1 00:01:22,320 --> 00:01:23,187 2 00:01:23,187 --> 00:01:43,207 ♬~ 3 00:01:43,207 --> 00:01:57,221 ♬~ 4 00:01:57,221 --> 00:02:11,221 ♬~ 5 00:02:13,204 --> 00:02:19,210 ♬~ 6 00:02:19,210 --> 00:02:22,213 (藩士)待て! (泉田)待てい! 7 00:02:22,213 --> 00:02:29,220 ♬~ 8 00:02:29,220 --> 00:02:31,220 (藩士)ンッ! 9 00:02:34,225 --> 00:02:37,228 (泉田)ンッ! ヤーッ! 10 00:02:37,228 --> 00:02:39,228 (斬る音) (女性)アアッ! 11 00:02:42,233 --> 00:02:44,235 (主水之介)京弥! (京弥)はい! 12 00:02:44,235 --> 00:02:47,238 (泉田)手間かけおって 13 00:02:47,238 --> 00:02:49,238 いかん ひけ! 14 00:02:55,179 --> 00:02:57,181 しっかりいたせ! 15 00:02:57,181 --> 00:03:01,185 (女性) 大目付さまに… 大目付さまに… 16 00:03:01,185 --> 00:03:04,185 大目付どの? それが どうした? 17 00:03:09,193 --> 00:03:19,193 大坂城御金蔵より 竹流し金25本が運び出されました 18 00:03:21,205 --> 00:03:23,207 これ! 19 00:03:23,207 --> 00:03:26,207 早乙女さま 竹流し金とは容易ならぬこと 20 00:03:33,217 --> 00:03:35,217 訴状… 21 00:03:39,223 --> 00:03:44,228 (高坂)25本 間違いないな? (藩士)はっ… 22 00:03:44,228 --> 00:03:46,230 油断なく見張れよ (藩士たち)はっ! 23 00:03:46,230 --> 00:03:48,232 ≪(菱田)ご家老 24 00:03:48,232 --> 00:03:51,235 (菱田)ただいま大坂より 泉田ほか2名の者がまいりました 25 00:03:51,235 --> 00:03:54,171 何ぞ 火急の用向きでも? 26 00:03:54,171 --> 00:03:59,176 実は我ら3名 大坂城御蔵奉行手代 奥村宗右衛門の妻を追ってまいり 27 00:03:59,176 --> 00:04:02,179 先刻 下屋敷近くにて ようやく追いつき 28 00:04:02,179 --> 00:04:06,183 ひと太刀を浴びせましたが とどめを刺すに至らず… 29 00:04:06,183 --> 00:04:09,186 討ち損じたのか? (泉田)はっ… 30 00:04:09,186 --> 00:04:12,189 う~む… 31 00:04:12,189 --> 00:04:17,194 つまらぬことを漏らさずに こと切れてくれればよいが… 32 00:04:17,194 --> 00:04:20,197 (小田切)「夫 宗右衛門こと 大坂城御蔵奉行どのより➡ 33 00:04:20,197 --> 00:04:23,200 ひそかに 竹流し金 運び出しの命を受け➡ 34 00:04:23,200 --> 00:04:25,202 それをお断り申せしところ➡ 35 00:04:25,202 --> 00:04:28,205 先月 不意に 『出入り商人の賄を受けたり』と➡ 36 00:04:28,205 --> 00:04:33,210 身に覚えなき疑いを被り お召し捕りと相なり候」 37 00:04:33,210 --> 00:04:39,210 (小田切) 「八方 申し開きも聞き入れられず ついに切腹 仰せつけられ候」 38 00:04:41,218 --> 00:04:46,223 小田切さま その者 申し立ての➡ 39 00:04:46,223 --> 00:04:49,226 竹流し金搬出の疑いありとは 誠でございますか? 40 00:04:49,226 --> 00:04:53,164 実は昨日 わしも その風聞を耳にしたところだ 41 00:04:53,164 --> 00:04:58,169 だが 確かな証拠は何ひとつない そもそも 竹流し金なるもの➡ 42 00:04:58,169 --> 00:05:02,173 神君 家康公の命を受け 大坂ご城代が厳重に保管し 43 00:05:02,173 --> 00:05:06,177 みだりに よそへ移すことなど 許されぬものではありませんか 44 00:05:06,177 --> 00:05:10,181 主水之介 近く 将軍家ご息女 鶴姫さまが➡ 45 00:05:10,181 --> 00:05:14,185 紀州家にお輿入れになること 存じおろうな? 46 00:05:14,185 --> 00:05:19,190 その掛かりを見積もると ざっと5万両になるということだ 47 00:05:19,190 --> 00:05:23,194 では 竹流し金の風聞を 誠と見られるのですか? 48 00:05:23,194 --> 00:05:26,197 掛かり一切は 将軍家で賄わねばならんのだが 49 00:05:26,197 --> 00:05:30,201 今のお上には それだけの蓄えがない 50 00:05:30,201 --> 00:05:33,204 それで 大坂ご城代 稲垣伊予守どのが➡ 51 00:05:33,204 --> 00:05:38,209 竹流し金の流用を思いつかれた 52 00:05:38,209 --> 00:05:42,213 よもや ご老中 柳沢どの 桂昌院さまが? 53 00:05:42,213 --> 00:05:44,215 主水之介 それ以上 申すな! 54 00:05:44,215 --> 00:05:47,218 奢侈禁令の お触れが出されている折から 55 00:05:47,218 --> 00:05:51,222 たとえ 将軍家の姫君とて 多額な掛かりは許されん 56 00:05:51,222 --> 00:05:55,159 もし それが事実ならば わしが大奥の誤りを正す 57 00:05:55,159 --> 00:05:58,162 しかし 切腹なされた奥村どの そのご妻女は➡ 58 00:05:58,162 --> 00:06:01,165 二度と生きては戻りません では そのほう… 59 00:06:01,165 --> 00:06:05,169 己の立身出世を 図るため 家臣を死に追いやる非道 60 00:06:05,169 --> 00:06:08,172 断じて許せません! 61 00:06:08,172 --> 00:06:12,176 斬らせていただきます 62 00:06:12,176 --> 00:06:16,180 わしの立場としては まず 竹流し金を捜し出し 63 00:06:16,180 --> 00:06:19,183 大坂城御金蔵に戻したい 64 00:06:19,183 --> 00:06:24,188 しかも 事を明るみに出さず 何人も傷つけずにだ 65 00:06:24,188 --> 00:06:27,191 天下に騒ぎのもとを作らぬこと… 66 00:06:27,191 --> 00:06:30,194 これもまた 大目付として大事な務め 67 00:06:30,194 --> 00:06:34,198 わしとても 奥村と申す者 そして その妻女の死を➡ 68 00:06:34,198 --> 00:06:38,202 無駄には したくないのだ 69 00:06:38,202 --> 00:06:43,207 奥村どのが 腹を召されたのが ひと月前… 70 00:06:43,207 --> 00:06:46,210 小田切さま 竹流し金は➡ 71 00:06:46,210 --> 00:06:49,210 既に 江戸に運び込まれたものと 見なければなりますまい 72 00:07:32,189 --> 00:07:34,191 (藩士)交代だ 変わりないな? 73 00:07:34,191 --> 00:07:36,191 (藩士)はっ… ご苦労 74 00:07:40,197 --> 00:07:42,197 ≪(物音) (藩士)うん? 75 00:07:53,143 --> 00:07:57,147 オッ! 曲者だ! (藩士)逃がすな 追え 表を固めろ 76 00:07:57,147 --> 00:07:59,149 追え追え! 逃がすな! (藩士)待て待て 待てい! 77 00:07:59,149 --> 00:08:19,169 ♬~ 78 00:08:19,169 --> 00:08:33,169 ♬~ 79 00:08:45,195 --> 00:08:48,198 (おゆう)京弥さまを大坂へ? 80 00:08:48,198 --> 00:08:51,201 大坂 天満奉行所に 俺の知り合いがいるんでな 81 00:08:51,201 --> 00:08:55,139 竹流し金持ち出しの噂を 確かめに行かせたんだ 82 00:08:55,139 --> 00:08:58,142 (長次)ねえ 殿さま ヘヘッ… ようござんすか? 83 00:08:58,142 --> 00:09:03,147 え~ その昔 太閤 秀吉公が 一朝 事あるときの軍用金にと➡ 84 00:09:03,147 --> 00:09:06,150 金を溶かして 竹の筒の中に流し込み➡ 85 00:09:06,150 --> 00:09:08,152 金の延べ棒をこしらえたのが➡ 86 00:09:08,152 --> 00:09:10,154 竹流し金の いわれなりと… どうです? ねっ? 87 00:09:10,154 --> 00:09:14,158 また 受け継がれた公方さまも 太閤さまと同じように➡ 88 00:09:14,158 --> 00:09:17,161 「徳川家の 一大事の際の軍用金にしろ」と➡ 89 00:09:17,161 --> 00:09:19,163 固く申しつけられたんですね? (長次)ヘヘヘッ… 90 00:09:19,163 --> 00:09:22,166 女将さん こらね 久しぶりに殿さまのおかげで➡ 91 00:09:22,166 --> 00:09:24,168 うわーっと飛びつくような瓦版 できそうですね! 92 00:09:24,168 --> 00:09:27,171 長次 瓦版のネタにするのはいいが 93 00:09:27,171 --> 00:09:32,176 竹流し金の 「た」の字を言ったら 即刻 首が飛ぶこと 覚悟しろよ 94 00:09:32,176 --> 00:09:35,179 へい… (おゆう)お殿さま… 95 00:09:35,179 --> 00:09:40,184 いいな? 間違っても 他言は無用の大事なのだ へい 96 00:09:40,184 --> 00:09:43,187 長次 おもだったところでいいが 廻船問屋を当たってくれ 97 00:09:43,187 --> 00:09:46,190 廻船問屋? このひと月の間に➡ 98 00:09:46,190 --> 00:09:50,194 大坂から入ってきた船の様子を 聞き出してほしいのだ 99 00:09:50,194 --> 00:09:55,132 お殿さま 竹流し金とやらが 船で江戸へ運ばれたとお思いで? 100 00:09:55,132 --> 00:10:00,137 金の延べ棒25本 馬や人足で運べば 人目につく 101 00:10:00,137 --> 00:10:05,142 必ず船を使っているだろう それで 運び込まれた先が➡ 102 00:10:05,142 --> 00:10:09,146 大坂ご城代 稲垣伊予守さまの上屋敷? 103 00:10:09,146 --> 00:10:11,148 おっと おゆう そう とんとんとんと事が運びゃ➡ 104 00:10:11,148 --> 00:10:13,150 苦労はねえ 長の字! へい! 105 00:10:13,150 --> 00:10:16,153 ひとっ走り頼むぜ 合点だい! 106 00:10:16,153 --> 00:10:19,156 あっ 殿さま 竹流し金1本ってのは➡ 107 00:10:19,156 --> 00:10:21,158 どのくらいの 値打ちがあるんすかい? 108 00:10:21,158 --> 00:10:24,161 目方にして 6貫目 元禄小判に直すと ざっと… 109 00:10:24,161 --> 00:10:27,164 1本が2500両だ 2500両っすか!? 110 00:10:27,164 --> 00:10:30,167 2500両ってのに 25本だから… 111 00:10:30,167 --> 00:10:34,171 え~っと 2が3… 112 00:10:34,171 --> 00:10:37,174 6万2500両だよ 113 00:10:37,174 --> 00:10:40,177 6万もするんですか? 114 00:10:40,177 --> 00:10:42,179 盗賊の詮索は? 115 00:10:42,179 --> 00:10:46,183 (菱田)ただいま よりすぐった 町方の岡っ引き3名に意を含めて 116 00:10:46,183 --> 00:10:48,185 一刻も早く 盗賊を突き止めるよう… 117 00:10:48,185 --> 00:10:52,189 手ぬるい! 江戸詰めの藩士 総がかりで事に当たらせい! 118 00:10:52,189 --> 00:10:56,193 万に一つでも 竹流し金の噂が 世に広まったら 何とする! 119 00:10:56,193 --> 00:10:59,196 はっ… 早速 藩士を駆り集めまして 120 00:10:59,196 --> 00:11:01,196 早ようせい! (菱田)はっ… 121 00:11:10,207 --> 00:11:16,213 それにしても 盗賊め どこから忍び込んでまいったのだ 122 00:11:16,213 --> 00:11:29,213 ♬~ 123 00:11:38,235 --> 00:11:41,238 ねえ お殿さま 私を入り込ませてくださいな 124 00:11:41,238 --> 00:11:44,241 台所の女中 中間 若党にでも 探りを入れて➡ 125 00:11:44,241 --> 00:11:47,244 竹流し金の手がかりを つかんでまいりますから 126 00:11:47,244 --> 00:11:49,246 おゆう! 127 00:11:49,246 --> 00:11:54,184 (駕籠屋) えっほ えっほ えっほ えっほ… 128 00:11:54,184 --> 00:11:58,188 えっほ えっほ えっほ えっほ… 129 00:11:58,188 --> 00:12:02,192 お殿さま 5人引きの早駕籠とは ただ事じゃございませんね 130 00:12:02,192 --> 00:12:06,196 どうやら お前の手を煩わさずに 済みそうだな えっ? 131 00:12:06,196 --> 00:12:26,216 ♬~ 132 00:12:26,216 --> 00:12:39,229 ♬~ 133 00:12:39,229 --> 00:12:41,231 (巳之吉) ななな… 何だ!? お前さんは 134 00:12:41,231 --> 00:12:45,235 稲垣家の上屋敷に 何事が出来したのか… 135 00:12:45,235 --> 00:12:48,238 子細を話しちゃくれねえかい? ななな… なにを!? 136 00:12:48,238 --> 00:12:54,177 親分さん 笠の中のお顔を よ~く見てくださいな 137 00:12:54,177 --> 00:12:58,181 (巳之吉)あっ 割下水の殿さま! 138 00:12:58,181 --> 00:13:00,181 実はね… 139 00:13:09,192 --> 00:13:13,196 (お妻) あっ おじさん おかえんなさい 140 00:13:13,196 --> 00:13:15,196 (五郎次)お嬢… 141 00:13:17,200 --> 00:13:19,202 あっ ちょっと (女中)はい 142 00:13:19,202 --> 00:13:31,214 ♬~ 143 00:13:31,214 --> 00:13:34,217 当分 動いちゃいけないって? 144 00:13:34,217 --> 00:13:38,221 稲垣の奴ら 岡っ引き集めて あっしらの探索を始めやがった 145 00:13:38,221 --> 00:13:41,224 フフッ… おじさん 岡っ引きぐらい… 146 00:13:41,224 --> 00:13:44,227 お嬢 町方を甘く見ちゃいけねえよ 147 00:13:44,227 --> 00:13:49,232 足でもついた日には せっかくの おつとめが台なしだよ 148 00:13:49,232 --> 00:13:53,170 おじさん 私らが何のために 竹流し金を盗み出したのか➡ 149 00:13:53,170 --> 00:13:57,174 それを忘れないでおくれ (五郎次)分かっておりますよ 150 00:13:57,174 --> 00:14:01,178 だけど 焦っちゃいけねえよ お嬢 151 00:14:01,178 --> 00:14:04,181 金の延べ棒が こっちの手の内にあるかぎり 152 00:14:04,181 --> 00:14:07,184 どんな細工でも できるんだ 153 00:14:07,184 --> 00:14:11,188 それに 岡っ引き 与力 同心 お奉行… 154 00:14:11,188 --> 00:14:14,191 それよりも怖いお方が 乗り出してきなすった 155 00:14:14,191 --> 00:14:16,193 えっ? 156 00:14:16,193 --> 00:14:24,201 今 「向こう傷の殿さま」と評判の 早乙女主水之介って お旗本だ 157 00:14:24,201 --> 00:14:26,201 あのお方が… 158 00:14:28,205 --> 00:14:30,207 ようござんすね? 159 00:14:30,207 --> 00:14:33,207 もうしばらく めったな動きは 見せちゃいけませんぜ 160 00:14:35,212 --> 00:14:42,219 盗っ人に知り合いでもいりゃ だいぶ助かるんだがなぁ 161 00:14:42,219 --> 00:14:47,224 なるほどね 盗っ人仲間なら その手口 盗んだ品物から➡ 162 00:14:47,224 --> 00:14:49,226 誰の仕業か 察しがつくかもしれませんね 163 00:14:49,226 --> 00:14:51,228 ≪(長次)殿さま! 164 00:14:51,228 --> 00:14:54,164 あっ いたいた ハァ… 165 00:14:54,164 --> 00:14:58,168 おう 長次 廻船問屋の当たりは ついたか? 166 00:14:58,168 --> 00:15:02,172 へい それがね 殿さま ここ半月ばかり 海は しけ続きで 167 00:15:02,172 --> 00:15:05,175 どこの廻船問屋の船も 大坂を出ちゃいねえそうで 168 00:15:05,175 --> 00:15:08,178 なに? ところがね たった1艘だけ 169 00:15:08,178 --> 00:15:11,181 10日ばかり前 品川に入った船があったんで 170 00:15:11,181 --> 00:15:15,185 馬鹿! 気を持たせないで さっさとお話し! 171 00:15:15,185 --> 00:15:17,187 その船は 鳥羽藩の帆船ではなかったか? 172 00:15:17,187 --> 00:15:20,190 そのとおりで! 荷揚げ人足の話ですがね 173 00:15:20,190 --> 00:15:22,192 なんでも 150貫はある荷物を➡ 174 00:15:22,192 --> 00:15:25,195 稲垣さまの上屋敷に 運び込んだそうですよ 175 00:15:25,195 --> 00:15:29,199 えっ? あっ なんだ 殿さま もう調べ ついてるんすか? 176 00:15:29,199 --> 00:15:34,204 大坂ご城代は 鳥羽3万石 稲垣伊予守どの 177 00:15:34,204 --> 00:15:39,209 からくりの筋道からいけば そうなると思ったまでのことだ 178 00:15:39,209 --> 00:15:41,211 お殿さま これで稲垣屋敷に➡ 179 00:15:41,211 --> 00:15:44,214 竹流し金が運び込まれたことが はっきりしたじゃありませんか 180 00:15:44,214 --> 00:15:50,220 いや それだけでは証拠にならん 誰も荷物の中を見ておらんからな 181 00:15:50,220 --> 00:15:52,155 それじゃ やっぱり盗っ人のほうですか? 182 00:15:52,155 --> 00:15:54,155 盗っ人? 183 00:15:57,160 --> 00:16:02,165 あっ お殿さま いました いました ぴったりの男がいましたよ! 184 00:16:02,165 --> 00:16:04,167 おゆう 盗っ人に知り合いがいたか 185 00:16:04,167 --> 00:16:07,170 よしてくださいな 人聞きの悪いことおっしゃるのは 186 00:16:07,170 --> 00:16:12,175 昔は 「山彦の文吉」と 二つ名前の 盗っ人だったんですけどね 187 00:16:12,175 --> 00:16:16,179 今は 足を洗って 素っ堅気の植木職人 188 00:16:16,179 --> 00:16:18,179 すぐお引き合わせいたしますよ 189 00:16:21,184 --> 00:16:27,190 (文吉)文吉でございます 文吉とやら 話は聞いてくれたか? 190 00:16:27,190 --> 00:16:29,190 へい… 191 00:16:31,194 --> 00:16:37,200 吉田屋の女将さんのお話で おおよその見当はついております 192 00:16:37,200 --> 00:16:40,203 へえ… やっぱり 蛇の道は蛇だねえ 193 00:16:40,203 --> 00:16:44,207 文吉 その見当というのは? 194 00:16:44,207 --> 00:16:48,211 金剛の藤蔵という盗っ人一味の 仕業かと思われます 195 00:16:48,211 --> 00:16:51,214 金剛の藤蔵? 196 00:16:51,214 --> 00:16:54,151 雨を使って おつとめに入るのは➡ 197 00:16:54,151 --> 00:16:59,156 盗っ人仲間のうちでも 金剛一味だけでございます 198 00:16:59,156 --> 00:17:02,159 なるほど 199 00:17:02,159 --> 00:17:06,163 ただ 藤蔵親方は とうの昔に盗っ人の足を洗い 200 00:17:06,163 --> 00:17:10,167 2年前に 極楽往生したと聞きました 201 00:17:10,167 --> 00:17:14,171 藤蔵には お妻という一人娘がありました 202 00:17:14,171 --> 00:17:18,175 そのお妻が 一味を 組み直したものでございましょう 203 00:17:18,175 --> 00:17:20,177 首領は女か 204 00:17:20,177 --> 00:17:24,181 文吉さん そのお妻って女を 見つけだせるかい? 205 00:17:24,181 --> 00:17:29,186 へい 金剛一味には 知った顔もございます 206 00:17:29,186 --> 00:17:33,190 それに 見張りの厳重な土蔵に 忍び込んだ手口を見ますと➡ 207 00:17:33,190 --> 00:17:36,193 きっと 引き込みが 入り込んでいたはずでございます 208 00:17:36,193 --> 00:17:38,195 引き込み? 209 00:17:38,195 --> 00:17:41,198 前もって 狙いをつけた店や屋敷に住み込み 210 00:17:41,198 --> 00:17:44,201 家の造りから 金の在りかまでを調べ上げ 211 00:17:44,201 --> 00:17:47,204 一味の手引きと 忍び口を➡ 212 00:17:47,204 --> 00:17:49,206 あらかじめ つけておく者を申します 213 00:17:49,206 --> 00:17:55,145 なるほどねえ 盗っ人も いろいろ苦労してるんだねえ 214 00:17:55,145 --> 00:17:57,147 さしずめ お武家屋敷なら➡ 215 00:17:57,147 --> 00:18:02,152 引き込みが 渡り中間に 成り済まして 入っていたはず 216 00:18:02,152 --> 00:18:05,155 その辺を手繰っていきゃ 造作はございませんよ 217 00:18:05,155 --> 00:18:09,159 そうか… じゃ 文吉 頼んだぜ 218 00:18:09,159 --> 00:18:29,179 ♬~ 219 00:18:29,179 --> 00:18:49,199 ♬~ 220 00:18:49,199 --> 00:19:02,199 ♬~ 221 00:19:11,154 --> 00:19:17,160 なに? 一味の者が この屋敷に住み込んでおったと? 222 00:19:17,160 --> 00:19:22,165 はっ… ただいま 岡っ引きの ひとりが知らせてまいりました 223 00:19:22,165 --> 00:19:25,168 10日ほど前に住み込んだ 吾平と申す渡り中間が➡ 224 00:19:25,168 --> 00:19:30,173 仲間を手引きしたに相違ないと… (高坂)ケッ… なんと迂闊なことを 225 00:19:30,173 --> 00:19:36,179 申し訳ございません! ただ 渡り中間の人相 風体から➡ 226 00:19:36,179 --> 00:19:40,183 金剛の藤蔵と申す一味の仕業と 突き止めましてございます 227 00:19:40,183 --> 00:19:44,187 ならば 造作あるまい 人数を繰り出して 一味を召し捕れ 228 00:19:44,187 --> 00:19:48,191 はっ! その前に お耳に 入れておきたいことがございます 229 00:19:48,191 --> 00:19:51,194 前置きはよい 早よう申せ 230 00:19:51,194 --> 00:19:54,130 無役の旗本 早乙女主水之介が➡ 231 00:19:54,130 --> 00:19:56,132 こしゃくにも 介入して まいったようにございます 232 00:19:56,132 --> 00:19:58,134 早乙女? 233 00:19:58,134 --> 00:20:03,139 ああ… あの天下御免の向こう傷を 振り回すという奴か 234 00:20:03,139 --> 00:20:08,144 はい (高坂)フン… 身の程を知らぬ奴 235 00:20:08,144 --> 00:20:14,150 菱田 間違っても 主水之介に 先手を取られてはならぬ 236 00:20:14,150 --> 00:20:17,153 どのような手だてを 尽くしてもよい 237 00:20:17,153 --> 00:20:19,153 奴に深入りさせるな! 238 00:20:24,160 --> 00:20:27,160 (文吉)おっと… (五郎次)気をつけろい! 239 00:20:29,165 --> 00:20:31,165 柏手の五郎次… 240 00:20:33,169 --> 00:20:35,171 お殿さま 241 00:20:35,171 --> 00:20:38,174 竹流し金の噂が流れているのを お耳になさいましたか? 242 00:20:38,174 --> 00:20:41,177 聞いた どこから漏れたんでしょう? 243 00:20:41,177 --> 00:20:46,182 恐らく お妻という盗っ人から 出たものだろう 244 00:20:46,182 --> 00:20:49,185 あの盗っ人が? そんなことしたら➡ 245 00:20:49,185 --> 00:20:52,188 自分で自分の首を絞めるような もんじゃありませんか 246 00:20:52,188 --> 00:20:56,192 それで 解せなかった謎が ひとつ解けたよ 247 00:20:56,192 --> 00:20:58,194 えっ? 248 00:20:58,194 --> 00:21:02,198 お妻の一味は 竹流し金と 知ってのうえで盗みに入ったのだ 249 00:21:02,198 --> 00:21:05,201 恐らく 大坂ご城代 稲垣どのに 何かの恨みを抱き 250 00:21:05,201 --> 00:21:09,205 その失脚を狙って 噂をまき散らしているものだろう 251 00:21:09,205 --> 00:21:15,211 そうなりゃ お妻って人の 味方をしてやりたくなりましたよ 252 00:21:15,211 --> 00:21:21,217 おゆう 今日 聞いた話では 稲垣どのはご老中の覚え めでたく 253 00:21:21,217 --> 00:21:24,220 鳥羽3万石から 伊予 松山15万石のご城主に➡ 254 00:21:24,220 --> 00:21:26,222 お国替えになるという噂がある 255 00:21:26,222 --> 00:21:29,225 お殿さま 竹流し金のからくりも➡ 256 00:21:29,225 --> 00:21:31,227 その辺りに あるんじゃないんですか? 257 00:21:31,227 --> 00:21:37,233 鳥羽3万石から松山15万石なんて 並大抵の出世じゃございませんよ 258 00:21:37,233 --> 00:21:42,238 いずれにせよ 京弥が帰ってくれば 何か つかんでくるはずだ 259 00:21:42,238 --> 00:21:48,244 今日で4日目 今ごろは 大坂から 尾張に入ったころであろう 260 00:21:48,244 --> 00:21:53,183 確かな証しさえ つかめば 稲垣の上屋敷へ乗り込むつもりだ 261 00:21:53,183 --> 00:21:55,185 (長次)殿さま! 262 00:21:55,185 --> 00:21:59,185 文吉さんが金剛一味の者を 突き止めました! よし! 263 00:22:04,194 --> 00:22:06,196 (男性)竹流し金ってのはな (男性)うん 264 00:22:06,196 --> 00:22:10,200 触っただけでも 首が飛ぼうって代物だ 265 00:22:10,200 --> 00:22:14,204 そいつが お前 どこで どう足が生えたのか 266 00:22:14,204 --> 00:22:17,207 江戸の さるお屋敷へ 運び込まれていやがったんだ 267 00:22:17,207 --> 00:22:19,209 (男性)本当かい? その話は (男性)ああ 本当だ 268 00:22:19,209 --> 00:22:27,209 ≪(犬のほえる声) 269 00:22:34,157 --> 00:22:38,161 (男性)だけどよ どのみち 俺たちには拝めねえお宝だよな 270 00:22:38,161 --> 00:22:40,161 (男性)まったくだよ 271 00:22:42,165 --> 00:22:45,168 柏手の五郎次 神妙にしろ! (男性)ウワッ… 何だよ!? 272 00:22:45,168 --> 00:22:47,170 (巳之吉)野郎… 待て! 273 00:22:47,170 --> 00:22:49,172 (藩士たち)どけ! 274 00:22:49,172 --> 00:22:52,175 (巳之吉)御用だ! 待て! 275 00:22:52,175 --> 00:22:59,182 ♬~ 276 00:22:59,182 --> 00:23:04,187 あっ! 野郎 待て! 御用だ! 待てー! 277 00:23:04,187 --> 00:23:06,189 ≪ 文吉! 278 00:23:06,189 --> 00:23:08,191 あっ 殿さま 先を越されました 279 00:23:08,191 --> 00:23:11,191 あれは間違いなく 稲垣さまのご家来で よし 280 00:23:13,196 --> 00:23:15,198 (巳之吉)野郎! (藩士)それ 捜せ! 281 00:23:15,198 --> 00:23:18,201 (藩士)奥を捜せ 奥を! 確かに ここに逃げた 282 00:23:18,201 --> 00:23:20,203 いたか? (藩士)おらぬ! 283 00:23:20,203 --> 00:23:22,138 いたか? 284 00:23:22,138 --> 00:23:25,141 (巳之吉)おりやせんぜ (藩士)それじゃ 表だ! 285 00:23:25,141 --> 00:23:27,141 (藩士たち)オッ… 286 00:23:29,145 --> 00:23:31,145 逃がしたな 287 00:23:33,149 --> 00:23:35,149 くそ… 288 00:23:38,154 --> 00:23:40,156 (文吉)どうでした? 289 00:23:40,156 --> 00:23:43,159 五郎次は逃げたぜ そうですか… 290 00:23:43,159 --> 00:23:46,162 さすが 金剛の一味だけあって 身のこなしが早えや 291 00:23:46,162 --> 00:23:48,164 文吉さん そんな 感心してる場合じゃありませんよ 292 00:23:48,164 --> 00:23:52,168 なぁに お妻が潜っていたとこさえ 分かりゃ あとは こっちのもんだ 293 00:23:52,168 --> 00:23:54,170 殿さま 1日2日のうちには➡ 294 00:23:54,170 --> 00:23:57,173 きっと金剛一味の隠れ家を 突き止めてご覧に入れますよ 295 00:23:57,173 --> 00:23:59,175 頼むぜ 296 00:23:59,175 --> 00:24:01,177 どうしたんです? 297 00:24:01,177 --> 00:24:04,180 どうやら 物騒な方々が お出ましのようだ 298 00:24:04,180 --> 00:24:06,180 先に行け 299 00:24:11,187 --> 00:24:15,187 天下の直参 早乙女主水之介と 知ってのことだな? 300 00:24:17,193 --> 00:24:22,131 どうやら 私が目障りの方々らしいな 301 00:24:22,131 --> 00:24:27,136 断っておくが 俺の挨拶は ち~っとばかり荒っぽいから 302 00:24:27,136 --> 00:24:29,138 (藩士)ヤーッ! 303 00:24:29,138 --> 00:24:35,144 ♬~ 304 00:24:35,144 --> 00:24:37,146 ヤッ! 305 00:24:37,146 --> 00:24:40,146 ウッ… ウワーッ! 306 00:24:43,152 --> 00:24:45,154 (藩士たち)ヤーッ! 307 00:24:45,154 --> 00:24:47,154 アアッ! 308 00:24:50,159 --> 00:24:53,162 ヤッ! ウワッ! 309 00:24:53,162 --> 00:24:56,165 ヤーッ! 310 00:24:56,165 --> 00:24:58,165 (殴る音) ヤーッ! 311 00:25:00,169 --> 00:25:02,171 (殴る音) 312 00:25:02,171 --> 00:25:12,171 ♬~ 313 00:25:33,136 --> 00:25:37,140 (長次)あっ 文吉さん… 殿さま! 314 00:25:37,140 --> 00:25:39,142 おう どうしたい? 315 00:25:39,142 --> 00:25:41,144 殿さま お妻の隠れ家を突き止めました 316 00:25:41,144 --> 00:25:46,149 ♬~ 317 00:25:46,149 --> 00:25:48,151 (五郎次)お嬢 318 00:25:48,151 --> 00:25:54,157 ♬~ 319 00:25:54,157 --> 00:25:58,161 その大事な証しを どうなさるおつもりだ? 320 00:25:58,161 --> 00:26:02,165 おじさん 髪結い床まで突き止められちゃ➡ 321 00:26:02,165 --> 00:26:04,167 ぐずぐずして いられないじゃないか 322 00:26:04,167 --> 00:26:07,170 お奉行所へ 駆け込むつもりらしいが 323 00:26:07,170 --> 00:26:10,173 お嬢 お前さんの申し開きを➡ 324 00:26:10,173 --> 00:26:14,177 お奉行さまが 信用なさるとでも思ってんのか? 325 00:26:14,177 --> 00:26:17,180 一か八か やってみるんだよ 326 00:26:17,180 --> 00:26:21,184 このままだと 奥村さまの恨みを晴らすどころか 327 00:26:21,184 --> 00:26:24,120 稲垣家の悪事を 世間に知らせるための➡ 328 00:26:24,120 --> 00:26:27,123 この竹流し金まで 取り戻されちまうじゃないか 329 00:26:27,123 --> 00:26:29,125 いけねえ ならねえよ 330 00:26:29,125 --> 00:26:34,130 竹流し金の噂が広まって だいぶ世間も騒ぎだしたんだ 331 00:26:34,130 --> 00:26:38,134 ここは辛抱が肝心だ お嬢 332 00:26:38,134 --> 00:26:44,140 この1本を大事に守ってりゃ 稲垣家は手も足も出せねえ 333 00:26:44,140 --> 00:26:46,142 今 お奉行所へ行くなんて➡ 334 00:26:46,142 --> 00:26:49,145 こっちから 首を斬られに行くようなもんだ 335 00:26:49,145 --> 00:26:54,150 おじさん 命は とっくに 捨ててかかった おつとめだよ 336 00:26:54,150 --> 00:26:56,152 (手下)誰でえ!? 337 00:26:56,152 --> 00:27:01,157 ♬~ 338 00:27:01,157 --> 00:27:05,161 (お妻)向こう傷のお殿さま! これは ありがたい 339 00:27:05,161 --> 00:27:09,165 私の顔を見知っていてくれれば 万事 好都合だ 340 00:27:09,165 --> 00:27:13,165 お妻 早速だが 話に乗ってはくれぬか? 341 00:27:17,173 --> 00:27:20,176 今 話は聞かせてもらった 342 00:27:20,176 --> 00:27:25,114 きっと大坂城代に 恨みを持った盗みと にらんだが 343 00:27:25,114 --> 00:27:29,114 それが 奥村どのへの 義理立てとは知らなかった 344 00:27:32,121 --> 00:27:35,124 お前たちの気持ちは よく分かる 悪いようにはせん 345 00:27:35,124 --> 00:27:40,124 ここは私に任せて 竹流し金を渡してはくれぬか? 346 00:27:42,131 --> 00:27:46,135 奥村どのも 竹流し金が そっくり御金蔵に戻れば➡ 347 00:27:46,135 --> 00:27:50,139 安心して成仏できよう 348 00:27:50,139 --> 00:27:56,139 稲垣家の悪人どもは お前たちには ちと荷が重すぎる 349 00:27:59,148 --> 00:28:03,152 あとは私が引き受けよう 350 00:28:03,152 --> 00:28:05,154 お断りいたします 351 00:28:05,154 --> 00:28:08,157 断る? 352 00:28:08,157 --> 00:28:12,161 それでは 私の気持ちが収まりません 353 00:28:12,161 --> 00:28:18,167 私の父親 金剛の藤蔵が盗っ人から足を洗い 354 00:28:18,167 --> 00:28:22,104 2年前 畳の上で往生できたのも➡ 355 00:28:22,104 --> 00:28:26,108 奥村さまの温かいお情けが あったからでございます 356 00:28:26,108 --> 00:28:29,111 私が堅気の娘として➡ 357 00:28:29,111 --> 00:28:31,113 お父っつぁんの 死に水が取れたのも➡ 358 00:28:31,113 --> 00:28:34,116 奥村さまのおかげ 359 00:28:34,116 --> 00:28:37,119 お父っつぁんは 死ぬとき➡ 360 00:28:37,119 --> 00:28:42,124 私の手をしっかり握って 安心して死にました 361 00:28:42,124 --> 00:28:47,129 その大恩人の奥村さまが 根も葉もない賄の科で 362 00:28:47,129 --> 00:28:50,132 腹を切らされたのでございます 363 00:28:50,132 --> 00:28:56,138 私は ご城代の悪行をばらし 奥村さまの恨みを晴らそうと 364 00:28:56,138 --> 00:28:58,140 一生 着ることはないと思っていた➡ 365 00:28:58,140 --> 00:29:01,140 お父っつぁんの 盗っ人衣装を着たのでございます 366 00:29:03,145 --> 00:29:08,150 お殿さま このまま 竹流し金を大坂へ戻されては➡ 367 00:29:08,150 --> 00:29:12,154 奥村さまが浮かばれません 368 00:29:12,154 --> 00:29:16,158 私は お父っつぁんのお墓に 何て知らせたらいいんです? 369 00:29:16,158 --> 00:29:22,098 なるほど 武家の世界に 巣くう腹黒い ねずみどもより➡ 370 00:29:22,098 --> 00:29:26,102 お前たちのほうが よほど人間らしい 371 00:29:26,102 --> 00:29:33,109 お妻 奥村どのの汚名は 必ず この俺が晴らすと言ったら? 372 00:29:33,109 --> 00:29:37,113 「人を見たら泥棒と思え」… 373 00:29:37,113 --> 00:29:42,118 盗っ人の私が言うのは おかしいんですけど 374 00:29:42,118 --> 00:29:48,124 お殿さま あなたさまは天下の お旗本 お武家さまでございます 375 00:29:48,124 --> 00:29:50,126 信用できぬというのか? 376 00:29:50,126 --> 00:29:55,131 お殿さまだけじゃなく お武家の やり方が信じられません 377 00:29:55,131 --> 00:30:00,136 自分の欲のためには 人の命は虫けら扱い 378 00:30:00,136 --> 00:30:03,136 盗っ人にも そんな ちくしょうは ひとりもおりませんよ! 379 00:30:06,142 --> 00:30:09,145 お殿さま? 380 00:30:09,145 --> 00:30:15,151 お妻 今日のところは俺の負けだ 改めて出直す 381 00:30:15,151 --> 00:30:20,151 盗んだ竹流し金は 大事に しまっておいてくれ 382 00:30:36,172 --> 00:30:40,176 あっ 殿さま 竹流し金は? 383 00:30:40,176 --> 00:30:44,180 そのままで来た 盗っ人ながら 命を投げ出して➡ 384 00:30:44,180 --> 00:30:48,184 恩人の ぬれぎぬを晴らそうとする お妻の心根に打たれたのだ 385 00:30:48,184 --> 00:30:50,184 ≪(長次)殿さま! 386 00:30:52,188 --> 00:30:55,191 殿さま 京弥さまが帰ってきました 387 00:30:55,191 --> 00:30:57,191 戻ったか! ええ! 388 00:31:02,198 --> 00:31:04,200 おじさん… 389 00:31:04,200 --> 00:31:10,200 お旗本の中にも あんな心のお方が いらっしゃるんですね 390 00:31:13,209 --> 00:31:15,209 殿さま 391 00:31:18,214 --> 00:31:20,216 京弥 ご苦労であった はい 392 00:31:20,216 --> 00:31:24,216 これが 大坂 天満奉行よりの書状 うむ… 393 00:31:27,156 --> 00:31:30,159 うれしいじゃありませんか 394 00:31:30,159 --> 00:31:34,163 今ごろの刻限なら お殿さまは 私の所だと まっすぐ ここへ 395 00:31:34,163 --> 00:31:38,167 「私の所へ」ねえ… (おゆう)馬鹿 396 00:31:38,167 --> 00:31:40,169 早乙女さま 竹流し金は➡ 397 00:31:40,169 --> 00:31:43,172 確かに 大坂ご城内から 持ち出されておりました 398 00:31:43,172 --> 00:31:46,172 これが船積みした証拠の荷受け状 399 00:31:50,179 --> 00:31:54,183 京弥 これで 稲垣の上屋敷へ乗り込めるぜ 400 00:31:54,183 --> 00:31:58,183 今から? もう一刻の猶予もできねえんだ 401 00:32:01,190 --> 00:32:05,194 ご家老 ご老中の呼び出しは どのような? 402 00:32:05,194 --> 00:32:07,196 今宵 竹流し金を➡ 403 00:32:07,196 --> 00:32:11,200 蔵前の札差 鍵屋宗山の店に 運び込めとの仰せだ 404 00:32:11,200 --> 00:32:13,202 今宵? 405 00:32:13,202 --> 00:32:18,207 鍵屋が竹流し金の吹き替え 両替の 一切を取りしきるとのこと 406 00:32:18,207 --> 00:32:23,145 菱田 市中に流れ出した竹流し金の噂が 407 00:32:23,145 --> 00:32:26,148 ご老中のお耳にも達したようだ 408 00:32:26,148 --> 00:32:28,150 憎いのは盗賊一味… 409 00:32:28,150 --> 00:32:31,153 その後 探索は どうなっておるのだ? 410 00:32:31,153 --> 00:32:36,158 このままでは 大坂ご城代たる 我が殿の責めにもなりかねぬぞ 411 00:32:36,158 --> 00:32:39,161 ご家老 かくなるうえは➡ 412 00:32:39,161 --> 00:32:43,165 町奉行の手を借りてでも 江戸市中をしらみつぶしに… 413 00:32:43,165 --> 00:32:45,167 よし やれ 414 00:32:45,167 --> 00:32:48,170 ≪(藩士)申し上げます 415 00:32:48,170 --> 00:32:51,173 ただいま早乙女主水之介が 参上いたしました 416 00:32:51,173 --> 00:32:53,175 なに!? 417 00:32:53,175 --> 00:32:55,177 お妻と申す盗賊から子細を聞き 418 00:32:55,177 --> 00:32:58,180 竹流し金について 尋ねたいことがあるとのこと 419 00:32:58,180 --> 00:33:02,184 彼奴め 盗っ人を突き止めたか 420 00:33:02,184 --> 00:33:04,186 ご家老… 421 00:33:04,186 --> 00:33:12,186 ♬~ 422 00:33:17,199 --> 00:33:20,202 そこもとが 早乙女どのか 423 00:33:20,202 --> 00:33:22,138 初めて御意を得ます 424 00:33:22,138 --> 00:33:28,144 江戸家老 高坂玄蕃じゃ 竹流し金についてお尋ねとか 425 00:33:28,144 --> 00:33:32,148 そなたも 竹流し金のいわれは➡ 426 00:33:32,148 --> 00:33:35,151 とくと ご存じのことでござろうな いかにも 427 00:33:35,151 --> 00:33:39,155 ならば 大坂城に あるべきはずの竹流し金が➡ 428 00:33:39,155 --> 00:33:43,159 当家に所蔵されているなどという あらぬ疑い 429 00:33:43,159 --> 00:33:47,163 確かな証しでも あってのことでござるかな? 430 00:33:47,163 --> 00:33:50,166 既に お取り次ぎの方に申し上げたはず 431 00:33:50,166 --> 00:33:53,169 金剛の藤蔵と申す盗っ人の娘が➡ 432 00:33:53,169 --> 00:33:56,172 それがし かねてより 存じ寄りの者でしてな 433 00:33:56,172 --> 00:34:01,177 盗賊の言葉を信じて まいられたと? フフフフッ… 434 00:34:01,177 --> 00:34:04,180 早乙女どの 竹流し金は➡ 435 00:34:04,180 --> 00:34:09,185 我らの主君が大坂城代として 厳重に預かっているもの 436 00:34:09,185 --> 00:34:13,189 いわれなき疑いは迷惑千万! 437 00:34:13,189 --> 00:34:18,189 では この荷受け状に 覚えはござりませぬか? 438 00:34:21,197 --> 00:34:23,132 一向に 439 00:34:23,132 --> 00:34:27,132 さあ 存分にご検分いただこうか 440 00:34:38,147 --> 00:34:44,153 (高坂)早乙女どの とっくりと 竹流し金の検分を願おうか 441 00:34:44,153 --> 00:34:50,159 フフフッ… まいった まいった さすがは江戸詰めの古だぬき 442 00:34:50,159 --> 00:34:53,162 竹流し金は とっくに隠しおったか 443 00:34:53,162 --> 00:34:57,166 「飛んで火に入る夏の虫」とは 少々 時季外れだな 444 00:34:57,166 --> 00:35:01,170 そこで お妻なる盗っ人の在りかを 白状しろと申されるのか? 445 00:35:01,170 --> 00:35:06,175 これは察しがよいこと では 教えていただこうかな 446 00:35:06,175 --> 00:35:09,178 それには ひとつだけ条件がある 447 00:35:09,178 --> 00:35:13,182 条件? よいとも 申されい 448 00:35:13,182 --> 00:35:16,185 竹流し金を 黙って 私に預けてくれぬか? 449 00:35:16,185 --> 00:35:19,188 無役ながら 直参 早乙女主水之介が➡ 450 00:35:19,188 --> 00:35:23,125 責めを負って 大坂城の御金蔵にお返しする 451 00:35:23,125 --> 00:35:28,130 そして 無実の責めを負って 腹を召された奥村どのの家名を➡ 452 00:35:28,130 --> 00:35:33,135 立ててくれるなら ご主君 稲垣どのは無傷のまま 453 00:35:33,135 --> 00:35:38,140 あずかり知らぬことで 済ませたいと思うのだが 454 00:35:38,140 --> 00:35:41,143 どうやら 不承知のようですな 455 00:35:41,143 --> 00:35:46,148 さもあろう 高坂どの この竹流し金の首尾が上々なら➡ 456 00:35:46,148 --> 00:35:49,151 稲垣どのは 伊予 松山15万石に破格のご出世 457 00:35:49,151 --> 00:35:53,155 …とすれば 高坂どのの禄高も➡ 458 00:35:53,155 --> 00:36:00,162 2000石… いや 5000石のご加増は 目に見えておりますからな 459 00:36:00,162 --> 00:36:02,164 黙れ黙れ! 460 00:36:02,164 --> 00:36:10,172 よく聞け 盗賊の在りかを申さねば 貴公は土蔵のねずみと野たれ死に 461 00:36:10,172 --> 00:36:13,175 そこをよく考えて返答せい 462 00:36:13,175 --> 00:36:18,180 ご家老 この俺は たとえ火責め 水責めに遭ったって 463 00:36:18,180 --> 00:36:22,117 一度 嫌だと心に決めたことは めったに口を割らねえ男だ 464 00:36:22,117 --> 00:36:30,125 さあ どっちが先に条件を 承知するか 根比べといこうかい 465 00:36:30,125 --> 00:36:32,125 (扉の閉まる音) 466 00:36:45,207 --> 00:36:47,209 アッ… びっくりした! 何だ? あんたたち 誰だよ? 467 00:36:47,209 --> 00:36:49,211 あっ 何か用事? 468 00:36:49,211 --> 00:36:53,148 あの… 早乙女のお殿さまは こちらに おいででしょうか? 469 00:36:53,148 --> 00:36:56,148 お妻と申します (長次)お妻さん!? 470 00:37:00,155 --> 00:37:03,158 それでは お殿さまが稲垣の土蔵に? 471 00:37:03,158 --> 00:37:06,161 (おゆう)お殿さまの あとをつけた文吉さんが➡ 472 00:37:06,161 --> 00:37:09,164 土蔵に押し込められるのを はっきりと見てきたんですよ 473 00:37:09,164 --> 00:37:11,166 (長次)ひと足遅かったなぁ 474 00:37:11,166 --> 00:37:13,168 (文吉)お前さんが素直に こいつを渡してくれてたら➡ 475 00:37:13,168 --> 00:37:16,171 殿さまも もっと乗り込みようがあったんだ 476 00:37:16,171 --> 00:37:20,175 今更 愚痴っても しかたがない 今は➡ 477 00:37:20,175 --> 00:37:23,178 早乙女さまを助け出す手だてを 先に考えねばならぬ 478 00:37:23,178 --> 00:37:25,178 京弥さま それは どうやって? 479 00:37:27,182 --> 00:37:31,186 お妻とやら この竹流し金を 私に任せてくれるか? 480 00:37:31,186 --> 00:37:35,190 はい 早乙女の お殿さまにお願いしようと➡ 481 00:37:35,190 --> 00:37:38,193 持ってきたのですから 482 00:37:38,193 --> 00:37:42,197 おゆうどの 早乙女さまは必ず助け出す 483 00:37:42,197 --> 00:38:02,151 ♬~ 484 00:38:02,151 --> 00:38:12,151 ♬~ 485 00:38:14,163 --> 00:38:16,165 いかがいたしましょうか? 486 00:38:16,165 --> 00:38:19,168 まだ 盗賊の在りかを白状せんのか? 487 00:38:19,168 --> 00:38:24,173 はっ… ご家老 このままでは どうにも手の下しようが… 488 00:38:24,173 --> 00:38:26,175 う~む… 489 00:38:26,175 --> 00:38:32,181 しかたがない まず 24本だけでも鍵屋へ運び込め 490 00:38:32,181 --> 00:38:35,184 はぁ? 491 00:38:35,184 --> 00:38:38,187 盗まれた1本は➡ 492 00:38:38,187 --> 00:38:45,194 「大坂城から持ち出す折の手違い」 とでも繕えば申し開きは立つ 493 00:38:45,194 --> 00:38:49,198 はっ… では そのように手はずを 494 00:38:49,198 --> 00:38:53,135 日暮れを待って 早急に運び出すのだ 495 00:38:53,135 --> 00:38:58,140 …して 主水之介は? 496 00:38:58,140 --> 00:39:03,140 竹流し金を運び出したところで 斬るまでのこと 497 00:39:08,150 --> 00:39:10,152 突然 お目通りを願い➡ 498 00:39:10,152 --> 00:39:13,152 ぶしつけな振る舞いは 平に ご容赦くださりませ 499 00:39:15,157 --> 00:39:17,159 本来ならば➡ 500 00:39:17,159 --> 00:39:20,162 菊路さまに ご同道願うところで ござりまするが 501 00:39:20,162 --> 00:39:23,165 何ぶんにも 早乙女さまの身 危急の際なれば 平にご容赦を 502 00:39:23,165 --> 00:39:26,168 堅苦しい挨拶などはよい 503 00:39:26,168 --> 00:39:29,171 それよりも 主水之介を助け出すことは… 504 00:39:29,171 --> 00:39:32,174 難しいとでも? 505 00:39:32,174 --> 00:39:36,178 小田切さま このように証拠の品も そろっているではござりませぬか 506 00:39:36,178 --> 00:39:39,181 証しになる者が 盗賊とあってはな… 507 00:39:39,181 --> 00:39:44,186 そこを小田切さまのお力にて! (小田切)う~む… 508 00:39:44,186 --> 00:39:46,188 小田切さま! 509 00:39:46,188 --> 00:40:06,208 ♬~ 510 00:40:06,208 --> 00:40:17,219 ♬~ 511 00:40:17,219 --> 00:40:28,219 ♬~ 512 00:40:30,232 --> 00:40:33,235 ご家老 運び出しの用意が できましてございます 513 00:40:33,235 --> 00:40:37,235 では 竹流し金を長持ちに詰めろ 514 00:41:00,195 --> 00:41:04,199 お助けにまいりました おお そなたか 515 00:41:04,199 --> 00:41:07,199 格子は窓枠ごと外れます かたじけない 516 00:41:23,218 --> 00:41:27,222 急げよ ≪ 待った! 517 00:41:27,222 --> 00:41:29,224 (高坂)あっ! 貴様は! 518 00:41:29,224 --> 00:41:34,229 いつまでも土蔵の中にいては 申し入れの返事が聞けんのでな 519 00:41:34,229 --> 00:41:36,231 ンッ… クッ! 520 00:41:36,231 --> 00:41:40,235 どうやら 竹流し金を どこぞへ運び出す様子ですな 521 00:41:40,235 --> 00:41:46,241 高坂どの これが最後だ 竹流し金をこの私に任せて➡ 522 00:41:46,241 --> 00:41:51,246 稲垣家の安泰を願うかどうか はっきり返答なされい! 523 00:41:51,246 --> 00:41:53,181 くどい! 524 00:41:53,181 --> 00:41:57,185 そうかい どうあっても承知しねえのかい 525 00:41:57,185 --> 00:42:00,188 それじゃ しかたがねえ 526 00:42:00,188 --> 00:42:04,192 事を荒だてずに 済まそうと思ったのだが 527 00:42:04,192 --> 00:42:06,194 欲のためなら 人の命なぞ➡ 528 00:42:06,194 --> 00:42:09,197 虫けらほどにも 思っちゃいねえお前たちに➡ 529 00:42:09,197 --> 00:42:13,201 天下御免の向こう傷が うずきだしやがった 530 00:42:13,201 --> 00:42:16,204 ええい 斬れ 斬り捨てい! 531 00:42:16,204 --> 00:42:18,206 (斬る音) (藩士たち)ウワッ! 532 00:42:18,206 --> 00:42:20,206 出合え 出合え! 533 00:42:24,212 --> 00:42:26,212 出合え 出合え! 534 00:42:28,216 --> 00:42:30,218 (藩士)ヤーッ! 535 00:42:30,218 --> 00:42:32,220 (斬る音) 536 00:42:32,220 --> 00:42:34,220 (刀の打ち合う音) 537 00:42:37,225 --> 00:42:40,228 (菱田)出合え 出合え 出合え! 538 00:42:40,228 --> 00:42:53,175 ♬~ 539 00:42:53,175 --> 00:43:07,189 ♬~ 540 00:43:07,189 --> 00:43:09,191 (斬る音) 541 00:43:09,191 --> 00:43:11,193 (藩士)ヤーッ! 542 00:43:11,193 --> 00:43:23,205 ♬~ 543 00:43:23,205 --> 00:43:27,205 (高坂)出合え 出合えー! (菱田)出合え! 544 00:43:29,211 --> 00:43:31,211 (斬る音) 545 00:43:33,215 --> 00:43:35,217 ンッ! ヤッ! 546 00:43:35,217 --> 00:43:37,217 (斬る音) アアッ! 547 00:43:39,221 --> 00:43:43,225 (藩士たち)ヤーッ! 548 00:43:43,225 --> 00:43:45,227 (斬る音) 549 00:43:45,227 --> 00:43:47,229 (斬る音) アアッ! 550 00:43:47,229 --> 00:43:58,173 ♬~ 551 00:43:58,173 --> 00:44:00,173 ンッ! 552 00:44:12,187 --> 00:44:19,194 貴様 ご老中のお指図に 手向かうと申すのか!? 553 00:44:19,194 --> 00:44:22,197 かまわん やれ! 554 00:44:22,197 --> 00:44:24,199 ヤッ! 555 00:44:24,199 --> 00:44:26,201 (斬る音) 556 00:44:26,201 --> 00:44:28,201 (斬る音) アッ! 557 00:44:30,205 --> 00:44:32,205 ウウッ… 558 00:44:34,209 --> 00:44:42,217 ♬~ 559 00:44:42,217 --> 00:44:45,220 見事だ 主水之介 560 00:44:45,220 --> 00:44:47,222 …で 竹流し金は どこに? 561 00:44:47,222 --> 00:44:50,225 京弥 その御影石を上げてみろ 562 00:44:50,225 --> 00:44:53,161 はい 563 00:44:53,161 --> 00:44:55,161 五郎次 手を貸してくれ 564 00:45:13,181 --> 00:45:15,181 (力み声) 565 00:45:20,188 --> 00:45:23,191 (京弥)早乙女さま! (小田切)でかしたぞ 主水之介! 566 00:45:23,191 --> 00:45:27,195 そのお言葉 そこに控えるお妻に かけてやってくださいませぬか? 567 00:45:27,195 --> 00:45:31,199 お殿さま そなたが命を捨てる覚悟で➡ 568 00:45:31,199 --> 00:45:34,202 竹流し金を 盗み出してくれたからこそ➡ 569 00:45:34,202 --> 00:45:39,207 25本全て 無事に大坂城に戻すことができる 570 00:45:39,207 --> 00:45:43,211 お妻とやら そちの話は 京弥から聞いた 571 00:45:43,211 --> 00:45:47,215 ところで 奥村宗右衛門には 家名を継ぐ者はおらんのか? 572 00:45:47,215 --> 00:45:50,218 はい 徳太郎さまとおっしゃる➡ 573 00:45:50,218 --> 00:45:53,154 13になるお坊っちゃまが お1人いられます 574 00:45:53,154 --> 00:45:56,157 うむ… では その子の元服を待って➡ 575 00:45:56,157 --> 00:45:59,160 家名再興が できるように取り計らうが 576 00:45:59,160 --> 00:46:05,166 お妻 それで 奥村に対する そちの気持ち 収まるかな? 577 00:46:05,166 --> 00:46:07,168 大目付さま… 578 00:46:07,168 --> 00:46:11,172 お前の孝心 恩人に対する人らしい心遣いが➡ 579 00:46:11,172 --> 00:46:14,172 今度の事件を解決したのだ 580 00:46:17,178 --> 00:46:22,178 お殿さま ありがとうございました 581 00:46:24,185 --> 00:46:29,190 これで 心おきなく お縄がいただけます 582 00:46:29,190 --> 00:46:31,190 さあ 五郎次 583 00:46:33,194 --> 00:46:39,200 よさぬか! 大目付どのは 町方ごとき真似はせん 584 00:46:39,200 --> 00:46:42,203 フフッ… 野暮は やめろ 585 00:46:42,203 --> 00:46:44,205 主水之介 戻るぞ 586 00:46:44,205 --> 00:46:47,208 小田切さま 竹流し金が戻りましたところで 587 00:46:47,208 --> 00:46:50,211 明朝 一番だちにて 大坂へ出立したいと存じますが 588 00:46:50,211 --> 00:46:53,148 相変わらず気の早い男よのぅ ハハハハッ… 589 00:46:53,148 --> 00:46:57,152 金の光というもの 人の心を迷わせる魔物 590 00:46:57,152 --> 00:47:01,156 あまり手元に置きますと 私めも つい ふらふらと… 591 00:47:01,156 --> 00:47:06,156 うむ… 誠 魔物の光よのぅ 592 00:47:12,167 --> 00:47:16,171 では 鶴姫さまのお輿入れの儀は? 将軍家お内所の許す範囲で➡ 593 00:47:16,171 --> 00:47:19,174 執り行われることになったそうだ ≪(おゆう)お殿さま! 594 00:47:19,174 --> 00:47:21,176 女将さん いいかげんにしてくださいよ 595 00:47:21,176 --> 00:47:23,178 「いいかげん」とは 何さ? 長次 お前って奴はね 596 00:47:23,178 --> 00:47:25,180 そんなに冷たい男なのかい? 597 00:47:25,180 --> 00:47:27,182 ねえ 長次 お前からも お願いしておくれよ 598 00:47:27,182 --> 00:47:29,184 一緒に お供できるようにさ 599 00:47:29,184 --> 00:47:31,186 まったく 諦めの悪い人だな 江戸っ子でしょう? 江戸っ子 600 00:47:31,186 --> 00:47:34,189 頼まないよ もう こうなりゃ お殿さまに! 601 00:47:34,189 --> 00:47:37,192 あっ 女将さん! ほら 女将さんったら! 602 00:47:37,192 --> 00:47:39,192 何だよ? (長次)あっ… 603 00:47:43,198 --> 00:47:47,202 お殿さま お気をつけになって 604 00:47:47,202 --> 00:47:51,206 この度のこと 父の墓に知らせておけよ 605 00:47:51,206 --> 00:47:53,141 はい 606 00:47:53,141 --> 00:47:56,144 さて 行くか 607 00:47:56,144 --> 00:47:59,147 長の字 へいへい 608 00:47:59,147 --> 00:48:01,149 ヘヘッ… おゆう 留守を頼んだぞ 609 00:48:01,149 --> 00:48:04,152 だから 言ったでしょう 江戸っ子は諦めが肝心だって 610 00:48:04,152 --> 00:48:06,154 じゃ 女将さん 留守を頼んだよ (おゆう)ちょ! 611 00:48:06,154 --> 00:48:08,156 それじゃ お妻さん いってまいります 612 00:48:08,156 --> 00:48:11,156 おい 出発 出発! 分かってるね? 613 00:48:15,163 --> 00:48:35,163 ♬~ 614 00:48:39,187 --> 00:48:43,191 (ナレーター)<お世継ぎご決定を間近に 控えた平戸藩 若殿 源三郎は➡ 615 00:48:43,191 --> 00:48:47,195 町人姿に身を変え 鳶頭の家へ身を寄せた> 616 00:48:47,195 --> 00:48:53,201 <主水之介は 源三郎の 行方を捜す継母 お紫乃に会った> 617 00:48:53,201 --> 00:48:57,205 (紫乃) 源三郎は 私の子でございます 618 00:48:57,205 --> 00:49:01,209 <ちょうど そのころ お世継ぎに反対する家老 大谷は➡ 619 00:49:01,209 --> 00:49:04,209 源三郎を斬るよう 部下に命じた>