1 00:00:02,210 --> 00:00:21,120 ・~ (テーマ音楽) 2 00:00:21,120 --> 00:00:58,930 ・~ 3 00:01:02,270 --> 00:01:06,600 (りん) 食事になったら 呼びに行くから それまで明子と遊んでてね。 4 00:01:06,600 --> 00:01:09,810 おキヨちゃんが 学校から 帰ってくるまで お願いね。 5 00:01:13,480 --> 00:01:18,210 (やえ)弘は まだ 学校さ 行きたくねんだべか? 6 00:01:18,210 --> 00:01:22,620 でも だいぶ 顔つきが 明るくなってきたから・ 7 00:01:22,620 --> 00:01:24,650 もう少し 黙って見てる。 8 00:01:24,650 --> 00:01:27,460 やっぱり 私が甘やかしちまったのが・ 9 00:01:27,460 --> 00:01:30,130 悪かったんだなぇ…。 そんなことないわよ。 10 00:01:30,130 --> 00:01:32,800 そんなふうに思わないでよ 母ちゃん。 11 00:01:32,800 --> 00:01:37,970 そだなぇ…。 さぁ さっさと おぜん立てしてしまおう。 12 00:01:37,970 --> 00:01:40,800 もうそろそろ 松浪先生が 来るころでねえのかぇ? 13 00:01:40,800 --> 00:01:43,010 そうね。 さ 急ぎましょ! 14 00:01:48,140 --> 00:01:52,820 <この日 松浪先生に ゆかりのある在京の人たちが・ 15 00:01:52,820 --> 00:01:57,620 りんから 知らせを受けて 集まってくることに なりました> 16 00:02:03,090 --> 00:02:05,430 いらっしゃい! (みどり)はい。 おくにさんと・ 17 00:02:05,430 --> 00:02:08,100 おなつさん お連れしましたよ。 (なつ)お久しゅう。 18 00:02:08,100 --> 00:02:10,600 お招き ありがとうございました。 (くに)しばらく。 19 00:02:10,600 --> 00:02:13,500 私も 何もかも ほうり出して とんできましたのよ。 うれしいわ。 20 00:02:13,500 --> 00:02:15,940 ほんとに ようこそ いらっしゃいました。 21 00:02:15,940 --> 00:02:18,840 みどりさん お世話さま。 どういたしまして。 22 00:02:18,840 --> 00:02:23,450 私だって ワクワクなのよ 松浪先生に会えると思うと。 23 00:02:23,450 --> 00:02:25,380 さあ とにかく お上がりになって。 24 00:02:25,380 --> 00:02:27,620 先生も もうすぐ いらっしゃると 思いますから。 25 00:02:27,620 --> 00:02:30,420 さあ どうぞ お上がりになって。 お邪魔します。 26 00:02:32,290 --> 00:02:35,120 (弘次郎)あ いらっしゃい。 27 00:02:35,120 --> 00:02:37,330 お連れしたよ。 28 00:02:39,630 --> 00:02:42,130 (松浪)おっ。 (みどり)松浪先生! 29 00:02:42,130 --> 00:02:45,800 (くに なつ)先生! いや 諸君 久しぶり。 30 00:02:45,800 --> 00:02:50,640 先生 お変わりになってないわ。 (なつ)何だか 夢のよう…。 31 00:02:50,640 --> 00:02:53,480 (くに)I'm very happy to see you again! 32 00:02:53,480 --> 00:02:55,980 あ~ 何だか分からないわ もう! 33 00:02:55,980 --> 00:03:00,420 先生 お久しゅう。 さあ ほらほら もう 皆さん・ 34 00:03:00,420 --> 00:03:02,920 先生が お上がりになれない じゃないですか。 先生 どうぞ・ 35 00:03:02,920 --> 00:03:04,950 お上がりになってください。 (みどり)どうぞ どうぞ。 36 00:03:04,950 --> 00:03:09,090 いや 皆さんに お会いできるとは 懐かしいな…。 37 00:03:09,090 --> 00:03:11,760 ・(鶴次)先生っ! 38 00:03:11,760 --> 00:03:15,260 松浪先生! 鶴次君…。 39 00:03:18,940 --> 00:03:21,840 鶴次君… しばらく。 40 00:03:21,840 --> 00:03:24,440 先生…。 41 00:03:24,440 --> 00:03:30,310 ご家族の ご不幸を伺って 心配していました。 42 00:03:30,310 --> 00:03:33,450 元気で 何よりだ。 43 00:03:33,450 --> 00:03:36,120 先生…! 44 00:03:36,120 --> 00:03:40,290 先生… 先生…・ 45 00:03:40,290 --> 00:03:43,630 松浪先生…!・ 46 00:03:43,630 --> 00:03:45,830 先生…! 47 00:03:47,500 --> 00:03:53,300 (松浪)そうですか。 おなつさんは 明和女学校の先生に・ 48 00:03:53,300 --> 00:03:57,640 おくにさんは 国際結婚で アメリカ人の奥さんに。 49 00:03:57,640 --> 00:04:03,250 そして 私は ご覧のとおり。 私も ご覧のとおり。 50 00:04:03,250 --> 00:04:09,590 私が あの女学校で 皆さんと お別れしてから 14年。 51 00:04:09,590 --> 00:04:14,420 みな それぞれに 自分らしい いい歴史を 作ってきたんですね。 52 00:04:14,420 --> 00:04:17,930 先生のような教師になることが 私の夢なんです。 53 00:04:17,930 --> 00:04:20,260 (くに)ほんとに あのころの松浪先生って・ 54 00:04:20,260 --> 00:04:23,170 私たち全生徒の あこがれの的でしたものね。 55 00:04:23,170 --> 00:04:25,940 あら みんな ほんとに そうだったの? 56 00:04:25,940 --> 00:04:30,270 私と おりんさんだけかと 思ってたわ。 な~んだ。 57 00:04:30,270 --> 00:04:33,940 でも 先生は ちっとも 昔と お変わりにならなくて。 58 00:04:33,940 --> 00:04:36,850 全くなぇ… 同じ男でも・ 59 00:04:36,850 --> 00:04:40,280 こうして見ると いろんな顔があるもんだなぇ…。 60 00:04:40,280 --> 00:04:43,120 うっつぁしいな! (鶴次)あの それは あの あの…・ 61 00:04:43,120 --> 00:04:45,050 どういう意味でしょうか? 62 00:04:45,050 --> 00:04:49,460 (徳右衛門)え? わしや 松浪先生みたいな・ 63 00:04:49,460 --> 00:04:52,360 美しい顔もあるっていう 意味ではないかな。 64 00:04:52,360 --> 00:04:54,330 (源造)そうですか? (笑い声) 65 00:04:54,330 --> 00:04:58,970 先生。 こだ田舎料理で お口に 合わねえか しれねえげんと・ 66 00:04:58,970 --> 00:05:00,940 どうぞ 食べてくだっしょ。 67 00:05:00,940 --> 00:05:04,740 お箸の持ち方 覚えておられやすか? 68 00:05:04,740 --> 00:05:07,580 こうして… そう…。 69 00:05:07,580 --> 00:05:10,480 挟んで そうそう…。 (弘次郎の せきばらい) 70 00:05:10,480 --> 00:05:13,080 やえ そだなことは ちゃんと覚えておられる! 71 00:05:13,080 --> 00:05:15,420 余計な手出しはするな! はい。 72 00:05:15,420 --> 00:05:19,920 いや お母さんには 仙台のころ 病気になった時に・ 73 00:05:19,920 --> 00:05:22,430 大変に お世話になりました。 ありがとうございました。 74 00:05:22,430 --> 00:05:25,460 やんだ そだ 頭なんか 下げねえでくだっしょ。 75 00:05:25,460 --> 00:05:30,100 私の方こそ お世話させていただいて・ 76 00:05:30,100 --> 00:05:32,770 いい思い出で ござりやした…。 77 00:05:32,770 --> 00:05:35,270 (弘次郎)おい やえ! こっち来なさい! 78 00:05:35,270 --> 00:05:38,310 いや 変わらないといえば お母さんこそ・ 79 00:05:38,310 --> 00:05:41,780 あのころと ちっとも お変わりになりませんね。 80 00:05:41,780 --> 00:05:45,280 東京に来られて かえって 若くなられた。 81 00:05:45,280 --> 00:05:47,780 やんだ 何 語って 先生! 82 00:05:47,780 --> 00:05:51,290 私が若いだなんて 先生も お上手…。 83 00:05:51,290 --> 00:05:53,790 いやいや なじょすっぺなぇ おとっつぁん! 84 00:05:53,790 --> 00:05:56,130 何だ ばかもん! 85 00:05:56,130 --> 00:06:00,100 (鶴次)本当に あのころの相馬を 思い出しますね。 86 00:06:00,100 --> 00:06:06,770 相馬では 貴殿に いかい お世話になり申した。 87 00:06:06,770 --> 00:06:10,770 先生。 88 00:06:10,770 --> 00:06:18,380 私が 足の傷を負った時も おりんの進学の時も・ 89 00:06:18,380 --> 00:06:20,920 本当に お世話になりやした。 90 00:06:20,920 --> 00:06:26,090 先生のおかげで おりんは いい娘になりやした。 91 00:06:26,090 --> 00:06:30,090 ありがとうござりやした。 いえ 私は 何も…。 92 00:06:32,760 --> 00:06:35,430 ・ごめんください! 奥さん いらっしゃいますか? 93 00:06:35,430 --> 00:06:37,430 はい! 94 00:06:39,270 --> 00:06:42,100 三島さん! (三島)せっかくの 休みのところを・ 95 00:06:42,100 --> 00:06:45,610 すみませんが 至急の連絡で。 何か 突発事件でも? 96 00:06:45,610 --> 00:06:49,110 編集長が 当局から 譴責処分を くらって 謹慎を命じられた。 97 00:06:49,110 --> 00:06:51,050 下手すると クビだ。 98 00:06:51,050 --> 00:06:54,280 じゃ やっぱり あの論説で? もちろん そうだ。 99 00:06:54,280 --> 00:06:57,320 それで これから 我々全員で 合議の上 抗議書を持って・ 100 00:06:57,320 --> 00:06:59,620 社長のところへ押しかけよう ということに なったんだ。 101 00:06:59,620 --> 00:07:02,530 それで 一応 小野寺さんにも 連絡を ということで。 102 00:07:02,530 --> 00:07:04,590 それは どうも わざわざ ありがとうございました。 103 00:07:04,590 --> 00:07:06,730 合議に参加する しないは 自由です。 104 00:07:06,730 --> 00:07:10,430 じゃあ 僕は急ぎますから。 失礼。 あ 三島さん あの…。 105 00:07:15,070 --> 00:07:17,910 どうするんだ? 106 00:07:17,910 --> 00:07:20,740 松浪先生が せっかく いらしてるのに…。 107 00:07:20,740 --> 00:07:25,920 どうすれば いい? その判断は 君自身でしなさい。 108 00:07:25,920 --> 00:07:31,620 自分にとって 今 どちらが大事か よく考えて 決めなさい。 109 00:07:37,260 --> 00:07:41,930 先生を お招きしておきながら 本当に失礼なことですけど・ 110 00:07:41,930 --> 00:07:45,600 私 やっぱり 社へ参ります。 111 00:07:45,600 --> 00:07:49,810 先生 本当に申し訳ありません。 112 00:07:51,470 --> 00:07:55,610 もう これで しばらく お会いできないんですね。 113 00:07:55,610 --> 00:08:00,380 先生… こんな自分勝手な私を・ 114 00:08:00,380 --> 00:08:03,220 どうか 許してください。 115 00:08:03,220 --> 00:08:07,720 どうか… お元気で。 116 00:08:07,720 --> 00:08:10,760 おりんさん。 117 00:08:10,760 --> 00:08:15,900 あなたの目は 今 とても 輝いています。 118 00:08:15,900 --> 00:08:17,830 先生…。 119 00:08:17,830 --> 00:08:25,570 自分の求める心を大切に 正直に 誠実に 生きてください。 120 00:08:25,570 --> 00:08:28,910 随分 昔にも 君に 同じようなことを・ 121 00:08:28,910 --> 00:08:31,410 言ったような気がするな。・ 122 00:08:31,410 --> 00:08:34,750 ささ 急いで いらっしゃい。・ 123 00:08:34,750 --> 00:08:37,750 津村さんに よろしく。 124 00:08:40,420 --> 00:08:44,090 皆さん すみません。 こっちのことは 心配するな。 125 00:08:44,090 --> 00:08:46,130 そうよ。 こっちは 役者が そろってるわ。 126 00:08:46,130 --> 00:08:50,630 すみません。 それじゃ 行かせていただきます。 127 00:09:01,040 --> 00:09:03,750 どうも 失礼いたしました。 128 00:09:10,220 --> 00:09:14,890 (波多野)この抗議書に 署名した以上 処罰は覚悟だぞ。 129 00:09:14,890 --> 00:09:17,560 分かってるな? はい。 130 00:09:17,560 --> 00:09:20,400 (北村)よし 抗議書を 当局に持っていく希望者・ 131 00:09:20,400 --> 00:09:22,900 ちょっと手を挙げてくれ。 ひぃ ふぅ…。 132 00:09:22,900 --> 00:09:26,570 7名全員か! ・1名追加 お願いします。 133 00:09:26,570 --> 00:09:29,470 おりんさん! いや~ 来た 来た! 134 00:09:29,470 --> 00:09:34,080 よし ここに署名を。 はい。 135 00:09:34,080 --> 00:09:37,110 ここだ ここだ。 はい。 136 00:09:37,110 --> 00:09:40,420 さあ 行こう! よし! よし! 137 00:09:42,420 --> 00:09:47,290 あなたには 改めて お礼を 申し上げねばならない。 138 00:09:47,290 --> 00:09:50,930 お礼…? 何のことでしょうか。 139 00:09:50,930 --> 00:09:55,260 随分 昔… 仙台のころの話ですが・ 140 00:09:55,260 --> 00:09:57,930 私が病気で倒れた時に・ 141 00:09:57,930 --> 00:10:00,970 あなたが背負って 家まで運んでくださった。 142 00:10:00,970 --> 00:10:03,810 ああ あの時のことですか。 143 00:10:03,810 --> 00:10:07,280 私は ただ 先生を お運びしただけです。 144 00:10:07,280 --> 00:10:11,950 あの時 もうろうとした 意識の中で・ 145 00:10:11,950 --> 00:10:14,620 あなたの 大きく温かい背中が・ 146 00:10:14,620 --> 00:10:17,650 ひどく心強かったことを 今も 覚えています。 147 00:10:17,650 --> 00:10:21,390 そうですか… ただ 大きいだけで…。 148 00:10:21,390 --> 00:10:28,800 いや… あなたの その大きな背の 後ろに かばわれた人たちは・ 149 00:10:28,800 --> 00:10:35,670 きっと あの時の私のように どんなにか 心強いか…。 150 00:10:35,670 --> 00:10:41,310 その人たちは 幸せな人たちです。 151 00:10:41,310 --> 00:10:43,610 そうでしょうか…。 152 00:10:45,980 --> 00:10:52,320 私が こんなことを申し上げるのは 筋違いかもしれません。 153 00:10:52,320 --> 00:10:57,660 でも おりんさんの 幸せそうな様子を見ていると・ 154 00:10:57,660 --> 00:11:01,530 本当に うれしいんです。 155 00:11:01,530 --> 00:11:07,740 おりんは… 幸せでしょうか? 156 00:11:13,140 --> 00:11:17,450 自由な伸びやかな心で・ 157 00:11:17,450 --> 00:11:20,480 間違いのない判断を 下せる人間に・ 158 00:11:20,480 --> 00:11:23,790 不幸な者は おりません。 159 00:11:23,790 --> 00:11:27,660 あなたの 心強い支えが・ 160 00:11:27,660 --> 00:11:31,960 おりんさんを あのように 成長させたのだと思います。 161 00:11:35,300 --> 00:11:41,470 おりんの生き方の 最初の道を つけてくださったのは 先生です。 162 00:11:41,470 --> 00:11:46,810 あの はね駒が 道を間違えることもなく・ 163 00:11:46,810 --> 00:11:51,310 ああして 自分の心に正直に はねてこられたのも・ 164 00:11:51,310 --> 00:11:55,150 先生の おかげです。 ありがとうございました。 165 00:11:55,150 --> 00:11:58,050 いえ 私など 何も…。 166 00:11:58,050 --> 00:12:05,760 先生。 おりんは 先生のことを お慕いしていました。 167 00:12:05,760 --> 00:12:09,430 そして…。 そして 今・ 168 00:12:09,430 --> 00:12:14,270 おりんさんが だれを どんなに愛しているかも・ 169 00:12:14,270 --> 00:12:17,070 私には よく分かります。 170 00:12:21,940 --> 00:12:26,750 あなた方は 本当に いい ご夫婦です。 171 00:12:31,120 --> 00:12:33,790 お二人に お会いできただけでも・ 172 00:12:33,790 --> 00:12:39,460 私は 日本に帰ってきたかいが あったと そう思っています。 173 00:12:39,460 --> 00:12:45,130 お二人が 末永く 幸せでありますように・ 174 00:12:45,130 --> 00:12:48,470 私は お祈り申し上げております。 175 00:12:48,470 --> 00:12:50,970 先生…。 176 00:12:57,810 --> 00:13:01,320 今日は 本当に ごめんなさい。 わがまましてしまって。 177 00:13:02,790 --> 00:13:06,420 おい 俺の背中 どう思う? 178 00:13:06,420 --> 00:13:08,920 え? 背中? うん。 179 00:13:08,920 --> 00:13:11,830 あなたの? 180 00:13:11,830 --> 00:13:16,430 どう思う? ほら。 181 00:13:16,430 --> 00:13:20,440 でかい。 それだけ? 182 00:13:24,170 --> 00:13:27,610 あったかい。 それから? 183 00:13:27,610 --> 00:13:31,950 な… なあに? 背中が どうかしたの? 184 00:13:31,950 --> 00:13:35,620 いや… まあ いいさ。 185 00:13:35,620 --> 00:13:38,520 変なの。 186 00:13:38,520 --> 00:13:42,390 ・(弘)お父さん お母さん。 187 00:13:42,390 --> 00:13:45,630 何だ? おやすみなさい。 188 00:13:45,630 --> 00:13:48,460 おやすみなさい。 おやすみ。 189 00:13:48,460 --> 00:13:53,800 どうしたの? 僕 明日から 学校に行きます。 190 00:13:53,800 --> 00:13:56,310 弘…。 191 00:14:08,750 --> 00:14:11,650 あなた…。 192 00:14:11,650 --> 00:14:54,930 ・~