1 00:01:23,117 --> 00:01:27,121 <関東の八つの国 いわゆる 関八州は➡ 2 00:01:27,121 --> 00:01:31,125 公儀 旗本 大名の領地が 複雑に入り組み➡ 3 00:01:31,125 --> 00:01:35,129 犯罪取締りの難しい地域であった> 4 00:01:35,129 --> 00:01:40,134 <公儀は 関八州の巡察と 犯罪摘発取締りのため➡ 5 00:01:40,134 --> 00:01:47,141 勘定奉行配下に裁量権を持った 関東取締出役を置いた> 6 00:01:47,141 --> 00:01:49,141 <俗に言う 八州廻りである> 7 00:01:56,150 --> 00:02:01,155 (客たち)丁! 半! (中盆)あと一枚 半 8 00:02:01,155 --> 00:02:05,159 (客)半! (中盆)勝負➡ 9 00:02:05,159 --> 00:02:07,161 五二の半 半と出ました (客)うわ~っ ああ… 10 00:02:07,161 --> 00:02:10,164 (客たちの笑い声) (客)やり込まれましたね 11 00:02:10,164 --> 00:02:13,167 (小判の音) 12 00:02:13,167 --> 00:02:15,169 (中盆)つぼ (客)いやいやいや… 13 00:02:15,169 --> 00:02:17,171 (つぼ振り)五二の半 かぶります 14 00:02:17,171 --> 00:02:19,173 (ざるを伏せる音) 15 00:02:19,173 --> 00:02:21,175 (中盆)さあ 入りやした (客)ああ どうしますかね… 16 00:02:21,175 --> 00:02:24,111 (中盆)丁方ないか 丁方 (客の丁半を賭ける声) 17 00:02:24,111 --> 00:02:27,114 (中盆)半方ないか 半方 (客)よし 18 00:02:27,114 --> 00:02:33,120 <日光 例幣使街道に程近い 蔵の一つで➡ 19 00:02:33,120 --> 00:02:37,124 連日 違法な土場が開かれている という情報が➡ 20 00:02:37,124 --> 00:02:43,124 道案内 五料宿の辰次によって 十兵衛の元に もたらされた> 21 00:02:45,132 --> 00:02:47,134 (客たちの慌てる声) 22 00:02:47,134 --> 00:02:49,136 (粂蔵)関八州取締出役➡ 23 00:02:49,136 --> 00:02:52,139 桑山十兵衛様 じきじきの お出ましだ 24 00:02:52,139 --> 00:02:56,143 (粂蔵)てめえら 神妙にしやがれ こら!➡ 25 00:02:56,143 --> 00:02:59,146 1人ずつ 順番に 外へ出ろ! (客)分かりましたよ 26 00:02:59,146 --> 00:03:01,148 (粂蔵)凶器を隠し持つことは ならねえぞ➡ 27 00:03:01,148 --> 00:03:03,150 見つけしだい たたっ斬る いいな! 28 00:03:03,150 --> 00:03:05,152 ≪(捕り方たち) おい! そこに固まれ! 29 00:03:05,152 --> 00:03:07,154 (粂蔵)おい 30 00:03:07,154 --> 00:03:21,168 ♬~ 31 00:03:21,168 --> 00:03:26,168 (粂蔵)おい 出ろってえのが 聞こえねえのか この野郎 お前 32 00:03:39,120 --> 00:03:44,120 喜三郎… (辰次)木の喜三郎… 33 00:03:49,130 --> 00:03:56,137 <木の喜三郎は 表向き 木宿で居酒屋を営んでいたが➡ 34 00:03:56,137 --> 00:04:00,141 実は ばくちを本業とする貸元で➡ 35 00:04:00,141 --> 00:04:06,141 上州では 三本の指に入る ばくち打ちの親分だった> 36 00:04:10,151 --> 00:04:14,155 <このころ ばくちの主催者である胴元は➡ 37 00:04:14,155 --> 00:04:19,160 無条件で遠島 つまり 流刑になるのが決まりだった> 38 00:04:19,160 --> 00:04:24,098 <遠島の刑を受けた者は 一生 島暮らしを余儀なくされ➡ 39 00:04:24,098 --> 00:04:29,098 そのほとんどが 二度と 生きて しゃばに戻ることはできなかった> 40 00:04:35,109 --> 00:04:37,111 ≪(喜三郎)桝吉 41 00:04:37,111 --> 00:04:40,111 (喜三郎)こっちおいでよ 何を遠慮してる 42 00:04:49,123 --> 00:04:53,123 (十兵衛)うん なかなか いけるぞ このおこわ 43 00:04:55,129 --> 00:04:58,132 どうしたい 3人とも 浮かん顔して 44 00:04:58,132 --> 00:05:01,135 (粂蔵)のんびり おこわなんぞ 食ってられますか➡ 45 00:05:01,135 --> 00:05:03,137 面倒なことに なっちまったってえのに 46 00:05:03,137 --> 00:05:06,140 何が面倒なんだ? (粂蔵)ハァ… 47 00:05:06,140 --> 00:05:09,143 (五兵衛) いくら何でも 相手が悪すぎますよ 48 00:05:09,143 --> 00:05:13,147 (辰次)まさか 喜三郎の土場だなんて 夢にも… 49 00:05:13,147 --> 00:05:17,151 いいですか 旦那 あの喜三郎には 前がありません 50 00:05:17,151 --> 00:05:20,154 あれほどの男が 今まで 無傷で きたのは➡ 51 00:05:20,154 --> 00:05:22,089 どうしてだか 分かってんですか? 52 00:05:22,089 --> 00:05:26,093 それ相応のからくりが あるからだろう そのとおりですよ 53 00:05:26,093 --> 00:05:30,097 喜三郎が胴元と思われる土場が いくつか挙げられても➡ 54 00:05:30,097 --> 00:05:34,101 結局 子分や他の者が 一切合財 罪をかぶって➡ 55 00:05:34,101 --> 00:05:37,104 肝心の喜三郎は 無罪放免だったからですよ 56 00:05:37,104 --> 00:05:40,107 (辰次) 無罪放免で済んだだけじゃねえ 57 00:05:40,107 --> 00:05:43,110 やつは 必ず 手ひどい しっぺ返しを… 58 00:05:43,110 --> 00:05:46,110 (五兵衛)みんなが やつの復しゅうを恐れています 59 00:05:54,121 --> 00:05:58,125 やつの場合は ただの脅しじゃ済まねんですよ 60 00:05:58,125 --> 00:06:02,129 喜三郎のことを ちくろうとした 木宿の股八みてえに➡ 61 00:06:02,129 --> 00:06:04,129 消されちまいます 62 00:06:06,133 --> 00:06:10,137 おだぶつにされたのは 股八だけじゃありません 63 00:06:10,137 --> 00:06:14,141 旦那と同じ八州廻りの 黒田小太郎様だって… 64 00:06:14,141 --> 00:06:16,143 (黒田)《他の連中は 貴様を恐れ➡ 65 00:06:16,143 --> 00:06:19,146 おびえきっているようだが 俺は違う》➡ 66 00:06:19,146 --> 00:06:24,085 《この手で 必ず 貴様を お縄にしてみせる》 67 00:06:24,085 --> 00:06:29,090 (粂蔵)黒田様が威勢がよかったのは ほんの何日かだけでしたよ 68 00:06:29,090 --> 00:06:33,094 その ほんの何日か たつか たたずで あんなことに… 69 00:06:33,094 --> 00:06:36,097 (黒田)《うっ! うっ… あっ…》 (喜三郎)《おら!》 70 00:06:36,097 --> 00:06:38,097 (黒田)《ああっ!》 71 00:06:40,101 --> 00:06:43,104 (喜三郎の笑い声) 72 00:06:43,104 --> 00:07:02,123 ♬~ 73 00:07:02,123 --> 00:07:04,125 ♬~ 74 00:07:04,125 --> 00:07:07,128 (喜三郎)《酒 飲んで 落っこっちまったんだな》 75 00:07:07,128 --> 00:07:09,130 (留吉・寅八の笑い声) 76 00:07:09,130 --> 00:07:12,133 (粂蔵)酔って 足場を踏み外した ってことになってますがね➡ 77 00:07:12,133 --> 00:07:17,133 あれは 間違いなく 喜三郎に殺されたんですよ きっと 78 00:07:23,077 --> 00:07:29,083 元坊主のくせして 次から次へと 人を殺しやがって 全く 79 00:07:29,083 --> 00:07:31,085 (辰次)いっそ このまま➡ 80 00:07:31,085 --> 00:07:34,088 無罪放免にした方が いいんじゃねえかと 81 00:07:34,088 --> 00:07:38,092 無罪放免は無理でも 喜三郎を お縄にしなかったことには➡ 82 00:07:38,092 --> 00:07:42,096 できるんじゃないですか? (辰次)お縄にしなかった!? 83 00:07:42,096 --> 00:07:47,101 それだ それ! あの土場には 喜三郎は いなかった➡ 84 00:07:47,101 --> 00:07:49,103 なっ? うん (辰次)はあ ハッ… 85 00:07:49,103 --> 00:07:55,109 喜三郎は このまま 江戸の 評定所に送り 裁きを受けさせる 86 00:07:55,109 --> 00:07:57,111 (粂蔵・辰次)旦那… (五兵衛)旦那様… 87 00:07:57,111 --> 00:08:03,117 たとえ 前はなくとも ばくちの胴元なら 島流しだ 88 00:08:03,117 --> 00:08:06,120 木の喜三郎を➡ 89 00:08:06,120 --> 00:08:10,120 一生 島に閉じ込めておくことが できるはずだ 90 00:08:19,133 --> 00:08:24,133 <喜三郎たちの江戸護送には 粂蔵が付き添った> 91 00:08:26,073 --> 00:08:32,079 <一方 十兵衛は 八州廻りの 仕事として 近隣の村々を回り➡ 92 00:08:32,079 --> 00:08:36,079 粂蔵に遅れること5日 江戸へ戻った> 93 00:08:40,087 --> 00:08:44,091 あっ… これは 登喜様 94 00:08:44,091 --> 00:08:46,093 (登喜)十兵衛殿は? (五兵衛)あっ…➡ 95 00:08:46,093 --> 00:08:51,098 だ… 旦那様は 今… (登喜)今… 何です? 96 00:08:51,098 --> 00:08:54,101 もうじき のし終わるからな 97 00:08:54,101 --> 00:08:59,101 今日のそばは 飛びっ切りうまいぞ 待っててくれよ 98 00:09:02,109 --> 00:09:07,114 八重 一つだけ聞いていいかな (八重)はい 99 00:09:07,114 --> 00:09:14,121 そばは あまり好きじゃないのか? いいんだよ 正直に言って 100 00:09:14,121 --> 00:09:16,121 好きじゃないのか? 101 00:09:22,062 --> 00:09:27,067 アハッ やはり そっか… 102 00:09:27,067 --> 00:09:29,069 (八重)あの… うん? 103 00:09:29,069 --> 00:09:36,069 遊んできても よろしいでしょうか おお おお いいよ 104 00:09:39,079 --> 00:09:44,084 せっかく作ってやったのに ハァ… 105 00:09:44,084 --> 00:09:46,086 (登喜の せきばらい) おお… 106 00:09:46,086 --> 00:09:49,089 これは 姉上 いやぁ… 107 00:09:49,089 --> 00:09:52,092 (登喜)八重の そば嫌いを 知らずにいたなんて 108 00:09:52,092 --> 00:09:56,096 いや 喜ばせてやろうと 思ったんですがね… 109 00:09:56,096 --> 00:09:59,099 実の父と娘とはいえど➡ 110 00:09:59,099 --> 00:10:02,102 ほとんど 一緒に暮らしては いないのですから➡ 111 00:10:02,102 --> 00:10:05,105 他人のようになってしまうのも しかたがありません 112 00:10:05,105 --> 00:10:09,109 ですから あなたの再婚のために 私は苦労して お見合いを➡ 113 00:10:09,109 --> 00:10:12,112 まとめようとしているのです それなのに あなたときたら! 114 00:10:12,112 --> 00:10:15,115 よろしく お願いいたします えっ? 115 00:10:15,115 --> 00:10:18,118 いや お見合いの段取りです いいのですか? 116 00:10:18,118 --> 00:10:25,059 はい 八重のことを思えば そろそろ 身を固めるべきかと… 117 00:10:25,059 --> 00:10:29,063 お任せいたします 本気でしょうね? 118 00:10:29,063 --> 00:10:33,067 何度 お見合いをすっぽかされたか 知れないのですから 119 00:10:33,067 --> 00:10:39,073 武士に二言はございません うん! 分かりました 120 00:10:39,073 --> 00:10:42,076 ちょうど これはという お相手がいるのです 121 00:10:42,076 --> 00:10:44,078 (戸の開く音) ≪(粂蔵)旦那! あっ… 122 00:10:44,078 --> 00:10:46,080 何があったんだ (粂蔵)思ったとおりに➡ 123 00:10:46,080 --> 00:10:49,083 なっちまいましたよ 桝吉っていう名の子分が➡ 124 00:10:49,083 --> 00:10:51,085 土場の胴元は自分だと 名乗りを上げ➡ 125 00:10:51,085 --> 00:10:56,085 喜三郎は ただの客ってことになって 50たたきで放免ですよ 126 00:11:00,094 --> 00:11:06,100 (川端)当然の裁きが下りたまでだ どこが当然なんですか 127 00:11:06,100 --> 00:11:09,103 ばくちの胴元は 喜三郎に間違いないと➡ 128 00:11:09,103 --> 00:11:12,106 くどいほどの差し紙を添えて 評定所送りにしたはずです 129 00:11:12,106 --> 00:11:16,110 それを ただの客として しかも➡ 130 00:11:16,110 --> 00:11:20,114 50たたきの軽い刑で 放免に するなんて 常軌を逸してます 131 00:11:20,114 --> 00:11:25,119 (川端)常軌を逸しておるのは 桑山 お前の方だ 132 00:11:25,119 --> 00:11:29,123 これまで 何の前もない たまたま 遊び半分で➡ 133 00:11:29,123 --> 00:11:33,127 土場に足を踏み入れただけに すぎない 居酒屋の亭主を➡ 134 00:11:33,127 --> 00:11:38,132 事もあろうに ばくちの胴元として 島送りにするなんぞ➡ 135 00:11:38,132 --> 00:11:42,136 もっての外だと 上が言っておるのだよ 上が 136 00:11:42,136 --> 00:11:47,141 喜三郎は ただの 居酒屋の亭主ではありません 137 00:11:47,141 --> 00:11:52,146 上州に 悪名とどろく貸元です うむ 138 00:11:52,146 --> 00:11:54,148 わしも そう言ったのだが➡ 139 00:11:54,148 --> 00:11:57,151 風聞だけで その証拠は どこにもない 140 00:11:57,151 --> 00:12:01,155 現に 桑山たちが踏み込んだ 土場の胴元は自分だと➡ 141 00:12:01,155 --> 00:12:05,159 桝吉という男が 全てを認めておるではないかと➡ 142 00:12:05,159 --> 00:12:09,163 わしまで どやしつけられたよ 川端様 143 00:12:09,163 --> 00:12:14,168 桝吉は 喜三郎の身代わりに なっているだけなんですよ 144 00:12:14,168 --> 00:12:19,173 うむ しかしだな その桝吉が あの喜三郎のことを➡ 145 00:12:19,173 --> 00:12:24,111 初めて顔を合わした 土場の客だと はっきり認めている その上にだ➡ 146 00:12:24,111 --> 00:12:28,115 木宿の名主を筆頭に 宿場の人間から➡ 147 00:12:28,115 --> 00:12:34,115 両手に余る 喜三郎の善行書が 届いているんだよ 148 00:12:36,123 --> 00:12:38,125 善行書? 149 00:12:38,125 --> 00:12:42,129 喜三郎が どれだけ真面目で 宿場の役に立っているかを➡ 150 00:12:42,129 --> 00:12:45,132 累々と述べたてた善行書だよ 151 00:12:45,132 --> 00:12:50,137 上の連中は こういうのを 頭から信じ込むものだ 152 00:12:50,137 --> 00:12:53,140 評定所の留役は 何かと多忙でな➡ 153 00:12:53,140 --> 00:12:55,142 いつまでも お前に つきあっていられん 154 00:12:55,142 --> 00:12:57,142 わしゃ 別件の打ち合わせがある 155 00:12:59,146 --> 00:13:19,166 ♬~ 156 00:13:19,166 --> 00:13:24,104 ♬~ 157 00:13:24,104 --> 00:13:31,111 桝吉だったな 本気で 罪をかぶるつもりか? 158 00:13:31,111 --> 00:13:37,111 ばくちの主犯となれば 死ぬまで しゃばには戻れんぞ 159 00:13:39,119 --> 00:13:43,123 そうまでして なぜ 喜三郎をかばう 160 00:13:43,123 --> 00:13:50,130 あの喜三郎は お前の一生を ささげるだけの相手なのか? 161 00:13:50,130 --> 00:13:55,135 (桝吉)俺だよ ばくちの胴元は 162 00:13:55,135 --> 00:14:02,142 喜三郎? ハッ… そんな名の野郎は知らねえや➡ 163 00:14:02,142 --> 00:14:04,144 フン! 164 00:14:04,144 --> 00:14:24,097 ♬~ 165 00:14:24,097 --> 00:14:27,100 ♬~ 166 00:14:27,100 --> 00:14:31,104 これはこれは 桑山様 167 00:14:31,104 --> 00:14:33,106 この度は 大層 お世話になりまして 168 00:14:33,106 --> 00:14:35,108 うわさどおりだな 169 00:14:35,108 --> 00:14:39,112 (喜三郎)はてさて 手前には 何のことやら 皆目 170 00:14:39,112 --> 00:14:46,119 お前の周りには 喜三郎に 恐れおののき➡ 171 00:14:46,119 --> 00:14:49,122 ありもしない お前の善行を➡ 172 00:14:49,122 --> 00:14:54,127 お上に並べ立てる者 ばかりのようだな 173 00:14:54,127 --> 00:15:01,134 (喜三郎)今も申しましたように 何のことやら 皆目… 174 00:15:01,134 --> 00:15:15,148 ♬~ 175 00:15:15,148 --> 00:15:20,153 (喜三郎の笑い声) 176 00:15:20,153 --> 00:15:33,100 ♬~ 177 00:15:33,100 --> 00:15:35,102 (銃声) 178 00:15:35,102 --> 00:15:37,102 (留吉)はっ… 179 00:15:45,112 --> 00:15:48,115 喜三郎… 180 00:15:48,115 --> 00:15:53,120 (囃子) (女性たちの笑い声) 181 00:15:53,120 --> 00:15:56,123 (五兵衛)もう やめた方が いいんじゃないですか 182 00:15:56,123 --> 00:15:58,125 (粂蔵)お前 これぐらい どうってことねえよ お前 183 00:15:58,125 --> 00:16:02,129 とにかく けがが なかったのは 不幸中の幸いだよ➡ 184 00:16:02,129 --> 00:16:04,131 さすがの旦那も これで 喜三郎のことは➡ 185 00:16:04,131 --> 00:16:07,134 諦めてくれんだろうな うん 186 00:16:07,134 --> 00:16:11,138 本当に 諦めてくださればいいけど… 187 00:16:11,138 --> 00:16:14,141 (粂蔵)ああ… もう一杯 お代わり (女性)あいよ 188 00:16:14,141 --> 00:16:16,143 諦めるに決まってんだろう 案の定➡ 189 00:16:16,143 --> 00:16:19,146 喜三郎が放免と決まったあげくに 脅しの一発だよ お前 190 00:16:19,146 --> 00:16:24,084 これ以上 やつに関わったら 命が いくつあっても足んねえってよ➡ 191 00:16:24,084 --> 00:16:26,086 今度ばかりは 旦那も➡ 192 00:16:26,086 --> 00:16:28,088 思い知らされたに違えねえや なっ? うん 193 00:16:28,088 --> 00:16:31,091 (五兵衛)ハァ… だといいですけど 194 00:16:31,091 --> 00:16:33,093 (粂蔵)お前 何 心配してんだよ 195 00:16:33,093 --> 00:16:35,095 旦那だって ばかじゃねえんだぞ お前 196 00:16:35,095 --> 00:16:38,098 一つしかねえ命を お前 粗末にするもんか 197 00:16:38,098 --> 00:16:41,101 何てったって お前 旦那には➡ 198 00:16:41,101 --> 00:16:44,104 かわいい八重様が いらっしゃるんだよ フン! 199 00:16:44,104 --> 00:16:48,108 かわいい八重様が いらっしゃるんだよ 200 00:16:48,108 --> 00:16:57,117 ♬~ 201 00:16:57,117 --> 00:17:09,129 ♬~ 202 00:17:09,129 --> 00:17:14,129 八重… 堪忍してくれ 203 00:17:19,139 --> 00:17:24,077 (五兵衛)粂蔵さん 粂蔵さん! 粂蔵さん! 204 00:17:24,077 --> 00:17:28,081 旦那が出かけた!? どこ行ったんだよ (五兵衛)うっ…➡ 205 00:17:28,081 --> 00:17:30,083 上州 木宿 あの喜三郎の地元ですよ 206 00:17:30,083 --> 00:17:32,085 どうして 木宿へ!? お前… 207 00:17:32,085 --> 00:17:34,087 (五兵衛)どうしてだか 知りませんよ 兄貴を連れて➡ 208 00:17:34,087 --> 00:17:37,090 すぐ 後を追ってこいって (粂蔵)…ったく よりによって➡ 209 00:17:37,090 --> 00:17:40,093 喜三郎の地元へなんか お前 何だって 出かけたんだよ お前 210 00:17:40,093 --> 00:17:43,096 とにかく 待ち合わせ場所も 聞いています (粂蔵)チッ 211 00:17:43,096 --> 00:17:45,096 分かったよ ああ! 212 00:17:48,101 --> 00:17:50,103 八重… 213 00:17:50,103 --> 00:17:56,103 大事な お見合いがあるというのに 十兵衛殿は 一体 どこへ? 214 00:18:03,116 --> 00:18:22,068 ♬~ 215 00:18:22,068 --> 00:18:24,070 しょうがない…➡ 216 00:18:24,070 --> 00:18:30,070 また 伯母様のおうちで お父上のお帰りを待ちましょう 217 00:18:32,078 --> 00:18:36,082 (登喜)ウフフフ… 218 00:18:36,082 --> 00:18:50,096 ♬~ 219 00:18:50,096 --> 00:18:52,098 (一同の笑い声) (留吉)おかえんなさい 220 00:18:52,098 --> 00:18:55,101 (寅八)御無事で (子分たち)おかえんなさい 221 00:18:55,101 --> 00:18:58,104 (子分)お元気で 何よりです (門左衛門)さあ どうぞ➡ 222 00:18:58,104 --> 00:19:00,104 さあ こちらでございます さあ どうぞ 223 00:19:03,109 --> 00:19:06,109 (女性)ねっ さあ 行きますよ 224 00:19:09,115 --> 00:19:16,115 <ここ五料宿には 道案内 辰次の 雑貨屋を兼ねた住まいがある> 225 00:19:18,124 --> 00:19:22,062 (辰次の いびき) 226 00:19:22,062 --> 00:19:24,064 (戸をたたく音) 227 00:19:24,064 --> 00:19:27,064 (おはつ)お前さん 喜三郎の手下かも 228 00:19:29,069 --> 00:19:34,074 (戸をたたく音) 229 00:19:34,074 --> 00:19:37,077 おっかあや 女房には 指一本 触れさせやしねえぞ! 230 00:19:37,077 --> 00:19:41,081 ≪ 私だ 桑山十兵衛だ 231 00:19:41,081 --> 00:19:44,081 (辰次)旦那… ハァ 232 00:19:48,088 --> 00:19:50,088 (辰次の ため息) 233 00:19:53,093 --> 00:19:55,095 (辰次) 喜三郎が放免になったと聞いて➡ 234 00:19:55,095 --> 00:19:58,098 いつ何時 やつの子分が 仕返しに来るか分からなくて 235 00:19:58,098 --> 00:20:02,102 早速だが 案内役を頼む (おたね・辰次)えっ!? 236 00:20:02,102 --> 00:20:05,105 (辰次)案内って… 喜三郎のいる木宿だ 237 00:20:05,105 --> 00:20:09,109 (おはつ)はっ… お前さん! もう 危ないまねは やめておくれ 238 00:20:09,109 --> 00:20:11,111 (おたね)やめとくれよ 239 00:20:11,111 --> 00:20:14,114 (辰次)旦那 おっかあや 女房を置いてったら➡ 240 00:20:14,114 --> 00:20:18,118 喜三郎の一味に 狙われるんじゃねえかと… 241 00:20:18,118 --> 00:20:21,121 おかみさんと おふくろさんにも 一緒に来てもらおう 242 00:20:21,121 --> 00:20:23,056 (おはつ)えっ!? 私たちも? 243 00:20:23,056 --> 00:20:27,060 我々の賄いをやってもらいたい 人に頼むより 安心できる 244 00:20:27,060 --> 00:20:32,065 一緒に連れていけば 2人の身も守れる 245 00:20:32,065 --> 00:20:34,065 来てくれるな? 246 00:20:38,071 --> 00:20:40,073 行きます (おたね)はい 247 00:20:40,073 --> 00:20:44,077 そうと決まれば すぐに 支度をしてくれ 248 00:20:44,077 --> 00:21:00,093 ♬~ 249 00:21:00,093 --> 00:21:04,097 挨拶は それぐらいにして 先を急ぐぞ 250 00:21:04,097 --> 00:21:07,100 (喜三郎)30➡ 251 00:21:07,100 --> 00:21:12,100 31 32 252 00:21:14,107 --> 00:21:18,111 土場の上がりも こんなもんか 253 00:21:18,111 --> 00:21:22,115 1両ずつ やろうか? (女性たち)えっ!? 254 00:21:22,115 --> 00:21:24,117 ばか野郎! (ふすまの開く音) 255 00:21:24,117 --> 00:21:26,119 (留吉)うわっ… 痛っ… (喜三郎)どうした 騒々しい 256 00:21:26,119 --> 00:21:29,122 (留吉)八州廻りの一行が… (寅八)へい ええ… 向かいの宿に 257 00:21:29,122 --> 00:21:31,124 何だと? 258 00:21:31,124 --> 00:21:45,138 ♬~ 259 00:21:45,138 --> 00:21:47,140 (お京)あの…➡ 260 00:21:47,140 --> 00:21:51,144 うちに お泊まりになりたいとか うむ 261 00:21:51,144 --> 00:21:54,147 賄いは この2人がやる 世話は かけない 262 00:21:54,147 --> 00:22:00,153 (お京)せっかくですが うちは あいにく 今 いっぱいでして 263 00:22:00,153 --> 00:22:03,156 今 泊まっている連中は すぐに出ていくはずだ 264 00:22:03,156 --> 00:22:05,158 すぐに? 265 00:22:05,158 --> 00:22:07,160 (五兵衛)話 つきました 266 00:22:07,160 --> 00:22:10,163 (粂蔵)すいません へい どうも すいません (客)どうも 267 00:22:10,163 --> 00:22:13,166 (客)おかみさん お代の方は この方たちが 268 00:22:13,166 --> 00:22:16,169 (客たち)お世話になりました 269 00:22:16,169 --> 00:22:22,108 これで 部屋の心配はなくなった 遠慮なく 邪魔するぞ 270 00:22:22,108 --> 00:22:42,128 ♬~ 271 00:22:42,128 --> 00:22:52,138 ♬~ 272 00:22:52,138 --> 00:22:55,141 (留吉) どういうつもりで あの宿に… 273 00:22:55,141 --> 00:23:00,141 (寅八)五料宿の辰次のかかあと おふくろまで一緒ですぜ 274 00:23:02,148 --> 00:23:04,148 (喜三郎)うーん… 275 00:23:12,158 --> 00:23:14,158 (喜三郎の いびき) 276 00:23:16,162 --> 00:23:36,116 ♬~ 277 00:23:36,116 --> 00:23:56,136 ♬~ 278 00:23:56,136 --> 00:24:10,150 ♬~ 279 00:24:10,150 --> 00:24:15,155 喜三郎に命じられて 寝首を かきに来たのかと思ったが➡ 280 00:24:15,155 --> 00:24:18,158 そうじゃないらしい (お京)あっ… 281 00:24:18,158 --> 00:24:23,096 知りたかったんです あの人のことが 282 00:24:23,096 --> 00:24:29,102 あの人って… 桝吉だな? はっ… 283 00:24:29,102 --> 00:24:32,105 このままいけば 島送りは免れぬ 284 00:24:32,105 --> 00:24:36,105 下手すりゃ 一生 しゃばへは戻ってこれんだろう 285 00:24:38,111 --> 00:24:46,119 子分になって間もない桝吉が なぜ 喜三郎の罪をかぶったんだ? 286 00:24:46,119 --> 00:24:49,119 そこまでするには 訳があるだろう 287 00:24:51,124 --> 00:24:56,124 お京だったな お前のためじゃないのか? 288 00:24:58,131 --> 00:25:01,131 ハァ… 私は… 分かってる 289 00:25:03,136 --> 00:25:06,139 この木賃宿の 本当のあるじは 喜三郎だ 290 00:25:06,139 --> 00:25:13,146 それに お前が やつの情婦だったってこともな 291 00:25:13,146 --> 00:25:17,150 喜三郎は 私に飽きて➡ 292 00:25:17,150 --> 00:25:22,150 あの人に… 桝吉さんに 私を 下げ渡したんです 293 00:25:24,090 --> 00:25:27,093 桝吉が罪をかぶったのは➡ 294 00:25:27,093 --> 00:25:32,093 お京を殺すと 喜三郎に脅されたからなんだな? 295 00:25:34,100 --> 00:25:38,104 私の知ったこっちゃないですよ 296 00:25:38,104 --> 00:25:44,110 このままでいいのか? 桝吉が 一生 戻ってこなくても 297 00:25:44,110 --> 00:25:49,110 言ったでしょう 私の知ったことじゃないですよ 298 00:25:58,124 --> 00:26:01,127 <翌日 十兵衛から召集を受けた➡ 299 00:26:01,127 --> 00:26:06,132 近隣の前橋 高崎などの 貸元たちが➡ 300 00:26:06,132 --> 00:26:12,138 木宿の名主 門左衛門の屋敷に集合した> 301 00:26:12,138 --> 00:26:14,140 集まってもらったのは 他でもない 302 00:26:14,140 --> 00:26:18,144 八州廻りとして 私は しばらく この地に とどまることにした 303 00:26:18,144 --> 00:26:22,081 その間の費用は お前さんたちから調達したい 304 00:26:22,081 --> 00:26:25,084 (門左衛門)えっ な… 何で 手前どもが費用を? 305 00:26:25,084 --> 00:26:27,086 無論 ただというわけではない 306 00:26:27,086 --> 00:26:30,089 出してもらう代わりに 門左衛門 (門左衛門)は… はい 307 00:26:30,089 --> 00:26:35,094 その方が評定所に出した 喜三郎の善行書の件は目をつぶる 308 00:26:35,094 --> 00:26:37,096 (門左衛門)あっ いや あ… あれは… あの… 309 00:26:37,096 --> 00:26:39,098 たとえ 喜三郎の脅しであっても➡ 310 00:26:39,098 --> 00:26:43,102 御公儀に でっち上げの善行書を 差し出したとなれば➡ 311 00:26:43,102 --> 00:26:45,104 穏やかではない 312 00:26:45,104 --> 00:26:51,110 島送り… いや 見せしめのために 死罪になるやもしれん 313 00:26:51,110 --> 00:26:55,114 えっ… し… 死罪!? それを思えば➡ 314 00:26:55,114 --> 00:26:59,118 滞在費用の負担など安いものだ (門左衛門)ああ… はあ… 315 00:26:59,118 --> 00:27:03,122 お前さんたちには しばらくの間 土場を開くことに目をつぶる 316 00:27:03,122 --> 00:27:06,125 稼ぎまくってくれて 一向に かまわん 317 00:27:06,125 --> 00:27:12,131 その土場の上がりを考えれば 痛くも かゆくもあるまい 318 00:27:12,131 --> 00:27:14,133 けど ばくちは御法度のはずじゃが… 319 00:27:14,133 --> 00:27:19,133 (男性)ああ 取り締まるのが お役目の 八州様が… 320 00:27:21,140 --> 00:27:25,078 世の中には 許せる悪と➡ 321 00:27:25,078 --> 00:27:28,078 許すことのできん悪がある ということだ 322 00:27:30,083 --> 00:27:33,086 <更に 十兵衛は➡ 323 00:27:33,086 --> 00:27:38,086 近在の道案内たちを 木宿の鎮守の森に集めた> 324 00:27:40,093 --> 00:27:42,095 案内人の方々 325 00:27:42,095 --> 00:27:47,100 私は 今日から この地で 八州廻り としての役目を果たすつもりだ 326 00:27:47,100 --> 00:27:51,104 ただし 喜三郎には 指一本 出すつもりはない 327 00:27:51,104 --> 00:27:55,108 喜三郎だけではない 子分たちも同様だ 328 00:27:55,108 --> 00:27:58,111 その方らも 決して 連中には 手を出さず➡ 329 00:27:58,111 --> 00:28:00,113 ここ木に とどまったまま➡ 330 00:28:00,113 --> 00:28:04,117 八州廻りの配下としての 務めを果たしてもらいたい 331 00:28:04,117 --> 00:28:09,122 これは そのための費用だ 遠慮なく使ってくれ よいな 332 00:28:09,122 --> 00:28:12,122 (案内役)へい (案内役)あっ へい 333 00:28:15,128 --> 00:28:18,131 (粂蔵)なあ あの銭 一体 どこから? 334 00:28:18,131 --> 00:28:23,069 名主や 前橋 高崎の貸元連中から みたいですよ 335 00:28:23,069 --> 00:28:25,071 旦那は 一体全体 どういう おつもりなんだ 336 00:28:25,071 --> 00:28:29,075 (五兵衛)ハァ… 分からないですよ あの喜三郎相手に➡ 337 00:28:29,075 --> 00:28:33,079 一切 手出しをしないなんて どういう おつもりなのか… 338 00:28:33,079 --> 00:28:45,091 ♬~ 339 00:28:45,091 --> 00:28:47,093 そうやって くっついてきたって➡ 340 00:28:47,093 --> 00:28:51,093 お前たちの お縄になるような へまは しねえよ 341 00:29:14,120 --> 00:29:18,124 あっ 旦那の お世話になるようなことは➡ 342 00:29:18,124 --> 00:29:21,127 二度といたしません 343 00:29:21,127 --> 00:29:25,064 お前には 指一本 触れるつもりはないと宣言した 344 00:29:25,064 --> 00:29:30,069 はい 人づてに聞いておりやす 指を触れるつもりは ないが➡ 345 00:29:30,069 --> 00:29:33,072 目を離すつもりもない 何ですって? 346 00:29:33,072 --> 00:29:39,078 金輪際 お前から目を離さんと 言ったんだよ 347 00:29:39,078 --> 00:29:53,092 ♬~ 348 00:29:53,092 --> 00:29:55,092 何 考えてんだ 349 00:29:57,096 --> 00:30:03,096 ≪(さお竹屋)竹屋~ さお竹~ 350 00:30:06,105 --> 00:30:08,107 これは 351 00:30:08,107 --> 00:30:10,109 (川端の せきばらい) 352 00:30:10,109 --> 00:30:14,113 ≪(さお竹屋)竹屋~ さお竹~ (川端の ため息) 353 00:30:14,113 --> 00:30:20,119 (川端)ああ これはこれは 相変わらず おかわいいのう 354 00:30:20,119 --> 00:30:23,055 (登喜)これは 川端様 いつも 義弟 十兵衛が➡ 355 00:30:23,055 --> 00:30:26,058 お世話になっております (川端)その十兵衛の件だが➡ 356 00:30:26,058 --> 00:30:31,063 全く 困ったものですよ (登喜)…と おっしゃいますと? 357 00:30:31,063 --> 00:30:34,066 (川端)喜三郎の件が 片がついたというのに➡ 358 00:30:34,066 --> 00:30:37,069 またぞろ 木宿へ出かけたらしい 359 00:30:37,069 --> 00:30:40,072 向こうで 一体 何をやっているものやら… 360 00:30:40,072 --> 00:30:42,074 他にも いろいろ 案件があるというのに… 361 00:30:42,074 --> 00:30:47,079 全く 何を考えているやら もう… あきれて 物が言えん 362 00:30:47,079 --> 00:30:53,085 お言葉ではございますが 十兵衛殿は お役目第一のお方です 363 00:30:53,085 --> 00:30:55,087 木宿に戻られたのは➡ 364 00:30:55,087 --> 00:30:58,090 片をつけたいがために 違いないのです 365 00:30:58,090 --> 00:31:02,094 いや ですから 木宿の件は… (登喜)留役の肩書はなくとも➡ 366 00:31:02,094 --> 00:31:05,097 十兵衛殿に 過ちはございません 367 00:31:05,097 --> 00:31:09,101 そこらの あんぽんたんとは 訳が違います 368 00:31:09,101 --> 00:31:14,106 あ… あんぽんたん!?➡ 369 00:31:14,106 --> 00:31:16,108 くーっ! 370 00:31:16,108 --> 00:31:18,108 言い過ぎちゃった 371 00:31:22,114 --> 00:31:27,119 これは 八重の いちばんのお気に入りの… 372 00:31:27,119 --> 00:31:34,119 はっ… 父上のこと 八重は 本当は 嫌いではないのですね 373 00:31:38,130 --> 00:31:40,130 (登喜)フフッ 374 00:31:42,134 --> 00:31:45,137 (留吉)どこで開こうが 土場は 喜三郎親分の管轄だ (寅八)ああ 375 00:31:45,137 --> 00:31:48,140 (留吉)上がりの一部は 必ず 納めてもらうぜ 376 00:31:48,140 --> 00:31:50,142 (男性)うう… (寅八)ぐずぐずせずに出しな!➡ 377 00:31:50,142 --> 00:31:53,145 ああ ほらほら さっさと出さねえかい! 378 00:31:53,145 --> 00:31:56,148 (男性の ため息) (留吉・寅八の笑い声) 379 00:31:56,148 --> 00:31:58,148 (寅八の笑い声) (留吉)邪魔したな 380 00:32:19,171 --> 00:32:23,109 (留吉)フン! (寅八)ハァ… 381 00:32:23,109 --> 00:32:31,117 旦那は 人の心を読んでらっしゃる なあ 382 00:32:31,117 --> 00:32:33,119 ああ… (男性)あそこ行こう あそこ 383 00:32:33,119 --> 00:32:35,121 あっ ここか (男性)おう 384 00:32:35,121 --> 00:32:40,126 (男性たち)ハァ… 八州廻り 桑山十兵衛だ 385 00:32:40,126 --> 00:32:44,130 この店で飲み食いすると 悪党の片棒を担ぐことになる 386 00:32:44,130 --> 00:32:46,132 (男性)えっ? それでもよければ➡ 387 00:32:46,132 --> 00:32:49,135 私は 一向に かまわんがね (男性)あっ いや…➡ 388 00:32:49,135 --> 00:32:52,138 おい 行くぞ (男性)あ… ああ 389 00:32:52,138 --> 00:32:55,141 (男性たちの笑い声) 390 00:32:55,141 --> 00:33:07,153 ♬~ 391 00:33:07,153 --> 00:33:11,157 ≪(留吉)どけい! 店の邪魔を! (寅八)はっ… 392 00:33:11,157 --> 00:33:16,157 二度と この店には来ないだろうな (寅八)野郎… くそー! 393 00:33:20,166 --> 00:33:22,101 (おはつ)はい 394 00:33:22,101 --> 00:33:24,103 小ばくちの てら銭は 稼げねえし➡ 395 00:33:24,103 --> 00:33:27,106 店には ほとんど 客が寄り付かなくなった 396 00:33:27,106 --> 00:33:29,108 (五兵衛)俺たちが いるかぎり➡ 397 00:33:29,108 --> 00:33:32,111 やつらも おおっぴらには土場を 開けませんからね (粂蔵)うん➡ 398 00:33:32,111 --> 00:33:36,115 まっ 最初は 旦那の考えが さっぱり分かんなかったけどな➡ 399 00:33:36,115 --> 00:33:40,119 まさか 兵糧攻めにする 魂胆だったとはな うん 400 00:33:40,119 --> 00:33:42,121 (辰次)兵糧攻めとは よく 考えなすったもんだな (粂蔵)うん 401 00:33:42,121 --> 00:33:46,125 (五兵衛)旦那様が 目指したのは 喜三郎を抹殺し➡ 402 00:33:46,125 --> 00:33:48,127 二度と 立ち直れなくすること だったんですね 403 00:33:48,127 --> 00:33:50,129 ≪(粂蔵)ああ 法で裁けねえなら 喜三郎を➡ 404 00:33:50,129 --> 00:33:53,132 島送りと同じ目に遭わせる それが つまり➡ 405 00:33:53,132 --> 00:33:56,132 兵糧攻めだったってわけだ 406 00:34:06,145 --> 00:34:08,145 (お京)うっ… 407 00:34:12,151 --> 00:34:14,151 (お京の ため息) 408 00:34:18,157 --> 00:34:20,157 桝吉が なぜ 罪をかぶり… 409 00:34:22,094 --> 00:34:25,094 島送りになる覚悟をしたか… 410 00:34:27,099 --> 00:34:30,099 その訳が やっと分かったよ 411 00:34:32,104 --> 00:34:35,107 桝吉が守ろうとしているのは お前だけじゃない 412 00:34:35,107 --> 00:34:41,113 その おなかに宿っている 小さな命を救おうとしてるんだ 413 00:34:41,113 --> 00:34:46,118 でも 私が宿してる この子は… 桝吉の子だ 414 00:34:46,118 --> 00:34:51,123 いいえ この子は喜三郎の… 桝吉と お前の子だよ! 415 00:34:51,123 --> 00:34:54,126 だからこそ 桝吉は お前たちを守るために➡ 416 00:34:54,126 --> 00:34:59,126 罪をかぶり 島送りになろうとしてるんだ 417 00:35:03,135 --> 00:35:12,144 人は 心底から 思いを寄せる者にだけ➡ 418 00:35:12,144 --> 00:35:14,144 己を犠牲にすることができる 419 00:35:18,150 --> 00:35:22,087 桝吉は決めたんだよ 420 00:35:22,087 --> 00:35:29,087 自分が父親だと お前との間にできた子だと 421 00:35:31,096 --> 00:35:36,096 私は 桝吉に罪を着せたくない 422 00:35:39,104 --> 00:35:42,107 このまま 島送りにはしたくない 423 00:35:42,107 --> 00:35:47,112 ≪(喜三郎)やいやい やいやい! おい 八州廻り!➡ 424 00:35:47,112 --> 00:35:52,117 こそこそ隠れてねえで 堂々と出てこい! 425 00:35:52,117 --> 00:35:55,117 聞こえねえか この八州野郎! 426 00:35:59,124 --> 00:36:04,129 どういうつもりなんだ この喜三郎を どうしようってんだ 427 00:36:04,129 --> 00:36:11,136 お前には はっきり言ってある 何があろうと 目を離さんとな 428 00:36:11,136 --> 00:36:14,139 (喜三郎) いつまで 俺を見張るつもりだよ 429 00:36:14,139 --> 00:36:19,144 首をくくるまでだ 何ぃ!? 430 00:36:19,144 --> 00:36:22,081 お前が ぼろぼろになり➡ 431 00:36:22,081 --> 00:36:25,081 二度と 立ち上がれないようになるまでだ 432 00:36:29,088 --> 00:36:49,108 ♬~ 433 00:36:49,108 --> 00:37:07,108 ♬~ 434 00:37:30,082 --> 00:37:32,082 (女性)先に行って (女性)うん 435 00:37:44,096 --> 00:38:04,116 ♬~ 436 00:38:04,116 --> 00:38:06,118 ♬~ 437 00:38:06,118 --> 00:38:08,120 (寅八)ヘヘッ➡ 438 00:38:08,120 --> 00:38:11,123 うっ… ああっ! (留吉)あっ! 439 00:38:11,123 --> 00:38:13,123 (寅八)ばか野郎! てめえ… (留吉)はっ… 440 00:38:18,130 --> 00:38:20,132 あのとき 喜三郎に言われて➡ 441 00:38:20,132 --> 00:38:25,070 私の命を狙っただけなら 見逃してやる 442 00:38:25,070 --> 00:38:29,074 そうでなければ… (寅八・留吉の おびえる声) 443 00:38:29,074 --> 00:38:31,074 (寅八)お… おう (留吉)おう 444 00:38:33,078 --> 00:38:35,078 (寅八)あっ すいません お… おい (留吉)見逃してくれ 445 00:38:48,093 --> 00:38:50,093 (戸の開く音) 446 00:38:56,101 --> 00:38:58,101 お京… 447 00:39:00,105 --> 00:39:03,108 (喜三郎の ため息) 448 00:39:03,108 --> 00:39:11,108 お前だけは お前だけは 他のやつらと違うと思ってた 449 00:39:13,118 --> 00:39:16,121 (喜三郎の ため息) 450 00:39:16,121 --> 00:39:24,121 お京だけは 必ず 帰ってくるって信じてた 451 00:39:29,068 --> 00:39:37,076 何てったってな お前の腹の中には 俺の子がよ… 452 00:39:37,076 --> 00:39:39,078 (喜三郎の ため息) 453 00:39:39,078 --> 00:39:45,078 お前さんとは 縁もゆかりもない 赤の他人です 454 00:39:48,087 --> 00:39:53,087 この子は 私と桝吉さんの子供なんです 455 00:39:55,094 --> 00:39:59,094 木の喜三郎とは 何の関係もないんですよ 456 00:40:01,100 --> 00:40:04,103 何の関係もない 赤の他人なんです! 457 00:40:04,103 --> 00:40:09,103 (喜三郎)お京… おい ちょっと待てよ お… 458 00:40:17,116 --> 00:40:22,116 (喜三郎)八州廻り 桑山十兵衛 お前は… 459 00:40:26,058 --> 00:40:29,058 これで 私の命を狙わせた 460 00:40:35,067 --> 00:40:42,067 俺だよ みんな この喜三郎の仕業だよ 461 00:40:47,079 --> 00:40:49,079 俺が やったんだよ 462 00:40:51,083 --> 00:40:54,083 この喜三郎が やったんだよ 463 00:40:58,090 --> 00:41:04,096 ばくちの胴元で あこぎな稼ぎ 続けたのも➡ 464 00:41:04,096 --> 00:41:13,105 この宿場の連中を脅して 股八と 八州廻りの黒田小太郎を➡ 465 00:41:13,105 --> 00:41:16,108 見せしめのために 血祭りに挙げたのも➡ 466 00:41:16,108 --> 00:41:22,108 みんな 俺が やったんだ! この喜三郎が ハハッ 467 00:41:24,116 --> 00:41:29,116 俺は悪党だよ 悪党なんだよ! 468 00:41:40,132 --> 00:41:42,134 だけどよ➡ 469 00:41:42,134 --> 00:41:48,134 このまま お前の軍門に下るほど そんな 柔な俺じゃねんだよ! 470 00:41:50,142 --> 00:41:53,145 地獄 道連れにしてやっからな この野郎 471 00:41:53,145 --> 00:41:56,148 どうなんだ こらぁ! 472 00:41:56,148 --> 00:41:58,148 はっ… 473 00:42:03,155 --> 00:42:08,155 八州廻りに刃向かう者は 斬り捨て御免 474 00:42:10,162 --> 00:42:12,164 それでも よいか? 475 00:42:12,164 --> 00:42:16,168 何ぃ!? ほざくな! 476 00:42:16,168 --> 00:42:19,171 ふん! (叫び声) 477 00:42:19,171 --> 00:42:22,107 (わめき声) 478 00:42:22,107 --> 00:42:25,107 痛え! ううっ… 479 00:42:29,114 --> 00:42:34,119 こ… 殺せ 喜三郎を殺せ! 480 00:42:34,119 --> 00:42:37,122 ああっ! くっ… 481 00:42:37,122 --> 00:42:42,127 お前の思いどおり 島送りなんか なってたまるか! 482 00:42:42,127 --> 00:42:49,134 さあ さっ… 殺せ! ここで殺してくれ 頼む!➡ 483 00:42:49,134 --> 00:42:52,137 島送りは嫌だ 殺せよ➡ 484 00:42:52,137 --> 00:42:57,137 さあ さっ… ああ… さあ さっ… 485 00:43:24,102 --> 00:43:26,102 (お京)ああ… 486 00:43:30,108 --> 00:43:33,111 (桝吉)お京 487 00:43:33,111 --> 00:43:36,114 (お京)おかえりなさい➡ 488 00:43:36,114 --> 00:43:42,114 ずっと 待ってました この日が来るのを ずっと 489 00:43:49,127 --> 00:43:51,127 (桝吉)子供は? 490 00:43:53,131 --> 00:43:56,134 元気よ 491 00:43:56,134 --> 00:44:01,139 蹴った また 蹴った➡ 492 00:44:01,139 --> 00:44:05,143 あっ ほら 蹴ってる (桝吉)はっ…➡ 493 00:44:05,143 --> 00:44:10,143 ああ… この子は俺の… 494 00:44:12,150 --> 00:44:14,150 俺とお前の子だ 495 00:44:18,156 --> 00:44:23,095 八州の旦那が おっしゃった 496 00:44:23,095 --> 00:44:31,095 人は 心底 思う者のためにだけ 自分を犠牲にできるって 497 00:44:35,107 --> 00:44:45,117 だから この子の父親は 桝吉さん あなたしか いない 498 00:44:45,117 --> 00:44:47,117 お京… 499 00:45:01,133 --> 00:45:03,133 (お京)桝吉さん… 500 00:45:10,142 --> 00:45:13,145 今日は うまく揚がったぞ 501 00:45:13,145 --> 00:45:19,151 ほら 八重 ちょっとな 味見をしてみてくれ 502 00:45:19,151 --> 00:45:25,090 うん? はい あーん うん 503 00:45:25,090 --> 00:45:28,093 どうだ うまいか? 504 00:45:28,093 --> 00:45:31,096 よし! それじゃあな➡ 505 00:45:31,096 --> 00:45:33,098 父上も ちょっとな 味見をしてみよう 506 00:45:33,098 --> 00:45:35,098 熱っ おっと… 熱っ 熱っ… 507 00:45:37,102 --> 00:45:42,107 うん… うんうん! 508 00:45:42,107 --> 00:45:44,109 うまい うまい 509 00:45:44,109 --> 00:45:47,112 うん! うまい! 510 00:45:47,112 --> 00:45:50,115 八重? おい 八重 どこ… 八重は➡ 511 00:45:50,115 --> 00:45:52,117 天ぷらも好物では ないのですよ おっ 512 00:45:52,117 --> 00:45:54,119 これは 姉上 天ぷらも嫌い? 513 00:45:54,119 --> 00:45:57,122 いや 食べるかって言ったら うんって言ったもんですから… 514 00:45:57,122 --> 00:45:59,124 何だ 嫌いなら嫌いって➡ 515 00:45:59,124 --> 00:46:02,127 言ってくれればいいのに… 気を遣ってるんですよ➡ 516 00:46:02,127 --> 00:46:04,129 きっと 八重も 517 00:46:04,129 --> 00:46:07,132 だから いつも 言ってるでしょう? 518 00:46:07,132 --> 00:46:10,135 離れていると ますます 他人行儀になってしまうと 519 00:46:10,135 --> 00:46:14,139 ええ 確かにね やはり 一日も早く➡ 520 00:46:14,139 --> 00:46:16,141 後添いをお迎え しなければいけませんね 521 00:46:16,141 --> 00:46:19,141 ハァ… また 無駄骨か もう… 522 00:46:21,146 --> 00:46:24,082 (ため息) おいしい 523 00:46:24,082 --> 00:46:27,085 はっ? うん? いいえ 524 00:46:27,085 --> 00:46:29,085 いや おいしいって言った…