1 00:01:57,334 --> 00:01:58,202 2 00:01:58,202 --> 00:02:18,222 ♬~ 3 00:02:18,222 --> 00:02:32,236 ♬~ 4 00:02:32,236 --> 00:02:46,236 ♬~ 5 00:02:48,185 --> 00:02:53,190 ♬~ 6 00:02:53,190 --> 00:02:59,196 (ナレーター)<ここは 東海道 久能山東照宮である> 7 00:02:59,196 --> 00:03:02,199 <徳川家康が このうえなく愛した場所で➡ 8 00:03:02,199 --> 00:03:07,204 かつては 家康の骨が納められてあった> 9 00:03:07,204 --> 00:03:11,208 <ところで 三河は徳川家発祥の地> 10 00:03:11,208 --> 00:03:16,213 <何を思ったか ぶらり退屈男 早乙女主水之介は➡ 11 00:03:16,213 --> 00:03:19,216 ひとり ここに現れた> 12 00:03:19,216 --> 00:03:39,169 ♬~ 13 00:03:39,169 --> 00:03:57,187 ♬~ 14 00:03:57,187 --> 00:03:59,189 (主水之介)お楽しみ中 甚だ失礼 15 00:03:59,189 --> 00:04:03,193 腕前もお見事なら 魚も見事な鮠ですなぁ 16 00:04:03,193 --> 00:04:07,197 (男性)晩飯のおかずにしようと 思ってな ハハハッ… 17 00:04:07,197 --> 00:04:10,200 さだめし 名のある御仁と お見受け申す 18 00:04:10,200 --> 00:04:13,203 それがし 江戸からまいった 直参 早乙女主水之介と申す 19 00:04:13,203 --> 00:04:18,208 ほほう… ご直参か 20 00:04:18,208 --> 00:04:22,212 久能山権現さまへ お参りの帰りでござる 21 00:04:22,212 --> 00:04:28,152 いや お気軽に お気軽に どうせ 風流な退屈しのぎ 22 00:04:28,152 --> 00:04:31,155 堅苦しいことは やめにしましょうや 23 00:04:31,155 --> 00:04:34,158 お互い どこの誰でも どうでもいいこと 24 00:04:34,158 --> 00:04:36,160 いかさま望むところ 25 00:04:36,160 --> 00:04:40,164 さては退屈でございますか 私も ご同様 26 00:04:40,164 --> 00:04:43,167 ほう… 趣味が合いますな 27 00:04:43,167 --> 00:04:46,170 (笑い声) 28 00:04:46,170 --> 00:04:49,173 あ~… 私も釣ってみたいものだが 29 00:04:49,173 --> 00:04:54,178 あいにくじゃったなぁ 竿は これ1本しかない 30 00:04:54,178 --> 00:04:58,182 オッ! そうだ あいつに持ってこさせよう 31 00:04:58,182 --> 00:05:02,182 お松! お松! 32 00:05:06,190 --> 00:05:08,192 (お松)何のご用だね? じいさま 33 00:05:08,192 --> 00:05:12,196 忙しいところ すまないが お前の家には釣り竿があるだろう 34 00:05:12,196 --> 00:05:14,198 ひとっ走り行って いいのを選んでこい 35 00:05:14,198 --> 00:05:18,202 このお旗本に お貸しするんじゃ (お松)あいよ! 36 00:05:18,202 --> 00:05:21,202 ハハハハッ… びっくりしたかね? 37 00:05:23,207 --> 00:05:29,146 あれでも 番茶も出花の18じゃ この近くの百姓の娘でな 38 00:05:29,146 --> 00:05:33,150 いろいろと わしの用事を 足してくれる便利な娘じゃよ 39 00:05:33,150 --> 00:05:51,168 ♬~ 40 00:05:51,168 --> 00:05:53,170 (薪を割る音) 41 00:05:53,170 --> 00:05:59,176 ♬~ 42 00:05:59,176 --> 00:06:04,181 (段次)どうしたんだ? (お松)釣り竿を貸してくれって 43 00:06:04,181 --> 00:06:07,184 (段次)釣り竿? (お松)うん 偉そうなお侍なんだ 44 00:06:07,184 --> 00:06:09,186 お侍って どこの方だ? 45 00:06:09,186 --> 00:06:13,186 分かんねえ じいさまが 貸してやれって言うんだ 46 00:06:19,196 --> 00:06:22,196 ≪(馬の駆ける音) 47 00:06:33,143 --> 00:06:36,146 (武士)オッ!? ドウ… (馬のいななき) 48 00:06:36,146 --> 00:06:39,149 ウワッ! (いななき) 49 00:06:39,149 --> 00:06:43,149 アイタ… 無礼者! 50 00:06:45,155 --> 00:06:50,160 あっ… 殿さま! なんで そんなことするんだよ? 51 00:06:50,160 --> 00:06:53,163 いや なかなか気持ちのいいもんだ 退屈しのぎには ちょうどいい 52 00:06:53,163 --> 00:06:56,166 そら 百姓のすることだよ いや 武士たるもの➡ 53 00:06:56,166 --> 00:07:01,171 いつ 戦場で大根を引っこ抜いて 小川で洗って かじらんとも限らん 54 00:07:01,171 --> 00:07:03,171 ひとつ いただいてみるかな 55 00:07:06,176 --> 00:07:11,176 うん 甘いな! フフフッ… 56 00:07:15,185 --> 00:07:18,188 (武士)おい 女 そこへ直れ! 57 00:07:18,188 --> 00:07:21,188 ええい 直れと申すのに 分からんのか! 58 00:07:24,194 --> 00:07:27,130 見ろ! お前の無礼によって➡ 59 00:07:27,130 --> 00:07:30,133 先を急ぐ我々のうち 1名が けがをしおった 60 00:07:30,133 --> 00:07:32,135 一体 どうする所存じゃ? 61 00:07:32,135 --> 00:07:37,140 慌ててて 分かんなかったんだ 勘弁しておくんなせえ 62 00:07:37,140 --> 00:07:41,144 許せだと? 見れば百姓女のようだが 63 00:07:41,144 --> 00:07:45,148 武士に無礼を働き ただ謝れば済むと思うのか! 64 00:07:45,148 --> 00:07:47,150 (武士)問答無用! 無礼討ちじゃ! 65 00:07:47,150 --> 00:07:50,153 (お松)やだなぁ わざと やったわけじゃないんだから 66 00:07:50,153 --> 00:07:53,156 本当に勘弁してください! (武士)ええい くどい そこへ直れ 67 00:07:53,156 --> 00:07:56,159 (武士)こやつ 手向かう気か! 68 00:07:56,159 --> 00:07:59,162 怪しい奴め ただの百姓女じゃあるまい 69 00:07:59,162 --> 00:08:01,164 ただの百姓女だ 70 00:08:01,164 --> 00:08:08,164 でもな 三河の百姓女だ 同じ死ぬなら 戦って死にたい! 71 00:08:10,173 --> 00:08:14,173 (武士)くそ! (笑い声) 72 00:08:16,179 --> 00:08:18,181 いかがでござる? この大根 73 00:08:18,181 --> 00:08:22,185 意外と甘い それに ちょっぴり ひりりとする 74 00:08:22,185 --> 00:08:27,124 かっかと のぼせた頭には 意外に効くかもしれませんな 75 00:08:27,124 --> 00:08:31,128 (武士)何者だ!? まあ その腰の物を納めなさい 76 00:08:31,128 --> 00:08:34,131 この百姓女も なかなかの身のこなし 77 00:08:34,131 --> 00:08:36,133 馬から 落ちるような お武家さまには➡ 78 00:08:36,133 --> 00:08:39,136 ちと 手に余るかもしれませんなぁ 79 00:08:39,136 --> 00:08:45,142 だが 所詮 女は女だ いずれは 貴公たちに斬られる運命にある 80 00:08:45,142 --> 00:08:49,146 つまらんことで命のやり取りなど 無駄なことだ 81 00:08:49,146 --> 00:08:51,148 (武士)何と言われる! 82 00:08:51,148 --> 00:08:55,152 貴公も武士らしいが 百姓 町人が 武士に向かって無礼を働けば➡ 83 00:08:55,152 --> 00:08:57,154 斬って捨てるは天下の常道! 84 00:08:57,154 --> 00:09:01,158 それが いかん 武士も百姓も お互い人間 85 00:09:01,158 --> 00:09:05,162 斬られれば痛い 死ぬかもしれん 泣く人もいる 86 00:09:05,162 --> 00:09:10,167 まして まだ うら若い娘 これから どんな幸せが訪れるか分からん 87 00:09:10,167 --> 00:09:14,171 意趣晴らしに あたら花の命を散らせては➡ 88 00:09:14,171 --> 00:09:19,176 いささか 武士たるものとして 後味が悪くはないか? ハハハッ… 89 00:09:19,176 --> 00:09:22,179 (武士)また笑いおったな! いや なに これは➡ 90 00:09:22,179 --> 00:09:26,183 どうやら退屈の虫が 心地よげに 鳴き始めたしるしらしい 91 00:09:26,183 --> 00:09:29,119 …と申しても 貴公たちには分かるまいがな 92 00:09:29,119 --> 00:09:32,122 (笑い声) 93 00:09:32,122 --> 00:09:34,124 そもそも 武士たるもの➡ 94 00:09:34,124 --> 00:09:37,127 馬が竿立ちになったぐらいで 落馬するとは困ったもの 95 00:09:37,127 --> 00:09:44,134 ひと度 戦場に出れば 敵と刃を交わえずして落馬 骨折 96 00:09:44,134 --> 00:09:48,138 いやはや 目も当てられぬことになり申すぞ 97 00:09:48,138 --> 00:09:51,141 ハハハハッ… (武士)おのれ また笑いおった! 98 00:09:51,141 --> 00:09:55,145 (武士)貴公 この百姓女と 一体 どういう関わり合いだ? 99 00:09:55,145 --> 00:09:58,148 たった今 仲のよい友達になったばかりだ 100 00:09:58,148 --> 00:10:01,151 なあ? お松 うん 101 00:10:01,151 --> 00:10:03,153 (武士)こうなったら けんかの相手は貴公だ! 102 00:10:03,153 --> 00:10:10,160 ハハハッ! これはまた退屈の虫が 一段と喜んでおりますぞ 103 00:10:10,160 --> 00:10:15,165 それなら ひとつ この傷を よく見さっしゃい! 104 00:10:15,165 --> 00:10:18,168 江戸の旗本 早乙女主水之介 105 00:10:18,168 --> 00:10:23,173 …と申しても ここら辺りじゃ いささか 通りが悪いかもしれん 106 00:10:23,173 --> 00:10:30,113 よって 名乗るは 通称 傷の殿さま 天下御免の旗本退屈男 107 00:10:30,113 --> 00:10:32,115 (武士)そ… そんな傷 知らぬわ! 108 00:10:32,115 --> 00:10:37,120 ほう… 貴公たち よっぽどの田舎者だな 109 00:10:37,120 --> 00:10:45,128 ♬~ 110 00:10:45,128 --> 00:10:47,130 おら! アッ… 111 00:10:47,130 --> 00:10:53,136 ♬~ 112 00:10:53,136 --> 00:10:55,138 (殴る音) (武士)アアッ… 113 00:10:55,138 --> 00:11:00,143 ♬~ 114 00:11:00,143 --> 00:11:04,147 ハハハハッ… 気をつけて行けよ 115 00:11:04,147 --> 00:11:07,150 ハハハハッ… フフフッ… 116 00:11:07,150 --> 00:11:10,153 (武士)ヤーッ! ハアッ! 117 00:11:10,153 --> 00:11:17,160 ♬~ 118 00:11:17,160 --> 00:11:21,160 あれは島津のご家中だよ ほう… 119 00:11:44,187 --> 00:11:49,192 あいつら 戻っていきますな 今日辺り 島津の殿さまが➡ 120 00:11:49,192 --> 00:11:54,197 参勤交代で江戸へ向かうために この街道を通るはずじゃな 121 00:11:54,197 --> 00:11:57,200 その供先の前触れですか 122 00:11:57,200 --> 00:12:02,205 それにしても 何か様子を 探るような急ぎぶり 妙ですな 123 00:12:02,205 --> 00:12:08,211 島津72万石 堂々と 行列を連ねてくればよいものを 124 00:12:08,211 --> 00:12:12,215 それが そうはいかない なんでだ? 125 00:12:12,215 --> 00:12:16,219 わしらのご領主さまの 陣屋を通るわけだ 126 00:12:16,219 --> 00:12:21,224 それはまた どういうわけで? ご領主さまは何といわれる? 127 00:12:21,224 --> 00:12:24,227 「ぐずり松平の殿さま」だよ 128 00:12:24,227 --> 00:12:26,229 ぐずり松平? 129 00:12:26,229 --> 00:12:31,167 この辺り 長沢郷2300石の禄高だが 130 00:12:31,167 --> 00:12:36,172 格式は3万石 松平上野介さまじゃ 131 00:12:36,172 --> 00:12:38,174 ごねだすと 手のつけられんお人らしい 132 00:12:38,174 --> 00:12:40,176 しかも 徳川ご一門でありながら➡ 133 00:12:40,176 --> 00:12:44,180 城も持たず 陣屋にお住まいと聞いている 134 00:12:44,180 --> 00:12:47,183 そういった変わり種の へそ曲がりには➡ 135 00:12:47,183 --> 00:12:49,185 是非とも お目にかかりたいもんですなぁ 136 00:12:49,185 --> 00:12:55,185 フフフフッ… お前さんも 変わり種のへそ曲がりだのぅ 137 00:12:57,193 --> 00:13:01,193 ≪(馬のいななき) (浅妻)オッ! 戻ったぞ 138 00:13:05,201 --> 00:13:07,203 どうであった? 139 00:13:07,203 --> 00:13:10,206 陣屋の門は閉まっております 人影ありません 140 00:13:10,206 --> 00:13:12,208 うむ… そうであろう 141 00:13:12,208 --> 00:13:17,213 ハハハハッ… いかに ぐずり松平どのとはいえ➡ 142 00:13:17,213 --> 00:13:21,217 我が島津72万石には 文句ひとつ言えぬはずだ 143 00:13:21,217 --> 00:13:23,219 ところで 途中 百姓女と➡ 144 00:13:23,219 --> 00:13:26,222 江戸から来た旗本と名乗る 奇妙な奴に邪魔されまして… 145 00:13:26,222 --> 00:13:31,222 なに? 供先を汚す者として すぐ始末しろ 146 00:13:33,163 --> 00:13:36,166 せっかく 生まれ故郷の三河に来た以上➡ 147 00:13:36,166 --> 00:13:39,169 久能山権現さまと ぐずり松平さまには➡ 148 00:13:39,169 --> 00:13:43,173 なんとしても お目にかかりたい 手はないですかな? ご老人 149 00:13:43,173 --> 00:13:49,179 フフフフッ… それは無理だろうな 何しろ 相手が へそ曲がりすぎる 150 00:13:49,179 --> 00:13:53,183 そうだろう? お松 (お松)そう言われりゃ 無理だな 151 00:13:53,183 --> 00:13:58,188 しかし 旗本八万騎は 近ごろ 無為徒食 まるで➡ 152 00:13:58,188 --> 00:14:01,191 女の腐ったような奴ばかりだと いう噂が➡ 153 00:14:01,191 --> 00:14:05,195 この三河辺りまで 聞こえてきている中で➡ 154 00:14:05,195 --> 00:14:10,200 お前さんは 将軍家発祥の地 三河を忘れないところは➡ 155 00:14:10,200 --> 00:14:12,202 どっか見どころがあるな 156 00:14:12,202 --> 00:14:16,206 なんとか ぐずりの殿さまに 会わせてやりたいが 157 00:14:16,206 --> 00:14:18,208 無理じゃろうな お松 158 00:14:18,208 --> 00:14:22,212 うん じいさまが そう言うなら無理だな 159 00:14:22,212 --> 00:14:27,150 どうも奇妙な気がしてならん ご老人は ぐずり松平家に➡ 160 00:14:27,150 --> 00:14:29,152 関わり合いのある方では ありませぬか? 161 00:14:29,152 --> 00:14:33,156 とんでもない あんな へそ曲がりは苦手じゃ 162 00:14:33,156 --> 00:14:36,159 もっとも ああいう殿さまも➡ 163 00:14:36,159 --> 00:14:40,159 1人ぐらいなくては 困ると思ってはおるがな 164 00:14:42,165 --> 00:14:45,168 ああ… 重いんだろう? てんびんを代わってやろう 165 00:14:45,168 --> 00:14:48,171 うれしいな でも 難しいんだよ これ 166 00:14:48,171 --> 00:14:51,171 ハハッ… 退屈しのぎさ さあ 167 00:14:54,177 --> 00:14:59,182 よっ… オッ! うまい うまい! 168 00:14:59,182 --> 00:15:02,185 旗本だなんて贅沢な暮らしを してるわりには大したもんだ 169 00:15:02,185 --> 00:15:07,185 ハハッ… かわいいわりには 口の悪い女だ フフフフッ… 170 00:15:13,196 --> 00:15:18,201 (男性) ハハハッ… また じじいが来たよ 仕事の邪魔をして悪いな 171 00:15:18,201 --> 00:15:20,203 (段次) とんでもないことでございます 172 00:15:20,203 --> 00:15:22,205 (お松) 兄さん この人が江戸の旗本だよ 173 00:15:22,205 --> 00:15:25,208 今 危ないところを 助けてもらったんだ 174 00:15:25,208 --> 00:15:29,208 相手は島津のご家中だよ (段次)島津? 175 00:15:32,148 --> 00:15:34,150 段次と申します 176 00:15:34,150 --> 00:15:37,153 妹を助けていただいて ありがとうございました 177 00:15:37,153 --> 00:15:40,156 いや 礼には及ばん 退屈払いだ 178 00:15:40,156 --> 00:15:43,159 じいさん これ 焼いて食うか? 179 00:15:43,159 --> 00:15:46,159 ああ 頼むぞ (お松)うん 180 00:15:49,165 --> 00:15:53,169 どうも分からん 何がでございますか? 181 00:15:53,169 --> 00:15:58,174 お前の妹もそうだが ただの百姓には見えんな 182 00:15:58,174 --> 00:16:03,179 この薪の割り方ひとつにしても 武芸の心得ある者としか思えぬが 183 00:16:03,179 --> 00:16:05,181 恐れ入ります 184 00:16:05,181 --> 00:16:10,186 三河の百姓であれば 誰でも これぐらいのことは いたします 185 00:16:10,186 --> 00:16:12,188 ただの百姓ではございますが 186 00:16:12,188 --> 00:16:16,192 神君 家康公以来の百姓と 心得ております 187 00:16:16,192 --> 00:16:18,194 (男性)どうだい? 188 00:16:18,194 --> 00:16:24,200 江戸の旗本の なまくらどもに 聞かせてやりたい せりふじゃのぅ 189 00:16:24,200 --> 00:16:26,200 (ため息) 190 00:16:30,139 --> 00:16:33,142 さあ 焼けたよ はい! ほう うまいな 191 00:16:33,142 --> 00:16:35,144 当たり前だよ 192 00:16:35,144 --> 00:16:39,148 お松 お前 そろそろ 嫁に行けるな うん? 193 00:16:39,148 --> 00:16:43,148 おら やだ! 変なこと言うじいさまだよ 194 00:16:46,155 --> 00:16:49,158 ところで ぐずりの殿さまだが 195 00:16:49,158 --> 00:16:53,162 禄高は2300石 大したことはないが 格式だけは高い 196 00:16:53,162 --> 00:16:58,167 それゆえ かえって 公の席に出る場合に物入りが多い 197 00:16:58,167 --> 00:17:01,170 つまり 格式を高くしてもらったことが➡ 198 00:17:01,170 --> 00:17:05,174 ありがた迷惑というわけですな よく知っとるな 199 00:17:05,174 --> 00:17:10,179 それゆえ… 何かと ぐずる 200 00:17:10,179 --> 00:17:14,183 (笑い声) 201 00:17:14,183 --> 00:17:19,188 ぐずりの先祖は考えた 「元はといえば将軍家の親戚」 202 00:17:19,188 --> 00:17:22,191 「名前だけでは とても暮らしていけない」と➡ 203 00:17:22,191 --> 00:17:25,194 当時 3代将軍 家光公に 思い余って訴えた 204 00:17:25,194 --> 00:17:30,133 家光公は親戚思い そこで 1通のお墨付きをくだすった 205 00:17:30,133 --> 00:17:35,138 つまり これより先 東海道を上り下りする諸大名に➡ 206 00:17:35,138 --> 00:17:42,145 「長沢 松平家に対して 禄高に応じた挨拶をせよ」 207 00:17:42,145 --> 00:17:46,149 それが一札だ そうでしたな? ご老人 208 00:17:46,149 --> 00:17:51,154 よく勉強しておるな わしも そう聞いているよ 209 00:17:51,154 --> 00:17:57,160 当主は確か 松平源七郎君 210 00:17:57,160 --> 00:18:01,164 うむ… うむ… 211 00:18:01,164 --> 00:18:08,171 ご老人 今までのご無礼 平に お許しくだされ 212 00:18:08,171 --> 00:18:11,174 御前こそ 松平源七郎君におわしますな? 213 00:18:11,174 --> 00:18:15,178 何を馬鹿な 恐れ多いことを言うもんじゃない 214 00:18:15,178 --> 00:18:18,181 わしは そのご領主さまから➡ 215 00:18:18,181 --> 00:18:21,184 土地を 預かっておる名主にすぎんよ 216 00:18:21,184 --> 00:18:24,187 あ~ うまかった 217 00:18:24,187 --> 00:18:30,126 今度は大根の浅漬け 食いに来るぞ うん? フフフフッ… 218 00:18:30,126 --> 00:18:33,126 表に殺気がございますな 219 00:18:35,131 --> 00:18:39,135 ほほう… また退屈払いかいな 220 00:18:39,135 --> 00:18:52,148 ♬~ 221 00:18:52,148 --> 00:18:55,151 ここまで来たか 島津のたわけ者め 222 00:18:55,151 --> 00:18:59,155 (男性) ほう これは島津のご家来衆かい 223 00:18:59,155 --> 00:19:03,159 薩摩伝来の示現流の構え 224 00:19:03,159 --> 00:19:06,162 もう少し ましな腕をそろえてこなければ➡ 225 00:19:06,162 --> 00:19:09,162 退屈の虫が喜びませんな 226 00:19:11,167 --> 00:19:13,169 段次 はっ! 227 00:19:13,169 --> 00:19:17,173 この薩摩っぽを相手にするには その辺の薪ざっぽで十分だ 228 00:19:17,173 --> 00:19:22,178 お前の腕で片がつく やってみるか? 229 00:19:22,178 --> 00:19:42,131 ♬~ 230 00:19:42,131 --> 00:19:44,133 (突く音) (武士)アアッ! 231 00:19:44,133 --> 00:19:50,139 ♬~ 232 00:19:50,139 --> 00:19:52,139 (武士)ひけ! 233 00:19:56,145 --> 00:19:59,148 これで この男が ただの 百姓でないことが分かりました 234 00:19:59,148 --> 00:20:01,150 それとも 三河には この程度の百姓は➡ 235 00:20:01,150 --> 00:20:03,152 ごろごろしていると 申されますか? 236 00:20:03,152 --> 00:20:07,156 まあ そんなところだろうな とにかく わしは行くよ 237 00:20:07,156 --> 00:20:09,156 お松 行こう 238 00:20:16,165 --> 00:20:20,165 お松 そろそろ 例の用事を頼むよ 239 00:20:31,114 --> 00:20:35,114 あのお方 ぐずりの殿さまに違いあるまい 240 00:20:38,121 --> 00:20:42,125 ご眼力 恐れ入りましてございます 241 00:20:42,125 --> 00:20:44,127 やはり そうであったか 242 00:20:44,127 --> 00:20:49,132 ご領主さまは 絶えず お忍びで ご領内をお歩きなさいます 243 00:20:49,132 --> 00:20:51,134 しかし お忍びの場合には➡ 244 00:20:51,134 --> 00:20:55,138 皆 気軽に 「じいさん」と 呼ぶことになっております 245 00:20:55,138 --> 00:21:00,143 身辺をお守りする者といえば 手前の妹 松でございます 246 00:21:00,143 --> 00:21:04,147 それで あの娘 男に勝る腕を 持っているというわけか 247 00:21:04,147 --> 00:21:09,152 はい 父は ご領主さまの 馬廻りを務めておりました 248 00:21:09,152 --> 00:21:14,157 ところが10年前 同じ島津の ご家中と もめ事を起こし➡ 249 00:21:14,157 --> 00:21:18,161 切腹して 相果てました 250 00:21:18,161 --> 00:21:20,163 家中にも反対する者もあり➡ 251 00:21:20,163 --> 00:21:24,167 私は 父の禄を 継ぐことを許されませんでした 252 00:21:24,167 --> 00:21:29,172 ぐずり松平公にも 72万石を恐れる ご家来衆がいると見えるな 253 00:21:29,172 --> 00:21:31,174 はい 254 00:21:31,174 --> 00:21:36,179 しかし お情け深いご領主さまは 特に私に土地をくださって… 255 00:21:36,179 --> 00:21:41,184 時機が来るまで百姓に打ち込めと 申されたんでございます 256 00:21:41,184 --> 00:21:45,188 ひとつだけ聞こう 島津の家中は なぜ➡ 257 00:21:45,188 --> 00:21:48,191 ぐずりどのの ご領内の様子を 探るような真似をするのだ? 258 00:21:48,191 --> 00:21:53,196 はっ… 島津さまに限って ここ10年来 お墨付きを無視して➡ 259 00:21:53,196 --> 00:21:58,201 ご門の閉まっているのを幸い いつも素通りなさいます 260 00:21:58,201 --> 00:22:02,205 なるほど… 島津72万石 261 00:22:02,205 --> 00:22:06,209 ぐずり2300石に頭を下げるのが 嫌だというわけだな 262 00:22:06,209 --> 00:22:12,215 何しろ 相手は 西国第一の雄藩でございますので 263 00:22:12,215 --> 00:22:15,218 それに ご領主さまは 私の父の知り合い➡ 264 00:22:15,218 --> 00:22:17,220 島津と事を構えて➡ 265 00:22:17,220 --> 00:22:21,224 領内の者に けが人の1人も 出してはならぬという➡ 266 00:22:21,224 --> 00:22:25,228 お情け深いお心から 横車とは知りながら➡ 267 00:22:25,228 --> 00:22:27,163 いつも ご門を閉めたままに 268 00:22:27,163 --> 00:22:32,168 退屈の虫が ずんと喜んできおった ハハハハッ… 269 00:22:32,168 --> 00:22:36,172 それでなくては 三河に 来た甲斐がなかろうというものよ 270 00:22:36,172 --> 00:22:38,172 ハハハハッ… 271 00:23:01,130 --> 00:23:05,130 じいさま じいさま! (松平)うん? 272 00:23:09,138 --> 00:23:13,142 島津の行列が本陣をたったか? 273 00:23:13,142 --> 00:23:17,146 まだだ それより すぐお隣の赤坂宿を➡ 274 00:23:17,146 --> 00:23:20,149 お国下がりの山内さまの行列が こっちへ向かっている 275 00:23:20,149 --> 00:23:25,154 う~む… そうか 山内は いい奴じゃ 276 00:23:25,154 --> 00:23:30,159 それより お松 お前は島津の動きを探るのじゃ 277 00:23:30,159 --> 00:23:34,163 なんとか お墨付きを思い出させたいのだが 278 00:23:34,163 --> 00:23:37,163 どうも いい手がない 279 00:23:39,168 --> 00:23:42,171 将軍さまが じいさまのご先祖さまに➡ 280 00:23:42,171 --> 00:23:45,174 お墨付きを 賜った本当の訳は何だね? 281 00:23:45,174 --> 00:23:47,176 それはな 282 00:23:47,176 --> 00:23:53,182 「禄高の大小 貧富の差が 人としての高い低いにあらず」と➡ 283 00:23:53,182 --> 00:23:57,119 世間に示すためのご処置だな (お松)ふ~ん… 284 00:23:57,119 --> 00:24:02,124 どんな偉い人にも 頭の上がらぬ者がおるものだ 285 00:24:02,124 --> 00:24:04,126 ハハハハッ… (お松)フフッ… 286 00:24:04,126 --> 00:24:08,126 いっちょう なんとか ぶちかましたいな (松平)うむ… 287 00:24:10,132 --> 00:24:30,152 ♬~ 288 00:24:30,152 --> 00:24:46,168 ♬~ 289 00:24:46,168 --> 00:24:51,173 (用人)申し上げます ただいま 赤坂の宿からの知らせにて➡ 290 00:24:51,173 --> 00:24:54,176 山内さまのご一行が… (松平)分かっておる 291 00:24:54,176 --> 00:24:56,176 はぁ? 292 00:25:04,120 --> 00:25:06,122 (門をたたく音) 293 00:25:06,122 --> 00:25:11,127 (供頭)ご開門 お願い申す! 当方 山内土佐一行にございます 294 00:25:11,127 --> 00:25:14,130 ≪(用人)して ご用の趣は? 295 00:25:14,130 --> 00:25:17,133 (供頭) 道中 無事の御礼言上のため➡ 296 00:25:17,133 --> 00:25:21,137 いささか 献上いたしたきものが ございますゆえ 297 00:25:21,137 --> 00:25:24,137 ≪(用人)しばらく待たっしゃい (供頭)ははっ! 298 00:25:39,155 --> 00:25:42,158 (山内)ははっ… 299 00:25:42,158 --> 00:25:47,163 これなるは 江戸よりの御手土産 ご尊覧に供しまするも➡ 300 00:25:47,163 --> 00:25:50,166 お恥ずかしき 品々にはござりまするが➡ 301 00:25:50,166 --> 00:25:53,169 何とぞ 格別のおぼし召しをもちまして➡ 302 00:25:53,169 --> 00:25:57,106 ご嘉納 賜りますれば 恐悦至極に存じまする 303 00:25:57,106 --> 00:26:00,109 (松平)これはまた 毎度毎度 よう気がついて 304 00:26:00,109 --> 00:26:05,114 痛み入るしだいじゃ 遠慮なく ちょうだいいたしまするぞ 305 00:26:05,114 --> 00:26:07,114 (山内)ははっ! 306 00:26:14,123 --> 00:26:20,123 (浅妻)おた~ち~! 307 00:26:22,131 --> 00:26:27,136 (お松)《72万石ともなると 大したもんだな》 308 00:26:27,136 --> 00:26:31,140 《ぐずりの殿さま どうする気かな?》 309 00:26:31,140 --> 00:26:35,140 《やっぱり 今年も素通りされちゃうかな》 310 00:26:37,146 --> 00:26:57,099 ♬~ 311 00:26:57,099 --> 00:27:10,099 ♬~ 312 00:27:16,118 --> 00:27:19,121 (近習)申し上げます 313 00:27:19,121 --> 00:27:21,123 (用人)何じゃ? 314 00:27:21,123 --> 00:27:23,125 (近習)ただいま ご門前に➡ 315 00:27:23,125 --> 00:27:27,129 江戸の旗本 早乙女主水之介と 申す者が 殿に お目通りのうえ➡ 316 00:27:27,129 --> 00:27:30,132 献上いたしたき品が ございますると申しおりますが 317 00:27:30,132 --> 00:27:33,135 いかが取り計らいましょうか? (用人)馬鹿者! 318 00:27:33,135 --> 00:27:36,138 旗本などに用はないわ (お松)まあ… 319 00:27:36,138 --> 00:27:39,141 (用人)そもそも 長沢 松平家に 挨拶をして通るのは➡ 320 00:27:39,141 --> 00:27:41,143 大名以上の格式の者じゃ 321 00:27:41,143 --> 00:27:46,148 (近習) はっ… 存じてはおりまするが 何ぶん 強引な申しようで 322 00:27:46,148 --> 00:27:49,151 もし目通りかなわぬ場合は ご門をたたき割ってもと➡ 323 00:27:49,151 --> 00:27:52,154 ほざいておりまする (用人)う~む… なんたる無礼! 324 00:27:52,154 --> 00:27:56,158 手勢を繰り出して 斬ってもかまわぬ! 325 00:27:56,158 --> 00:27:59,094 待て待て 面白そうな旗本じゃ 326 00:27:59,094 --> 00:28:03,098 近ごろ そのような骨のある奴に 出会うたことはない 327 00:28:03,098 --> 00:28:08,103 かまわん 庭へ通せ (用人)しかし 殿… 328 00:28:08,103 --> 00:28:11,103 余の命じゃ! (近習)はっ! 329 00:28:14,109 --> 00:28:17,112 殿 お戯れは困りますなぁ 330 00:28:17,112 --> 00:28:20,115 これから島津が 通ろうというときでござりますぞ 331 00:28:20,115 --> 00:28:23,118 門前は あくまでも ひっそりとしておかねば➡ 332 00:28:23,118 --> 00:28:26,121 何事が起こるか… もし起こった場合➡ 333 00:28:26,121 --> 00:28:28,123 いかがあそばすご所存に ござりまするか? 334 00:28:28,123 --> 00:28:30,123 (舌打ち) 335 00:28:42,137 --> 00:28:46,141 (用人)こら 段次! そのほう 父の不心得を忘れたか! 336 00:28:46,141 --> 00:28:49,144 今日は 相手も同じ島津さまのお通りじゃ 337 00:28:49,144 --> 00:28:53,148 またまた粗相があってはならん 早く帰れ帰れ! 338 00:28:53,148 --> 00:28:57,086 お目通りいただき 恐悦至極に存じ奉ります 339 00:28:57,086 --> 00:29:01,090 拙者 直参旗本 早乙女主水之介 340 00:29:01,090 --> 00:29:05,094 これなる品物を 何とぞ お納めいただきとうございます 341 00:29:05,094 --> 00:29:07,096 うむ… 342 00:29:07,096 --> 00:29:09,098 事もあろうに 大根とは なんたることだ! 343 00:29:09,098 --> 00:29:14,103 ご進物が大根で済むと思うか? そんなものは勝手口に運べ! 344 00:29:14,103 --> 00:29:18,107 さにあらず ご家来どの この大根は ご領主さまのために➡ 345 00:29:18,107 --> 00:29:21,110 三河の百姓衆が 丹精込めて作りましたる品物 346 00:29:21,110 --> 00:29:24,113 洗い清めて 持参いたしたるしだい 347 00:29:24,113 --> 00:29:28,117 まずは大根おろし 手を加えれば 風呂吹き大根 348 00:29:28,117 --> 00:29:33,122 更に浅漬けの味も またよし 少しく手をかければ➡ 349 00:29:33,122 --> 00:29:39,128 日陰干しにて しなび大根漬け 栄養価値満点の地の幸でござる 350 00:29:39,128 --> 00:29:44,133 是非とも ご領主さまに ご賞味いただきたく 351 00:29:44,133 --> 00:29:48,137 黙れ つべこべと! さっさと立ち去らんと命はないぞ 352 00:29:48,137 --> 00:29:51,140 ハハハハッ… 353 00:29:51,140 --> 00:29:55,144 この天下御免の向こう傷が 見えぬか! 354 00:29:55,144 --> 00:29:57,079 ご当家 長沢 松平公は➡ 355 00:29:57,079 --> 00:30:01,083 誠に慈悲深き ご名君にあらせられると聞いた 356 00:30:01,083 --> 00:30:03,085 しかるに 事なかれ主義の取り巻きどもが➡ 357 00:30:03,085 --> 00:30:06,088 どうやら うじゃうじゃ おるらしい様子 358 00:30:06,088 --> 00:30:10,092 そのほう その親玉だな? なんたることを! 359 00:30:10,092 --> 00:30:14,096 がたがたするねえ どこの国にもあることだ 360 00:30:14,096 --> 00:30:19,101 源七郎君 ご無礼の段 何とぞ お許しのほどを 361 00:30:19,101 --> 00:30:24,106 いや 面白かったぞ さあ 遠慮のう上がれ 362 00:30:24,106 --> 00:30:30,106 何か訳があって来たな? ご明察! しからば 御免 363 00:30:35,117 --> 00:30:38,120 フフフッ… 友達のじいさんでいいよ 364 00:30:38,120 --> 00:30:43,125 堅苦しいことは やめなさい …で 相談とは? 365 00:30:43,125 --> 00:30:47,129 お言葉に甘えて いま1人 友達を加えとう存じます 366 00:30:47,129 --> 00:30:53,129 お松 お松! 何か知らせを 持ってきたんだろう? 上がれ 367 00:30:55,137 --> 00:30:58,140 (お松) びっくりしたなぁ 旗本の殿さま 368 00:30:58,140 --> 00:31:00,142 どうして おらのいたのが分かったんだ? 369 00:31:00,142 --> 00:31:04,146 ハハハッ… この三日月の傷が ぴくぴくっと感じたのよ 370 00:31:04,146 --> 00:31:07,149 (お松)ふ~ん… ハハハッ… 371 00:31:07,149 --> 00:31:09,151 あっ ところで さっき➡ 372 00:31:09,151 --> 00:31:14,156 島津の行列が 藤川の 本陣をたつのを見届けてきたんだ 373 00:31:14,156 --> 00:31:18,160 ここまで ざっと2里 あと小半刻も過ぎれば通りかかる 374 00:31:18,160 --> 00:31:24,166 どうなされます? ひとつ 大きく ぐずりますかな? 375 00:31:24,166 --> 00:31:29,166 う~む… ぐずりたいのぅ 376 00:31:31,173 --> 00:31:36,178 恐れながら 何とぞ そればかりは おやめくださりませ 377 00:31:36,178 --> 00:31:39,181 この10年 島津が 無理押しをして通り過ぎるのは➡ 378 00:31:39,181 --> 00:31:42,184 必ず魂胆がございます どんな魂胆だ? 379 00:31:42,184 --> 00:31:44,186 何と申しても72万石 380 00:31:44,186 --> 00:31:48,190 無理押しをして あえて当家と事を構え➡ 381 00:31:48,190 --> 00:31:51,193 どなたかの仲裁を入れ 五分五分の解決に持ち込み➡ 382 00:31:51,193 --> 00:31:55,197 一段と島津の名前を上げようと いう魂胆かと推察されます 383 00:31:55,197 --> 00:31:58,133 だって お墨付きがあるじゃないか 384 00:31:58,133 --> 00:32:01,136 それはそうじゃが 何しろ 昔のこと 385 00:32:01,136 --> 00:32:04,139 用人の臆病風のもとも 分からぬわけではない 386 00:32:04,139 --> 00:32:08,143 だがな ここで島津72万石を➡ 387 00:32:08,143 --> 00:32:12,147 長沢 松平2300石に 土下座させることが 388 00:32:12,147 --> 00:32:17,152 とりもなおさず 世の中の秩序を守ることになる 389 00:32:17,152 --> 00:32:20,155 今 ここで 島津に目をつぶっていたら➡ 390 00:32:20,155 --> 00:32:23,158 やがて 諸大名も素通りすることになろう 391 00:32:23,158 --> 00:32:27,162 将軍 家光さまは ご当家にお墨付きを賜ったのは➡ 392 00:32:27,162 --> 00:32:32,167 世の中に 富や力だけで 押し通すことのできぬ関所を作り 393 00:32:32,167 --> 00:32:37,172 おごり高ぶる奴らに お灸を据えるつもりに違いない 394 00:32:37,172 --> 00:32:40,175 そのための ぐずりでございましたな? 395 00:32:40,175 --> 00:32:43,178 う~む… 余も 何か よい手はないかと➡ 396 00:32:43,178 --> 00:32:48,183 考えあぐねてきたんだが ないのでのぅ 397 00:32:48,183 --> 00:32:51,186 島津だけは てこずっておるのじゃ 398 00:32:51,186 --> 00:32:54,189 なぜ 堂々と ぐずらないのでござる? 399 00:32:54,189 --> 00:32:57,125 う~む… それがのぅ 400 00:32:57,125 --> 00:33:01,129 じいさん もうろくしたなぁ 401 00:33:01,129 --> 00:33:05,133 家来の臆病風が 主人にうつってはいかん 402 00:33:05,133 --> 00:33:10,138 島津と聞いて 門を閉じ 震えていては ご先祖が泣く 403 00:33:10,138 --> 00:33:13,141 そうだよ じいさん この際 一発 が~んと! 404 00:33:13,141 --> 00:33:18,146 さて 実は 拙者に いささか 策がございます 405 00:33:18,146 --> 00:33:21,149 ほほう… 退屈払いか? 406 00:33:21,149 --> 00:33:26,154 御意 ただし 島津が見事 土下座したる場合➡ 407 00:33:26,154 --> 00:33:30,158 褒美がいただきとう存じます 申してみい 408 00:33:30,158 --> 00:33:33,161 ただいま庭先に 控えおります百姓 段次を➡ 409 00:33:33,161 --> 00:33:37,165 亡き父同様の身分に お取り立ていただきとう存じます 410 00:33:37,165 --> 00:33:42,170 うむ… 分かった して そのほうの策とは? 411 00:33:42,170 --> 00:33:45,170 恐れながら お耳を… 412 00:33:52,180 --> 00:34:12,200 ♬~ 413 00:34:12,200 --> 00:34:25,213 ♬~ 414 00:34:25,213 --> 00:34:29,151 (浅妻) それ見ろ 門は閉まったきりだ 閉まっておれば➡ 415 00:34:29,151 --> 00:34:32,151 素通り差し支えないのが しきたりというもの 416 00:34:34,156 --> 00:34:38,160 もぐり大名 行列止めい! 素通り無礼であろう! 417 00:34:38,160 --> 00:34:40,162 (武士)あっ 大根侍! 418 00:34:40,162 --> 00:34:43,165 いたな ろくに馬にも乗れぬニセ侍め 419 00:34:43,165 --> 00:34:45,167 (浅妻)控えい! 420 00:34:45,167 --> 00:34:50,172 72万石の太守に向かって もぐり大名とは何事じゃ! 421 00:34:50,172 --> 00:34:53,175 無礼雑言申すと 素っ首 たたき落とすぞ! 422 00:34:53,175 --> 00:34:56,178 近ごろ 旅芸人どもが 道中 ごまのはえを恐れて➡ 423 00:34:56,178 --> 00:35:00,182 下手な行列を組み まかり通ることがあると聞いた 424 00:35:00,182 --> 00:35:02,184 よって もぐり大名と申した 425 00:35:02,184 --> 00:35:07,189 ええい 黙れ黙れ! 72万石の大大名➡ 426 00:35:07,189 --> 00:35:10,192 島津修理太夫さまの行列と 分からんのか! 427 00:35:10,192 --> 00:35:13,195 ならば 頭が高い 控えい! 428 00:35:13,195 --> 00:35:17,199 ご当家ご門前を何と心得る! 429 00:35:17,199 --> 00:35:20,202 誠 大名ならば 素通りまかりならぬものを➡ 430 00:35:20,202 --> 00:35:22,204 知らぬ顔して 挨拶もなしに通り抜けるは➡ 431 00:35:22,204 --> 00:35:24,206 すなわち もぐり大名だ 432 00:35:24,206 --> 00:35:28,143 そのほうども 島津の太守の名を騙る➡ 433 00:35:28,143 --> 00:35:31,146 東下りの河原者に相違あるまい! 434 00:35:31,146 --> 00:35:35,150 (浅妻)「名を騙る」とは何事じゃ! 435 00:35:35,150 --> 00:35:37,152 よしんば 長沢 松平家であろうとも➡ 436 00:35:37,152 --> 00:35:41,156 ご門が閉まっておらば 素通り差し支えないはず 437 00:35:41,156 --> 00:35:45,160 ましてや そのほうごとき 素性も分からぬ旅侍に➡ 438 00:35:45,160 --> 00:35:49,164 かれこれ言われる子細はないわ! 439 00:35:49,164 --> 00:35:55,170 大名の供先を汚した不埒な奴は 打ち首 勝手たること存じおろう 440 00:35:55,170 --> 00:35:59,174 者ども たたき斬れい! (武士)ヤーッ! 441 00:35:59,174 --> 00:36:01,174 (蹴る音) (武士)アアッ! 442 00:36:04,179 --> 00:36:10,185 いよいよもって 貴様ら もぐり大名の明きめくらどもだ! 443 00:36:10,185 --> 00:36:15,190 この袱紗の中には 恐れ多くも 3代将軍 家光公のお墨付きがある 444 00:36:15,190 --> 00:36:20,195 もし これ以上 我が身に指1本 触れれば➡ 445 00:36:20,195 --> 00:36:25,200 島津72万石は没収であるぞ これを見い! 446 00:36:25,200 --> 00:36:29,200 どうじゃ よく見たか! 447 00:36:33,141 --> 00:36:39,147 直参旗本 早乙女主水之介 とくと承りたい一儀がござる 448 00:36:39,147 --> 00:36:45,147 島津どの お墨付きでござる 乗り物から出ませい! 449 00:36:47,155 --> 00:36:51,159 さては やはり もぐり大名の空駕籠か 450 00:36:51,159 --> 00:36:54,162 島津の太守の名を騙る不埒者め 451 00:36:54,162 --> 00:36:57,165 お墨付きの名によって 芋刺しにしてくれようか! 452 00:36:57,165 --> 00:37:03,165 (浅妻) あいや しばらく! ただいま 降りまするでござりまする 453 00:37:14,182 --> 00:37:18,186 征夷大将軍のお墨付きに向かって 無礼でござろう 454 00:37:18,186 --> 00:37:20,186 早々に土下座さっしゃい! 455 00:37:23,191 --> 00:37:25,193 (島津)ははっ… 456 00:37:25,193 --> 00:37:27,129 このお墨付きには 「ご門が閉まっておれば➡ 457 00:37:27,129 --> 00:37:30,132 素通りかまわん」などと ひと言も書いてはござらぬ 458 00:37:30,132 --> 00:37:32,134 それを勝手に解釈して➡ 459 00:37:32,134 --> 00:37:37,139 10年間 素通りした そのほう 上意に背く不埒者 460 00:37:37,139 --> 00:37:42,144 このことが お上に聞こえれば 島津72万石に傷がつこう 461 00:37:42,144 --> 00:37:45,147 それとも 島津どの 御身は江戸幕府に➡ 462 00:37:45,147 --> 00:37:49,151 弓を引くご所存でもござるのか? めっそうもございません! 463 00:37:49,151 --> 00:37:53,155 西国大名の旗頭などと 内心 増長しおって 464 00:37:53,155 --> 00:37:57,159 いっかな天下を狙う 不届き者とでもいわれるのか! 465 00:37:57,159 --> 00:38:00,162 (島津) 家来どもの不調法にござりました 466 00:38:00,162 --> 00:38:03,165 改めて 存分の処置をいたしまするゆえ➡ 467 00:38:03,165 --> 00:38:07,169 何とぞ お目こぼしを賜りますれば➡ 468 00:38:07,169 --> 00:38:10,172 島津修理 生涯の幸せにござります 469 00:38:10,172 --> 00:38:15,177 いやいや 弱い立場のご家来衆に 切腹などさせてはなりませぬぞ 470 00:38:15,177 --> 00:38:19,181 以後 気をつけて これなるお墨付きの言葉➡ 471 00:38:19,181 --> 00:38:22,184 ありがたく お受けいたすでありましょうな 472 00:38:22,184 --> 00:38:28,123 はっ! さすがは直参お旗本 涙も情もあるご配慮 473 00:38:28,123 --> 00:38:32,127 島津修理 ありがたく 以後 お受けいたすでござりまする 474 00:38:32,127 --> 00:38:38,133 ハハハハッ… それでこそ 島津72万石は ご安泰 475 00:38:38,133 --> 00:38:42,137 いや ご名君! さすがに ご名君! 476 00:38:42,137 --> 00:38:44,139 はっ… 恐れ入ります! 477 00:38:44,139 --> 00:38:48,143 されば せっかくの 島津どのの ご挨拶に対し➡ 478 00:38:48,143 --> 00:38:51,143 当方も お墨付きを お見せ申そう 479 00:38:53,148 --> 00:38:56,148 アッ… な… なんということを! 480 00:39:09,164 --> 00:39:14,169 おのれ たばかったな! これは ただの白紙ではないか! 481 00:39:14,169 --> 00:39:17,169 かまわん たたき斬れ! (藩士たち)ヤーッ! 482 00:39:20,175 --> 00:39:22,175 (武士)ンンッ! 483 00:39:24,179 --> 00:39:27,179 (門の開く音) 484 00:39:32,120 --> 00:39:37,125 おお 薩州か 一別以来であったのぅ 485 00:39:37,125 --> 00:39:40,128 見せてもらおう 誠のお墨付き 見せていただこう! 486 00:39:40,128 --> 00:39:42,130 控えさっしゃい! 487 00:39:42,130 --> 00:39:48,136 お墨付きがあれば 島津どのは 土下座なされるといわれるのか? 488 00:39:48,136 --> 00:39:51,139 今まで 西国諸大名の全て➡ 489 00:39:51,139 --> 00:39:55,143 「お墨付きを見ねば挨拶せぬ」と 申した者は1人もおらぬわ! 490 00:39:55,143 --> 00:40:00,148 島津どのは 一体 どなたに 挨拶なされるおつもりでござる? 491 00:40:00,148 --> 00:40:05,153 恐れながら お墨付きといえども一片の紙切れ 492 00:40:05,153 --> 00:40:08,156 要は そのお墨付きを 賜った御仁にこそ➡ 493 00:40:08,156 --> 00:40:13,161 挨拶なされるのが 本当でござろう 3代将軍 家光公も➡ 494 00:40:13,161 --> 00:40:18,166 ただの紙切れに土下座せいと 申されたのではあるまい 495 00:40:18,166 --> 00:40:22,170 長沢 松平家 子々孫々に➡ 496 00:40:22,170 --> 00:40:25,173 ご挨拶せいとの ご真意であったはず 497 00:40:25,173 --> 00:40:31,179 島津どの 紙切れなど どうでもよいではござらぬか 498 00:40:31,179 --> 00:40:37,185 さあ ご名君ならば 理の和解も早いはず 499 00:40:37,185 --> 00:40:50,198 ♬~ 500 00:40:50,198 --> 00:40:52,200 薩州 501 00:40:52,200 --> 00:40:58,206 そのほうの領内は ここ10年来 飢饉でも続いているのかのぅ? 502 00:40:58,206 --> 00:41:00,208 いや… さようなことはございません! 503 00:41:00,208 --> 00:41:04,212 そうかな? 72万石と聞いていたが 504 00:41:04,212 --> 00:41:08,216 貧乏しているのではないかと 心配しておったぞ 505 00:41:08,216 --> 00:41:13,221 何しろ 10年もの間 手土産をいただかんのでのぅ 506 00:41:13,221 --> 00:41:15,221 ははっ! 507 00:41:19,227 --> 00:41:21,229 (島津)浅妻! 浅妻! 508 00:41:21,229 --> 00:41:24,232 (浅妻)はっ! (島津)駕籠を止めい! 509 00:41:24,232 --> 00:41:26,232 (浅妻)駕籠を止め~い! 510 00:41:29,170 --> 00:41:31,172 はっ! 511 00:41:31,172 --> 00:41:34,175 無念じゃ! なんとしても無念でならぬわ! 512 00:41:34,175 --> 00:41:40,181 ご心中は お察し申し上げまする しかし 殿 相手は800万石 513 00:41:40,181 --> 00:41:43,184 徳川宗家の お墨付きに盾つくことは➡ 514 00:41:43,184 --> 00:41:45,186 我が藩を失うことになりまするぞ 515 00:41:45,186 --> 00:41:49,190 何とぞ… 何とぞ ご堪忍のほどを… 516 00:41:49,190 --> 00:41:51,192 誰が公儀に盾つくと申した! 517 00:41:51,192 --> 00:41:55,196 憎いのは あの素浪人同様の 早乙女主水之介 (浅妻)はっ… 518 00:41:55,196 --> 00:41:57,198 奴は腕が立つ 519 00:41:57,198 --> 00:42:00,201 よりすぐりの使い手を いくら連れていってもかまわん 520 00:42:00,201 --> 00:42:04,205 主水之介を たたき斬ってまいれ! (浅妻)はっ! 521 00:42:04,205 --> 00:42:09,210 見事な侍姿 これで 立派に父の跡を継げたな 522 00:42:09,210 --> 00:42:14,215 殿さまのおかげでございます なぁに 俺にとっては退屈払いさ 523 00:42:14,215 --> 00:42:17,218 段次は それでいいが お松 お前は どうする? 524 00:42:17,218 --> 00:42:21,222 腰元が務まるか? おら やだ! 525 00:42:21,222 --> 00:42:23,224 おさんどんなら うってつけだな 526 00:42:23,224 --> 00:42:26,227 おらには おらの考えっちゅうもんが➡ 527 00:42:26,227 --> 00:42:29,164 ここにあるんだ そうか 528 00:42:29,164 --> 00:42:32,167 それにしても ぐずりの殿さまは➡ 529 00:42:32,167 --> 00:42:35,170 あの島津からの手土産を 何に使うつもりかな? 530 00:42:35,170 --> 00:42:38,173 あのじいさんは 自分じゃ贅沢はしねえ 531 00:42:38,173 --> 00:42:43,178 ご領内の百姓たちに みんな 同じように配るんだ いつもな 532 00:42:43,178 --> 00:42:46,181 ほう… そうであったか 533 00:42:46,181 --> 00:42:58,193 ♬~ 534 00:42:58,193 --> 00:43:01,196 来るだろうと思っていた 535 00:43:01,196 --> 00:43:06,196 さすが 示現流のえり抜きを そろえてきたな 536 00:43:09,204 --> 00:43:11,204 (藩士たち)ンンッ! 537 00:43:13,208 --> 00:43:18,213 では 諸羽流 正眼崩しとまいろうか 538 00:43:18,213 --> 00:43:21,216 死ぬ覚悟だな 539 00:43:21,216 --> 00:43:27,155 島津の馬鹿殿は えりすぐった よい家来を殺してしまうのか 540 00:43:27,155 --> 00:43:30,158 (殴る音) (武士)ウッ! 541 00:43:30,158 --> 00:43:32,158 (殴る音) 542 00:43:35,163 --> 00:43:50,178 ♬~ 543 00:43:50,178 --> 00:44:04,192 ♬~ 544 00:44:04,192 --> 00:44:06,192 ンッ! (刺す音) 545 00:44:10,198 --> 00:44:12,200 (斬る音) (武士)アアッ… 546 00:44:12,200 --> 00:44:20,208 ♬~ 547 00:44:20,208 --> 00:44:22,210 (斬る音) 548 00:44:22,210 --> 00:44:33,154 ♬~ 549 00:44:33,154 --> 00:44:35,156 (斬る音) (武士)アッ! 550 00:44:35,156 --> 00:44:48,169 ♬~ 551 00:44:48,169 --> 00:44:50,171 (斬る音) (藩士たち)アアッ! 552 00:44:50,171 --> 00:44:52,171 (刀を払う音) 553 00:44:55,176 --> 00:45:01,182 貴様だけは峰打ちだ 死んだ仲間を始末して帰れ 554 00:45:01,182 --> 00:45:18,199 ♬~ 555 00:45:18,199 --> 00:45:20,201 (殴る音) アアッ! 556 00:45:20,201 --> 00:45:32,146 ♬~ 557 00:45:32,146 --> 00:45:44,146 ♬~ 558 00:45:59,173 --> 00:46:02,176 お待ち申しておりました うん? 559 00:46:02,176 --> 00:46:05,179 殿さま そろそろ おなかすいただろう? 560 00:46:05,179 --> 00:46:08,182 よく分かるな フフッ… 顔見りゃ分かるよ 561 00:46:08,182 --> 00:46:10,182 ほら! 562 00:46:29,137 --> 00:46:31,139 ハァ~ッ… うまいなぁ 563 00:46:31,139 --> 00:46:35,139 お前が ここまで気が利くとは 思わなかった 564 00:46:37,145 --> 00:46:39,147 お前 なぜ ご奉公しないんだ? 565 00:46:39,147 --> 00:46:42,150 腰元が嫌なら おさんどんでも いいではないか 566 00:46:42,150 --> 00:46:46,154 おらには おらの考えがあるって 言っただろう 567 00:46:46,154 --> 00:46:49,154 おら 江戸へ行ってみたいんだ 568 00:46:52,160 --> 00:46:55,163 傷の殿さまの 家来になりたいんだがな おら 569 00:46:55,163 --> 00:46:57,165 いや それは駄目だ 570 00:46:57,165 --> 00:47:00,168 なぜだよ? おさんどんでもいいよ! 571 00:47:00,168 --> 00:47:05,173 そ… それも駄目だなぁ 理屈に合わねえでねえか! 572 00:47:05,173 --> 00:47:09,177 いや そら 理屈じゃない じゃ どうして? 573 00:47:09,177 --> 00:47:17,185 ♬~ 574 00:47:17,185 --> 00:47:20,188 俺も若い男だからだ 575 00:47:20,188 --> 00:47:24,192 それに いい男だよ! 576 00:47:24,192 --> 00:47:29,130 ♬~ 577 00:47:29,130 --> 00:47:33,130 許せ お前は魅力がありすぎる! 578 00:47:36,137 --> 00:47:38,139 うれしい! 579 00:47:38,139 --> 00:47:40,141 (2人)アッ! 580 00:47:40,141 --> 00:47:49,150 (笑い声) 581 00:47:49,150 --> 00:48:09,170 ♬~ 582 00:48:09,170 --> 00:48:27,121 ♬~ 583 00:48:27,121 --> 00:48:29,123 アアッ! 584 00:48:29,123 --> 00:48:49,143 ♬~ 585 00:48:49,143 --> 00:49:08,143 ♬~ 586 00:49:13,201 --> 00:49:15,203 <三河からの帰り道➡ 587 00:49:15,203 --> 00:49:19,207 突然 主水之介の前に現れた 謎の女 踏絵> 588 00:49:19,207 --> 00:49:23,211 <何事であろうか 仇討ちの秘密を打ち明ける> 589 00:49:23,211 --> 00:49:29,217 <一方 不敵な男 陣馬陣十郎を 中心に持ち上がる数々の事件> 590 00:49:29,217 --> 00:49:34,222 <それを危うしと 主水之介 事件の核心へと近づく> 591 00:49:34,222 --> 00:49:36,224 <次回 『旗本退屈男』> 592 00:49:36,224 --> 00:49:39,224 <「小田原の虫退治」に ご期待ください>