1 00:01:57,319 --> 00:01:58,187 2 00:01:58,187 --> 00:02:18,207 ♬~ 3 00:02:18,207 --> 00:02:32,221 ♬~ 4 00:02:32,221 --> 00:02:46,221 ♬~ 5 00:02:51,173 --> 00:02:53,175 (ナレーター)<ある日 退屈紛れに➡ 6 00:02:53,175 --> 00:02:56,178 早乙女主水之介は おゆうと長次を連れて➡ 7 00:02:56,178 --> 00:02:59,181 久しぶりに 浅草の観音さまを拝み 8 00:02:59,181 --> 00:03:04,186 大川を渡って 名物の だんごを食いに来た> 9 00:03:04,186 --> 00:03:10,192 ♬~ 10 00:03:10,192 --> 00:03:13,195 (主水之介)ああ いい女だ 11 00:03:13,195 --> 00:03:16,198 (おゆう)はぁ? うん? 12 00:03:16,198 --> 00:03:19,201 あっ いや いい女と言ったまでのことだ 13 00:03:19,201 --> 00:03:22,204 まあ お殿さまも案外 目が早いんですね 14 00:03:22,204 --> 00:03:26,208 馬鹿を言え 俺だって独り身だ そんなことは百も承知ですよ 15 00:03:26,208 --> 00:03:30,145 いい女を見て 心を動かさねば 若い男の値打ちはないわ 16 00:03:30,145 --> 00:03:34,149 そりゃ そうでしょうけどね でも 一体 どんな人なんでしょう 17 00:03:34,149 --> 00:03:37,152 まず 俺が見たところ 吉原の花魁だな 18 00:03:37,152 --> 00:03:39,154 そばについてるのが遣手だろう 19 00:03:39,154 --> 00:03:42,157 駕籠人足どもも ついているところを見ると➡ 20 00:03:42,157 --> 00:03:45,160 向島の寮にでも 養生に行く途中だな 21 00:03:45,160 --> 00:03:47,162 (長次)すると 病気なんですか? ああいう所に勤めていると➡ 22 00:03:47,162 --> 00:03:51,166 心が疲れてくる まあ 気鬱といったところだ 23 00:03:51,166 --> 00:03:53,168 でも そんなら 殿さまのこと 知らねえはずねえでしょう 24 00:03:53,168 --> 00:03:56,171 ハハハハッ… 俺は大籬しか知らん 25 00:03:56,171 --> 00:04:02,177 だからといって 花魁全ての顔まで 覚えているわけではない 26 00:04:02,177 --> 00:04:04,177 だが いい女だ 27 00:04:16,191 --> 00:04:21,196 ♬~ 28 00:04:21,196 --> 00:04:25,200 (駕籠屋) えっほ えっほ えっほ えっほ… 29 00:04:25,200 --> 00:04:30,200 ♬~ 30 00:04:32,141 --> 00:04:34,143 「犬も歩けば棒に当たる」か 31 00:04:34,143 --> 00:04:37,146 (長次)傷のお殿さまが歩けば 退屈の虫が鳴き始めると 32 00:04:37,146 --> 00:04:39,148 こういうことでしょう? ヘヘッ… 33 00:04:39,148 --> 00:04:42,148 おう! 勘定 置いたよ! (銭の音) 34 00:04:47,156 --> 00:04:49,158 殿さま もっと急がないと… 35 00:04:49,158 --> 00:04:53,162 まだ何事も起こってはおらん 退屈の虫も眠っているようだ 36 00:04:53,162 --> 00:04:56,165 いや だけど なんか心配になってきたんですよ 37 00:04:56,165 --> 00:04:58,167 お前の退屈の虫は 少し小さいようだな 38 00:04:58,167 --> 00:05:00,169 初めから 長次のは小さいんですよ 39 00:05:00,169 --> 00:05:02,169 女将さん それ ちょっと 言い過ぎでしょう 40 00:05:08,177 --> 00:05:14,177 (駕籠屋) えっほ えっほ えっほ えっほ… 41 00:05:24,193 --> 00:05:37,139 ♬~ 42 00:05:37,139 --> 00:05:50,152 ♬~ 43 00:05:50,152 --> 00:05:53,152 (駕籠屋)ウワッ! 44 00:05:55,157 --> 00:06:00,157 (浪人)なんだ ばばあか ばばあには用はねえ! 45 00:06:04,166 --> 00:06:06,168 (浪人)間違いない 46 00:06:06,168 --> 00:06:08,168 しばらく眠ってもらうぞ (殴る音) 47 00:06:10,172 --> 00:06:12,174 (遣手)花魁! 48 00:06:12,174 --> 00:06:18,180 ♬~ 49 00:06:18,180 --> 00:06:20,182 花魁! (殴る音) 50 00:06:20,182 --> 00:06:26,188 ♬~ 51 00:06:26,188 --> 00:06:28,188 助けて! 52 00:06:30,125 --> 00:06:34,129 ≪(遣手) 誰か! 誰か助けてください! 53 00:06:34,129 --> 00:06:36,131 どうぞ お助けください! 54 00:06:36,131 --> 00:06:41,136 ほう… そろそろ ちくちくと虫が鳴き始めたらしい 55 00:06:41,136 --> 00:06:44,139 お武家さま! お助けくださいまし! 56 00:06:44,139 --> 00:06:47,142 誰袖花魁が 浪人者にさらわれました 57 00:06:47,142 --> 00:06:50,145 お助けくださいまし! 誰袖と申すか 58 00:06:50,145 --> 00:06:52,147 はい お助けくださいまし お願いいたします! 59 00:06:52,147 --> 00:06:55,150 おゆう 事情を聞いておいてくれ 60 00:06:55,150 --> 00:07:04,150 ♬~ 61 00:07:07,162 --> 00:07:13,168 ハハハハッ… ようやく退屈の虫が にぎやかに鳴き始めてきたぞ 62 00:07:13,168 --> 00:07:20,175 真っ昼間から面体を隠すとは さだめし ろくな奴ではあるまい 63 00:07:20,175 --> 00:07:23,175 邪魔立ていたすと押し通るぞ! 64 00:07:28,116 --> 00:07:30,116 (武士)ンンッ! 65 00:07:36,124 --> 00:07:38,124 (武士)ヤーッ! 66 00:07:41,129 --> 00:07:43,129 (殴る音) 67 00:07:45,133 --> 00:07:49,137 (大藪) さすが 直参旗本 早乙女主水之介 68 00:07:49,137 --> 00:07:51,139 見事な腕だ 69 00:07:51,139 --> 00:07:56,144 ほほう… では 俺と知っての邪魔立てか 70 00:07:56,144 --> 00:08:02,150 おぬしが どうやら頭株らしいが 倒れているのは全て峰打ちだ 71 00:08:02,150 --> 00:08:06,154 なぜ斬らぬ? 斬るのは いと たやすいこと 72 00:08:06,154 --> 00:08:11,159 だが 斬ってしまえば 退屈の虫が 夜泣きして かわいそうだからな 73 00:08:11,159 --> 00:08:15,163 では 深入りをするつもりだな? それは許さぬ! 74 00:08:15,163 --> 00:08:21,169 ハハハッ… それが性分 生まれついての おせっかい者 75 00:08:21,169 --> 00:08:24,172 貴公たちは 誰袖花魁を奪った者たちと➡ 76 00:08:24,172 --> 00:08:29,111 同じ穴の むじならしいが 退屈封じには もってこいの話だ 77 00:08:29,111 --> 00:08:34,111 通るぞ 邪魔立ていたすと血を見る 78 00:08:37,119 --> 00:08:41,123 そこまで読まれては なおのこと通すわけにはまいらぬ 79 00:08:41,123 --> 00:08:44,126 これでも通るか!? 80 00:08:44,126 --> 00:08:49,131 ♬~ 81 00:08:49,131 --> 00:08:54,136 よいか? 早乙女どの 天下御免の向こう傷などと➡ 82 00:08:54,136 --> 00:08:57,139 大口をたたいて 出しゃばった真似をいたすと➡ 83 00:08:57,139 --> 00:09:02,144 今度こそ その胸板が蜂の巣になる! 84 00:09:02,144 --> 00:09:04,146 ひけ! 85 00:09:04,146 --> 00:09:11,153 ♬~ 86 00:09:11,153 --> 00:09:14,156 《残念ながら…》 87 00:09:14,156 --> 00:09:21,163 《誠に残念ながら 退屈の虫が 殊更に騒ぎだしてきた》 88 00:09:21,163 --> 00:09:23,165 (番頭)あっ 急いで下ろしておくれ 89 00:09:23,165 --> 00:09:34,109 ♬~ 90 00:09:34,109 --> 00:09:36,111 (番頭) そこが終わったら 奥を頼むよ 91 00:09:36,111 --> 00:09:38,113 (男衆)あの… 92 00:09:38,113 --> 00:09:45,120 いら… また若旦那に用かい? (男衆)へい どうも ヘヘヘッ… 93 00:09:45,120 --> 00:09:47,120 (源七)ああ お前は… 94 00:09:49,124 --> 00:09:51,124 これを 95 00:09:55,130 --> 00:09:57,132 ご返事を 96 00:09:57,132 --> 00:10:00,135 うん… すぐ行くからと伝えておくれ 97 00:10:00,135 --> 00:10:03,138 へい どうも… 98 00:10:03,138 --> 00:10:05,138 では そのように 99 00:10:08,143 --> 00:10:10,143 (番頭)若旦那 100 00:10:12,147 --> 00:10:16,151 また吉原の花魁からの 呼び出しでございますか? 101 00:10:16,151 --> 00:10:18,153 お遊びも ほどほどにしていただきませんと 102 00:10:18,153 --> 00:10:21,156 番頭のお前が 私に意見をするのか? 103 00:10:21,156 --> 00:10:23,158 大旦那さまも うすうすは気がついて➡ 104 00:10:23,158 --> 00:10:25,160 ご心配なさっているようですし 105 00:10:25,160 --> 00:10:28,096 それに 若旦那さまは このお店を継ぐ➡ 106 00:10:28,096 --> 00:10:30,098 大切なお方なのでございますから 107 00:10:30,098 --> 00:10:32,100 親父が文句を言ったら 言っておいてくれ 108 00:10:32,100 --> 00:10:37,100 私は 誰が何と言おうと 誰袖と夫婦になるつもりだとな 109 00:10:52,120 --> 00:10:54,122 (武士) 糸屋六兵衛のせがれ 源七だな? 110 00:10:54,122 --> 00:10:57,125 へい さようでございますが (武士)一緒にまいれ 話がある 111 00:10:57,125 --> 00:11:01,129 あの… 失礼ではございますが 手前 急ぎの用がございますので 112 00:11:01,129 --> 00:11:03,129 その用に用事があるのだ! 113 00:11:06,134 --> 00:11:08,136 (武士)おとなしくせんと 斬って捨てるぞ! 114 00:11:08,136 --> 00:11:27,155 ♬~ 115 00:11:27,155 --> 00:11:31,159 (誰袖) 《取り急ぎ ひと筆まいらせ候》 116 00:11:31,159 --> 00:11:37,165 《私こと 今宵より 向島の寮にて 養生するよう 決まり候》 117 00:11:37,165 --> 00:11:42,170 《つきましては 召し使いのほか 何人もおりませぬことゆえ➡ 118 00:11:42,170 --> 00:11:47,175 お目文字のうえ ひとえに 千秋の思いを打ち明けたく➡ 119 00:11:47,175 --> 00:11:51,179 ただただ切なく お待ちいたしおり候》 120 00:11:51,179 --> 00:11:55,179 ≪(足音) 121 00:12:02,190 --> 00:12:06,194 (遠藤)誰袖 痛い目に遭わせて かわいそうだったのぅ 122 00:12:06,194 --> 00:12:09,197 (誰袖)ならば 縄目を解いてくださいませ! 123 00:12:09,197 --> 00:12:11,199 (大藪)控えい! (遠藤)よいよい 124 00:12:11,199 --> 00:12:14,199 そういう気風のよい所が 江戸の花魁のよい所じゃ 125 00:12:16,204 --> 00:12:20,208 のう 誰袖 いかにも縄目は解いてつかわそう 126 00:12:20,208 --> 00:12:22,210 …が その代わり 127 00:12:22,210 --> 00:12:26,214 そこな源七とは きっぱりと 手を切るであろうのぅ? 128 00:12:26,214 --> 00:12:29,150 (誰袖)それができるくらいなら➡ 129 00:12:29,150 --> 00:12:32,153 とうに 殿さまのお心に従っております 130 00:12:32,153 --> 00:12:34,155 そんなに余が嫌いか? 131 00:12:34,155 --> 00:12:38,159 (誰袖)好きの嫌いの何ぞでは ございませぬ 132 00:12:38,159 --> 00:12:43,164 吉原の遊女には 遊女の覚悟がございます 133 00:12:43,164 --> 00:12:45,166 どのような覚悟じゃ? 134 00:12:45,166 --> 00:12:49,170 遊女は 所詮 身を売るのが生業と申しましても 135 00:12:49,170 --> 00:12:52,173 遊女とて 人間でございますゆえ➡ 136 00:12:52,173 --> 00:12:56,177 大名風を吹かせて 無理無体に 意に従わせるのは➡ 137 00:12:56,177 --> 00:13:01,182 あの里では 百姓町人よりも 劣る客でございます 138 00:13:01,182 --> 00:13:04,185 なるほど あっぱれなものじゃ 139 00:13:04,185 --> 00:13:09,185 誰袖 余は ますますもって惚れたぞ 140 00:13:13,194 --> 00:13:16,197 ところで 源七 (源七)へい 141 00:13:16,197 --> 00:13:21,202 花魁は誰袖ばかりではあるまい そのほうは まだ若い 142 00:13:21,202 --> 00:13:25,206 潔く諦めて 手を引くことが 身のためだとは思わぬか? 143 00:13:25,206 --> 00:13:28,143 何とぞ お許しくださいませ 144 00:13:28,143 --> 00:13:34,149 私にとって 誰袖は この世で たったひとりの女でございます 145 00:13:34,149 --> 00:13:38,153 源七さん よくぞ言ってくださった 146 00:13:38,153 --> 00:13:42,157 たとえ どのようなことが あろうとも 2人は離れませぬ 147 00:13:42,157 --> 00:13:45,160 添い遂げられなければ➡ 148 00:13:45,160 --> 00:13:49,164 いっそ この世を諦めて 心中いたしましょう 149 00:13:49,164 --> 00:13:54,169 (源七) 私だって その覚悟だよ 誰袖 150 00:13:54,169 --> 00:14:01,176 なるほどのぅ 心中までして 添い遂げようという覚悟か 151 00:14:01,176 --> 00:14:04,176 これは どうやら余の負けじゃ 152 00:14:07,182 --> 00:14:11,182 (遠藤)悪かった 許せよ 153 00:14:14,189 --> 00:14:16,189 ありがとうございます 154 00:14:24,199 --> 00:14:26,199 ≪(扉の閉まる音) 155 00:14:32,140 --> 00:14:34,140 (長次)ごめんよ! 156 00:14:36,144 --> 00:14:40,148 (長次)ごめんよ! ごめんよ! 157 00:14:40,148 --> 00:14:42,150 (杉浦)長次 また出張ってきたな? 158 00:14:42,150 --> 00:14:44,152 ヘヘッ… これはこれは 杉浦さま 159 00:14:44,152 --> 00:14:47,155 なんてったってね こういうことは 瓦版第一のネタですからね 160 00:14:47,155 --> 00:14:49,157 あっ こりゃ べっぴんだね 161 00:14:49,157 --> 00:14:53,161 ああ なんて まあ 行儀のいい心中なんだろうね 162 00:14:53,161 --> 00:14:55,163 こんな女とさ いっぺんでいいから 163 00:14:55,163 --> 00:14:57,165 抱き合って 心中がしてみたいなんて… 164 00:14:57,165 --> 00:15:00,168 冗談を申すな (長次)あっ… この2人の身元は? 165 00:15:00,168 --> 00:15:04,168 うん 立派な後始末の書き置きが… (長次)あっ… 166 00:15:06,174 --> 00:15:10,178 え~ 「男 京橋 花園小路 糸屋六兵衛 せがれ 源七」 167 00:15:10,178 --> 00:15:14,182 「女 新吉原 京町 三ツ扇屋 抱え遊女 誰袖」 168 00:15:14,182 --> 00:15:16,184 「10両は 死体をご始末くださるお方へ➡ 169 00:15:16,184 --> 00:15:19,187 お手数料として ここに添えました」か 170 00:15:19,187 --> 00:15:21,189 へえ 立派なもんだねえ 171 00:15:21,189 --> 00:15:23,191 無駄なことは 何ひとつ書いちゃいねえからね 172 00:15:23,191 --> 00:15:25,193 糸屋といやぁ ほら 大店でしょう 173 00:15:25,193 --> 00:15:29,130 そこの せがれの源七と それから 吉原の遊女 たがそ… 174 00:15:29,130 --> 00:15:32,133 「誰袖」!? 175 00:15:32,133 --> 00:15:35,136 大変だ! (杉浦)長次 どうした? 176 00:15:35,136 --> 00:15:37,138 ぐずぐずしちゃ いられねえんですよ! 177 00:15:37,138 --> 00:15:39,140 おい ちょっと待て! 長次! 178 00:15:39,140 --> 00:15:41,140 おっと ごめんよ! 179 00:15:44,145 --> 00:15:47,148 ほ~ら! ごめんよ ごめんよ! 180 00:15:47,148 --> 00:15:49,150 おっと ごめんよ ほら! 181 00:15:49,150 --> 00:15:51,152 おっと 危ねえな この野郎! (おゆう)長次! 182 00:15:51,152 --> 00:15:54,155 あっ なんだ 女将さん 大変大変! (おゆう)また慌ててるね? 183 00:15:54,155 --> 00:15:56,157 これが慌てずにいられますか ってんだ とっておきのネタ 184 00:15:56,157 --> 00:15:58,159 ちょっと お耳を拝借 (おゆう)誰も いやしないよ 185 00:15:58,159 --> 00:16:00,161 いや ネタが ばれちゃね 売り上げに響くんだから 186 00:16:00,161 --> 00:16:02,163 ねえ ちょっと お待ちよ 187 00:16:02,163 --> 00:16:05,166 本当に その花魁は この前 さらわれた誰袖っていうんだね? 188 00:16:05,166 --> 00:16:08,169 ええ もう 確かにね 書き置きには 「誰袖」って書いてあったんですよ 189 00:16:08,169 --> 00:16:10,171 ところが ほら 向島で会った あのいい女 190 00:16:10,171 --> 00:16:12,173 あれとは 全然 似ても似つかないんだから 191 00:16:12,173 --> 00:16:14,175 ほっそりしてたでしょう? ぷ~っと膨れちゃってんだ 192 00:16:14,175 --> 00:16:16,177 女将さん 一体 どうなってんでしょうね 193 00:16:16,177 --> 00:16:18,179 私に考えろっていうのかい? (長次)ええ… 194 00:16:18,179 --> 00:16:22,183 そりゃ無理だよ こういうことはね やっぱり➡ 195 00:16:22,183 --> 00:16:24,185 傷のお殿さまに相談したほうが いいんじゃないのかい? 196 00:16:24,185 --> 00:16:26,187 フフッ… すぐ これなんだから 197 00:16:26,187 --> 00:16:29,124 何かっていうとさ 割下水の お殿さまに会いたいもんだから… 198 00:16:29,124 --> 00:16:31,126 長次! (長次)はい… 199 00:16:31,126 --> 00:16:34,126 分かってりゃいいんだよ じゃ 行こう (長次)へい 200 00:16:41,136 --> 00:16:43,138 これは くさいな… 201 00:16:43,138 --> 00:16:45,140 ≪(長次)女将さん 何やってんだ! 早く ぐずぐずしてねえで! 202 00:16:45,140 --> 00:16:49,144 待って ちょっと… お殿さま! (長次)火急の用事でございます! 203 00:16:49,144 --> 00:16:51,146 火急の用とは 誰袖 源七のことか? 204 00:16:51,146 --> 00:16:53,148 (おゆう)まあ どうして それを? 205 00:16:53,148 --> 00:16:56,151 額の傷が ぴくぴくっと教えてくれたのよ 206 00:16:56,151 --> 00:16:59,154 実は お殿さま その誰袖 源七が 心中死体で大川端に上がりました 207 00:16:59,154 --> 00:17:01,156 なに? 208 00:17:01,156 --> 00:17:04,159 あっ 長次 やはり ここであったのか 209 00:17:04,159 --> 00:17:09,164 長次 心中死体を見て慌てた訳を 話してくれ (長次)ええ その… 210 00:17:09,164 --> 00:17:14,169 杉浦 源七とは どこの誰だ? 誰袖とは どこの抱えの女だ? 211 00:17:14,169 --> 00:17:17,172 はい 向島の土手でさらわれた花魁は➡ 212 00:17:17,172 --> 00:17:19,174 三ツ扇屋お抱えの誰袖 213 00:17:19,174 --> 00:17:23,178 源七は 京橋 糸屋六兵衛の せがれでございます 214 00:17:23,178 --> 00:17:25,180 私が聞き込んだところでは➡ 215 00:17:25,180 --> 00:17:28,116 郭の中でも評判の 深い仲だったとか 216 00:17:28,116 --> 00:17:31,119 小店ではございますが 三ツ扇屋きっての花魁で 217 00:17:31,119 --> 00:17:34,122 源七と知り合ってからは めったな客は取らなかった由 218 00:17:34,122 --> 00:17:39,127 いつ2人が夫婦になるかと 専らの噂だったそうでございます 219 00:17:39,127 --> 00:17:41,129 (菊路)すると 兄上 220 00:17:41,129 --> 00:17:44,132 誰袖とやらは 客を嫌って ひととき➡ 221 00:17:44,132 --> 00:17:49,137 向島の寮へ 病気ということにして 引っ込むつもりだったのですね 222 00:17:49,137 --> 00:17:53,141 でも 郭で そんなわがままが 許されるものでしょうか? 223 00:17:53,141 --> 00:17:55,143 普通では かなわぬことだ 224 00:17:55,143 --> 00:17:59,147 だが 糸屋は大金持ち 源七も 父親の目を盗んで➡ 225 00:17:59,147 --> 00:18:03,151 三ツ扇屋の主に 十分な金を 付け届けしてあるのだろう 226 00:18:03,151 --> 00:18:06,154 その向島へ急ぐ途中➡ 227 00:18:06,154 --> 00:18:09,157 源七は 何者かの手で さらわれたというわけですね? 228 00:18:09,157 --> 00:18:13,161 そうだ 誰袖も何者かによって さらわれた 229 00:18:13,161 --> 00:18:18,166 そして 誰袖 源七の名入りの 書き置きを持った心中死体が➡ 230 00:18:18,166 --> 00:18:22,170 大川に上がった… 231 00:18:22,170 --> 00:18:24,172 これは裏があるな 232 00:18:24,172 --> 00:18:37,118 ♬~ 233 00:18:37,118 --> 00:18:42,123 許せよ ともかく仏を拝ませてくれ 234 00:18:42,123 --> 00:18:48,129 (糸屋)これはこれは 早乙女さま 手前は糸屋六兵衛にございます 235 00:18:48,129 --> 00:18:51,132 わざわざ お越しくださいまして ありがとうございます 236 00:18:51,132 --> 00:18:54,135 わざわざ来るには いささか子細があってのことだ 237 00:18:54,135 --> 00:18:56,137 (三ツ扇屋)お殿さま 238 00:18:56,137 --> 00:19:02,143 私 その誰袖の抱え主 三ツ扇屋の主でございますが 239 00:19:02,143 --> 00:19:04,145 どうも 腑に落ちぬことがございまして 240 00:19:04,145 --> 00:19:06,147 …と申すと? はい 241 00:19:06,147 --> 00:19:09,150 ただいまも そのことで こちらの主と➡ 242 00:19:09,150 --> 00:19:11,152 迷っておりましたので ございますが 243 00:19:11,152 --> 00:19:14,155 ともかく 仏をご覧になってくださいまし 244 00:19:14,155 --> 00:19:16,157 人違いだとでも申すのか? 245 00:19:16,157 --> 00:19:19,157 (糸屋)はい そうとしか思えんのでございます 246 00:19:35,109 --> 00:19:37,111 源七に面識はない 247 00:19:37,111 --> 00:19:40,114 だが 誰袖は向島の だんご屋で はっきりと顔を見ている 248 00:19:40,114 --> 00:19:44,118 やはり 誰袖ではございませぬか? 249 00:19:44,118 --> 00:19:48,118 書き置きは戻ってまいったか? はい これにございます 250 00:19:56,130 --> 00:19:58,132 全く同じ筆跡だ 251 00:19:58,132 --> 00:20:03,137 はい その書き置きの字は 誰袖の手に相違ございません 252 00:20:03,137 --> 00:20:06,140 2人の着ている物は? (番頭)はい 若旦那さまは➡ 253 00:20:06,140 --> 00:20:09,143 お出かけになったときと 全く同じでございます 254 00:20:09,143 --> 00:20:12,146 誰袖の物に相違ございません 255 00:20:12,146 --> 00:20:14,148 ただ 顔が違う… 256 00:20:14,148 --> 00:20:17,151 水死人は 水を飲んで 人相が変わることが多いものだぞ 257 00:20:17,151 --> 00:20:22,156 いや それにしましても 背丈は同じでございますが 258 00:20:22,156 --> 00:20:26,160 あの… せがれのほうが もう少し しもぶくれの顔だちで 259 00:20:26,160 --> 00:20:30,160 杉浦 源七の体を調べてみろ はっ! 260 00:20:33,101 --> 00:20:37,105 主人 天眼鏡はないか? はい ただいま 261 00:20:37,105 --> 00:20:40,105 御前 これをご覧ください うん? 262 00:20:42,110 --> 00:20:47,115 そうか… これは面白くなってきたな 263 00:20:47,115 --> 00:20:55,123 ♬~ 264 00:20:55,123 --> 00:21:00,128 なるほど これは人違いだ 265 00:21:00,128 --> 00:21:02,130 いやさ 水死人なれば➡ 266 00:21:02,130 --> 00:21:05,133 むくみの出るのは 当然のことと思っていたが 267 00:21:05,133 --> 00:21:08,136 どうやら 謎は解けそうだ 268 00:21:08,136 --> 00:21:13,141 これは 心中する前に 双方ともが殺されていたな 269 00:21:13,141 --> 00:21:15,143 (糸屋)やっぱり… 270 00:21:15,143 --> 00:21:19,147 水に はまって死ぬのは苦しい だから 水に入ると同時に➡ 271 00:21:19,147 --> 00:21:24,152 己が脈を切って死ぬことは 心中者には よくある手だ 272 00:21:24,152 --> 00:21:29,157 だが 武士でもなく 日ごろ 刃物を扱わぬ町人が➡ 273 00:21:29,157 --> 00:21:33,161 左手で 右の脈を切るだろうか 274 00:21:33,161 --> 00:21:36,164 さて 誰袖なる この仏だが 275 00:21:36,164 --> 00:21:41,169 心の臓に突き刺さる 針のような傷痕が2つある 276 00:21:41,169 --> 00:21:45,173 その傷痕から見ると 畳針か➡ 277 00:21:45,173 --> 00:21:49,177 忍者のよく使う 「さく」と申す細い武器 278 00:21:49,177 --> 00:21:51,179 忍者? …としか考えられん 279 00:21:51,179 --> 00:21:55,183 心中する前に 誰かが 「さく」で心の臓をえぐった 280 00:21:55,183 --> 00:21:58,183 そして 心中に見せかけ 大川に投げ込んだ 281 00:22:06,194 --> 00:22:08,196 杉浦 はっ! 282 00:22:08,196 --> 00:22:13,201 日ごろ 若い真面目な男女で この2~3日 家に戻らぬ者があれば 283 00:22:13,201 --> 00:22:16,204 その親御は名乗り出よと 明日 辻札を立てろ 284 00:22:16,204 --> 00:22:20,208 それも奉行所の務めのひとつだ 手配いたせ 285 00:22:20,208 --> 00:22:22,208 心得ました 286 00:22:30,151 --> 00:22:36,157 ♬~ 287 00:22:36,157 --> 00:22:41,162 出たな? そろそろ こう来なくては面白くない 288 00:22:41,162 --> 00:22:43,164 斬り捨てても かまいませんか? 斬れればな 289 00:22:43,164 --> 00:22:47,168 だが 斬れぬかもしれん これは忍びの者どもだ 290 00:22:47,168 --> 00:22:49,168 やはり そうでしたか 291 00:22:51,172 --> 00:22:53,172 (忍者)ターッ! 292 00:23:22,203 --> 00:23:24,203 オリャ! 293 00:23:29,143 --> 00:23:31,145 ええい! 294 00:23:31,145 --> 00:23:33,145 (忍者)ターッ! 295 00:23:36,150 --> 00:23:38,152 (投げる音) 296 00:23:38,152 --> 00:23:40,154 (爆発音) 297 00:23:40,154 --> 00:23:44,158 くそ! 追うな! 追えば けがをする 298 00:23:44,158 --> 00:23:47,161 甲賀の兵法だ 299 00:23:47,161 --> 00:23:53,161 鉄砲といい 甲賀忍者といい これは容易ならぬ相手だぞ 300 00:23:59,106 --> 00:24:01,108 菊! 今 戻った 301 00:24:01,108 --> 00:24:05,112 あっ おかえりなさいませ 302 00:24:05,112 --> 00:24:07,114 気味の悪いお客さまが➡ 303 00:24:07,114 --> 00:24:10,117 先ほどから 兄上の帰りを お待ちかねでございます 304 00:24:10,117 --> 00:24:14,121 気味の悪い? じいは どうした? 305 00:24:14,121 --> 00:24:18,125 はい ひと目見て 熱を出して 寝込んでしまいました 306 00:24:18,125 --> 00:24:21,128 それほどの気味の悪さか… 307 00:24:21,128 --> 00:24:23,128 俺が会おう 308 00:24:28,135 --> 00:24:34,141 早乙女主水之介だ 何用でまいった? 309 00:24:34,141 --> 00:24:37,141 面を上げい 310 00:24:39,146 --> 00:24:56,163 ♬~ 311 00:24:56,163 --> 00:25:01,102 フフフッ… 甚左が熱を出すはずだ 312 00:25:01,102 --> 00:25:04,105 それにしても… 313 00:25:04,105 --> 00:25:07,108 これは どういう意味だ? 314 00:25:07,108 --> 00:25:09,108 「源七」… 315 00:25:11,112 --> 00:25:14,115 あの心中者の名前ではないか 316 00:25:14,115 --> 00:25:20,121 ♬~ 317 00:25:20,121 --> 00:25:23,124 どうしました? 318 00:25:23,124 --> 00:25:28,129 ♬~ 319 00:25:28,129 --> 00:25:32,133 (女性)これを御前さまに 320 00:25:32,133 --> 00:25:39,140 私 吉原 三ツ扇屋抱え 誰袖でございます 321 00:25:39,140 --> 00:25:45,146 ♬~ 322 00:25:45,146 --> 00:25:49,150 菊路どの! どうなさいました? 323 00:25:49,150 --> 00:25:52,153 誰袖の亡霊が… (杉浦)えっ? 324 00:25:52,153 --> 00:25:57,091 ♬~ 325 00:25:57,091 --> 00:26:03,097 何が入っているか楽しみだな 兄上 危なくはございませぬか? 326 00:26:03,097 --> 00:26:05,099 (杉浦) 何はともあれ 開けてみましょう 327 00:26:05,099 --> 00:26:11,099 待て 開けるのは よいが 菊 そちは部屋の隅に下がっておれ 328 00:26:13,107 --> 00:26:17,111 よいか? 杉浦 まず第一に紐を解け 329 00:26:17,111 --> 00:26:22,116 何事もなかったら 俺と同時に蓋を開けろ 330 00:26:22,116 --> 00:26:24,116 はっ! 331 00:26:26,120 --> 00:26:41,135 ♬~ 332 00:26:41,135 --> 00:26:44,135 疑心暗鬼でございますかな 333 00:26:46,140 --> 00:26:48,142 杉浦! 庭だ! 334 00:26:48,142 --> 00:26:50,142 (爆発音) 335 00:26:58,085 --> 00:27:00,085 ≪(飛来音) 危ない! 336 00:27:02,089 --> 00:27:04,091 杉浦 追え! はっ! 337 00:27:04,091 --> 00:27:14,101 ♬~ 338 00:27:14,101 --> 00:27:16,103 「早乙女主水之介」 339 00:27:16,103 --> 00:27:19,106 「退屈の虫封じなどと 人を小馬鹿にした遊びは やめよ」 340 00:27:19,106 --> 00:27:21,108 「この事件より潔く手を引かねば➡ 341 00:27:21,108 --> 00:27:26,113 貴公自慢の天下御免の向こう傷に 更に十方手裏剣をたたき込むぞ」 342 00:27:26,113 --> 00:27:34,121 ♬~ 343 00:27:34,121 --> 00:27:36,123 (杉浦)これ 按摩 344 00:27:36,123 --> 00:27:38,125 今し方 幽霊のような女を 見かけなかったか? 345 00:27:38,125 --> 00:27:43,130 (按摩)幽霊… こんな顔でございましたか? 346 00:27:43,130 --> 00:27:45,130 おのれ! 化け物! 347 00:27:48,135 --> 00:27:52,139 私をお捜しでございましたか? 348 00:27:52,139 --> 00:27:54,141 おのれ! 349 00:27:54,141 --> 00:27:57,077 <「達し ここ一両日の間➡ 350 00:27:57,077 --> 00:28:00,080 とかくの理由あらずして 行方不明の若者あらば➡ 351 00:28:00,080 --> 00:28:04,080 その家族は 直ちに 奉行所に出頭すべし」> 352 00:28:11,091 --> 00:28:13,091 あっ そちらが… 353 00:28:19,099 --> 00:28:22,102 (父親)アア… お… お里! 354 00:28:22,102 --> 00:28:25,105 お里! 355 00:28:25,105 --> 00:28:29,105 よく見てみろ 間違いはないか? 356 00:28:34,114 --> 00:28:37,117 あっ… お… お里だ 357 00:28:37,117 --> 00:28:42,122 お里 かわいそうに… お里よ! 358 00:28:42,122 --> 00:28:50,130 そうか それが 親だけが知る我が子の秘密か 359 00:28:50,130 --> 00:28:53,133 ご老人 360 00:28:53,133 --> 00:28:58,072 この男に見覚えはないか? ございません 361 00:28:58,072 --> 00:29:01,075 では 娘に好きな男はいなかったか? 362 00:29:01,075 --> 00:29:09,083 へい おりました 渡り中間などに 相手になってちゃいけねえと➡ 363 00:29:09,083 --> 00:29:13,087 年中 口を酸っぱくして 言ってたんですが 364 00:29:13,087 --> 00:29:19,093 渡り中間? この男か 顔は見たこともございません 365 00:29:19,093 --> 00:29:23,097 …で その中間は どこの屋敷に 勤めていたか知らぬか? 366 00:29:23,097 --> 00:29:32,106 へい 確か赤坂 溜池の 遠藤主計頭さまのお屋敷だとか 367 00:29:32,106 --> 00:29:34,108 読めたぞ 368 00:29:34,108 --> 00:29:38,112 遠藤主計頭は 近江八幡2万4000石 369 00:29:38,112 --> 00:29:42,116 しかも 甲賀忍者の発祥地に近い 370 00:29:42,116 --> 00:29:44,118 ≪ 菊! 今帰った 371 00:29:44,118 --> 00:29:47,121 (菊路)おかえりなさいませ お出迎えもいたしませず… 372 00:29:47,121 --> 00:29:50,124 (おゆう) お殿さま 勝手に上がり込みまして 勘弁してくださいまし 373 00:29:50,124 --> 00:29:52,126 (長次)何しろね じっと していられなかったもんですから 374 00:29:52,126 --> 00:29:55,129 遠慮をするな お前たちは 仲間も同じだ ヘヘッ… 375 00:29:55,129 --> 00:29:58,065 ところで 菊 じいの塩梅は どうだ? 376 00:29:58,065 --> 00:30:01,068 (菊路) それが 一件が落着するまでは➡ 377 00:30:01,068 --> 00:30:04,071 熱が下がりそうもないと 申しております 378 00:30:04,071 --> 00:30:07,074 ただいま お医者さまが 帰ったばかりでございます 379 00:30:07,074 --> 00:30:11,078 そうか じいの熱も まもなく下がるさ 380 00:30:11,078 --> 00:30:15,082 (菊路)…と申しますと 何か糸口でも つかめましたか? 381 00:30:15,082 --> 00:30:20,087 まあな だが これからが問題だ 382 00:30:20,087 --> 00:30:22,089 ところで 長の字 へい! 383 00:30:22,089 --> 00:30:24,091 お前 何が じっとしていられないんだ? 384 00:30:24,091 --> 00:30:26,093 へい もう こうなったらね 勝手に瓦版を起こして➡ 385 00:30:26,093 --> 00:30:28,095 売り出さなきゃ 潮時 失っちまうんでさぁ 386 00:30:28,095 --> 00:30:30,097 ねえ 殿さま なんとか序の口だけでも➡ 387 00:30:30,097 --> 00:30:32,099 出させていただけませんかね? (おゆう)というようなわけで➡ 388 00:30:32,099 --> 00:30:34,101 長次に せがまれましてね 389 00:30:34,101 --> 00:30:36,103 ほら あんなこと言って うちの女将さんね 390 00:30:36,103 --> 00:30:38,105 殿さまに会いたいだけなんだから (おゆう)長の字! 391 00:30:38,105 --> 00:30:40,107 分かった分かった 分かってりゃいいんだ ヘヘヘッ… 392 00:30:40,107 --> 00:30:44,111 瓦版のことは 今しばらく待て その代わり 長の字 393 00:30:44,111 --> 00:30:47,114 お前でなければ できない用事を頼みたい 394 00:30:47,114 --> 00:30:52,119 それも早いほどいい へいへい やっぱり殿さまだね 395 00:30:52,119 --> 00:30:56,123 ちゃんと考えててくださる所が うれしいね ヘヘヘッ… 396 00:30:56,123 --> 00:31:00,127 赤坂 溜池にある 遠藤主計頭という大名のもとに➡ 397 00:31:00,127 --> 00:31:03,130 渡り中間を入れている口入れ屋を 捜してきてくれ 398 00:31:03,130 --> 00:31:07,134 へい 朝飯前でさぁ まだある 口入れ屋が分かったら➡ 399 00:31:07,134 --> 00:31:10,137 その親分を連れて 糸屋六兵衛の店に行き 400 00:31:10,137 --> 00:31:13,140 男の仏の面通しをさせろ 合点だい! 401 00:31:13,140 --> 00:31:26,153 ♬~ 402 00:31:26,153 --> 00:31:30,157 (おゆう)お殿さま お茶を あっ すまんな 403 00:31:30,157 --> 00:31:33,160 こういうときこそ 私が お役に立たなきゃね 404 00:31:33,160 --> 00:31:38,160 なあ おゆう お前にも ひと肌脱いでもらいたい 405 00:31:46,173 --> 00:31:50,177 ひと肌でも ふた肌でも お殿さまのためなら 裸にだって… 406 00:31:50,177 --> 00:31:52,179 分かった分かった 407 00:31:52,179 --> 00:31:58,118 遠藤主計頭といえば 2万4000石の 小大名だが それなりの格式がある 408 00:31:58,118 --> 00:32:02,122 そこへ乗り込むからには こっちも かなりの覚悟が要る 409 00:32:02,122 --> 00:32:07,127 しかも 相手は鉄砲もあり 甲賀の忍者まで養っている 410 00:32:07,127 --> 00:32:10,130 お殿さまの諸羽流 正眼崩しでも 駄目なんですか? 411 00:32:10,130 --> 00:32:12,132 駄目なこともなかろうが 412 00:32:12,132 --> 00:32:17,137 何しろ 忍者の集まりを相手に 戦うのは初めてだからな 413 00:32:17,137 --> 00:32:20,140 こいつは少々 作戦が要る 414 00:32:20,140 --> 00:32:22,142 (鬼久) なんだと!? この野郎! てめえ! 415 00:32:22,142 --> 00:32:24,144 この野郎! なに つべこべ言ってやんでえ! 416 00:32:24,144 --> 00:32:27,147 おう! てめえ 俺を誰だと思ってやんでえ!? 417 00:32:27,147 --> 00:32:30,150 この鬼久はな 旗本相手に 江戸っ子の意気を示した➡ 418 00:32:30,150 --> 00:32:33,153 幡随院長兵衛の 流れをくむ口入れ屋だ! 419 00:32:33,153 --> 00:32:35,155 アイテテ… 分かりやしたよ! 420 00:32:35,155 --> 00:32:37,157 分かった 分かったよ! おいらの殿さまの➡ 421 00:32:37,157 --> 00:32:39,159 天下御免の向こう傷 知らねえわけねえだろうが! 422 00:32:39,159 --> 00:32:42,162 だからさ 親分さんに そこに来てもらいてえって➡ 423 00:32:42,162 --> 00:32:44,164 こう言ってんじゃねえか! 分からねえな この石頭! 424 00:32:44,164 --> 00:32:47,167 傷の殿さまが何でえ! そりゃ噂には聞いてるよ 425 00:32:47,167 --> 00:32:50,170 だけどな かわいい子分が こんな目に遭ったのを見て➡ 426 00:32:50,170 --> 00:32:52,172 親分の俺が 殴り込みをかけねえんじゃな 427 00:32:52,172 --> 00:32:54,174 先祖の幡随院に 申し訳が立たないじゃないか! 428 00:32:54,174 --> 00:32:56,176 いや だ… だけどよ 429 00:32:56,176 --> 00:32:58,112 そのかわいい身内の 身元が分かったのも➡ 430 00:32:58,112 --> 00:33:00,114 そもそもと言やぁ うちの殿さまのおかげじゃねえか 431 00:33:00,114 --> 00:33:04,118 そりゃ分かってるよ! だけどな お前の殿さまの力は借りねえよ! 432 00:33:04,118 --> 00:33:08,122 これから 身内10人を引き連れてな 大名だろうが 何だろうが➡ 433 00:33:08,122 --> 00:33:10,124 江戸っ子の意気を 見せに行くんだ! 434 00:33:10,124 --> 00:33:12,126 さっさと出ていけ この野郎! 435 00:33:12,126 --> 00:33:15,129 (手下)どいた どいた! (手下)へい 棺桶6個! 436 00:33:15,129 --> 00:33:17,131 (鬼久)オッ! ばかに でっけえのが1つあるじゃねえか 437 00:33:17,131 --> 00:33:19,133 (手下)へい これが親分ので 438 00:33:19,133 --> 00:33:21,135 馬鹿野郎! これで準備はできたんだな!? 439 00:33:21,135 --> 00:33:23,137 (手下たち)へい! (長次)親分さん! 440 00:33:23,137 --> 00:33:25,139 ここまで頼んでも➡ 441 00:33:25,139 --> 00:33:27,141 割下水の殿さまん所には 行ってくれねえっつうんすかい? 442 00:33:27,141 --> 00:33:29,143 うるさい! (長次)アッ… 443 00:33:29,143 --> 00:33:32,146 (手下)おう 瓦版屋さんよ いいか? うちの親分はな 444 00:33:32,146 --> 00:33:35,149 生まれてこの方 女房も子供もいねえんだよ 445 00:33:35,149 --> 00:33:37,151 いつでも 命を捨てる覚悟のお人なんだ 446 00:33:37,151 --> 00:33:39,153 なあ こりゃ言われたって無理だよ 447 00:33:39,153 --> 00:33:42,156 世の中 広えなぁ 天下御免の向こう傷が➡ 448 00:33:42,156 --> 00:33:45,159 さっぱり効き目がねえ人が いるってんだからね 驚きだよ 449 00:33:45,159 --> 00:33:47,161 この親分 一体 何が怖いんだよ? 450 00:33:47,161 --> 00:33:51,165 えっ? こういう親分だからな 泣きどころは女よ 451 00:33:51,165 --> 00:33:54,168 それもな ぐっと脂の乗り切った中年増よ 452 00:33:54,168 --> 00:33:56,170 馬鹿野郎! 余計なこと言うねえ! 453 00:33:56,170 --> 00:33:59,106 だって 親分 この瓦版屋 あんまり かわいそうなんでね 454 00:33:59,106 --> 00:34:01,108 まあ こうでも言わなきゃ 帰っちゃくんねえでしょう? 455 00:34:01,108 --> 00:34:03,110 そ… そりゃ 俺はね 456 00:34:03,110 --> 00:34:05,112 色っぽい年増にかかったら なめくじに塩だよ 457 00:34:05,112 --> 00:34:07,114 だからって この際 余計なこと言うな! 458 00:34:07,114 --> 00:34:09,116 さっさと帰れ この野郎! 459 00:34:09,116 --> 00:34:11,118 おう! 殴り込みの出鼻をくじきやがると 460 00:34:11,118 --> 00:34:14,121 てめえも たたき殺すぞ! (長次)分かりやしたよ! 461 00:34:14,121 --> 00:34:17,124 (手下) 馬鹿野郎! さっさと帰れ おら! 462 00:34:17,124 --> 00:34:20,127 今帰ります 帰ります… なんだ 女将さん! 463 00:34:20,127 --> 00:34:22,129 あんまり帰りが遅いんでね 多分 ここだろうって➡ 464 00:34:22,129 --> 00:34:24,131 見当つけて来たんだよ 465 00:34:24,131 --> 00:34:27,134 あの… 口入れ屋の 親分さんは どなただい? 466 00:34:27,134 --> 00:34:32,139 いい女だなぁ… 俺の好みに ぴったりだ 467 00:34:32,139 --> 00:34:36,143 俺は親分のね 鬼久ってんだ 468 00:34:36,143 --> 00:34:38,145 弱いなぁ ハハハッ… 469 00:34:38,145 --> 00:34:42,149 アア… まいったねえ 470 00:34:42,149 --> 00:34:44,149 あ~あ… 471 00:34:47,154 --> 00:34:52,159 親分さん 苦心して ここまで探してまいりましたよ 472 00:34:52,159 --> 00:34:54,161 おゆうと申します 473 00:34:54,161 --> 00:35:00,100 ♬~ 474 00:35:00,100 --> 00:35:04,104 この仏が 親分さんの身内だったんですね? 475 00:35:04,104 --> 00:35:08,108 まあ… (鬼久)ありがとうございます 476 00:35:08,108 --> 00:35:10,110 かわいい身内の 仇を討ちたいってのは➡ 477 00:35:10,110 --> 00:35:12,112 よ~く分かりますよ 478 00:35:12,112 --> 00:35:16,116 それでこそ 親分さんは 男の中の男一匹! 479 00:35:16,116 --> 00:35:21,121 いい女だなぁ… 俺の好みに ぴったりだ 480 00:35:21,121 --> 00:35:23,123 まあ… 481 00:35:23,123 --> 00:35:28,128 けど 相手は 何しろ大名 せっかく江戸っ子の親分さんを➡ 482 00:35:28,128 --> 00:35:33,133 みすみす見殺しにするなんて 私にゃ とっても見ちゃいられない 483 00:35:33,133 --> 00:35:35,135 ありがとうございます! 484 00:35:35,135 --> 00:35:39,139 なんという お優しいこと 言ってくれるんでえ… 485 00:35:39,139 --> 00:35:41,139 ありがとうございます! (泣き声) 486 00:35:44,144 --> 00:35:50,150 ねえ 親分 早乙女の御前は 悪を許さない立派なお旗本 487 00:35:50,150 --> 00:35:53,153 きっと 親分さんのお力になりますよ 488 00:35:53,153 --> 00:35:56,156 ねっ? 私に免じて どうぞ お身内衆を連れて➡ 489 00:35:56,156 --> 00:36:00,093 早乙女の御前のお屋敷に 私と一緒に 490 00:36:00,093 --> 00:36:03,093 さあ 一刻も早く (鬼久)アア… 491 00:36:06,099 --> 00:36:10,103 まいります! 喜んで まいります へい 492 00:36:10,103 --> 00:36:14,103 いけねえ 熱が出てきちゃった… 493 00:36:22,182 --> 00:36:24,184 ≪(手下)急いで急いで! 494 00:36:24,184 --> 00:36:26,184 (手下)よいしょ… (手下)はいさ 495 00:36:28,121 --> 00:36:32,125 ≪ おう 早くしろよ! ≪ いっちょう上がり! 496 00:36:32,125 --> 00:36:34,127 ≪ はい どんどん作ってよ! 497 00:36:34,127 --> 00:36:36,127 ≪ はい 唐辛子持ってきたよ! 498 00:36:38,131 --> 00:36:40,133 (おゆう)この辺は もうできてるから 持ってくよ 499 00:36:40,133 --> 00:36:42,135 ごめん ちょっと通らせておくれ 500 00:36:42,135 --> 00:36:45,135 みんな 頑張っておくれよ! 頑張って! 501 00:36:52,145 --> 00:36:56,149 よいしょ… さあ どんどん 火を燃しておくれよ 大丈夫だね? 502 00:36:56,149 --> 00:36:59,152 どうだい? その飴玉のほうは どうだい? (手下)へい! 503 00:36:59,152 --> 00:37:01,154 みんな しっかりしておくれよ (手下)へい! 504 00:37:01,154 --> 00:37:03,156 (騒ぎ声) 505 00:37:03,156 --> 00:37:07,160 ええい! 静かにしろい! 一体 何だってんでえ? ええ? 506 00:37:07,160 --> 00:37:10,163 天下御免だなんて大きな顔して 人を呼び出しやがってよ 507 00:37:10,163 --> 00:37:13,166 来てみりゃ うどん粉 詰めたり 飴玉を作ってるだけじゃねえか! 508 00:37:13,166 --> 00:37:15,168 馬鹿にするなってんでえ! 509 00:37:15,168 --> 00:37:19,172 俺は こう見えたってな 幡随院長兵衛の流れをくむ… 510 00:37:19,172 --> 00:37:26,179 鬼久の親分さん 今は忙しいんだよ (鬼久)ヘヘヘヘッ… 511 00:37:26,179 --> 00:37:28,115 ハハハハッ… 512 00:37:28,115 --> 00:37:30,117 ねえ? 親分さん 手伝っておくんなさい 513 00:37:30,117 --> 00:37:32,119 ハァ… 俺ね 姐さんの言うことだったら➡ 514 00:37:32,119 --> 00:37:34,121 何だって聞いちゃうんだからな 515 00:37:34,121 --> 00:37:37,124 ようがす! おう みんな! 何をぼやぼやしてんだい! 516 00:37:37,124 --> 00:37:40,127 さっさと やんねえか! ええ? こんなもん こうやりゃいい… 517 00:37:40,127 --> 00:37:43,130 これはな こう入れてだな… 518 00:37:43,130 --> 00:37:47,134 (くしゃみ) 519 00:37:47,134 --> 00:37:52,139 親分さん 頑張っておくんなさいね (鬼久)ハハハッ… 520 00:37:52,139 --> 00:37:55,142 (くしゃみ) (笑い声) 521 00:37:55,142 --> 00:37:57,144 (くしゃみ) 522 00:37:57,144 --> 00:38:02,149 ♬~ 523 00:38:02,149 --> 00:38:04,151 (鬼久)あっ… 524 00:38:04,151 --> 00:38:07,154 (おゆう)お殿さま どうしても お供は かないませんか? 525 00:38:07,154 --> 00:38:09,156 (鬼久)まま… 待ってくだせえよ 526 00:38:09,156 --> 00:38:11,158 命を張っての乗り込みに お前さんに出てこられたんじゃね 527 00:38:11,158 --> 00:38:14,161 この鬼久 心配で心配で 思う存分 働くことできやしませんよ 528 00:38:14,161 --> 00:38:16,163 まあ 待っててくだせえ (長次)ねえ 親分 あのね 529 00:38:16,163 --> 00:38:18,165 「女の出る幕じゃねえ」って 言ってくださいよ 530 00:38:18,165 --> 00:38:20,167 うるせえ! 分かってるよ そんなこと! 531 00:38:20,167 --> 00:38:26,173 ハァ… あのね 一緒に来ちゃ駄目なんですよ 532 00:38:26,173 --> 00:38:28,173 へい! まいるぞ 533 00:38:30,110 --> 00:38:32,110 ≪(忍者)申し上げます 534 00:38:39,119 --> 00:38:42,122 何事だ? 535 00:38:42,122 --> 00:38:45,125 ≪ 旗本 早乙女主水之介以下 奇妙な一行が➡ 536 00:38:45,125 --> 00:38:49,129 まさしく当屋敷に向かって 押し寄せてまいります 537 00:38:49,129 --> 00:38:51,131 奇妙な一行とは何だ? 538 00:38:51,131 --> 00:38:55,131 ≪ 分かりません ただ 棺桶を担いで… 539 00:38:57,137 --> 00:38:59,139 棺桶? 540 00:38:59,139 --> 00:39:01,141 (鬼久たち) わっしょい! わっしょい! 541 00:39:01,141 --> 00:39:07,147 わっしょい! わっしょい! わっしょい! わっしょい! 542 00:39:07,147 --> 00:39:25,165 ♬~ 543 00:39:25,165 --> 00:39:28,101 (扉をたたく音) (長次)ご開門願います! 544 00:39:28,101 --> 00:39:31,104 直参旗本 早乙女主水之介にございます! 545 00:39:31,104 --> 00:39:33,106 (扉をたたく音) 546 00:39:33,106 --> 00:39:38,111 ♬~ 547 00:39:38,111 --> 00:39:40,113 (殴る音) 548 00:39:40,113 --> 00:39:54,113 ♬~ 549 00:39:58,131 --> 00:40:02,135 夜中 突然の推参 (遠藤)オッ! 貴殿は… 550 00:40:02,135 --> 00:40:08,141 さよう 上さまじきじきのお許しを 賜った天下御免の向こう傷 551 00:40:08,141 --> 00:40:12,145 直参旗本 早乙女主水之介よ 552 00:40:12,145 --> 00:40:17,150 早速ながら 当屋敷内に 誰袖 源七の幽霊がいるはず 553 00:40:17,150 --> 00:40:20,153 のちのちまでの語りぐさにと➡ 554 00:40:20,153 --> 00:40:23,156 これなる傷にて 幽霊を買いにまいった 555 00:40:23,156 --> 00:40:26,159 早々に これへお出しくだされい 556 00:40:26,159 --> 00:40:29,162 そのようなことは知らぬわ 557 00:40:29,162 --> 00:40:32,165 そのほうが直参なら 余は2万4000石の大名じゃ 558 00:40:32,165 --> 00:40:35,168 そのほう 気でも くるうたか? 559 00:40:35,168 --> 00:40:37,168 控えい 又者! 560 00:40:40,173 --> 00:40:43,176 (遠藤)早乙女どのとか 561 00:40:43,176 --> 00:40:47,180 かりそめにも 当館は 上将軍家より賜った大名屋敷じゃ 562 00:40:47,180 --> 00:40:50,183 その大名屋敷を詮議するには➡ 563 00:40:50,183 --> 00:40:53,186 大目付衆のお指図 お許しがのうては ならぬはず 564 00:40:53,186 --> 00:40:55,188 御身 それを知っての振る舞いか!? 565 00:40:55,188 --> 00:40:59,192 フフフフッ… とうとう それをお出しなされたか 566 00:40:59,192 --> 00:41:02,195 では しかたがない お家を無傷に➡ 567 00:41:02,195 --> 00:41:05,198 かばってしんぜようと 思ったればこそ➡ 568 00:41:05,198 --> 00:41:08,201 この主水之介 わざわざ参上つかまつったが 569 00:41:08,201 --> 00:41:13,206 それをお出しなされては 致し方ござらぬ 570 00:41:13,206 --> 00:41:17,210 お目付衆の手を 煩わすまでもないこと 571 00:41:17,210 --> 00:41:22,215 ただいまより 主水之介 じきじき 将軍さまに言上申し上げ 572 00:41:22,215 --> 00:41:25,218 近江八幡2万4000石➡ 573 00:41:25,218 --> 00:41:28,154 木っ端みじんに たたきつぶしてみせようぞ! 574 00:41:28,154 --> 00:41:32,154 ハハハハッ… しからば 御免! 575 00:41:38,164 --> 00:41:40,166 大藪 (大藪)はっ! 576 00:41:40,166 --> 00:41:45,171 あの勢いでは 上さまに じきじき お目通りするつもりだぞ 577 00:41:45,171 --> 00:41:47,173 どういたそうか… 578 00:41:47,173 --> 00:41:50,176 お吟味 屋敷あらためを されることは間違いない 579 00:41:50,176 --> 00:41:55,181 いや 近江八幡2万4000石は お家改易になるやもしれぬ 580 00:41:55,181 --> 00:41:58,181 どうしたらよいのかのぅ… 581 00:42:00,186 --> 00:42:02,188 殺すのです 582 00:42:02,188 --> 00:42:05,191 殺す? 主水之介をか? 583 00:42:05,191 --> 00:42:13,199 それもありますが まず 証拠となる者を殺して捨てれば➡ 584 00:42:13,199 --> 00:42:16,199 何の恐れもございますまい 585 00:42:18,204 --> 00:42:38,158 ♬~ 586 00:42:38,158 --> 00:42:58,178 ♬~ 587 00:42:58,178 --> 00:43:18,198 ♬~ 588 00:43:18,198 --> 00:43:38,151 ♬~ 589 00:43:38,151 --> 00:43:43,156 これで 心おきなく お前たちは心中ができるわけだ 590 00:43:43,156 --> 00:43:46,159 だが 顔が分かっては まずい 591 00:43:46,159 --> 00:43:52,165 きれいな顔だが その面体が 分からぬように皮をそいでやる 592 00:43:52,165 --> 00:43:57,170 ♬~ 593 00:43:57,170 --> 00:43:59,170 ≪ 待った! 594 00:44:05,178 --> 00:44:08,181 (斬る音) 595 00:44:08,181 --> 00:44:11,184 間に合って良かったな 596 00:44:11,184 --> 00:44:14,187 今夜は俺のほうからいくぞ 597 00:44:14,187 --> 00:44:22,195 ♬~ 598 00:44:22,195 --> 00:44:25,198 親分! いくぜ! 599 00:44:25,198 --> 00:44:34,140 ♬~ 600 00:44:34,140 --> 00:44:36,142 (長次)おら! 601 00:44:36,142 --> 00:44:47,153 ♬~ 602 00:44:47,153 --> 00:44:49,153 (長次)どうした! 603 00:44:51,157 --> 00:44:54,160 ハハハハッ! ざまあみやがれ! 604 00:44:54,160 --> 00:44:59,165 (くしゃみ) (笑い声) 605 00:44:59,165 --> 00:45:03,165 (笑い声) 606 00:45:05,171 --> 00:45:07,171 (手裏剣を投げる音) 607 00:45:09,175 --> 00:45:12,178 次は飴玉だ! 608 00:45:12,178 --> 00:45:14,180 (斬る音) 609 00:45:14,180 --> 00:45:23,189 (騒ぎ声) 610 00:45:23,189 --> 00:45:26,192 今度は目つぶしだ! やれ! (長次)へい! 611 00:45:26,192 --> 00:45:28,127 それ! 612 00:45:28,127 --> 00:45:35,134 (騒ぎ声) 613 00:45:35,134 --> 00:45:39,134 おい この野郎! おい やれやれ! おい! 614 00:45:41,140 --> 00:45:43,140 (斬る音) 615 00:45:45,144 --> 00:45:47,144 (斬る音) 616 00:45:49,148 --> 00:45:53,148 (斬る音) 617 00:45:55,154 --> 00:46:01,154 (斬る音) 618 00:46:03,162 --> 00:46:06,165 (斬る音) 619 00:46:06,165 --> 00:46:08,165 アアッ! 620 00:46:14,173 --> 00:46:16,173 (斬る音) ウッ! 621 00:46:23,182 --> 00:46:26,185 (鬼久)お殿さま! 622 00:46:26,185 --> 00:46:30,185 やった やった! ハハハッ… 623 00:46:35,128 --> 00:46:37,130 (鬼久)あっ… 624 00:46:37,130 --> 00:46:39,132 (おゆう) どうしても我慢できなくて… 625 00:46:39,132 --> 00:46:41,134 でも お殿さま うまくいったらしいですね 626 00:46:41,134 --> 00:46:47,140 鬼久親分と子分衆の 目つぶしと飴玉が効いたようだな 627 00:46:47,140 --> 00:46:50,140 まあ 親分 すてき! 628 00:46:52,145 --> 00:46:54,147 どうも ありがとうございました (誰袖)ありがとうございました 629 00:46:54,147 --> 00:46:57,150 殿さま こりゃ あしたの瓦版はね 売れますぜ 630 00:46:57,150 --> 00:46:59,152 うんと儲けろよ へい! ヘヘヘッ… 631 00:46:59,152 --> 00:47:01,154 (鬼久)お殿さま こうなったら あの屋敷に➡ 632 00:47:01,154 --> 00:47:03,156 殴り込みをかけても よろしゅうございますか? 633 00:47:03,156 --> 00:47:06,159 待て待て お前の気持ちは分かるが 何しろ 相手は大名だ 634 00:47:06,159 --> 00:47:09,162 これだけのことをすれば 目が覚めるだろう 635 00:47:09,162 --> 00:47:11,164 しかし あっしは このままじゃね 636 00:47:11,164 --> 00:47:13,166 胸のつかえが すっと下りねえんですよ 637 00:47:13,166 --> 00:47:18,171 幡随院の親分はね 強きをくじき 弱きを助けるってのが… 638 00:47:18,171 --> 00:47:21,174 お前さん 江戸っ子だろう? さっぱりおしよ 639 00:47:21,174 --> 00:47:23,176 ヘヘヘッ… 姐さんに そう言われるとね 640 00:47:23,176 --> 00:47:27,113 この胸のつかえが す~っと 下りちゃうから妙なんですよ 641 00:47:27,113 --> 00:47:31,117 いや 幡随院の親分ってのはね あっさりしたお人なんです ええ 642 00:47:31,117 --> 00:47:33,119 フフッ… 俺の言うことを聞かない奴も➡ 643 00:47:33,119 --> 00:47:36,122 この広い江戸には 1人ぐらい いたというわけか 644 00:47:36,122 --> 00:47:38,124 ええ ヘヘヘッ… 645 00:47:38,124 --> 00:47:43,129 鬼久 おゆうと一緒に この2人を送ってやってくれ 646 00:47:43,129 --> 00:47:46,132 (鬼久) さすがは天下御免のお殿さまだ! 647 00:47:46,132 --> 00:47:48,134 さあ じゃ 一刻も早く どうぞ! さあさあ さあさあ! 648 00:47:48,134 --> 00:47:51,137 さあ 早く早く! さあ では まいりやしょうか 649 00:47:51,137 --> 00:47:55,141 おう! 何してやがんでえ さあ 来い! (手下たち)へい! 650 00:47:55,141 --> 00:47:57,143 ほら 早くしろい! (手下)行きましょう 651 00:47:57,143 --> 00:48:02,148 ♬~ 652 00:48:02,148 --> 00:48:05,151 あの田舎大名め 653 00:48:05,151 --> 00:48:10,156 手近な渡り中間と その女を殺して 誰袖 源七の心中に見せかけ 654 00:48:10,156 --> 00:48:13,159 そのあと じっくり 誰袖を口説こうと➡ 655 00:48:13,159 --> 00:48:16,162 座敷牢に入れておいたのが 運の尽きだったな 656 00:48:16,162 --> 00:48:20,166 いずれ 源七は殺されるところだったのだ 657 00:48:20,166 --> 00:48:24,170 江戸の女は 権柄ずくじゃ 言うことを聞かねえ 658 00:48:24,170 --> 00:48:27,106 そいつが粋ないい所だ 659 00:48:27,106 --> 00:48:33,112 杉浦 殺された2人の仇は 奉行所で取ってやれよ 660 00:48:33,112 --> 00:48:35,114 はっ! 661 00:48:35,114 --> 00:48:37,114 行くか 長の字 へい! 662 00:48:50,129 --> 00:49:09,129 ♬~ 663 00:49:13,186 --> 00:49:16,189 <房州 久里村の庄屋 木村孫右衛門は➡ 664 00:49:16,189 --> 00:49:18,191 領民の困窮を訴えるべく➡ 665 00:49:18,191 --> 00:49:21,194 直訴状を携え 江戸市中へ潜入した> 666 00:49:21,194 --> 00:49:26,199 <そして 同志 宗助は 船頭姿に 身をやつし 市中に潜伏する> 667 00:49:26,199 --> 00:49:30,203 <しかし 藩主側は その当日 同志を次々と牢に送る> 668 00:49:30,203 --> 00:49:34,207 <同志救済のため 立ち上がった主水之介 京弥は➡ 669 00:49:34,207 --> 00:49:36,209 必死の探索を続けるが➡ 670 00:49:36,209 --> 00:49:39,209 この事件の裏には 意外な人物が暗躍していた>