1 00:00:02,102 --> 00:00:06,106 <初めまして 女優の菊池日菜子です> 2 00:00:08,508 --> 00:00:12,679 <私は 今 ドラマで ある女性を演じるために➡ 3 00:00:12,679 --> 00:00:16,183 特殊メークをしています。➡ 4 00:00:16,183 --> 00:00:18,852 その方とは…> 5 00:00:18,852 --> 00:00:22,322 いいねえ そんなんでお金もらえて。 6 00:00:22,322 --> 00:00:25,526 フフフ おばあちゃんも もらってるじゃん。 7 00:00:25,526 --> 00:00:29,229 私のは… 慰謝料だもん。 8 00:00:35,202 --> 00:00:41,074 <スクリーンの中の彼女は 役ではなく そこに本当に暮らしている人のよう> 9 00:00:41,074 --> 00:00:44,912 ⚟ただいま。 お帰り~。お帰り。 10 00:00:44,912 --> 00:00:48,215 お帰り。 雨降らなかった?うん。 11 00:00:48,215 --> 00:00:52,085 <75歳で その生涯を閉じる 2か月前まで➡ 12 00:00:52,085 --> 00:00:55,088 カメラの前に立ち続けていました> 13 00:01:01,495 --> 00:01:07,301 <18歳で女優を始めて 4年目。 まだまだ駆け出しの私なんかが➡ 14 00:01:07,301 --> 00:01:11,505 これだけの大女優を 演じていいのだろうか?➡ 15 00:01:11,505 --> 00:01:14,541 でも これから女優を続けるために➡ 16 00:01:14,541 --> 00:01:18,378 今回 どうしても演じてみたい。➡ 17 00:01:18,378 --> 00:01:25,052 最初 私の中には 2つの思いが 行ったり来たりしていました。➡ 18 00:01:25,052 --> 00:01:30,324 もしかすると 無謀な挑戦かもしれません。➡ 19 00:01:30,324 --> 00:01:35,162 でも 少しでも 希林さんの背中に近づくために➡ 20 00:01:35,162 --> 00:01:38,699 一歩ずつ踏み出すことにしました。➡ 21 00:01:38,699 --> 00:01:44,504 監督と女優という立場を超えて 親交を深めた是枝監督> 22 00:01:48,408 --> 00:01:50,410 (笑い声) 23 00:01:50,410 --> 00:01:54,214 <希林さんを第二の母と慕う…> 24 00:02:01,822 --> 00:02:06,126 <そして 一人娘の内田也哉子さん> 25 00:02:15,168 --> 00:02:17,671 <希林さんを知れば知るほど➡ 26 00:02:17,671 --> 00:02:21,842 私には 絶対 まねできない部分が いくつもあって➡ 27 00:02:21,842 --> 00:02:25,312 立ち向かえるのか 私に…➡ 28 00:02:25,312 --> 00:02:30,150 本当に演じられるのか この私に> 29 00:02:30,150 --> 00:02:33,153 この番組は… 30 00:02:38,859 --> 00:02:44,197 最後に その人生の名場面を演じます。 31 00:02:44,197 --> 00:02:49,536 今回 樹木希林の人生に迫り ドラマで演じるのは➡ 32 00:02:49,536 --> 00:02:54,041 去年 日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞した➡ 33 00:02:54,041 --> 00:02:57,544 期待の新人 菊池日菜子。➡ 34 00:02:57,544 --> 00:03:03,817 樹木希林は なぜ 類いまれな女優となったのか? 35 00:03:03,817 --> 00:03:07,821 菊池日菜子が出会ったのは 樹木希林が… 36 00:03:12,159 --> 00:03:17,164 「ヒロイン誕生」 今回の名場面は… 37 00:03:22,169 --> 00:03:26,873 はい 本番! よ~い… はい! (カチンコの音) 38 00:03:32,813 --> 00:03:35,182 おはようございます。 お願いしま~す。 39 00:03:35,182 --> 00:03:37,184 <樹木希林さんを知るため まずは➡ 40 00:03:37,184 --> 00:03:41,688 残された書籍や映像を見ることから 始めました> 41 00:03:52,199 --> 00:03:56,203 動きながら しゃべるだとか… 42 00:04:21,828 --> 00:04:26,833 <希林さんは なぜ あれほど 自然なお芝居ができたのか?> 43 00:04:32,839 --> 00:04:34,774 (チャイム) 44 00:04:34,774 --> 00:04:39,079 <その手がかりを得るために ある人を訪ねました> 45 00:04:44,184 --> 00:04:46,520 初めまして 菊池日菜子と申します。 46 00:04:46,520 --> 00:04:48,722 初めまして 是枝です。 47 00:04:51,324 --> 00:04:56,530 <どうしても 最初に会っておきたかった方です。➡ 48 00:04:56,530 --> 00:05:01,835 監督の事務所は 希林さんの自宅のすぐ近く> 49 00:05:14,014 --> 00:05:16,817 「ねえ ねえ ねえ 見た?」っていう… 50 00:05:25,158 --> 00:05:28,495 <監督と女優という関係を超えて➡ 51 00:05:28,495 --> 00:05:31,531 気の合う仲間のようだったという お二人。➡ 52 00:05:31,531 --> 00:05:37,003 希林さんは 64歳の時 是枝さんの映画に参加。➡ 53 00:05:37,003 --> 00:05:40,040 以来 6作品に出演しました。➡ 54 00:05:40,040 --> 00:05:44,177 それらの作品を見て まず聞きたかったことがありました> 55 00:05:44,177 --> 00:05:46,179 おいしい? 56 00:06:28,154 --> 00:06:32,158 「海よりもまだ深く」という映画で➡ 57 00:06:32,158 --> 00:06:36,029 団地の一室で 家族が集まってるとこで➡ 58 00:06:36,029 --> 00:06:40,033 まあ本当に どうでもいい話 してる時に… 59 00:06:46,840 --> 00:06:51,144 …というシーンだったんだけど。 60 00:06:55,849 --> 00:06:58,852 それで本番を迎えちゃって。 61 00:07:15,335 --> 00:07:19,072 それを見た時に… 62 00:07:19,072 --> 00:07:21,007 うわ~。 63 00:07:21,007 --> 00:07:25,812 <監督が驚いたという そのシーン> 64 00:07:25,812 --> 00:07:30,684 だって 前は お正月だって寄り付かなかったんだから。 65 00:07:30,684 --> 00:07:34,487 助けてほしい いうことね。 何を? お金? 66 00:07:34,487 --> 00:07:36,423 いやいや 響子さんのこと。 67 00:07:36,423 --> 00:07:40,160 あ~ もう手遅れでしょう。 68 00:07:40,160 --> 00:07:43,496 今の人は我慢しないからねえ。 69 00:07:43,496 --> 00:07:46,399 我慢した方なんじゃないの? 70 00:07:46,399 --> 00:07:49,202 女も なまじ 学があるとさ…。 71 00:07:57,510 --> 00:08:00,780 何か 僕は そのシーンが➡ 72 00:08:00,780 --> 00:08:06,486 とても こう すごいシーンになったなと 思っているんですけど。 73 00:08:16,129 --> 00:08:20,133 <そこで ずっと暮らしてきた 人間のように振る舞う。➡ 74 00:08:20,133 --> 00:08:22,902 何気ない日常を表現するために➡ 75 00:08:22,902 --> 00:08:26,206 希林さんは綿密な準備をしていました> 76 00:08:33,546 --> 00:08:37,417 ここで 自分が座る場所とテーブルの距離を➡ 77 00:08:37,417 --> 00:08:40,353 こう ず~っと調整するんだよ。 78 00:08:40,353 --> 00:08:44,157 どこに湯飲みがあって こう… 79 00:08:49,029 --> 00:08:53,033 ず~っと こう… ず~っと こうやって位置を探っている。 80 00:08:57,170 --> 00:09:00,607 何十年も住んでる人の…。 うん。 住んでる人だったら 多分➡ 81 00:09:00,607 --> 00:09:06,813 振り向かなくても 何が どこにあるか 分かっているはずだからっていうのを… 82 00:09:09,783 --> 00:09:13,653 <更に 希林さんが 生きた人間を表現できたのは➡ 83 00:09:13,653 --> 00:09:17,123 人と違う角度で日常を見つめる➡ 84 00:09:17,123 --> 00:09:19,959 独自の視点を 持っていたからだといいます。➡ 85 00:09:19,959 --> 00:09:23,163 そのことが かいま見えるのが…> 86 00:09:25,465 --> 00:09:29,769 うわさ話。 ただの 本当にうわさ話 いろんな。 87 00:09:43,283 --> 00:09:45,785 (笑い声) 88 00:10:11,177 --> 00:10:13,179 …って思ってるわけ。 89 00:10:18,852 --> 00:10:23,022 <日常に根づいた暮らしを 大事にするからこそ見えてくる➡ 90 00:10:23,022 --> 00:10:26,326 装い切れない人間の本性。➡ 91 00:10:26,326 --> 00:10:31,130 それを見つけては 楽しそうに語っていたという希林さん> 92 00:10:36,536 --> 00:10:41,841 <希林さんの見つめていたものが おぼろげながら見えた気がしました> 93 00:10:45,211 --> 00:10:48,114 <希林さんは なぜ 日常に目を向け➡ 94 00:10:48,114 --> 00:10:53,553 人間という存在を 面白がるようになったんだろう。➡ 95 00:10:53,553 --> 00:10:57,857 彼女の生い立ちを たどってみることにしました> 96 00:11:00,360 --> 00:11:03,163 <東京 雑司ヶ谷。➡ 97 00:11:03,163 --> 00:11:07,033 現在も古い町並みが残る 静かな町。➡ 98 00:11:07,033 --> 00:11:10,737 希林さんが 幼少期を過ごした場所です> 99 00:11:30,857 --> 00:11:37,030 <鬼子母神の境内にある 樹齢600年を超えるイチョウの大木。➡ 100 00:11:37,030 --> 00:11:42,535 希林さんは 七五三の時に ここで写真を撮ったそうです> 101 00:11:46,539 --> 00:11:50,210 <樹木希林さんは 1943年➡ 102 00:11:50,210 --> 00:11:53,546 東京で生まれました。➡ 103 00:11:53,546 --> 00:11:58,851 幼い頃は 無口でおとなしい少女だったそうです> 104 00:12:01,821 --> 00:12:05,692 <物心付いた頃は戦後の混乱期。➡ 105 00:12:05,692 --> 00:12:11,164 雑司ヶ谷をはじめ 東京は 空襲によって焼け野原でした。➡ 106 00:12:11,164 --> 00:12:16,369 しかし その中で 人々は 懸命に毎日を生きていました> 107 00:12:18,037 --> 00:12:22,775 <希林さんの家は 当時は珍しい2階建て。➡ 108 00:12:22,775 --> 00:12:26,312 家族は2階に住み 生活の足しにしようと➡ 109 00:12:26,312 --> 00:12:29,515 1階の空いた部屋を 人に貸していました。➡ 110 00:12:29,515 --> 00:12:33,820 その際 希林さんが目にしたのは…> 111 00:12:45,331 --> 00:12:47,834 今 考えてみると。 112 00:13:00,480 --> 00:13:06,152 <幼いながらに 一人の人間の中に 計り知れない背景や➡ 113 00:13:06,152 --> 00:13:12,292 いくつもの感情が隠れていることを 感じ取っていた希林さん。➡ 114 00:13:12,292 --> 00:13:16,162 そんな希林さんが 役者という仕事に出会ったのは➡ 115 00:13:16,162 --> 00:13:20,466 驚いたことに 偶然だったそうです> 116 00:13:26,806 --> 00:13:31,644 <日本が復興に邁進していた1960年代。➡ 117 00:13:31,644 --> 00:13:36,449 高校の同級生たちは 希望に満ちあふれていました> 118 00:13:38,851 --> 00:13:44,023 <ところが 希林さんは 大学入試の直前に骨折。➡ 119 00:13:44,023 --> 00:13:48,528 試験を受けられないまま 取り残されます。➡ 120 00:13:48,528 --> 00:13:52,332 そんな時 たまたま新聞広告で目にしたのが➡ 121 00:13:52,332 --> 00:13:55,702 文学座の研究生募集の文字。➡ 122 00:13:55,702 --> 00:13:59,405 希林さんは思い切って応募します> 123 00:14:04,143 --> 00:14:06,145 …っていうんで。 124 00:14:17,690 --> 00:14:20,159 初めまして 菊池日菜子です。 125 00:14:20,159 --> 00:14:22,662 <この時の同期が…> 126 00:14:25,298 --> 00:14:30,303 <希林さんは 役者の 大切な資質を持っていたといいます> 127 00:14:59,532 --> 00:15:06,239 <文学座は 1937年 文学者たちが立ち上げた劇団です> 128 00:15:07,807 --> 00:15:11,277 <杉村春子さん 岸田今日子さん➡ 129 00:15:11,277 --> 00:15:14,981 山﨑 努さんなど 名だたる名優に加え➡ 130 00:15:14,981 --> 00:15:18,284 脚本家に 三島由紀夫さんなども名を連ね➡ 131 00:15:18,284 --> 00:15:22,488 芸術性の高い演劇を 目指していました。➡ 132 00:15:22,488 --> 00:15:24,824 それだけに セリフが第一。➡ 133 00:15:24,824 --> 00:15:29,495 台本に書かれたセリフを 一字一句 大切にし 深めていくのが➡ 134 00:15:29,495 --> 00:15:32,198 モットーの劇団でした> 135 00:15:39,672 --> 00:15:41,874 …っつったら「、」なのよ。 136 00:15:50,383 --> 00:15:52,685 そうなんですね。 137 00:15:58,057 --> 00:16:01,260 ただ うそっぽいってだけでね。 138 00:16:01,260 --> 00:16:05,131 <相手のセリフを よく聞く耳を持っていたからこそ➡ 139 00:16:05,131 --> 00:16:08,034 自然な感情に委ねられない台本に➡ 140 00:16:08,034 --> 00:16:12,238 希林さんは 違和感を抱き始めていました> 141 00:16:16,476 --> 00:16:19,145 <文学座入門から3年後➡ 142 00:16:19,145 --> 00:16:22,481 希林さんの女優人生を変える 出会いがありました。➡ 143 00:16:22,481 --> 00:16:26,185 昭和を代表する国民的俳優…> 144 00:16:28,821 --> 00:16:35,495 こんなアホな顔をしている私はね 一体どういう男かということを➡ 145 00:16:35,495 --> 00:16:37,430 皆さんに ご紹介したい。 146 00:16:37,430 --> 00:16:41,300 <森繁さんは 台本にとらわれません。➡ 147 00:16:41,300 --> 00:16:45,171 表現するのは 日常を生きる人々の姿> 148 00:16:45,171 --> 00:16:48,074 カツ丼でも もらおうかな。 はい。 カツ丼 1丁。 149 00:16:48,074 --> 00:16:50,510 ⚟は~い! 150 00:16:50,510 --> 00:16:57,717 <演じる者の感情の機微を大切にし アドリブで芝居を作っていったのです> 151 00:16:59,519 --> 00:17:03,256 <その自由自在な演技を 目の当たりにした 希林さんは➡ 152 00:17:03,256 --> 00:17:05,558 衝撃を覚えます> 153 00:17:36,489 --> 00:17:41,160 <当時の日本は 東京オリンピックを経て 大阪万博へと➡ 154 00:17:41,160 --> 00:17:47,033 国際的イベントが次々と行われ 活気にあふれていました。➡ 155 00:17:47,033 --> 00:17:52,338 このころ お茶の間に急速に普及していたのが…> 156 00:17:54,507 --> 00:17:59,178 <歴史ある映画の現場と違い テレビのスタジオは 自由で➡ 157 00:17:59,178 --> 00:18:02,615 台本にも あまり縛られていませんでした。➡ 158 00:18:02,615 --> 00:18:07,620 希林さんは 水を得た魚のように躍動します> 159 00:18:10,122 --> 00:18:14,927 おかみさ~ん 時間ですよ~! 160 00:18:16,796 --> 00:18:20,132 <次々と人気の テレビドラマに出演し➡ 161 00:18:20,132 --> 00:18:24,937 文字どおり 型破りの演技で テレビ界を席けん> 162 00:18:26,806 --> 00:18:30,142 さっき ご挨拶したお父さんみたいのが お婿さんだった…。 163 00:18:30,142 --> 00:18:35,281 <「寺内貫太郎一家」では 30代でおばあちゃんを演じ 人気者に> 164 00:18:35,281 --> 00:18:38,150 ジュリー! 165 00:18:38,150 --> 00:18:43,489 <私が知っている晩年の芝居からは 想像もつかない樹木希林さん。➡ 166 00:18:43,489 --> 00:18:49,195 撮影現場は どんな様子だったのか この方に聞きました> 167 00:18:52,832 --> 00:18:57,003 <デビュー作 「時間ですよ」で希林さんと出会い➡ 168 00:18:57,003 --> 00:18:59,972 「寺内貫太郎一家」でも共演。➡ 169 00:18:59,972 --> 00:19:04,677 公私にわたって 40年以上のおつきあいがありました> 170 00:19:08,247 --> 00:19:12,118 「時間ですよ」っていう番組を やっている時に➡ 171 00:19:12,118 --> 00:19:15,121 3人のシーンが いつも あって➡ 172 00:19:15,121 --> 00:19:17,256 「トリオ・ザ・銭湯」みたいな➡ 173 00:19:17,256 --> 00:19:19,191 ちょっと 面白おかしくするっていう➡ 174 00:19:19,191 --> 00:19:21,127 シーンがあったんですけども 脚本が➡ 175 00:19:21,127 --> 00:19:23,129 向田邦子さんだったんですけども➡ 176 00:19:23,129 --> 00:19:26,932 その脚本どおりに 全然やらないで… 177 00:19:37,977 --> 00:19:40,179 …みたいな感じで。 へえ~。 178 00:19:42,148 --> 00:19:44,083 (2人)初もみ。 179 00:19:44,083 --> 00:19:46,152 初取り 初投げ。 180 00:19:46,152 --> 00:19:50,289 初当たり。 (笑い声) 181 00:19:50,289 --> 00:19:52,291 (2人)初バカ。 182 00:19:54,160 --> 00:19:56,862 後半というか… 183 00:20:02,501 --> 00:20:05,805 …って書いてあった。 え~! ヘヘヘッ。 184 00:20:11,010 --> 00:20:15,314 <自分たちで作り上げていく 喜びを感じていた希林さんは➡ 185 00:20:15,314 --> 00:20:19,518 衣装やメークにも こだわっていました> 186 00:20:19,518 --> 00:20:23,689 だから「寺内貫太郎一家」の時も おばあちゃんの役じゃない? 187 00:20:23,689 --> 00:20:30,029 髪の毛を こっから前 全部真っ白く染めたのね。 188 00:20:30,029 --> 00:20:33,699 そいで こうやると すごく自然じゃないですか。 189 00:20:33,699 --> 00:20:38,204 黒も見えて 白髪もあって。 それで… 190 00:20:43,209 --> 00:20:45,544 まつ毛切ったら 刺さって。 191 00:20:45,544 --> 00:20:50,883 そういう発想が ずば抜けて いいような気がする。 うん。 192 00:20:50,883 --> 00:20:53,352 ♬~ 193 00:20:53,352 --> 00:20:57,556 <希林さんは 従来の女優という概念にとらわれず➡ 194 00:20:57,556 --> 00:21:01,260 一躍 テレビのちょうじになっていきます> 195 00:21:04,363 --> 00:21:08,501 お見合い写真なものですから 特に美しく。 196 00:21:08,501 --> 00:21:11,837 フジカラープリントでしたら 美しい人は より美しく➡ 197 00:21:11,837 --> 00:21:13,773 そうでない方は…。 そうでない場合は? 198 00:21:13,773 --> 00:21:17,009 それなりに写ります。 それなりに。 199 00:21:17,009 --> 00:21:19,678 <そんな中 希林さんが➡ 200 00:21:19,678 --> 00:21:23,482 当時アイドルだった 浅田さんに言っていたことが…> 201 00:21:25,851 --> 00:21:32,158 普通が大事。 普通じゃないと普通の役はやれないよ。 202 00:21:42,868 --> 00:21:47,039 そうですね。 うん。 203 00:21:47,039 --> 00:21:50,910 <しかし 10代から役者としてキャリアを重ね➡ 204 00:21:50,910 --> 00:21:52,912 人気者になればなるほど➡ 205 00:21:52,912 --> 00:21:56,715 現場で 監督とも ぶつかるようになったという希林さん。➡ 206 00:21:56,715 --> 00:21:59,919 それを繰り返すうちに…> 207 00:22:20,306 --> 00:22:27,313 <こうして希林さんは 女優としての 自分の存在に 疑問を持ち始めます> 208 00:22:40,025 --> 00:22:44,530 そういうのがないから。 そういうのじゃなかったから。 209 00:22:48,734 --> 00:22:56,542 <そして希林さんは 20代後半から 日常の生活でも悩みを抱えていました> 210 00:23:25,537 --> 00:23:30,309 <自分の日常に 絶望を感じていた希林さん。➡ 211 00:23:30,309 --> 00:23:33,679 そこから湧き上がる負のエネルギー。➡ 212 00:23:33,679 --> 00:23:38,884 希林さんが そんな葛藤を抱えていたとは驚きです> 213 00:23:40,452 --> 00:23:44,390 <そんな希林さんに 転機となった出会いがありました。➡ 214 00:23:44,390 --> 00:23:49,695 ロックシンガーの内田裕也さん 当時33歳。➡ 215 00:23:49,695 --> 00:23:53,699 希林さんが 30歳の時でした> 216 00:24:09,648 --> 00:24:12,551 <当時から 破天荒な言動や➡ 217 00:24:12,551 --> 00:24:15,821 酔ってトラブルを起こしていたという 裕也さん。➡ 218 00:24:15,821 --> 00:24:22,294 その危うさに惹かれたのか 2人は出会って5か月で結婚。➡ 219 00:24:22,294 --> 00:24:28,100 新婚生活は 殴り合いのけんかが絶えない 壮絶なものだったといいます。➡ 220 00:24:28,100 --> 00:24:33,505 結局 1年半後には別居。➡ 221 00:24:33,505 --> 00:24:36,008 それでも決して離婚せず➡ 222 00:24:36,008 --> 00:24:41,180 なぜか 40年以上夫婦であり続けました。➡ 223 00:24:41,180 --> 00:24:45,884 希林さんにとっての 裕也さんの存在とは?> 224 00:25:05,804 --> 00:25:10,976 <危険と隣り合わせの 劇薬のような存在だった裕也さん。➡ 225 00:25:10,976 --> 00:25:15,681 その存在を 希林さんは こう表現します> 226 00:25:23,689 --> 00:25:25,824 <ダイバダッタとは➡ 227 00:25:25,824 --> 00:25:29,695 釈迦の弟子ながら 釈迦を殺そうとした人物です。➡ 228 00:25:29,695 --> 00:25:32,998 しかし 釈迦は そんなダイバダッタを➡ 229 00:25:32,998 --> 00:25:37,836 全ては自分を成長させてくれる ありがたい存在であるとして➡ 230 00:25:37,836 --> 00:25:41,173 彼を赦したといいます。➡ 231 00:25:41,173 --> 00:25:44,076 希林さんにとって 裕也さんは➡ 232 00:25:44,076 --> 00:25:49,782 自分を成長させてくれる なくてはならない存在になっていました> 233 00:25:54,520 --> 00:25:58,190 <そして 裕也さんとの出会いから3年➡ 234 00:25:58,190 --> 00:26:03,962 希林さん 33歳の時 更なる大きな転機が訪れます。➡ 235 00:26:03,962 --> 00:26:08,801 一人娘の也哉子さんを授かったのです。➡ 236 00:26:08,801 --> 00:26:13,272 出産の前から 裕也さんとは別居。➡ 237 00:26:13,272 --> 00:26:19,645 希林さんは 女優の仕事をこなしながら 一人で子育てをします。➡ 238 00:26:19,645 --> 00:26:25,284 そんな中 誰にも頼らず 母として こだわったことがありました。➡ 239 00:26:25,284 --> 00:26:30,289 そのことが よく伝わってくる 一枚の写真があります> 240 00:26:32,825 --> 00:26:35,861 <それは 食べること。➡ 241 00:26:35,861 --> 00:26:41,567 希林さんは 穏やかで 優しいお母さんの顔です> 242 00:27:03,622 --> 00:27:07,960 <毎日ごはんを作り 親子で一緒に食べる。➡ 243 00:27:07,960 --> 00:27:12,831 日常の中で 最も基本的なことを おろそかにしたくない。➡ 244 00:27:12,831 --> 00:27:17,035 それが 希林さんの強い思いでした> 245 00:27:18,670 --> 00:27:24,376 <希林さんは 也哉子さんの存在を 後に こう語っています> 246 00:27:35,821 --> 00:27:40,292 <30代で 妻となり そして母となり➡ 247 00:27:40,292 --> 00:27:45,497 人生で大きな転機を迎えた希林さん。➡ 248 00:27:45,497 --> 00:27:49,668 これまでとは違う 日常を手に入れた時➡ 249 00:27:49,668 --> 00:27:53,472 新たな地平が見えたのかもしれません> 250 00:27:56,542 --> 00:28:00,312 <そして希林さんは 38歳の時➡ 251 00:28:00,312 --> 00:28:07,019 ある作品と出会うことで 女優としても 新たな境地にたどりつくのです> 252 00:28:09,988 --> 00:28:17,296 <1981年から NHKで放送されたドラマ「夢千代日記」> 253 00:28:20,132 --> 00:28:22,634 <舞台の中心となったのは➡ 254 00:28:22,634 --> 00:28:30,809 悲しい過去や 心に傷を持つ女性が 肩を寄せ合って暮らす置屋。➡ 255 00:28:30,809 --> 00:28:34,146 希林さんは 吉永小百合さん演じる➡ 256 00:28:34,146 --> 00:28:38,984 余命いくばくもない置屋の女将 夢千代を支える田舎芸者➡ 257 00:28:38,984 --> 00:28:41,820 菊奴を演じました。➡ 258 00:28:41,820 --> 00:28:46,291 この作品で 希林さんは何を得たのか> 259 00:28:46,291 --> 00:28:48,360 失礼します。 260 00:28:48,360 --> 00:28:53,665 <演出を担当していた渡辺さんに 話を聞きました> 261 00:29:24,463 --> 00:29:28,967 <脚本を担当したのは 早坂 暁さん。➡ 262 00:29:28,967 --> 00:29:32,838 早坂さんの人間に向けられた鋭い視線と➡ 263 00:29:32,838 --> 00:29:37,976 そこから紡ぎ出される人間模様に 希林さんも魅了されました。➡ 264 00:29:37,976 --> 00:29:40,178 そして…> 265 00:29:44,483 --> 00:29:49,287 だから 非常に真剣だったですよ。 266 00:29:51,657 --> 00:29:58,430 <それまで 自分の感じるまま思うままに 役作りをしていた希林さん。➡ 267 00:29:58,430 --> 00:30:00,832 しかし 早坂さんの脚本は➡ 268 00:30:00,832 --> 00:30:03,735 そこに確かに実在する人間として➡ 269 00:30:03,735 --> 00:30:07,739 生き生きと役の人物が描かれていました> 270 00:30:10,175 --> 00:30:13,512 <その人物に どう成りきるのか。➡ 271 00:30:13,512 --> 00:30:19,217 そのために こだわったのが やはり「食べる」ことでした> 272 00:30:28,527 --> 00:30:32,230 早坂さんは捉えているから。 273 00:30:37,869 --> 00:30:40,539 そうですね。 274 00:30:40,539 --> 00:30:42,474 はい。 275 00:30:42,474 --> 00:30:46,211 誰です? 若えの。 276 00:30:46,211 --> 00:30:51,083 <それを象徴するシーンがありました。➡ 277 00:30:51,083 --> 00:30:53,385 一人で懸命に生きてきた…> 278 00:30:59,224 --> 00:31:06,832 (時計の時報) 279 00:31:06,832 --> 00:31:11,136 何にも食べてやへんのやろ。 280 00:31:14,172 --> 00:31:18,510 おスミさん。 え。 281 00:31:18,510 --> 00:31:23,181 みんなが そういうでえ。 282 00:31:23,181 --> 00:31:30,856 うち 本当は 夢 見とっただらあ。 283 00:31:30,856 --> 00:31:33,158 (かき込む音) 284 00:31:36,728 --> 00:31:41,867 <脚本には「お茶漬けを食べる菊奴。 泣いているようだ。」➡ 285 00:31:41,867 --> 00:31:45,203 と書かれているだけ。 早坂さんは➡ 286 00:31:45,203 --> 00:31:48,874 あえて お茶漬けを食べるという 「日常」の中で➡ 287 00:31:48,874 --> 00:31:54,212 菊奴の悲しみを表現してほしいと 希林さんに託したのです。➡ 288 00:31:54,212 --> 00:32:02,220 その投げかけに どう応えたのか。 希林さんは ある芝居をつけました> 289 00:32:03,822 --> 00:32:09,494 本当は 夢 見とっただらあ。 290 00:32:09,494 --> 00:32:12,831 (かき込む音) 291 00:32:12,831 --> 00:32:22,841 ♬~ 292 00:32:22,841 --> 00:32:26,711 (沢庵をかむ音) 293 00:32:26,711 --> 00:32:33,018 ♬~ 294 00:32:38,390 --> 00:32:41,860 <手を伸ばした沢庵がつながっています。➡ 295 00:32:41,860 --> 00:32:47,732 その方が 菊奴の ぶざまな悲しさを 際立たせることができる。➡ 296 00:32:47,732 --> 00:32:51,036 希林さんの発案でした> 297 00:32:55,407 --> 00:32:58,710 <共演していた吉永小百合さんは…> 298 00:33:17,495 --> 00:33:23,368 <この作品と出会った希林さんは 当時 こう語っていました> 299 00:33:23,368 --> 00:33:27,172 今度は こういう役を こういうふうにして こういうふうにして➡ 300 00:33:27,172 --> 00:33:30,075 こういうふうに作ろうっていうふうに 以前は思っていたんですけども➡ 301 00:33:30,075 --> 00:33:33,378 そうじゃなくって… 302 00:33:54,399 --> 00:33:59,537 <是枝監督に最初に伺った 希林さんのナチュラルな芝居➡ 303 00:33:59,537 --> 00:34:04,242 その原点を見た気がしました> 304 00:34:06,144 --> 00:34:10,815 <だからこそ 女優は電車に乗り バスに乗り➡ 305 00:34:10,815 --> 00:34:15,820 誰もがしている普通の生活を していなければならない> 306 00:34:18,490 --> 00:34:23,495 <希林さんの大切にしていた日常が 見えてきた気がしました> 307 00:34:27,165 --> 00:34:34,039 <今回 私が演じる ドラマは 希林さんの日常を描いたものです。➡ 308 00:34:34,039 --> 00:34:39,177 撮影に入る前に 私は 希林さんが長年暮らした場所で➡ 309 00:34:39,177 --> 00:34:44,049 日々 何を大切にして どんなことに目を向けていたのか。➡ 310 00:34:44,049 --> 00:34:46,351 感じてみようと思いました> 311 00:34:48,186 --> 00:34:53,525 <希林さんが 17年間暮らしていた お気に入りの家です。➡ 312 00:34:53,525 --> 00:34:58,863 調度品をはじめ 当時のまま残されています> 313 00:34:58,863 --> 00:35:01,466 初めまして。 こんにちは 初めまして。 314 00:35:01,466 --> 00:35:04,803 今日は よろしくお願いします。 よろしくお願いします。 315 00:35:04,803 --> 00:35:09,107 <娘の也哉子さんに 案内していただきました> 316 00:35:12,477 --> 00:35:15,380 じゃあ まず こちらで。 317 00:35:15,380 --> 00:35:17,349 え~ いきなりですが➡ 318 00:35:17,349 --> 00:35:22,053 ここは私の父の内田裕也さんの お部屋で。へえ~。 319 00:35:36,501 --> 00:35:38,837 ちょっと懺悔室っぽいでしょ。 (笑い声) 320 00:35:38,837 --> 00:35:43,508 そういう 母の ちょっとしたウイットが込められてます。 321 00:35:43,508 --> 00:35:45,844 <40年以上別居をしていて➡ 322 00:35:45,844 --> 00:35:50,181 裕也さんは この家に泊まったことすら なかったといいます。➡ 323 00:35:50,181 --> 00:35:55,487 それでも あちこちに感じられる 裕也さんの存在> 324 00:35:57,055 --> 00:36:01,459 これだ これです。 これがすごく好きで。 おっぱい わしづかみ。 325 00:36:01,459 --> 00:36:07,799 こんな関係性の夫婦って 見たことなくて。 326 00:36:07,799 --> 00:36:13,471 第三者が触れられない感じが すごく すてきです。 327 00:36:13,471 --> 00:36:17,175 決して 何か 柔和な雰囲気は1ミリもないね。 328 00:36:22,147 --> 00:36:24,482 <そして 也哉子さんが➡ 329 00:36:24,482 --> 00:36:27,152 ちょっと面白いものがあると 見せてくれたのが…> 330 00:36:27,152 --> 00:36:34,025 これは よく 母が 映画とかドラマとかで賞をもらうと➡ 331 00:36:34,025 --> 00:36:40,165 トロフィーでさえも 自分のアレンジを 加えたくなったそうで。へえ~。 332 00:36:40,165 --> 00:36:43,835 町工場に トロフィーと このかさを持っていって➡ 333 00:36:43,835 --> 00:36:47,706 「おじさん くっつけて」って言って くっつけたんです。へえ~。 334 00:36:47,706 --> 00:36:52,510 <映画賞などでもらうトロフィーを なんと照明に改造。➡ 335 00:36:52,510 --> 00:36:55,814 なぜこんなことを…> 336 00:37:00,785 --> 00:37:03,688 恥ずかしい。 337 00:37:03,688 --> 00:37:07,125 <トロフィーを これ見よがしに飾っている自分を➡ 338 00:37:07,125 --> 00:37:09,794 滑稽に見てしまう希林さん。➡ 339 00:37:09,794 --> 00:37:13,131 でも だからといって 捨てるわけじゃないのが➡ 340 00:37:13,131 --> 00:37:17,001 また 希林さんなんだと 也哉子さんは言います。➡ 341 00:37:17,001 --> 00:37:19,471 ほかにも…> 342 00:37:19,471 --> 00:37:21,406 このソファーとかね。 343 00:37:21,406 --> 00:37:24,142 この 演説台なんですよ。 344 00:37:24,142 --> 00:37:26,478 あっ 本当だ。 345 00:37:26,478 --> 00:37:28,813 へえ~。 346 00:37:28,813 --> 00:37:31,716 すごいでしょ。自分で探してですか? そう。 347 00:37:31,716 --> 00:37:34,686 <誰かにとっては 不要になったモノでも➡ 348 00:37:34,686 --> 00:37:38,823 自分にとっては 役立つモノに見えてくる。➡ 349 00:37:38,823 --> 00:37:42,494 見方を変えれば 何でも違う価値を見いだせると➡ 350 00:37:42,494 --> 00:37:45,396 考えていたそうです。➡ 351 00:37:45,396 --> 00:37:47,365 今回のドラマでは➡ 352 00:37:47,365 --> 00:37:51,503 希林さんと也哉子さんの 日常が描かれます。➡ 353 00:37:51,503 --> 00:37:53,838 どんな親子の 日常があったのか➡ 354 00:37:53,838 --> 00:37:56,541 伺うことにしました> 355 00:38:01,446 --> 00:38:03,748 母にとっては… 356 00:38:05,316 --> 00:38:08,119 ごはんを作るっていう。 357 00:38:08,119 --> 00:38:13,791 昔ながらの一汁一菜をなるべく 家では食べさせたいっていうので➡ 358 00:38:13,791 --> 00:38:18,129 玄米なんかも 昔話とかの絵で出てくるような➡ 359 00:38:18,129 --> 00:38:24,002 鉄釜? 羽釜っていうのかな? こんな分厚い木のフタで 下が鉄で。 360 00:38:24,002 --> 00:38:26,805 UFOみたいな形の アレを火にかけて。 361 00:38:26,805 --> 00:38:35,146 で おだしとった おみそ汁と ぬか漬けと焼き魚ぐらいの。 362 00:38:35,146 --> 00:38:38,149 お肉 ほとんど出なかったんですけど。 あ~ そうなんですね。 363 00:38:39,818 --> 00:38:46,157 <どんなに忙しくても 娘の食事だけは 手を抜かない。➡ 364 00:38:46,157 --> 00:38:48,092 そして 也哉子さんには➡ 365 00:38:48,092 --> 00:38:52,497 希林さんに言われた 忘れられない言葉があるといいます。➡ 366 00:38:52,497 --> 00:38:55,500 それは… 367 00:39:18,122 --> 00:39:23,428 よくはないよっていう話なんだけど。 私は こんな苦しいのに。 でも… 368 00:39:30,134 --> 00:39:35,473 だから 父が いろいろな事件をね 巻き起こしたりしても➡ 369 00:39:35,473 --> 00:39:38,176 母は… 370 00:39:39,811 --> 00:39:45,116 それはポーズでは本当になくて 私もあきれちゃうぐらい。 371 00:39:51,823 --> 00:39:58,696 日菜子さんは ふだんの暮らしの中で 心がけていることって ありますか? 372 00:39:58,696 --> 00:40:00,999 結構 私は… 373 00:40:04,836 --> 00:40:10,508 自分が 今やっていることを ふかんで もう一人の自分が見ちゃって。 374 00:40:10,508 --> 00:40:13,411 今の私の行動とか言動って➡ 375 00:40:13,411 --> 00:40:16,381 正解なんだろうか どうなんだろうかとか考えると➡ 376 00:40:16,381 --> 00:40:19,851 何もできなくなって すごい…。 簡単にね 言えなくなりますよね。 377 00:40:19,851 --> 00:40:22,186 がんじがらめになっちゃって。 378 00:40:22,186 --> 00:40:26,524 自己表現とか 自分が本当にやりたいことに対して➡ 379 00:40:26,524 --> 00:40:29,427 ちょっと懐疑的になっちゃったり。 380 00:40:29,427 --> 00:40:32,130 母が よく言ってたのは… 381 00:40:36,534 --> 00:40:41,406 それって 一見すると すごく切ないじゃないですか。 382 00:40:41,406 --> 00:40:43,708 私は もう… 383 00:40:47,178 --> 00:40:49,881 って言いつつも… 384 00:40:52,083 --> 00:40:57,822 ただ 絶対に群れない。 他人と群れることを好まなかった。 385 00:40:57,822 --> 00:41:02,160 つまり 群れないってことは 他人と比べないっていうことにも➡ 386 00:41:02,160 --> 00:41:04,495 つながっていくと思うのね。 387 00:41:04,495 --> 00:41:09,834 よく母が言ってたのは 他人と比べるということほど➡ 388 00:41:09,834 --> 00:41:13,171 昔の人は はしたないって言ってた。 へえ~。 389 00:41:13,171 --> 00:41:18,042 みんな個々で みんな違って みんないいっていうことが➡ 390 00:41:18,042 --> 00:41:21,512 まあ 究極の美学じゃないけれども➡ 391 00:41:21,512 --> 00:41:29,220 昔から そういう思想というか考え方って 日本にあったみたいで。 392 00:41:30,855 --> 00:41:34,192 <人間は みんな違って みんないい。➡ 393 00:41:34,192 --> 00:41:38,529 その違いを見つけられる目と 面白がる心が➡ 394 00:41:38,529 --> 00:41:42,400 人間にとって何より大切なもの。➡ 395 00:41:42,400 --> 00:41:46,404 希林さんが 也哉子さんに 伝えてきたことです。➡ 396 00:41:46,404 --> 00:41:52,543 やがて この考えが 希林さん自身を救う時がやって来ます。➡ 397 00:41:52,543 --> 00:41:58,216 それは 60代から次々と襲いかかった病の時。➡ 398 00:41:58,216 --> 00:42:01,119 希林さんは 左目を失明して➡ 399 00:42:01,119 --> 00:42:03,054 その後 乳がん➡ 400 00:42:03,054 --> 00:42:06,824 更に全身がんに見舞われます。➡ 401 00:42:06,824 --> 00:42:11,696 それでも 精力的に女優活動を続けていました。➡ 402 00:42:11,696 --> 00:42:16,401 病をどう捉え 向き合っていたのでしょうか> 403 00:42:21,172 --> 00:42:24,876 逆に自分の中の… 404 00:42:28,846 --> 00:42:32,183 …っていうふうに言ってましたね。 だから 普通でいったら➡ 405 00:42:32,183 --> 00:42:36,053 がんになったら 真っ暗じゃないですか。 406 00:42:36,053 --> 00:42:41,059 でも 逆に母は… 407 00:42:45,196 --> 00:42:47,498 へえ~。 408 00:42:55,540 --> 00:43:00,144 ああ もう これで終わりなんだといって 諦める見方もできるけれども➡ 409 00:43:00,144 --> 00:43:06,484 こんなふうに残された人生を 生かしてることができるという喜びも➡ 410 00:43:06,484 --> 00:43:14,192 同じぐらい感じられるということを 身をもって教えてもらったっていう。 411 00:43:16,160 --> 00:43:22,033 <生死に関わる病でさえ 悲観せず ありのままに生きる。➡ 412 00:43:22,033 --> 00:43:26,170 希林さんは 闘病中も 決して隠すことなく➡ 413 00:43:26,170 --> 00:43:29,507 カメラの前に立ち続けました。➡ 414 00:43:29,507 --> 00:43:36,180 そんな彼女が 亡くなる直前まで 心を痛めていることがありました。➡ 415 00:43:36,180 --> 00:43:38,483 それは…> 416 00:43:45,857 --> 00:43:51,729 <命と向き合った希林さんが 病室で語った最後のメッセージ。➡ 417 00:43:51,729 --> 00:43:56,501 それが 今回のドラマで明らかになります。➡ 418 00:43:56,501 --> 00:43:59,871 台本を受け取った1か月前より➡ 419 00:43:59,871 --> 00:44:03,741 今の自分の方が 自然にそのセリフが出てくる。➡ 420 00:44:03,741 --> 00:44:09,146 そう思えたのは 本番前日でした。➡ 421 00:44:09,146 --> 00:44:16,454 樹木希林さんからのメッセージ どうか伝わりますように…> 422 00:44:18,489 --> 00:44:22,360 お願いしま~す。 (拍手) 423 00:44:22,360 --> 00:44:26,664 はい 本番! よ~い はい! 424 00:44:43,180 --> 00:44:47,885 死なないでね…。 425 00:44:58,729 --> 00:45:01,032 どうしたの? 426 00:45:03,801 --> 00:45:13,811 どうか… 生きて… ください…。 427 00:45:43,174 --> 00:46:06,397 ♬~ 428 00:46:06,397 --> 00:46:18,476 「9月1日は 学校に行けない子どもたちが 大勢 自殺してしまう日。➡ 429 00:46:18,476 --> 00:46:24,181 命が もったいない」。 430 00:46:26,150 --> 00:46:28,452 これ うまく取れないわ。 431 00:46:33,024 --> 00:46:35,159 (ファックスの受信音) 432 00:46:35,159 --> 00:46:37,161 ああ はいはい。 433 00:46:44,835 --> 00:46:48,172 全国不登校新聞社。 434 00:46:48,172 --> 00:46:51,075 ふ~ん。 435 00:46:51,075 --> 00:46:53,044 ☎(呼び出し音) 436 00:46:53,044 --> 00:46:59,517 もしもし 樹木です。 ファックスを頂いた不登校新聞の方? 437 00:46:59,517 --> 00:47:02,420 ☎あっ はい 石井と申します。 438 00:47:02,420 --> 00:47:06,123 あのね 取材は お受けします。 439 00:47:06,123 --> 00:47:11,462 でも 私 いつ死ぬか分からないから あさってでいいかしら。 440 00:47:11,462 --> 00:47:15,132 ☎あさってですか? 是非お願いします! 441 00:47:15,132 --> 00:47:18,803 ただインタビューするだけってのも 面白くないから➡ 442 00:47:18,803 --> 00:47:21,105 一緒に食事をしましょう。 443 00:47:24,475 --> 00:47:29,180 ありがとう。 おいしい料理 楽しみにしてるわね。 444 00:47:34,151 --> 00:47:37,822 あの 早速なんですが➡ 445 00:47:37,822 --> 00:47:42,493 我々は 不登校で悩む方々に向けて 新聞を作っています。 446 00:47:42,493 --> 00:47:48,365 あの 何で 取材に答えてくださろうと 思ったのかと…。 447 00:47:48,365 --> 00:47:52,837 そういう新聞があるなんて 知らなかったのね。 はい。 448 00:47:52,837 --> 00:47:57,708 でも 私も幼い頃 自閉症の気があってね。 449 00:47:57,708 --> 00:48:01,645 小さい頃は ほとんど しゃべらず➡ 450 00:48:01,645 --> 00:48:08,119 こう じ~っと物陰から 他人を見てるような子だったのよ。 451 00:48:08,119 --> 00:48:13,991 そう考えたら ひと事じゃないような気がしてね。 452 00:48:13,991 --> 00:48:17,128 でも どうして私に? 453 00:48:17,128 --> 00:48:22,466 希林さんは 「人生は難がある方が ありがたい」って おっしゃっていて➡ 454 00:48:22,466 --> 00:48:26,337 それって 不登校にも通ずるというか…。 455 00:48:26,337 --> 00:48:32,143 不登校で行き詰まると 最悪 自死を選んでしまう人もいて…。 456 00:48:32,143 --> 00:48:42,153 う~ん… どう言えば伝わるのか 分からないんだけど…。 457 00:48:42,153 --> 00:48:46,490 本を読むとね 自殺した魂は➡ 458 00:48:46,490 --> 00:48:52,830 生きている時の苦しみどころじゃ ないみたいなのよ。 459 00:48:52,830 --> 00:48:59,503 本当かどうかは分からないけど 私は それを信用しているのね。 460 00:48:59,503 --> 00:49:03,107 私は弱い人間だから➡ 461 00:49:03,107 --> 00:49:09,447 自分で命を絶つことだけはやめようと 思って生きてきたの。 462 00:49:09,447 --> 00:49:13,117 ほら こんな姿になったって 面白いじゃない。 463 00:49:13,117 --> 00:49:15,452 いやいや…。 464 00:49:15,452 --> 00:49:19,757 ごめんなさいね こんな… 返事に困ったでしょ。 465 00:49:21,325 --> 00:49:27,064 それでね この「有難い」ってのはさ➡ 466 00:49:27,064 --> 00:49:32,002 「難が有り」って書くのよね。 467 00:49:32,002 --> 00:49:34,138 うん。 468 00:49:34,138 --> 00:49:37,474 人間が どうして生まれたかっていえば➡ 469 00:49:37,474 --> 00:49:43,147 そういう難を 自分の身に受けながら成熟していって➡ 470 00:49:43,147 --> 00:49:48,485 そして 最後 死に至るのね。 471 00:49:48,485 --> 00:49:52,823 はあ~… なるほど。 472 00:49:52,823 --> 00:50:00,164 私は 小学6年生で不登校で 5年間 引きこもっていました。 473 00:50:00,164 --> 00:50:04,835 この経験を 何かに生かせないかと 考えているんですが➡ 474 00:50:04,835 --> 00:50:08,172 どれもこれも うまくいかないんです。 475 00:50:08,172 --> 00:50:16,046 う~ん…。 もし どうすればいいか迷った時は➡ 476 00:50:16,046 --> 00:50:21,185 自分にとって 楽な方に道を変えたらどうかしら。 477 00:50:21,185 --> 00:50:24,521 楽な方…? う~ん…。 478 00:50:24,521 --> 00:50:33,197 実は 私の娘も 小学6年生の時にね 学校に行きたくないって悩んでたのよ。 479 00:50:33,197 --> 00:50:35,199 フフフ…。 480 00:50:37,067 --> 00:50:39,537 今日 テストどうだった? 481 00:50:39,537 --> 00:50:42,840 めっちゃ難しかったよ…。 (2人)ね~! 482 00:50:47,878 --> 00:50:50,214 遠足 楽しみだね! 本当。 483 00:50:50,214 --> 00:50:53,550 あっ お菓子 買った? まだです。 484 00:50:53,550 --> 00:50:56,220 私も買ってない。 買ってないの? 485 00:50:56,220 --> 00:50:58,555 だから 今日 一緒に行こうよ。 いいね! 486 00:50:58,555 --> 00:51:01,859 どこで待ち合わせ? じゃあ 商店街の…。 487 00:51:04,828 --> 00:51:07,131 あ~ら いい匂い。 488 00:51:08,699 --> 00:51:13,504 このみそ おいしいのよね。 489 00:51:13,504 --> 00:51:15,806 溶けた 溶けた。 490 00:51:20,177 --> 00:51:23,180 あ~ いい匂いね。 491 00:51:27,518 --> 00:51:32,389 ただいま。 お帰りなさい。 492 00:51:32,389 --> 00:51:35,192 ねえ お母さん。 ん? 493 00:51:35,192 --> 00:51:40,531 何で私のランドセルは黒なの? 友達は みんな赤なのに。 494 00:51:40,531 --> 00:51:43,867 あら そう? 黒の方が かっこいいじゃない。 495 00:51:43,867 --> 00:51:48,172 女の子は みんな赤じゃなきゃいけない なんて誰が決めたの? 496 00:52:01,151 --> 00:52:04,455 これ…。 あら。 497 00:52:06,490 --> 00:52:10,361 遠足? いいじゃない。 498 00:52:10,361 --> 00:52:12,363 行きたくない。 499 00:52:12,363 --> 00:52:16,834 誰も転校生の私なんか 仲間に入れてくれないし…。 500 00:52:16,834 --> 00:52:20,504 あら そう。 よかったじゃない。 501 00:52:20,504 --> 00:52:23,841 いつか つらい思いをした人に出会った時に➡ 502 00:52:23,841 --> 00:52:25,776 その人の気持ちが分かって➡ 503 00:52:25,776 --> 00:52:29,713 どうしてほしいか分かるだろうから。 504 00:52:29,713 --> 00:52:32,016 まずは よかった。 505 00:52:34,184 --> 00:52:36,186 あっ。 506 00:52:38,522 --> 00:52:41,425 おお よしよし。 じゃあ ごはんの準備しましょう。 507 00:52:41,425 --> 00:52:43,861 ごはん 要らない。 508 00:52:43,861 --> 00:53:07,084 ♬~ 509 00:53:07,084 --> 00:53:11,822 さあ おいしいごはんが で~きた。 510 00:53:11,822 --> 00:53:23,167 ♬~ 511 00:53:23,167 --> 00:53:25,469 頂きます。 512 00:53:27,504 --> 00:53:29,506 あら おいしそう。 513 00:53:34,845 --> 00:53:37,548 頂きます。 514 00:53:54,531 --> 00:53:58,869 他人を変えようだなんて おこがましいことよ。 515 00:53:58,869 --> 00:54:02,873 どう思われようが 平気な顔していればいいの。 516 00:54:06,677 --> 00:54:09,680 傷ついたことも含めて面白がる。 517 00:54:11,815 --> 00:54:18,122 おごらず 他人と比べず 面白がって 平気に生きてればいいのよ。 518 00:54:19,690 --> 00:54:23,160 でも 本当に辛かったら やめちゃえば? 519 00:54:23,160 --> 00:54:25,095 やめてもいいの? うん。 520 00:54:25,095 --> 00:54:28,098 自分で決めたらいいのよ。 521 00:54:31,034 --> 00:54:33,504 そっかあ…。 522 00:54:33,504 --> 00:54:37,374 お母さんは つらくなったりする時ないの…? 523 00:54:37,374 --> 00:54:42,179 そりゃ ズ~ンと 落ち込むことだってあるわよ。 524 00:54:42,179 --> 00:54:45,516 仕事でも何でもね。 525 00:54:45,516 --> 00:54:52,189 でもね そういう時は 笑うの。 526 00:54:52,189 --> 00:54:55,859 笑うの。 527 00:54:55,859 --> 00:54:57,794 笑うの。 528 00:54:57,794 --> 00:55:02,132 そして 自分の頭をちょっとなでるの。 529 00:55:02,132 --> 00:55:05,469 笑ってるうちにね 井戸じゃないけど➡ 530 00:55:05,469 --> 00:55:09,139 だんだん 水が込み上げてくるみたいな…➡ 531 00:55:09,139 --> 00:55:11,074 そういうやり方ね。 532 00:55:11,074 --> 00:55:16,013 ♬~ 533 00:55:16,013 --> 00:55:19,483 学校に行かなくったって 死にゃあしないけど➡ 534 00:55:19,483 --> 00:55:22,786 食べることこそ 生きるのに必要なことよ。 535 00:55:24,822 --> 00:55:27,724 ほら この魚 頭まで食べられるからね。 536 00:55:27,724 --> 00:55:29,726 そうなの? うん。 537 00:55:34,164 --> 00:55:37,834 うん 本当だ。 おいしい?うん おいしい。 538 00:55:37,834 --> 00:55:40,504 尻尾も食べられるよ。本当? うん。 539 00:55:40,504 --> 00:55:42,840 おいしい。 540 00:55:42,840 --> 00:55:54,184 ♬~ 541 00:55:54,184 --> 00:55:57,087 行ってきま~す。 542 00:55:57,087 --> 00:56:00,791 ♬~ 543 00:56:00,791 --> 00:56:02,726 行ってらっしゃい。 544 00:56:02,726 --> 00:56:05,662 ♬~ 545 00:56:05,662 --> 00:56:09,466 よいしょ… きれいになったかな? 546 00:56:09,466 --> 00:56:14,137 あら こっち残ってる。 こっちも。 547 00:56:14,137 --> 00:56:17,040 抜かりなくね。 548 00:56:17,040 --> 00:56:19,476 ♬~ 549 00:56:19,476 --> 00:56:23,814 よし! お~ きれい きれい。 550 00:56:23,814 --> 00:56:27,684 ♬~ 551 00:56:27,684 --> 00:56:30,153 OK。 OK。はい。 552 00:56:30,153 --> 00:56:33,056 ただいまのカットをもちまして 菊池日菜子さん オールアップになります。 553 00:56:33,056 --> 00:56:35,492 お疲れさまでした。 (拍手) 554 00:56:35,492 --> 00:56:37,794 (一同)お疲れさまでした。 (拍手) 555 00:56:44,167 --> 00:56:47,504 …いいんじゃないっていう セリフがあったんですけど➡ 556 00:56:47,504 --> 00:56:51,508 私 結構 それ 自分の中で衝撃で。 557 00:56:57,180 --> 00:57:00,484 今回の この台本を見て学んだので。 558 00:57:07,791 --> 00:57:12,462 <他人と比べず 面白がって平気に生きればいい。➡ 559 00:57:12,462 --> 00:57:16,466 そうやって 最後まで生き続けた希林さん> 560 00:57:18,802 --> 00:57:23,507 <彼女は生前 こんなメッセージを送っていました> 561 00:57:58,175 --> 00:58:06,783 ♬~ 562 00:58:06,783 --> 00:58:11,655 ♬~ 563 00:58:11,655 --> 00:58:17,794 希林さんが「生きること」っていうのを 何よりも大切にされていたからこそ➡ 564 00:58:17,794 --> 00:58:23,467 私自身としても 「菊池日菜子として生きる」っていうのを➡ 565 00:58:23,467 --> 00:58:31,141 すごく 改めて一から考え直す➡ 566 00:58:31,141 --> 00:58:34,811 私にとって 大きな転機になったんじゃないかな➡ 567 00:58:34,811 --> 00:58:36,813 というふうに思います。 568 00:58:50,827 --> 00:58:55,132 …っていう意気込みに たどりつきました。