1 00:01:57,241 --> 00:01:58,109 2 00:01:58,109 --> 00:02:18,129 ♬~ 3 00:02:18,129 --> 00:02:32,143 ♬~ 4 00:02:32,143 --> 00:02:46,143 ♬~ 5 00:02:48,125 --> 00:02:54,125 ♬~ 6 00:03:00,137 --> 00:03:03,140 (お米)これは 奥方さまへの お土産物ですよ 7 00:03:03,140 --> 00:03:06,143 特に 砂糖を詰めましたからね 8 00:03:06,143 --> 00:03:09,146 (お咲)まあ! きっと お喜びくださいますわ 9 00:03:09,146 --> 00:03:12,149 これは朋輩衆へのお土産の呉服物 10 00:03:12,149 --> 00:03:14,151 間違いのないようにね (お咲)はい 11 00:03:14,151 --> 00:03:18,155 (番頭)いらっしゃいまし! (新兵衛)いや 客ではない 12 00:03:18,155 --> 00:03:21,158 こちらは 烏山藩 江戸藩邸に 上がっておられる➡ 13 00:03:21,158 --> 00:03:24,161 お咲どのの ご実家でござるな? (番頭)はい さようでございますが 14 00:03:24,161 --> 00:03:26,161 うむ… (番頭)どうぞ 15 00:03:31,102 --> 00:03:33,104 拙者 古高新兵衛と申す者 16 00:03:33,104 --> 00:03:36,107 お咲どのと同じ藩邸に 勤めておるが 17 00:03:36,107 --> 00:03:40,111 実は拙者 国表から 出てまいって間もないので➡ 18 00:03:40,111 --> 00:03:45,116 今日は江戸見物のかたがた ふと この前を通りすがったもんでな 19 00:03:45,116 --> 00:03:49,120 これなる中間 六松が ご当家を 知っていて 教えてくれたんだ 20 00:03:49,120 --> 00:03:52,123 まあ 新兵衛さまが? 21 00:03:52,123 --> 00:03:55,126 (銀右衛門) なぜ すぐ お通ししないのだ? 22 00:03:55,126 --> 00:03:59,130 どんなお方じゃ? お若いのか? (番頭)はい それが どうしても➡ 23 00:03:59,130 --> 00:04:03,134 私事の用向きだから 店先でお待ちすると申されまして 24 00:04:03,134 --> 00:04:08,139 それでは ご挨拶せねばなるまい これ お米 羽織を (お米)はい 25 00:04:08,139 --> 00:04:11,142 お父さま 新兵衛さまは➡ 26 00:04:11,142 --> 00:04:16,142 烏山藩きっての剣の達人で 曲がったことの大嫌いなお方です 27 00:04:22,153 --> 00:04:25,156 これはこれは ようこそ 28 00:04:25,156 --> 00:04:29,093 そこは端近 さあ どうぞ 奥のほうへ 29 00:04:29,093 --> 00:04:32,096 いやいや 今日は通りすがりゆえ ここで十分 30 00:04:32,096 --> 00:04:35,099 新兵衛さまは とても お堅い方ですの 31 00:04:35,099 --> 00:04:41,105 無理に お勧めしても駄目 私も支度は整いましたから➡ 32 00:04:41,105 --> 00:04:43,107 ご一緒に お屋敷へ お供いたしましょう 33 00:04:43,107 --> 00:04:48,107 おお… さようか では これにて 34 00:04:50,114 --> 00:04:54,118 六松 荷物を持て (六松)へい! 35 00:04:54,118 --> 00:04:56,120 (銀右衛門) 六松さん お前さんには➡ 36 00:04:56,120 --> 00:05:00,120 時々 顔を見せてもらって すまないね (六松)いえ! 37 00:05:04,128 --> 00:05:08,132 立派なお侍だこと 38 00:05:08,132 --> 00:05:11,135 お咲は どうやら あの新兵衛さまに➡ 39 00:05:11,135 --> 00:05:13,137 心が動いているようですね 40 00:05:13,137 --> 00:05:16,140 年は取っても 女の勘で分かりますよ 41 00:05:16,140 --> 00:05:20,144 その古高新兵衛さまは どうやら お咲を好いていらっしゃるぞ 42 00:05:20,144 --> 00:05:22,146 本当ですか? 43 00:05:22,146 --> 00:05:24,148 (長次)なんですね 殿さま 瓦版のネタなんてのは➡ 44 00:05:24,148 --> 00:05:26,150 探しても 見つかるもんじゃありませんね 45 00:05:26,150 --> 00:05:28,085 (主水之介)当たり前だ 読売りで お前が大声を➡ 46 00:05:28,085 --> 00:05:31,088 上げなければならないような 事件が そうあって たまるか 47 00:05:31,088 --> 00:05:34,091 それじゃ 商売 上がったりですよ (おゆう)いいんだよ 長次 48 00:05:34,091 --> 00:05:36,093 女将さんはね お殿さまと歩いてりゃ➡ 49 00:05:36,093 --> 00:05:38,095 胸が いっぱいになるでしょう 50 00:05:38,095 --> 00:05:40,097 でも 少しはね 商売のこと 考えてもらわなくちゃ困るんだよ 51 00:05:40,097 --> 00:05:42,099 この際 長次と別れようか 52 00:05:42,099 --> 00:05:55,112 ♬~ 53 00:05:55,112 --> 00:05:57,114 いいんですよ お殿さま 54 00:05:57,114 --> 00:06:00,117 いくら 若くて きれいな娘だからってさ 55 00:06:00,117 --> 00:06:04,121 見知らぬ娘だからな なぜ俺に会釈をしたのだろう? 56 00:06:04,121 --> 00:06:08,125 ありゃ 本町の長崎屋の一人娘で お咲さんといってね 57 00:06:08,125 --> 00:06:10,127 町内きっての評判娘ですよ 58 00:06:10,127 --> 00:06:12,129 そうなんですよ あっしはね 前から 一度➡ 59 00:06:12,129 --> 00:06:15,132 瓦版に刷ってやりたいと 思ってたほど もう器量よしですよ 60 00:06:15,132 --> 00:06:19,136 あの娘 どこぞの武家屋敷にでも 奉公していると見えるな 61 00:06:19,136 --> 00:06:24,141 ええ 野州 烏山藩の江戸藩邸でね 腰元を務めてるそうですがね 62 00:06:24,141 --> 00:06:26,143 まあ あれほど きれいなもんすから➡ 63 00:06:26,143 --> 00:06:28,078 若侍たちが なんとか ものにしようと➡ 64 00:06:28,078 --> 00:06:32,082 しのぎを削ってるそうっすよ あっ これは瓦版のネタですね 65 00:06:32,082 --> 00:06:35,085 今の若侍も そうか? あ~ あの若侍は分かりませんがね 66 00:06:35,085 --> 00:06:37,087 あの中間のほうは よく知ってるんすよ 67 00:06:37,087 --> 00:06:41,087 六松っていいましてね もう 手慰みじゃ 相当の悪ですよ 68 00:06:43,093 --> 00:06:47,093 野州 烏山藩3万石か… 69 00:06:49,099 --> 00:06:53,103 (長次) 大変だー! 大変だよ 殿さま! いよいよ 瓦版のネタですよ! 70 00:06:53,103 --> 00:06:55,105 ねえ ちょっと起きてくださいよ 71 00:06:55,105 --> 00:06:58,108 昼寝なんかしてる場合じゃ ありませんよ! 聞こえておる 72 00:06:58,108 --> 00:07:00,110 ハハッ… つまり その… 何なんですよ ええ 73 00:07:00,110 --> 00:07:03,113 奉納試合が あした あるんですよ 水神さまの森でね 74 00:07:03,113 --> 00:07:06,116 水神さまは浮島神社 75 00:07:06,116 --> 00:07:09,119 烏山藩が 確か 氏子総代だったな 76 00:07:09,119 --> 00:07:13,123 毎年 藩侯の誕生日に 奉納試合があるとは聞いていたが 77 00:07:13,123 --> 00:07:15,125 それなんですよ それが今年は大変! 78 00:07:15,125 --> 00:07:18,128 何しろね 藩中の奉納試合で勝った者に➡ 79 00:07:18,128 --> 00:07:20,130 とんでもねえ褒美を くださるってんだ! 80 00:07:20,130 --> 00:07:23,133 金か ご加増か… 81 00:07:23,133 --> 00:07:25,135 ヘヘッ… そんなことなら なにもね 82 00:07:25,135 --> 00:07:28,072 「大変だ 大変だ」と あっしは こっち来ませんよ 83 00:07:28,072 --> 00:07:32,076 烏山 江戸藩邸 随一の美女が 褒美に賭けられるってんでさぁ 84 00:07:32,076 --> 00:07:35,079 ヘヘッ… そう来なくっちゃ! ばかばかしい! 85 00:07:35,079 --> 00:07:39,083 人身御供じゃあるまいし 生身の人間を褒美にするとは➡ 86 00:07:39,083 --> 00:07:43,087 烏山3万石の藩主も いささか ぼけたな 87 00:07:43,087 --> 00:07:45,089 ええ そんなところでしょうねえ 88 00:07:45,089 --> 00:07:48,092 ところで その褒美の 美女ってえのが誰だと思いやす? 89 00:07:48,092 --> 00:07:51,095 ほれほれ この間の… 90 00:07:51,095 --> 00:07:56,100 ♬~ 91 00:07:56,100 --> 00:07:58,102 ヘヘッ… そのお顔色 へい! 92 00:07:58,102 --> 00:08:02,106 それでこそ 瓦版のネタに なりまさぁ! 奉納試合は あした 93 00:08:02,106 --> 00:08:04,108 ねえ 殿さま 見物 行ってくださるんでしょうね? 94 00:08:04,108 --> 00:08:06,110 退屈の虫が ちろりんと鳴いたな 95 00:08:06,110 --> 00:08:10,114 待ってました! ええ! やっぱり 美女を賭けた試合となりますと➡ 96 00:08:10,114 --> 00:08:12,116 ヘヘッ… 鳴きますかね 97 00:08:12,116 --> 00:08:15,119 長の字 確かに あの娘は 江戸市中でも指折りの美女だ 98 00:08:15,119 --> 00:08:18,122 だからといって 俺は行くのではない 99 00:08:18,122 --> 00:08:23,127 女を賭けて試合をするという 烏山藩の気まぐれに腹が立つ 100 00:08:23,127 --> 00:08:27,064 女も人間 品物ではない! ええ そらもう 分かってまさぁ! 101 00:08:27,064 --> 00:08:29,066 長の字 へい! 102 00:08:29,066 --> 00:08:31,068 いかさま これは瓦版の種になるかもしれん 103 00:08:31,068 --> 00:08:35,072 なぜ あの美女が 奉納試合に賭けられたか 104 00:08:35,072 --> 00:08:38,075 今宵のうちに そのいきさつを 聞き込んできてくれ 105 00:08:38,075 --> 00:08:40,075 へい! エヘヘヘッ… 106 00:08:42,079 --> 00:08:47,084 (壺振り) まいります! ようござんすか? ようござんすね? 107 00:08:47,084 --> 00:08:49,084 入ります! (さいころの音) 108 00:08:51,088 --> 00:08:54,091 (中盆) さあ 張った張った 張った張った 丁方ないか 丁方ないか! 109 00:08:54,091 --> 00:08:56,093 半方ないか 半方ないか! (六松)半! 110 00:08:56,093 --> 00:08:58,095 (中盆) 丁 足りない! 丁30足りない! 111 00:08:58,095 --> 00:09:01,098 (中間)丁! (中盆)駒が そろいました 112 00:09:01,098 --> 00:09:04,101 (壺振り)勝負! (中盆)二六の丁! 113 00:09:04,101 --> 00:09:07,101 (六松)ちきしょう! (中間)あ~あ… 114 00:09:09,106 --> 00:09:11,108 (黒住)降りるのか? 115 00:09:11,108 --> 00:09:15,112 へい… もう すってんてんでさぁ 116 00:09:15,112 --> 00:09:18,115 全く今日は ついてなかったなぁ 117 00:09:18,115 --> 00:09:21,118 駒を貸してやろう もう少し遊んでいけ 118 00:09:21,118 --> 00:09:23,120 ああっ… とんでもねえ 黒住さま 119 00:09:23,120 --> 00:09:27,057 あっしは もう 1年分ほどの 給金を回してもらってるんですぜ 120 00:09:27,057 --> 00:09:30,060 これ以上 借りが増えたら 首をくくらなきゃならねえ 121 00:09:30,060 --> 00:09:36,066 心配いたすな おう 駒回してやれ (藩士)はっ! ほれ 122 00:09:36,066 --> 00:09:40,070 アア… こいつは10両分ですぜ 123 00:09:40,070 --> 00:09:45,075 金のことは 俺に任せておけ (六松)へい! 124 00:09:45,075 --> 00:09:47,077 待った 待った 待った… (中盆)丁方ないか 丁方ないか! 125 00:09:47,077 --> 00:09:50,080 丁だ! (中盆)そろいました! 126 00:09:50,080 --> 00:09:54,084 勝負! (中盆)五二の半! 127 00:09:54,084 --> 00:09:58,088 アア… ちきしょう! 128 00:09:58,088 --> 00:10:05,095 ♬~ 129 00:10:05,095 --> 00:10:07,097 (黒住)六松 130 00:10:07,097 --> 00:10:11,101 ハッ!? ば… ばっさりですか? 131 00:10:11,101 --> 00:10:15,105 どうせ 首をくくろうか 大川へ飛び込もうかと➡ 132 00:10:15,105 --> 00:10:18,108 思っていたところです ひと思いに やっておくんなせえ! 133 00:10:18,108 --> 00:10:23,113 ハハハハッ… お前に死なれては 貸した金が返ってこない 134 00:10:23,113 --> 00:10:28,051 多分 死ぬ気だろうと思って 心配して つけてきたのだ 135 00:10:28,051 --> 00:10:34,057 さあ どこぞで1杯やろう 元気を出せ 136 00:10:34,057 --> 00:10:36,059 (店主) おまちどおさまでございました 137 00:10:36,059 --> 00:10:38,059 (黒住)ああ… 138 00:10:40,063 --> 00:10:42,065 有り合わせで どうも… 139 00:10:42,065 --> 00:10:45,065 いや 無理を言って すまんな (店主)ごゆっくり 140 00:10:53,076 --> 00:10:58,081 お前の心がけひとつで 士分に 取り立てられる道が残っておる 141 00:10:58,081 --> 00:11:01,084 えっ!? あっしが お侍に? 142 00:11:01,084 --> 00:11:07,090 野州 烏山藩は僅か3万石だが 極めて領国は安泰だ 143 00:11:07,090 --> 00:11:10,093 これは 国家老の氏家修理さまが 144 00:11:10,093 --> 00:11:14,097 殿の参勤交代の留守中 賢明に 善政を敷いておられるからだ 145 00:11:14,097 --> 00:11:17,100 承っております 結構なことでございますな 146 00:11:17,100 --> 00:11:20,103 結構ではない (六松)えっ? 147 00:11:20,103 --> 00:11:25,108 戦ひとつない元禄 太平の世では 何事か起こらねば➡ 148 00:11:25,108 --> 00:11:32,108 我ら士分の者も お前のような 中間 小者も出世はできぬ 149 00:11:35,118 --> 00:11:40,123 江戸藩邸に詰めておられる 江戸家老 辻堂内膳さまは➡ 150 00:11:40,123 --> 00:11:42,125 そのことを考えておられるのだ 151 00:11:42,125 --> 00:11:46,129 はぁ… あっしのような者には さっぱりと分かりやせん 152 00:11:46,129 --> 00:11:50,133 お前でも役立つことがある 153 00:11:50,133 --> 00:11:53,136 だから 特に見込んで打ち明けるのだ 154 00:11:53,136 --> 00:11:56,139 へい! 黒住さまには 何しろ 賭場の借りが… 155 00:11:56,139 --> 00:12:01,144 事が成就すれば そのようなことは棒引きになる 156 00:12:01,144 --> 00:12:07,150 その上 お前は侍になり お咲を女房にすることができる 157 00:12:07,150 --> 00:12:09,152 ゆ… 夢みてえな話でさぁ! 158 00:12:09,152 --> 00:12:12,155 …で あっしは 何をすれば よろしいんでしょうか? 159 00:12:12,155 --> 00:12:16,159 俗にいう お家騒動の片棒を担ぐのだ 160 00:12:16,159 --> 00:12:18,159 ええっ? 161 00:12:23,166 --> 00:12:29,106 (黒住)お家騒動は 下手に騒ぐと 烏山藩が お取り潰しになりかねん 162 00:12:29,106 --> 00:12:35,112 それでは元も子もなくなる そこで 江戸家老 辻堂さまは➡ 163 00:12:35,112 --> 00:12:39,116 殿に ご隠居を願い 幼君 烏丸さまを立てて➡ 164 00:12:39,116 --> 00:12:43,120 藩政を自由になさろうと 考えておられるのだ 165 00:12:43,120 --> 00:12:49,126 殿も既に御年59歳 隠居されても 不思議ではないお年だ 166 00:12:49,126 --> 00:12:53,130 そうなると お国家老の氏家さまは 黙っておられますでしょうか? 167 00:12:53,130 --> 00:12:57,134 拙者が江戸家老 辻堂さまの 腹心だということは➡ 168 00:12:57,134 --> 00:13:01,138 お前も うすうす 気がついておろう? (六松)へい 169 00:13:01,138 --> 00:13:05,142 心配いたすな 全てに手は打ってある 170 00:13:05,142 --> 00:13:09,146 はい… (黒住)そこで 明日の奉納試合だが 171 00:13:09,146 --> 00:13:13,150 最後に残るのは 拙者と古高新兵衛だな 172 00:13:13,150 --> 00:13:15,152 さようでございましょうね 173 00:13:15,152 --> 00:13:20,157 あの古高新兵衛は 国家老 氏家が 江戸藩邸に送り込んだ間者だ 174 00:13:20,157 --> 00:13:22,159 ええっ!? 175 00:13:22,159 --> 00:13:26,163 だから どうしても古高新兵衛を 打ち負かさねばならん 176 00:13:26,163 --> 00:13:30,163 褒美のお咲など 拙者の眼中にはないわ 177 00:13:32,102 --> 00:13:34,104 へい! 178 00:13:34,104 --> 00:13:38,108 だが 残念なことに➡ 179 00:13:38,108 --> 00:13:42,112 まともに立ち合っては 俺は古高新兵衛に勝ち目は薄い 180 00:13:42,112 --> 00:13:44,114 そうでございましょうか? 181 00:13:44,114 --> 00:13:48,118 奴の腕は すごいぞ そこで お前に頼みがある 182 00:13:48,118 --> 00:13:53,123 たとえ 奉納試合とはいえ 奴の息の根を止めたい 183 00:13:53,123 --> 00:13:55,125 殺すのでございますか? 184 00:13:55,125 --> 00:13:59,129 当日 お前は 古高の介添え中間になるはずだ 185 00:13:59,129 --> 00:14:03,133 そこで 奉納試合に 仕掛けをしてもらいたい 186 00:14:03,133 --> 00:14:06,136 どんな仕掛けを? 187 00:14:06,136 --> 00:14:09,139 下郎 聞いていたな!? 188 00:14:09,139 --> 00:14:19,149 ♬~ 189 00:14:19,149 --> 00:14:21,151 (小柄を投げる音) 190 00:14:21,151 --> 00:14:27,090 ♬~ 191 00:14:27,090 --> 00:14:30,093 うん? 血だ フフッ… 192 00:14:30,093 --> 00:14:35,098 六松 ここまで しゃべった以上 お前も裏切ったら こうなるぞ 193 00:14:35,098 --> 00:14:43,106 ♬~ 194 00:14:43,106 --> 00:14:46,109 おう 195 00:14:46,109 --> 00:14:51,114 (太鼓の音) 196 00:14:51,114 --> 00:14:53,114 (藩士)ヤーッ! 197 00:14:56,119 --> 00:14:58,119 (打ちつける音) (審判)勝負あった! 198 00:15:05,128 --> 00:15:07,128 次! 199 00:15:10,133 --> 00:15:17,133 (ざわめき) 200 00:15:19,142 --> 00:15:22,142 (黒住)ヤーッ! (審判)勝負あった! 201 00:15:30,087 --> 00:15:33,090 ≪(おゆう)お殿さま! 202 00:15:33,090 --> 00:15:35,092 (長次)アア… ハァハァ… 203 00:15:35,092 --> 00:15:38,095 どうした? 遅れるぞ あ~ やっと間に合いました! 204 00:15:38,095 --> 00:15:41,098 見てくださいよ! えらい証拠を つかんだんですよ! 205 00:15:41,098 --> 00:15:44,101 (くしゃみ) アア… とにかく読んでください 206 00:15:44,101 --> 00:15:48,105 ウッ! アア… くせえなぁ 207 00:15:48,105 --> 00:15:50,107 あっ いえ 何しろね 208 00:15:50,107 --> 00:15:53,110 胃の腑まで飲み込んで やっと吐き出したもんすから… 209 00:15:53,110 --> 00:15:56,110 我慢してください ウッ… アア… (おゆう)やだよ 210 00:16:03,120 --> 00:16:05,122 なるほど… 211 00:16:05,122 --> 00:16:17,134 ♬~ 212 00:16:17,134 --> 00:16:22,139 いい女にゃ違いないけど 本当の心の中は分かりませんね 213 00:16:22,139 --> 00:16:24,141 どうして? 214 00:16:24,141 --> 00:16:29,079 だって 万一 黒住団七が勝ったら あの女 黒住の女房になるんですよ 215 00:16:29,079 --> 00:16:33,083 ハハハハッ… それは違うな 216 00:16:33,083 --> 00:16:37,087 お咲としては 「好きな古高新兵衛が必ず勝つ」 217 00:16:37,087 --> 00:16:42,092 そう信じきっているからこそ あの落ち着きぶりなのだ 218 00:16:42,092 --> 00:16:50,100 ♬~ 219 00:16:50,100 --> 00:16:55,105 六松 この木太刀は真新しいな 拙者は手慣れたものがよいぞ 220 00:16:55,105 --> 00:17:01,111 はい ごもっともでございますが これは特に 腰元のお咲さまが➡ 221 00:17:01,111 --> 00:17:06,116 決勝試合に どうしても古高さまに 使っていただくように➡ 222 00:17:06,116 --> 00:17:09,119 私に お渡しくだすったもので ございます 223 00:17:09,119 --> 00:17:13,123 志は分かるが 試合は別だ! (六松)でもございましょうが➡ 224 00:17:13,123 --> 00:17:17,127 この新しい木太刀を よ~くご覧くださいまし 225 00:17:17,127 --> 00:17:20,130 お咲さまが 昨夜 ひと晩中➡ 226 00:17:20,130 --> 00:17:24,134 神仏に祈って 香をたき込めた 木太刀でございます 227 00:17:24,134 --> 00:17:29,072 ♬~ 228 00:17:29,072 --> 00:17:32,075 蘭奢待の匂いだ 229 00:17:32,075 --> 00:17:37,080 このような高貴な香りを たき込んでくれたか 230 00:17:37,080 --> 00:17:39,080 分かったぞ 六松 231 00:17:41,084 --> 00:17:45,088 喜んで使わせてもらおう ンンッ! 232 00:17:45,088 --> 00:17:48,088 (太鼓の音) 233 00:17:55,098 --> 00:17:57,100 (審判)では これより➡ 234 00:17:57,100 --> 00:18:01,104 本日の めでたい奉納試合の 最後の勝負である 235 00:18:01,104 --> 00:18:06,109 これに勝ったる者には 殿の格別のおぼし召しにより➡ 236 00:18:06,109 --> 00:18:10,113 腰元 お咲どのとの 縁組みを差し許される 237 00:18:10,113 --> 00:18:14,117 双方 神明に誓って 正々堂々の勝負をいたせ 238 00:18:14,117 --> 00:18:16,117 (黒住・古高)はっ! 239 00:18:19,122 --> 00:18:23,126 では 勝負1本 始め! 240 00:18:23,126 --> 00:18:36,072 ♬~ 241 00:18:36,072 --> 00:18:39,075 何かが起こる… 242 00:18:39,075 --> 00:18:43,079 何かが起こるぞ よく見ておけ 243 00:18:43,079 --> 00:18:52,088 ♬~ 244 00:18:52,088 --> 00:18:54,090 (古高)トリャー! 245 00:18:54,090 --> 00:19:04,100 ♬~ 246 00:19:04,100 --> 00:19:06,102 ンンーッ! (黒住)ハアッ! 247 00:19:06,102 --> 00:19:20,116 ♬~ 248 00:19:20,116 --> 00:19:23,119 トリャー! 249 00:19:23,119 --> 00:19:26,122 (打ち合う音) 250 00:19:26,122 --> 00:19:28,058 (折れる音) 251 00:19:28,058 --> 00:19:31,061 (審判)勝負あった! 252 00:19:31,061 --> 00:19:36,061 (ざわめき) 253 00:19:39,069 --> 00:19:41,071 (審判)勝負あった! 254 00:19:41,071 --> 00:19:46,076 一同 静まれ 静まれ! 御前であるぞ! 静まれー! 255 00:19:46,076 --> 00:20:05,095 ♬~ 256 00:20:05,095 --> 00:20:08,098 新兵衛さま! 新兵衛さま! (審判)これ! 下がりなさい! 257 00:20:08,098 --> 00:20:11,101 (藩士)さあ さあ… 258 00:20:11,101 --> 00:20:14,101 (お咲)新兵衛さま! 259 00:20:16,106 --> 00:20:22,112 即死だ… 何かがあった 260 00:20:22,112 --> 00:20:25,115 おゆう お前は あの腰元をつけてくれ 261 00:20:25,115 --> 00:20:29,052 長次は 黒住団七を 見逃すんじゃねえぞ へい! 262 00:20:29,052 --> 00:20:36,052 (太鼓の音) 263 00:20:38,061 --> 00:20:40,063 (藩士)どなたでござる? 264 00:20:40,063 --> 00:20:43,066 ここは 烏山藩家中以外の者は 立ち入り禁止でござる 265 00:20:43,066 --> 00:20:46,069 拙者 直参旗本 早乙女主水之介 266 00:20:46,069 --> 00:20:51,074 将軍家より許されたる この天下御免の向こう傷に免じて 267 00:20:51,074 --> 00:20:55,078 古高新兵衛どのに お悔やみを 述べさせていただきたい 268 00:20:55,078 --> 00:20:57,080 (藩士)さようでござるか 269 00:20:57,080 --> 00:21:00,083 古高どのは さすがに当藩きっての武士 270 00:21:00,083 --> 00:21:02,085 死んでも木太刀を離しません 271 00:21:02,085 --> 00:21:05,088 なんとかして取ろうとしましたが まるで 鉄のように張り付いて… 272 00:21:05,088 --> 00:21:10,093 立派な武士を殺したものだ… 273 00:21:10,093 --> 00:21:14,097 ところで この木太刀の折れ方 いかにも不思議 274 00:21:14,097 --> 00:21:17,097 (杉浦)御前 これを うむ… 275 00:21:21,104 --> 00:21:27,110 ♬~ 276 00:21:27,110 --> 00:21:31,114 樫の木でできた木太刀は このように割れるものではない 277 00:21:31,114 --> 00:21:34,117 すこぶる力強い膠で 貼り付けたものだ 278 00:21:34,117 --> 00:21:40,123 そのにおいを消すために 蘭奢待を塗り込んである 279 00:21:40,123 --> 00:21:45,128 黒住団七どのの強力な一撃を 食らえば割れるようにな 280 00:21:45,128 --> 00:21:49,132 やはり… これは何やら 遺恨試合でも… 281 00:21:49,132 --> 00:21:52,135 あいや 待たれい めったなことは申されるな 282 00:21:52,135 --> 00:21:55,138 お前たちは お国派か? それとも 江戸派か? 283 00:21:55,138 --> 00:21:57,140 な… なんと!? 284 00:21:57,140 --> 00:22:00,143 いやさ この向こう傷が しかと確かめた以上➡ 285 00:22:00,143 --> 00:22:04,147 いいかげんな返事は許さぬ! 286 00:22:04,147 --> 00:22:09,152 ほう… 奉納試合が まだ終わらぬというわけか 287 00:22:09,152 --> 00:22:13,152 これは ずんと面白くなってきた 288 00:22:16,159 --> 00:22:19,159 (殴る音) 289 00:22:21,164 --> 00:22:28,104 峰打ちだ お前たち雑魚を 斬って捨てるには刀が惜しい! 290 00:22:28,104 --> 00:22:30,104 (藩士)くそ… 291 00:22:32,108 --> 00:22:36,112 この木太刀を 試合の前に 仏に差し出したのは➡ 292 00:22:36,112 --> 00:22:42,118 お前たちのうち誰だ? 言わぬと峰打ちでは済まさんぞ 293 00:22:42,118 --> 00:22:48,124 (中間)へい も… 申し上げます 実は 渡り中間の六松でございます 294 00:22:48,124 --> 00:22:51,127 姿が見えぬようだが どこへ行った? 295 00:22:51,127 --> 00:22:53,129 (中間)さあ… どっかの賭場に➡ 296 00:22:53,129 --> 00:22:56,132 しけ込んでいるんじゃないかと 存じます どこかとは どこだ!? 297 00:22:56,132 --> 00:22:59,135 申します! お許しください! 申し上げます! 298 00:22:59,135 --> 00:23:01,137 いつも 奴が行く賭場は➡ 299 00:23:01,137 --> 00:23:06,142 牧野美作守さま お下屋敷の 中間部屋かと存じます! 300 00:23:06,142 --> 00:23:08,142 なるほどな 301 00:23:13,116 --> 00:23:19,122 六松 大いに飲めよ 今日の手柄は お前が第一番だ 302 00:23:19,122 --> 00:23:22,125 はっ… いただいております 303 00:23:22,125 --> 00:23:25,128 つきましては 黒住さま お約束どおり➡ 304 00:23:25,128 --> 00:23:28,131 お咲さまを手前の女房に いただきとうございますが… 305 00:23:28,131 --> 00:23:32,135 (笑い声) 306 00:23:32,135 --> 00:23:37,140 いやいやいや まあまあ… いやさ 笑って すまなかったな 307 00:23:37,140 --> 00:23:41,144 確かに武士に二言はない (六松)あ… ありがとうございます 308 00:23:41,144 --> 00:23:48,151 お咲は藩邸には おらん さる所で ちゃんと お前を待っておるわ 309 00:23:48,151 --> 00:23:50,153 さる所と申しますと? 310 00:23:50,153 --> 00:23:54,157 うむ… それより 六松 311 00:23:54,157 --> 00:23:59,095 お咲を女房にする前に お前に もうひと仕事ある 312 00:23:59,095 --> 00:24:01,097 まだあるのでございますか? 313 00:24:01,097 --> 00:24:04,100 お前には だいぶ 金が貸してあるからな 314 00:24:04,100 --> 00:24:07,103 最後の仕事で帳消しにしてやろう 315 00:24:07,103 --> 00:24:11,107 あの… どんなことをすれば よろしいのでございましょうか? 316 00:24:11,107 --> 00:24:19,115 お前 お咲の実家 薬種問屋 長崎屋に よく出入りしていたな 317 00:24:19,115 --> 00:24:24,120 「石見銀山」を手に入れてまいれ 無論 拙者の手下も力を貸してやる 318 00:24:24,120 --> 00:24:27,123 たかが商人 造作もあるまい 319 00:24:27,123 --> 00:24:31,127 申し上げますが 石見銀山は毒薬でございます 320 00:24:31,127 --> 00:24:35,131 殿に一服 盛ろうというのだ (六松)えっ!? 321 00:24:35,131 --> 00:24:42,138 まさか 殿を斬るわけにもいくまい そこで 石見銀山が必要なのだ 322 00:24:42,138 --> 00:24:44,140 へ… へい… 323 00:24:44,140 --> 00:24:48,144 (藩士) そうと決まれば 酒盛りを 盛大に いたそうではございませんか 324 00:24:48,144 --> 00:24:51,147 (黒住)うむ… (藩士)さあ… 325 00:24:51,147 --> 00:24:54,147 ≪ その酒盛りに 加えてもらおうかな 326 00:24:58,087 --> 00:25:02,091 黒住団七どの 本日は見事な勝ちっぷり 327 00:25:02,091 --> 00:25:05,094 早乙女主水之介 祝着に存ずる 328 00:25:05,094 --> 00:25:09,098 黒住さま こやつです 新兵衛の亡骸を拝んだ奴は 329 00:25:09,098 --> 00:25:13,102 さようか… いささか手荒いが 330 00:25:13,102 --> 00:25:17,106 いかにも 酒盛りの仲間に 加わっていただこうか! 331 00:25:17,106 --> 00:25:19,108 アッ… 332 00:25:19,108 --> 00:25:22,111 ハハハハッ… 333 00:25:22,111 --> 00:25:25,114 ここは牧野公の下屋敷 334 00:25:25,114 --> 00:25:28,117 (蹴る音) 335 00:25:28,117 --> 00:25:30,119 黒住どの 336 00:25:30,119 --> 00:25:35,124 烏山藩の江戸屋敷で 酒盛りを せんところは なかなかの計略 337 00:25:35,124 --> 00:25:43,132 では 平安城相模守 諸羽流 正眼崩しの宴とまいろうか 338 00:25:43,132 --> 00:25:46,135 (殴る音) 339 00:25:46,135 --> 00:25:50,139 杉浦 斬るな! 捕らえるのだ! 340 00:25:50,139 --> 00:25:53,142 (殴る音) 341 00:25:53,142 --> 00:25:55,142 (藩士)アアッ! 342 00:26:18,101 --> 00:26:20,103 (蹴る音) 343 00:26:20,103 --> 00:26:40,123 ♬~ 344 00:26:40,123 --> 00:26:58,074 ♬~ 345 00:26:58,074 --> 00:27:02,078 追うな! 捕らえるのは… 346 00:27:02,078 --> 00:27:05,081 こやつ1匹でよい (六松)ヒイッ! 347 00:27:05,081 --> 00:27:07,083 ええい! (六松)アアッ… 348 00:27:07,083 --> 00:27:10,086 お助けくださいまし! 命ばかりは お助けくださいまし! 349 00:27:10,086 --> 00:27:12,088 そうはまいらん 350 00:27:12,088 --> 00:27:15,091 奉納試合の木太刀に 仕掛けをしたのは お前だな? 351 00:27:15,091 --> 00:27:17,093 へい… そのとおりでございます 352 00:27:17,093 --> 00:27:20,096 あれには もう 随分と苦心いたしました 353 00:27:20,096 --> 00:27:24,100 余計なことを言うな あれを命じたのは黒住団七か? 354 00:27:24,100 --> 00:27:26,102 へい! そのとおりでございます 355 00:27:26,102 --> 00:27:30,106 何を餌に お前 そのような大それたことを? 356 00:27:30,106 --> 00:27:32,108 それは… 357 00:27:32,108 --> 00:27:34,110 アアッ… 言わぬと斬る! 358 00:27:34,110 --> 00:27:38,114 傷のお殿さま 腰元のお咲さまが 危のうございます 359 00:27:38,114 --> 00:27:40,116 なんとか 助けてあげてくださいまし! 360 00:27:40,116 --> 00:27:43,119 それに 烏山藩のお殿さまが… 361 00:27:43,119 --> 00:27:47,123 烏山藩主が狙われていると いうことは知っている 362 00:27:47,123 --> 00:27:52,128 だが 腰元 お咲が 危ないとは どういうことだ? 363 00:27:52,128 --> 00:27:56,128 へい それは… 364 00:27:58,067 --> 00:28:03,067 お前 お咲に惚れているな? 365 00:28:07,076 --> 00:28:09,078 身分違いは分かっております 366 00:28:09,078 --> 00:28:14,083 あっしは悪い男でございました これから魂を入れ替えても➡ 367 00:28:14,083 --> 00:28:16,085 間に合わないで ございましょうか? 368 00:28:16,085 --> 00:28:18,087 間に合わぬでもない 369 00:28:18,087 --> 00:28:25,094 お前の知っていることを全て話せ 助かる助からぬは それからの話だ 370 00:28:25,094 --> 00:28:29,094 へい 申し上げます 何でも申し上げます 371 00:28:31,100 --> 00:28:33,102 (辻堂)聞くところによると➡ 372 00:28:33,102 --> 00:28:40,109 直参旗本 早乙女主水之介が 首を突っ込んできたそうだな 373 00:28:40,109 --> 00:28:46,115 (黒住)はっ… (辻堂)早乙女の噂は知っておる 374 00:28:46,115 --> 00:28:51,120 いや 困った奴に嗅ぎつかれたものだ 375 00:28:51,120 --> 00:28:56,125 (黒住)されば ご家老 もはや 一刻の猶予もなりませんぞ 376 00:28:56,125 --> 00:28:59,061 (辻堂)分かっておる 377 00:28:59,061 --> 00:29:06,068 本日の御前試合の結末に 殿は大いに気分を悪くされた 378 00:29:06,068 --> 00:29:10,072 その上 風邪まで ひかれたらしい 379 00:29:10,072 --> 00:29:15,072 ハハハハッ… 天は 我らに味方をしてくれましたな 380 00:29:17,079 --> 00:29:20,082 お風邪を召して 伏せっておられるとは➡ 381 00:29:20,082 --> 00:29:23,085 正に絶妙の土壇場でござる 382 00:29:23,085 --> 00:29:28,090 ご家老のお手で 殿に お薬湯を一服 383 00:29:28,090 --> 00:29:32,094 わしがか …して 中身は何じゃ? 384 00:29:32,094 --> 00:29:34,096 石見銀山! 385 00:29:34,096 --> 00:29:37,099 そのようなものが どうして手に入る? 386 00:29:37,099 --> 00:29:41,099 この黒住団七 抜かりはございません 387 00:29:46,108 --> 00:29:51,113 ほう… お咲は ここに隠してあったのか 388 00:29:51,113 --> 00:29:56,118 いずれは拙者の妻になる女 これほどの女を➡ 389 00:29:56,118 --> 00:30:00,056 誰にも渡したくない気持ちを お察しください 390 00:30:00,056 --> 00:30:05,061 しかも お咲の実家は薬種問屋 391 00:30:05,061 --> 00:30:09,065 捜せば 必ず石見銀山はございます 392 00:30:09,065 --> 00:30:13,069 悪党! お殿さまに なんてことを! 393 00:30:13,069 --> 00:30:16,072 そうなれば 拙者も江戸詰め次席家老 394 00:30:16,072 --> 00:30:23,079 お前も出世するぞ さようでござりましたな? ご家老 395 00:30:23,079 --> 00:30:26,082 抜かりなくやれ (黒住)はっ! 396 00:30:26,082 --> 00:30:28,082 帰る 397 00:30:47,103 --> 00:30:50,106 確かに お咲さん ここへ連れ込まれたんだけどね 398 00:30:50,106 --> 00:30:52,108 どうして 助け出したらいいんだろうねえ… 399 00:30:52,108 --> 00:30:54,110 弱りましたね 400 00:30:54,110 --> 00:30:57,113 知恵を出すんだよ 知恵を 男じゃないか! (長次)へい… 401 00:30:57,113 --> 00:31:03,119 (そば屋)そ~ばう~ 402 00:31:03,119 --> 00:31:07,123 女将さん いい考えが浮かびました! 403 00:31:07,123 --> 00:31:10,126 ≪(戸をたたく音) ≪(男性)開けてくれ! 急病人だ 404 00:31:10,126 --> 00:31:12,126 ≪ 薬を頼む! (番頭)へい! 405 00:31:14,130 --> 00:31:16,132 アッ! 406 00:31:16,132 --> 00:31:19,132 (黒住)騒ぐな! それ! (藩士たち)はっ! 407 00:31:24,140 --> 00:31:27,143 あっ… 408 00:31:27,143 --> 00:31:30,146 (黒住)そのほうが主人か? (銀右衛門)へ… へい 409 00:31:30,146 --> 00:31:32,148 (黒住)石見銀山は どこにある? 410 00:31:32,148 --> 00:31:36,152 そのようなものは 手前の店では扱っておりません 411 00:31:36,152 --> 00:31:41,157 嘘をつけい! 首と胴が離れたいか? 412 00:31:41,157 --> 00:31:43,159 申し訳ございません 413 00:31:43,159 --> 00:31:47,163 確かに 手前どもは官許薬種問屋 石見銀山はございます 414 00:31:47,163 --> 00:31:51,167 出せ 急いでおるのだ 早く! 415 00:31:51,167 --> 00:31:54,167 番頭さん 鍵を (番頭)へい! 416 00:31:58,107 --> 00:32:00,107 (鍵の開く音) 417 00:32:04,113 --> 00:32:07,113 こ… これでございます 418 00:32:13,122 --> 00:32:16,125 (お米)アアッ! ンッ! 419 00:32:16,125 --> 00:32:20,129 (黒住)貴様は!? ひけ! ひけ! 420 00:32:20,129 --> 00:32:23,132 (藩士)チッ… くそ! 421 00:32:23,132 --> 00:32:27,132 御前 あれは まさしく黒住団七! 422 00:32:31,140 --> 00:32:33,142 よいしょ… 423 00:32:33,142 --> 00:32:39,148 ♬~ 424 00:32:39,148 --> 00:32:42,148 あの… ご門番さん 425 00:32:44,153 --> 00:32:47,156 ころ合いと存じますが お熱いのを 1杯 いかがでございますか? 426 00:32:47,156 --> 00:32:50,159 (門番) ほう 女の夜鳴きそばとは珍しいな 427 00:32:50,159 --> 00:32:53,162 (門番)それに べっぴんだ (門番)頼もうか 428 00:32:53,162 --> 00:32:56,165 (おゆう)さあ どうぞ どうぞ! 429 00:32:56,165 --> 00:33:02,104 ♬~ 430 00:33:02,104 --> 00:33:05,107 (殴る音) (門番たち)アアッ! 431 00:33:05,107 --> 00:33:09,111 (長次)え~ ごめんなすって! 夜鳴きそばでございます! 432 00:33:09,111 --> 00:33:12,114 あっ… 433 00:33:12,114 --> 00:33:16,118 (用人)無礼者! そのようなもの 当屋敷で注文した覚えはない! 434 00:33:16,118 --> 00:33:19,121 困んなぁ… 今 ご門番が食べてくれましてね 435 00:33:19,121 --> 00:33:21,123 「こいつは うまい! 奥にいるお侍衆5人に➡ 436 00:33:21,123 --> 00:33:24,126 すぐに届けろ」って言うから 大急ぎで持ってきたんすよ 437 00:33:24,126 --> 00:33:27,129 たわけ者め! ただいま 当屋敷におるのは➡ 438 00:33:27,129 --> 00:33:30,132 門番のほかには このわし1人じゃ! 帰れ! 439 00:33:30,132 --> 00:33:33,135 そうはいきませんよ あっしは これが商売ですからね! 440 00:33:33,135 --> 00:33:35,137 あっ それじゃ お代いただくまで あっしは動きませんよ 441 00:33:35,137 --> 00:33:37,139 帰れ! (長次)あ~ 嫌です 442 00:33:37,139 --> 00:33:39,141 帰らんか おぬし! (長次)あ~ 絶対 嫌ですよ! 443 00:33:39,141 --> 00:33:41,141 (殴る音) アッ! 444 00:33:43,145 --> 00:33:45,145 お咲さん! 445 00:33:48,150 --> 00:33:51,153 お咲さん! 446 00:33:51,153 --> 00:33:54,153 お咲さん! あっ… 447 00:33:56,158 --> 00:33:58,158 (おゆう)あっ! 448 00:34:01,096 --> 00:34:03,098 (長次)早く早く! さあ… 449 00:34:03,098 --> 00:34:05,100 そんなもの 置いてくりゃいいんだよ! 450 00:34:05,100 --> 00:34:07,102 いや 腹が減ってるんですよ どっかで1杯 食わしてくださいよ 451 00:34:07,102 --> 00:34:11,106 傷のお殿さまの お屋敷までは駄目だよ! さあ! 452 00:34:11,106 --> 00:34:14,109 よっこらしょ! アッ… アア… 453 00:34:14,109 --> 00:34:19,114 ♬~ 454 00:34:19,114 --> 00:34:21,116 アッ… アイタタ… 455 00:34:21,116 --> 00:34:24,116 女将さん! ハァハァ… 456 00:34:28,123 --> 00:34:30,125 (おゆう)あっ! 457 00:34:30,125 --> 00:34:37,132 ♬~ 458 00:34:37,132 --> 00:34:42,137 お咲だな? ほかの2人には目もくれるな 459 00:34:42,137 --> 00:34:46,141 お咲を奪って すぐ藩邸へ 駆けつけろ! (一同)はっ! 460 00:34:46,141 --> 00:34:48,143 (長次)野郎! (お咲)アッ… 461 00:34:48,143 --> 00:34:53,148 (藩士)ええい 邪魔だ どけい! (長次)お咲さん 逃げろ! 462 00:34:53,148 --> 00:34:56,151 (おゆう)あっ お咲さん! 463 00:34:56,151 --> 00:34:59,088 ハァ… せっかく お咲さんを 助け出したっていうのに➡ 464 00:34:59,088 --> 00:35:04,093 このざまだ! (長次)アイタ… アイタタ… 465 00:35:04,093 --> 00:35:07,096 それにしても こんな大事なときに➡ 466 00:35:07,096 --> 00:35:10,099 うちのお殿さまは 一体 何してんだろうね もう本当に… 467 00:35:10,099 --> 00:35:12,099 あら… 468 00:35:15,104 --> 00:35:17,104 お殿さま… 469 00:35:19,108 --> 00:35:22,108 さあ できたぞ (長次)へい! 470 00:35:24,113 --> 00:35:27,113 腹が減っては戦ができん 471 00:35:29,118 --> 00:35:33,122 ところで 黒住は確かに 「藩邸へ」と言ったのだな? んん! 472 00:35:33,122 --> 00:35:36,122 長の字 お手柄だ! 473 00:35:51,106 --> 00:35:53,108 (典医)恐れながら➡ 474 00:35:53,108 --> 00:35:57,112 ご心痛に お風邪が加わったように お見立て申し上げまする 475 00:35:57,112 --> 00:36:01,116 しかと相違ないな? もし そのほうの見立てに相違あらば➡ 476 00:36:01,116 --> 00:36:05,120 我が藩の一大事 ただでは相済まぬぞ 477 00:36:05,120 --> 00:36:10,120 (伊賀守)心配いたすな 辻堂 明日は起きられる 478 00:36:12,127 --> 00:36:16,131 つきましては 腰元 お咲の実家が薬種問屋 479 00:36:16,131 --> 00:36:21,136 早速に 南蛮渡りの妙薬を 取り寄せいたさせました 480 00:36:21,136 --> 00:36:23,138 (伊賀守)おお そうか 481 00:36:23,138 --> 00:36:27,138 では お薬湯の用意を… 御免 482 00:36:41,090 --> 00:36:44,090 よいか? お咲 483 00:36:46,095 --> 00:36:52,095 取り乱したり 大きな声を出したら命はないぞ! 484 00:36:59,108 --> 00:37:05,114 このお薬湯を そのほうが殿に差し上げるのだ 485 00:37:05,114 --> 00:37:07,116 私が!? 486 00:37:07,116 --> 00:37:15,116 そのほうの差し出すお薬湯なら 殿は喜んで飲むわ 487 00:37:18,127 --> 00:37:30,072 ♬~ 488 00:37:30,072 --> 00:37:35,077 咲か この度の思わぬ不祥事 489 00:37:35,077 --> 00:37:39,077 そちは さぞ悲しんでおることであろうな 490 00:37:41,083 --> 00:37:43,085 余を恨んでおろうな 491 00:37:43,085 --> 00:37:47,089 余は 古高新兵衛が 後れを取ろうなどとは➡ 492 00:37:47,089 --> 00:37:51,093 つゆほどにも 思っていなかったのじゃ 493 00:37:51,093 --> 00:37:54,096 許してくれよ (お咲)恐れ多いお言葉 494 00:37:54,096 --> 00:37:59,101 そのほうが持参した薬湯なれば さだめし 効き目があろう 495 00:37:59,101 --> 00:38:02,101 さあ これへ持て 496 00:38:05,107 --> 00:38:07,109 お薬湯を お咲 497 00:38:07,109 --> 00:38:18,120 ♬~ 498 00:38:18,120 --> 00:38:29,064 ♬~ 499 00:38:29,064 --> 00:38:33,064 ほう… 咲が毒味をしてくれたわけか 500 00:38:41,076 --> 00:38:44,079 (藩士)何奴!? お出合い召されい! 狼藉者でござるぞ! 501 00:38:44,079 --> 00:38:49,084 早乙女主水之介 烏山3万石の 安否に関わる一大事について➡ 502 00:38:49,084 --> 00:38:54,089 夜中 推参つかまつったが 手向かう者は斬る! 503 00:38:54,089 --> 00:38:56,091 (藩士)ヤーッ! 504 00:38:56,091 --> 00:38:59,091 (斬る音) (藩士たち)アアッ! 505 00:39:01,096 --> 00:39:04,099 道を開けい 506 00:39:04,099 --> 00:39:08,103 藩主 永井伊賀守どのに じきじき お目通り願おう 507 00:39:08,103 --> 00:39:10,103 道を開けい! 508 00:39:32,060 --> 00:39:35,063 直参旗本 早乙女主水之介 509 00:39:35,063 --> 00:39:38,066 夜中ながら ご病気お見舞いに 参上つかまつりました 510 00:39:38,066 --> 00:39:41,069 無礼の段 平に お許し願いとうございます 511 00:39:41,069 --> 00:39:47,075 無礼者め! いかに直参とは申せ ここは烏山藩主のご寝所なるぞ! 512 00:39:47,075 --> 00:39:51,079 黙らっしゃい! こういう場合にこそ➡ 513 00:39:51,079 --> 00:39:56,084 恐れ多くも 上さまが 「お役に 立てよ」とのご命令で許されたる➡ 514 00:39:56,084 --> 00:39:59,087 天下御免の向こう傷が見えぬか! 515 00:39:59,087 --> 00:40:04,092 おお… そのほうが主水之介か 噂には聞いておるぞ 516 00:40:04,092 --> 00:40:07,095 かたじけのうござる 517 00:40:07,095 --> 00:40:11,099 どうやら お風邪の妙薬を まだ お召し上がりにならぬご様子 518 00:40:11,099 --> 00:40:13,101 まずは お薬湯を 519 00:40:13,101 --> 00:40:19,101 今 咲が毒味をしてくれた 何事もないようじゃ では… 520 00:40:24,112 --> 00:40:28,116 おお… これは苦いのぅ ハハハハッ… 521 00:40:28,116 --> 00:40:32,120 これは石見銀山にあらず 真に風邪の妙薬 522 00:40:32,120 --> 00:40:39,127 お咲の実家 長崎屋が 心を込めて 調剤いたしたものでござる 523 00:40:39,127 --> 00:40:44,132 黒住団七 そのほう 殿を殺害せんがために➡ 524 00:40:44,132 --> 00:40:47,135 長崎屋を襲って 石見銀山を手に入れようとしたな 525 00:40:47,135 --> 00:40:50,138 また 奉納試合には➡ 526 00:40:50,138 --> 00:40:54,142 木太刀に仕掛けを施し 卑怯にも古高新兵衛を打ち殺した 527 00:40:54,142 --> 00:40:57,145 何を証拠に… 528 00:40:57,145 --> 00:41:02,145 そんなに証拠が見たいか 杉浦 これへ! 529 00:41:06,154 --> 00:41:13,161 目通りかなわぬ中間なれど 伊賀守さま よ~く ご覧召されい 530 00:41:13,161 --> 00:41:15,163 六松 どうだ? 531 00:41:15,163 --> 00:41:21,169 はっ! 早乙女のお殿さまの 仰せのとおりでございます! 532 00:41:21,169 --> 00:41:25,169 おのれ 下郎 そこへ直れ! ≪(藩士)申し上げます! 533 00:41:27,109 --> 00:41:29,111 ただいま 国表より早駕籠にて➡ 534 00:41:29,111 --> 00:41:33,115 お国家老 氏家修理さまご一行 ご到着にござります! 535 00:41:33,115 --> 00:41:35,117 (黒住)アッ… 536 00:41:35,117 --> 00:41:40,122 ♬~ 537 00:41:40,122 --> 00:41:43,125 (氏家)殿のご無事のお姿を拝し うれしゅう存じます 538 00:41:43,125 --> 00:41:45,127 火急のご用向きは➡ 539 00:41:45,127 --> 00:41:49,131 直参旗本 早乙女主水之介どのより 早飛脚をいただき➡ 540 00:41:49,131 --> 00:41:51,133 江戸藩邸において 陰謀ありとの知らせ 541 00:41:51,133 --> 00:41:55,137 まずは 駆けつけたしだいにございます! 542 00:41:55,137 --> 00:41:59,141 間に合って良かったですな 拙者が早乙女でござる 543 00:41:59,141 --> 00:42:01,143 かたじけない 544 00:42:01,143 --> 00:42:05,147 恐れ多くも 殿の毒殺を謀り 幼君を擁して➡ 545 00:42:05,147 --> 00:42:09,151 そこな江戸詰め家老 辻堂が 悪人 黒住団七と手を組んで➡ 546 00:42:09,151 --> 00:42:13,155 藩政を牛耳らんという 正に お家の一大事でございます 547 00:42:13,155 --> 00:42:17,159 なんと そのようなことを!? いずれは氏家どのも➡ 548 00:42:17,159 --> 00:42:21,163 辻堂 黒住の悪人ばらに 闇討ちに遭うところでござったな 549 00:42:21,163 --> 00:42:24,166 おのれ 余の信任をよいことに… 550 00:42:24,166 --> 00:42:29,166 辻堂 黒住 この場で切腹を申しつける! 551 00:42:31,106 --> 00:42:33,106 ありがたき幸せ… 552 00:42:38,113 --> 00:42:44,119 かくなるうえは… 黒住 死に花を咲かせてみせるか 553 00:42:44,119 --> 00:42:47,122 (黒住)いかにも! おのおの方! 554 00:42:47,122 --> 00:42:50,125 ハハハハッ… 555 00:42:50,125 --> 00:42:55,130 いよいよ 退屈の虫が 心地よげに暴れるときが来たな 556 00:42:55,130 --> 00:43:03,138 ざっと見積もって24~25名 ちと 人数が少ないのが物足りぬが 557 00:43:03,138 --> 00:43:08,143 もし この騒ぎが御公儀に知れれば 烏山3万石 お取り潰しは必定! 558 00:43:08,143 --> 00:43:15,150 …となれば 1名たりとも 逃すわけにはまいらぬ 559 00:43:15,150 --> 00:43:18,153 これは あくまで内輪のけんか 560 00:43:18,153 --> 00:43:25,160 久方ぶりに 諸羽流 正眼崩しとまいろうか! 561 00:43:25,160 --> 00:43:32,100 ♬~ 562 00:43:32,100 --> 00:43:34,102 (斬る音) 563 00:43:34,102 --> 00:43:39,107 ♬~ 564 00:43:39,107 --> 00:43:46,114 (斬る音) 565 00:43:46,114 --> 00:43:48,116 (藩士)アアッ! 566 00:43:48,116 --> 00:43:59,127 ♬~ 567 00:43:59,127 --> 00:44:10,138 ♬~ 568 00:44:10,138 --> 00:44:15,143 (斬る音) 569 00:44:15,143 --> 00:44:22,150 ♬~ 570 00:44:22,150 --> 00:44:25,150 (斬る音) (藩士たち)アアッ! 571 00:44:28,089 --> 00:44:30,091 (斬る音) 572 00:44:30,091 --> 00:44:37,098 ♬~ 573 00:44:37,098 --> 00:44:40,101 (黒住)待て! ヤーッ! (刺す音) 574 00:44:40,101 --> 00:44:42,103 (六松)アアッ… 575 00:44:42,103 --> 00:44:47,108 ♬~ 576 00:44:47,108 --> 00:44:49,110 (斬る音) 577 00:44:49,110 --> 00:44:55,116 ♬~ 578 00:44:55,116 --> 00:44:57,118 (斬る音) アアッ! 579 00:44:57,118 --> 00:44:59,118 ウウッ! 580 00:45:04,125 --> 00:45:06,125 (おゆうと長次の悲鳴) 581 00:45:08,129 --> 00:45:10,129 (斬る音) 582 00:45:15,136 --> 00:45:17,138 エイッ! (斬る音) 583 00:45:17,138 --> 00:45:19,138 アアッ… 584 00:45:25,146 --> 00:45:28,083 はぁ~… やっぱり お殿さまだねえ 585 00:45:28,083 --> 00:45:31,086 おいらのお殿さまは違うねえ (おゆう)私のお殿さまだよ! 586 00:45:31,086 --> 00:45:34,089 ハァ… ねっ? おい! 587 00:45:34,089 --> 00:45:42,097 ♬~ 588 00:45:42,097 --> 00:45:45,100 お咲さま… 589 00:45:45,100 --> 00:45:49,104 お前は 本当は悪人ではなかったのですね 590 00:45:49,104 --> 00:45:54,109 死ぬ前に ひと言だけ… 591 00:45:54,109 --> 00:46:01,109 お咲さま… お慕い申しておりました 592 00:46:15,130 --> 00:46:19,134 今の騒ぎで 風邪も すっかり消えたようじゃ 593 00:46:19,134 --> 00:46:22,137 主水之介 礼を言うぞ 594 00:46:22,137 --> 00:46:26,141 恐れ入ります だが 主水之介 この向こう傷に名を借りて➡ 595 00:46:26,141 --> 00:46:30,078 いささか 伊賀守さまに 申し上げたき儀がござります 596 00:46:30,078 --> 00:46:32,080 何なりと言ってみてくれ 597 00:46:32,080 --> 00:46:37,085 いかに天下太平 元禄の世とはいえ 奉納試合に勝ったる者に➡ 598 00:46:37,085 --> 00:46:41,089 名刀ひと振り 羽織1着 下しおかれるならば ともかく 599 00:46:41,089 --> 00:46:46,094 生身の女性を 褒美として賭けるとは言語道断! 600 00:46:46,094 --> 00:46:48,096 武士たるもの➡ 601 00:46:48,096 --> 00:46:52,100 女を賭けて勝負をするなどとは 武道の汚れにござる 602 00:46:52,100 --> 00:46:56,104 この儀 いかに おぼし召されまするか? 603 00:46:56,104 --> 00:47:01,109 そのほうの申すこと いちいち もっともじゃ 604 00:47:01,109 --> 00:47:07,115 余の親心が あだとなった 許してくれ 主水之介 605 00:47:07,115 --> 00:47:10,118 拙者ごとき おせっかい者に おわびよりは➡ 606 00:47:10,118 --> 00:47:18,126 むしろ 相愛の古高新兵衛を失った お咲にこそ そのお言葉を 607 00:47:18,126 --> 00:47:21,129 咲 許せ 608 00:47:21,129 --> 00:47:26,134 (お咲の泣き声) 609 00:47:26,134 --> 00:47:31,072 早乙女どの 御身のおかげで 我が烏山藩は安泰 610 00:47:31,072 --> 00:47:34,075 どのように礼を申していいか 分かりません 611 00:47:34,075 --> 00:47:38,079 ご貴殿がおったればこそ ご安泰でござった 612 00:47:38,079 --> 00:47:42,083 だが 礼とあらば 望みが ひとつござる 613 00:47:42,083 --> 00:47:44,085 ほう 何じゃ? 614 00:47:44,085 --> 00:47:48,089 お咲に 永の いとまを いただかせとう存じます 615 00:47:48,089 --> 00:47:55,096 おお それはまた惜しい 当藩には まだ よき若侍もおるぞ 616 00:47:55,096 --> 00:47:57,098 お咲は もともと 町家の娘 617 00:47:57,098 --> 00:48:01,102 武家の女房になるなどと 親御どのの大それた望みを捨て➡ 618 00:48:01,102 --> 00:48:05,106 小町娘にふさわしい よき縁を 得ることこそ➡ 619 00:48:05,106 --> 00:48:09,106 誠の幸せかと存じます 620 00:48:11,112 --> 00:48:17,118 ♬~ 621 00:48:17,118 --> 00:48:19,120 (おゆう)お殿さま うん? 622 00:48:19,120 --> 00:48:23,124 本当は お咲さんを嫁御寮に したかったんじゃありません? 623 00:48:23,124 --> 00:48:27,062 どうしてだ? だって あんなに きれいで若くて 624 00:48:27,062 --> 00:48:33,068 俺はな おゆう 24~25の 脂の乗りきった中年増に弱えんだ 625 00:48:33,068 --> 00:48:36,071 ところで お前 いくつだったっけな? 25! 626 00:48:36,071 --> 00:48:39,074 ハハハハッ… 嫌ですよ お殿さまったら! 627 00:48:39,074 --> 00:48:46,074 (笑い声) 628 00:48:50,085 --> 00:49:09,085 ♬~ 629 00:49:14,109 --> 00:49:17,112 (ナレーター) <冴姫を巡って 旗本 神中組と➡ 630 00:49:17,112 --> 00:49:22,117 お峰の率いる 人入れ稼業 鳥越一家は真っ向から衝突> 631 00:49:22,117 --> 00:49:25,120 <そこに投げ込まれた深編み笠> 632 00:49:25,120 --> 00:49:29,124 <黒く渦巻く 意地と権勢争いの中に➡ 633 00:49:29,124 --> 00:49:33,128 矢車草のごとく咲き誇った 冴姫 お峰の2人> 634 00:49:33,128 --> 00:49:38,128 <次週 『旗本退屈男』 「矢車数え唄」を ご期待ください>