14:13,260 ちょうど 今 新しい年が来たところで・ 211 00:14:13,260 --> 00:14:15,590 お前も 心を固めてもらわにゃ。 212 00:14:15,590 --> 00:14:19,760 嫁さんの方も まあ ちゃんと あてが つけてあるでよ。 213 00:14:19,760 --> 00:14:23,270 ちょ… ちょっと待ってくださいよ そんな そっちの勝手に…。 214 00:14:23,270 --> 00:14:25,600 まあ すみちゃん そこにおったの? 215 00:14:25,600 --> 00:14:28,100 おとっつぁま ちょっと 場所 かわると よかったがな。 216 00:14:28,100 --> 00:14:31,140 そうじゃな。 すみちゃん そっち行きやっせ。 217 00:14:31,140 --> 00:14:41,950 ・~ 218 00:14:41,950 --> 00:14:46,460 <新しい年は りんに 源造に 橘家に・ 219 00:14:46,460 --> 00:14:52,160 ある穏やかならざる予感を はらんで 幕を開けたのでした>