1 00:00:02,210 --> 00:00:11,980 ・~ (テーマ音楽) 2 00:00:11,980 --> 00:01:19,780 ・~ 3 00:01:21,950 --> 00:01:25,790 <今日は りんの初出社の日です> 4 00:01:25,790 --> 00:01:27,820 (りん)母ちゃん この青菜の塩漬け みんな・ 5 00:01:27,820 --> 00:01:30,290 お弁当に もらっちまっていい? (やえ)いいぞい。・ 6 00:01:30,290 --> 00:01:32,330 足りなかったら まだ こっちにも あっから。 7 00:01:32,330 --> 00:01:35,160 ううん もう これだけで十分。 8 00:01:35,160 --> 00:01:38,800 あら やっぱり いい色どりだわ。 ほら。 9 00:01:38,800 --> 00:01:43,310 ほんとだ。 いやいや うまそうな弁当が 出来たこと。 10 00:01:43,310 --> 00:01:46,980 今日はね 特別に 卵焼き おごっちゃったの ほら。 11 00:01:46,980 --> 00:01:48,910 卵焼きが入っと やっぱり・ 12 00:01:48,910 --> 00:01:51,480 ぐんと立派な お弁当さまに なりやすなぃ。 13 00:01:51,480 --> 00:01:53,980 花田さんも 後藤さんも 喜ぶべ。 14 00:01:53,980 --> 00:01:58,150 あ それから はい。 こっちは 昼に 母ちゃんと じいさまと・ 15 00:01:58,150 --> 00:02:00,420 弘で食べて。 何 こっちにも? 16 00:02:00,420 --> 00:02:02,930 じゃあ ちゃんと じいさまと弘に 食べさせっから。 17 00:02:02,930 --> 00:02:05,260 母ちゃんもだぞぃ。 母ちゃん 漬物で・ 18 00:02:05,260 --> 00:02:07,200 お茶漬けだけなんつうのは 駄目だぞぃ。 19 00:02:07,200 --> 00:02:09,130 ちゃんと こっちは こっちで やるから・ 20 00:02:09,130 --> 00:02:11,600 そだ 心配すっこと ねえぞぇ。 21 00:02:11,600 --> 00:02:14,270 あ それから カマドの熱灰の中に・ 22 00:02:14,270 --> 00:02:16,940 おいも入れてあるから 弘のおやつに やって下さい。 23 00:02:16,940 --> 00:02:18,980 弘のことは ちゃんと 私 見てっから・ 24 00:02:18,980 --> 00:02:21,110 そだ心配することねえがら。 25 00:02:21,110 --> 00:02:25,280 すみません。 何だか 母ちゃんに みんな おっかぶせてしまって…。 26 00:02:25,280 --> 00:02:28,120 何 母ちゃんに気ぃ遣ってんだぇ。 27 00:02:28,120 --> 00:02:32,790 昼間 家と孫を預かることぐらい 何だっつうの。 28 00:02:32,790 --> 00:02:36,290 母ちゃん 見くびるんでねえぞぃ この! 29 00:02:36,290 --> 00:02:39,630 なるべく 早く帰ってきて 家のこと ちゃんと やりますから。 30 00:02:39,630 --> 00:02:44,300 おりん。 母ちゃんに すまねえ なんて 思うことねえんだよ。 31 00:02:44,300 --> 00:02:48,140 母ちゃんだって これぐらいの仕事 しょわされた方が・ 32 00:02:48,140 --> 00:02:50,170 張り合いがあって いいんだ。 33 00:02:50,170 --> 00:02:54,810 年寄りだって 何か みんなの 役に立ってるっつうことは・ 34 00:02:54,810 --> 00:02:56,750 うれしいことなんだよ。 35 00:02:56,750 --> 00:02:59,650 だから ほら 余計なこと 気ぃ遣わねえで・ 36 00:02:59,650 --> 00:03:04,090 お前 新聞の仕事 一生懸命 やってこさんしょ。 37 00:03:04,090 --> 00:03:06,120 ありがとう 母ちゃん。 38 00:03:06,120 --> 00:03:09,760 あっ おはようございます。 おはようございます・ 39 00:03:09,760 --> 00:03:12,430 おとっつぁん。 (弘次郎)おはよう。 40 00:03:12,430 --> 00:03:16,100 あ 今日がら 弁当が6つか。 41 00:03:16,100 --> 00:03:19,970 そう これが 私の分。 フフフフ。 42 00:03:19,970 --> 00:03:21,970 生意気に。 43 00:03:23,840 --> 00:03:26,040 しっかり やりなさい。 44 00:03:27,710 --> 00:03:29,710 はい! 45 00:03:31,450 --> 00:03:34,950 はい お弁当! (源造)はい。 46 00:03:34,950 --> 00:03:37,790 はい ハンカチ! 47 00:03:37,790 --> 00:03:39,820 自分の方の支度は できてるのか? 48 00:03:39,820 --> 00:03:42,130 もう できてるの。 ほら。 着物も ちゃんと・ 49 00:03:42,130 --> 00:03:44,460 ここに そろえてあるし それに これが 私のお弁当。 50 00:03:44,460 --> 00:03:48,300 何だべ お弁当 持っていくなんて 久しぶりだから うれしくて。 51 00:03:48,300 --> 00:03:51,330 何だ 子供みたいに。 物見遊山に行くんじゃないんだぞ。 52 00:03:51,330 --> 00:03:54,100 あら そんなこと… そんな のんきなこと 思っていません。 53 00:03:54,100 --> 00:03:57,810 それどころじゃないのよ。 本当は 胸はドキドキ 体はブルブルだし…。 54 00:03:57,810 --> 00:04:01,410 初陣の武者震いってとこかしら。 二本松少年隊だね。 55 00:04:01,410 --> 00:04:05,280 本当! おとっつぁんも 出陣の時 そうだったのかしら。 56 00:04:05,280 --> 00:04:09,150 お父さんは? もう出かけました。 最近ね もう・ 57 00:04:09,150 --> 00:04:11,120 おとっつぁん 張り切っちゃって 張り切っちゃって。 58 00:04:11,120 --> 00:04:13,420 会社に行く前にね おとっつぁんのいれたコーヒー・ 59 00:04:13,420 --> 00:04:15,460 わざわざ飲みに来る人も いるんですって。 60 00:04:15,460 --> 00:04:18,290 そうか…。 それは よかった。 61 00:04:18,290 --> 00:04:23,000 しかし のんきな勤め人も いるもんだね。 いいね 宮仕えは。 62 00:04:24,930 --> 00:04:28,270 会社の方 どうですか? うん まあ どうにか。 63 00:04:28,270 --> 00:04:30,970 瓦の注文は来てる? 64 00:04:32,940 --> 00:04:35,980 初めての仕事に行くのに 余計なことは 考えるな。 65 00:04:35,980 --> 00:04:40,620 君は君の仕事のことを 考えてればいい。 はい。 66 00:04:40,620 --> 00:04:43,290 男の仕事の世界ってのは 厳しいからな・ 67 00:04:43,290 --> 00:04:46,990 いい加減な気持ちで やるんじゃないぞ。 はい! 68 00:04:49,160 --> 00:04:52,300 すまんな 君まで働かして。 69 00:04:52,300 --> 00:04:54,800 ううん そんなこと ちっとも。 70 00:04:54,800 --> 00:04:57,700 私ね 本当に うれしいの。 71 00:04:57,700 --> 00:05:01,240 自分が こういうことで あなたの役に立てるってことも・ 72 00:05:01,240 --> 00:05:04,270 もちろんだけど 自分が 社会とつながった仕事を・ 73 00:05:04,270 --> 00:05:07,110 持てるっていうことが 本当に うれしいの。 74 00:05:07,110 --> 00:05:09,110 つらそうな顔なんか してないでしょ? 75 00:05:09,110 --> 00:05:11,250 うれしそうでしょ? フフッ。 76 00:05:11,250 --> 00:05:14,580 必ず… この家は 必ず買い戻してみせるから。 77 00:05:14,580 --> 00:05:17,490 必ず また 俺たちの物に してみせるから。 78 00:05:17,490 --> 00:05:21,460 それまで 頑張ってくれよな。 はい。 79 00:05:21,460 --> 00:05:26,100 あなたも お体にだけは 気をつけて下さいね。 80 00:05:26,100 --> 00:05:28,760 お互いに。 じゃあ 行くぞ! 81 00:05:28,760 --> 00:05:31,100 はい! 82 00:05:31,100 --> 00:05:34,800 弘! お父さん お出かけよ。 お送りしましょう! 83 00:05:38,270 --> 00:05:40,310 (やえ)おりん。 は~い。 84 00:05:40,310 --> 00:05:42,950 何だべ まだ そだことして…。 85 00:05:42,950 --> 00:05:45,780 何やってんだ! 出かけんのが 遅くなっちまうよ。 86 00:05:45,780 --> 00:05:48,280 大丈夫よ。 ちゃんと 時間見ながら やってんだから。 87 00:05:48,280 --> 00:05:50,220 あと 母ちゃんが やっから ほれ 早く行きな お前。 88 00:05:50,220 --> 00:05:52,960 大丈夫! いくらね 仕事があるからって・ 89 00:05:52,960 --> 00:05:56,290 これぐらいのことも できねえようではなぇ。 90 00:05:56,290 --> 00:06:07,900 ・~ 91 00:06:07,900 --> 00:06:10,810 それじゃ 行ってまいりますから。 (徳右衛門)しっかり やってこい。 92 00:06:10,810 --> 00:06:13,710 家のことは 心配しねえで。 お願いします。 93 00:06:13,710 --> 00:06:16,250 夕方 仕事が終わったら 飛んで帰ってきますから。 94 00:06:16,250 --> 00:06:20,080 初仕事の祝いに 何かうまい物でも 作っておくべなぃ。 95 00:06:20,080 --> 00:06:23,120 それは いいな。 弘。 今日は・ 96 00:06:23,120 --> 00:06:25,760 おばあちゃんや 大じいさまの 言うことを よく聞いて・ 97 00:06:25,760 --> 00:06:28,790 お利口で いなさいよ。 お利口だもんなぇ 弘は。 98 00:06:28,790 --> 00:06:31,090 ほれ おっかさんに 行ってらっしゃいって。 ほれほれ。 99 00:06:31,090 --> 00:06:33,930 (弘)お母さん 行ってらっしゃい。 行ってきます。 100 00:06:33,930 --> 00:06:38,770 あら… 少し熱いわ この子。 (やえ)え? 101 00:06:38,770 --> 00:06:42,270 あら 本当に 少し熱いわ。 熱が あるみたい。 102 00:06:42,270 --> 00:06:44,610 どれどれ どれどれ。 ほれ 来てごらん。 103 00:06:44,610 --> 00:06:48,440 ん~ まあ ちっとばし熱いなぇ。 母ちゃん どうしよう…。 104 00:06:48,440 --> 00:06:51,950 大丈夫だ これっぱかしの熱 大したことねえ。 105 00:06:51,950 --> 00:06:56,120 どれどれ…。 ああ 大したことはねえ。 106 00:06:56,120 --> 00:06:58,960 目も しっかりしているから これは 大丈夫だ。 だって・ 107 00:06:58,960 --> 00:07:01,390 こんなこと この子 今まで一度も…。 108 00:07:01,390 --> 00:07:03,890 朝から ほれ おっかさんが落ち着かねえから・ 109 00:07:03,890 --> 00:07:06,230 子供も ちっとばあし 熱が出たんだわ。 110 00:07:06,230 --> 00:07:09,570 弘 大丈夫? どっか苦しくないの? 111 00:07:09,570 --> 00:07:12,400 うん。 母ちゃん この子 ちゃんと・ 112 00:07:12,400 --> 00:07:14,340 今日 医者さま 連れていってね。 お願いよ。 113 00:07:14,340 --> 00:07:17,910 ちゃんと連れていくから。 母ちゃん わがってんだから・ 114 00:07:17,910 --> 00:07:19,840 大丈夫だ 心配しねえで。 わしも ついてるから。 115 00:07:19,840 --> 00:07:24,580 それじゃ… お願いします。 本当に頼みます。 116 00:07:24,580 --> 00:07:28,450 弘。 本当に 今日は暴れないで じっとしてらっしゃいよ。 117 00:07:28,450 --> 00:07:31,920 うん。 大丈夫だから 行ってこさんしょ。 118 00:07:31,920 --> 00:07:34,760 それじゃ 行ってきます。 119 00:07:34,760 --> 00:07:38,430 しっかり やってこい。 はい。 120 00:07:38,430 --> 00:07:40,430 それじゃ。 121 00:07:49,440 --> 00:07:51,940 (ヒサ)おはようございます。 122 00:07:51,940 --> 00:07:54,980 おはようございます。 お出かけですか? 123 00:07:54,980 --> 00:07:59,620 はい。 あっ あの… これから 家が・ 124 00:07:59,620 --> 00:08:02,890 昼間は 母と じいさまと 子供だけになりますので・ 125 00:08:02,890 --> 00:08:05,790 どうか 何かの時には よろしくお願いいたします。 126 00:08:05,790 --> 00:08:08,690 …と おっしゃいますと 毎日 どちらかへ? 127 00:08:08,690 --> 00:08:12,900 ええ。 勤めに出ます。 まあ 奥さんが お勤めに…。 128 00:08:12,900 --> 00:08:15,400 ええ。 ですから 本当に 何かの時には・ 129 00:08:15,400 --> 00:08:17,730 どうぞ よろしくお願いいたします。 130 00:08:17,730 --> 00:08:22,040 それじゃあ 行ってまいります。 行ってらっしゃいませ。 131 00:08:25,470 --> 00:08:30,750 まあ 恥ずかしいこと。 奥さんが勤めを持つなんて。 132 00:08:30,750 --> 00:08:35,420 お向かいの家は よっぽど 大貧乏なんだねえ。 133 00:08:35,420 --> 00:08:43,090 (六七郎)「人妻恋ふる 悲しさを 君がなさけと 知りもせば・ 134 00:08:43,090 --> 00:08:49,970 せめては 罪人と 呼びたまふこそ うれしけれ」。 135 00:08:49,970 --> 00:08:52,770 何ですって? 「人妻恋ふる悲しさ」? 136 00:08:52,770 --> 00:08:54,700 何ですか? それは。 137 00:08:54,700 --> 00:08:58,570 藤村ですよ。 「若菜集」です。 138 00:08:58,570 --> 00:09:00,880 そうそう そうでした。 139 00:09:00,880 --> 00:09:03,550 あ~ びっくりした。 ホホホッ。 140 00:09:03,550 --> 00:09:08,050 先生が人妻に恋をするはずは ありませんよね。 141 00:09:08,050 --> 00:09:11,720 ホホホホホ…。 142 00:09:11,720 --> 00:09:14,220 ああ~ タマよ! 143 00:09:25,900 --> 00:09:27,940 おはようございます! 144 00:09:27,940 --> 00:09:33,240 あら… まだ早すぎたんだべか。 145 00:09:33,240 --> 00:09:35,580 ・ 146 00:09:35,580 --> 00:09:39,250 ウッタ~ なじょすっぺ…。 147 00:09:39,250 --> 00:09:41,180 はい。 148 00:09:41,180 --> 00:09:43,420 はい。 はい そうです。 149 00:09:43,420 --> 00:09:45,760 はい ええ いえ あの…。 150 00:09:45,760 --> 00:09:48,790 すみません。 今 誰も居なくて 分からないんですけど…。 151 00:09:48,790 --> 00:09:51,560 ・何だ? 居るぞ~! 152 00:09:51,560 --> 00:09:55,260 (波多野)君 来たのか。 電話 桂さんの秘書からだろう。 153 00:09:55,260 --> 00:09:58,300 やっと連絡してきたな。 受話器 こっち。 154 00:09:58,300 --> 00:10:02,040 もしもし 波多野でございます。 もしもし…。 155 00:10:02,040 --> 00:10:04,040 もしもし! 156 00:10:05,980 --> 00:10:09,280 切れてる…。 どうしたんだ? 157 00:10:09,280 --> 00:10:12,110 (内田)今 その受話器 そこに かけなかったか? 158 00:10:12,110 --> 00:10:14,050 はい。 かけました。 159 00:10:14,050 --> 00:10:15,990 (内田)そこに かけたら 電話 切れちゃうじゃないか! 160 00:10:15,990 --> 00:10:19,790 ウッタ~。 なんてことを してくれたんだ 君は! 161 00:10:19,790 --> 00:10:22,290 (北村)来ましたか 電話。 (波多野)北村君・ 162 00:10:22,290 --> 00:10:25,190 君は 一体 どこ行ってたんだ? ちょっと はばかりへ。 163 00:10:25,190 --> 00:10:27,460 何で 今ごろ はばかりなんか行くんだ。 164 00:10:27,460 --> 00:10:29,970 肝心の時に 電話番がいなきゃ しょうがないじゃないか。 165 00:10:29,970 --> 00:10:32,870 しかし 内田君が そこに…。 俺が取ろうとしたらよ…。 166 00:10:32,870 --> 00:10:36,310 この見習いさんが取って ご丁寧に 切って下さったんだよ。 167 00:10:36,310 --> 00:10:38,240 ええっ! 168 00:10:38,240 --> 00:10:41,980 (内田)今ごろ 秘書の小林さん カンカンだろうな。 何しろ・ 169 00:10:41,980 --> 00:10:44,310 こっちから 連絡頼んでおいて 勝手に切られたんじゃ…。 170 00:10:44,310 --> 00:10:48,150 小林さんもそうだが 編集長が これ聞いたら ただじゃすまんぞ。 171 00:10:48,150 --> 00:10:50,990 小林さんと密約したのは 編集長なんだから…。 172 00:10:50,990 --> 00:10:54,020 小林さんに すぐ 連絡つきますか? 173 00:10:54,020 --> 00:10:58,490 自宅には居ないだろう。 よし! 俺が今から行ってくる。 174 00:10:58,490 --> 00:11:00,760 コレのとこだろう。 しかし 大丈夫ですか? 175 00:11:00,760 --> 00:11:03,100 今 小林さんに ヘソ曲げられたら これからの取材・ 176 00:11:03,100 --> 00:11:05,600 全部 門前払い 食らいます。 だから 俺が 直接行って・ 177 00:11:05,600 --> 00:11:09,440 事情を説明して わびを入れて くるんだよ。 後 頼んだよ。 178 00:11:09,440 --> 00:11:11,640 (内田)お願いします。 あっ…。 179 00:11:16,610 --> 00:11:20,950 どうも申し訳ございませんでした。 私のために…。 180 00:11:20,950 --> 00:11:24,820 君 電話のかけ方 知らないの? 181 00:11:24,820 --> 00:11:27,290 あの 全く知らないわけでは ございませんが・ 182 00:11:27,290 --> 00:11:30,330 ちょっと 慌てておりまして…。 すみません。 183 00:11:30,330 --> 00:11:33,800 まいったなぁ。 だから 女なんか よせばいいのに…。 184 00:11:33,800 --> 00:11:36,130 (内田)しかし これじゃあ 編集長も 怒れないぞ。・ 185 00:11:36,130 --> 00:11:38,800 何しろ みんなの反対 押し切って・ 186 00:11:38,800 --> 00:11:41,470 女の見習い 雇ったのは 編集長なんだからな。 187 00:11:41,470 --> 00:11:44,140 (北村)君! はい。 ぼんやり突っ立ってないで・ 188 00:11:44,140 --> 00:11:46,480 みんなの机の上の 鉛筆でも削ったら どうだ?・ 189 00:11:46,480 --> 00:11:49,980 遊びに来たんじゃないんでしょ? あ… はい。 190 00:11:55,820 --> 00:12:00,260 お代わりを。 (津村)ああ どうも。 191 00:12:00,260 --> 00:12:03,090 いつも ありがとうござりやす。 192 00:12:03,090 --> 00:12:06,100 いやいや こちらのコーヒーは うまいですから。 193 00:12:07,960 --> 00:12:12,170 英語ですか? ええ 仕事でね。 194 00:12:15,600 --> 00:12:19,280 じゃあ お熱の方は? もう すっかり 下がりやして。 195 00:12:19,280 --> 00:12:21,310 やっぱり 母親が あっぱとっぱしてたんで・ 196 00:12:21,310 --> 00:12:23,950 子供も カンが立ったんで ござりやしょう。 197 00:12:23,950 --> 00:12:27,820 このごろの子供は 利口で 何でも よく分かりやすから。 198 00:12:27,820 --> 00:12:30,820 このごろの子でなくても うちの先生なんか・ 199 00:12:30,820 --> 00:12:32,960 まあ 何でも よく分かって。 200 00:12:32,960 --> 00:12:35,790 こんな小さい時から 私の目の色ひとつで・ 201 00:12:35,790 --> 00:12:39,660 何にも言わない先に まあ 私の思うとおりに・ 202 00:12:39,660 --> 00:12:42,570 勉強でも何でも ちゃんと やってくれたんでございますよ。 203 00:12:42,570 --> 00:12:44,800 めんげくねえ わらしだこと。 え? 204 00:12:44,800 --> 00:12:47,470 大したもんで ござりやすなぃ。 ええ。 205 00:12:47,470 --> 00:12:50,810 この子の母親なんかも 学問が好きで・ 206 00:12:50,810 --> 00:12:53,310 親が何も言わねえうちから・ 207 00:12:53,310 --> 00:12:55,340 女学校さ はねて行っつまった ぐらいで。 208 00:12:55,340 --> 00:12:59,980 まあまあ 英語なんか ペラペラのペラでござりやして。 209 00:12:59,980 --> 00:13:04,420 もう これが 私の娘かと 思うぐらいで・ 210 00:13:04,420 --> 00:13:06,360 いや まんつ 大して なかなか…。 211 00:13:06,360 --> 00:13:09,590 でも そんなお方が どうして そんな新聞記者なんぞ・ 212 00:13:09,590 --> 00:13:13,260 ゴロツキみたいな仕事を なさるんざんしょ。・ 213 00:13:13,260 --> 00:13:16,600 御奥様で おられたら よろしいのに。・ 214 00:13:16,600 --> 00:13:19,400 もったいないこと。 215 00:13:23,270 --> 00:13:25,570 どうぞ。 はい。 216 00:13:31,610 --> 00:13:34,120 失礼します。 217 00:13:34,120 --> 00:13:39,290 この机の上を掃除したのは 君か? はい 私ですが…。 218 00:13:39,290 --> 00:13:43,630 ここに置いといた灰皿は? 汚れていたので 洗いました。 219 00:13:43,630 --> 00:13:46,960 その下に 小さなメモが 置いてあったろう? 220 00:13:46,960 --> 00:13:50,300 さあ あの… 覚えておりませんけど…。 221 00:13:50,300 --> 00:13:52,230 駄目じゃないか! 222 00:13:52,230 --> 00:13:55,470 人の机の上をいじる時は 最初に どこに何があるか・ 223 00:13:55,470 --> 00:13:58,310 きちんと確かめておくのが 常識だろう! 224 00:13:58,310 --> 00:14:01,740 新聞社の場合はね どんな小さな 紙切れ一枚といえども・ 225 00:14:01,740 --> 00:14:03,780 そこに文字が書いてある物は 決して・ 226 00:14:03,780 --> 00:14:06,080 あだやおろそかに 扱っては いかんぞ! 227 00:14:06,080 --> 00:14:08,580 どんな大事なメモかも 分からないんだから。 228 00:14:08,580 --> 00:14:11,420 たかがメモ一枚と思うような 粗雑な神経じゃ・ 229 00:14:11,420 --> 00:14:14,260 一人前の記者には なれんぞ! 申し訳ありませんでした。 230 00:14:14,260 --> 00:14:16,760 これから 気をつけます。 それじゃあ 今日は…。 231 00:14:16,760 --> 00:14:19,090 今日は 本当に どうもありがとうございました。 232 00:14:19,090 --> 00:14:21,430 明日から もっと ちゃんと仕事いたしますので。 233 00:14:21,430 --> 00:14:26,770 何だい。 今日は まだ 仕事は終わっちゃいないよ。 え? 234 00:14:26,770 --> 00:14:30,610 新聞社はね お役所じゃないからね。 235 00:14:30,610 --> 00:14:33,280 これから 僕の取材に 一緒に ついてきたまえ。 236 00:14:33,280 --> 00:14:35,310 あの… これから? 237 00:14:35,310 --> 00:14:39,080 (津村)そう これから。 記者見習としてね。 238 00:14:39,080 --> 00:14:41,980 さあ 行くぞ! 239 00:14:41,980 --> 00:14:43,990 はい! 240 00:14:43,990 --> 00:14:55,000 ・~