1 00:00:33,219 --> 00:00:36,622 ♬~ 2 00:00:36,622 --> 00:00:48,968 ♬~ 3 00:00:48,968 --> 00:00:54,307 4年前の政変劇で 孫である一条天皇を即位させ➡ 4 00:00:54,307 --> 00:00:56,976 摂政となった兼家は➡ 5 00:00:56,976 --> 00:01:03,649 瞬く間に息子たちを昇進させ 政権中枢に置いた。 6 00:01:03,649 --> 00:01:07,987 この日は 一条天皇 元服の日。 7 00:01:07,987 --> 00:01:16,329 加冠役を務めた兼家は 政権トップの座を揺るぎないものとした。 8 00:01:16,329 --> 00:03:11,977 ♬~ 9 00:03:11,977 --> 00:03:20,319 ♬~ 10 00:03:20,319 --> 00:04:01,019 ♬~ 11 00:04:05,631 --> 00:04:08,534 (藤原定子)父上! 母上! 12 00:04:08,534 --> 00:04:11,504 兄上の恋文を見つけてしまいました。 13 00:04:11,504 --> 00:04:14,140 (藤原伊周)やめろ やめぬか。 14 00:04:14,140 --> 00:04:18,644 (高階貴子)フフフ… いつまでも子供で 困ったものね。 15 00:04:18,644 --> 00:04:20,579 あ…。 (紙が破れる音) 16 00:04:20,579 --> 00:04:22,515 あっ! 17 00:04:22,515 --> 00:04:25,818 (伊周) 戯れに 下書きなぞしていただけです。 18 00:04:25,818 --> 00:04:30,156 (藤原道隆)定子 過ちは 文を盗み見た お前の方にあるぞ。➡ 19 00:04:30,156 --> 00:04:34,026 恋心とは 秘めたるもので 人に見せるものではない。 20 00:04:34,026 --> 00:04:36,262 もうよろしいのです 父上。 21 00:04:36,262 --> 00:04:38,764 お優しい兄上。 黙れ。 22 00:04:38,764 --> 00:04:40,699 (藤原隆家)母上!➡ 23 00:04:40,699 --> 00:04:43,602 兄上と姉上が けんかしてた。 24 00:04:43,602 --> 00:04:47,940 もう伊周と定子は 仲直りしたぞ。 25 00:04:47,940 --> 00:04:55,281 破ってしまったから読めないけれど 私も 伊周の恋文 読みたかったわ。 26 00:04:55,281 --> 00:04:57,616 ちっとも ときめかなかったけれど。 27 00:04:57,616 --> 00:05:00,286 何を言うか 最高の出来だった。 フフ。 28 00:05:00,286 --> 00:05:07,793 本当に 伊周は 漢詩も和歌も笛も弓も 誰よりも秀でていますものね。 29 00:05:07,793 --> 00:05:09,728 また兄上びいき。 30 00:05:09,728 --> 00:05:11,664 まことのことゆえ しかたないな。 31 00:05:11,664 --> 00:05:14,133 フフフフ… 自信あり過ぎ。 32 00:05:14,133 --> 00:05:18,437 兄上は 文のお相手に 婿入りなさりたいの? 33 00:05:18,437 --> 00:05:22,308 婿入りなんぞ まだまだですよ。 34 00:05:22,308 --> 00:05:26,645 母上は 兄上が大好きで 手放したくないのね。 35 00:05:26,645 --> 00:05:28,581 (貴子)そうですよ。 36 00:05:28,581 --> 00:05:32,281 入内するからというて 浮かれるな。 37 00:05:46,131 --> 00:05:48,831 あ… 父上。 38 00:05:50,769 --> 00:05:52,769 あっ。 39 00:05:58,277 --> 00:06:01,780 一条天皇 元服の20日後➡ 40 00:06:01,780 --> 00:06:04,817 定子が 入内した。 41 00:06:04,817 --> 00:06:10,817 道隆たち中関白家 絶頂期の始まりである。 42 00:06:17,796 --> 00:06:19,832 (定子)お上。➡ 43 00:06:19,832 --> 00:06:24,532 お か み。 44 00:06:36,181 --> 00:06:38,181 フフ…。 45 00:06:41,921 --> 00:06:47,621 お上のお好きなもの お教えください。 46 00:06:50,596 --> 00:06:57,896 お上のお好きなもの 私も 全部好きになります。 47 00:07:00,272 --> 00:07:09,572 (一条天皇)母上 つばき餅… 松虫。 48 00:07:13,819 --> 00:07:20,119 私 虫だけは苦手なんです。 49 00:07:27,800 --> 00:07:32,237 (藤原道兼) そなたも 大きくなったら入内するのだぞ。 50 00:07:32,237 --> 00:07:34,740 (藤原繁子)まだ7歳でございますよ。 51 00:07:34,740 --> 00:07:38,911 入内させるべく学ばせるなら 早いに越したことはない。 52 00:07:38,911 --> 00:07:43,582 ご自身のご栄達のことも 大事ではございますけれど➡ 53 00:07:43,582 --> 00:07:46,251 尊子の幸せもお考えくださいませ。 54 00:07:46,251 --> 00:07:48,187 何を言うか。 55 00:07:48,187 --> 00:07:50,923 入内ほどの誉れはなかろう。 56 00:07:50,923 --> 00:07:55,094 帝は まだ幼く 定子との間に 数年は子はできまい。 57 00:07:55,094 --> 00:08:00,265 できたとしても 皇子かどうかも分からぬ。 58 00:08:00,265 --> 00:08:02,768 その時こそ この子の出番だ。➡ 59 00:08:02,768 --> 00:08:06,568 分かったな 尊子。 60 00:08:17,616 --> 00:08:42,775 ♬~ 61 00:08:42,775 --> 00:08:45,475 (まひろ)この針をおくれ。 62 00:08:50,249 --> 00:08:52,949 これで よいか? 63 00:09:00,893 --> 00:09:06,265 (さわ)まあ おいしそうな あゆの干魚。 64 00:09:06,265 --> 00:09:10,602 買えないものは見ないようにしているの。 65 00:09:10,602 --> 00:09:13,939 (さわ)今度 うちにある干魚を 持ってまいります。 66 00:09:13,939 --> 00:09:15,874 そんなことしないで。 67 00:09:15,874 --> 00:09:19,111 また お父上とお母上に叱られるわ。 68 00:09:19,111 --> 00:09:21,046 ≪いいかげんにしてください! ≪どけ! 69 00:09:21,046 --> 00:09:24,246 ≪邪魔するな! ≪やめて! 70 00:09:26,285 --> 00:09:30,289 この子たちを売った覚えはない。 返してください。 71 00:09:30,289 --> 00:09:32,558 何言ってんだ? 72 00:09:32,558 --> 00:09:35,461 ここに証文がある。 73 00:09:35,461 --> 00:09:39,898 これは 染物師のもとに預けるという 証文ではないのですか? 74 00:09:39,898 --> 00:09:46,598 フッ… ここには 1人 布1反で売ると 書いてある。 75 00:09:52,478 --> 00:09:55,778 帰ろう! 帰ろう! 76 00:09:57,449 --> 00:09:59,449 うっ…。 77 00:10:01,186 --> 00:10:03,122 連れてくぞ。 毎度どうも。 78 00:10:03,122 --> 00:10:05,390 待って…。 いいかげんにしろ! 79 00:10:05,390 --> 00:10:09,261 来い! 待って… 待って… 待ってください。 80 00:10:09,261 --> 00:10:11,763 誰か… 誰か助けて! 81 00:10:11,763 --> 00:10:13,699 大丈夫ですか? 82 00:10:13,699 --> 00:10:15,934 子供… 子供を連れ戻してください。 83 00:10:15,934 --> 00:10:22,107 ゴロゴロ生まれてくる子なんか 要らねえ親もいるんだよ! 84 00:10:22,107 --> 00:10:25,611 子を売らないと 食えねえ親もいる。 85 00:10:25,611 --> 00:10:32,284 これを見ろ。 俺は そういう親を助けてやってんだ。 86 00:10:32,284 --> 00:10:37,156 子を売るなんて…。 87 00:10:37,156 --> 00:10:42,156 これは… 預けると書いているんではないんですか? 88 00:10:44,296 --> 00:10:46,632 余計なことをするな! 89 00:10:46,632 --> 00:10:50,332 (乙丸)姫様に何をする! 90 00:10:53,138 --> 00:10:58,010 これくらいの傷で ようございました。 91 00:10:58,010 --> 00:11:03,649 あの人の子は とうとう売られてしまったのね。 92 00:11:03,649 --> 00:11:07,152 もう お忘れください。 93 00:11:07,152 --> 00:11:11,456 文字さえ読めたら あんなことにはならなかったのに…。 94 00:11:11,456 --> 00:11:16,995 民のほとんどは 字が読めませんから。 95 00:11:16,995 --> 00:11:19,665 文字を教えたい。 96 00:11:19,665 --> 00:11:24,536 えっ… 一人二人に教えても 今日のような不幸は救えませんよ。 97 00:11:24,536 --> 00:11:28,236 一人でも二人でも 救えたらいいわ。 98 00:11:35,948 --> 00:11:45,624 私は私らしく 自分の生まれてきた意味を 探してまいります。 99 00:11:45,624 --> 00:11:48,293 [ 心の声 ] よりよき世の中を求め➡ 100 00:11:48,293 --> 00:11:52,631 あなたは 上から 政を改めてください。➡ 101 00:11:52,631 --> 00:11:58,971 私は 民を 一人でも二人でも救います。 102 00:11:58,971 --> 00:12:01,671 (せきばらい) 103 00:12:04,309 --> 00:12:06,979 名前は 何て言うの? 104 00:12:06,979 --> 00:12:09,314 乙丸だ! 105 00:12:09,314 --> 00:12:12,818 それでは 名前を書いてみましょう。 106 00:12:12,818 --> 00:12:18,018 おお! 文字で名前を書くぞ! 107 00:12:22,527 --> 00:12:28,827 を! おお! これが 「を」か! 108 00:12:31,603 --> 00:12:34,506 と! 109 00:12:34,506 --> 00:12:39,111 ま… る! 110 00:12:39,111 --> 00:12:44,911 をとまるだ! 俺の名だ! 111 00:12:48,820 --> 00:12:52,520 俺… の名だ! 112 00:13:05,237 --> 00:13:08,237 あなたも書いてみる? 113 00:13:17,316 --> 00:13:19,251 あ。 (たね)あ。 114 00:13:19,251 --> 00:13:21,186 雨の「あ」よ。 115 00:13:21,186 --> 00:13:24,189 さあ 書いてみましょう。 116 00:13:24,189 --> 00:13:29,828 横棒1本 上から縦に1本➡ 117 00:13:29,828 --> 00:13:33,799 ここから 回って くるん。 118 00:13:33,799 --> 00:13:38,270 そう! 書いてみて。 119 00:13:38,270 --> 00:13:43,141 横棒1本 上から縦に1本➡ 120 00:13:43,141 --> 00:13:45,610 ここから… くるん。 121 00:13:45,610 --> 00:13:51,950 そう! 書けた! フフフ… 書けたね。 上手。 122 00:13:51,950 --> 00:13:55,620 こっちにも 1個書いて。 123 00:13:55,620 --> 00:14:05,630 (2人)「やま かは みね たに くも きり むろ こけ…」。 124 00:14:05,630 --> 00:14:11,136 為時は 花山天皇の退位で 官職を失って4年➡ 125 00:14:11,136 --> 00:14:13,972 収入は ほとんどなかった。 126 00:14:13,972 --> 00:14:17,843 (いと)殿様。 (藤原為時)ん? 127 00:14:17,843 --> 00:14:21,843 姫様が また 何の足しにもならぬことを おやりですけど…。 128 00:14:24,616 --> 00:14:27,316 うん…。 129 00:14:29,321 --> 00:14:34,593 こんなに お家が困窮しております時に どうなんでございましょう…。 130 00:14:34,593 --> 00:14:37,929 うん…。 131 00:14:37,929 --> 00:14:40,629 どうなんでございましょう! 132 00:14:43,802 --> 00:14:46,271 何だ こんなものは! 133 00:14:46,271 --> 00:14:48,206 なんてことを…。 134 00:14:48,206 --> 00:14:51,943 (源 雅信)国司の横暴をあげつらう上訴が 多いのう…。 135 00:14:51,943 --> 00:14:54,780 (藤原為光) 訴状を読むのも面倒でございますな。 136 00:14:54,780 --> 00:14:58,950 そのように 国司は 勝手に民に重い税を課して➡ 137 00:14:58,950 --> 00:15:01,286 私腹を肥やすものであろうか? 138 00:15:01,286 --> 00:15:04,289 毎度ながら信じられぬ思いじゃ。 139 00:15:04,289 --> 00:15:11,630 昨年 尾張の国の民の上訴により 国司を変更したばかり。 140 00:15:11,630 --> 00:15:18,804 強く申せば通ると思えば 民は いちいち文句を言うことになりましょう。 141 00:15:18,804 --> 00:15:24,676 ほかの国の民も 国司の小さな傷を 言い立てるようになることは➡ 142 00:15:24,676 --> 00:15:26,678 阻まねばなりませぬ。 143 00:15:26,678 --> 00:15:29,514 ゆえに この上訴は却下。 144 00:15:29,514 --> 00:15:34,214 帝に奏上することはないと存じます。 145 00:15:39,925 --> 00:15:44,763 帝に奏上すべき一件ではないということで よろしいかな。 146 00:15:44,763 --> 00:15:47,265 では。 (藤原道長)お待ちくださいませ。 147 00:15:47,265 --> 00:15:53,939 遠方より都に参り 上訴する民の声には 切実な思いがあるに違いありません。 148 00:15:53,939 --> 00:16:00,939 この訴状につきましては 詳しく審議すべきと考えまするが…。 149 00:16:04,583 --> 00:16:09,883 民なくば 我々の暮らしもありません。 150 00:16:12,290 --> 00:16:14,960 摂政殿。 151 00:16:14,960 --> 00:16:17,629 お考えを。 152 00:16:17,629 --> 00:16:20,929 (藤原兼家)おお… 道兼か。 153 00:16:22,501 --> 00:16:28,501 橋の修繕は 急ぎ行え。 154 00:16:33,111 --> 00:16:36,114 わしは 今 何か申したか? 155 00:16:36,114 --> 00:16:39,751 父上の正気を失う前に➡ 156 00:16:39,751 --> 00:16:44,923 後継を指名してもらわねばなりませぬな 兄上。 157 00:16:44,923 --> 00:16:48,593 (道隆)そのようなことを申すでない。 158 00:16:48,593 --> 00:16:53,932 父上には まだまだ働いていただかねばならぬ。 159 00:16:53,932 --> 00:16:57,802 (道兼)本心とも思えぬ きれい事を…。 160 00:16:57,802 --> 00:17:01,806 わしは お前とは違うのだ。 161 00:17:01,806 --> 00:17:04,506 口を謹め。 162 00:17:11,783 --> 00:17:15,583 (藤原実資)精進 精進。 163 00:17:21,960 --> 00:17:26,298 父上は➡ 164 00:17:26,298 --> 00:17:30,598 今年の夏は 越えられまい。 165 00:17:32,904 --> 00:17:36,904 今日 内裏で正気を失われた。 166 00:17:39,778 --> 00:17:46,251 もしものことがあれば 私が摂政となる。 167 00:17:46,251 --> 00:17:51,951 お前も忙しくなるゆえ 心づもりをしておけ。 168 00:17:54,926 --> 00:18:02,601 心づもりは とうの昔から できております。 169 00:18:02,601 --> 00:18:08,901 明日そうなっても 心配ございませんよ。 170 00:18:11,276 --> 00:18:17,148 フフ… さすが 殿が見込んだ 妻でございましょ? 171 00:18:17,148 --> 00:18:22,287 俺がおらねば 父の今日はない。 172 00:18:22,287 --> 00:18:25,123 (藤原公任) それは 亡き父からも聞いております。 173 00:18:25,123 --> 00:18:29,427 なのに なぜ 兄が内大臣で 俺が 権大納言なのか さっぱり分からぬ。 174 00:18:29,427 --> 00:18:33,898 まことに…。 175 00:18:33,898 --> 00:18:38,770 されど 亡き父は申しておりました。 176 00:18:38,770 --> 00:18:44,075 実は 摂政様が 一番頼りにしておられるのは➡ 177 00:18:44,075 --> 00:18:46,578 道兼様だと。➡ 178 00:18:46,578 --> 00:18:50,915 今は ご嫡男の道隆様のお顔を 立てておられますが➡ 179 00:18:50,915 --> 00:18:55,253 後継は 道兼様をご指名になりましょう。 180 00:18:55,253 --> 00:18:59,591 そうでなければならぬ。 そうでなければ…。 181 00:18:59,591 --> 00:19:02,494 心配は いらないのでは ございませぬか? 182 00:19:02,494 --> 00:19:10,101 俺が 摂政か関白となれば 必ず そなたを取り立ててやろう。➡ 183 00:19:10,101 --> 00:19:15,774 そなたは もう 後ろ盾がないゆえ 俺を頼りにいたせ。 184 00:19:15,774 --> 00:19:17,809 ありがたき幸せにございます。 185 00:19:17,809 --> 00:19:23,515 そなたは 蔵人頭 帝にも父にも近い。 186 00:19:23,515 --> 00:19:27,118 父の様子を 逐一 俺に伝えてくれ。 187 00:19:27,118 --> 00:19:31,890 承知いたしました。 188 00:19:31,890 --> 00:19:39,590 尽くせよ 俺に。 はっ。 189 00:19:41,232 --> 00:19:44,135 (鳥の鳴き声) 190 00:19:44,135 --> 00:19:48,006 この子は 道長と倫子の一の姫➡ 191 00:19:48,006 --> 00:19:50,241 彰子である。 192 00:19:50,241 --> 00:19:55,580 (藤原穆子)あなたの この年頃には よく おしゃべりしたものだったけど➡ 193 00:19:55,580 --> 00:19:57,916 この子は 言葉が遅いわね。 194 00:19:57,916 --> 00:20:00,585 (源 倫子)殿に似たのかしら? 195 00:20:00,585 --> 00:20:04,756 道長殿も 子供の頃 そうだったの? 196 00:20:04,756 --> 00:20:09,394 いつも ぼんやりしていて 父や兄に叱られていたって。 197 00:20:09,394 --> 00:20:13,264 それは 倫子を笑わそうと なさっているのよ。 198 00:20:13,264 --> 00:20:18,603 あんな りりしいお方が ぼんやりしていたわけは ないでしょ。 199 00:20:18,603 --> 00:20:23,108 そうね そうかもしれないわ。 フフフフフ…。 200 00:20:23,108 --> 00:20:25,143 殿様のお帰りにございます。 201 00:20:25,143 --> 00:20:31,843 (穆子)まあ お早いお帰り。 では 私は これで。 202 00:20:45,964 --> 00:20:49,834 いかがされましたか? 203 00:20:49,834 --> 00:20:55,134 父が おかしい。 204 00:20:56,975 --> 00:20:59,878 もののけにでも つかれたのであろうか。 205 00:20:59,878 --> 00:21:04,849 話のさなかに 訳の分からぬことを 言いだされた。 206 00:21:04,849 --> 00:21:11,322 摂政様も 人の子だということではございませぬか。 207 00:21:11,322 --> 00:21:13,258 ん? 208 00:21:13,258 --> 00:21:17,996 我が父は 摂政様よりも年長。 209 00:21:17,996 --> 00:21:21,666 このごろ すっかり老いました。 210 00:21:21,666 --> 00:21:29,007 あれは 老いなのか…。 恐らくは…。 211 00:21:29,007 --> 00:21:33,978 でも 私は 老いた父も いとおしゅうございます。 212 00:21:33,978 --> 00:21:37,778 ここまで 一生懸命 働いてきたんですもの。 213 00:21:39,617 --> 00:21:44,489 我が父も 長い闘いを 生き抜いてこられたからな…。 214 00:21:44,489 --> 00:21:48,489 帝が即位され 定子様が入内して…。 215 00:21:50,261 --> 00:21:54,165 気が抜けてしまわれたのやもしれぬな。 216 00:21:54,165 --> 00:22:00,865 お優しくしてあげてください。 そうだな。 217 00:22:09,314 --> 00:22:14,986 (笑い声) 218 00:22:14,986 --> 00:22:16,921 (藤原宣孝)どうだ?➡ 219 00:22:16,921 --> 00:22:20,658 あっ アハハハハハ。 220 00:22:20,658 --> 00:22:23,461 御嶽詣に その姿で行かれたのか? 221 00:22:23,461 --> 00:22:25,830 (宣孝)おう これが 御嶽詣の土産じゃ。 222 00:22:25,830 --> 00:22:27,866 腹の病に よく効く。 ありがとうございます。 223 00:22:27,866 --> 00:22:31,936 御嶽詣には 大勢の人が来るゆえ 派手な身なりでないと➡ 224 00:22:31,936 --> 00:22:35,773 神様の目に留まらぬと思うてな。 よくお似合いでございます。 225 00:22:35,773 --> 00:22:37,709 (宣孝)皆 そう言うておった。 226 00:22:37,709 --> 00:22:42,280 まことに 神様のご加護があれば その時は お祝いいたしましょう。 227 00:22:42,280 --> 00:22:44,215 是非 祝ってくれ。 ハハハハハハ! 228 00:22:44,215 --> 00:22:46,284 ああ ところで 婿取りの話だがな…。 229 00:22:46,284 --> 00:22:49,954 宣孝様 幾度も申し上げましたけれど➡ 230 00:22:49,954 --> 00:22:53,625 私は どなたとも 夫婦になる気はございません。 231 00:22:53,625 --> 00:22:57,962 今 子供に読み書きを教えており やりがいもありますので。 232 00:22:57,962 --> 00:23:00,865 読み書きを教えて 稼ぎになるのか? なりませぬ。 233 00:23:00,865 --> 00:23:05,703 されど 文字を知らぬゆえに だまされたり 不幸になる人を➡ 234 00:23:05,703 --> 00:23:08,439 少なくしたいという願いで やっておりますので➡ 235 00:23:08,439 --> 00:23:11,643 楽しゅうございますし やりがいもございます。 236 00:23:11,643 --> 00:23:15,146 (宣孝)実入りもないのに楽しいのか。 237 00:23:15,146 --> 00:23:17,649 おかしな女子じゃのう…。 238 00:23:17,649 --> 00:23:19,584 (為時)宣孝殿。 239 00:23:19,584 --> 00:23:21,986 宣孝殿のご子息は➡ 240 00:23:21,986 --> 00:23:24,455 まひろの夫になっては いただけぬであろうか…。 241 00:23:24,455 --> 00:23:26,991 あれは 駄目だ。 あれは 駄目。 242 00:23:26,991 --> 00:23:30,461 なぜでござる? 父上。 もう その話は おやめください。 243 00:23:30,461 --> 00:23:33,932 駄目 駄目… 駄目 駄目 駄目 駄目 駄目 駄目 駄目…。 244 00:23:33,932 --> 00:23:37,402 まひろのような賢い娘には 到底 太刀打ちできぬ。 245 00:23:37,402 --> 00:23:42,273 うん。 ああ… ところで 一つ よい知らせがあるぞ。 246 00:23:42,273 --> 00:23:45,143 摂政様のお加減が悪いそうだ。 247 00:23:45,143 --> 00:23:49,614 あの方の目の黒いうちは 官職は得られぬと思っておったが➡ 248 00:23:49,614 --> 00:23:53,418 身まかられるようなことになれば 風向きは変わろう。 249 00:23:53,418 --> 00:23:57,121 父上は 人の死を願うようなお人では ありませぬ。 250 00:23:57,121 --> 00:24:00,024 そうか そうだな。 ああ すまぬ すまぬ。 251 00:24:00,024 --> 00:24:02,627 ああ ならば 婿取りの話は これまでといたそう。 252 00:24:02,627 --> 00:24:04,963 (為時)いや 宣孝殿の…。 ああ では 邪魔をしたな。 253 00:24:04,963 --> 00:24:09,663 (為時)宣孝殿のご子息…。 (宣孝)見送りはいらぬ。 またな。 254 00:24:19,510 --> 00:24:25,984 一つ 聞いてもよいか。 はい。 255 00:24:25,984 --> 00:24:29,821 お前の夫を持たぬという強い気持ちは 分かった。 256 00:24:29,821 --> 00:24:36,021 されど その真意は どこにあるのだ? 257 00:24:38,262 --> 00:24:41,099 言いたくなければ それでもよい。 258 00:24:41,099 --> 00:24:48,606 されど あまり 己の行く先を 決めつけぬ方がよいぞ。 259 00:24:48,606 --> 00:24:54,412 誰か よい人が現れるやもしれぬと おっしゃりたいのですね。 260 00:24:54,412 --> 00:24:56,412 そうだ。 261 00:24:58,950 --> 00:25:06,624 実は どこかのお屋敷に 働きに出たいと思っています。 262 00:25:06,624 --> 00:25:11,295 え? お許しいただけないでしょうか。 263 00:25:11,295 --> 00:25:17,435 それは よいが しかるべき家の女房を務めるなら➡ 264 00:25:17,435 --> 00:25:21,305 五位の受領の娘くらいでないと…。 265 00:25:21,305 --> 00:25:26,644 無官のわしの娘で 雇ってもらえるか どうか…。 266 00:25:26,644 --> 00:25:29,444 やるだけやってみます。 267 00:25:34,752 --> 00:25:38,389 (源 明子)道長様。 ん? 268 00:25:38,389 --> 00:25:41,189 (明子)子が できました。 269 00:25:51,602 --> 00:25:57,475 こんな時でも 笑顔はないのだな。 270 00:25:57,475 --> 00:26:00,775 申し訳ございませぬ。 271 00:26:04,182 --> 00:26:09,182 まあ 無理をすることはないが…。 272 00:26:11,289 --> 00:26:15,793 ほほ笑むことすらなく 生きてまいりましたゆえ➡ 273 00:26:15,793 --> 00:26:18,993 こういう顔になってしまいました。 274 00:26:20,965 --> 00:26:30,265 けれど 道長様のお子を宿したことは うれしゅうございます。 275 00:26:32,577 --> 00:26:38,449 そなたを ほほ笑ませるすべもない俺も ふがいないが➡ 276 00:26:38,449 --> 00:26:41,149 立派な子を産んでくれ。 277 00:26:45,156 --> 00:26:48,856 道長様。 ん? 278 00:26:51,262 --> 00:26:55,133 お願いがございます。 何だ? 279 00:26:55,133 --> 00:26:59,133 お父上のお見舞いに 行かせてくださいませ。 280 00:27:02,273 --> 00:27:06,973 父上 明子女王にございます。 281 00:27:14,852 --> 00:27:19,552 お加減 いかがでございますか? 282 00:27:21,292 --> 00:27:23,592 お前は 誰だ? 283 00:27:25,963 --> 00:27:29,963 妻の明子にございます。 284 00:27:31,569 --> 00:27:40,269 ああ そうか そうか。 お父上は ご息災か? 285 00:27:43,181 --> 00:27:50,955 父は 大宰府から帰ったあと 身まかりました。 286 00:27:50,955 --> 00:27:56,594 ああ… それは気の毒であったのう。 287 00:27:56,594 --> 00:28:14,145 ♬~ 288 00:28:14,145 --> 00:28:21,819 その扇は よい作りでございますね。 ん? 289 00:28:21,819 --> 00:28:27,119 その扇を 頂戴いたしとうございます。 290 00:28:41,105 --> 00:28:50,248 父上 それを 私に賜りませ。 291 00:28:50,248 --> 00:28:58,248 これか? ああ よい。 持ってゆけ。 292 00:29:01,592 --> 00:29:08,592 フフフフフ… ありがとうございます。 293 00:29:14,605 --> 00:29:18,276 兼家の扇を手に入れたの。 294 00:29:18,276 --> 00:29:22,146 今度こそ 息の根を止めてやります。 295 00:29:22,146 --> 00:29:27,618 (源 俊賢)おなかに子もいるのだから 呪詛などやめておけ。 296 00:29:27,618 --> 00:29:31,918 摂政様は 何もせずとも 間もなくであろう。 297 00:29:33,424 --> 00:29:38,562 兄上は いつから そのような腰抜けになられたの? 298 00:29:38,562 --> 00:29:43,234 父上が 無念のうちに亡くなられた時➡ 299 00:29:43,234 --> 00:29:47,238 兄上は 震えるほど 怒っておいでだったのに。 300 00:29:47,238 --> 00:29:49,438 (ため息) 301 00:29:51,108 --> 00:29:54,845 月日は 流れた。 302 00:29:54,845 --> 00:29:59,583 自ら命を絶てぬなら 生きてゆくほかはない。 303 00:29:59,583 --> 00:30:06,090 生きてゆくなら 力のある者には逆らわぬ方がよい。 304 00:30:06,090 --> 00:30:09,290 それが 私の学んだことだ。 305 00:30:16,267 --> 00:30:18,769 分かりました。 306 00:30:18,769 --> 00:30:23,107 兄上の生き方を とやかく言う気はございません。 307 00:30:23,107 --> 00:30:28,307 ただ 私は 必ずやり遂げます。 308 00:30:29,880 --> 00:30:31,816 (うなされている声) 309 00:30:31,816 --> 00:30:49,133 ♬~ 310 00:30:49,133 --> 00:30:52,970 (兼家)ここは どこだ…。 311 00:30:52,970 --> 00:30:55,970 あの世か。 312 00:30:59,643 --> 00:31:01,979 殿様。 313 00:31:01,979 --> 00:31:05,316 お前は 誰だ? 314 00:31:05,316 --> 00:31:10,016 晴明を呼べ… すぐ呼べ! 315 00:31:12,189 --> 00:31:15,326 わしの寿命は どれほどだ。 316 00:31:15,326 --> 00:31:19,163 (安倍晴明)陰陽寮のつとめは 夜を徹しますので➡ 317 00:31:19,163 --> 00:31:23,667 朝は力が衰え 何も見えませぬ。 318 00:31:23,667 --> 00:31:27,004 ならば問いを変えよう。 319 00:31:27,004 --> 00:31:30,704 わしの後継は 誰じゃ。 320 00:31:33,611 --> 00:31:35,546 申せ。 321 00:31:35,546 --> 00:31:43,546 その答えは 摂政様のお心の内に 既にありましょう。 322 00:31:45,956 --> 00:31:50,956 そのお答えこそが 正しいと存じます。 323 00:31:54,298 --> 00:31:58,969 もうよい 帰れ。 324 00:31:58,969 --> 00:32:02,306 ご無礼つかまつりました。 325 00:32:02,306 --> 00:32:15,306 ♬~ 326 00:32:17,321 --> 00:32:28,021 (すすり泣き) 327 00:32:33,270 --> 00:32:41,612 (橘 徳子)ひい ふう みい よう いつ➡ 328 00:32:41,612 --> 00:32:51,288 む なな や ここ とお。 329 00:32:51,288 --> 00:32:54,124 お上は どこかな? 330 00:32:54,124 --> 00:32:57,924 お上 お上。 331 00:32:59,630 --> 00:33:02,533 女御様 お上は どちらに? 332 00:33:02,533 --> 00:33:06,804 さあ? どちらに いらしたのかしら? 333 00:33:06,804 --> 00:33:11,141 (徳子)お上 お上~。 334 00:33:11,141 --> 00:33:14,941 皇太后様が お越しあそばしました。 335 00:33:24,655 --> 00:33:29,355 母上 ようこそ おいでくださいました。 336 00:33:32,463 --> 00:33:38,102 (藤原詮子) お上 今 何をなさっていたのです? 337 00:33:38,102 --> 00:33:40,938 定子と かくれんぼをしておりました。 338 00:33:40,938 --> 00:33:44,808 そう 楽しくてよかったこと。 339 00:33:44,808 --> 00:33:47,278 母上も 一緒にやりましょう。 340 00:33:47,278 --> 00:33:49,613 今度 またね。 341 00:33:49,613 --> 00:33:51,549 今度… いつ? 342 00:33:51,549 --> 00:33:53,951 いつかです。 343 00:33:53,951 --> 00:33:57,421 (徳子) お上 間もなく手習いの刻限にございます。 344 00:33:57,421 --> 00:33:59,356 嫌だ! 345 00:33:59,356 --> 00:34:02,626 お上 手習いを終えたら また遊びますので➡ 346 00:34:02,626 --> 00:34:05,626 今は 手習いに参られませ。 347 00:34:08,966 --> 00:34:10,901 また遊ぶ? 348 00:34:10,901 --> 00:34:13,637 はい 必ず。 349 00:34:13,637 --> 00:34:16,637 お上 参りましょう。 350 00:34:46,937 --> 00:34:50,808 何をしに参ったのか 忘れてしまったわ。 351 00:34:50,808 --> 00:34:53,711 どうぞ こちらへ。 352 00:34:53,711 --> 00:34:58,549 よい。 思い出したら 出直してまいる。➡ 353 00:34:58,549 --> 00:35:02,786 帝は 大人の中で育ったゆえ 遊び仲間がおらなんだ。 354 00:35:02,786 --> 00:35:06,957 そなたが来てくれて お顔つきも明るくなられた。 355 00:35:06,957 --> 00:35:11,295 これからも せいぜい遊んでさしあげておくれ。 356 00:35:11,295 --> 00:35:13,295 はい。 357 00:35:36,253 --> 00:35:39,757 (足音) 358 00:35:39,757 --> 00:35:42,593 お寒くありませぬか。 359 00:35:42,593 --> 00:35:45,929 いや…。 360 00:35:45,929 --> 00:35:49,929 今日は お体の調子がよろしいのですね。 361 00:35:51,802 --> 00:35:58,509 民に おもねるようなことだけはするなよ。 え…。 362 00:35:58,509 --> 00:36:05,616 あっ… おもねってはおりませぬ。 363 00:36:05,616 --> 00:36:08,419 民を虫けらのように切り捨てる➡ 364 00:36:08,419 --> 00:36:14,291 道隆兄上のような政は おかしいと申したのです。 365 00:36:14,291 --> 00:36:19,963 お前が守るべきは 民ではない。 366 00:36:19,963 --> 00:36:27,838 では 父上の目指される真の政とは 何でございますか? 367 00:36:27,838 --> 00:36:29,838 政…。 368 00:36:31,575 --> 00:36:35,746 それは 家だ。 369 00:36:35,746 --> 00:36:38,546 家の存続だ。 370 00:36:40,250 --> 00:36:46,056 人は皆 いずれは死に腐れて 土に還る。 371 00:36:46,056 --> 00:36:50,594 されど 家だけは残る。 372 00:36:50,594 --> 00:37:00,938 栄光も誉れも死ぬが 家は 生き続けるのだ。 373 00:37:00,938 --> 00:37:10,948 家のためになすこと それが わしの政である。 374 00:37:10,948 --> 00:37:17,621 その考えを引き継げる者こそ わしの後継だと思え。 375 00:37:17,621 --> 00:37:20,121 はっ。 376 00:37:21,959 --> 00:37:25,295 お父上の官職があれば いいのだけど…。 377 00:37:25,295 --> 00:37:29,967 父が官職を得られるまで 私が働かなければなりませぬので。 378 00:37:29,967 --> 00:37:34,667 こればかりは 何とも…。 失礼します。 379 00:37:36,573 --> 00:37:42,246 女房としては雇えませぬが 下女なら。 380 00:37:42,246 --> 00:37:46,116 (しをり)まひろさんのことも 覚えておいでです? 381 00:37:46,116 --> 00:37:50,921 ええ。 どうしておられるかと いつも思っておりました。 382 00:37:50,921 --> 00:37:55,592 (しをり)まひろさんの父上は いまだ官職がないのですってね。 383 00:37:55,592 --> 00:37:59,763 (茅子)そうなの? しをりさん よくご存じね。 384 00:37:59,763 --> 00:38:04,268 (しをり)先日 出入りの家司の屋敷に 雇ってほしいと➡ 385 00:38:04,268 --> 00:38:07,171 おいでになったのですって。 まひろさんが。 386 00:38:07,171 --> 00:38:10,774 私の友の家にも 見えたそうです。 387 00:38:10,774 --> 00:38:14,974 そんなに困っておいでなの? ええ。 388 00:38:18,949 --> 00:38:24,288 私のことを ご心配いただく 心温まる文を頂戴し➡ 389 00:38:24,288 --> 00:38:29,960 胸が熱くなりました。 ありがとうございました。 390 00:38:29,960 --> 00:38:35,365 私が婿を取ってから 学びの会も少なくなってしまい➡ 391 00:38:35,365 --> 00:38:39,236 まひろさんとも会えなくなって とても寂しかったのです。 392 00:38:39,236 --> 00:38:44,107 今日は 会えて 本当にうれしいわ。 393 00:38:44,107 --> 00:38:48,745 お雇いくださるという ご親切なお申し出には➡ 394 00:38:48,745 --> 00:38:51,248 お礼の言葉もございません。 395 00:38:51,248 --> 00:38:56,587 されど 仕事は ほかで決まってしまったので…。 396 00:38:56,587 --> 00:39:01,258 まあ! 残念…。 397 00:39:01,258 --> 00:39:03,927 お許しくださいませ。 398 00:39:03,927 --> 00:39:08,599 それなら こうして たまにお訪ねください。 399 00:39:08,599 --> 00:39:12,269 まひろさんと お話ししとうございます。 400 00:39:12,269 --> 00:39:19,943 今日は まだ内裏から戻りませんが 今度 殿にも会ってくださいね。 401 00:39:19,943 --> 00:39:24,281 道長様は 権中納言になられたとか。 402 00:39:24,281 --> 00:39:28,619 目覚ましいご出世 まことにおめでとう存じます。 403 00:39:28,619 --> 00:39:35,359 そうなの。 帝のご即位以来 目覚ましい出世ぶりで 私も驚くばかり。 404 00:39:35,359 --> 00:39:39,229 ああ… よろしゅうございました。 405 00:39:39,229 --> 00:39:41,229 あ…。 406 00:39:46,570 --> 00:39:54,444 これ 殿の部屋で見つけたのだけれど 大切そうに文箱の中に隠してあったの。 407 00:39:54,444 --> 00:39:57,748 [ 心の声 ] 私が書いた漢詩だ…。 408 00:39:57,748 --> 00:40:01,948 これ 女の文字ですよね? 409 00:40:03,553 --> 00:40:05,489 さあ…。 410 00:40:05,489 --> 00:40:08,926 漢詩だから 殿御かとも思ったのだけれど➡ 411 00:40:08,926 --> 00:40:12,596 やはり 女文字だと思うのよ。 412 00:40:12,596 --> 00:40:15,265 はあ…。 413 00:40:15,265 --> 00:40:20,938 あの方が 送ってきたのかしら? あの方…。 414 00:40:20,938 --> 00:40:23,974 高松殿の明子女王様よ。 415 00:40:23,974 --> 00:40:32,115 あの方は 盛明親王のもとでお育ちだから 漢詩も書けるのよ。 416 00:40:32,115 --> 00:40:35,915 これ どういう意味か分かる? 417 00:40:39,289 --> 00:40:42,960 この詩は 陶淵明の詩です。 418 00:40:42,960 --> 00:40:46,296 陶淵明とは いにしえの唐の国の詩人で➡ 419 00:40:46,296 --> 00:40:48,632 この詩は 帰去来辞でございます。 420 00:40:48,632 --> 00:40:53,503 もういい。 あ… ご無礼を。 421 00:40:53,503 --> 00:40:59,977 あちらとは 文のやり取りがあったのね。 422 00:40:59,977 --> 00:41:04,448 殿 私には 一通も文を下さらず➡ 423 00:41:04,448 --> 00:41:09,152 いきなり庚申待の夜に訪ねて見えたの。 突然。 424 00:41:09,152 --> 00:41:13,023 [ 心の声 ] 庚申待の夜…。 425 00:41:13,023 --> 00:41:20,823 左大臣家の一の姫に 婿入りすることとなった。 426 00:41:23,000 --> 00:41:30,874 でも 漢詩ですから やはり 殿御から ということにしておきますわ。 427 00:41:30,874 --> 00:41:35,278 [ 心の声 ] あの人は この文を捨てずに➡ 428 00:41:35,278 --> 00:41:38,782 土御門殿まで持ってきていたの…。 429 00:41:38,782 --> 00:41:41,818 ≪姫様。 430 00:41:41,818 --> 00:41:47,491 あらあら どうしたの? 今 お客様なのに。 431 00:41:47,491 --> 00:41:52,191 まひろさんよ ご挨拶して。 432 00:41:54,631 --> 00:41:56,566 ごめんなさいね。 433 00:41:56,566 --> 00:42:01,304 お初に。 まひろと申します。 434 00:42:01,304 --> 00:42:06,977 この子 うちの殿に似て 人見知りするのよ。 435 00:42:06,977 --> 00:42:10,647 倫子様 私 そろそろ…。 436 00:42:10,647 --> 00:42:12,582 あら そう。 437 00:42:12,582 --> 00:42:17,320 働くのは無理でも また遊びにいらしてね。 438 00:42:17,320 --> 00:42:19,990 ありがとうございます。 439 00:42:19,990 --> 00:42:22,893 (倫子)お帰りです。 440 00:42:22,893 --> 00:42:49,193 ♬~ 441 00:42:54,291 --> 00:42:59,591 (鳥の鳴き声) 442 00:43:01,631 --> 00:43:04,968 今宵 星は落ちる。 443 00:43:04,968 --> 00:43:07,637 (読経) 444 00:43:07,637 --> 00:43:09,573 とっとと死ね! 445 00:43:09,573 --> 00:43:12,442 摂政の命である。 異常中の異常! 446 00:43:12,442 --> 00:43:16,313 伊周に よい婿入り先を見つけねばと思いますの。 447 00:43:16,313 --> 00:43:18,648 息子も 夫に押っつけてしまうつもりです。 448 00:43:18,648 --> 00:43:21,985 文字の読めない人を 少しでも少なくすることです。 449 00:43:21,985 --> 00:43:25,985 身分の高い者だけが 人ではありませぬ。 450 00:43:34,197 --> 00:43:41,304 かつて 都が置かれ 国の中心として発展した奈良。 451 00:43:41,304 --> 00:43:44,141 御蓋山の麓に➡ 452 00:43:44,141 --> 00:43:49,946 藤原氏によって創建された 春日大社があります。 453 00:43:49,946 --> 00:43:54,851 都の守護と人々の繁栄を祈る神社として➡ 454 00:43:54,851 --> 00:44:00,551 奈良時代に 称徳天皇の命を受け 造営されました。 455 00:44:02,325 --> 00:44:11,001 藤原兼家や道長は 春日大社を あつく崇敬し 足しげく通いました。 456 00:44:11,001 --> 00:44:18,675 摂政となった兼家は 一条天皇に 春日大社への参詣を勧めます。 457 00:44:18,675 --> 00:44:24,975 円融院の反対がありながらも 春日行幸を実現させました。 458 00:44:26,550 --> 00:44:30,020 境内にある国宝殿。 459 00:44:30,020 --> 00:44:33,790 藤原氏が奉納した宝物をはじめ➡ 460 00:44:33,790 --> 00:44:40,990 当時の最高の技術を現代に伝える美術品が 多く納められています。 461 00:44:43,300 --> 00:44:50,173 藤原氏をはじめとする 貴族たちに大切にされた春日大社。 462 00:44:50,173 --> 00:44:58,173 彼らが守り そして つないだ信仰の形が 今も残されているのです。 463 00:45:57,974 --> 00:46:00,310 国語のテストじゃありません。