1 00:00:02,210 --> 00:00:20,660 ・~ (テーマ音楽) 2 00:00:20,660 --> 00:00:58,660 ・~ 3 00:01:05,130 --> 00:01:11,610 (柱時計の振り子の音) 4 00:01:11,610 --> 00:01:17,280 <新婚 第1日目の夕方 突然 やってきた源造の母親が・ 5 00:01:17,280 --> 00:01:20,480 同じ屋根の下に 泊まっているのです> 6 00:01:25,790 --> 00:01:29,630 (りん)ねえ…。 ねえ あの…。 7 00:01:29,630 --> 00:01:34,130 ねえ。 (源造)ああ… おいで。 8 00:01:34,130 --> 00:01:37,630 違う違う。 そうじゃないの! 9 00:01:37,630 --> 00:01:41,500 あの… あのね。 何ですか? 10 00:01:41,500 --> 00:01:46,310 名古屋のお母さんは 何時ごろ 起きられるのかしら? 11 00:01:46,310 --> 00:01:50,180 ん? おつけの実って 何がお好き? 12 00:01:50,180 --> 00:01:53,180 う~ん…。 13 00:02:00,760 --> 00:02:03,260 おはようございます! (やえ)おはよう。 14 00:02:03,260 --> 00:02:05,600 早いこと 今朝は。 したって 今朝は・ 15 00:02:05,600 --> 00:02:08,630 寝坊してらんねえもの。 あちらの お母さまが起きられる前に・ 16 00:02:08,630 --> 00:02:12,270 ちゃんと用意しておかねっか。 ほら 顔洗いの道具も・ 17 00:02:12,270 --> 00:02:14,300 ここに ちゃんと そろえてあるんだよ。 何だ? 18 00:02:14,300 --> 00:02:17,110 気のきくお嫁さんだべ 私。 何だ? この臭い。 19 00:02:17,110 --> 00:02:20,010 焦げてる? 何か…。 あっ ごはんの火! 20 00:02:20,010 --> 00:02:24,450 あっ ごはんの火 引くの 忘れった! ウッタ~。 21 00:02:24,450 --> 00:02:28,120 ほれ 早く引いて! いいかい? 22 00:02:28,120 --> 00:02:30,620 あ~あ…。 焦げた!? 23 00:02:30,620 --> 00:02:33,290 やんだ もう…。 「やんだ」でねえの。 24 00:02:33,290 --> 00:02:36,990 ほれ そこの炭 取って 炭! 炭だよ ほれ。 はい。 25 00:02:40,160 --> 00:02:43,470 こうすれば 少しは 焦げたのが 消えるべ。 26 00:02:43,470 --> 00:02:46,800 なじょしっぺぇ。 もう このごはん 名古屋の おっかさまに・ 27 00:02:46,800 --> 00:02:49,710 あげられっぺか…。 まあ 焦げたの 別にすれば・ 28 00:02:49,710 --> 00:02:52,980 いいとこだけ取れば おっかさまや 源造さんの分は あるべ。 29 00:02:52,980 --> 00:02:56,480 何 お前 朝っぱらから 何 ボッとしてんだぇ? 30 00:02:56,480 --> 00:02:59,520 ゆうべ あんまし 眠ってねがったもんだから…。 31 00:02:59,520 --> 00:03:03,290 そだこと… そだこと 大きな声で言うんでねえ。 32 00:03:03,290 --> 00:03:06,490 何だべ まあ はしたねえこと。 33 00:03:11,960 --> 00:03:14,960 (弘次郎) なんだ 焦げ飯ばかりでないか。 34 00:03:14,960 --> 00:03:19,100 静かに! いいのは 向こうに回しやしたから。 35 00:03:19,100 --> 00:03:23,270 申し訳ござりやせん。 今日だけ ちっと我慢してくだっしょ。 36 00:03:23,270 --> 00:03:26,610 (こと)今は おりんが 大事ですからね。 37 00:03:26,610 --> 00:03:30,450 私らは しっかりと かんで いただきやすから。 38 00:03:30,450 --> 00:03:34,280 (徳右衛門)さよう。 たまには こういう焦げ飯の方が・ 39 00:03:34,280 --> 00:03:39,160 あごの鍛錬になって よろしい。 これも 味わえば…。 40 00:03:39,160 --> 00:03:41,660 なかなかに美味である。 41 00:03:55,570 --> 00:03:58,510 (いち)おりんさん。 はい。 42 00:03:58,510 --> 00:04:02,250 (いち)この ごはんは…。 …はい。 43 00:04:02,250 --> 00:04:06,420 おみゃあさんが 炊きゃあしたのかなも? 44 00:04:06,420 --> 00:04:10,920 はい。 うまい。 うまく炊けてるよ。 うん。 45 00:04:13,190 --> 00:04:17,760 みそ汁も うまい。 ね? おっかさま。 46 00:04:17,760 --> 00:04:20,800 あの 何か お気に入らないことが あったら・ 47 00:04:20,800 --> 00:04:22,930 ほんと おっしゃってください。 48 00:04:22,930 --> 00:04:25,270 それより どうして 朝ごはん 別々にしたの? 49 00:04:25,270 --> 00:04:28,770 みんなと一緒で よかったのに。 ううん いいの このままで。 50 00:04:28,770 --> 00:04:31,610 せめて そこの ふすまだけでも 開けよう。 こっち3人だけじゃ。 51 00:04:31,610 --> 00:04:33,940 みんなと一緒の方が 話ができて いい。 52 00:04:33,940 --> 00:04:36,450 やめて! これで いいの! どうして? 53 00:04:36,450 --> 00:04:39,350 閉めときゃあせ。 そこ開けたら・ 54 00:04:39,350 --> 00:04:43,120 あちらさんが お焦げを食べとるの みんな 見えてまうでない。 55 00:04:43,120 --> 00:04:47,460 ウッタ~。 お母さん 分かってらしたんですか? 56 00:04:47,460 --> 00:04:49,960 分からんと 思っとったのかね? 57 00:04:52,130 --> 00:04:54,160 すみません! 58 00:04:54,160 --> 00:04:58,000 そっか… 開けたら それが見えるわけか。 59 00:04:58,000 --> 00:05:01,740 え… じゃあ 源造さんも 分かってたの? 60 00:05:01,740 --> 00:05:06,240 ちょっと 焦げ臭かったからな。 でも これぐらい 何ともないよ。 61 00:05:06,240 --> 00:05:09,150 ごめんなさい。 うっかりしてて。 62 00:05:09,150 --> 00:05:11,910 たかが ごはん炊きぐらいと 油断しとると・ 63 00:05:11,910 --> 00:05:13,850 こういうことに なりますよ。 64 00:05:13,850 --> 00:05:18,250 すみません。 これから 気をつけます。 65 00:05:18,250 --> 00:05:20,760 それから…。 66 00:05:20,760 --> 00:05:24,590 「源造さん」は ちょっと いかんなも。 67 00:05:24,590 --> 00:05:27,500 あ…。 これでも あなたの主人・ 68 00:05:27,500 --> 00:05:30,930 旦那さまなんだで それ相応の 呼び方を してくれんことにゃ。 69 00:05:30,930 --> 00:05:33,270 いいじゃないですか 朝から そんなこと。 70 00:05:33,270 --> 00:05:35,200 だんだんに ですよ。 そういうことは。 71 00:05:35,200 --> 00:05:38,110 何事も 初めが肝心。 「だんだん」っつってると・ 72 00:05:38,110 --> 00:05:41,140 ズルズルになってまうんだで。 申し訳ありません。 73 00:05:41,140 --> 00:05:43,610 これから気をつけて ちゃんと呼ぶようにしますから。 74 00:05:43,610 --> 00:05:46,280 そうしてちょうだいな。 はい。 75 00:05:46,280 --> 00:05:49,320 おりんさん。 まだ あるのかね? 76 00:05:49,320 --> 00:05:51,520 この おみそ汁…。 77 00:05:57,290 --> 00:06:00,100 ええ お味ですよ。 78 00:06:01,900 --> 00:06:06,070 はぁ… はぁ…。 79 00:06:06,070 --> 00:06:09,740 ああ いがったぁ! ありがとうございます。 80 00:06:09,740 --> 00:06:14,580 ただ このおわんに こんなに ぎょうさん つけては・ 81 00:06:14,580 --> 00:06:17,250 ちょっと 年寄りには 多すぎますなも。 82 00:06:17,250 --> 00:06:20,280 食べきれんで 残すようなこと あっては もったいない。 83 00:06:20,280 --> 00:06:24,420 そうすると 物もお金も 無駄になるし…。 おっかさま! 84 00:06:24,420 --> 00:06:27,760 細かいこと言うようだけど そういうことも 気ぃつけて。・ 85 00:06:27,760 --> 00:06:32,600 ちゃんと始末して 暮らして いかんと お金は残りません。・ 86 00:06:32,600 --> 00:06:35,500 旦那さまが 一生懸命 働いた お金を・ 87 00:06:35,500 --> 00:06:38,100 大事に 無駄をせんようにしていくのが・ 88 00:06:38,100 --> 00:06:41,600 女房の役目なんだで。 はい。 89 00:06:41,600 --> 00:06:45,940 それから この 菜っ葉の漬けたのだけどなも・ 90 00:06:45,940 --> 00:06:48,280 こうも ギュ~ッと しぼってまうと・ 91 00:06:48,280 --> 00:06:51,180 水けと一緒に 塩気も のうなってまうで・ 92 00:06:51,180 --> 00:06:53,450 また おしょう油 かけんならんわなも。 93 00:06:53,450 --> 00:06:57,790 もったいないことだわなも。 はい。 94 00:06:57,790 --> 00:07:01,390 どんな小さな無駄でも 積もり積もれば・ 95 00:07:01,390 --> 00:07:04,430 3年たって 富士の山。 96 00:07:04,430 --> 00:07:07,900 分かりました。 これから 気をつけて・ 97 00:07:07,900 --> 00:07:10,200 無駄をしないようにします。 98 00:07:17,910 --> 00:07:20,410 ・(いち)源造。 ・はい。 99 00:07:20,410 --> 00:07:23,750 ・(いち)今日は おみゃあは? ・今日は 店の方に出ます。・ 100 00:07:23,750 --> 00:07:26,080 今は 仕事が 立て込んでいる時なので。 101 00:07:26,080 --> 00:07:29,950 ・(いち)じゃあ お昼は店の方で? ・ええ。 あっちで食べます。 102 00:07:29,950 --> 00:07:32,260 ・あ~っ! ・どうした? 103 00:07:32,260 --> 00:07:35,160 お弁当作るの 忘れた! お焦げの騒ぎで…。 104 00:07:35,160 --> 00:07:38,430 いやいや なじょすっぺ。 うわ~ ごめんなさい! 105 00:07:38,430 --> 00:07:40,430 すみません! 106 00:07:43,770 --> 00:07:47,600 全く 親のしつけが 行き届かず 申し訳ありません。 107 00:07:47,600 --> 00:07:51,270 じゃ 行ってまいります。 行ってらっしゃい! 108 00:07:51,270 --> 00:07:54,110 ちょっと それは ぞんざいでないかね? 109 00:07:54,110 --> 00:07:57,980 あ… 行ってらっしゃいませ。 (やえ)行ってらっしゃいませ。 110 00:07:57,980 --> 00:08:00,220 お早う お帰りやす。 111 00:08:00,220 --> 00:08:03,020 あ… どうぞ。 どうぞ。 いや どうぞ。 112 00:08:09,560 --> 00:08:12,460 おりんさん。 はいっ! 113 00:08:12,460 --> 00:08:17,430 源造の弁当は 後で作って 届けてくださいませんかね? 114 00:08:17,430 --> 00:08:21,270 初めての日に そば屋では ちょっとなも…。 はい! 115 00:08:21,270 --> 00:08:23,740 ああ それがいい。 それが ようござりやす。 116 00:08:23,740 --> 00:08:27,410 それなら ゆっくりと おいしい弁当が作れっから。 117 00:08:27,410 --> 00:08:30,310 そうします。 すぐに作って届けます。 118 00:08:30,310 --> 00:08:33,220 行く時は 私も 一緒に 行きますでなも。 119 00:08:33,220 --> 00:08:36,090 源造の店も 一遍 見てみたいし。 120 00:08:36,090 --> 00:08:39,790 ちょうどいい! 一緒に行こみゃあかなも。 121 00:08:42,430 --> 00:08:46,260 (客)よろしく頼みます。 こちらこそ。 122 00:08:46,260 --> 00:08:50,130 (いち)狭い割には 一応 そろっとるわなも。 123 00:08:50,130 --> 00:08:54,440 でも 奥行きの割に 間口が広いと・ 124 00:08:54,440 --> 00:08:57,270 余計 税金 取られて 損でにゃあかなも。 125 00:08:57,270 --> 00:08:59,210 (彌七)源造。 126 00:08:59,210 --> 00:09:02,880 税金なんか 気にしてるようでは 大きな仕事は できゃせんの! 127 00:09:02,880 --> 00:09:05,550 我々には こっちの方が いいんですよ。 128 00:09:05,550 --> 00:09:09,420 おりんは? 奥の台所 掃除してりゃあすわ。 129 00:09:09,420 --> 00:09:13,420 ええのに そんなこと。 私も いいって言ったんだが。 130 00:09:13,420 --> 00:09:16,060 いいえ。 まあ 結婚したんだで・ 131 00:09:16,060 --> 00:09:19,400 ごっさまとして この店のことも 気を配らにゃな。 132 00:09:19,400 --> 00:09:22,730 汚れた台所を そのままにしとる ようでは だちかんよ。 133 00:09:22,730 --> 00:09:27,070 (彌七)まあ おっかさまの 言われることも もっともだな。 134 00:09:27,070 --> 00:09:30,870 おりん! おりん! あ… はい! 135 00:09:33,840 --> 00:09:36,250 何? 何か ご用? 136 00:09:36,250 --> 00:09:38,580 今日は 台所の掃除なんか いいから お茶いれてくれよ。 137 00:09:38,580 --> 00:09:41,920 ここで みんなで一緒に飲もう。 そう? それじゃあ…。 138 00:09:41,920 --> 00:09:43,950 私が お茶いれます。 139 00:09:43,950 --> 00:09:47,090 あんたは やりかけのこと やってちょうだい。 140 00:09:47,090 --> 00:09:49,020 はい。 141 00:09:49,020 --> 00:09:51,430 おっかさま ええでないですか 今日ぐらい。 142 00:09:51,430 --> 00:09:53,760 いいえ 初めが肝心。 143 00:09:53,760 --> 00:09:57,470 お茶の道具は どこだぁも? あ ここか。 144 00:10:00,270 --> 00:10:02,200 ・(物が落ちる音) ウッタ~! 145 00:10:02,200 --> 00:10:06,780 おりん! どうしたんだ!? 大丈夫か? おりん! 146 00:10:06,780 --> 00:10:08,980 気をつけて! 147 00:10:15,480 --> 00:10:17,490 どうも すいません。 148 00:10:19,790 --> 00:10:23,960 やえさん 源造さんの着るものは・ 149 00:10:23,960 --> 00:10:28,300 みんな おりんに 任せやしょうかなぇ。 150 00:10:28,300 --> 00:10:31,970 おっかさま。 え? 151 00:10:31,970 --> 00:10:34,800 ありがとうござりやした。 152 00:10:34,800 --> 00:10:38,970 どうしたんですか? 急に改まって。 153 00:10:38,970 --> 00:10:43,650 私みてえな いたらねえ嫁を しかりもせずに…。 154 00:10:43,650 --> 00:10:47,520 おっかさま 随分 我慢なさいやしたべ? 155 00:10:47,520 --> 00:10:51,990 何ですか 急に そんなことを言い出して…。 156 00:10:51,990 --> 00:10:54,320 ほかの姑 知らねえもんだから・ 157 00:10:54,320 --> 00:10:58,830 ほんでも ハァ 窮屈だ なんだかんだ 思ったりして・ 158 00:10:58,830 --> 00:11:02,430 よく 罰が当たらねがったこと…。 159 00:11:02,430 --> 00:11:06,100 申し訳ござりやせんでした。 160 00:11:06,100 --> 00:11:08,600 やえさん…。 161 00:11:10,610 --> 00:11:16,950 おっかさまで… おっかさまで えがった…。 162 00:11:16,950 --> 00:11:22,820 私 ほかの姑だったら もう とっても 務まらねがった。 163 00:11:22,820 --> 00:11:31,290 やえさん そんなに心配しなくても おりんは 大丈夫ですよ。 164 00:11:31,290 --> 00:11:38,630 今に 姑さまにも気に入られる いい嫁さまに なりやすよ。 165 00:11:38,630 --> 00:11:42,940 おりんの おっかさまのように。 なぇ? 166 00:11:44,970 --> 00:11:47,780 おっかさま…。 167 00:11:49,650 --> 00:11:51,580 (くしゃみ) 168 00:11:51,580 --> 00:11:56,320 (笑い声) 169 00:11:56,320 --> 00:11:59,820 割と よくある造りの 平屋ですからね・ 170 00:11:59,820 --> 00:12:01,790 ここの一棟だけ 西洋間にしないかって・ 171 00:12:01,790 --> 00:12:04,790 建て主には 言ってるんです。 中の造りだけじゃなくて・ 172 00:12:04,790 --> 00:12:07,630 外も レンガにして 屋根は 西洋瓦。 173 00:12:07,630 --> 00:12:10,270 木に竹を継いだように ならないかって・ 174 00:12:10,270 --> 00:12:14,100 向こうじゃ 心配してるんですが。 そうだなも…。 175 00:12:14,100 --> 00:12:17,010 おみゃあさまは どう思いやすなも? 176 00:12:17,010 --> 00:12:19,010 まあ…。 177 00:12:21,840 --> 00:12:26,680 おりん。 おりん! 178 00:12:26,680 --> 00:12:31,190 あ はい! はい ただいま! お茶… はい。 179 00:12:35,790 --> 00:12:37,830 ・(物が落ちる音) 180 00:12:37,830 --> 00:12:41,460 ・ウッタ~! あ~あ…。・ 181 00:12:41,460 --> 00:12:43,670 また やっちまった…。 182 00:12:46,970 --> 00:12:49,270 おりん! 183 00:12:52,640 --> 00:12:55,310 どうも すいません。 184 00:12:55,310 --> 00:12:58,650 自分の主人が どんな仕事をしとるのか・ 185 00:12:58,650 --> 00:13:02,250 せっかく 話いてくれとる時ぐらい ちゃんと聞いとらな。 186 00:13:02,250 --> 00:13:07,960 どんなに眠とうても 辛抱せにゃ! 本当に申し訳ございません。 187 00:13:11,260 --> 00:13:14,300 あれ おみゃあさま 今 お帰りで? 188 00:13:14,300 --> 00:13:17,430 (源左衛門)おいち… おみゃあ 出かけとったのか。 189 00:13:17,430 --> 00:13:20,100 ええ。 私は 吉原では にゃあですけどなも。 190 00:13:20,100 --> 00:13:22,140 え!? ああ…。 191 00:13:22,140 --> 00:13:26,440 いや わしは 吉原には行ったがな ただの見物だで…。 192 00:13:26,440 --> 00:13:30,280 近所に聞こえるで ちょっと 中 入って! 193 00:13:30,280 --> 00:13:32,210 (弘次郎)ただいま。 194 00:13:32,210 --> 00:13:34,780 父ちゃん。 いがった 父ちゃん ちょっと…。 195 00:13:34,780 --> 00:13:36,720 名古屋のお父さんと お母さんが…。 196 00:13:36,720 --> 00:13:41,290 (源左衛門)だで ただ 仲之町を 通り抜けただけだと…。 197 00:13:41,290 --> 00:13:45,130 何を言ってりゃあすの! 息子の婚礼に来た父親が…。 198 00:13:45,130 --> 00:13:48,460 私 恥ずかしくて こちらさんに 顔向けもできせんがね。 199 00:13:48,460 --> 00:13:51,370 いや そういうことは こっちは一向に…。 200 00:13:51,370 --> 00:13:54,640 それは 男として当然の…。 (やえ)え? 201 00:13:54,640 --> 00:13:56,570 いや… 私は知らぬが…。 202 00:13:56,570 --> 00:14:01,410 あの… その吉原の 一番 吉原らしいところというのは・ 203 00:14:01,410 --> 00:14:04,250 どういうとこで? (源左衛門)そりゃあ あなた・ 204 00:14:04,250 --> 00:14:07,750 太夫の格から 本部屋の造りから・ 205 00:14:07,750 --> 00:14:12,420 ヒキツケなんぞも そりゃ いい形で…。 ほほう! 206 00:14:12,420 --> 00:14:15,760 太夫が ひきつけるんですか? ひっくり返って? 207 00:14:15,760 --> 00:14:18,790 何を言ってるんだ。 何も知らねえな お前は。 208 00:14:18,790 --> 00:14:22,100 「ヒキツケ」いうのは 「相手の気を引き付ける」。 209 00:14:22,100 --> 00:14:25,000 つまり 相方を選ぶ部屋に・ 210 00:14:25,000 --> 00:14:29,200 何人かの女が ス~ッと こう 出てきて…。 211 00:14:32,810 --> 00:14:35,610 (せきばらい) 212 00:14:35,610 --> 00:14:39,480 おみゃあさま。 ちょっと あっちで 話がありますで・ 213 00:14:39,480 --> 00:14:43,290 ちょっと こっちへ 来てちょうだいあそばせ。 214 00:14:43,290 --> 00:14:46,620 ごめんあそばせ。 215 00:14:46,620 --> 00:14:49,960 [ 心の声 ] 止めた方が いいべか? ほっといた方が いいべか?・ 216 00:14:49,960 --> 00:14:52,760 嫁の私は どうすればいいの!?