1 00:00:33,536 --> 00:00:36,472 盗賊が! 2 00:00:36,472 --> 00:00:39,942 おとなしくしろ! 3 00:00:39,942 --> 00:00:43,942 (藤原道長)何事だ! 盗賊を取り押さえましてございます。 4 00:00:46,282 --> 00:00:48,951 (直秀)思ったより堅固な守りだな。➡ 5 00:00:48,951 --> 00:00:50,886 内裏より ものものしい。 6 00:00:50,886 --> 00:00:53,823 やはり あの時 射たのは お前であったか。 7 00:00:53,823 --> 00:00:55,825 (直秀)あれが 潮時だったな…。 8 00:00:55,825 --> 00:00:57,960 こいつら 散楽のやつらです! 9 00:00:57,960 --> 00:01:00,462 (輔保)あんた 散楽をよく見に来ていた 若君だろ?➡ 10 00:01:00,462 --> 00:01:02,398 俺ら まだ何にも とっちゃいねえ! 11 00:01:02,398 --> 00:01:04,333 今夜のとこは 見逃してくれないか! 12 00:01:04,333 --> 00:01:06,335 やめとけ。 13 00:01:06,335 --> 00:01:10,472 この者らは 我らが片づけますので 若君は お部屋へお戻りください。 14 00:01:10,472 --> 00:01:14,643 若君が そんなに大事か。 15 00:01:14,643 --> 00:01:19,982 あ? (直秀)お前らも 貴族どもに見下されてきた輩だろう。 16 00:01:19,982 --> 00:01:22,885 こいつは 憎き貴族の若君だぜ。 悔しくねえのかよ! 17 00:01:22,885 --> 00:01:25,885 黙れ! 手荒なまねはするな。 18 00:01:29,325 --> 00:01:36,599 この者たちは 人をあやめてはおらぬ。 19 00:01:36,599 --> 00:01:39,101 命まで取らずともよい。 20 00:01:39,101 --> 00:01:43,301 りりしいことだな 若君。 21 00:01:45,608 --> 00:01:50,279 検非違使に引き渡せ。 (一同)はっ! 22 00:01:50,279 --> 00:04:55,597 ♬~ 23 00:04:55,597 --> 00:05:00,436 (茅子)先日 東三条殿に 盗賊が入ったのですって。 (しをり)え~! 24 00:05:00,436 --> 00:05:04,306 (茅子)東三条殿の三郎君が 獅子奮迅のお働き➡ 25 00:05:04,306 --> 00:05:07,109 盗賊らを ことごとく捕らえられたそうですわ。 26 00:05:07,109 --> 00:05:10,946 (しをり) 道長様 このごろ 大層なご評判ですわね。 27 00:05:10,946 --> 00:05:15,117 (笑い声) あ…。 28 00:05:15,117 --> 00:05:19,288 (源 倫子) あ… その 東三条殿に入った盗賊って➡ 29 00:05:19,288 --> 00:05:23,125 せんだって 我が土御門に入った盗賊と おんなじかしら? 30 00:05:23,125 --> 00:05:26,628 それは 分かりませんわ。 31 00:05:26,628 --> 00:05:29,965 そうですわよね。➡ 32 00:05:29,965 --> 00:05:34,236 フフフフフ…。 (笑い声) 33 00:05:34,236 --> 00:05:38,907 (藤原穆子)衛門。 34 00:05:38,907 --> 00:05:40,843 (赤染衛門)お方様。 35 00:05:40,843 --> 00:05:44,580 (穆子)一つ教えておくれ。➡ 36 00:05:44,580 --> 00:05:50,252 倫子は 右大臣家の三郎君を どう思ってるの? 37 00:05:50,252 --> 00:05:52,588 さあ…。 38 00:05:52,588 --> 00:05:57,926 衛門は うちの人には そういうこと話すのに➡ 39 00:05:57,926 --> 00:06:00,596 私の問いには 答えないのね。 40 00:06:00,596 --> 00:06:02,531 え? 41 00:06:02,531 --> 00:06:06,531 もうよい。 お行きなさい。 42 00:06:17,146 --> 00:06:20,616 (乙丸)はれ? おりませんね。 43 00:06:20,616 --> 00:06:27,489 (まひろ) 辻にいなければ ここなのに いつも…。 44 00:06:27,489 --> 00:06:34,563 俺は 鳥籠を出て あの山を越えていく。 45 00:06:34,563 --> 00:06:39,067 もう旅に出てしまったのかしら? 旅? 46 00:06:39,067 --> 00:06:42,905 都を去ると言っていたの。 47 00:06:42,905 --> 00:06:45,574 こっちだ! どけ。 48 00:06:45,574 --> 00:06:48,477 邪魔だ。 何するんですか! 49 00:06:48,477 --> 00:06:50,913 それは 散楽の人たちの…。 50 00:06:50,913 --> 00:06:56,718 あ? お前らも仲間だな。 おい 引っ立てろ! 51 00:06:56,718 --> 00:06:58,654 姫様に何という…。 52 00:06:58,654 --> 00:07:01,089 散楽の人たちが 何をしたっていうんですか! 53 00:07:01,089 --> 00:07:04,593 黙れ この盗賊めが! 盗賊? 54 00:07:04,593 --> 00:07:08,931 仲間は 東三条殿で捕らえられた。➡ 55 00:07:08,931 --> 00:07:13,931 お前らも 獄で た~っぷり詮議してやるぜ。 56 00:07:15,604 --> 00:07:32,554 (カラスの鳴き声) 57 00:07:32,554 --> 00:07:36,892 先日 引き渡した盗賊たちの処分について 知りたい。 58 00:07:36,892 --> 00:07:39,561 余罪について ただいま取り調べておりまする。 59 00:07:39,561 --> 00:07:42,898 ん~…。 60 00:07:42,898 --> 00:07:49,771 いや ほかのことは知らぬが 東三条殿では 何もとっておらぬし➡ 61 00:07:49,771 --> 00:07:56,245 誰も傷つけておらぬゆえ 早めに解き放ってもらいたい。 62 00:07:56,245 --> 00:08:00,245 何故 そのようなお情けを…。 63 00:08:01,917 --> 00:08:03,917 頼む。 64 00:08:05,587 --> 00:08:11,260 いやいや 何せ盗賊でございますからね。 65 00:08:11,260 --> 00:08:14,730 腕の一つもへし折って 二度と罪を犯させぬようにするのが➡ 66 00:08:14,730 --> 00:08:18,530 私の仕事にございます。 67 00:08:21,503 --> 00:08:27,803 手荒なことはしないでくれ。 ほう…。 68 00:08:31,179 --> 00:08:34,082 承知いたしました。 69 00:08:34,082 --> 00:08:36,782 ≪ほら さっさと来い! 70 00:08:38,553 --> 00:08:42,853 ほら さっさと来い! さっさと来い! 71 00:08:44,426 --> 00:08:48,126 歩け! 姫様! 72 00:08:49,898 --> 00:08:52,234 立て! 73 00:08:52,234 --> 00:08:55,704 この者は 私の知り合いゆえ 身柄は預かる。 74 00:08:55,704 --> 00:09:00,204 そいつら 盗賊の仲間ですぜ。 控えよ。 75 00:09:06,448 --> 00:09:10,748 どうぞお帰りくださいませ。 76 00:09:13,588 --> 00:09:15,524 行こう。 77 00:09:15,524 --> 00:09:29,604 ♬~ 78 00:09:29,604 --> 00:09:36,304 (ニワトリの鳴き声) 79 00:09:43,552 --> 00:09:47,552 (百舌彦) はあ… はあ… はあ… はあ…。 80 00:09:49,224 --> 00:09:55,924 なぜ 直秀たちを 検非違使に引き渡したの? 81 00:09:59,234 --> 00:10:03,105 直秀は 都を出ていくつもりだったのよ。 82 00:10:03,105 --> 00:10:05,907 あなたが許してやっていれば➡ 83 00:10:05,907 --> 00:10:11,580 そのまま山を越えて 海の見える 遠くの国に行っていたはずなのに。 84 00:10:11,580 --> 00:10:14,082 許したいと思わなかったわけではない。 85 00:10:14,082 --> 00:10:19,254 されど 東三条殿には 大勢の武者たちがおる。 86 00:10:19,254 --> 00:10:24,593 彼らの前で 盗賊を見逃せば 示しがつかない。 87 00:10:24,593 --> 00:10:33,268 盗賊が許されれば 武者たちとて 何をしでかすか分からん。 88 00:10:33,268 --> 00:10:39,074 そんなに信用できない者たちばかりを 右大臣家は 雇っているの? 89 00:10:39,074 --> 00:10:42,944 信用できる者なぞ 誰もおらぬ。 90 00:10:42,944 --> 00:10:46,244 親兄弟とて 同じだ。 91 00:10:49,818 --> 00:10:55,524 まひろのことは信じておる。 92 00:10:55,524 --> 00:10:58,493 直秀も。 93 00:10:58,493 --> 00:11:04,232 盗賊だって分かっても? ああ。 94 00:11:04,232 --> 00:11:07,169 あいつはあれで 筋が通っておる。 95 00:11:07,169 --> 00:11:14,309 散楽であれ 盗賊であれ 直秀の敵は貴族だ。 96 00:11:14,309 --> 00:11:19,648 そこを貫いているところは信じられる。 97 00:11:19,648 --> 00:11:24,319 直秀は これから どうなるの? 98 00:11:24,319 --> 00:11:26,988 間もなく放免されるであろう。 99 00:11:26,988 --> 00:11:34,262 そ… それは 右大臣家の三郎君が 検非違使に命じたから…。 100 00:11:34,262 --> 00:11:40,962 命じてはおらぬ。 心付けを渡しただけだ。 101 00:11:43,939 --> 00:11:48,810 直秀は 俺に借りなど作りたくないだろうが。 102 00:11:48,810 --> 00:11:51,279 そんなことないわよ。 103 00:11:51,279 --> 00:11:54,749 ありがたく思うわよ きっと。 それを知ったら。 104 00:11:54,749 --> 00:11:56,685 知ることはない。 105 00:11:56,685 --> 00:12:00,485 獄を出れば 遠くの国へ流される。 106 00:12:05,961 --> 00:12:09,831 直秀の望みどおり➡ 107 00:12:09,831 --> 00:12:13,831 海の見える国だとよいが…。 108 00:12:16,304 --> 00:12:24,646 そうね 海の見える国…。 109 00:12:24,646 --> 00:12:44,132 ♬~ 110 00:12:44,132 --> 00:12:52,107 道長様 今日は 私のことも助けてくれて ありがとうございました。 111 00:12:52,107 --> 00:12:55,143 三郎でよい。 112 00:12:55,143 --> 00:12:58,280 もう三郎とは 呼べないわ。 113 00:12:58,280 --> 00:13:00,315 三郎君ならいいかな…。 114 00:13:00,315 --> 00:13:06,515 三郎でよい。 無理… やっぱり 無理よ。 115 00:13:10,859 --> 00:13:17,299 姫様 そろそろ戻らねば お父上が…。 116 00:13:17,299 --> 00:13:20,635 送っていこう。 ご無用です。 117 00:13:20,635 --> 00:13:24,506 うちは 土御門殿の近くなので➡ 118 00:13:24,506 --> 00:13:29,644 あのお屋敷の方に見られたら いろいろと言われるので…。 119 00:13:29,644 --> 00:13:33,944 本当にありがとうございました。 120 00:13:43,091 --> 00:13:45,891 何を言われるというのだ…。 121 00:13:57,606 --> 00:14:03,306 あれは 何だ? 聞いてまいります。 122 00:14:16,291 --> 00:14:19,194 左獄に投獄されている盗賊は➡ 123 00:14:19,194 --> 00:14:23,465 盗んだ品を 貧しい下人たちに 配っていたのだそうで➡ 124 00:14:23,465 --> 00:14:29,638 施しを受けた者たちが 盗賊らの無事を祈っているのだそうです。 125 00:14:29,638 --> 00:14:53,938 ♬~ 126 00:15:00,435 --> 00:15:02,370 はっ! 127 00:15:02,370 --> 00:15:04,305 (藤原惟規)何だよ。 128 00:15:04,305 --> 00:15:07,942 書物読んでるから…。 129 00:15:07,942 --> 00:15:11,942 俺だって 字くらい読めるんだよ。 130 00:15:13,815 --> 00:15:18,453 もうすぐ惟規も 大学に入って いなくなってしまうのね。 131 00:15:18,453 --> 00:15:23,253 しんみりするなよ 姉上らしくもない。 132 00:15:25,627 --> 00:15:29,627 父上は? まだ。 133 00:15:32,233 --> 00:15:35,136 (いと)殿は お帰りになりませんよ。 134 00:15:35,136 --> 00:15:39,836 今宵は 高倉の女のもとに お出かけでございますから。 135 00:15:44,946 --> 00:15:52,253 (藤原為時)「仲尼 昔夢 周公 久…」。 136 00:15:52,253 --> 00:15:54,923 (花山天皇)忯子…。 137 00:15:54,923 --> 00:16:01,429 「聖 智莫 言時 代過」。 138 00:16:01,429 --> 00:16:03,929 (藤原道兼)お上。 139 00:16:16,611 --> 00:16:19,948 (道兼) お薬湯を召される時分にございます。 140 00:16:19,948 --> 00:16:24,948 (花山天皇)そんなもの飲んで よくなるとも思えぬが…。 141 00:16:28,623 --> 00:16:32,323 お前が言うなら飲もう。 142 00:16:41,202 --> 00:16:46,908 まずくて 涙が出るわ…。 143 00:16:46,908 --> 00:16:53,248 忯子を思って涙し 薬湯で涙し…。 144 00:16:53,248 --> 00:16:57,919 朕の人生とは 何であろうか…。 145 00:16:57,919 --> 00:17:24,946 ♬~ 146 00:17:24,946 --> 00:17:31,553 (藤原義懐) 蔵人頭 帝のおそばに 女子を送り込め。 147 00:17:31,553 --> 00:17:36,891 (藤原実資)帝には 姚子様 諟子様 婉子様がおられます。 148 00:17:36,891 --> 00:17:39,794 足りぬ。 もっともっと つぎ込め。 149 00:17:39,794 --> 00:17:45,066 今のままでは 皇子さえ もうけられず 政さえ滞りかねぬ。 150 00:17:45,066 --> 00:17:48,102 いくら大勢の女子をつぎ込んだとて➡ 151 00:17:48,102 --> 00:17:51,940 帝のお心が癒やされねば どうにもなりませぬ。 152 00:17:51,940 --> 00:17:55,577 それを促すのも 蔵人頭の役目であろう。 153 00:17:55,577 --> 00:17:59,447 その方の怠慢である。 何…。 154 00:17:59,447 --> 00:18:02,450 帝のご様子は どうじゃ。 155 00:18:02,450 --> 00:18:07,922 亡き忯子様のことをお思いになり 今日も 涙しておられました。 156 00:18:07,922 --> 00:18:10,825 いつまでメソメソされておるのだ。 157 00:18:10,825 --> 00:18:13,428 新しい女子を抱けば お気持ちも変わろうというものだ。 158 00:18:13,428 --> 00:18:16,464 なんという不敬な! 159 00:18:16,464 --> 00:18:20,602 己の怠慢を棚に上げて 偉そうなことを申すな。 160 00:18:20,602 --> 00:18:22,537 (藤原惟成)まあまあ まあまあ 義懐殿。 161 00:18:22,537 --> 00:18:25,940 私ほどの勤勉な者に向かって 怠慢とは 無礼な! 162 00:18:25,940 --> 00:18:30,278 (惟成)まあまあ まあまあ…。 子作りだけは 帝のお心次第。➡ 163 00:18:30,278 --> 00:18:34,048 どうか そこをお分かりいただき…。 そのようなことは 分かっておる! 164 00:18:34,048 --> 00:18:36,084 そなたの話は くどい! 165 00:18:36,084 --> 00:18:38,386 もうよい 惟成。 166 00:18:38,386 --> 00:18:40,688 蔵人頭なんぞには頼まぬ。 167 00:18:40,688 --> 00:18:43,892 わしらで なんとかいたす。 168 00:18:43,892 --> 00:18:48,192 全く 手のかかる帝だ。 169 00:18:53,234 --> 00:18:58,072 わしを公卿にしておけば このようなことに ならなかったのだ。➡ 170 00:18:58,072 --> 00:19:04,245 何もかも わしを公卿にしなかったのが悪い! 171 00:19:04,245 --> 00:19:07,582 ん! (桐子)はいはい。 172 00:19:07,582 --> 00:19:12,720 何故 義懐ごときが公卿で わしが 公卿ではないのだ。 173 00:19:12,720 --> 00:19:16,925 帝は 一体 どこに目がついておいでなのか! 174 00:19:16,925 --> 00:19:22,096 さきの帝は 全てのことを よくご覧になっていた。 175 00:19:22,096 --> 00:19:25,133 さきの帝が懐かしい! 176 00:19:25,133 --> 00:19:30,805 懐かしんでも 院が帝に戻られはしませんから。 177 00:19:30,805 --> 00:19:36,044 分かっておる! 分かっておるなら もう言わないで。 178 00:19:36,044 --> 00:19:43,384 わしが公卿であったら どんな帝でも 正しくお導きできるのに。 179 00:19:43,384 --> 00:19:46,888 わしが公卿であれば! 180 00:19:46,888 --> 00:19:50,224 じゃあ それ 日記に書けばよろしいのでは? 181 00:19:50,224 --> 00:19:52,260 そうよ 日記 日記。 182 00:19:52,260 --> 00:19:57,060 日記には書かぬ! 恥ずかしくて書けぬ。 183 00:19:58,900 --> 00:20:06,600 (藤原詮子) 父上… 今日は お手が温かいわ。 184 00:20:17,919 --> 00:20:26,094 父上に もしものことがありましても 東宮 懐仁様の後ろ盾はございますので➡ 185 00:20:26,094 --> 00:20:28,596 どうぞご安心くださいませ。➡ 186 00:20:28,596 --> 00:20:34,936 お心おきなく 旅立たれませ。 187 00:20:34,936 --> 00:20:37,271 (藤原兼家)そうはゆかぬぞ。 188 00:20:37,271 --> 00:20:43,271 キャ~! 189 00:20:50,618 --> 00:20:56,491 ち… 父上の病は 偽りだったということでございますか? 190 00:20:56,491 --> 00:21:03,131 内裏の殿上間で倒れたところまでは まことである。 191 00:21:03,131 --> 00:21:08,936 家で目覚めたが 目覚めなかったことにした。➡ 192 00:21:08,936 --> 00:21:11,305 何故か。 193 00:21:11,305 --> 00:21:17,979 これは 我が一族の命運に関わる 大事な話じゃ。 194 00:21:17,979 --> 00:21:20,979 身を正して よく聞け。 195 00:21:23,317 --> 00:21:26,154 (藤原道隆)遅いではないか 晴明。 196 00:21:26,154 --> 00:21:28,089 (安倍晴明)障気が強すぎる。➡ 197 00:21:28,089 --> 00:21:30,658 右大臣様と私だけにしてください。 198 00:21:30,658 --> 00:21:39,467 (祈とう) 199 00:21:39,467 --> 00:21:41,936 (兼家)ううう…。 200 00:21:41,936 --> 00:21:43,871 右大臣様。➡ 201 00:21:43,871 --> 00:21:47,871 気が付かれましたか? 右大臣様。 202 00:21:52,280 --> 00:21:55,950 おお… ただいま 皆様を。 203 00:21:55,950 --> 00:21:57,885 (兼家)待て。 204 00:21:57,885 --> 00:22:01,823 わしは どうなる? 205 00:22:01,823 --> 00:22:10,131 このまま 東宮 懐仁様のご即位を 見届けられず 死ぬのか? 206 00:22:10,131 --> 00:22:12,633 そのようなことは ございませぬ。 207 00:22:12,633 --> 00:22:18,506 安倍晴明が命懸けで ご祈とういたしておりますゆえ。 208 00:22:18,506 --> 00:22:26,180 帝には… 速やかにご譲位いただき➡ 209 00:22:26,180 --> 00:22:31,586 懐仁様のご即位を急がねばならぬ。 210 00:22:31,586 --> 00:22:41,095 されど 帝は 思いの外 しぶとくおわし わしには策がない。 211 00:22:41,095 --> 00:22:46,601 策はございます。 なんと…。 212 00:22:46,601 --> 00:22:52,473 私の秘策 お買いになりますか? 213 00:22:52,473 --> 00:22:59,113 買おう。 されば…。 214 00:22:59,113 --> 00:23:04,919 晴明は このまま眠ったふりをしろと 言いおった。 215 00:23:04,919 --> 00:23:09,757 そして 内裏に 亡き忯子様が怨霊となり➡ 216 00:23:09,757 --> 00:23:13,461 右大臣に取りついたという うわさを流した。 217 00:23:13,461 --> 00:23:18,299 晴明は 自ら その話を帝に申し上げた。 218 00:23:18,299 --> 00:23:25,072 いとしき忯子様の怨霊と知って 帝は おののいておいでらしい。 219 00:23:25,072 --> 00:23:27,272 のう 道兼。 220 00:23:28,943 --> 00:23:33,943 日々 涙ながらに憂いておられます。 221 00:23:37,251 --> 00:23:41,589 これから先が 正念場じゃ。➡ 222 00:23:41,589 --> 00:23:44,926 内裏で 更に いろいろなことが起きる。 223 00:23:44,926 --> 00:23:50,097 わしが 正気を取り戻し 忯子様の迷える み霊が➡ 224 00:23:50,097 --> 00:23:57,605 内裏に飛んでいき さまよっていると 晴明が 帝に申し伝える。 225 00:23:57,605 --> 00:24:05,947 忯子様のみ霊を鎮め 成仏させるために 帝が なすべきことは何か? 226 00:24:05,947 --> 00:24:13,120 これより 力の全てを懸けて 帝を 玉座より引き降ろし奉る。 227 00:24:13,120 --> 00:24:15,056 皆 心して ついてこい。 228 00:24:15,056 --> 00:24:17,291 はっ。 (道隆)はっ。 229 00:24:17,291 --> 00:24:21,629 詮子 源なぞ 何の力もない。 230 00:24:21,629 --> 00:24:27,501 わしに ついてこなければ 懐仁様ご即位はないと思え! 231 00:24:27,501 --> 00:24:36,911 ♬~ 232 00:24:36,911 --> 00:24:43,784 父上の見事さに 打ち震えた。 233 00:24:43,784 --> 00:24:48,589 命を懸けて 父上をお支え申そう。➡ 234 00:24:48,589 --> 00:24:51,089 道兼。 235 00:24:54,462 --> 00:25:00,935 お前は なぜ 先に知っておったのだ? 236 00:25:00,935 --> 00:25:08,235 (道兼)兄上や道長より 私が役に立つと 父上がお思いになったからですよ。 237 00:25:10,611 --> 00:25:17,485 蔵人なのに右大臣の息子ということで 帝には 遠ざけられていましたが➡ 238 00:25:17,485 --> 00:25:21,756 ある日 これをご覧になった帝が➡ 239 00:25:21,756 --> 00:25:25,626 にわかに 私を信用してくださったのです。 240 00:25:25,626 --> 00:25:28,296 いかがいたした? 241 00:25:28,296 --> 00:25:31,596 己で 傷つけたんですよ。 242 00:25:33,134 --> 00:25:39,834 時折 正気を取り戻す父に 殴られたということで。 243 00:25:44,245 --> 00:25:49,083 お前も 難儀なことだのう 恐ろしい父親で。 244 00:25:49,083 --> 00:25:55,256 お上のお悲しみに比べれば どうということもございません。 245 00:25:55,256 --> 00:26:01,128 義懐が このごろ 女御でも ほかの女子でもよいから➡ 246 00:26:01,128 --> 00:26:03,828 子を作れと うるさいのじゃ。 247 00:26:05,900 --> 00:26:08,803 朕は 忯子でなければ嫌なのに…。 248 00:26:08,803 --> 00:26:12,673 なんと むごいことを…。 249 00:26:12,673 --> 00:26:19,473 人の心は そのように 都合よく移ろうものではありませんのに。 250 00:26:23,617 --> 00:26:26,620 お前は 分かってくれるのか。 251 00:26:26,620 --> 00:26:30,491 お上の忯子様への思い➡ 252 00:26:30,491 --> 00:26:36,897 私には 痛いほど分かっております。 253 00:26:36,897 --> 00:26:43,237 兄上や道長が のんびりと父上の枕元に座っている時に➡ 254 00:26:43,237 --> 00:26:52,237 私は 体を張って 父上の命を果たそうとしていたのです。 255 00:26:58,586 --> 00:27:03,090 (百成)昨日も今日も取り調べがないけど 不気味だな。 256 00:27:03,090 --> 00:27:05,993 (輔保)むち打ち 30くらいかな。 257 00:27:05,993 --> 00:27:10,264 (磯丸)人も殺していないんだし まあ そんなもんだろうよ。 258 00:27:10,264 --> 00:27:14,135 (百成)30回も むち打たれんの…。 (笑い声) 259 00:27:14,135 --> 00:27:17,938 (久々利)出たら 六条河原の女に 会いに行かないとな。 260 00:27:17,938 --> 00:27:20,608 急に消えたから 心配してるだろうし。 261 00:27:20,608 --> 00:27:24,945 もう男できてたりして。 262 00:27:24,945 --> 00:27:29,283 それは あるな。 (笑い声) 263 00:27:29,283 --> 00:27:34,121 (黒太)♬ 梅の香ぞ 264 00:27:34,121 --> 00:27:39,560 (一同)♬ 酒の香ぞ 265 00:27:39,560 --> 00:27:51,572 ♬ そそげず そそげず 闇の盃 266 00:27:51,572 --> 00:27:54,475 いんじゃん! 267 00:27:54,475 --> 00:27:59,914 (広盛)道長殿が捕らえた盗賊 流罪と決まったらしいですぞ。 268 00:27:59,914 --> 00:28:02,249 なぜ広盛殿が 知っておるのだ? 269 00:28:02,249 --> 00:28:05,586 私の弟は 検非違使庁に つてがございまして。 270 00:28:05,586 --> 00:28:08,286 そうであったか。 271 00:28:10,257 --> 00:28:14,728 いつ出立するかは 聞いておらぬか? 272 00:28:14,728 --> 00:28:18,265 明日の卯の刻だったと思います。 卯の刻…。 273 00:28:18,265 --> 00:28:21,735 (宗近)7人も流罪にするのは 手がかかりますな。 274 00:28:21,735 --> 00:28:24,605 検非違使庁も 何を考えているのか。 275 00:28:24,605 --> 00:28:29,605 盗人なら せいぜい むち打ちくらいでしょう 常ならば。 276 00:28:32,213 --> 00:28:39,513 卯の刻 直秀が獄を出て 都を追われる。 277 00:28:42,857 --> 00:28:48,229 別れを告げるなら 共に参ろう。 278 00:28:48,229 --> 00:28:58,239 ♬~ 279 00:28:58,239 --> 00:29:00,574 流罪の者を見送りに…。 280 00:29:00,574 --> 00:29:06,914 それなら もう 出ましたぞ。 え? 281 00:29:06,914 --> 00:29:12,586 卯の刻に獄を出ると聞いたが。 もう出ました。 282 00:29:12,586 --> 00:29:15,886 どこに向かったのだ? 283 00:29:18,459 --> 00:29:22,596 どこに向かった! とと… 鳥辺野…。 284 00:29:22,596 --> 00:29:25,499 鳥辺野? 285 00:29:25,499 --> 00:29:31,272 鳥辺野とは しかばねの捨て場ではないか。 286 00:29:31,272 --> 00:30:02,236 ♬~ 287 00:30:02,236 --> 00:30:04,572 どうした? 288 00:30:04,572 --> 00:30:18,872 ♬~ 289 00:30:27,595 --> 00:30:37,595 (カラスの鳴き声) 290 00:30:52,820 --> 00:30:57,120 手荒なことはしないでくれ。 291 00:31:05,633 --> 00:31:08,633 愚かな…。 292 00:31:38,532 --> 00:34:27,532 ♬~ 293 00:34:46,253 --> 00:34:49,553 すまない。 294 00:35:26,894 --> 00:35:29,194 すまない。 295 00:35:31,565 --> 00:35:37,865 皆を 殺したのは…。 296 00:35:49,583 --> 00:35:52,283 俺なんだ。 297 00:35:58,592 --> 00:36:01,892 余計なことをした! 298 00:36:16,610 --> 00:36:19,610 すまない…。 299 00:36:39,566 --> 00:36:41,501 すまない…。 300 00:36:41,501 --> 00:36:43,437 すまない。 301 00:36:43,437 --> 00:36:45,439 すまなかった。 302 00:36:45,439 --> 00:36:48,439 すまなかった! 303 00:36:51,578 --> 00:37:11,264 ♬~ 304 00:37:11,264 --> 00:37:36,423 (泣き声) 305 00:37:36,423 --> 00:38:12,123 ♬~ 306 00:38:32,879 --> 00:38:34,879 (悲鳴) 307 00:38:36,550 --> 00:38:38,485 (悲鳴) 308 00:38:38,485 --> 00:38:40,887 忯子様の涙だわ。 309 00:38:40,887 --> 00:38:45,559 昨夜も 弘徽殿で 白い影を見たという者が…。 310 00:38:45,559 --> 00:38:48,895 怨霊よ 忯子様の。 311 00:38:48,895 --> 00:38:52,566 右大臣は 死ななかったのか。 312 00:38:52,566 --> 00:38:56,903 さても しぶといやつ 虫ずが走る。 313 00:38:56,903 --> 00:39:02,075 (晴明)ことは そのような のどかな話では ございませぬ。 はん? 314 00:39:02,075 --> 00:39:05,912 右大臣様が お目覚めになったということは➡ 315 00:39:05,912 --> 00:39:11,418 成仏できない忯子様の み霊が 右大臣様を離れ➡ 316 00:39:11,418 --> 00:39:14,087 内裏に飛んできた ということにございます。 317 00:39:14,087 --> 00:39:20,727 ≪(花山天皇)忯子よ… 成仏できぬのか。 かわいそうにな…。 318 00:39:20,727 --> 00:39:23,597 忯子様は 苦しんでおられます。 319 00:39:23,597 --> 00:39:28,268 成仏しようと もがいておられます。 320 00:39:28,268 --> 00:39:32,139 成仏させてやりたいな…。 321 00:39:32,139 --> 00:39:37,878 そのようなことが おできになるのは お上しかおられません。 322 00:39:37,878 --> 00:39:40,380 何でもしてやろうぞ。 323 00:39:40,380 --> 00:39:42,315 どうすればよいのじゃ。 324 00:39:42,315 --> 00:39:46,553 ん~… 何でもと仰せられても…。 325 00:39:46,553 --> 00:39:50,223 はっきり申せ。 ん~…。 326 00:39:50,223 --> 00:39:53,894 もったいぶるな! ん~…。 327 00:39:53,894 --> 00:39:56,594 晴明。 ならば…。 328 00:39:59,566 --> 00:40:05,866 お上が 出家あそばされるしか ございません。 329 00:40:13,914 --> 00:40:20,587 父上 これまでお育てくださり 学問をご教授くださり➡ 330 00:40:20,587 --> 00:40:23,924 ありがとうございました。 331 00:40:23,924 --> 00:40:28,795 これより 大学に参ります。 332 00:40:28,795 --> 00:40:34,935 (泣き声) 333 00:40:34,935 --> 00:40:39,606 父上のお顔を潰さないよう 努めてまいります。 334 00:40:39,606 --> 00:40:44,277 (泣き声) 335 00:40:44,277 --> 00:40:47,948 いと これは泣くことではない。 336 00:40:47,948 --> 00:40:53,286 いと 今生の別れではないのよ。 337 00:40:53,286 --> 00:40:57,286 休みの日には 帰ってこられるんだから。 338 00:40:58,959 --> 00:41:03,830 赤子の時からお育て申し➡ 339 00:41:03,830 --> 00:41:08,301 片ときも離れたことのない 若様ですので…。 340 00:41:08,301 --> 00:41:14,174 (泣き声) 341 00:41:14,174 --> 00:41:30,657 一念通天 率先垂範 温故知新 独学孤陋 肝に銘じよ。 342 00:41:30,657 --> 00:41:34,261 今の分かった? 343 00:41:34,261 --> 00:41:37,297 1つ分かった。 情けないのう…。 344 00:41:37,297 --> 00:41:40,934 今日から本気出しますので。 ねっ。 345 00:41:40,934 --> 00:41:42,869 ん。 346 00:41:42,869 --> 00:41:48,808 しっかり学んで 見違えるように成長せよ。 はい! 347 00:41:48,808 --> 00:41:51,278 行ってまいります! 348 00:41:51,278 --> 00:42:12,966 ♬~ 349 00:42:12,966 --> 00:42:17,837 心配じゃのう…。 350 00:42:17,837 --> 00:42:21,975 なんとかなりましょう。 351 00:42:21,975 --> 00:42:29,316 お前が男であったらと 今も思うた。 352 00:42:29,316 --> 00:42:34,587 私も このごろ そう思います。 353 00:42:34,587 --> 00:42:43,596 男であったなら 勉学にすこぶる励んで 内裏に上がり➡ 354 00:42:43,596 --> 00:42:46,933 世を正します。 355 00:42:46,933 --> 00:42:49,933 ほう~…。 356 00:42:51,604 --> 00:42:54,274 言い過ぎました。 357 00:42:54,274 --> 00:42:59,274 (笑い声) 358 00:43:01,614 --> 00:43:06,486 決行は 歳星が二十八宿の氐宿を犯す日。 359 00:43:06,486 --> 00:43:09,956 何があるの? 志を言葉に表しております。 360 00:43:09,956 --> 00:43:12,859 忯子の文を持ってまいるのを忘れた。 急ぎませぬと…。 361 00:43:12,859 --> 00:43:16,463 全ての門を閉める。 行ってまいります。 362 00:43:16,463 --> 00:43:18,498 おおっ! 声を出すな。 363 00:43:18,498 --> 00:43:22,135 死ぬまで見つめ続けます。 一緒に行こう。 364 00:43:22,135 --> 00:43:24,135 このようなことは おかしい! 365 00:43:33,513 --> 00:43:39,213 散楽は 奈良時代に 中国からもたらされた芸能で… 366 00:43:42,222 --> 00:43:46,593 さまざまな芸がありました。 367 00:43:46,593 --> 00:43:54,934 752年 東大寺の大仏が建立され 開眼供養が行われました。 368 00:43:54,934 --> 00:44:01,808 音楽や舞が披露され その中には 散楽も奉納されたといいます。 369 00:44:01,808 --> 00:44:09,282 朝廷の庇護を受け 養成機関も設けられていました。 370 00:44:09,282 --> 00:44:16,623 しかし 平安時代には 散楽は敬遠され 養成機関は廃止。 371 00:44:16,623 --> 00:44:22,128 路上で 庶民に 芸を披露するようになったといいます。 372 00:44:22,128 --> 00:44:27,300 やがて 滑稽芸は能楽 人形劇は浄瑠璃といった➡ 373 00:44:27,300 --> 00:44:29,969 新たな芸能へ発展。 374 00:44:29,969 --> 00:44:33,969 散楽は 姿を消しました。 375 00:44:35,575 --> 00:44:42,916 そして 現在 その散楽を復活させようと 活動している集団がいます。 376 00:44:42,916 --> 00:44:49,916 2019年 東大寺で 再び散楽が奉納されました。 377 00:44:51,591 --> 00:44:53,927 千年の時を超え➡ 378 00:44:53,927 --> 00:44:58,627 散楽は 新たな姿で よみがえろうとしています。 379 00:45:33,533 --> 00:45:36,269 (将監)これは私怨か。 380 00:45:36,269 --> 00:45:40,039 それとも 上意討ちか。 381 00:45:40,039 --> 00:45:42,275 (源五)問答無用!