1 00:00:02,210 --> 00:00:20,660 ・~ (テーマ音楽) 2 00:00:20,660 --> 00:01:00,000 ・~ 3 00:01:00,000 --> 00:01:06,800 (金魚売り)金魚~! 金魚~! 4 00:01:06,800 --> 00:01:11,110 <暑いさなか 埼玉の深谷にある瓦工場まで・ 5 00:01:11,110 --> 00:01:13,440 客を案内していった源造は・ 6 00:01:13,440 --> 00:01:18,620 翌日 家に帰ってきたとたん 倒れたのです> 7 00:01:18,620 --> 00:01:21,450 (りん)源造さん 苦しいの? 8 00:01:21,450 --> 00:01:25,620 もうすぐ お医者さま 来るから しっかりしてね。 9 00:01:25,620 --> 00:01:29,830 (源造)心配するな…。 大丈夫だ…。 10 00:01:34,330 --> 00:01:37,630 こんなに 脈が速くなって…。 11 00:01:37,630 --> 00:01:39,570 源造さん しっかりしてね。 12 00:01:39,570 --> 00:01:41,800 負けちゃ駄目よ 源造さん! 13 00:01:41,800 --> 00:01:44,310 (こと)これこれ 静かにしなされ。 14 00:01:44,310 --> 00:01:46,810 騒いでは かえって 熱が上がりやすぞぃ。 15 00:01:46,810 --> 00:01:49,850 (徳右衛門)落ち着け おりん。 はたの者が うろたえては いかん。 16 00:01:49,850 --> 00:01:52,320 だって こんなに脈が速いのよ! 17 00:01:52,320 --> 00:01:55,220 こんなに苦しそうなのよ! 今な 母さまが・ 18 00:01:55,220 --> 00:01:57,990 お医者さま 呼びに行っていますから。 19 00:01:57,990 --> 00:02:03,260 それよりも この冷やっこい水で 頭を冷やしてあげなさい。 20 00:02:03,260 --> 00:02:06,930 すみません。 ばあさまに 何度も水くみさせてしまって…。 21 00:02:06,930 --> 00:02:09,770 水を くんだのは わしだ。 すみません。 22 00:02:09,770 --> 00:02:11,800 いやいや。 23 00:02:11,800 --> 00:02:15,100 ・(やえ)こちらでござりやす。・ 24 00:02:15,100 --> 00:02:18,780 おりん おりん 先生が 来てくだすったぞぇ。 25 00:02:18,780 --> 00:02:23,610 どうぞ どうぞ こちらでござりやす。 26 00:02:23,610 --> 00:02:25,950 (医者)どうしました? 27 00:02:25,950 --> 00:02:30,450 仕事先から帰ってきて 急に倒れてしまいまして。 28 00:02:30,450 --> 00:02:34,290 このところ 仕事が忙しくて 食欲も あんまり なくて…。 29 00:02:34,290 --> 00:02:37,960 自分では 大丈夫だ 平気だって 言ってたんですけど…。 30 00:02:37,960 --> 00:02:41,800 私が ぼんやりしてたのが 悪かったんです。 31 00:02:41,800 --> 00:02:44,700 何も気がつかなくって…。 32 00:02:44,700 --> 00:02:49,670 私が いけなかったんです。 「頑張れ 頑張れ」って・ 33 00:02:49,670 --> 00:02:53,140 言うばっかりで…! (医者)静かにしてね。 34 00:02:53,140 --> 00:02:57,650 先生 先生 源造さん… いえ 主人を 助けてください。 35 00:02:57,650 --> 00:03:01,080 元気にしてやってください! お願いします。 お願いします。 36 00:03:01,080 --> 00:03:03,420 お願いします! 37 00:03:03,420 --> 00:03:07,420 (医者)では お大事に。 (やえ)ありがとうござりやした。 38 00:03:10,090 --> 00:03:14,600 (やえ)はい? 何か? 何でござり…。 39 00:03:17,600 --> 00:03:20,400 何にも 言ってないって。 40 00:03:25,940 --> 00:03:28,850 よかったわ 大したことなくて。 41 00:03:28,850 --> 00:03:31,610 さっきは もう 死ぬかと 思ってしまった。 42 00:03:31,610 --> 00:03:35,280 そんな簡単に 死んでたまるか。 43 00:03:35,280 --> 00:03:37,220 死なれて たまりますか。 44 00:03:37,220 --> 00:03:40,120 やっと お嫁さんに なれたばっかりなのに。 45 00:03:40,120 --> 00:03:42,160 安藤君を呼んできてくれ。 46 00:03:42,160 --> 00:03:45,930 仕事のことで 言っておくことがあるんだ。 47 00:03:45,930 --> 00:03:48,630 そんな… 今日は いいじゃない。 48 00:03:48,630 --> 00:03:50,670 明日 呼んできますから。 明日じゃ駄目なんだ。 49 00:03:50,670 --> 00:03:53,970 今すぐ 行ってきてくれ。 ねえ お願いだから・ 50 00:03:53,970 --> 00:03:57,010 今日だけでいいから 会社のことは忘れて・ 51 00:03:57,010 --> 00:04:01,080 体も頭も ゆっくり休めて。 ね 分かって。 52 00:04:01,080 --> 00:04:04,750 そんなこと 言ってられないんだ。 安藤を 呼んでこいって。 53 00:04:04,750 --> 00:04:08,920 今日は駄目! 今日は 絶対 仕事しては駄目! 54 00:04:08,920 --> 00:04:12,260 何するの? 離せ… 離せ。 55 00:04:12,260 --> 00:04:14,290 起きて どうするの!? 会社へ行くんだ! 56 00:04:14,290 --> 00:04:17,130 何言ってんの! そんなことしたら 本当に死んでしまうわよ! 57 00:04:17,130 --> 00:04:19,430 離せ! 離せ! 58 00:04:19,430 --> 00:04:22,100 だ… だれか! ちょっと…。 59 00:04:22,100 --> 00:04:24,930 母ちゃん! じいさま! おりん。 60 00:04:24,930 --> 00:04:27,940 俺の会社が つぶれたら みんな どうするんだ? 61 00:04:29,610 --> 00:04:33,480 (徳右衛門)起きては駄目だ! 安静に 安静に。 62 00:04:33,480 --> 00:04:37,280 源造さん 源造さん。 今日だけは…。 63 00:04:41,950 --> 00:04:47,620 何が大事って 命より大事なものは ねえんだから・ 64 00:04:47,620 --> 00:04:49,960 つらくても 今日は我慢して・ 65 00:04:49,960 --> 00:04:52,260 じっとしていて もらわねっかなぇ。 66 00:04:54,130 --> 00:04:58,630 私 さっき 源造さんに 腹 立てたわ。 67 00:04:58,630 --> 00:05:03,070 「なにも そんな 命がけで 仕事することない。・ 68 00:05:03,070 --> 00:05:07,740 会社会社って 夢中になって・ 69 00:05:07,740 --> 00:05:13,550 それで 体こわしたりなんかしたら あんまり自分勝手だ」って。 70 00:05:13,550 --> 00:05:19,760 「結婚したのに そんなの無責任すぎる」って。 71 00:05:19,760 --> 00:05:23,760 でも そうじゃないのよね…。 72 00:05:26,100 --> 00:05:30,600 結婚したから…・ 73 00:05:30,600 --> 00:05:34,270 守らなければならない人間が いるから・ 74 00:05:34,270 --> 00:05:37,940 だから あんな 夢中になって 働くのよね 源造さん。 75 00:05:37,940 --> 00:05:40,640 そうなのよ…。 76 00:05:43,810 --> 00:05:49,520 私 結婚して 幸せだなぁって 思ってた。 77 00:05:51,290 --> 00:05:58,960 安心して 何でも頼れる人が そばにいてくれて・ 78 00:05:58,960 --> 00:06:05,570 それが うれしくって ほんとに幸せだって思って…。 79 00:06:05,570 --> 00:06:11,740 でも 頼られる人間を 抱え込んだ人が・ 80 00:06:11,740 --> 00:06:17,250 どんなに大変かって そこまでは 考えてねがった。 81 00:06:17,250 --> 00:06:19,920 それが 男の仕事だべ。 82 00:06:19,920 --> 00:06:22,750 その負担を背負って・ 83 00:06:22,750 --> 00:06:27,260 女房 子供を 養っていくのが 男の仕事だべ。 84 00:06:27,260 --> 00:06:32,130 それをできるのが 一人前の男 っつうんでねえのかぇ? 85 00:06:32,130 --> 00:06:34,760 それは そうだけど…。 86 00:06:34,760 --> 00:06:37,800 でも そんなに 男の人にばっかり 頼ってて・ 87 00:06:37,800 --> 00:06:40,570 ほんとに それで いいのかしら? 88 00:06:40,570 --> 00:06:43,470 女には 子供を産んで育てるっつう・ 89 00:06:43,470 --> 00:06:46,280 大事な仕事が あんだよ。 90 00:06:46,280 --> 00:06:50,150 こればっかしは 男に頼って 任せるわけに いかねえから。 91 00:06:50,150 --> 00:06:54,450 なに 女だって 何もかも 頼ってるわけで ねえんだよ。 92 00:06:54,450 --> 00:07:00,120 頼るっつうげんと 男だって 頼ってくれる人がいるから・ 93 00:07:00,120 --> 00:07:03,730 喜んで働けるっつうことも あんだよ。 94 00:07:03,730 --> 00:07:07,560 男は 男の仕事 女は 女の仕事・ 95 00:07:07,560 --> 00:07:09,900 それぞれ 一生懸命やって・ 96 00:07:09,900 --> 00:07:15,070 それで 一家を作っていくのが 結婚っつうもんなんだべ? 97 00:07:15,070 --> 00:07:18,570 それを なに どっちが 負担が重いの軽いの・ 98 00:07:18,570 --> 00:07:21,380 っつうもんでは ねえんでねえかい? 99 00:07:25,250 --> 00:08:09,230 ・~ 100 00:08:09,230 --> 00:08:12,130 ありがとう。 101 00:08:12,130 --> 00:08:14,330 何が? 102 00:08:16,000 --> 00:08:19,400 死なないでいてくれて。 103 00:08:19,400 --> 00:08:21,600 当たり前だ。 104 00:08:23,570 --> 00:08:26,610 (風鈴の音) 105 00:08:26,610 --> 00:08:29,110 あ…。 106 00:08:33,750 --> 00:08:37,050 いい夜風が来る…。 107 00:08:44,460 --> 00:08:48,600 源造さん? ん? 108 00:08:48,600 --> 00:08:50,800 好きです。 109 00:08:53,770 --> 00:08:56,070 当たり前だ。 110 00:09:04,880 --> 00:09:07,920 (弘次郎)また 熱が出る ということは ないのかな? 111 00:09:07,920 --> 00:09:12,560 暑さと疲れで出た熱だから 静かに寝てれば 大丈夫だべ。 112 00:09:12,560 --> 00:09:15,220 こじらさねえように しなければ。 はい。 113 00:09:15,220 --> 00:09:17,560 おりんは ちゃんと 看病してるのかな? 114 00:09:17,560 --> 00:09:21,230 「ちゃんと」どころか もう ハァ いたれりつくせりで。 115 00:09:21,230 --> 00:09:24,130 私の手出すところなんぞ ござりやせん。 116 00:09:24,130 --> 00:09:28,740 フフフ… やっぱり 亭主となると 違うもんだわぁ。 117 00:09:28,740 --> 00:09:32,070 源造さんのほかには だれも居ねえっつう感じで。 118 00:09:32,070 --> 00:09:34,010 おとっつぁん。 あれは あの・ 119 00:09:34,010 --> 00:09:37,880 おとっつぁんも 源造さんには 負けっつぉい。 120 00:09:37,880 --> 00:09:42,420 したけど おりんも 正直だなぃ。 121 00:09:42,420 --> 00:09:45,920 ほれ 源造さんの おっかさまが 家で倒れやしたべ? 122 00:09:45,920 --> 00:09:50,790 あの時 おりんは 落ち着いて テキパキしていたけど・ 123 00:09:50,790 --> 00:09:53,430 なに 自分の亭主が倒れたら もう ハァ・ 124 00:09:53,430 --> 00:09:55,770 ただ おろおろして 何だもねえんだから。 125 00:09:55,770 --> 00:09:59,100 やっぱり おっかさまより 亭主の方が 大事なんだわ。 126 00:09:59,100 --> 00:10:02,770 何だ 亭主の親を粗末にするとは けしからんではないか。 127 00:10:02,770 --> 00:10:05,440 別に 粗末にしてるわけで ねえげんと・ 128 00:10:05,440 --> 00:10:08,340 ただ まあ 亭主の方が おっかさまより…。 129 00:10:08,340 --> 00:10:11,950 亭主 亭主と! おりんは 亭主ばっかりで いいと・ 130 00:10:11,950 --> 00:10:16,120 思ってるのか!? なにも そだに怒らねくたって…。 131 00:10:16,120 --> 00:10:21,460 あれ? もしかして おとっつぁん 妬いてんの? 132 00:10:21,460 --> 00:10:25,130 バカもん! 何 言ってんだ! だれが 妬くか! 133 00:10:25,130 --> 00:10:31,830 ほうだよなぇ。 おとっつぁんには 私が ついているものなぇ…。 134 00:10:39,140 --> 00:10:41,980 (彌七)近くに行ったついでに 会社へ寄ったら・ 135 00:10:41,980 --> 00:10:45,820 病気だって言うんで もう ビックリして。 大丈夫かい? 136 00:10:45,820 --> 00:10:48,480 いや これこそ 本当に 鬼の かく乱ですよ。 137 00:10:48,480 --> 00:10:50,420 ご心配かけて すみません。 138 00:10:50,420 --> 00:10:52,990 西洋瓦の方 なかなか順調のようで 結構だね。 139 00:10:52,990 --> 00:10:56,660 何か 大口を 落札したんだって? おかげさまで。 140 00:10:56,660 --> 00:10:58,690 ほんとは こんなことしてる時じゃ ないんですがね。 141 00:10:58,690 --> 00:11:01,500 いやいや 何事も命あっての物種。 142 00:11:01,500 --> 00:11:03,930 死んじまっては 元も子もないんだから。 143 00:11:03,930 --> 00:11:05,970 そうなんですよねえ! 144 00:11:05,970 --> 00:11:08,770 源造さんに よく 言っといてください おんつぁん。 145 00:11:08,770 --> 00:11:11,270 いや 私も 今回は つくづく・ 146 00:11:11,270 --> 00:11:13,940 自分の体力を 過信しては いけないと痛感しました。 147 00:11:13,940 --> 00:11:16,610 自分が病気になるなんて 思ってもいなかったもんな。 148 00:11:16,610 --> 00:11:20,120 そうだよ。 人間 一寸先は闇だ。 149 00:11:20,120 --> 00:11:22,450 今 この次 何が起こるか 分からないんだから。 150 00:11:22,450 --> 00:11:25,350 嫌なこと 言わないでくださいよ。 いやいや これは ほんとだよ。 151 00:11:25,350 --> 00:11:29,120 ま そんなことになって おりんを 泣かせねえように してくれよ・ 152 00:11:29,120 --> 00:11:32,630 源造君。 人のことよりも・ 153 00:11:32,630 --> 00:11:35,130 おんつぁんこそ おきわさんのこと 泣かせないでくださいね。 154 00:11:35,130 --> 00:11:37,170 そうだ そうだ。 心配ご無用! 155 00:11:37,170 --> 00:11:39,800 その点は ちゃんと 手を打ってあるんだ。 156 00:11:39,800 --> 00:11:43,310 私が死んでも おきわさんが 泣かずに生きていけるように。 157 00:11:43,310 --> 00:11:45,340 何ですか? どんな手を打ったんですか? 158 00:11:45,340 --> 00:11:49,810 保険。 生命保険だよ。 生命保険? 159 00:11:49,810 --> 00:11:52,310 彌七さん 自分の体に 生命保険かけたんですか? 160 00:11:52,310 --> 00:11:54,980 (彌七)そう。 おきわさんを 受取人にしてね。 161 00:11:54,980 --> 00:11:57,020 どうして そんなこと 思いついたの? おんつぁん。 162 00:11:57,020 --> 00:12:01,260 だって 自分の商売だもの。 えっ!? 163 00:12:01,260 --> 00:12:05,590 どういうことですか? 源造君 いろいろ心配かけたが・ 164 00:12:05,590 --> 00:12:08,430 私も やっと 自分に合う商売を見つけたよ。 165 00:12:08,430 --> 00:12:11,100 おきわさんも それならと 賛成してくれたよ。 166 00:12:11,100 --> 00:12:13,440 何ですか? どういう仕事ですか? 167 00:12:13,440 --> 00:12:16,270 生命保険取扱所 所長だ。 168 00:12:16,270 --> 00:12:20,140 あら おんつぁん 保険会社に勤めたの? 169 00:12:20,140 --> 00:12:24,780 まあ 形の上では 博愛生命の 社員ということになっているが・ 170 00:12:24,780 --> 00:12:27,820 実際には 自分の家を取扱所にして・ 171 00:12:27,820 --> 00:12:33,120 まあ 一国一城のあるじで 加入者拡張に励んでいるんだ。 172 00:12:33,120 --> 00:12:37,960 これなら 片手が不自由でも だれにも 迷惑はかけないし・ 173 00:12:37,960 --> 00:12:42,830 まずいことがあっても 自分一人で 責任を取れば済むことだし・ 174 00:12:42,830 --> 00:12:46,340 人のためにもなる仕事だし。 175 00:12:48,470 --> 00:12:54,640 そんな 人の命を お金に換える商売なんてなぁ…。 176 00:12:54,640 --> 00:12:58,980 人が死ぬのを待っているみたいで どうも 愉快でないな。 177 00:12:58,980 --> 00:13:00,920 私は やんだ そんなの。 178 00:13:00,920 --> 00:13:03,590 人が死んで たくさん お金 もらっても・ 179 00:13:03,590 --> 00:13:06,490 うれしくも何ともねえもの。 やんだ そんなの。 180 00:13:06,490 --> 00:13:11,090 なにも 人が死ぬのを待ってるとか 死んだら 金をもらえるとか・ 181 00:13:11,090 --> 00:13:14,600 そういうことじゃ ないんですよ。 自分に 万一があって・ 182 00:13:14,600 --> 00:13:16,930 家族が 食べるのも 困るようなことがあれば・ 183 00:13:16,930 --> 00:13:19,440 安心して死ぬことも できないでしょう。 184 00:13:19,440 --> 00:13:22,770 安心して死ぬことも できない ということはですね・ 185 00:13:22,770 --> 00:13:25,270 安心して生きていけない ということなんですよ。 186 00:13:25,270 --> 00:13:28,610 「備えあれば憂いなし」ですよ。 187 00:13:28,610 --> 00:13:33,120 「備えあれば憂いなし」 っていうのは 私も そう思うわ。 188 00:13:33,120 --> 00:13:35,450 昨日 源造さんが倒れた時・ 189 00:13:35,450 --> 00:13:37,790 もし このまま 源造さんが寝ついてしまったら・ 190 00:13:37,790 --> 00:13:41,120 私たち どうなるんだろうって そう思った。 191 00:13:41,120 --> 00:13:44,990 そんなこと 夢にも思わずに のんきに構えていた自分が・ 192 00:13:44,990 --> 00:13:47,300 何だか 恥ずかしいわ。 193 00:13:47,300 --> 00:13:50,800 やっぱり どんな時でも きちんと生きていける・ 194 00:13:50,800 --> 00:13:54,300 準備をするべきなのよね。 準備って 何? 195 00:13:54,300 --> 00:13:56,810 どんなことがあっても 生きていける準備。 196 00:13:56,810 --> 00:14:01,580 (徳右衛門)何をするんだ? 私ね 考えたの。 197 00:14:01,580 --> 00:14:05,410 いいこと考えたのよ。 保険かい? 198 00:14:05,410 --> 00:14:08,920 下宿屋! 下宿屋をするの。 199 00:14:08,920 --> 00:14:11,750 (やえ)下宿屋? そう! 200 00:14:11,750 --> 00:14:14,790 そもそも この家は 下宿屋を するために 建てた家じゃないの。 201 00:14:14,790 --> 00:14:17,630 2階を あのまま あそばせて おくなんて もったいないわよ。 202 00:14:17,630 --> 00:14:21,100 昨日 鶴次先生に そう言われた 時にも そう思ったんだけど・ 203 00:14:21,100 --> 00:14:23,030 私 今 決心したの。 204 00:14:23,030 --> 00:14:25,770 ね! ばあさま 母ちゃん・ 205 00:14:25,770 --> 00:14:28,270 私たち 女で 下宿屋 やりましょうよ。 ね! 206 00:14:28,270 --> 00:14:31,170 ね! ほら 母ちゃん ちょっと 2階 見に行こ…。 207 00:14:31,170 --> 00:14:33,940 今 ばあさまの…。 いいから いいから。 208 00:14:33,940 --> 00:14:39,110 ばあさまも ほら 見に行こう! おっかさん おっかさん。 209 00:14:39,110 --> 00:14:43,620 (笑い声) 210 00:14:43,620 --> 00:14:48,490 いやいや 親子だわ。 後ろ姿が そっくりだ。 211 00:14:48,490 --> 00:14:53,000 <またまた はね駒が はねだしたようですぞ…>