1 00:00:10,450 --> 00:00:30,470 ・~ 2 00:00:30,470 --> 00:00:50,490 ・~ 3 00:00:50,490 --> 00:01:10,390 ・~ 4 00:01:11,445 --> 00:01:14,114 (鳥の鳴き声) 5 00:01:14,114 --> 00:01:16,783 (ナレーター)<夜半の雨も上がって・ 6 00:01:16,783 --> 00:01:23,783 朝の江戸の町は 奇妙なほど ひっそりと静まりかえっていた> 7 00:01:26,793 --> 00:01:37,137 ・~ 8 00:01:37,137 --> 00:01:39,137 とんでもねえことが! 9 00:01:46,480 --> 00:01:50,484 (戸が開く音) 親分! あれ? あっ… 10 00:01:50,484 --> 00:01:55,489 親分 とんでもねえことが (半七)なんだよ 騒々しいな 11 00:01:55,489 --> 00:01:58,158 いや 浮かんでるんですよ あおみどろの中に 12 00:01:58,158 --> 00:02:00,494 こう ぬらぬらと伸びて… 何が? 13 00:02:00,494 --> 00:02:04,164 帯ですよ 帯 帯? 14 00:02:04,164 --> 00:02:08,435 市谷 月桂寺の西 帯取りの池に 因縁話そのままに・ 15 00:02:08,435 --> 00:02:12,439 派手な帯が こう 蛇みたいに・ 16 00:02:12,439 --> 00:02:16,777 池の主が帯に化けて 行き来の人を 池の底に引きずり込む・ 17 00:02:16,777 --> 00:02:19,780 あっしらは子どものときから その話を聞かされてるんで・ 18 00:02:19,780 --> 00:02:23,784 それだけに みんな背筋を寒くして 大騒ぎをしてるんですよ 19 00:02:23,784 --> 00:02:36,084 ・~ 20 00:02:37,464 --> 00:02:40,801 親分 あっしの話は 耳に入ったんですかい? 21 00:02:40,801 --> 00:02:43,804 分かった 分かった 帯取りの池の話は もう分かったよ 22 00:02:43,804 --> 00:02:47,474 いや だったらね だから その池は 昔からね… 23 00:02:47,474 --> 00:02:51,144 松 江戸にはな 物好きな奴がいるんだ 24 00:02:51,144 --> 00:02:54,481 おおかた 誰かのいたずらだろうよ 25 00:02:54,481 --> 00:02:56,483 親分! ・ おう 26 00:02:56,483 --> 00:03:00,821 開けっ放しじゃないの 不用心よ・ 27 00:03:00,821 --> 00:03:03,490 おや 1人じゃなかったの? いけなかったかい? 28 00:03:03,490 --> 00:03:07,094 ふんっ どうせ あっしは お邪魔でしょうよ 29 00:03:07,094 --> 00:03:09,429 松吉さんったら フフッ 30 00:03:09,429 --> 00:03:12,766 今日はね ちょっと いたずらしてみたの 31 00:03:12,766 --> 00:03:15,769 あさりのぬた 32 00:03:15,769 --> 00:03:17,769 へえ~ 33 00:03:22,442 --> 00:03:25,445 ほんとだ お仙ちゃんにしちゃ上出来だ 34 00:03:25,445 --> 00:03:30,117 んんっ お行儀悪いのね (松吉)冗談じゃねえや 35 00:03:30,117 --> 00:03:34,121 親分 帯は 真新しい上等なやつなんですよ 36 00:03:34,121 --> 00:03:37,791 松 お仙ちゃんが こんな おつなもん持ってきてくれたんだ 37 00:03:37,791 --> 00:03:41,128 おめえも食ってみな? (松吉)ああ もう… 38 00:03:41,128 --> 00:03:43,797 (戸が開く音) 親分! 39 00:03:43,797 --> 00:03:45,799 人殺しですよ 何? 40 00:03:45,799 --> 00:03:49,136 場所は市谷 合羽坂 殺されたのは若い娘で 41 00:03:49,136 --> 00:03:53,140 これらしいんで おい! 42 00:03:53,140 --> 00:04:13,093 ・~ 43 00:04:13,093 --> 00:04:19,099 ・~ 44 00:04:19,099 --> 00:04:22,436 おっ 旦那! (岡崎)半七! 待っていたぞ 45 00:04:22,436 --> 00:04:26,440 松 庭を見てみろ へい 46 00:04:26,440 --> 00:04:29,440 おめえは聞き込んでこい へい 47 00:04:41,121 --> 00:04:43,457 ちょっと ゆんべのこと 聞かしてくんねえか? 48 00:04:43,457 --> 00:04:51,057 おゆきといってな 年は二十歳だ そこにいんのが母親のおちかだ・ 49 00:04:52,466 --> 00:04:57,137 こっちが… (喜助)大家の喜助と申します 50 00:04:57,137 --> 00:05:02,142 うん 絞め殺されたのは ゆうべだな 51 00:05:02,142 --> 00:05:06,079 昨日 練馬の親戚に急用ができまして・ 52 00:05:06,079 --> 00:05:09,082 あたしだけ泊まりまして 53 00:05:09,082 --> 00:05:14,087 先ほど 戻ってまいりますと おゆきが この始末 54 00:05:14,087 --> 00:05:17,090 帯は どうなすった? (おちか)はい それが… 55 00:05:17,090 --> 00:05:21,761 いや その帯だが はなから なかったんだよ 56 00:05:21,761 --> 00:05:26,099 帯がねえ? その帯は ひわ色の地に 57 00:05:26,099 --> 00:05:28,768 水と なでしこの模様のやつじゃ ねえのかい? 58 00:05:28,768 --> 00:05:31,771 どうして それを? (松吉)親分 それだ 59 00:05:31,771 --> 00:05:36,109 その帯は この近くの 帯取りの池に浮かんでいたんだ 60 00:05:36,109 --> 00:05:39,779 帯取りの池? そりゃなんだ? 61 00:05:39,779 --> 00:05:42,782 いや それなんですがね… 62 00:05:42,782 --> 00:05:51,791 ・~ 63 00:05:51,791 --> 00:05:54,461 この傷は? 64 00:05:54,461 --> 00:06:01,134 ・~ 65 00:06:01,134 --> 00:06:04,471 ともかく 自身番で詳しく話を聞こうかい 66 00:06:04,471 --> 00:06:08,074 じゃあ 下手人の心当たりはねえんだな 67 00:06:08,074 --> 00:06:11,745 はい なら あの傷は なんなんだ? 68 00:06:11,745 --> 00:06:14,745 肩から背中にかけての… 69 00:06:17,083 --> 00:06:23,089 どうだ? 松 どうも やりにくいや 親分 70 00:06:23,089 --> 00:06:27,427 誰に聞いても 素直で優しい娘で 評判の親孝行 71 00:06:27,427 --> 00:06:30,427 人に恨まれるわけはねえってんで う~ん 72 00:06:32,766 --> 00:06:35,769 盗まれたものは 1つもねえと言ったな? 73 00:06:35,769 --> 00:06:39,439 はい 盗みでなきゃ恨みだが 74 00:06:39,439 --> 00:06:42,439 それも心当たりがねえとなると… 75 00:06:45,111 --> 00:06:49,411 おちか 娘が締めておったのは これか? 76 00:06:51,451 --> 00:06:53,453 (おちか)どうして これを?・ 77 00:06:53,453 --> 00:06:58,458 間違いございません (岡崎)ああ 78 00:06:58,458 --> 00:07:04,130 半七のう 帯取りの池の横手に 紀州さまの中屋敷がある 79 00:07:04,130 --> 00:07:07,400 拾い上げたのは そこのご家中なんだ 80 00:07:07,400 --> 00:07:10,070 辻番所に預けてあったんだよ 81 00:07:10,070 --> 00:07:12,072 松 へい 82 00:07:12,072 --> 00:07:15,075 合羽坂 行って 洗い直してこい (松吉)へい 83 00:07:15,075 --> 00:07:19,079 そうか… 84 00:07:19,079 --> 00:07:22,749 なるほど 結構な帯だ 85 00:07:22,749 --> 00:07:27,754 こんな帯が似合う娘 さぞ かわいかったろうに 86 00:07:27,754 --> 00:07:30,090 殺生なことをしやがる 87 00:07:30,090 --> 00:07:34,761 いくら殿様でも… 殿様? 88 00:07:34,761 --> 00:07:37,097 お前さん 今 殿様と言ったね 89 00:07:37,097 --> 00:07:42,435 いえ… あの… 90 00:07:42,435 --> 00:07:46,773 娘さんが かわいそうじゃねえのかい えっ? 91 00:07:46,773 --> 00:07:50,443 娘の仇を討ちたくねえのかい? 92 00:07:50,443 --> 00:07:53,780 どんなに 義理や恩義があるか知れねえが 93 00:07:53,780 --> 00:07:58,118 それじゃ 娘さんが成仏できねえぜ 94 00:07:58,118 --> 00:08:01,788 娘を殺したのは大久保の殿様です 95 00:08:01,788 --> 00:08:05,458 いえ… きっと そうに違いありません 96 00:08:05,458 --> 00:08:09,729 大久保の殿様? はい 97 00:08:09,729 --> 00:08:13,733 雑司が谷に下屋敷がございます 98 00:08:13,733 --> 00:08:16,736 大久保式部さまという 1000石取りの 99 00:08:16,736 --> 00:08:20,073 ご隠居さまでございます 100 00:08:20,073 --> 00:08:25,412 ・~ 101 00:08:25,412 --> 00:08:30,750 娘は ご隠居さまのご寵愛を 受けていました 102 00:08:30,750 --> 00:08:35,422 そうだったのかい 娘さんは大久保の通い女を? 103 00:08:35,422 --> 00:08:41,761 はい あたくしが1年ほど前 大病をして 104 00:08:41,761 --> 00:08:44,764 その日の暮らしにも 事欠くようになって 105 00:08:44,764 --> 00:08:49,102 だが 旗本のご隠居が なぜ? 106 00:08:49,102 --> 00:08:55,775 練馬の親戚に急病人ができまして 大急ぎで身支度をしていますと… 107 00:08:55,775 --> 00:09:01,781 《おゆき 何かあったのかい? お屋敷で》 108 00:09:01,781 --> 00:09:05,118 《黙ってちゃ 分からないじゃないか》 109 00:09:05,118 --> 00:09:07,721 《いったい 何があったんだ…》 110 00:09:07,721 --> 00:09:12,726 《まあ この傷は?》 (おゆき)《いいのよ ほっといて》 111 00:09:12,726 --> 00:09:17,063 《そんな どうしてこんなことを いくら 殿様でも!》 112 00:09:17,063 --> 00:09:20,734 《悪いのは あたしなの たとえ お手討ちになったって》 113 00:09:20,734 --> 00:09:24,738 (おちか)《何を言うんだよ おゆき さあ 話してごらん?・ 114 00:09:24,738 --> 00:09:27,073 なぜ 黙ってるんだよ・ 115 00:09:27,073 --> 00:09:31,411 何があったか知らないけど 大事な娘を これほどまでに…》 116 00:09:31,411 --> 00:09:36,082 《おっ母さん あたしは殿様に体を売った女よ》 117 00:09:36,082 --> 00:09:38,084 (おちか)《おゆき…》 118 00:09:38,084 --> 00:09:41,087 《どうされようと 文句を言える立場じゃないのよ》 119 00:09:41,087 --> 00:09:46,092 ・~ 120 00:09:46,092 --> 00:09:52,766 《大丈夫よ あたし なんとか切り抜けてみせる》 121 00:09:52,766 --> 00:09:55,101 《1年間の妾奉公で・ 122 00:09:55,101 --> 00:09:59,439 少しは大人になったつもりよ 気にしないで》 123 00:09:59,439 --> 00:10:05,111 半七 この一件 ほどほどにしてくれんか 124 00:10:05,111 --> 00:10:08,448 旦那! 深入りしてだ 125 00:10:08,448 --> 00:10:12,118 たとえ 下手人が割れたとしても 126 00:10:12,118 --> 00:10:18,124 我々 町方には 旗本にしろ 御家人にしろ 127 00:10:18,124 --> 00:10:21,461 相手がそれじゃあ 指一本 触れることはできん 128 00:10:21,461 --> 00:10:24,130 でも れっきとした証拠がありゃ お奉行所から お目付へ 129 00:10:24,130 --> 00:10:26,800 話をつけることはできますぜ 理屈では そうだ 130 00:10:26,800 --> 00:10:29,469 しかし 今まで 1つとして そんなことが 131 00:10:29,469 --> 00:10:31,471 通ったためしがあったか いや しかし… 132 00:10:31,471 --> 00:10:35,141 1つや2つの証拠を 突きつけてもだ 133 00:10:35,141 --> 00:10:38,478 相手に 知らぬ存ぜぬと 突っぱねられたら 134 00:10:38,478 --> 00:10:40,814 こっちは お手上げなんだ 135 00:10:40,814 --> 00:10:46,820 おゆきは自害なんだ 自分で首をくくって死んだんだ 136 00:10:46,820 --> 00:10:52,120 いいか 半七 おゆきは人に殺されたんじゃない 137 00:10:54,828 --> 00:10:57,163 自害なんだよ 138 00:10:57,163 --> 00:11:05,772 ・~ 139 00:11:05,772 --> 00:11:10,777 (おちかの泣き声) 140 00:11:10,777 --> 00:11:21,120 ・~ 141 00:11:21,120 --> 00:11:23,120 あれ? 庭かな? 142 00:11:25,458 --> 00:11:28,461 というと あの半七の奴は 143 00:11:28,461 --> 00:11:33,466 おゆき殺しの一件から 手を引いたってことかい? 144 00:11:33,466 --> 00:11:38,471 へえ… 若親分の気性じゃ 納得できねえことでしょうが 145 00:11:38,471 --> 00:11:41,808 何せ 旗本のご大身の隠居が 関わり合っているとなると 146 00:11:41,808 --> 00:11:45,478 フッ 旗本なら町人の娘 1人や2人 147 00:11:45,478 --> 00:11:50,149 殺してもかまわねえってことかい (熊蔵)ハッ やだなあ おやじさん 148 00:11:50,149 --> 00:11:53,820 んっ? どうした? (熊蔵)とぼけねえでくださいよ 149 00:11:53,820 --> 00:11:57,156 今でこそ ご隠居さまだが 4~5年前までは 150 00:11:57,156 --> 00:12:00,159 吉五郎親分といえば 江戸きっての岡っ引きだ・ 151 00:12:00,159 --> 00:12:03,162 その親分だって せっかく追い込んだ下手人が・ 152 00:12:03,162 --> 00:12:06,766 旗本だと分かって 歯がみをして悔しがったことが・ 153 00:12:06,766 --> 00:12:09,435 1度や2度じゃねえはずですぜ (吉五郎)違えねえ 154 00:12:09,435 --> 00:12:13,439 あの折には おめえにも つらい思いをさせちまったなあ 155 00:12:13,439 --> 00:12:16,776 (お仙) お父っつぁん お茶が入ったわ 156 00:12:16,776 --> 00:12:19,445 半七は もう 今頃は ふてくさって 157 00:12:19,445 --> 00:12:22,115 昼寝でもしてるだろう ハハハッ 158 00:12:22,115 --> 00:12:24,784 (お仙)あの人なら さっき 鬼子母神様へ出かけたわ 159 00:12:24,784 --> 00:12:27,453 えっ? 鬼子母神へ? (お仙)うん 160 00:12:27,453 --> 00:12:29,789 お参りなら あたしもって言ったんだけど 161 00:12:29,789 --> 00:12:34,460 今日は御用の筋だ とかなんとか 調子のいいこと言ってさ 162 00:12:34,460 --> 00:12:36,462 おい 熊 (熊蔵)へい 163 00:12:36,462 --> 00:12:39,799 半七は この一件は諦めちゃいねえぜ 164 00:12:39,799 --> 00:12:44,799 ・~ 165 00:17:56,382 --> 00:18:01,053 ほ~う 結構な人出ですね うん 166 00:18:01,053 --> 00:18:06,058 あっ 親分 出てきましたよ 大年増に小粋なあにい・ 167 00:18:06,058 --> 00:18:09,395 ちくしょう うめえことやってやんなあ・ 168 00:18:09,395 --> 00:18:11,397 どうです? みんな出合い茶屋ですぜ 169 00:18:11,397 --> 00:18:15,067 なんですかい この鬼子母神 ってのは 色恋の神様ですかい? 170 00:18:15,067 --> 00:18:19,071 あっ! また入っていきやがった うるせえな 少し黙って歩けよ 171 00:18:19,071 --> 00:18:25,411 (お登久)おや 三河町の親分さん! お登久さん こりゃどうも 172 00:18:25,411 --> 00:18:28,748 親分が 鬼子母神様を ご信心なすってるなんて 173 00:18:28,748 --> 00:18:31,751 思いもしませんでしたよ ウフフフッ 174 00:18:31,751 --> 00:18:33,753 なあに ちょっと ぶらついてるだけで 175 00:18:33,753 --> 00:18:36,088 で お参りですかい? はい 176 00:18:36,088 --> 00:18:39,425 文字房師匠は お元気なんですか? もう相変わらずですよ 177 00:18:39,425 --> 00:18:41,761 アハハッ ようござんすわねえ 178 00:18:41,761 --> 00:18:44,764 親分さんみたいに 頼りになる弟さんがいらして 179 00:18:44,764 --> 00:18:49,364 ウフフッ… じゃ いずれ ごめんなすって 180 00:18:56,375 --> 00:19:00,713 (松吉)いい女ですねえ うん 杵屋お登久といって 181 00:19:00,713 --> 00:19:05,718 長唄の師匠だ へえ~ どうりで色っぽいわけだ 182 00:19:05,718 --> 00:19:08,054 相当 男が手玉に取られた ってわけですかい? 183 00:19:08,054 --> 00:19:10,723 と言いてえところだが 姉さんの話じゃ 184 00:19:10,723 --> 00:19:16,062 身持ちの堅え しっかり者だそうだ へえ~ 185 00:19:16,062 --> 00:19:20,399 市谷 仲之町… 市谷 仲之町? 186 00:19:20,399 --> 00:19:23,069 あの女の住めえだ 187 00:19:23,069 --> 00:19:27,406 そうか するってえと おゆきのうちとは目と鼻だ 188 00:19:27,406 --> 00:19:32,745 ・~ 189 00:19:32,745 --> 00:19:36,082 相当 広えな ここは? 190 00:19:36,082 --> 00:19:39,752 おゆきが通い女として出入りした 旗本の下屋敷だよ 191 00:19:39,752 --> 00:19:42,421 ああっ! 大久保式部の? うん 192 00:19:42,421 --> 00:19:44,423 (戸が開く音) 193 00:19:44,423 --> 00:19:54,433 ・~ 194 00:19:54,433 --> 00:19:57,703 あの ちょっと あの すみませんが… 195 00:19:57,703 --> 00:20:00,373 何者だ? お前たちは いえ その… 196 00:20:00,373 --> 00:20:04,710 なにゆえ 当屋敷を嗅ぎ回る? 言え 訳を言え 197 00:20:04,710 --> 00:20:07,046 いや 別に あっしたちは… とぼけるな! 198 00:20:07,046 --> 00:20:09,715 何 言ってやんでい ここは天下の往来だ 199 00:20:09,715 --> 00:20:11,717 どこを歩こうと こちとらの勝手だい 200 00:20:11,717 --> 00:20:13,719 貴様… (松吉)親分 201 00:20:13,719 --> 00:20:15,721 こんな分からず屋 相手にしたって さあ 行きやしょう 202 00:20:15,721 --> 00:20:18,724 おのれ 武士に向かって! 203 00:20:18,724 --> 00:20:21,727 何しやがんだ この野郎! 松 やめろ 松! 204 00:20:21,727 --> 00:20:24,730 思ったとおり 町方か (松吉)町方がどうした! 205 00:20:24,730 --> 00:20:27,733 やめろ (家臣)おのれ! 206 00:20:27,733 --> 00:20:34,740 ・~ 207 00:20:34,740 --> 00:20:39,078 待て! 引け 引け! (家臣)しかし 村上さん… 208 00:20:39,078 --> 00:20:43,082 いいから引けと申すに! 209 00:20:43,082 --> 00:20:48,754 名前は? そのほうの名だ 210 00:20:48,754 --> 00:20:55,094 三河町の半七と申します 半七 211 00:20:55,094 --> 00:21:00,032 分かった 行け へい 212 00:21:00,032 --> 00:21:14,046 ・~ 213 00:21:14,046 --> 00:21:16,715 (岡崎の声) 十手を振りかざした小者が・ 214 00:21:16,715 --> 00:21:19,385 いわくありげに 当屋敷の周りを徘徊 215 00:21:19,385 --> 00:21:24,723 迷惑千万だと 大久保家から 奉行所へ文句をつけてきた 216 00:21:24,723 --> 00:21:27,059 いや あっしは ただ… ただ なんだ! 217 00:21:27,059 --> 00:21:29,061 わしは言ったではないか 218 00:21:29,061 --> 00:21:31,730 あんな所 つきまとったら ろくなことはない 219 00:21:31,730 --> 00:21:34,400 それは まあ じゅうじゅう承知しております 220 00:21:34,400 --> 00:21:38,070 しかし 人 1人が殺されてるんです 221 00:21:38,070 --> 00:21:42,074 どういう訳があって折檻を受け どうして殺されたかを 222 00:21:42,074 --> 00:21:45,077 まあ そう四角四面に肩ひじを張るな 223 00:21:45,077 --> 00:21:50,416 向こうは1000石取りのご大身 こっちは しがない町方だ 224 00:21:50,416 --> 00:21:53,752 諦めろ! 冗談じゃござんせん! 225 00:21:53,752 --> 00:21:56,355 じゃあ お武家なら どんな 無法でも通るってんですかい 226 00:21:56,355 --> 00:21:59,692 何? 百姓 町人だって人間です 227 00:21:59,692 --> 00:22:02,361 犬や猫じゃねえんだい! 半七! 228 00:22:02,361 --> 00:22:05,698 お前 わしに文句をつけるのか 229 00:22:05,698 --> 00:22:09,034 ご公儀のやり方に逆らう以上 230 00:22:09,034 --> 00:22:16,375 お前の十手 捕り縄は 取り上げるかもしれんからな 231 00:22:16,375 --> 00:22:21,046 旦那! いつでも お返ししますぜ 232 00:22:21,046 --> 00:22:27,052 ・~ 233 00:22:27,052 --> 00:22:32,052 何が ご公儀だ こんな話ってあるかい! 234 00:22:35,728 --> 00:22:39,064 (太鼓の音) 当たり~! 235 00:22:39,064 --> 00:22:41,066 (善八)およしちゃん (およし)何? 236 00:22:41,066 --> 00:22:46,071 ちょっと ちょっと ちょっと ちょっと ちょっと… 237 00:22:46,071 --> 00:22:50,743 (およし)おのぶちゃん お願いね (善八)いいから ちょっと… 238 00:22:50,743 --> 00:22:53,746 ヘヘヘヘッ え~ はい! 239 00:22:53,746 --> 00:22:56,682 あら 目黒不動の富くじ これ あたしに? 240 00:22:56,682 --> 00:22:58,684 決まってるじゃねえか 来月の9日だい 241 00:22:58,684 --> 00:23:01,020 うまくいきゃあ ぽ~んと1000両 242 00:23:01,020 --> 00:23:03,355 およしちゃん 一緒に行こうよ なっ? 243 00:23:03,355 --> 00:23:06,358 えっ? 善八さんと2人っきりで? (善八)うん 244 00:23:06,358 --> 00:23:10,362 あそこの名物は 御福の餅に 独鈷の滝に 鷹居の松だよ 245 00:23:10,362 --> 00:23:13,365 こう2人でね こう… (おふじ)ちょいと 246 00:23:13,365 --> 00:23:16,368 富くじの1枚や2枚で うちの娘を釣ろうったって 247 00:23:16,368 --> 00:23:20,372 少し 見え透いた魂胆だよ (善八)ああ やだな おかみさんは 248 00:23:20,372 --> 00:23:23,042 ねえねえねえ そんなことより 合羽坂のおゆき殺しの一件は 249 00:23:23,042 --> 00:23:25,044 どうなったのさ (善八)んなことは 俺なんかより 250 00:23:25,044 --> 00:23:28,047 熊あにいに聞いてくれよ (おふじ)機嫌が悪くなるんだよ 251 00:23:28,047 --> 00:23:30,716 その話を持ち出すと うちの人は 252 00:23:30,716 --> 00:23:34,386 ねえ あの話 やっぱり本当だって (善八)本当? 253 00:23:34,386 --> 00:23:37,389 うん 帯取りの池の中に主がいるって 254 00:23:37,389 --> 00:23:40,059 ほら この前のおゆきさんって人 その池の主に 255 00:23:40,059 --> 00:23:43,062 取り殺されたんだって (善八)そんな ばかな 256 00:23:43,062 --> 00:23:45,731 けど 店に来るお客さん みんな そう言ってるよ 257 00:23:45,731 --> 00:23:48,067 そう思いたくもなるじゃないか 258 00:23:48,067 --> 00:23:51,737 殺されたのは 評判の孝行娘で気立てはよし 259 00:23:51,737 --> 00:23:55,674 誰一人 あの娘さんに恨みを持とう なんて人は いないってんだから! 260 00:23:55,674 --> 00:23:58,344 う~ん そりゃまあ… 261 00:23:58,344 --> 00:24:03,015 それにさあ 派手に乗り出した三河町の半… 262 00:24:03,015 --> 00:24:06,352 半七親分は あれっきり うんともすんとも 263 00:24:06,352 --> 00:24:08,687 ねえねえねえ 親分どうしてんの? このごろ 264 00:24:08,687 --> 00:24:10,689 つまらねえ御託 並べてるんじゃねえ 265 00:24:10,689 --> 00:24:12,691 客の相手しねえかい 266 00:24:12,691 --> 00:24:16,695 およし (およし)はい 267 00:24:16,695 --> 00:24:19,031 (男性)じゃあ おゆきは池の主に・ 268 00:24:19,031 --> 00:24:21,033 引きずり込まれそうになった ってわけかい 269 00:24:21,033 --> 00:24:23,702 いや 三公の話だと 270 00:24:23,702 --> 00:24:27,039 池の主が 通りかかった娘の帯に 取りついてな・ 271 00:24:27,039 --> 00:24:30,376 その帯を捨てて 命からがら 家へ逃げ帰ったってんだ 272 00:24:30,376 --> 00:24:35,714 (男性)へえ~ 恐ろしい話だね (男性)まったくねえ 273 00:24:35,714 --> 00:24:39,385 (吉五郎)めっぽう冷えるな 今夜は おう とっつぁん 1本つけてくれ 274 00:24:39,385 --> 00:24:42,721 (店主)はい おっ… おやじさん 275 00:24:42,721 --> 00:24:45,057 (吉五郎) ほっといてもいいのか? 半七 276 00:24:45,057 --> 00:24:49,728 えっ? あの帯取りの池の化け物の話だ 277 00:24:49,728 --> 00:24:51,728 おう 278 00:24:54,733 --> 00:24:58,070 まあ 袋小路へ追い込んだところで 279 00:24:58,070 --> 00:25:03,409 その先を突き破りゃ 旗本屋敷っていうことか? 280 00:25:03,409 --> 00:25:06,412 悔しいけど そのとおりで ヘヘヘッ 281 00:25:06,412 --> 00:25:09,081 …と おめえ 諦めちまったら 282 00:25:09,081 --> 00:25:13,085 帯取りの池の ばかっ話も 本物になるぜ 283 00:25:13,085 --> 00:25:18,424 えっ? やれ 妖怪だとか 化け物だとか 284 00:25:18,424 --> 00:25:22,428 騒ぎ立てりゃ 世の中の者は落ち着かなくならあ 285 00:25:22,428 --> 00:25:27,766 まあ 町方の者は町家の人を 守るのが役目じゃねえのかい? 286 00:25:27,766 --> 00:25:29,768 けど おやじさん… 287 00:25:29,768 --> 00:25:36,108 だがな 半七 今度の殺しは これは侍のやり口じゃねえな 288 00:25:36,108 --> 00:25:39,445 そうだろう? ご大身の旗本だって 289 00:25:39,445 --> 00:25:44,783 町人の娘の1人や2人 屋敷の中で お手討ちにもできらあ 290 00:25:44,783 --> 00:25:50,789 誰が好んで町家の裏長屋で 絞め殺さなきゃならねえんだ 291 00:25:50,789 --> 00:25:54,460 じゃあ おゆき殺しの下手人は… 292 00:25:54,460 --> 00:25:58,660 町人さ それも 思いがけねえ野郎だろうぜ 293 00:26:23,756 --> 00:26:26,759 旦那 何か ご用で? 294 00:26:26,759 --> 00:26:32,097 えっ? ああ… まあな 295 00:26:32,097 --> 00:26:35,100 つまり その… 296 00:26:35,100 --> 00:26:40,773 無性に お前の顔が見たくなってな 旦那… 297 00:26:40,773 --> 00:26:44,109 この間のことは勘弁してくれよ 298 00:26:44,109 --> 00:26:46,445 (くしゃみ) 299 00:26:46,445 --> 00:26:49,448 ああ こりゃいかん 300 00:26:49,448 --> 00:26:53,786 風邪ひいて寝込むかもしれんなあ 301 00:26:53,786 --> 00:26:58,390 その隙に 勝手なまねは許さんぞ 302 00:26:58,390 --> 00:27:03,690 すべての責めは わしが負うからな なっ? 303 00:29:15,427 --> 00:29:18,430 (善八)親分! おう 304 00:29:18,430 --> 00:29:22,100 何か分かったかい? へい おゆきのおふくろの話ですと 305 00:29:22,100 --> 00:29:24,770 あの日 おみよが一人だった ってことを知ってるのは 306 00:29:24,770 --> 00:29:26,772 市谷 仲之町の長唄の師匠で 307 00:29:26,772 --> 00:29:29,107 杵屋お登久という女だけ だったそうで 308 00:29:29,107 --> 00:29:31,109 杵屋お登久か… 309 00:29:31,109 --> 00:29:33,445 ああっ いや! いや 310 00:29:33,445 --> 00:29:38,450 なあ 師匠 (お登久)平さん いや やめて!・ 311 00:29:38,450 --> 00:29:40,786 何すんのよ (平造)ヘヘヘッ なあ…・ 312 00:29:40,786 --> 00:29:43,786 あっ いてて! (お登久)ううっ! 313 00:29:44,790 --> 00:29:47,793 おう そこだ へい 314 00:29:47,793 --> 00:29:51,396 この野郎! おう 315 00:29:51,396 --> 00:29:54,066 ・(戸が開く音) いや! いや やめて! 316 00:29:54,066 --> 00:29:56,735 (善八)おっ! (平造)何しやがんでい 317 00:29:56,735 --> 00:29:59,404 (善八)真っ昼間から とんでもねえ おう 師匠 318 00:29:59,404 --> 00:30:01,740 いってえ これは どうしたんだい 親分 こいつを自身番へ 319 00:30:01,740 --> 00:30:04,409 とにかく引っ立てろ (お登久)あの… あの 親分 あの… 320 00:30:04,409 --> 00:30:09,081 どうしたんだい? その すみません あの この人は… 321 00:30:09,081 --> 00:30:12,751 ちょっと 平さん なんとか お言いよ 322 00:30:12,751 --> 00:30:16,421 ハッ どうも 親分 とんでもねえとこ見しちまってよ 323 00:30:16,421 --> 00:30:19,424 ハハハハハッ… (お登久)ごめんなさい 324 00:30:19,424 --> 00:30:24,429 あの この人ね ちょっと腹に 据えかねることしたもんですから 325 00:30:24,429 --> 00:30:26,431 あたし 意地になっちまって… 326 00:30:26,431 --> 00:30:30,435 チェッ なんだよ この男 師匠の色かい 327 00:30:30,435 --> 00:30:33,438 お前さんの名は? 平造で へい 328 00:30:33,438 --> 00:30:36,775 あの 飾り職では腕はいいんですけど… 329 00:30:36,775 --> 00:30:40,779 住まいは? 小石川の音羽で 330 00:30:40,779 --> 00:30:43,379 それじゃ 親分 あっしは これで 331 00:30:49,788 --> 00:30:55,060 へ~え こいつは驚いたねえ 332 00:30:55,060 --> 00:30:59,064 アハッ いやですよ そんな目で 333 00:30:59,064 --> 00:31:02,401 あたしだって女ですからねえ ウフフッ 334 00:31:02,401 --> 00:31:05,404 ハハッ こら 違えねえや 335 00:31:05,404 --> 00:31:08,407 ところで おゆきちゃんが殺された日に 336 00:31:08,407 --> 00:31:10,742 師匠は おちかさんから… 337 00:31:10,742 --> 00:31:15,080 あっ そうなんですよ おちかさんから 338 00:31:15,080 --> 00:31:20,752 のっぴきならない用事で 留守をするから おゆきを頼むって 339 00:31:20,752 --> 00:31:24,089 気にはなってたんですけどねえ うん 340 00:31:24,089 --> 00:31:28,427 その晩は 風邪気味で とうとう 顔出しができなかったんです 341 00:31:28,427 --> 00:31:34,433 ふ~ん ほかに誰かに話したかい? いいえ 342 00:31:34,433 --> 00:31:38,437 ・(千次郎)ごめんくださいまし 343 00:31:38,437 --> 00:31:42,441 あっ お客さまで (お登久)千さん 344 00:31:42,441 --> 00:31:45,444 おう おめえは 質屋の手代の千次郎だったな 345 00:31:45,444 --> 00:31:47,779 あっ その節は どうも 346 00:31:47,779 --> 00:31:52,050 師匠 お頼まれした 三味線の出物がありましたもので 347 00:31:52,050 --> 00:31:56,054 あとで お店のほうへでも… それじゃ 348 00:31:56,054 --> 00:31:58,390 (お登久)ご苦労さま ウフフッ 349 00:31:58,390 --> 00:32:01,393 おゆきさんの幼なじみ という男だね? 350 00:32:01,393 --> 00:32:06,064 (お登久)そうなんです 若いに似ず律儀な働き者で・ 351 00:32:06,064 --> 00:32:09,067 あの質屋さんは 千さんで もってるようなもんですから・ 352 00:32:09,067 --> 00:32:12,067 ウフフフフフッ… 353 00:32:13,071 --> 00:32:17,075 お登久と平造 このへんから糸がほぐれそうだ 354 00:32:17,075 --> 00:32:20,745 熊 平造の あの晩の足取りだ 355 00:32:20,745 --> 00:32:23,748 平造の長屋には 源次を潜り込ませてある 356 00:32:23,748 --> 00:32:28,086 (熊蔵)へい… じゃ 頼むわ 357 00:32:28,086 --> 00:32:31,686 松 おめえは お登久だ (松吉)へい 358 00:32:33,091 --> 00:32:37,095 すると 平造さんは あの晩は? 359 00:32:37,095 --> 00:32:40,432 ええ 暮れ6つの鐘と一緒に 帰ってきてね 360 00:32:40,432 --> 00:32:42,767 そのまま寝たようでしたよ 361 00:32:42,767 --> 00:32:48,440 平さん 鼻が悪いのかね そのいびきの すごいのなんのって 362 00:32:48,440 --> 00:32:54,045 なんせ ぺらっぺらな薄壁だもの まあ うるさくて そりゃ 363 00:32:54,045 --> 00:32:57,716 明け方まで ず~っと 364 00:32:57,716 --> 00:33:02,316 そうかい こりゃどうも 世話をかけたね 365 00:33:04,723 --> 00:33:07,023 (女性)ご苦労さま 366 00:33:11,062 --> 00:33:13,398 (平造)すまねえ おかみさん 恩に着るぜ 367 00:33:13,398 --> 00:33:17,736 なあに いいってことさ でも いったい何やらかしたのさ あの晩 368 00:33:17,736 --> 00:33:20,405 (平造) んっ? ハハッ 何 ちょっとね 369 00:33:20,405 --> 00:33:22,407 (女性)だって 朝帰りだったよ 370 00:33:22,407 --> 00:33:25,410 (平造)おう 実は そのことなんだけどよ・ 371 00:33:25,410 --> 00:33:30,749 頼むぜ また 岡っ引きが 顔出すかもしれねえけどよ・ 372 00:33:30,749 --> 00:33:32,751 じゃあ 373 00:33:32,751 --> 00:33:34,753 なるほど 374 00:33:34,753 --> 00:33:37,756 するってえと 奴は明け方まで… そうなんですよ 375 00:33:37,756 --> 00:33:41,756 何かなけりゃ ああまで隠し立て することはねえはずなんです 376 00:33:44,429 --> 00:33:47,432 じゃあ 頼んだぜ へい 377 00:33:47,432 --> 00:33:59,711 ・~ 378 00:33:59,711 --> 00:34:02,311 おい (善八)へい 379 00:34:06,051 --> 00:34:09,054 どうした? ちくしょう ずらかりやがった 380 00:34:09,054 --> 00:34:29,074 ・~ 381 00:34:29,074 --> 00:34:49,094 ・~ 382 00:34:49,094 --> 00:34:58,994 ・~ 383 00:35:04,376 --> 00:35:08,380 師匠 いけねえや 半七の奴 とうとう嗅ぎつけやがったぜ 384 00:35:08,380 --> 00:35:10,382 残りの10両 ここに持ってきたよ 385 00:35:10,382 --> 00:35:13,385 さっ これを持って どこへなりと逃げておくれ 386 00:35:13,385 --> 00:35:18,056 おっと 俺一人じゃ行かねえぜ (お登久)平さん ちょっと… 387 00:35:18,056 --> 00:35:21,726 確かに 俺は おめえに頼まれて おゆきを殺した 388 00:35:21,726 --> 00:35:27,065 だがな 20両の礼金 目当てに やったんじゃねえんだ 389 00:35:27,065 --> 00:35:29,734 おめえの体が欲しかったんだ 390 00:35:29,734 --> 00:35:32,737 あたしゃね お前なんかと まっぴらだよ! 391 00:35:32,737 --> 00:35:35,073 何を? (お登久)あたしにはねえ 392 00:35:35,073 --> 00:35:38,410 とうから ちゃ~んと 心に決めた男がいるのさ・ 393 00:35:38,410 --> 00:35:40,412 おゆきをやったんだって その男のためさ 394 00:35:40,412 --> 00:35:48,420 そうかい そうなりゃ こっちも腕ずくでいくまでだ 395 00:35:48,420 --> 00:35:51,022 おっと 待ちなよ (お登久)何すんのさ! いや! 396 00:35:51,022 --> 00:35:53,024 (平造)いいから こっち来るんだよ (お登久)やめて 放して! 397 00:35:53,024 --> 00:35:55,024 (平造)ハッ! 398 00:35:58,697 --> 00:36:02,297 なるほど そういう筋書きだったのかい 399 00:36:04,035 --> 00:36:07,372 (平造)野郎! (松吉)静かにしやがれ この野郎! 400 00:36:07,372 --> 00:36:22,387 ・~ 401 00:36:22,387 --> 00:36:24,389 どけ! ちくしょう 402 00:36:24,389 --> 00:36:26,391 野郎… やっ! 403 00:36:26,391 --> 00:36:33,398 ・~ 404 00:36:33,398 --> 00:36:36,998 (平造)やめろ 放せ! お登久がいねえ 405 00:36:38,069 --> 00:36:41,369 弥吉さん これ 永田屋さんです (弥吉)へい 406 00:36:43,408 --> 00:36:45,408 (お登久)千さん 407 00:36:48,079 --> 00:36:50,749 師匠 どうしたんだい? いったい 408 00:36:50,749 --> 00:36:55,420 お願い あたしと一緒に逃げとくれ (千次郎)逃げる? 409 00:36:55,420 --> 00:36:58,089 ここに35両あるんだ 410 00:36:58,089 --> 00:37:01,760 これだけあれば どこへ行ったって 2~3年は楽に暮らしていける 411 00:37:01,760 --> 00:37:05,764 いざっていうときのために 船宿にも話はつけてあるんだ 412 00:37:05,764 --> 00:37:08,099 船に乗って 海に出て 413 00:37:08,099 --> 00:37:10,101 木更津まで行けば もう こっちのもんさ 414 00:37:10,101 --> 00:37:12,771 ねっ? 千さん (千次郎)急に そんな 415 00:37:12,771 --> 00:37:16,775 何も 私は 師匠と駆け落ちする いわれはないんだ 416 00:37:16,775 --> 00:37:20,445 そんな… 千さんだって あたしの気持ちは 417 00:37:20,445 --> 00:37:24,783 十分 分かってるはずじゃないか いまさら そんな 418 00:37:24,783 --> 00:37:28,119 (千次郎)いまさら? フッ 冗談じゃない 私は… 419 00:37:28,119 --> 00:37:30,455 (お登久)一日も早く 質屋の暖簾を出したい・ 420 00:37:30,455 --> 00:37:34,459 そのためには どうしても40~50両のお金が… 421 00:37:34,459 --> 00:37:36,461 そのお金は あたしが きっと なんとかするって言ったら 422 00:37:36,461 --> 00:37:42,133 千さん あんた あたしの手握って きっとだよ 頼むよって言っただろ 423 00:37:42,133 --> 00:37:45,136 それ以来 あたしはね 424 00:37:45,136 --> 00:37:51,743 着る物も 食べる物も詰めに詰めて あんたのために… 425 00:37:51,743 --> 00:37:56,080 それなのに あんたは おゆきと (千次郎)おゆきと? 426 00:37:56,080 --> 00:37:58,082 そうよ 427 00:37:58,082 --> 00:38:02,420 おゆき殺させたのは あたしだよ 428 00:38:02,420 --> 00:38:05,089 当たり前じゃないか! 429 00:38:05,089 --> 00:38:09,761 あんな小娘に 大事な千さん… (千次郎)そりゃ ほんとかい? 430 00:38:09,761 --> 00:38:13,097 あんたを ほかの女に渡したくない あたしの一念さ 431 00:38:13,097 --> 00:38:15,433 ねえ 千さん 分かっとくれよ 432 00:38:15,433 --> 00:38:18,102 あたしが どれほど あんたのことを思ってるか・ 433 00:38:18,102 --> 00:38:24,442 ねえ 逃げて あたしと一緒に 千さん… 千さん お願い! 434 00:38:24,442 --> 00:38:27,779 せっかくだけど ごめんだよ 435 00:38:27,779 --> 00:38:31,783 千さん (千次郎)よしてくれよ 436 00:38:31,783 --> 00:38:34,452 私は 人殺しなんぞと 関わりは持ちたくないんだ 437 00:38:34,452 --> 00:38:36,788 お前さんと逃げたら 私まで ごめんだよ 438 00:38:36,788 --> 00:38:42,126 あたしはね 千さんと 所帯持つのが夢だったんだ 439 00:38:42,126 --> 00:38:49,801 いつかは 赤い手絡に丸まげ姿の 堅気の女房に… 440 00:38:49,801 --> 00:38:55,001 その夢に命懸けてきたんだ! 441 00:38:57,742 --> 00:39:05,416 かわいい子ども育てながら あったかい明かりの下で 442 00:39:05,416 --> 00:39:09,754 千さんと一緒に暮らせる日を どれほど待ち焦がれてたか 443 00:39:09,754 --> 00:39:13,091 (すすり泣き) 444 00:39:13,091 --> 00:39:20,098 ・~ 445 00:39:20,098 --> 00:39:23,101 師匠 446 00:39:23,101 --> 00:39:33,701 ・~ 447 00:40:37,475 --> 00:40:41,879 <53歳 高嶋ちさ子さんの元気の源> 448 00:40:41,879 --> 00:40:44,579 <サントリー 「DHAセサミン」> 449 00:41:03,101 --> 00:41:09,474 <1日4粒 青魚のサラサラ成分DHAを はじめとする8つの健康成分が・ 450 00:41:09,474 --> 00:41:12,774 50代からの健康を後押し!> 451 00:41:23,588 --> 00:41:25,623 <およそ1カ月分を・ 452 00:41:25,623 --> 00:41:27,659 無料でお試しいただけます> 453 00:41:27,659 --> 00:41:29,694 <抽選で1万名様に!> 454 00:41:29,694 --> 00:41:32,497 <お申込みは…> 455 00:41:32,497 --> 00:41:35,400 <今すぐお電話を!> 456 00:42:22,447 --> 00:42:25,717 ねえねえ 捕まったわよ おゆき殺しの下手人 457 00:42:25,717 --> 00:42:29,387 知ってるよ お登久っていう長唄の師匠が 458 00:42:29,387 --> 00:42:33,057 出入りの飾り職人に頼んで… そうだろ? 459 00:42:33,057 --> 00:42:35,727 けど いったい なんの恨みで? 460 00:42:35,727 --> 00:42:39,397 ねえ お父っつぁん おゆきさん どういう訳で殺されたの? 461 00:42:39,397 --> 00:42:41,733 ねえ お前さん その… (熊蔵)うるせえなあ 462 00:42:41,733 --> 00:42:45,069 騒いでる暇あったら 店の掃除でもやったらどうだい 463 00:42:45,069 --> 00:42:47,369 (およし)だって… 464 00:42:48,740 --> 00:42:52,744 (松吉)この野郎 どうして そう 往生際が悪いんだよ! 465 00:42:52,744 --> 00:42:56,748 お… 俺は やらねえ 俺がやったんじゃねえよ!・ 466 00:42:56,748 --> 00:42:59,083 本当だよ 本当だって! (松吉)この野郎! 467 00:42:59,083 --> 00:43:02,420 まだ吐かねえんですかい? ああ 468 00:43:02,420 --> 00:43:06,424 (熊蔵)チッ… 強情だな 469 00:43:06,424 --> 00:43:10,762 てめえ この女に俺がやったと はっきり言ったはずだぜ 470 00:43:10,762 --> 00:43:14,098 聞いたぞ それを 言わねえか この野郎! 471 00:43:14,098 --> 00:43:17,101 違う! おゆきをやったのは俺じゃねえ 472 00:43:17,101 --> 00:43:19,771 うそじゃねえ 本当だよ! (熊蔵)何? 473 00:43:19,771 --> 00:43:22,774 ちょいと 平さん 474 00:43:22,774 --> 00:43:27,712 こうなったら お互い きっぱり諦めようじゃないか 475 00:43:27,712 --> 00:43:32,383 無駄だよ いまさら しら切ったってさ 476 00:43:32,383 --> 00:43:35,720 (平造)違う! 俺じゃねえ! 477 00:43:35,720 --> 00:43:40,391 確かに あの晩 俺は おゆきを殺しに… 478 00:43:40,391 --> 00:43:43,728 けどよ… けどよ 俺が行ったときには 479 00:43:43,728 --> 00:43:46,397 おゆきは死んでたんだ 本当だよ 480 00:43:46,397 --> 00:43:50,735 殺されてたんだよ うそじゃねえよ! 481 00:43:50,735 --> 00:43:54,071 この女には 俺が殺したと言った・ 482 00:43:54,071 --> 00:43:57,742 けどよ 死んでたんだよ 初めっから!・ 483 00:43:57,742 --> 00:44:00,411 本当だよ! 本当だよ うそじゃねえよ・ 484 00:44:00,411 --> 00:44:03,748 いいか 旦那 信じてくれよ! 俺を 485 00:44:03,748 --> 00:44:23,768 ・~ 486 00:44:23,768 --> 00:44:33,711 ・~ 487 00:44:33,711 --> 00:44:36,047 (お仙)まあ これをあたしに? 気に入ったかい? 488 00:44:36,047 --> 00:44:38,382 ええ 489 00:44:38,382 --> 00:44:41,385 日本橋の越後屋で 小半日もかかって探したんだぜ 490 00:44:41,385 --> 00:44:44,388 うれしい フフッ 491 00:44:44,388 --> 00:44:48,726 ・(戸の開閉音) 492 00:44:48,726 --> 00:44:54,065 (松吉)親分 どうも いけませんや いけねえ? 493 00:44:54,065 --> 00:44:57,401 へえ あの辺り一帯の 水茶屋から出合い茶屋 494 00:44:57,401 --> 00:44:59,737 片っ端から 当たってみたんですがね・ 495 00:44:59,737 --> 00:45:04,075 それらしい話は… ふ~ん 496 00:45:04,075 --> 00:45:09,080 ・(戸の開閉音) おう そっちもお土産はなしかい? 497 00:45:09,080 --> 00:45:13,417 へえ まるで 口止めでもされてると見えて 498 00:45:13,417 --> 00:45:19,090 どこも知らぬ存ぜぬで だろうなあ 499 00:45:19,090 --> 00:45:23,761 (お仙)どう? 松吉さん (松吉)えっ? 500 00:45:23,761 --> 00:45:27,365 その帯は… (お仙)珍しいことがあったのよ 501 00:45:27,365 --> 00:45:30,034 親分がね これをあたしに買ってくれたの 502 00:45:30,034 --> 00:45:32,703 いや けど その… 503 00:45:32,703 --> 00:45:35,706 おう お仙ちゃん 何か うめえもんでも食べに行こうか 504 00:45:35,706 --> 00:45:39,377 わあっ ちょっと待ってて! 着替えてくるから 505 00:45:39,377 --> 00:45:59,397 ・~ 506 00:45:59,397 --> 00:46:14,078 ・~ 507 00:46:14,078 --> 00:46:18,082 寄っていこうか だって ここは… 508 00:46:18,082 --> 00:46:20,751 てれることはねえや さっ 来いよ 509 00:46:20,751 --> 00:46:24,088 親分… 来いよ 510 00:46:24,088 --> 00:46:29,026 ・~ 511 00:46:29,026 --> 00:46:32,697 ごめんよ 512 00:46:32,697 --> 00:46:35,366 (女性)いらっしゃいませ 上がらせてもらうよ 513 00:46:35,366 --> 00:46:37,702 さあ どうぞ 514 00:46:37,702 --> 00:46:40,002 早く来いよ 515 00:46:44,709 --> 00:46:48,713 (女性)ごゆっくりどうぞ おっ ねえさん 2~3本 頼むよ 516 00:46:48,713 --> 00:46:52,717 (女性)はい ただ今 (障子が閉まる音) 517 00:46:52,717 --> 00:46:55,317 飲めもしないくせに 518 00:47:02,059 --> 00:47:04,061 おっ どうしたんだい? お仙ちゃん 519 00:47:04,061 --> 00:47:09,400 だって… だって 急に こんなとこ 困るわ あたし 520 00:47:09,400 --> 00:47:12,737 何を言ってるんだい そわそわしねえで座んなよ 521 00:47:12,737 --> 00:47:19,410 そんなこと言ったって どうしよう あたし 恥ずかしい 522 00:47:19,410 --> 00:47:22,410 (障子が開く音) (女性)お待ちどおさまです 523 00:47:27,351 --> 00:47:30,354 (障子が閉まる音) (ため息) 524 00:47:30,354 --> 00:47:35,693 お仙ちゃん ひとつ どうだい? あの… 525 00:47:35,693 --> 00:47:37,693 フッ 526 00:47:41,365 --> 00:47:47,038 さっ 帰ろうか えっ? 何も あっ… 527 00:47:47,038 --> 00:47:50,708 今 来たばっかりじゃない? 528 00:47:50,708 --> 00:47:53,708 あたし… 529 00:47:57,381 --> 00:48:00,718 いいの 530 00:48:00,718 --> 00:48:03,018 いいのよ 531 00:48:07,058 --> 00:48:11,395 もう1軒 のぞいてみようよ また? これで4軒目よ 532 00:48:11,395 --> 00:48:14,995 いいじゃねえか つきあってくれよ なっ? 533 00:48:18,069 --> 00:48:21,405 ごめんよ (女性)はい いらっしゃいまし 534 00:48:21,405 --> 00:48:25,676 うん 座敷は空いてるかい? はい どうぞ 535 00:48:25,676 --> 00:48:36,353 ・~ 536 00:48:36,353 --> 00:48:38,953 (女性)ごゆっくり 537 00:48:43,360 --> 00:48:46,697 ねえさん ちょっと待ってくんな 538 00:48:46,697 --> 00:48:50,701 お仙ちゃん すまねえが ひと足先に うちへ帰ってくんな 539 00:48:50,701 --> 00:48:59,001 ・~ 540 00:49:03,380 --> 00:49:05,716 んんっ お父っつぁんったら聞いてるの? 541 00:49:05,716 --> 00:49:08,052 んっ? 何も そんなに 542 00:49:08,052 --> 00:49:10,721 ぷりぷりすることは ねえじゃねえか 543 00:49:10,721 --> 00:49:13,721 おう それ取ってくれ 544 00:49:17,394 --> 00:49:20,731 あの人ったら あたしを あんなとこ連れ込んで 545 00:49:20,731 --> 00:49:25,069 フフッ 御用の筋だよ 怒ることはねえよ 546 00:49:25,069 --> 00:49:29,406 あんなとこ連れてかれたら どんな心持ちがすると思うのよ 547 00:49:29,406 --> 00:49:32,076 それを あの人ったら けろっとした顔で 548 00:49:32,076 --> 00:49:36,747 フッ だからさあ… (お仙)お上の御用のためなら 549 00:49:36,747 --> 00:49:40,417 女の心持ちなんか どうでもいいっていうの? 550 00:49:40,417 --> 00:49:43,087 俺も 昔は おんなじようなことを 551 00:49:43,087 --> 00:49:45,422 よく言われたもんだ (お仙)へっ? 552 00:49:45,422 --> 00:49:48,092 おめえの死んだ おっ母さんによ 553 00:49:48,092 --> 00:49:51,428 おい お仙 覚悟しなくちゃいけねえよ 554 00:49:51,428 --> 00:49:54,098 御用聞きの女房なんてものは 555 00:49:54,098 --> 00:49:57,434 そこんところが よく 分からなくっちゃいけねえんだ 556 00:49:57,434 --> 00:50:00,771 う~ん おめえを切り札になあ 557 00:50:00,771 --> 00:50:04,441 しかし あいつも味なことをしやがる 558 00:50:04,441 --> 00:50:12,441 ・~ 559 00:50:25,729 --> 00:50:27,729 千次郎さん 560 00:50:34,405 --> 00:50:37,705 これは 三河町の親分さん 561 00:50:41,412 --> 00:50:45,082 おめえさん 心底 おゆきさんに 惚れていなすったんだねえ 562 00:50:45,082 --> 00:50:47,084 いえ 私は… だからこそ 563 00:50:47,084 --> 00:50:50,087 おゆきさんと 人目を忍んで いつも会っていたんだ 564 00:50:50,087 --> 00:50:52,089 そんな… ところが 565 00:50:52,089 --> 00:50:55,092 おゆきが殺される前の日… 566 00:50:55,092 --> 00:51:05,769 ・~ 567 00:51:05,769 --> 00:51:08,439 ・(村上)《おゆき! おゆきは どこにおる!》 568 00:51:08,439 --> 00:51:12,443 (おゆき)《千さん 逃げて》 (千次郎)《一緒に逃げよう》 569 00:51:12,443 --> 00:51:16,113 《おゆき!》 (おゆき)《早く逃げて》 570 00:51:16,113 --> 00:51:18,115 《おゆき!》 (家臣)《待て!》 571 00:51:18,115 --> 00:51:20,117 《村上さま!》 (村上)《言い訳は聞かぬぞ・ 572 00:51:20,117 --> 00:51:23,787 おゆき 殿のご寵愛を受けながら…》 573 00:51:23,787 --> 00:51:29,059 《言え 今の男は誰だ? 名を言え!》 574 00:51:29,059 --> 00:51:31,729 《ううん! んんっ》 575 00:51:31,729 --> 00:51:34,398 (半七の声) 名を言えば 恋しい男が殺される 576 00:51:34,398 --> 00:51:37,735 それで おゆきは おめえの名を言わなかった 577 00:51:37,735 --> 00:51:41,071 戻ってきた おゆきに その話を聞かされて 578 00:51:41,071 --> 00:51:44,742 おゆきは いずれ おめえの名をしゃべるだろう 579 00:51:44,742 --> 00:51:47,745 言えば自分も殺される 580 00:51:47,745 --> 00:51:53,083 そう思った おめえは おゆきの首を絞めた 581 00:51:53,083 --> 00:51:57,421 そうだろう 千次郎 ハッ とんだ お話で 582 00:51:57,421 --> 00:52:00,090 私には なんのことやら さっぱり 583 00:52:00,090 --> 00:52:03,093 おう 千次郎 584 00:52:03,093 --> 00:52:11,435 ・~ 585 00:52:11,435 --> 00:52:15,435 おめえが おゆきと会っていた 出合い茶屋の女中さんだ 586 00:52:24,448 --> 00:52:29,386 ・~ 587 00:52:29,386 --> 00:52:31,388 お縄を 588 00:52:31,388 --> 00:52:35,059 江戸の町も 当分 見納めかもしれねえ 589 00:52:35,059 --> 00:52:38,059 縄付きじゃ 様にならねえよ 590 00:52:42,066 --> 00:52:46,737 (千次郎)私たちは どうせ 大久保さまのご家来の手にかかる 591 00:52:46,737 --> 00:52:50,741 それなら いっそ心中しようと… 592 00:52:50,741 --> 00:52:53,744 おゆきは鴨居に帯を結わえて くくり死にをしました 593 00:52:53,744 --> 00:52:56,747 私は匕首で胸を… 594 00:52:56,747 --> 00:53:00,417 でも 私は どうしても死ねなかったんです 595 00:53:00,417 --> 00:53:05,089 それで おゆきの帯を持って 死に場所を探しに 596 00:53:05,089 --> 00:53:07,424 この帯取りの池まで来ました 597 00:53:07,424 --> 00:53:13,097 ですが 死ねずに帯を池に投げて 逃げ帰ったのでございます 598 00:53:13,097 --> 00:53:15,766 そうかい 599 00:53:15,766 --> 00:53:20,437 それで この池に浮かんだ帯の謎が 解けたよ 600 00:53:20,437 --> 00:53:25,442 私たちは かねがね 小さな店を持ち 601 00:53:25,442 --> 00:53:32,716 生涯 仲よく暮らそうって いつも 2人で そう話し合っていたんです 602 00:53:32,716 --> 00:53:38,389 それが 大久保さまのお世話を 受けたばっかりに! 603 00:53:38,389 --> 00:53:43,727 お武家さまとは 身勝手で 恐ろしいご身分です 604 00:53:43,727 --> 00:53:48,727 私は憎い おゆきを殺した お武家さまが 605 00:53:49,733 --> 00:53:53,733 おゆきは 素直な優しい女でございました 606 00:53:55,072 --> 00:54:00,744 <当時 心中者の片割れは 3日間さらし者にされたうえ・ 607 00:54:00,744 --> 00:54:05,082 江戸から 追放されることになっていた> 608 00:54:05,082 --> 00:54:09,420 <しかし おゆきの死は 自害だったということで・ 609 00:54:09,420 --> 00:54:15,426 半七の配慮もあり 千次郎に お咎めはなかった> 610 00:54:15,426 --> 00:54:35,379 ・~ 611 00:54:35,379 --> 00:54:55,399 ・~ 612 00:54:55,399 --> 00:55:04,408 ・~ 613 00:59:08,785 --> 00:59:10,787 (善八)こんな奇妙な殺し 見たことありませんよ 614 00:59:10,787 --> 00:59:16,059 <異様な殺され方をした人情医者の 隠された真の姿とは> 615 00:59:16,059 --> 00:59:19,730 おっ母さんの病気も はかばかしくない・ 616 00:59:19,730 --> 00:59:24,401 医者として ほっとくわけには いかんじゃないか ええ? 617 00:59:24,401 --> 00:59:29,072 (おつね)丑松が あんなに 憎んでいた先生を あたし… 618 00:59:29,072 --> 00:59:31,408 あたしは好きになってたんです 619 00:59:31,408 --> 00:59:34,411 <医は仁術ならぬ 金と色の欲につかれた・ 620 00:59:34,411 --> 00:59:37,748 男の業と女の性> 621 00:59:37,748 --> 00:59:40,083 俺は おとついの晩 622 00:59:40,083 --> 00:59:42,419 何があったのか 見てしまったんだよ 623 00:59:42,419 --> 00:59:46,089 うそ… うそよ! (新三郎)うそなもんか 624 00:59:46,089 --> 00:59:48,091 全部 見ちまったんだよ 625 00:59:48,091 --> 00:59:52,429 <世間の片隅に ひっそりと生きる 姉と弟が・ 626 00:59:52,429 --> 00:59:55,098 ひそかにいだく夢とは何か> 627 00:59:55,098 --> 01:00:02,098 ・~