1 00:01:57,327 --> 00:01:58,194 2 00:01:58,194 --> 00:02:18,214 ♬~ 3 00:02:18,214 --> 00:02:32,228 ♬~ 4 00:02:32,228 --> 00:02:46,228 ♬~ 5 00:02:48,178 --> 00:03:03,193 ♬~ 6 00:03:03,193 --> 00:03:06,193 (武士)おい ここに置け (武士)はい 7 00:03:10,200 --> 00:03:13,203 (武士)オッ… 8 00:03:13,203 --> 00:03:17,207 (腰本) ヘヘヘヘッ… こりゃどうじゃい 9 00:03:17,207 --> 00:03:20,210 置き所がねえや 10 00:03:20,210 --> 00:03:24,214 物置部屋が まもなく 出来上がります (腰本)うむ… 11 00:03:24,214 --> 00:03:27,150 棟梁から 手間賃の催促が うるさいのですが 12 00:03:27,150 --> 00:03:29,152 いかがいたしましょうか? (腰本)うっちゃっておけ 13 00:03:29,152 --> 00:03:34,157 はっ… 誠に申し上げにくいことで ございますが➡ 14 00:03:34,157 --> 00:03:38,161 殿のお衣服を納めましたる 呉服商 大島屋が➡ 15 00:03:38,161 --> 00:03:41,164 同じような催促を… (腰本)馬鹿たれ 16 00:03:41,164 --> 00:03:44,167 俺の体に着ける呉服を 納めることは➡ 17 00:03:44,167 --> 00:03:46,169 商人として名誉ではないか 18 00:03:46,169 --> 00:03:49,172 ありがたく献上するのが 当たり前じゃ うっちゃっておけ 19 00:03:49,172 --> 00:03:52,175 そのほか 酒問屋 古物商など… 20 00:03:52,175 --> 00:03:55,178 払う必要ない! (武士)ははっ! 21 00:03:55,178 --> 00:03:58,181 俺を誰だと思ってるんだ 22 00:03:58,181 --> 00:04:03,186 見ろ みんな 直参旗本の あぶれ者からの貢ぎ物だ 23 00:04:03,186 --> 00:04:06,189 俺より禄高の多い奴が 何人いると思う? 24 00:04:06,189 --> 00:04:09,192 フン… だが みんな 出世をしたい 25 00:04:09,192 --> 00:04:13,196 だから こうして無理して 俺に持ってくるんだ 26 00:04:13,196 --> 00:04:16,199 ハハハハッ… 27 00:04:16,199 --> 00:04:21,204 直参旗本などと申しても 大したことないわ! ハハハハッ… 28 00:04:21,204 --> 00:04:23,206 ≪(お紋)兄者 29 00:04:23,206 --> 00:04:25,208 おお… 30 00:04:25,208 --> 00:04:28,144 (お紋)お城に帰りまする (腰本)おお そうか 31 00:04:28,144 --> 00:04:31,147 まあ 見てくれ これは みんな お前の力だ 32 00:04:31,147 --> 00:04:34,150 お前が 上さま 第一のお気に入りなので➡ 33 00:04:34,150 --> 00:04:36,152 俺からお前の口へ そして 上さまへと➡ 34 00:04:36,152 --> 00:04:40,156 皆 出世を頼む旗本どもからの 貢ぎ物だ 35 00:04:40,156 --> 00:04:43,159 うん 36 00:04:43,159 --> 00:04:45,161 あの… 37 00:04:45,161 --> 00:04:49,165 早く 上さまのお子を宿して お方さまになってくれよ 38 00:04:49,165 --> 00:04:54,165 さすれば 俺だとて ゆくゆくは老中職も夢ではないわ 39 00:04:56,172 --> 00:05:01,177 また この次の宿下がりに よう話し合いましょう 40 00:05:01,177 --> 00:05:06,182 たった2人の兄妹 心をひとつにしましょうぞ 41 00:05:06,182 --> 00:05:08,184 ≪(武士)どけどけ! 42 00:05:08,184 --> 00:05:10,184 ≪(武士)ええい! 邪魔だ こら! ≪(蹴る音) 43 00:05:14,190 --> 00:05:17,193 (女性)腰本さまのお乗り物だよ (男性)大名じゃあるめえし 44 00:05:17,193 --> 00:05:19,195 (男性) 元は黒鍬組の人足上がりだよ 45 00:05:19,195 --> 00:05:22,198 (女性)大きな声 出すんじゃないよ 触らぬ神にたたりなし 46 00:05:22,198 --> 00:05:25,201 腰本さまにかかっちゃ 誰も泣きの涙だからね 47 00:05:25,201 --> 00:05:29,139 (男性) おう そうだってよ 御用商人は 1文も払ってもらえねえんだってさ 48 00:05:29,139 --> 00:05:32,142 (男性)チェッ… みんな 妹のおかげじゃねえか 49 00:05:32,142 --> 00:05:34,144 (男性)腰本のために 俺たちが どんな苦しみをしてるか➡ 50 00:05:34,144 --> 00:05:37,147 ご存じもなくて 夜ごと きれいな腰本の妹を➡ 51 00:05:37,147 --> 00:05:39,149 かわいがっている将軍さまが 憎いぜ 52 00:05:39,149 --> 00:05:42,152 (男性)しっ! めったなこと言うんじゃねえよ 53 00:05:42,152 --> 00:05:44,154 (女の子)アッ! (武士)この… 無礼者! 54 00:05:44,154 --> 00:05:46,156 (男性)ど… どうかお許しを (武士)ええい 黙れ! 55 00:05:46,156 --> 00:05:48,158 (男性)お… お許しを 56 00:05:48,158 --> 00:05:50,160 ええい どなたさまの行列と心得ておる! 57 00:05:50,160 --> 00:05:53,163 (男性)お許しを お許しを… (武士)ええい! 58 00:05:53,163 --> 00:05:56,163 (女の子の泣き声) よしよし アア… よしよしよし… 59 00:06:04,174 --> 00:06:06,176 (武士)どけ! 60 00:06:06,176 --> 00:06:10,180 (武士) 当方は 直参旗本 御小納戸頭取 腰本治右衛門の一行でござる! 61 00:06:10,180 --> 00:06:12,182 そこをどかっしゃい! 62 00:06:12,182 --> 00:06:16,186 (主水之介)腰本というのは 確か1000石だったな 63 00:06:16,186 --> 00:06:20,190 俺も 直参旗本1200石 早乙女主水之介だ 64 00:06:20,190 --> 00:06:23,193 よけるなら そっちがよけろ そのようなことを申して➡ 65 00:06:23,193 --> 00:06:25,195 あとがどうなるか ご存じでござるか!? 66 00:06:25,195 --> 00:06:27,130 何を言ってやがる 67 00:06:27,130 --> 00:06:30,133 妹の色香を元手に 上さまに取り入り➡ 68 00:06:30,133 --> 00:06:35,138 肩で風切り 天下万民を 泣かせている噂は 俺も聞いている 69 00:06:35,138 --> 00:06:39,142 どうでも まっすぐに通りたかったら➡ 70 00:06:39,142 --> 00:06:42,145 力ずくで通ってみろ 71 00:06:42,145 --> 00:06:46,149 上さまお許しの この天下御免の向こう傷 72 00:06:46,149 --> 00:06:51,149 諸羽流 正眼崩しで 俺も また まっすぐに通ってみせるぜ 73 00:06:55,158 --> 00:06:57,160 はっ! 74 00:06:57,160 --> 00:07:15,178 ♬~ 75 00:07:15,178 --> 00:07:19,182 (歓声) なぁに… 76 00:07:19,182 --> 00:07:23,186 ちいっとばかり 退屈の虫の 居どころが悪かっただけだ 77 00:07:23,186 --> 00:07:25,186 ハハハッ… 78 00:07:31,127 --> 00:07:37,133 (十五郎)小芳 お前 いつも 先生を尻に敷いてるのと違うか? 79 00:07:37,133 --> 00:07:41,137 (小芳) 嫌な兄さん どうしてなのさ? 80 00:07:41,137 --> 00:07:45,141 だってよ 来る度に こうやって 銭使わせて… 81 00:07:45,141 --> 00:07:48,144 (梅甫) いや 十五郎さん それは違う 82 00:07:48,144 --> 00:07:51,147 お前さんが 訪ねて来てくれたときぐらい➡ 83 00:07:51,147 --> 00:07:54,150 小芳にも 勝手仕事を休ませてやりたいのさ 84 00:07:54,150 --> 00:07:58,154 そんならいいが 何しろ 妹は 「中」にいた女 85 00:07:58,154 --> 00:08:01,157 手料理なんか 作れねえんじゃねえかって 86 00:08:01,157 --> 00:08:05,161 十五郎さん 小芳の昔の話は よしましょう 87 00:08:05,161 --> 00:08:09,165 大勢のお旗本や 大店の旦那衆の鼻を明かして➡ 88 00:08:09,165 --> 00:08:12,168 私が引かした恋女房だよ 89 00:08:12,168 --> 00:08:14,170 へい 90 00:08:14,170 --> 00:08:19,175 小芳 お前 梅甫先生の 奥さまにしてもらったご恩… 91 00:08:19,175 --> 00:08:21,177 忘れちゃいけねえぜ 92 00:08:21,177 --> 00:08:25,181 まあ そんなこと 兄さんに言われなくたって 93 00:08:25,181 --> 00:08:28,181 ≪(三平)へい! ごめんなすって 94 00:08:34,123 --> 00:08:36,125 (三平)毎度 ご贔屓に預かりまして 95 00:08:36,125 --> 00:08:40,129 お前さん 座敷を 間違えたんじゃないのかい? 96 00:08:40,129 --> 00:08:42,131 ご冗談を 97 00:08:42,131 --> 00:08:45,134 かの有名な絵描きの梅甫先生の お座敷でございましょう? 98 00:08:45,134 --> 00:08:47,136 オッ… 寂しいことでござりますな 99 00:08:47,136 --> 00:08:49,138 それでは 三平 得意のかっぽれを… 100 00:08:49,138 --> 00:08:51,140 やめなさい 頼んだ覚えはないよ 101 00:08:51,140 --> 00:08:56,145 いや それは妙でげすな さては 謀られたかな? 102 00:08:56,145 --> 00:09:00,149 帳場にすぐさま立ち戻り きつく糾明! 103 00:09:00,149 --> 00:09:02,151 (手をたたく音) さらば! 104 00:09:02,151 --> 00:09:04,153 (小芳)アッ… 105 00:09:04,153 --> 00:09:07,156 何をするんだ! (三平)おや 何かいたしましたか? 106 00:09:07,156 --> 00:09:10,159 見なさい 結いたての髪が 107 00:09:10,159 --> 00:09:13,162 でも 旦那 結ったものは崩れるのが道理 108 00:09:13,162 --> 00:09:17,166 崩れるのが惜しかったら 兜でも かぶったら… 109 00:09:17,166 --> 00:09:20,169 なんだと? 太鼓のくせに! 110 00:09:20,169 --> 00:09:22,171 貴様! 111 00:09:22,171 --> 00:09:24,173 アイタタタ… 112 00:09:24,173 --> 00:09:26,175 (殴る音) イタタタ… ど… どなたか! 113 00:09:26,175 --> 00:09:28,111 (武士)どうした? 三平 (武士)何をしたんだ? 114 00:09:28,111 --> 00:09:30,113 (武士) 場合によっては 助けてつかわすぞ 115 00:09:30,113 --> 00:09:32,115 (腰本)どけ (武士たち)はっ! 116 00:09:32,115 --> 00:09:39,122 おお! これは 篠原梅甫先生ではないか 117 00:09:39,122 --> 00:09:42,125 これは 腰本の御前 118 00:09:42,125 --> 00:09:45,128 自慢の奥方も ご一緒かな? 119 00:09:45,128 --> 00:09:48,131 兄さん あのお方は 私が 「中」にいたころの客で➡ 120 00:09:48,131 --> 00:09:51,134 いちばんしつこかった嫌な奴です 121 00:09:51,134 --> 00:09:54,137 これは きっと わざと仕組んだ… 122 00:09:54,137 --> 00:09:57,140 御前ご贔屓の幇間とも知らず ご無礼いたしました 123 00:09:57,140 --> 00:10:01,144 何とぞ… 何とぞ お許しくださいませ 124 00:10:01,144 --> 00:10:05,148 わびるというからには 許さんでもないが➡ 125 00:10:05,148 --> 00:10:08,151 お前では駄目だな 126 00:10:08,151 --> 00:10:11,154 きれいな奥方に わびてもらおうか 127 00:10:11,154 --> 00:10:13,156 いや… いや それは… 128 00:10:13,156 --> 00:10:18,161 ♬~ 129 00:10:18,161 --> 00:10:21,164 恐れながら 御前さま 兄貴が そこの➡ 130 00:10:21,164 --> 00:10:24,167 三平さんとやらを殴ったのは 確かに悪うございました 131 00:10:24,167 --> 00:10:28,104 代わりに 手前が 同じ数だけ殴られますから➡ 132 00:10:28,104 --> 00:10:31,107 どうか それで ご勘弁なすってくださいまし 133 00:10:31,107 --> 00:10:34,110 ほう… こいつは面白えや (梅甫)十五郎さん 134 00:10:34,110 --> 00:10:37,113 さあ 義兄さん (梅甫)しかし… 135 00:10:37,113 --> 00:10:39,113 誰か やれ! (武士)はっ! 136 00:10:41,117 --> 00:10:44,120 ヤッ! (殴る音) 137 00:10:44,120 --> 00:10:46,122 おっと そこで やめておくんなせえ 138 00:10:46,122 --> 00:10:48,124 これで 殴った数は おあいこのはずだ 139 00:10:48,124 --> 00:10:51,127 黙れ! この! (殴る音) 140 00:10:51,127 --> 00:10:53,129 (武士)ンンッ! ウワッ! 141 00:10:53,129 --> 00:10:55,131 よしやがれ さんぴん! 142 00:10:55,131 --> 00:10:57,133 (武士)おのれ! 143 00:10:57,133 --> 00:11:00,136 ≪ 待てい! 待った! 144 00:11:00,136 --> 00:11:03,139 仲裁は 時の氏神 145 00:11:03,139 --> 00:11:06,142 (腰本) おう 貴様は早乙女主水之介! 146 00:11:06,142 --> 00:11:11,142 ここでは迷惑がかかる 表でやれ 147 00:11:18,154 --> 00:11:20,154 野郎! 148 00:11:28,164 --> 00:11:31,167 べらぼうめ! 下手に出りゃ つけあがりやがって 149 00:11:31,167 --> 00:11:35,171 おう! 江戸じゃ にらみが利かねえがな 150 00:11:35,171 --> 00:11:37,173 九十九里浜 行ってみろ! 151 00:11:37,173 --> 00:11:41,177 上総の十五郎っていや 松のてっぺんまで聞こえた名前だ 152 00:11:41,177 --> 00:11:44,180 おう! 斬れるもんなら斬ってみろ 153 00:11:44,180 --> 00:11:46,182 その代わり てめえらの脳天 たたき割ってやるからな! 154 00:11:46,182 --> 00:11:50,186 (腰本)なにを 無礼な! かまわぬ たたき斬れ! 155 00:11:50,186 --> 00:11:53,189 けんかをしろと 言った覚えはないぞ 156 00:11:53,189 --> 00:11:59,195 それに 町人1人に武士が7人 あまり見栄えのよくないけんかだ 157 00:11:59,195 --> 00:12:01,197 仲裁を引き受けよう 158 00:12:01,197 --> 00:12:05,201 主水之介 こうなったら けんかの相手は貴様だ! 159 00:12:05,201 --> 00:12:10,206 相手にとっては大きに不足 だから けんかは買わねえが➡ 160 00:12:10,206 --> 00:12:14,206 降りかかる火の粉は 払わなきゃならねえ 161 00:12:20,216 --> 00:12:22,218 (殴る音) 162 00:12:22,218 --> 00:12:24,218 ウワーッ! 163 00:12:28,157 --> 00:12:30,159 この! 164 00:12:30,159 --> 00:12:41,170 ♬~ 165 00:12:41,170 --> 00:12:45,174 心配するな 峰打ちだ 166 00:12:45,174 --> 00:12:49,178 ひけ! ひけ! 167 00:12:49,178 --> 00:12:54,178 ちくしょう この恨みは きっと晴らすぞ! 覚えておれ! 168 00:12:59,188 --> 00:13:03,192 早乙女の御前 なんとも ありがとうございました 169 00:13:03,192 --> 00:13:05,194 兄さん このお殿さまが➡ 170 00:13:05,194 --> 00:13:07,196 江戸で評判の 向こう傷の御前ですよ 171 00:13:07,196 --> 00:13:09,198 さあ 早くお礼を 172 00:13:09,198 --> 00:13:11,200 (手をたたく音) そうですかい 173 00:13:11,200 --> 00:13:14,203 それは 出過ぎた真似をいたしまして➡ 174 00:13:14,203 --> 00:13:17,206 申し訳ござんせんでした けんかは両成敗 175 00:13:17,206 --> 00:13:20,209 せっかく 水入らずの楽しみを 壊して気の毒だが➡ 176 00:13:20,209 --> 00:13:22,211 そのほうたちも 早々に帰るがよかろう 177 00:13:22,211 --> 00:13:26,215 (小芳)はい (十五郎)ありがとうござんした 178 00:13:26,215 --> 00:13:31,215 (長次)殿さま! (おゆう)まあ お殿さま ご無事で 179 00:13:42,164 --> 00:13:44,164 ≪(物音) 180 00:13:47,169 --> 00:13:50,172 (長次)ウワッ! 181 00:13:50,172 --> 00:13:54,176 お殿さま み… みっともねえ格好で➡ 182 00:13:54,176 --> 00:13:58,180 お座敷を騒がして 申し訳ござんせん 183 00:13:58,180 --> 00:14:00,182 やはり 心配していたとおりだ 184 00:14:00,182 --> 00:14:02,184 さあ 長次! (長次)へい! 185 00:14:02,184 --> 00:14:04,186 さあ 186 00:14:04,186 --> 00:14:06,188 お前たち 焼酎と ありったけのさらしを持ってこい 187 00:14:06,188 --> 00:14:08,188 (仲居たち)はい 188 00:14:11,193 --> 00:14:14,196 (十五郎)ウッ… ウウ… 189 00:14:14,196 --> 00:14:16,198 さあ 190 00:14:16,198 --> 00:14:19,201 深手ではない 心配いたすな 191 00:14:19,201 --> 00:14:22,204 しみて痛いでしょうね しばらくの辛抱ですよ 192 00:14:22,204 --> 00:14:25,207 (十五郎)なぁに ひりひりして いい気持ちでさぁ 193 00:14:25,207 --> 00:14:28,144 姐さん 甘えるようでござんすがね 194 00:14:28,144 --> 00:14:31,144 そこの焼酎 1杯飲ませてやっておくんなさい 195 00:14:34,150 --> 00:14:37,153 アア… ハァハァ… 196 00:14:37,153 --> 00:14:39,153 さあ 197 00:14:42,158 --> 00:14:46,162 さすがは九十九里の荒浜育ち 小気味のよい男だ 198 00:14:46,162 --> 00:14:49,165 相手は腰本の一派か? 199 00:14:49,165 --> 00:14:51,167 へい 200 00:14:51,167 --> 00:14:57,173 ♬~ 201 00:14:57,173 --> 00:14:59,175 今も申し上げましたとおり➡ 202 00:14:59,175 --> 00:15:03,179 ここは 一番 どうしても 傷のお殿さまに➡ 203 00:15:03,179 --> 00:15:06,182 おすがりしてえと 思い詰めたんでございます 204 00:15:06,182 --> 00:15:10,186 ここまで お世話をおかけしたうえに➡ 205 00:15:10,186 --> 00:15:13,189 重ねて 「助けてくださいまし」などとは➡ 206 00:15:13,189 --> 00:15:18,189 こりゃ 勝手が過ぎますが どうか お殿さま… 207 00:15:21,197 --> 00:15:24,200 俺に このけんかを買えというのか? 208 00:15:24,200 --> 00:15:28,137 へい あっしは ともかく 妹たちは惚れ合った同士 209 00:15:28,137 --> 00:15:31,140 不憫とおぼし召しでござんしたら 210 00:15:31,140 --> 00:15:35,144 どうか 後ろ盾に なってやってくださいまし 211 00:15:35,144 --> 00:15:38,147 人のけんかは 俺の知ったことではない 212 00:15:38,147 --> 00:15:41,147 嫌だと言ったら どうする? 213 00:15:43,152 --> 00:15:46,152 嫌だと言ったら どうするつもりだ? 214 00:15:49,158 --> 00:15:55,158 筋道は お殿さまの おっしゃるとおりでござんす 215 00:15:58,167 --> 00:16:04,173 致し方ござんせん これから 妹たちの所へ行って➡ 216 00:16:04,173 --> 00:16:08,177 かなわねえまでも 戦ってみるつもりでござんす 217 00:16:08,177 --> 00:16:10,177 ご無礼をいたしました 218 00:16:19,188 --> 00:16:21,190 待て! 219 00:16:21,190 --> 00:16:23,192 気に入った 220 00:16:23,192 --> 00:16:27,192 いかにも この天下御免の向こう傷 貸してやろう 221 00:16:30,132 --> 00:16:32,134 アア… お殿さま! ハハハハッ… 222 00:16:32,134 --> 00:16:36,138 この向こう傷を貸すとなれば 今度は いささか大げんかだ 223 00:16:36,138 --> 00:16:40,142 何しろ 相手は 上さまご寵愛 第一の側室の兄貴 224 00:16:40,142 --> 00:16:44,146 そうと覚悟を決めれば 今度は この向こう傷が➡ 225 00:16:44,146 --> 00:16:47,149 さやさやと涼しげな音を 立て始めたぞ 226 00:16:47,149 --> 00:16:49,151 ヘヘッ… それでこそ おいらの殿さまだ 227 00:16:49,151 --> 00:16:51,153 ほっとしましたよ おゆう 228 00:16:51,153 --> 00:16:53,155 はい お前たちに頼みがある 229 00:16:53,155 --> 00:16:57,155 十五郎をかくまって 傷の手当てをしてやれ 230 00:17:06,168 --> 00:17:09,168 ≪(ふすまの開閉音) 231 00:17:12,174 --> 00:17:16,178 兄さんは 無事に上総へ帰れたでしょうか? 232 00:17:16,178 --> 00:17:21,183 十五郎さんのことだから 俺たちよりは よほど確かだよ 233 00:17:21,183 --> 00:17:24,186 今夜は これくらいにして 早めに休もうか 234 00:17:24,186 --> 00:17:27,186 戸締まりをよくしたほうがいい (小芳)はい 235 00:17:31,126 --> 00:17:36,126 アアッ! お前さん! (梅甫)小芳 どうした? うん? 236 00:17:45,140 --> 00:17:47,142 ハッ!? 237 00:17:47,142 --> 00:17:52,147 義兄さん 十五郎だよ 238 00:17:52,147 --> 00:17:56,151 な… なんだって? 239 00:17:56,151 --> 00:17:59,154 俺は斬られて死んだ 240 00:17:59,154 --> 00:18:04,159 けど ひと目 妹と義兄さんに会いたかった 241 00:18:04,159 --> 00:18:12,167 義兄さん 小芳 つらいだろうが どうか夫婦別れしてくれ 242 00:18:12,167 --> 00:18:16,171 頼むから 俺の命と引き換えに (梅甫)小芳 243 00:18:16,171 --> 00:18:19,171 別れてくれ (梅甫)小芳 小芳! 244 00:18:27,116 --> 00:18:29,118 (三平)ハッ!? 245 00:18:29,118 --> 00:18:31,118 (殴る音) ウワッ! 246 00:18:36,125 --> 00:18:38,127 あっ そいつは… 247 00:18:38,127 --> 00:18:42,131 十五郎は 手傷は負うたが 命に別状はない 248 00:18:42,131 --> 00:18:46,135 俺が さる所に隠している 心配いたすな 249 00:18:46,135 --> 00:18:50,135 梅甫先生 紙と筆を は… はい 250 00:18:54,143 --> 00:18:57,146 ンンッ! ウッ! 251 00:18:57,146 --> 00:18:59,148 ウワッ! 252 00:18:59,148 --> 00:19:02,151 誰に頼まれた? 言え! イテテテ… イテッ… 253 00:19:02,151 --> 00:19:04,153 腰本治右衛門か? 254 00:19:04,153 --> 00:19:07,156 そのとおりでございます 255 00:19:07,156 --> 00:19:10,159 恋の恨みとは恐ろしいものよ 256 00:19:10,159 --> 00:19:13,162 小芳を 無理にも梅甫先生と別れさせ➡ 257 00:19:13,162 --> 00:19:17,166 己がものにしようという 腰本の魂胆が見え透いているわ! 258 00:19:17,166 --> 00:19:19,166 ウッ! 259 00:19:22,171 --> 00:19:26,175 《早乙女主水之介 傷供養に このけんかを買った》 260 00:19:26,175 --> 00:19:29,111 《いつでも 退屈払いに まいってつかわす》 261 00:19:29,111 --> 00:19:32,114 《そのほう 妹の権力を笠に 我らに挑むならば➡ 262 00:19:32,114 --> 00:19:35,117 天下御免の眉間傷にて 応対いたそう》 263 00:19:35,117 --> 00:19:38,117 《腰本治右衛門どの》 264 00:19:43,125 --> 00:19:46,128 少し痛いぞ だが 上総十五郎は➡ 265 00:19:46,128 --> 00:19:49,131 もっと痛い目に遭っている 我慢をして帰れ 266 00:19:49,131 --> 00:19:53,135 ウウッ! アアッ! 267 00:19:53,135 --> 00:19:55,135 それ! アアッ! 268 00:20:01,143 --> 00:20:03,145 待つ身は つらいものよ 269 00:20:03,145 --> 00:20:08,150 今日で もう3日 何の音沙汰もない 270 00:20:08,150 --> 00:20:11,153 待つ身のつらさは 同じものでございますよ 271 00:20:11,153 --> 00:20:14,156 ねえ? お殿さま (長次)殿さま! 272 00:20:14,156 --> 00:20:16,158 女将さん そんな でれでれしてる 場合じゃありませんよ 273 00:20:16,158 --> 00:20:21,163 例の 腰本の使いが来ましたよ 来たか 274 00:20:21,163 --> 00:20:24,166 (武士)ハッ… ははっ! 275 00:20:24,166 --> 00:20:29,104 ほう… これは懐かしい顔だ どうだ? 1杯 276 00:20:29,104 --> 00:20:32,107 めっそうもございません! 手前 主人より… 277 00:20:32,107 --> 00:20:36,111 ハハッ… どうもどうも (武士)ははっ! 278 00:20:36,111 --> 00:20:38,111 はい 279 00:20:45,120 --> 00:20:50,125 (腰本)《手前ごとき者 到底 貴殿のお相手は でき申さず候》 280 00:20:50,125 --> 00:20:52,127 《ついては おわびかたがた➡ 281 00:20:52,127 --> 00:20:54,129 お近づきのしるしに 粗酒一献 差し上げたく➡ 282 00:20:54,129 --> 00:20:59,134 お乗り物 お差し向け申し上げ候間 何とぞ ご承引くださらば➡ 283 00:20:59,134 --> 00:21:05,140 腰本治右衛門 ありがたき幸せと存じ奉り候》 284 00:21:05,140 --> 00:21:07,140 よし 行こう 285 00:21:10,145 --> 00:21:14,149 ほう… ご大層な駕籠だな 286 00:21:14,149 --> 00:21:32,167 ♬~ 287 00:21:32,167 --> 00:21:34,169 合点だい (おゆう)あっ 長次 288 00:21:34,169 --> 00:21:37,172 いざとなったら すぐ 知らせておくれ 私も行くからね 289 00:21:37,172 --> 00:21:40,175 女将さんが乗り出したって どうにもならねえでしょう 290 00:21:40,175 --> 00:21:43,175 馬鹿にすんじゃないよ! 惚れた強みだよ 291 00:21:50,185 --> 00:21:52,187 ≪ おい ちょっと止めてくれ (武士)はぁ? 292 00:21:52,187 --> 00:21:57,126 ≪ なに 飲み過ぎてな 催してきた 293 00:21:57,126 --> 00:21:59,128 はっ… 止めろ 294 00:21:59,128 --> 00:22:05,134 ♬~ 295 00:22:05,134 --> 00:22:07,134 ンン… 296 00:22:09,138 --> 00:22:12,141 逃げるんじゃないかと心配なら そのほうも つきあえ 297 00:22:12,141 --> 00:22:14,143 えっ? 298 00:22:14,143 --> 00:22:16,145 あっ… 299 00:22:16,145 --> 00:22:21,150 ♬~ 300 00:22:21,150 --> 00:22:23,150 (殴る音) ウッ! 301 00:22:31,160 --> 00:22:35,164 (殴る音) 302 00:22:35,164 --> 00:22:37,166 ≪(長次)殿さま! 303 00:22:37,166 --> 00:22:40,169 ヘヘヘッ… さすが殿さまね 何かあると思ったんですよ 304 00:22:40,169 --> 00:22:43,172 怒っちゃいけませんよ ええ 惚れた強みですからね 305 00:22:43,172 --> 00:22:46,175 せっかく つけてきたからには 長の字 ひと役買ってくれ 306 00:22:46,175 --> 00:22:48,175 (手をたたく音) 待ってました! 307 00:22:53,182 --> 00:22:56,185 あ~… まるで大名屋敷だな 308 00:22:56,185 --> 00:23:00,122 殿さまは1200石 腰本の野郎は 1000石ぽっきりでしょう? 309 00:23:00,122 --> 00:23:02,124 なのに 構えは月とすっぽんだもんね 310 00:23:02,124 --> 00:23:06,124 頼むぞ 長の字 へい とにかく やってみます 311 00:23:19,141 --> 00:23:21,143 しーっ… 312 00:23:21,143 --> 00:23:25,147 分かったな? 俺が主水之介をそこへ連れていく 313 00:23:25,147 --> 00:23:30,152 そこで お前の色香で惑わせて 油断させ➡ 314 00:23:30,152 --> 00:23:33,152 ひと突きにするのだ 315 00:23:35,157 --> 00:23:39,161 相手は名代の使い手だが 万一 仕損じたとしても➡ 316 00:23:39,161 --> 00:23:44,166 上さまお気に入りのお前を 斬るようなことは まずあるまい 317 00:23:44,166 --> 00:23:56,178 ♬~ 318 00:23:56,178 --> 00:24:07,178 ♬~ 319 00:24:10,125 --> 00:24:12,127 ご丁重なるお招きに預かり➡ 320 00:24:12,127 --> 00:24:16,131 早乙女主水之介 ただいま まかり越し申した 321 00:24:16,131 --> 00:24:21,136 いやぁ これは これは それにしても お拾いとは 322 00:24:21,136 --> 00:24:25,140 確か お乗り物を差し向けましたはず 323 00:24:25,140 --> 00:24:28,140 さあ どうぞ どうぞ 324 00:24:47,162 --> 00:24:52,167 ほう… なかなか結構なお屋敷でござるな 325 00:24:52,167 --> 00:24:54,169 恐れ入ります 326 00:24:54,169 --> 00:24:59,107 腰本どのは 元黒鍬組の人足頭とはいえ➡ 327 00:24:59,107 --> 00:25:04,112 今や 殿中きっての実力者 いや とてもとても 328 00:25:04,112 --> 00:25:06,114 実は 本日➡ 329 00:25:06,114 --> 00:25:09,117 早乙女どのをお招きしたのは 拙宅のほうではなく➡ 330 00:25:09,117 --> 00:25:12,120 別に静かな場所を 用意いたしたのでございますが 331 00:25:12,120 --> 00:25:16,124 何かの手違いのために… 別な場所と? 332 00:25:16,124 --> 00:25:36,144 ♬~ 333 00:25:36,144 --> 00:25:49,157 ♬~ 334 00:25:49,157 --> 00:26:01,103 ♬~ 335 00:26:01,103 --> 00:26:03,103 (武士)こちらでございます 336 00:26:23,125 --> 00:26:29,131 名高いそのほうの 向こう傷を見とうなり申してのぅ 337 00:26:29,131 --> 00:26:36,138 さあ 遠慮は要らぬ 面を上げよ 338 00:26:36,138 --> 00:26:39,141 お部屋さま 339 00:26:39,141 --> 00:26:42,144 何ゆえ 早乙女主水之介なぞを このような場所へ? 340 00:26:42,144 --> 00:26:46,148 見れば 酒肴の用意など 調えていられるとは➡ 341 00:26:46,148 --> 00:26:50,152 ちと お戯れが過ぎませぬか? 342 00:26:50,152 --> 00:26:55,157 (笑い声) 343 00:26:55,157 --> 00:27:01,096 上さまから 特にいただいた僅かの暇を➡ 344 00:27:01,096 --> 00:27:05,100 そなたと 過ごしてみたかっただけのこと 345 00:27:05,100 --> 00:27:08,100 さあ こちらに 346 00:27:11,106 --> 00:27:13,108 ついでたもれ 347 00:27:13,108 --> 00:27:15,110 ご命令とあらば おつぎいたしましょう 348 00:27:15,110 --> 00:27:20,115 だが かようなことが 上さまのお耳に達しますれば… 349 00:27:20,115 --> 00:27:25,115 恐ろしいかえ? なんの 恐ろしいのはお部屋さま 350 00:27:43,138 --> 00:27:47,142 さあ そのほうも盃を取りゃれ 351 00:27:47,142 --> 00:27:49,142 ちょうだいつかまつります 352 00:27:54,149 --> 00:27:58,149 せっかくの御酒 いただきましょう 353 00:28:00,088 --> 00:28:02,090 あっ… 354 00:28:02,090 --> 00:28:13,101 ♬~ 355 00:28:13,101 --> 00:28:24,112 ♬~ 356 00:28:24,112 --> 00:28:27,115 本日は したたか 酔うてみとうなりましたぞ 357 00:28:27,115 --> 00:28:31,115 いや ずんと面白くなり申した 358 00:28:33,121 --> 00:28:37,125 許してたもれ 今のことは 359 00:28:37,125 --> 00:28:42,130 聞きしに及ぶ そなたの腕を 試みたまで 360 00:28:42,130 --> 00:28:44,132 わらわとて 今宵は➡ 361 00:28:44,132 --> 00:28:48,136 そなたと心行くまで 打ち解けてみたいのじゃ 362 00:28:48,136 --> 00:28:52,140 そう来なくてはなりませぬな 363 00:28:52,140 --> 00:28:55,143 さあ もそっと そばに 364 00:28:55,143 --> 00:28:59,080 ご命令とあれば 喜んで 365 00:28:59,080 --> 00:29:04,085 ♬~ 366 00:29:04,085 --> 00:29:07,088 ほんに そなたは よい男 367 00:29:07,088 --> 00:29:10,091 お部屋さまほどの美しい女性は 存じませぬ 368 00:29:10,091 --> 00:29:14,095 退屈の虫が うれし泣きいたしております 369 00:29:14,095 --> 00:29:34,115 ♬~ 370 00:29:34,115 --> 00:29:45,115 ♬~ 371 00:29:51,132 --> 00:29:54,135 女将さん 大変だよ! これこそ天下の一大事! 372 00:29:54,135 --> 00:29:56,137 うるさいね あたしゃ面白くないんだよ 373 00:29:56,137 --> 00:29:59,074 いいえ それなんで えらいことに なっちゃったんでさ 374 00:29:59,074 --> 00:30:02,077 こりゃ瓦版に刷ったらね いくら刷っても売り切れだよ 375 00:30:02,077 --> 00:30:06,081 その代わり 打ち首 獄門は 間違いねえや (おゆう)何だって!? 376 00:30:06,081 --> 00:30:10,085 とうとう 天下御免の殿さまも 女の色香に迷っちまったんでさ 377 00:30:10,085 --> 00:30:13,085 どこの どいつだい? その女ってのは 378 00:30:19,094 --> 00:30:22,097 アア… まだ生きていなすった 379 00:30:22,097 --> 00:30:26,101 ちきしょう あれがお殿さまかい? すると あの女は… 380 00:30:26,101 --> 00:30:28,101 女将さん しーっ! 381 00:30:36,111 --> 00:30:39,111 アイタッ! イタッ… (おゆう)しーっ! 382 00:31:00,135 --> 00:31:09,144 ♬~ 383 00:31:09,144 --> 00:31:11,146 (刺さる音) 384 00:31:11,146 --> 00:31:15,150 アア… いい気持ちでござるな 385 00:31:15,150 --> 00:31:21,150 正に 膝枕5000石の値打ち 386 00:31:25,160 --> 00:31:27,160 女将さん! アイタッ! 387 00:31:31,166 --> 00:31:33,168 お殿さま! 388 00:31:33,168 --> 00:31:37,172 一体 その真似は何です? その人が まさか 将軍さまの? 389 00:31:37,172 --> 00:31:41,176 うん ご寵愛 第一のお紋さまだ 390 00:31:41,176 --> 00:31:43,178 えっ? 391 00:31:43,178 --> 00:31:47,182 そ… そんなことして お殿さま 392 00:31:47,182 --> 00:31:49,184 一体 どうなると思ってるんですよ? 393 00:31:49,184 --> 00:31:54,184 人に知られりゃ まず切腹もんだな 394 00:32:04,132 --> 00:32:07,135 ひと思いに刺せなかったのは 残念だが➡ 395 00:32:07,135 --> 00:32:11,139 これで また 別な お膳立てができたわい 396 00:32:11,139 --> 00:32:15,143 お紋 なかなかやるぞ 397 00:32:15,143 --> 00:32:17,145 そんなに膝枕がしたけりゃ➡ 398 00:32:17,145 --> 00:32:21,149 私の膝を いつだって 貸してあげますよ 399 00:32:21,149 --> 00:32:24,152 身分や位は 提灯と釣り鐘でも… 400 00:32:24,152 --> 00:32:27,155 女っぷりじゃ 引けは取らないつもりですよ 401 00:32:27,155 --> 00:32:30,158 さあ お殿さま 早く一緒に帰りましょうよ 402 00:32:30,158 --> 00:32:36,164 そうか では そろそろ 枕を替えるか 403 00:32:36,164 --> 00:32:38,164 アア… 404 00:32:43,171 --> 00:32:46,174 大変だい! アア… 大変だ 大変だ 大変だ 405 00:32:46,174 --> 00:32:48,176 馬鹿! 邪魔するんじゃないよ 406 00:32:48,176 --> 00:32:50,178 膝枕の こんころもちも 分かりますけどね 407 00:32:50,178 --> 00:32:53,181 お殿さまのお屋敷に 今 大目付の小田切さまから➡ 408 00:32:53,181 --> 00:32:55,183 お使いがあって すぐ来いっつうんすよ 409 00:32:55,183 --> 00:32:57,118 お殿さま 410 00:32:57,118 --> 00:32:59,118 フフフフッ… とうとう来たか 411 00:33:09,197 --> 00:33:13,201 切腹せよとの ご上意にござりまするか? 412 00:33:13,201 --> 00:33:22,210 ♬~ 413 00:33:22,210 --> 00:33:27,148 (小田切)そのほうとは 格別に深いつきあいであった 414 00:33:27,148 --> 00:33:29,150 数ある大目付の中から➡ 415 00:33:29,150 --> 00:33:32,153 特に わしに この役目を仰せつけられたのは➡ 416 00:33:32,153 --> 00:33:34,155 皮肉と言えば皮肉 417 00:33:34,155 --> 00:33:39,160 また 深い意味があると言えば あるのかもしれぬ 418 00:33:39,160 --> 00:33:43,164 よいか? 早乙女主水之介を➡ 419 00:33:43,164 --> 00:33:46,167 首にしてまいれとの ご上意にあるぞ 420 00:33:46,167 --> 00:33:48,169 もし 切腹は嫌だと 申し上げましたならば➡ 421 00:33:48,169 --> 00:33:50,171 いかがなされますか? 422 00:33:50,171 --> 00:33:53,174 嫌か? 嫌でござりまする 423 00:33:53,174 --> 00:33:57,178 ハハッ… そうであろう 三河以来の直参旗本が➡ 424 00:33:57,178 --> 00:34:00,181 女の膝枕ぐらいで 腹を切ったとあらば➡ 425 00:34:00,181 --> 00:34:02,183 死んでも死にきれまい 426 00:34:02,183 --> 00:34:06,187 ご明察 しかし 仰せに背きましたときには➡ 427 00:34:06,187 --> 00:34:09,190 小田切さまのお立場は いかが相なりますか? 428 00:34:09,190 --> 00:34:12,193 まず 切腹であろうな 429 00:34:12,193 --> 00:34:15,196 はて… これは困りました 430 00:34:15,196 --> 00:34:20,201 日ごろから 大恩ある小田切さまに そのようなご迷惑をおかけしては 431 00:34:20,201 --> 00:34:25,206 では 切るか? 嫌でございます 432 00:34:25,206 --> 00:34:32,146 ハハハハッ… わしも切腹は嫌じゃ 433 00:34:32,146 --> 00:34:37,151 主水之介 上さまは 今 お浜御殿にお成りのはず 434 00:34:37,151 --> 00:34:39,153 すぐさま お浜御殿にまいって➡ 435 00:34:39,153 --> 00:34:42,156 上さま じきじきの お裁きを願うのじゃ 436 00:34:42,156 --> 00:35:02,156 ♬~ 437 00:35:06,180 --> 00:35:10,184 大変だ! 大変だ大変だ 大変だ大変だ! 438 00:35:10,184 --> 00:35:12,186 どうかしたんですか? 長次さん 439 00:35:12,186 --> 00:35:14,188 のんびりしてる場合じゃ ありませんよ! 440 00:35:14,188 --> 00:35:16,190 あっ 女将さん またやけ酒ですか そいつは いけませんよ 441 00:35:16,190 --> 00:35:18,192 天下御免の向こう傷の効き目が もう なくなるかっていう➡ 442 00:35:18,192 --> 00:35:21,195 瀬戸際なんですよ 大目付の小田切さまと殿さまが➡ 443 00:35:21,195 --> 00:35:23,197 お浜御殿に入るまでは それ見届けたんすよ 444 00:35:23,197 --> 00:35:25,199 ところがね それっきり 戻ってこねえんです 445 00:35:25,199 --> 00:35:29,199 戻ってきても こらもう冷てえ体に なってるかもしれねえや 446 00:35:39,147 --> 00:35:41,147 長次! 447 00:35:43,151 --> 00:35:46,151 ≪(家臣)お成~り~! 448 00:35:56,164 --> 00:35:59,167 (綱吉)余の命が 聞けぬと申すのか? 頼母 449 00:35:59,167 --> 00:36:01,169 ははっ! (綱吉)「はっ」では済むまい 450 00:36:01,169 --> 00:36:05,169 なぜ主水之介を生かしたまま 連れてまいった? 451 00:36:17,185 --> 00:36:19,185 茶を持て 452 00:36:37,138 --> 00:36:42,143 主水之介 申し開きあらば 聞いてつかわす 面を上げい はっ 453 00:36:42,143 --> 00:36:47,143 (小田切)上意である 早乙女主水之介 面を上げませい 454 00:36:49,150 --> 00:36:53,154 上さまには いつになく 御爽やかなる御気色 455 00:36:53,154 --> 00:36:56,157 主水之介 何よりの喜びにござりまする 456 00:36:56,157 --> 00:37:02,163 なに? 余の怒った顔が そちには 爽やかに見えると申すのか? 457 00:37:02,163 --> 00:37:05,166 取るにも足らぬ佞人ばらの 讒言をお聞きあそばして➡ 458 00:37:05,166 --> 00:37:08,169 さだめし お心 乱しなさるようではと➡ 459 00:37:08,169 --> 00:37:12,173 道々 心を痛めて まかり越しましてござりまするが 460 00:37:12,173 --> 00:37:16,177 いつに変わらぬ爽やかさ さすが 権現さまお血筋 461 00:37:16,177 --> 00:37:21,182 二つなきご名君と 主水之介 喜ばしき儀にござりまする 462 00:37:21,182 --> 00:37:26,187 黙れ! 「佞人ばら」とは何事じゃ 誰のことを申しておるのだ! 463 00:37:26,187 --> 00:37:32,126 すなわち 腰本治右衛門 また お紋さま 464 00:37:32,126 --> 00:37:36,126 黙れ! 紋が佞人とは何事じゃ! 465 00:37:38,132 --> 00:37:44,138 紋は 余には またなく愛い奴 466 00:37:44,138 --> 00:37:49,143 たわけを申すと許さぬぞ それこそ佞人の証拠 467 00:37:49,143 --> 00:37:53,147 ご名君のお目を乱し奉るが 何よりの証拠にござります 468 00:37:53,147 --> 00:37:57,151 腰本治右の申すこと 皆 偽りじゃと申すのか? 469 00:37:57,151 --> 00:38:02,156 御意 早乙女主水之介は 三河以来の由緒ある旗本 470 00:38:02,156 --> 00:38:06,160 恐れながら 上さまご寵愛のお部屋さまと➡ 471 00:38:06,160 --> 00:38:09,163 聞くも はばかり多い不義密通を はたらくなど➡ 472 00:38:09,163 --> 00:38:11,165 心腐ってはおりませぬ 473 00:38:11,165 --> 00:38:15,169 待て 治右は そのほうが酒に酔いしれて➡ 474 00:38:15,169 --> 00:38:19,169 紋に戯れを仕掛けたと 申しておったぞ 475 00:38:21,175 --> 00:38:23,177 頼母 どうなのじゃ? 476 00:38:23,177 --> 00:38:28,116 恐れながら お上のお目を 汚し奉る証拠の品が➡ 477 00:38:28,116 --> 00:38:32,120 これにござります (綱吉)何の証拠だ? 478 00:38:32,120 --> 00:38:37,125 近ごろの治右は お上の お覚えのよいことを笠に着て➡ 479 00:38:37,125 --> 00:38:39,127 仲間内からは賄を取り➡ 480 00:38:39,127 --> 00:38:42,130 また 出入り商人の支払いには とんと 梨のつぶて 481 00:38:42,130 --> 00:38:46,134 果ては 他人の女房にまで横恋慕 482 00:38:46,134 --> 00:38:51,139 あるまじき横道を仕掛け 主水之介に とがめられると➡ 483 00:38:51,139 --> 00:38:53,141 ひそかに お紋さまに策を申し上げ 484 00:38:53,141 --> 00:38:57,145 主水之介を呼び寄せて 殺害させようとたくらみ➡ 485 00:38:57,145 --> 00:39:01,149 事がならぬ場合には 色仕掛けにて 486 00:39:01,149 --> 00:39:03,151 なんと!? 487 00:39:03,151 --> 00:39:07,155 これが それがしの配下を忍ばせ 密談のいちいちを➡ 488 00:39:07,155 --> 00:39:09,157 書き取らせましたる品に ござります 489 00:39:09,157 --> 00:39:11,157 見せい! (小田切)はっ! 490 00:39:27,108 --> 00:39:29,108 なんたること… 491 00:39:36,117 --> 00:39:41,122 事が どうあろうとも 紋の膝枕とは許せぬ 492 00:39:41,122 --> 00:39:45,126 《ご名君も やきもちを焼いておられる》 493 00:39:45,126 --> 00:39:49,130 主水之介 もとより 上さまのお怒りは覚悟のうえ 494 00:39:49,130 --> 00:39:52,133 ご意見代わりに お膝を汚し奉ったからには➡ 495 00:39:52,133 --> 00:39:56,137 切腹 お手討ち さらさら いといませぬ 496 00:39:56,137 --> 00:40:00,141 それにしても 憎い奴じゃ 膝枕とは 497 00:40:00,141 --> 00:40:04,145 申してみい どのような心地がいたした? 498 00:40:04,145 --> 00:40:09,150 女狐の膝 氷のように冷とうございました 499 00:40:09,150 --> 00:40:13,154 女狐? 紋を女狐とな? 500 00:40:13,154 --> 00:40:19,160 御意 上さまを化かし奉る 金毛九尾の女狐 501 00:40:19,160 --> 00:40:24,165 たわけ者! その面見るも 気分が悪しゅうなる 502 00:40:24,165 --> 00:40:28,165 追って 沙汰をいたす 下がれ! ははっ! 503 00:40:39,180 --> 00:40:42,183 主水之介 やるのう 504 00:40:42,183 --> 00:40:47,188 死を決すれば 何事も恐れませぬ では これにて 屋敷に戻り➡ 505 00:40:47,188 --> 00:40:51,192 早速 切腹の用意 整えて お待ちいたしております 506 00:40:51,192 --> 00:41:04,192 ♬~ 507 00:41:09,210 --> 00:41:13,210 ≪(綱吉)頼母 (小田切)ははっ! 508 00:41:16,217 --> 00:41:20,221 そちも 腹を切る覚悟でまいったな? 509 00:41:20,221 --> 00:41:24,225 それほどまでに 主水之介が かわゆいか? 510 00:41:24,225 --> 00:41:26,227 御意 511 00:41:26,227 --> 00:41:31,227 余も 主水之介を死なせとうはないぞ 512 00:41:34,168 --> 00:41:36,170 ははーっ! 513 00:41:36,170 --> 00:41:41,175 ♬~ 514 00:41:41,175 --> 00:41:44,178 (おゆう)お殿さま よくご無事で (長次)やっぱり おいらの殿さまだ 515 00:41:44,178 --> 00:41:47,181 忍び込んでも お助けしようとね 3人で駆けつけたんすよ 516 00:41:47,181 --> 00:41:50,184 馬鹿め お前たちが そうやすやすと➡ 517 00:41:50,184 --> 00:41:52,184 お浜御殿に忍び込めるものか 518 00:41:54,188 --> 00:41:58,188 (おゆう)ちきしょう! (十五郎)いよいよ 命の捨て所だい 519 00:42:02,196 --> 00:42:06,196 下郎ども 手出しはならんぞ 520 00:42:08,202 --> 00:42:12,206 どなたかは知らぬが 面白い相手 521 00:42:12,206 --> 00:42:15,209 斬って捨てるは いと やすいが まずは… 522 00:42:15,209 --> 00:42:17,209 (配下)ヤーッ! 523 00:42:21,215 --> 00:42:23,217 トーッ! 524 00:42:23,217 --> 00:42:25,219 (受け止める音) 525 00:42:25,219 --> 00:42:27,219 (殴る音) 526 00:42:29,156 --> 00:42:31,156 ターッ! 527 00:42:33,160 --> 00:42:37,164 心配いたすな 強くは当てぬ 528 00:42:37,164 --> 00:42:39,164 (殴る音) 529 00:42:44,171 --> 00:42:46,171 (殴る音) ウワーッ! 530 00:42:50,177 --> 00:42:55,182 どなたか知らぬが 我らも主水之介に恨みを抱く者! 531 00:42:55,182 --> 00:42:57,184 助勢つかまつるぞ! 532 00:42:57,184 --> 00:43:02,184 推参者め! この向こう傷に ものを言わせたいのか? 533 00:43:12,199 --> 00:43:17,204 どうした? 助勢すると申すのに なぜ手を引くのじゃ!? 534 00:43:17,204 --> 00:43:21,208 上総の十五郎 そろそろ暴れてもよいぞ 535 00:43:21,208 --> 00:43:24,211 へい! よ~し お許しが出たからには➡ 536 00:43:24,211 --> 00:43:27,148 御前さまに 指1本ささせるもんじゃねえ 537 00:43:27,148 --> 00:43:29,150 野郎 片っ端から たたき殺してやらぁ! 538 00:43:29,150 --> 00:43:35,156 ♬~ 539 00:43:35,156 --> 00:43:37,156 ≪(武士)ターッ! 540 00:43:40,161 --> 00:43:42,161 (刀の打ち合う音) 541 00:43:46,167 --> 00:43:48,169 (武士)待てい! 542 00:43:48,169 --> 00:43:57,178 ♬~ 543 00:43:57,178 --> 00:43:59,178 (斬る音) 544 00:44:02,183 --> 00:44:04,183 ヤーッ! 545 00:44:08,189 --> 00:44:10,189 (斬る音) 546 00:44:14,195 --> 00:44:16,197 (十五郎)ヤーッ! 547 00:44:16,197 --> 00:44:24,205 ♬~ 548 00:44:24,205 --> 00:44:26,207 ンンッ! 549 00:44:26,207 --> 00:44:28,142 (武士)野郎! 550 00:44:28,142 --> 00:44:37,151 ♬~ 551 00:44:37,151 --> 00:44:39,153 (斬る音) ウワーッ! 552 00:44:39,153 --> 00:44:44,158 ♬~ 553 00:44:44,158 --> 00:44:46,158 (刺す音) 554 00:44:50,164 --> 00:44:52,166 (斬る音) 555 00:44:52,166 --> 00:45:00,174 ♬~ 556 00:45:00,174 --> 00:45:02,176 (斬る音) 557 00:45:02,176 --> 00:45:08,182 ♬~ 558 00:45:08,182 --> 00:45:12,186 おのおの方 なぜ手を引くのだ!? 559 00:45:12,186 --> 00:45:17,191 今こそ 早乙女主水之介の 息の根を止める絶好の機会 560 00:45:17,191 --> 00:45:19,193 おのおの方は 一体 何者だ!? 561 00:45:19,193 --> 00:45:22,193 控えい 腰本治右衛門! 562 00:45:24,198 --> 00:45:30,198 そこに おいであそばすお方が そのほうには 目に入らぬか! 563 00:45:34,141 --> 00:45:36,143 ハッ… 564 00:45:36,143 --> 00:45:38,145 おゆう 長次 十五郎 565 00:45:38,145 --> 00:45:42,145 ともども 頭が高い 神妙に下座せい 566 00:45:45,152 --> 00:45:49,156 上さま 三河以来の旗本の手のうち 567 00:45:49,156 --> 00:45:54,156 生っ粋の直参の根性のほど いかがでござりましょうや 568 00:46:03,170 --> 00:46:08,175 (綱吉) ハハハハッ… 見破りおったな 569 00:46:08,175 --> 00:46:10,177 恐れながら その短槍の勢い 570 00:46:10,177 --> 00:46:13,180 そろいもそろった 御留流の正法眼流 571 00:46:13,180 --> 00:46:16,183 これこそ 上さまを お守りする御近侍衆でなくて➡ 572 00:46:16,183 --> 00:46:18,185 何でございましょう? 573 00:46:18,185 --> 00:46:26,193 余の近侍と知って 刃を使わず 当て身を食らわした憎い奴よのぅ 574 00:46:26,193 --> 00:46:32,132 先刻は そちに とっちめられた 申すこと いちいち もっとも至極 575 00:46:32,132 --> 00:46:35,135 しかし まだ癇癪の晴れようがない 576 00:46:35,135 --> 00:46:40,140 そこで 主水之介の腕前を試してみたのだ 577 00:46:40,140 --> 00:46:45,145 治右 そのほうの妹 紋には 永のいとまを取らせたぞ 578 00:46:45,145 --> 00:46:47,147 えっ!? 579 00:46:47,147 --> 00:46:52,152 主水之介 上意であるぞ 腰本治右衛門を斬って捨てい 580 00:46:52,152 --> 00:46:54,154 (斬る音) アアッ! 581 00:46:54,154 --> 00:47:00,154 (うめき声) 582 00:47:05,165 --> 00:47:08,168 さすがに ご名君 583 00:47:08,168 --> 00:47:12,172 よくぞ ここまで 女狐を思い切られましたな 584 00:47:12,172 --> 00:47:16,176 正にご名君 いや これぞ 天下に二つなきご名君 585 00:47:16,176 --> 00:47:20,180 その皮肉は もうやめい 586 00:47:20,180 --> 00:47:28,122 だが 主水之介 これからも時々は その名君を叱りにまいれよ 587 00:47:28,122 --> 00:47:41,135 ♬~ 588 00:47:41,135 --> 00:47:54,148 ♬~ 589 00:47:54,148 --> 00:47:56,150 驚きましたね 590 00:47:56,150 --> 00:47:59,153 たったさっきまで いちばんかわいがってた女と➡ 591 00:47:59,153 --> 00:48:01,155 すっぱり手を切ってしまうなんて 592 00:48:01,155 --> 00:48:04,158 本当に ご名君なんですかね? いや ただの人だ 593 00:48:04,158 --> 00:48:08,162 それが 黒を白と言う力を 持っているだけに 余計に困るんだ 594 00:48:08,162 --> 00:48:12,166 ひとつ間違えば 天下万民が泣かされるからな 595 00:48:12,166 --> 00:48:15,169 じゃ 将軍さまは馬鹿なんですか? 596 00:48:15,169 --> 00:48:18,172 馬鹿さ お前だから言うけどな 597 00:48:18,172 --> 00:48:21,175 将軍さまも 俺と同じぐらい馬鹿殿さまだ 598 00:48:21,175 --> 00:48:25,179 じゃ お殿さまも馬鹿なんですか? 599 00:48:25,179 --> 00:48:32,119 馬鹿さ こんな馬鹿なことに 命を懸ける馬鹿な男さ 600 00:48:32,119 --> 00:48:37,124 フフッ… 私 馬鹿って大好きなの 601 00:48:37,124 --> 00:48:39,126 うん? 602 00:48:39,126 --> 00:48:42,126 だって 私が いちばんの馬鹿だもの 603 00:48:44,131 --> 00:48:47,131 お殿さま 604 00:48:50,137 --> 00:49:08,137 ♬~ 605 00:49:13,193 --> 00:49:15,195 <悲しき盗賊 山椒小僧が➡ 606 00:49:15,195 --> 00:49:19,199 ある夜 忍び入った大名屋敷で 聞いたのは その中で渦巻く陰謀> 607 00:49:19,199 --> 00:49:21,201 <ここに ひとりの女が➡ 608 00:49:21,201 --> 00:49:24,204 また新しい悲しみを 押しつけられようとした> 609 00:49:24,204 --> 00:49:28,208 <山椒小僧の暗い過去と 跡目争いの渦に流される女の➡ 610 00:49:28,208 --> 00:49:32,212 悲しい現在が 闇の中で きらりと交差するとき➡ 611 00:49:32,212 --> 00:49:37,217 早乙女主水之介は 彼の怒りを 諸羽流 正眼崩しに託し➡ 612 00:49:37,217 --> 00:49:39,217 ひとり 闇の中を駆けていく>