1 00:02:13,072 --> 00:02:15,074 <かつては 甲斐の武田・ 2 00:02:15,074 --> 00:02:19,078 小田原の北条などの戦場となった 秩父地方では・ 3 00:02:19,078 --> 00:02:25,084 住民たちは点在する鉱山により 辛うじて生計を支えていた> 4 00:02:25,084 --> 00:02:28,087 <しかし この秩父が江戸時代に入って・ 5 00:02:28,087 --> 00:02:32,091 にわかに 絹の生産地として 脚光を浴びるようになった> 6 00:02:32,091 --> 00:02:34,093 さあ! 3疋だ! 7 00:02:34,093 --> 00:02:36,095 3両! (男性)5両! 8 00:02:36,095 --> 00:02:38,097 さあ 5両だ 5両! さあ いないか いないか! 9 00:02:38,097 --> 00:02:41,100 <秩父を領した忍藩の奨励で・ 10 00:02:41,100 --> 00:02:45,104 年間 10万疋の取り引きが あるようになり・ 11 00:02:45,104 --> 00:02:48,107 一帯の民は 富裕をおう歌した> 12 00:02:48,107 --> 00:02:53,112 <しかし 金銭がだぶつくところ 必ず 発生するものがある> 13 00:02:53,112 --> 00:02:56,115 <凶悪な盗賊である> 14 00:02:56,115 --> 00:02:59,052 <そして 今日もまた…> 15 00:02:59,052 --> 00:03:02,055 (男性)さあ さあ どいた どいた どいたー! 16 00:03:02,055 --> 00:03:15,068 ・~ 17 00:03:15,068 --> 00:03:18,071 か… 金は 当家にありったけ差し上げます 18 00:03:18,071 --> 00:03:21,071 どうぞ い… 命だけは… 19 00:03:27,080 --> 00:03:29,082 (男性)たったの二つか 20 00:03:29,082 --> 00:03:34,087 い… 一昨日 吉田の織物屋から 大量の買い付けをして・ 21 00:03:34,087 --> 00:03:36,089 その払いを済ましたばかりで… 22 00:03:36,089 --> 00:03:40,093 俺は うそが嫌えだ 死ね! 23 00:03:40,093 --> 00:03:43,096 (男性の悲鳴) 24 00:03:43,096 --> 00:03:47,100 (男性) 俺を めくら扱いにしやがって 25 00:03:47,100 --> 00:03:50,103 俺は うそが大嫌えだ 死ね! 26 00:03:50,103 --> 00:03:52,103 (男性の悲鳴) 27 00:03:54,107 --> 00:03:59,045 (男性)おらぁ 女のうそが一番嫌えだ 死ね! 28 00:03:59,045 --> 00:04:01,045 (女性の悲鳴) 29 00:04:22,068 --> 00:04:42,088 ・~ 30 00:04:42,088 --> 00:05:02,041 ・~ 31 00:05:02,041 --> 00:05:22,061 ・~ 32 00:05:22,061 --> 00:05:42,081 ・~ 33 00:05:42,081 --> 00:05:59,081 ・~ 34 00:06:01,034 --> 00:06:07,034 (左近のいびき) 35 00:06:09,042 --> 00:06:13,042 (足音) 36 00:06:20,053 --> 00:06:24,057 (徳蔵)左近殿 (左近)ああ 元締 誠に相すまんな 37 00:06:24,057 --> 00:06:27,060 (左近)風邪をひいて 熱があるんだ 頭が痛くてな 38 00:06:27,060 --> 00:06:30,063 仕事は4~5日 勘弁していただきたい 頼む 39 00:06:30,063 --> 00:06:33,066 盗賊の横行に 忍藩 松平の御家中も・ 40 00:06:33,066 --> 00:06:35,068 ほとほと 手を焼いているんですぞ ああ… 41 00:06:35,068 --> 00:06:40,073 何しろ 秩父は すぐ南が三峰神社の社領 北が天領 42 00:06:40,073 --> 00:06:42,075 新兵衛に 代わってもらってくれませんか 43 00:06:42,075 --> 00:06:45,078 それに 八州も 他に たくさんいるではありませんか 44 00:06:45,078 --> 00:06:48,081 浅野殿は 安中宿の一件で江戸表へ 45 00:06:48,081 --> 00:06:50,083 江戸表? 46 00:06:50,083 --> 00:06:53,086 何だ 新兵衛のやつ 江戸行き 代わってくれたらよかったのに 47 00:06:53,086 --> 00:06:57,023 左近殿が 風邪で 伏せっていたからですよ ああ… 48 00:06:57,023 --> 00:06:59,025 それに 左近殿が秩父界わいに・ 49 00:06:59,025 --> 00:07:01,027 顔を あまり知られていない というのが最大の理由 50 00:07:01,027 --> 00:07:03,027 ああ そうですか… 51 00:07:05,031 --> 00:07:08,034 左近殿! な… 何を 52 00:07:08,034 --> 00:07:10,036 いや もはや 一刻の猶予もなりませんぞ ああ… 53 00:07:10,036 --> 00:07:13,039 それから この度は 隠密廻りということで・ 54 00:07:13,039 --> 00:07:15,041 八州であることも 気付かれぬようにな 55 00:07:15,041 --> 00:07:17,043 ああ 分かりました 分かりました 56 00:07:17,043 --> 00:07:19,045 何でもやります 隠密でも あんみつでも 57 00:07:19,045 --> 00:07:21,047 左近… 左近殿! (くしゃみ) 58 00:07:21,047 --> 00:07:23,049 (五郎蔵)この雲取の五郎蔵が・ 59 00:07:23,049 --> 00:07:29,055 男はもちろん 女 子供まで 情け容赦のなく たたき斬るだと? 60 00:07:29,055 --> 00:07:32,058 (五郎蔵) おう 俺はな 確かに盗っ人だ 61 00:07:32,058 --> 00:07:37,063 だが 俺はな 人を傷つけたり あやめたりするようなことは・ 62 00:07:37,063 --> 00:07:41,067 これまでに 金輪際したこともねえ男なんだ 63 00:07:41,067 --> 00:07:43,069 おう 猪之吉 64 00:07:43,069 --> 00:07:46,072 俺に ぬれぎぬを着せようと かかってるやつは 誰と踏んだ? 65 00:07:46,072 --> 00:07:49,075 (猪之吉)誰も彼もござんせん 鬼首の忠七に決まってまさぁ! 66 00:07:49,075 --> 00:07:51,077 俺も そうにらんでる 67 00:07:51,077 --> 00:07:56,082 奥武蔵は 互いに南と北に分けると 約定を交わしておきながら・ 68 00:07:56,082 --> 00:07:59,018 こっちの島に 食い込んでくるばかりか・ 69 00:07:59,018 --> 00:08:04,023 俺を とんでもねえ人殺しにしやがった 70 00:08:04,023 --> 00:08:07,026 よし 忠七と決着をつける 71 00:08:07,026 --> 00:08:09,028 おい みんな 支度しろい! (子分たち)おう! 72 00:08:09,028 --> 00:08:12,031 (猪之吉) おう 待ってくれ 待ってくれ 73 00:08:12,031 --> 00:08:15,034 (五郎蔵)何だ 猪之 お前 気後れがしたのか 74 00:08:15,034 --> 00:08:18,037 親分 情けねえこと 言わねえでおくんなさい 75 00:08:18,037 --> 00:08:21,040 この猪之吉 今まで一度だって・ 76 00:08:21,040 --> 00:08:24,043 一番手を務めなかったことが ござんしたかい? 77 00:08:24,043 --> 00:08:26,045 親分 78 00:08:26,045 --> 00:08:29,045 赤志へ走った藤八兄ぃのことを 忘れてもらっちゃ困りますぜ 79 00:08:32,051 --> 00:08:40,059 (村人たち) ・ 田んぼに米まきゃ 米がなる・ 80 00:08:40,059 --> 00:08:47,066 ・ 日が照り雨降りゃ 米がなる・ 81 00:08:47,066 --> 00:08:55,074 ・ 村の鎮守様 米を待つ・ 82 00:08:55,074 --> 00:09:05,074 ・ 米まく童は 大人になれ 83 00:09:10,022 --> 00:09:17,029 (おふみ) ・ 田んぼに米まきゃ 米がなる・ 84 00:09:17,029 --> 00:09:25,037 ・ 日が照り雨降りゃ 米がなる・ 85 00:09:25,037 --> 00:09:32,044 ・ 村の鎮守様 米を待つ 86 00:09:32,044 --> 00:09:40,044 ・ 米まく童は 大人になれ 87 00:09:42,054 --> 00:09:45,057 (藤八)おふみちゃん (おふみ)あっ 藤八さん 88 00:09:45,057 --> 00:09:48,060 おふみちゃん 89 00:09:48,060 --> 00:09:51,063 おとっちゃん おとっちゃんは? 90 00:09:51,063 --> 00:09:55,067 すまねえな おふみちゃん 今日は藤八おじさん 一人なんだ 91 00:09:55,067 --> 00:09:58,004 座らねえか なっ?・ 92 00:09:58,004 --> 00:10:02,008 よいしょ… ところで おかっちゃんの容体は? 93 00:10:02,008 --> 00:10:04,010 まだ 寝たっきりなの 94 00:10:04,010 --> 00:10:06,012 お隣のおばちゃんが来てくれるわ (藤八)ああ… 95 00:10:06,012 --> 00:10:11,017 だから 私 毎日 今頃 ここへ… (藤八)何しに? 96 00:10:11,017 --> 00:10:15,021 決まってるじゃないの おとっちゃんを迎えに 97 00:10:15,021 --> 00:10:17,023 でも こう言っちゃ何だが・ 98 00:10:17,023 --> 00:10:21,027 おふみちゃんには 親分… いやいや その 何だ… 99 00:10:21,027 --> 00:10:23,029 おとっちゃんの顔は見えねえ 100 00:10:23,029 --> 00:10:27,033 だから 足音がすると そーっと うたうの この田植え唄 101 00:10:27,033 --> 00:10:32,033 おとっちゃんに教わったんだから おとっちゃんならすぐ分かってくれる 102 00:10:34,040 --> 00:10:37,040 それで みんな ああやって うたってんだ なあ 103 00:10:39,045 --> 00:10:42,045 いいうただ いいうただな 104 00:10:52,058 --> 00:10:54,060 (銀次)あのね 旦那 105 00:10:54,060 --> 00:10:56,996 (銀次)あっしの率直な意見を 申し上げてよろしいでしょうか? 106 00:10:56,996 --> 00:10:59,996 うるせえ 意見がましいこと言うな 107 00:11:02,001 --> 00:11:04,003 (銀次)はい 108 00:11:04,003 --> 00:11:07,006 ねえ 旦那 何だよ 109 00:11:07,006 --> 00:11:09,008 あのね 旦那を待ってるのは・ 110 00:11:09,008 --> 00:11:11,010 雲取の五郎蔵 一人じゃねえんですよ? 111 00:11:11,010 --> 00:11:13,012 五郎蔵以上の大物がね・ 112 00:11:13,012 --> 00:11:16,015 八州は 今来るか今来るかと 目ぇ光らして待ってるんですよ 113 00:11:16,015 --> 00:11:19,018 それが どうしたんだ このなりじゃね・ 114 00:11:19,018 --> 00:11:22,021 自分が八州様だって言い触らして 歩いてるようなもんで… 115 00:11:22,021 --> 00:11:28,027 何で 十手差してんの もう駄目だな 本当に… 116 00:11:28,027 --> 00:11:31,027 そうかな 駄目かな? 117 00:11:34,033 --> 00:11:36,033 そいやー! 118 00:11:42,041 --> 00:11:47,046 旦那 しかし 何ですね 岩鼻の旦那も失礼しちゃいますね 119 00:11:47,046 --> 00:11:49,048 小山田一人じゃ心もとないから・ 120 00:11:49,048 --> 00:11:53,052 浅野が戻ってきたら 助っ人に出すなんてね 121 00:11:53,052 --> 00:11:55,054 なにも 新兵衛の手 借りることはねえんだよ 122 00:11:55,054 --> 00:11:57,054 そうですよね なあ? 123 00:11:59,058 --> 00:12:01,058 (藤八)そいやー! 124 00:12:03,062 --> 00:12:06,065 (藤八)そいやー! 125 00:12:06,065 --> 00:12:08,067 (子分)止まれ! (子分)誰だ! 126 00:12:08,067 --> 00:12:11,070 (藤八)親分は館か? 127 00:12:11,070 --> 00:12:13,072 藤八兄ぃ! (子分)へい! 128 00:12:13,072 --> 00:12:15,072 よし! 129 00:12:17,076 --> 00:12:19,078 (猪之吉)おう 藤八兄ぃ! 待ってましたぜ! 130 00:12:19,078 --> 00:12:21,080 (藤八)大変だ! (猪之吉)えっ!? 131 00:12:21,080 --> 00:12:24,083 (藤八)親分! 親分! 132 00:12:24,083 --> 00:12:26,085 何 お常が!? (猪之吉)お… 親分! 133 00:12:26,085 --> 00:12:28,087 (藤八)どこへ! (五郎蔵)どこへだと? 134 00:12:28,087 --> 00:12:30,089 赤志に行くに 決まってるじゃねえか! 135 00:12:30,089 --> 00:12:32,091 い… いけねえ いけねえ 親分! (五郎蔵)何を抜かしやがる 136 00:12:32,091 --> 00:12:35,094 お常が 明日をも知れねえ 病の床に就いてると・ 137 00:12:35,094 --> 00:12:37,096 知らせに駆けつけたのは お前じゃねえか! 138 00:12:37,096 --> 00:12:40,099 そのお前が 何てことを抜かしやがる! 139 00:12:40,099 --> 00:12:42,101 (藤八) 親分 お願えだ 聞いてくれ!・ 140 00:12:42,101 --> 00:12:47,106 俺はね 病の床のおかみさんの 枕元に座ってきた男ですぜ・ 141 00:12:47,106 --> 00:12:50,109 これが 自分の定めなんだと 諦めきったことは言いなさるが・ 142 00:12:50,109 --> 00:12:53,112 本心は 親分に一目会って 残される おふみちゃんのこと… 143 00:12:53,112 --> 00:12:55,114 (五郎蔵)おふみ… 144 00:12:55,114 --> 00:12:57,049 やっと 9つになったものの あの目… 145 00:12:57,049 --> 00:12:59,051 府中の医者にも見放されたとか 146 00:12:59,051 --> 00:13:02,054 おかみさんにしたら 思いが残るのは 当たり前だ 147 00:13:02,054 --> 00:13:05,057 (五郎蔵)おふみ! (藤八)いいかげんにしてくれ 親分 148 00:13:05,057 --> 00:13:07,059 今 出てったら 捕まりに行くようなもんだ 149 00:13:07,059 --> 00:13:09,061 親分 道中筋はね 大変な役人の数なんだよ 150 00:13:09,061 --> 00:13:12,064 忍藩からも 大人数が 繰り出してるって話ですぜ 151 00:13:12,064 --> 00:13:14,066 じゃあ お前たちは 俺に・ 152 00:13:14,066 --> 00:13:18,070 ここに じっとしてろって言うのか! (藤八)言うもんですかい! 153 00:13:18,070 --> 00:13:23,075 ただね 今 出てって捕まっちゃ 元も子もねえじゃ済まされねえ 154 00:13:23,075 --> 00:13:27,079 親分 おふみちゃんはね 親分の帰りを・ 155 00:13:27,079 --> 00:13:30,082 毎日 六地蔵のつじまで 迎えに出てるんですぜ 156 00:13:30,082 --> 00:13:34,086 おふみが あの目で… 157 00:13:34,086 --> 00:13:38,090 ええ 親分の教えた 田植え唄を口ずさんでね 158 00:13:38,090 --> 00:13:40,090 ああ おふみ… 159 00:13:43,095 --> 00:13:46,098 ですからね ですからね親分・ 160 00:13:46,098 --> 00:13:49,101 おふみちゃんのためにも 何としてでも 無事 赤志へ 161 00:13:49,101 --> 00:13:53,105 そうなんだ 藤八兄ぃ 何としてでも親分を… 162 00:13:53,105 --> 00:13:58,043 栃本の関所を越えりゃ 雁坂峠までは 馬で一っ走りだ 163 00:13:58,043 --> 00:14:00,045 藤八兄ぃ それなら よっぽどの手を 考えなくてはいけねえ 164 00:14:00,045 --> 00:14:04,045 当たり前だ! それを考えるんだよ 165 00:14:06,051 --> 00:14:08,053 (役人たち) お役目 御苦労にございます・ 166 00:14:08,053 --> 00:14:10,055 お役目 御苦労にございます・ 167 00:14:10,055 --> 00:14:12,055 お役目 御苦労にございます 168 00:14:20,065 --> 00:14:23,068 藤八 (藤八)へ… へい 169 00:14:23,068 --> 00:14:26,071 お… 俺の肝は 上がったり下がったりで・ 170 00:14:26,071 --> 00:14:30,075 い… 生きた心地がしねえよ 171 00:14:30,075 --> 00:14:33,078 大丈夫ですよ この手を 考えついたのは 天の御加護 172 00:14:33,078 --> 00:14:36,078 親分の御武運の 尽きねえ証拠ですぜ 173 00:14:38,083 --> 00:14:41,086 この藤八様 昔 八州様の雇い足軽を務めたんだ 174 00:14:41,086 --> 00:14:46,086 親分 掛け合いは なるべく この藤八様に任しておくんなさい 175 00:14:48,093 --> 00:14:51,096 これで 道案内って野郎を 一人 雇い込めると・ 176 00:14:51,096 --> 00:14:54,099 親分は どう見たって 八州様ってことに へい 177 00:14:54,099 --> 00:14:56,101 うん うん 178 00:14:56,101 --> 00:14:58,037 おい 目刺し (銀次)へい 179 00:14:58,037 --> 00:15:01,040 俺は 五郎蔵一味ん中へ 入り込むようにするから へい 180 00:15:01,040 --> 00:15:05,044 俺が いざって時は 目刺しが代官所へつなぎ取れ 181 00:15:05,044 --> 00:15:07,046 へい 分かりました 182 00:15:07,046 --> 00:15:10,049 いや それはいいんですけどね 183 00:15:10,049 --> 00:15:12,051 浪人って柄じゃねえし・ 184 00:15:12,051 --> 00:15:15,054 かといって あきんどって 感じでもねえしな 185 00:15:15,054 --> 00:15:21,060 職人なんて 粋なところは まるっきりねえし 残るは… 186 00:15:21,060 --> 00:15:24,060 言うな! それだけは 言うな 187 00:15:29,068 --> 00:15:32,071 ちきしょう 一番似合わねえやつに なっちまいやがった 188 00:15:32,071 --> 00:15:35,074 こっちは 江戸っ子だ! 189 00:15:35,074 --> 00:15:40,074 ああ 御苦労さまでございます はい あっ… 190 00:15:46,085 --> 00:15:48,085 アハハ… 191 00:15:50,089 --> 00:15:52,091 あの 八州様 192 00:15:52,091 --> 00:15:56,095 おらのとこで採れた すいかでも食ってくれや なっ 193 00:15:56,095 --> 00:15:59,031 甘いから甘いから 食ってくれや ほれ 194 00:15:59,031 --> 00:16:01,031 へい 195 00:16:06,038 --> 00:16:10,042 さあ まんず (五郎蔵)う… うん 196 00:16:10,042 --> 00:16:12,044 あんちゃんも食うか? (藤八のせきばらい) 197 00:16:12,044 --> 00:16:16,048 うん! はい ハハ… 198 00:16:16,048 --> 00:16:19,051 いやぁ… 199 00:16:19,051 --> 00:16:21,051 いい風だなもし 200 00:16:28,060 --> 00:16:32,064 親分… じゃねえ 雲取の旦那 201 00:16:32,064 --> 00:16:35,067 あいつが うんと言ってくれりゃ しめたもんなんですがね 202 00:16:35,067 --> 00:16:37,069 ああいう 素朴な男は・ 203 00:16:37,069 --> 00:16:40,072 案外 身性も しっかりしてるもんですぜ 204 00:16:40,072 --> 00:16:42,072 (五郎蔵)うん (藤八)ヘヘッ 205 00:16:44,076 --> 00:16:46,076 (藤八)おう お前さん 206 00:16:48,080 --> 00:16:52,084 (藤八)おう はい 207 00:16:52,084 --> 00:16:55,087 (藤八)お前さん 名前は? 左平 208 00:16:55,087 --> 00:16:59,024 (藤八)左平 ほう・ 209 00:16:59,024 --> 00:17:01,026 ところで 左平 210 00:17:01,026 --> 00:17:06,031 お前 あちらの旦那に 雇われてみる気はねえかい 211 00:17:06,031 --> 00:17:11,036 雇われる? 八州様の雇い足軽ってもんよ! 212 00:17:11,036 --> 00:17:13,038 からかったんでないの? うん? 213 00:17:13,038 --> 00:17:16,041 いや わし 本当のこと言うと 今の仕事がやめたくなって うん 214 00:17:16,041 --> 00:17:19,044 何か 他の仕事が ねえかな ねえかなと思ってたんだ うんうん 215 00:17:19,044 --> 00:17:22,047 中でも 捕り物に 一番憧れとった おうおう 216 00:17:22,047 --> 00:17:26,051 いやぁ こら すいかのおかげだ 何が いいことがあるか分かんねえ 217 00:17:26,051 --> 00:17:28,053 よろしくお願いします はい (藤八の笑い声) 218 00:17:28,053 --> 00:17:31,056 …で 何やるんだ? (藤八)何 大したことはねえ 219 00:17:31,056 --> 00:17:33,058 そのかわり 給金の方も 銀2匁 220 00:17:33,058 --> 00:17:35,060 ああ… いや よいよい… 221 00:17:35,060 --> 00:17:37,062 そこは それそれ… ちょろちょろ ちょろっと・ 222 00:17:37,062 --> 00:17:40,065 色 付けるとしようじゃねえか ヘヘヘ… アハハ… 223 00:17:40,065 --> 00:17:42,067 何しろな この旦那は・ 224 00:17:42,067 --> 00:17:46,071 八州様ん中でも 大変な腕利きと名の高え・ 225 00:17:46,071 --> 00:17:50,075 小山田左近様というお方だ! 226 00:17:50,075 --> 00:17:54,079 あれ 二枚目の名前だ (藤八)どうでえ どうでえ・ 227 00:17:54,079 --> 00:17:56,081 百姓のお前さんだって 知ってるだろうが いいえ 228 00:17:56,081 --> 00:17:58,016 お前さんだってな 身に余る光栄ってもんだぞ 229 00:17:58,016 --> 00:18:01,019 はい じゃあ まあ よろしくお願いします 230 00:18:01,019 --> 00:18:05,023 よし アハハ… 決まったな! (藤八・左近の笑い声) 231 00:18:05,023 --> 00:18:08,023 ああ ほれ (藤八・左近の笑い声) 232 00:18:15,033 --> 00:18:17,035 ああ… 233 00:18:17,035 --> 00:18:19,037 これで どうやら格好がついた ハハハ… 234 00:18:19,037 --> 00:18:23,041 格好? いや 格好いい うん 235 00:18:23,041 --> 00:18:27,045 これから どこさ行くんだ? 栃本の関所へ行くんだ 236 00:18:27,045 --> 00:18:29,047 栃本の関へ何しに? 237 00:18:29,047 --> 00:18:31,049 お前な ちょっと口がうるせえぞ? はい 238 00:18:31,049 --> 00:18:33,051 八州様の ぴかいちの 小山田の旦那が・ 239 00:18:33,051 --> 00:18:36,054 この一帯を荒らし回ってる盗賊 雲取の五郎蔵を… 240 00:18:36,054 --> 00:18:38,056 (五郎蔵のせきばらい) (藤八)じゃねえ!・ 241 00:18:38,056 --> 00:18:41,059 鬼首の忠七を召し捕るんだ はーい 242 00:18:41,059 --> 00:18:43,061 ・(男性)八州様ー! ・(男性)お待ちくださいませー! 243 00:18:43,061 --> 00:18:46,064 (男性)八州様! (男性)お待ちくださいませ! 244 00:18:46,064 --> 00:18:48,066 (男性)お願いでございます! 八州様! 245 00:18:48,066 --> 00:18:52,070 私どもは 秩父町の 機屋 小松屋の番頭でございます 246 00:18:52,070 --> 00:18:55,073 ただいま 手前どものうちに 盗難がございまして・ 247 00:18:55,073 --> 00:18:57,009 そのために 一人娘のお嬢様の・ 248 00:18:57,009 --> 00:19:00,012 生き死にに関わる 大事となりました 249 00:19:00,012 --> 00:19:04,016 お願いでございます! どうか 御検分の上 犯人 召し捕り方を… 250 00:19:04,016 --> 00:19:08,020 いやぁ… いやぁ それは気の毒に思うがな・ 251 00:19:08,020 --> 00:19:10,022 こちらも 何分 今 何だ… 252 00:19:10,022 --> 00:19:12,024 急ぎのお務めに お出向きのところで 253 00:19:12,024 --> 00:19:15,027 いや しかし まんず お関所の方は・ 254 00:19:15,027 --> 00:19:17,029 まだまだ 知らせが あったわけじゃねえから (藤八)チッ 255 00:19:17,029 --> 00:19:19,031 これは 今 持ち上がった事件なんだし・ 256 00:19:19,031 --> 00:19:21,033 お役目から言えば・ 257 00:19:21,033 --> 00:19:23,035 どうしても 御検分に行ってやらにゃ駄目だ 258 00:19:23,035 --> 00:19:26,038 たとえ わしは雇い足軽といえども そう思います 259 00:19:26,038 --> 00:19:28,040 お前はな 本当に口がうるせえぞ 260 00:19:28,040 --> 00:19:30,042 こっちにも いろいろ 事情っつうもんがあって… 261 00:19:30,042 --> 00:19:32,044 藤八 しかたがねえ (藤八)へい 262 00:19:32,044 --> 00:19:35,047 娘の生き死にに関わるこっちゃ しかたがねえんだ 263 00:19:35,047 --> 00:19:37,049 そうだよ 娘の生き死にに関わることは・ 264 00:19:37,049 --> 00:19:39,051 一番 気になることだ (藤八)親分… 265 00:19:39,051 --> 00:19:44,056 (五郎蔵)藤八 行ってやるべ 藤八 行ってやるべ 266 00:19:44,056 --> 00:19:46,056 あん? 267 00:19:48,060 --> 00:19:50,062 (伊右ヱ門)その焼き物売りは・ 268 00:19:50,062 --> 00:19:52,064 当家には 初めてでございましたが・ 269 00:19:52,064 --> 00:19:54,066 好きな道のこと・ 270 00:19:54,066 --> 00:19:58,003 いろいろ 焼き物の話が弾み 娘がお茶の道で御懇意の・ 271 00:19:58,003 --> 00:20:01,006 御家老様のお嬢様から お預かりした・ 272 00:20:01,006 --> 00:20:04,009 楽の二代 常慶のお茶わんを 見せたのですが・ 273 00:20:04,009 --> 00:20:08,013 男が帰ったあと その常慶がないのでございます・ 274 00:20:08,013 --> 00:20:13,018 これは もう おわびも お償いも できるものではございません・ 275 00:20:13,018 --> 00:20:16,021 娘は 死んでおわびをすると 言いますが・ 276 00:20:16,021 --> 00:20:19,024 それで 済むことでもなく… 277 00:20:19,024 --> 00:20:22,027 あっ… 何時ですか? 278 00:20:22,027 --> 00:20:26,031 (伊右ヱ門)それが また 思いもかけぬことなので・ 279 00:20:26,031 --> 00:20:29,034 気付きますのが遅く… ああ そってらやつに限って・ 280 00:20:29,034 --> 00:20:31,036 足が速いに決まっとる 281 00:20:31,036 --> 00:20:33,038 もう 何里か先は 突っ走っとるべ (お道の泣き声) 282 00:20:33,038 --> 00:20:36,041 (藤八)ええい! お前はどうして そう 口数が多いんだ 283 00:20:36,041 --> 00:20:38,043 あれ おら 本当のこと言ったんだ 284 00:20:38,043 --> 00:20:40,045 お前だって そう思うべ (お道の泣き声) 285 00:20:40,045 --> 00:20:42,047 (伊右ヱ門)お道… (五郎蔵)ああ…・ 286 00:20:42,047 --> 00:20:44,049 ちょ… ちょっとお待ちなせえ 287 00:20:44,049 --> 00:20:50,055 あ… あの その品物 取り戻して差し上げましょう 288 00:20:50,055 --> 00:20:52,057 まんず いかった いかった 289 00:20:52,057 --> 00:20:56,061 さすがは 小山田左近様だけの ことはあるなや はぁー 290 00:20:56,061 --> 00:20:57,996 ああ… 孫六に違えねえ 291 00:20:57,996 --> 00:21:00,999 やつは やったあと 3日ほど 瀬伏ってるはず 292 00:21:00,999 --> 00:21:04,002 お前 すぐ行ってな 因果を含めて 取り戻してこい なっ 293 00:21:04,002 --> 00:21:06,004 あれ 左近様は その男を知ってんで? 294 00:21:06,004 --> 00:21:08,006 いやいや その 何だ… (五郎蔵のむせる声) 295 00:21:08,006 --> 00:21:11,009 旦那はな 前に一度 その男にお情けかけて・ 296 00:21:11,009 --> 00:21:13,011 その… お… お目こぼしして やったことがあんだ 297 00:21:13,011 --> 00:21:15,013 ああ… 姉ちゃん 心配すんなよ さあ ほれ 298 00:21:15,013 --> 00:21:17,015 (藤八)じゃあ あっしは一っ走り 299 00:21:17,015 --> 00:21:19,017 おい あんまりべらべら しゃべんじゃねえぞ はい 300 00:21:19,017 --> 00:21:21,019 (伊右ヱ門) 御苦労さまでごぜえます 301 00:21:21,019 --> 00:21:24,022 兄ちゃん 頑張って! はぁ おじちゃんも心配しないで 302 00:21:24,022 --> 00:21:27,025 ハハハ… 303 00:21:27,025 --> 00:21:29,027 ハハハ… アハハ… 304 00:21:29,027 --> 00:21:49,047 ・~ 305 00:21:49,047 --> 00:21:54,052 ・~ 306 00:21:54,052 --> 00:21:57,055 (銀次)おおっと あっ… 307 00:21:57,055 --> 00:22:01,059 ヘヘ… (お艶)まあ 銀次の旦那 308 00:22:01,059 --> 00:22:03,061 お役目 御苦労さんに存じます 309 00:22:03,061 --> 00:22:06,064 (銀次) あの お艶さんはどちらへ? 310 00:22:06,064 --> 00:22:09,067 あっ 私 あの三峰のお山まで ちょっとお参りに 311 00:22:09,067 --> 00:22:13,071 はぁ 信心深いことでございますね あの お艶様でも… 312 00:22:13,071 --> 00:22:16,074 旦那! 早くしないと 今の男 見失っちまうよ! 313 00:22:16,074 --> 00:22:19,077 あっ いけねえ ちょっと お艶さん 起こして起こして・ 314 00:22:19,077 --> 00:22:21,079 起こして 早く… (お艶のため息) 315 00:22:21,079 --> 00:22:24,082 早く… うん! 316 00:22:24,082 --> 00:22:26,082 アハッ… 317 00:22:30,088 --> 00:22:35,088 (孫六) 何? あの茶わん よこせだと? 318 00:22:42,100 --> 00:22:44,100 ありがとうございます 319 00:22:49,107 --> 00:22:51,109 こ… このばか! 320 00:22:51,109 --> 00:22:53,111 せっかく ひっくくっておきながら・ 321 00:22:53,111 --> 00:22:55,113 途中で逃げられるなんて どじを踏みやがって! 322 00:22:55,113 --> 00:22:59,051 相すいませんです 大切な お品と聞いたもんで・ 323 00:22:59,051 --> 00:23:02,054 つい 茶わんの方に 気ぃ取られちまって へい 324 00:23:02,054 --> 00:23:04,056 八州様 まんず いいんでないの? 325 00:23:04,056 --> 00:23:06,058 これが 下手人取り逃したのは・ 326 00:23:06,058 --> 00:23:10,062 とりあえず まあ 旦那の手柄が減るだけのことで・ 327 00:23:10,062 --> 00:23:12,064 姉ちゃん こんなに喜んでんだし 328 00:23:12,064 --> 00:23:14,066 しかし まあ こんな手妻みたいな早業は・ 329 00:23:14,066 --> 00:23:17,069 うちの旦那だからやれたことだ なっ? (藤八)えっ? 330 00:23:17,069 --> 00:23:20,072 これで 娘が死なずに済みます 331 00:23:20,072 --> 00:23:22,074 ありがとうございます ありがとうございます! 332 00:23:22,074 --> 00:23:26,078 しかしなぁ あんな 茶わん一つで・ 333 00:23:26,078 --> 00:23:30,082 死ぬの生きるのもねえ話だが そんな代物を がめやがって・ 334 00:23:30,082 --> 00:23:35,087 向こう先の見えねえ盗っ人ってのも 困りもんだな (藤八)へい 335 00:23:35,087 --> 00:23:38,090 ああ 全くもって 盗っ人は困り者だ 336 00:23:38,090 --> 00:23:41,093 (五郎蔵)うっ… うん うん そりゃまあ そうだな はい 337 00:23:41,093 --> 00:23:43,095 ・(番頭)申し上げます 338 00:23:43,095 --> 00:23:45,097 (伊右ヱ門)何事です (番頭)はっ 339 00:23:45,097 --> 00:23:48,100 この一件の神業に近い・ 340 00:23:48,100 --> 00:23:52,104 小山田左近様のお腕前が もう 秩父の町じゅうに知れ渡り・ 341 00:23:52,104 --> 00:23:54,106 それぞれ 事件を抱えている者どもが・ 342 00:23:54,106 --> 00:23:57,042 我も我もと 押し寄せております ああ… 343 00:23:57,042 --> 00:24:01,046 (五郎蔵)もう 勝手な言いぐさ 聞く耳 持たんわい・ 344 00:24:01,046 --> 00:24:03,048 俺は こうしちゃおれんのじゃ 345 00:24:03,048 --> 00:24:06,051 あっ 一刻も早く 藤八! (藤八)え… ええ そうです! 346 00:24:06,051 --> 00:24:09,054 と… 栃本の関所に御検分に! 347 00:24:09,054 --> 00:24:11,056 (五郎蔵)早く 馬を! (藤八)へい 348 00:24:11,056 --> 00:24:14,059 いや 旦那様 今からの おたちでは 無理でごぜえます 349 00:24:14,059 --> 00:24:16,061 お前! くっ… 350 00:24:16,061 --> 00:24:18,063 間もなく 日も暮れっから 今から 馬っ子 飛ばしても・ 351 00:24:18,063 --> 00:24:20,065 夜中にやっと 荒川だ 352 00:24:20,065 --> 00:24:23,068 それより 今夜は ここさ泊まって・ 353 00:24:23,068 --> 00:24:25,068 明日の朝 ゆっくり たった方が なっ 354 00:24:30,075 --> 00:24:34,075 おじさん 飯 飯 ああ それから 酒もな ヘヘッ 355 00:24:36,081 --> 00:24:38,081 へい… 356 00:24:40,085 --> 00:24:43,085 うん (藤八)おう 357 00:24:46,091 --> 00:24:50,095 旦那様 その ただいま あの お使者のお見廻りが・ 358 00:24:50,095 --> 00:24:53,098 こちらの旦那様が 八州廻りの小山田左近様と・ 359 00:24:53,098 --> 00:24:59,037 顔が違うと訴え出た者がいたので あの 一目 お目にかかりたいと… 360 00:24:59,037 --> 00:25:01,039 顔が違うって? へい 361 00:25:01,039 --> 00:25:04,042 ばかげたことを まあ… 362 00:25:04,042 --> 00:25:06,044 あっ 旦那様 わしが ちょっと行って・ 363 00:25:06,044 --> 00:25:09,044 様子見てくるかな (伊右ヱ門)お願いします 364 00:25:17,055 --> 00:25:22,060 藤八! 逃げるだけ 逃げよう! 365 00:25:22,060 --> 00:25:26,064 いけね… いけやせん こ… 腰がいけやせん! 366 00:25:26,064 --> 00:25:28,066 それに 親分 どうせ このうちは・ 367 00:25:28,066 --> 00:25:32,066 もう すっかり と… 取り囲まれてるに違えねえ 368 00:25:36,074 --> 00:25:39,077 いかなる者の訴え出とは 存じませぬが・ 369 00:25:39,077 --> 00:25:42,080 係る大事を 軽々しく お取り上げになるとは・ 370 00:25:42,080 --> 00:25:47,080 忍藩 松平御家中のおんためにも 甚だ遺憾に存じまする 371 00:25:49,087 --> 00:25:51,089 主人なる者より お預かりいたします・ 372 00:25:51,089 --> 00:25:56,089 これなる書状 まずは 御覧くだされ! 373 00:26:01,032 --> 00:26:05,036 俺も 雲取の五郎蔵だ 374 00:26:05,036 --> 00:26:10,041 年貢の納め時に じたばたしねえぞ! 375 00:26:10,041 --> 00:26:12,043 一目会わせてあげてえと・ 376 00:26:12,043 --> 00:26:17,043 俺が 親分を 引っ張り出したばっかりに この始末 377 00:26:31,062 --> 00:26:34,065 フフフッ 心配ねえっす ええ 378 00:26:34,065 --> 00:26:37,068 全く まんずまんず 土地のことも治められねえで・ 379 00:26:37,068 --> 00:26:42,073 見廻り役だなんて ああ 話にもなんねえ 380 00:26:42,073 --> 00:26:45,076 どうしたの 調子出ない顔して… 381 00:26:45,076 --> 00:26:48,079 お酒… あれ お酒が全然ない 382 00:26:48,079 --> 00:26:51,079 姉ちゃん 酒持ってきてくれや 383 00:27:00,025 --> 00:27:02,027 ・(銀次)大変だ 旦那! 384 00:27:02,027 --> 00:27:04,029 ねえ 旦那 大変なことが 起こっちまったんで・ 385 00:27:04,029 --> 00:27:07,032 大変なことが ねえ 旦那 大変… 旦那って やめろ 旦那って! 386 00:27:07,032 --> 00:27:09,034 どうして 旦那を旦那って… あっ 旦那様 おはようごぜえます 387 00:27:09,034 --> 00:27:12,037 小山田左近様だ 小山田左近様 (銀次)ええ? 388 00:27:12,037 --> 00:27:14,039 おはようごぜえます じゃんじゃんじゃん・ 389 00:27:14,039 --> 00:27:16,041 この男は わしの友達で… (銀次)えっ? 390 00:27:16,041 --> 00:27:20,045 目刺しの銀次という しかたねえ男でございます はい 391 00:27:20,045 --> 00:27:22,047 (銀次)お控えなすって 手前 生国と はっしますは… 392 00:27:22,047 --> 00:27:24,049 やめなさいって そんなこと… (銀次)いや… どうもすいやせん・ 393 00:27:24,049 --> 00:27:26,051 実は あの 大変なことが 起こっちまったもんで・ 394 00:27:26,051 --> 00:27:28,053 気が 動転しちまったもんですから… 395 00:27:28,053 --> 00:27:30,055 (藤八)どうしたい 三下 (銀次)三下って この野郎! 396 00:27:30,055 --> 00:27:33,058 三下でないの どうしたの どうしたの? 397 00:27:33,058 --> 00:27:35,060 いや 実はですね… うん 398 00:27:35,060 --> 00:27:39,064 鬼首の忠七の野郎が… (五郎蔵)何 忠七が!? 399 00:27:39,064 --> 00:27:41,064 (銀次)三峰のお山で… 400 00:27:57,015 --> 00:28:00,018 (忠七の笑い声) 401 00:28:00,018 --> 00:28:06,024 (忠七)ここはな 猫の子 一匹入り込めやしねえや 402 00:28:06,024 --> 00:28:08,026 お前のおかげでよ・ 403 00:28:08,026 --> 00:28:12,026 また小判が ざくざく 手に入るってわけだ なあ 404 00:28:14,032 --> 00:28:18,036 もたもたしねえで 酒の用意でもしろい 405 00:28:18,036 --> 00:28:20,038 早くしろい! (女性の悲鳴) 406 00:28:20,038 --> 00:28:23,041 (男性)な… 何するだ 乱暴だけは… 407 00:28:23,041 --> 00:28:25,043 あの蝮め! 408 00:28:25,043 --> 00:28:29,047 事もあろうに 三峰様の別当坊に 立て籠もりやがって! 409 00:28:29,047 --> 00:28:32,050 そうなんですよ… (藤八)それで 別当一家は? 410 00:28:32,050 --> 00:28:34,052 もちろん 人質 その中にはね・ 411 00:28:34,052 --> 00:28:38,056 今年10歳になったばかりの女の子も 交じってるって 話なんですよ 412 00:28:38,056 --> 00:28:42,060 な… 10歳の女の子! あの… 413 00:28:42,060 --> 00:28:46,064 あ… 旦那様も 女の子が いらっしゃるんですか? 414 00:28:46,064 --> 00:28:48,066 ある ああ 俺にも 415 00:28:48,066 --> 00:28:51,069 親の気持ちは みんな同じだ 416 00:28:51,069 --> 00:28:53,071 (女の子の笑い声) 417 00:28:53,071 --> 00:28:56,071 藤八 行くぞ! (藤八)ええ… ちょ… 418 00:29:03,014 --> 00:29:05,016 行こうぜ 銀次 (銀次)へい 419 00:29:05,016 --> 00:29:20,016 ・~ 420 00:29:25,036 --> 00:29:27,038 (女性の悲鳴) 421 00:29:27,038 --> 00:29:31,042 (役人たち)ほら どけどけ どけ (役人)どけ 騒ぐな! 422 00:29:31,042 --> 00:29:34,045 (一同のざわめき) 423 00:29:34,045 --> 00:29:50,061 ・~ 424 00:29:50,061 --> 00:29:53,064 何してんのかしら 左近の旦那は? 425 00:29:53,064 --> 00:29:55,066 もう こういう時に限って・ 426 00:29:55,066 --> 00:29:58,002 新兵衛の旦那もいないんだから もう! 427 00:29:58,002 --> 00:30:18,022 ・~ 428 00:30:18,022 --> 00:30:27,031 ・~ 429 00:30:27,031 --> 00:30:29,033 (馬のいななき) 430 00:30:29,033 --> 00:30:32,036 ああ 来た来た ねえ 八州様が来たよ! 431 00:30:32,036 --> 00:30:34,038 (男性)八州様だ (男性)八州様… 432 00:30:34,038 --> 00:30:54,058 ・~ 433 00:30:54,058 --> 00:30:56,058 ・~ 434 00:30:57,996 --> 00:31:00,996 ハァハァ… 435 00:31:04,002 --> 00:31:09,007 ねえ 左近の旦那 (せきばらい) 436 00:31:09,007 --> 00:31:13,011 ああ やっぱり 馬はいいな 銀次の気持ちが よく分かるよ 437 00:31:13,011 --> 00:31:15,013 ああ 偉い! 438 00:31:15,013 --> 00:31:18,016 あ… お… 親分!・ 439 00:31:18,016 --> 00:31:21,019 親分 親分いけねえ お前さん 何て ばかなことを! 440 00:31:21,019 --> 00:31:24,022 ええい 何が ばかなもんかい (藤八)だって そうじゃねえですかい 441 00:31:24,022 --> 00:31:27,025 そんなことしたら 死にに行くようなもんだ 442 00:31:27,025 --> 00:31:29,027 かもしれねえなぁ 443 00:31:29,027 --> 00:31:31,029 一体 どうして そんな気に? 444 00:31:31,029 --> 00:31:34,032 小松屋で あの茶わんを 取り戻してやった時の・ 445 00:31:34,032 --> 00:31:37,035 あの親子の 喜びようったらなかった 446 00:31:37,035 --> 00:31:39,037 俺は 今までにねえ・ 447 00:31:39,037 --> 00:31:42,040 一度も味わったことのねえ 妙な 気持ちになってな 448 00:31:42,040 --> 00:31:45,043 俺は 女の子と見ると・ 449 00:31:45,043 --> 00:31:48,046 ふびんな娘のことが 思い出されてならねえんだ 450 00:31:48,046 --> 00:31:51,049 あの別当坊の中にも 女の子がいる 451 00:31:51,049 --> 00:31:56,054 第一 俺は いずれ 一度は 鬼首とやり合わなきゃなんねえ 452 00:31:56,054 --> 00:31:59,057 おい 藤八! 453 00:31:59,057 --> 00:32:03,061 かわいそうな娘の おふみのことは 頼んだぜ 454 00:32:03,061 --> 00:32:05,063 親分! 455 00:32:05,063 --> 00:32:08,063 (五郎蔵)関東取締出役 小山田左近 まかり通る! 456 00:32:13,071 --> 00:32:15,073 あの八州姿の男は 一体 何者? 457 00:32:15,073 --> 00:32:19,077 関東取締出役 小山田左近 ええ!? 458 00:32:19,077 --> 00:32:22,080 と称してる男 459 00:32:22,080 --> 00:32:27,085 …で 正体は? 雲取の五郎蔵 460 00:32:27,085 --> 00:32:29,087 じゃあ どうして 捕まえないんですか 461 00:32:29,087 --> 00:32:32,090 ねえ 本当の左近の旦那! 462 00:32:32,090 --> 00:32:47,105 ・~ 463 00:32:47,105 --> 00:32:52,110 鬼首の忠七 俺の顔を忘れたか? 464 00:32:52,110 --> 00:32:56,110 雲取の五郎蔵だ! 465 00:33:01,052 --> 00:33:04,055 (五郎蔵)なあ 忠七・ 466 00:33:04,055 --> 00:33:07,058 何の罪もねえ この別当坊の人たちを・ 467 00:33:07,058 --> 00:33:11,062 無事に放してやってくれ (忠七)何だと!・ 468 00:33:11,062 --> 00:33:14,065 お前 いつから 仏になりやがった 469 00:33:14,065 --> 00:33:16,067 (五郎蔵)いや 俺は 別に 仏になったわけじゃねえ・ 470 00:33:16,067 --> 00:33:21,072 だが 俺は堅気の衆には 指一本 触れたことはねえんだ 471 00:33:21,072 --> 00:33:27,078 フッ お前に説教されるとは 思わなかったぜ 472 00:33:27,078 --> 00:33:29,080 だが まあいいや 473 00:33:29,080 --> 00:33:34,085 お前の その身代金代わりの 条件ってのは 一体 何なんだ 474 00:33:34,085 --> 00:33:40,091 (五郎蔵)俺の縄張り全て お前にやる (忠七)ああ? 475 00:33:40,091 --> 00:33:46,097 なあ 俺は うそは言わねえ (忠七)俺は うそが大嫌えだ! 476 00:33:46,097 --> 00:33:51,102 堅気の衆は 殺しちゃならねえ! (忠七)やかましい! 477 00:33:51,102 --> 00:33:56,107 なあ 忠七 頼む このとおりだ 478 00:33:56,107 --> 00:33:59,043 せめて あの女の子だけは 放してやってくれ 479 00:33:59,043 --> 00:34:02,043 なあ 頼む! 480 00:34:07,051 --> 00:34:13,057 (忠七)断る 俺はな 絹でだぶついた この忍藩から・ 481 00:34:13,057 --> 00:34:16,057 精いっぱい 身代金を ふんだくってやるんだ 482 00:34:18,062 --> 00:34:22,066 お前のやり口は 汚え! 483 00:34:22,066 --> 00:34:25,069 お前は 死ね! 484 00:34:25,069 --> 00:34:29,073 八州様にやられたと 子分には そう伝えよう 485 00:34:29,073 --> 00:34:31,073 そうすりゃ 秩父は 俺のもんだ! 486 00:34:33,077 --> 00:34:35,079 許せねえ! 487 00:34:35,079 --> 00:34:41,079 別当坊を押し込めたのも お前だっていうことにしようや 488 00:34:49,093 --> 00:34:52,096 ・ そうはいかねえ! 489 00:34:52,096 --> 00:34:59,036 五郎蔵 うそはいけねえ お前 一人じゃなかったのか 490 00:34:59,036 --> 00:35:03,040 お前みてえな野郎に うそも へちまもあるか! 491 00:35:03,040 --> 00:35:09,046 五郎蔵 俺にうそはいけねえよ 怒らせるだけだ! 492 00:35:09,046 --> 00:35:14,046 藤八 お前の命は 俺が預かる (藤八)へい 493 00:35:19,056 --> 00:35:22,056 野郎ども たたき斬れ! (子分)この野郎! 494 00:35:43,080 --> 00:35:46,080 野郎! (子分)この野郎! 495 00:35:54,091 --> 00:35:56,091 親分! 496 00:35:59,030 --> 00:36:01,030 (藤八)この野郎 待て! 497 00:36:05,036 --> 00:36:07,036 ああ 藤八! 498 00:36:33,064 --> 00:36:38,069 旦那 おら 助太刀だ! あっ… 499 00:36:38,069 --> 00:36:40,071 うーん そやつも斬れ! 500 00:36:40,071 --> 00:37:00,024 ・~ 501 00:37:00,024 --> 00:37:20,044 ・~ 502 00:37:20,044 --> 00:37:40,044 ・~ 503 00:38:32,049 --> 00:38:34,049 旦那! 504 00:38:36,053 --> 00:38:39,056 ・(五郎蔵)藤八 しっかりしろ! 藤八! 505 00:38:39,056 --> 00:38:42,059 ああ 親分… 506 00:38:42,059 --> 00:38:47,064 あっしのことは… あっしのことは構わないでくだせえ 507 00:38:47,064 --> 00:38:50,067 (五郎蔵)藤八 しっかりしろ! 藤八! 508 00:38:50,067 --> 00:38:53,070 (藤八)親分 すまねえ すまねえ 親分… 509 00:38:53,070 --> 00:38:56,070 (五郎蔵)藤八 しっかりしろ しっかり! 510 00:38:58,009 --> 00:39:01,009 藤八 藤八! 511 00:39:06,017 --> 00:39:09,017 こ… これで 親分… 512 00:39:11,022 --> 00:39:16,022 やっと… やっと おふみちゃんに会えますね 513 00:39:18,029 --> 00:39:20,029 藤八… 514 00:39:22,033 --> 00:39:41,052 ・~ 515 00:39:41,052 --> 00:39:43,052 藤八… 516 00:39:46,057 --> 00:39:49,057 藤八! (五郎蔵の泣き声) 517 00:39:55,066 --> 00:39:58,066 銀次さん 後は頼むだ (銀次)へい 518 00:40:00,004 --> 00:40:05,009 小山田の旦那 気持ちは分かっけど 栃本の関所さ 早く早く 519 00:40:05,009 --> 00:40:08,009 へい お供すっから 520 00:40:12,016 --> 00:40:14,018 なあ! 521 00:40:14,018 --> 00:40:34,038 ・~ 522 00:40:34,038 --> 00:40:53,057 ・~ 523 00:40:53,057 --> 00:41:04,001 ・~ 524 00:41:04,001 --> 00:41:10,007 関東取締出役 小山田左近 役目により まかり通る! 525 00:41:10,007 --> 00:41:26,023 ・~ 526 00:41:26,023 --> 00:41:32,029 ばか野郎 ばか野郎! ばか野郎めが! 527 00:41:32,029 --> 00:41:50,029 ・~ 528 00:41:58,055 --> 00:42:00,055 ハァ… 529 00:42:04,061 --> 00:42:10,061 ・(五郎蔵)小山田様 左近様! 530 00:42:13,070 --> 00:42:20,077 ・(五郎蔵)小山田様 左近様! 531 00:42:20,077 --> 00:42:25,077 小山田様 小山田様… 532 00:42:30,087 --> 00:42:36,087 小山田様 左近様! 533 00:42:38,095 --> 00:42:43,095 ありがとうごぜえます ありがとうごぜえます 534 00:42:45,102 --> 00:42:48,102 ありがとうごぜえます! 535 00:42:50,107 --> 00:42:53,110 (五郎蔵の泣き声) 536 00:42:53,110 --> 00:42:58,110 ハハハ… やっぱり 知ってやがったか 537 00:43:37,087 --> 00:43:40,087 (五郎蔵)おふみ おふみ! 538 00:43:42,092 --> 00:43:46,092 おふみ! おふみ! 539 00:43:57,041 --> 00:44:04,048 ・ 田んぼに米まきゃ 米がなる・ 540 00:44:04,048 --> 00:44:10,054 ・ 日が照り雨降りゃ 米がなる・ 541 00:44:10,054 --> 00:44:13,057 ・ 村の鎮守様… ・(五郎蔵)おふみ! 542 00:44:13,057 --> 00:44:16,057 あっ おとっつぁん おとっつぁん! 543 00:44:18,062 --> 00:44:21,065 《おふみちゃん お父さんは 帰ってきたよ》 544 00:44:21,065 --> 00:44:24,068 《陣笠かぶって 馬にまたがり…》 545 00:44:24,068 --> 00:44:28,072 《でも おふみちゃんには その姿が見えないんだな》 546 00:44:28,072 --> 00:44:31,075 《しかし おふみちゃんには 見えるものがある》 547 00:44:31,075 --> 00:44:34,078 《それは お父さんの心だ》 548 00:44:34,078 --> 00:44:38,082 《おふみちゃん 待ってた かいがあったな》 549 00:44:38,082 --> 00:44:40,084 《帰ってきた お父さんは・ 550 00:44:40,084 --> 00:44:44,088 今までより ずっとずっと 美しい心で 帰ってきたんだ》 551 00:44:44,088 --> 00:44:46,088 (おふみ)おとっつぁん! 552 00:45:00,037 --> 00:45:04,037 (八重)お父様 お父様! 553 00:45:09,046 --> 00:45:14,046 (八重)お父様 お父様 お父様! 554 00:45:21,058 --> 00:45:26,063 (八重)お父様 浅野のおじ様が 連れてきてくれたの 555 00:45:26,063 --> 00:45:28,065 (八重)江戸から お馬に乗って 556 00:45:28,065 --> 00:45:43,080 ・~ 557 00:45:43,080 --> 00:45:49,086 お父様 その姿は何です お母様に言いつけますよ 558 00:45:49,086 --> 00:45:53,090 ああ いえ これには ちと事情がありまして 559 00:45:53,090 --> 00:45:57,027 しかし 八重 人は姿ではありません 心ですよ 560 00:45:57,027 --> 00:46:00,027 分かりましたか はい 561 00:46:03,033 --> 00:46:08,038 アハッ 八重! アハハハ… 562 00:46:08,038 --> 00:46:15,045 (おふみ) ・ 田んぼに米まきゃ 米がなる・ 563 00:46:15,045 --> 00:46:21,051 ・ 日が照り雨降りゃ 米がなる・ 564 00:46:21,051 --> 00:46:30,060 ・ 村の鎮守様 米を待つ 565 00:46:30,060 --> 00:46:41,071 (五郎蔵・おふみ) ・ 米まく童は 大人になれ 566 00:46:41,071 --> 00:46:44,074 (おふみ)おとっつぁん! 567 00:46:44,074 --> 00:47:04,027 ・~ 568 00:47:04,027 --> 00:47:24,047 ・~ 569 00:47:24,047 --> 00:47:38,061 ・~ 570 00:47:38,061 --> 00:47:42,061 ・ 八州様 八州様