1 00:00:33,810 --> 00:00:36,546 こらこら こらこら…。 2 00:00:36,546 --> 00:00:38,581 (周明)話があって来た。➡ 3 00:00:38,581 --> 00:00:41,885 朱様は 通事を殺していない。 4 00:00:41,885 --> 00:00:43,885 証人だ。 5 00:00:46,222 --> 00:00:48,222 話せ。 6 00:00:52,896 --> 00:00:58,401 国府の偉いお人に 朱様が通事を殺したと 言えと脅かされました。➡ 7 00:00:58,401 --> 00:01:01,237 言わねば 仕事を取り上げると。 8 00:01:01,237 --> 00:01:06,042 (藤原為時) 国府の偉い人とは 誰のことだ? 9 00:01:06,042 --> 00:01:08,111 (源 光雅)何事でございますか!➡ 10 00:01:08,111 --> 00:01:10,880 このような卑しき者を招き入れるとは。 11 00:01:10,880 --> 00:01:13,880 このお方でございます。 12 00:01:15,585 --> 00:01:17,921 な… 何のことだ! 13 00:01:17,921 --> 00:01:22,425 人殺しを見たので訴え出たら このお方が 米をくれて➡ 14 00:01:22,425 --> 00:01:25,461 通事を殺したのは 宋人の長だと言えと。 15 00:01:25,461 --> 00:01:29,198 言わねば 仕事を取り上げると言いました。 (光雅)偽りを申すな。 16 00:01:29,198 --> 00:01:32,702 国守様 このような者の言うことを お聞きになっては…。 17 00:01:32,702 --> 00:01:34,902 黙っておれ! 18 00:01:36,539 --> 00:01:42,839 お前は 通事を殺した者も 知っておるのか? 19 00:01:45,548 --> 00:01:48,248 それは 誰だ? 20 00:01:51,421 --> 00:01:55,224 (周明)俺に言ったことを もう一度 言え。 21 00:01:55,224 --> 00:01:59,924 武生の商人 早成でございます。 22 00:02:04,233 --> 00:04:49,532 ♬~ 23 00:04:49,532 --> 00:04:57,406 (早成)私は 宋と商いをしたかっただけで 殺すつもりはなかったのです。➡ 24 00:04:57,406 --> 00:05:03,546 通事に砂金を渡して… 朱という男に 取り次いでくれと頼んだら…。 25 00:05:03,546 --> 00:05:07,216 (三国若麻呂)これっぽっちで? 26 00:05:07,216 --> 00:05:10,553 どれだけ出せばよい。 27 00:05:10,553 --> 00:05:15,224 (三国)砂金なら 5袋。 そのような…。 28 00:05:15,224 --> 00:05:18,561 嫌なら それまでだ。 29 00:05:18,561 --> 00:05:22,231 待ってくれ。 離せ。 30 00:05:22,231 --> 00:05:24,931 いや 待ってくれ。 はな…。 31 00:05:34,177 --> 00:05:37,213 おい… おい! 32 00:05:37,213 --> 00:05:40,713 まことでございます! 33 00:05:43,186 --> 00:05:51,060 そなたも この男と共に 宋と商いをして 懐を肥やそうとしておったのか。 34 00:05:51,060 --> 00:05:55,765 懐を肥やす気はございませぬ! 35 00:05:55,765 --> 00:06:01,765 越前においでになったばかりの国守様には お分かりにならないのでございます。 36 00:06:03,873 --> 00:06:09,378 我らは この1年 ずっと宋人を見てまいりました。➡ 37 00:06:09,378 --> 00:06:13,549 彼らは 膨大な数の財宝を 持ち込んでおり➡ 38 00:06:13,549 --> 00:06:19,355 それを出し渋ることで 物欲のある公卿や朝廷をあおり➡ 39 00:06:19,355 --> 00:06:27,897 国同士の商いの道を開かせようと たくらんでいると 私は思っております。 40 00:06:27,897 --> 00:06:31,234 そもそも宋人は 日本を格下に見ており➡ 41 00:06:31,234 --> 00:06:34,670 我々のことなぞ 取るに足らぬ国の田舎役人だと侮って➡ 42 00:06:34,670 --> 00:06:38,841 松原客館で やりたい放題でございました。 43 00:06:38,841 --> 00:06:41,510 やりたい放題…。 44 00:06:41,510 --> 00:06:44,847 (光雅) 国守様は 都から来られたお役人ゆえ➡ 45 00:06:44,847 --> 00:06:47,847 コロッと振る舞いを変えたのです。 46 00:06:51,187 --> 00:06:58,694 私が 偽りの証言を頼んだのは この機会に朱の力を奪わねば➡ 47 00:06:58,694 --> 00:07:02,565 したたかな宋に 越前はおろか 朝廷も振り回され➡ 48 00:07:02,565 --> 00:07:05,368 害を被ると思ったのでございます。 49 00:07:05,368 --> 00:07:07,868 そんな話はいい。 50 00:07:10,706 --> 00:07:12,642 朱様は 無実です。➡ 51 00:07:12,642 --> 00:07:15,442 早くお解き放ちを。 52 00:07:20,216 --> 00:07:26,889 介 その方の言うことは分かった。 53 00:07:26,889 --> 00:07:31,827 されど この一件において…➡ 54 00:07:31,827 --> 00:07:34,163 朱に罪はない。➡ 55 00:07:34,163 --> 00:07:37,163 朱を解き放て。 56 00:07:39,035 --> 00:07:46,509 左大臣様も かねて 越前のことは 越前で決めよと仰せになった。 57 00:07:46,509 --> 00:07:56,852 介らの意見は 改めて じっくりと聞く。 ははっ! 58 00:07:56,852 --> 00:08:05,552 その方 通事として 力を貸せ。 はっ。 59 00:08:19,542 --> 00:08:28,551 (朱仁聡の宋語) 60 00:08:28,551 --> 00:08:33,389 (周明)あなたのおかげで助かった。 深く感謝します。 61 00:08:33,389 --> 00:08:37,360 (宋語) 62 00:08:37,360 --> 00:08:43,065 あなたを信じて まことのことを話します。 63 00:08:43,065 --> 00:08:52,174 (宋語) 64 00:08:52,174 --> 00:08:56,045 私たちは 越前を足掛かりにして➡ 65 00:08:56,045 --> 00:08:59,849 宋と日本の国同士の商いを図るように 命じられています。 66 00:08:59,849 --> 00:09:05,521 (宋語) 67 00:09:05,521 --> 00:09:09,521 果たさねば 国には戻れない。 68 00:09:11,193 --> 00:09:13,996 前の国守は 話も聞いてくれなかった。 69 00:09:13,996 --> 00:09:16,866 でも あなたは話を聞いてくれる。 70 00:09:16,866 --> 00:09:20,202 いや まだ聞くとは言っていない。 71 00:09:20,202 --> 00:09:24,874 (宋語) 72 00:09:24,874 --> 00:09:28,544 どうか どうか 力を貸してください。 73 00:09:28,544 --> 00:09:32,815 (宋語) 74 00:09:32,815 --> 00:09:35,815 あなたが頼りです。 75 00:09:41,157 --> 00:09:44,493 (光雅)やはり そうでございましたか。 76 00:09:44,493 --> 00:09:50,366 朱は 宋の朝廷の命を受けた者に ございましょう。 77 00:09:50,366 --> 00:09:57,506 その方の越前を思う真情も分かった。 78 00:09:57,506 --> 00:10:05,181 されど 無実の宋人を 罪に陥れたことは許されぬ。 79 00:10:05,181 --> 00:10:11,520 こちらも筋を通さねば 宋人に立ち向かえぬゆえ。 80 00:10:11,520 --> 00:10:13,456 承知つかまつりました。 81 00:10:13,456 --> 00:10:21,756 年内は 国府に上がらず謹慎せよ。 ははっ。 82 00:10:24,867 --> 00:10:29,538 (まひろ) あなたは 宋人なの? 日本人なの? 83 00:10:29,538 --> 00:10:31,574 (周明)宋人だ。 84 00:10:31,574 --> 00:10:35,074 なぜ この国の言葉が上手なの? 85 00:10:38,881 --> 00:10:41,784 生まれは 対馬だ。 86 00:10:41,784 --> 00:10:43,752 日本人ではないの? 87 00:10:43,752 --> 00:10:45,752 宋人だ。 88 00:10:48,224 --> 00:10:55,097 12の時 おやじは 口減らしのために 俺を海に捨てた。 89 00:10:55,097 --> 00:11:00,236 海に浮かんでいる俺を 宋の船が拾った。 90 00:11:00,236 --> 00:11:04,936 宋では 牛や馬のように働かされた。 91 00:11:06,575 --> 00:11:12,448 ある日 ここにいたら死ぬだけだと思って 逃げ出した。 92 00:11:12,448 --> 00:11:18,148 薬師の家に転がり込んで助けられ 見習いにしてもらった。 93 00:11:20,589 --> 00:11:22,525 賢かったのね。 94 00:11:22,525 --> 00:11:26,262 師は 初めて出会った いい人だった。 95 00:11:26,262 --> 00:11:29,262 朱様も また いい人だ。 96 00:11:31,767 --> 00:11:35,538 あなたは 苦しい目に遭って 大変だったけど➡ 97 00:11:35,538 --> 00:11:41,877 宋の国は この国よりも 懐が深い国なのではないかしら。 98 00:11:41,877 --> 00:11:43,812 どうだろう。 99 00:11:43,812 --> 00:11:47,550 もっと宋の話を聞かせてほしい。 100 00:11:47,550 --> 00:11:51,720 松原客館には 宋から持ってきた いろいろな品があるそうだけど➡ 101 00:11:51,720 --> 00:11:55,024 書物もあるの? どんな書物? 102 00:11:55,024 --> 00:11:57,560 白楽天の珍しいものはある? 103 00:11:57,560 --> 00:12:04,433 書物のことは知らないが 陶磁器 香木 薬 織物 酒に食べ物。 104 00:12:04,433 --> 00:12:09,433 テンの毛皮もある。 テンの毛皮…。 105 00:12:11,106 --> 00:12:15,106 (宋語) 106 00:12:17,246 --> 00:12:19,582 何? 107 00:12:19,582 --> 00:12:23,252 俺を信じるなと言ったんだ。 なぜ? 108 00:12:23,252 --> 00:12:27,590 宋人は信じるなと 越前の役人が言っていたではないか。 109 00:12:27,590 --> 00:12:31,460 私は ずっと宋の国に憧れていたの。 110 00:12:31,460 --> 00:12:34,396 宋の国は 身分が低い者でも➡ 111 00:12:34,396 --> 00:12:38,200 試験を受ければ 官職を得られるのでしょう? 112 00:12:38,200 --> 00:12:42,200 そういう国に ずっと行ってみたいと思ってきたわ。 113 00:12:45,541 --> 00:12:51,413 宋の言葉を知りたいか? え…? 114 00:12:51,413 --> 00:12:56,113 ウオジャオ ヂョウ ミン。 115 00:13:00,889 --> 00:13:06,589 私の名前は 周明です? 116 00:13:09,231 --> 00:13:12,901 ウオジャオ マヒロ? 117 00:13:12,901 --> 00:13:15,904 お前こそ 賢い。 118 00:13:15,904 --> 00:13:19,575 シェシェ。 (笑い声) 119 00:13:19,575 --> 00:13:27,249 ネイ ワィ。 中 外。 120 00:13:27,249 --> 00:13:31,587 ネイ ワィ。 121 00:13:31,587 --> 00:13:37,393 外は寒い。 ワィビィェン ヘンラン。 122 00:13:37,393 --> 00:13:40,863 ワィビィェン ヘンラン。 123 00:13:40,863 --> 00:13:46,201 ラン。 ラン。 ラン。 ラン。 124 00:13:46,201 --> 00:13:51,540 ワィビィェン ヘンラン。 ワィビィェン ヘンラン。 125 00:13:51,540 --> 00:13:53,840 (宋語で) 126 00:13:55,878 --> 00:14:00,549 ウォデェ゛ァフーチン シー ユェチィェンデェ゛ァ グゥォショウ。 127 00:14:00,549 --> 00:14:03,886 ウォデェ゛ァフーチン シー ユェ…。 128 00:14:03,886 --> 00:14:08,757 シー。 シー。 シー。 シー。 129 00:14:08,757 --> 00:14:12,394 シー ユェチィェンデェ゛ァ。 シー ユェチィェンデェ゛ァ。 130 00:14:12,394 --> 00:14:15,431 グゥォショウ。 グゥォショウ。 うん。 まあ いい。 131 00:14:15,431 --> 00:14:18,901 私は 国守の娘です。 132 00:14:18,901 --> 00:14:22,237 ウォシー グゥォショウデェ゛ァニュェ゛ァー。 133 00:14:22,237 --> 00:14:26,108 ウォシー… ウォシー。 シー。 134 00:14:26,108 --> 00:14:30,946 ウォシー グゥォショウ…。 グゥォショウデェ゛ァニュェ゛ァー。 135 00:14:30,946 --> 00:14:33,515 グゥォショウデェ゛ァニュェ゛ァー…。 136 00:14:33,515 --> 00:14:37,386 (周明)まひろは 覚えが早い。 賢い。 137 00:14:37,386 --> 00:14:41,390 俺も忘れていた日本の言葉を かなり思い出した。 138 00:14:41,390 --> 00:14:44,226 私のおかげね。 おかげではない。 139 00:14:44,226 --> 00:14:47,863 俺の心のことだ。 失礼しました。 140 00:14:47,863 --> 00:14:49,798 「失礼しました」は? 141 00:14:49,798 --> 00:14:52,368 シーリーラ。 シーリーラ? 142 00:14:52,368 --> 00:14:56,568 シーリーラ。 シーリーラ。 うん。 シーリーラ。 143 00:15:03,879 --> 00:15:05,814 風邪をひく。 144 00:15:05,814 --> 00:15:10,552 デェ゛ァフォンハン。 デェ゛ァフォンハン。 うん。 145 00:15:10,552 --> 00:15:14,252 風邪をひいたら はりで治して。 146 00:15:17,426 --> 00:15:22,898 指の間に刺すと 熱が下がる。 えっ…。 147 00:15:22,898 --> 00:15:25,234 こんなとこ 痛そう。 148 00:15:25,234 --> 00:15:27,934 だから 風邪はひくな。 149 00:15:33,509 --> 00:15:37,179 あっ 雪…。 150 00:15:37,179 --> 00:16:07,176 ♬~ 151 00:16:07,176 --> 00:16:15,217 [ 心の声 ] 「ここにかく 日野の杉むら うずむ雪➡ 152 00:16:15,217 --> 00:16:21,557 小しほの松に けふやまがえる」。 153 00:16:21,557 --> 00:16:55,190 ♬~ 154 00:16:55,190 --> 00:16:59,695 (一条天皇)行成 これを覚えておるか?➡ 155 00:16:59,695 --> 00:17:03,365 中宮が そなたの文字を気に入って…➡ 156 00:17:03,365 --> 00:17:08,203 朕と2人でよく見ておったゆえ だいぶん傷んでおる。 157 00:17:08,203 --> 00:17:10,138 (藤原行成)中宮様が…。 158 00:17:10,138 --> 00:17:14,076 中宮の好きな歌は➡ 159 00:17:14,076 --> 00:17:18,213 紀 貫之の➡ 160 00:17:18,213 --> 00:17:34,496 「夢路にも 露やおくらむ 夜もすがら かよへる袖の ひちて乾かぬ」である。 161 00:17:34,496 --> 00:17:41,970 あのころは このようなことになると 誰も思っておらなかった。 162 00:17:41,970 --> 00:17:51,713 お上と中宮様のお美しさを 私は 生涯 忘れませぬ。 163 00:17:51,713 --> 00:17:56,485 中宮は健やかに過ごしておるであろうか。 164 00:17:56,485 --> 00:18:00,188 そろそろ 子も生まれよう。 165 00:18:00,188 --> 00:18:04,526 高階に ひそかに行くことは かなわぬであろうか。 166 00:18:04,526 --> 00:18:09,865 中宮様は 出家なされましてございます。 167 00:18:09,865 --> 00:18:13,165 そうではあるが…。 168 00:18:15,737 --> 00:18:19,541 (行成)帝のお心の痛みが 伝わってくるようで➡ 169 00:18:19,541 --> 00:18:22,444 苦しくなりました。 170 00:18:22,444 --> 00:18:27,444 (藤原道長)頭を冷やせ。 は? 171 00:18:36,491 --> 00:18:40,491 帝の術中に ハマってはならぬ。 172 00:18:43,165 --> 00:18:49,504 聡明な帝は 行成の優しさを見抜いておられる。 173 00:18:49,504 --> 00:18:55,204 そして 同情を買い 利用しようとしておられる。 174 00:18:58,513 --> 00:19:05,387 帝のおそば近くに仕える蔵人頭は もっと冷静であってもらいたい。 175 00:19:05,387 --> 00:19:10,687 はっ。 なんとも未熟でございました。 176 00:19:12,527 --> 00:19:17,227 頼んだぞ 行成。 承知いたしました。 177 00:19:20,869 --> 00:19:27,376 (源 倫子)義子様に続いて この間 元子様も入内されましたけれど➡ 178 00:19:27,376 --> 00:19:33,181 帝は 義子様にも元子様にも お会いにさえならないのですってね。 179 00:19:33,181 --> 00:19:37,052 そんな うわさが もう聞こえているのか。 180 00:19:37,052 --> 00:19:42,658 中宮様をお忘れになれない 帝のお気持ちは分かりますけれど➡ 181 00:19:42,658 --> 00:19:47,158 入内された女御様が お気の毒でございますわね。 182 00:19:49,431 --> 00:19:52,367 全くだ。 183 00:19:52,367 --> 00:19:57,839 殿が 帝と女御様方を結び付けるべく➡ 184 00:19:57,839 --> 00:20:03,712 何か 語らいの場でも 設けられたらよろしいのに。 185 00:20:03,712 --> 00:20:11,386 それは 会を催すということか? ええ。 186 00:20:11,386 --> 00:20:17,192 あっ そうですわ。 ここで催しません? 187 00:20:17,192 --> 00:20:21,530 え? ここには 女院様もおられるのですもの。 188 00:20:21,530 --> 00:20:23,999 帝もお出ましになりやすいでしょ。 189 00:20:23,999 --> 00:20:29,805 それがいいわ。 万事 お任せくださいませ。 190 00:20:29,805 --> 00:20:34,209 頼もしいのう。 フフフ… はい。 191 00:20:34,209 --> 00:20:39,381 まずは 入内されたばかりの 元子様からにいたしましょう。 192 00:20:39,381 --> 00:20:44,181 お二人 鉢合わせは まずいですものね。 フフフフフ…。 193 00:20:46,154 --> 00:20:50,992 (藤原顕光)こたびのお計らい お礼の言葉とてござりませぬ。 194 00:20:50,992 --> 00:20:54,863 帝と女御様が お楽しみいただければ 何より。 195 00:20:54,863 --> 00:20:58,567 娘は 琴が得意でございますので➡ 196 00:20:58,567 --> 00:21:03,038 帝とお手合わせできることを 喜んでおりました。 197 00:21:03,038 --> 00:21:12,047 まことに… まことに 左大臣殿と女院様の ご親切 痛み入り たてまつ…。 198 00:21:12,047 --> 00:21:16,247 どうぞ こちらへ。 あっ。 199 00:21:18,587 --> 00:21:52,287 〽 200 00:22:02,130 --> 00:22:06,902 (藤原詮子) 帝の中宮への思いは 熱病のようね。➡ 201 00:22:06,902 --> 00:22:13,575 私は 夫であった帝に めでられたことがないゆえ➡ 202 00:22:13,575 --> 00:22:21,249 あんなに激しく求め合う2人の気持ちが 全く分からないの。 203 00:22:21,249 --> 00:22:24,920 お前には分かる? 204 00:22:24,920 --> 00:22:27,920 分からないわよね。 205 00:22:31,726 --> 00:22:35,726 私にも妻が2人おりますが…。 206 00:22:38,867 --> 00:22:43,167 心は 違う女を求めております。 207 00:22:47,542 --> 00:22:50,445 己では どうすることもできませぬ。 208 00:22:50,445 --> 00:22:55,217 やっぱり! 誰かいると思っていたのよね。 209 00:22:55,217 --> 00:22:58,253 まあ されど もう終わった話にございます。 210 00:22:58,253 --> 00:23:00,555 下々の女子でしょ。 捨てたの? 211 00:23:00,555 --> 00:23:02,891 捨てられました。 えっ! 212 00:23:02,891 --> 00:23:06,591 道長を捨てるって どんな女なの? 213 00:23:08,230 --> 00:23:10,565 よい女でございました。 214 00:23:10,565 --> 00:23:12,865 まあ…。 215 00:23:14,903 --> 00:23:17,603 どんなふうに よいの? 216 00:23:19,241 --> 00:23:25,046 夫をつなぎ止められなかった私には ない輝きが その人にはあるのね。 217 00:23:25,046 --> 00:23:29,251 中宮も 帝を引き付け さんざん振り回しているけれど➡ 218 00:23:29,251 --> 00:23:31,186 私にはない。 219 00:23:31,186 --> 00:23:33,855 何なの? 220 00:23:33,855 --> 00:23:36,555 それって 一体 何なの? 221 00:23:39,194 --> 00:23:46,868 今宵は 帝が 元子様を お召しになられるよう祈りましょう。 222 00:23:46,868 --> 00:23:52,540 あっ… その女のことは 倫子と明子は知っているの? 223 00:23:52,540 --> 00:23:56,411 倫子も明子も利口だから 気付いているかもしれないわね。 224 00:23:56,411 --> 00:23:58,413 では。 225 00:23:58,413 --> 00:24:00,715 何よ! 自分から言いだしておいて。 226 00:24:00,715 --> 00:24:03,515 もっと聞かせなさいよ! 227 00:24:17,165 --> 00:24:27,242 (藤原定子)「鶏のひなが 足が長い感じで 白くかわいらしくて➡ 228 00:24:27,242 --> 00:24:31,846 着物を短く着たような恰好をして➡ 229 00:24:31,846 --> 00:24:36,184 ぴよぴよと にぎやかに鳴いて➡ 230 00:24:36,184 --> 00:24:45,193 人の後ろや先に立って ついて歩くのも 愛らしい。➡ 231 00:24:45,193 --> 00:24:54,193 また親が ともに連れ立って走るのも みな かわいらしい」。 232 00:24:57,205 --> 00:25:03,078 姿が見えるようね。 さすがである。 233 00:25:03,078 --> 00:25:05,547 (ききょう)お恥ずかしゅうございます。 234 00:25:05,547 --> 00:25:13,221 そなたが 御簾の下から差し入れてくれる 日々の この楽しみがなければ➡ 235 00:25:13,221 --> 00:25:17,921 私は この子と共に 死んでいたであろう。 236 00:25:22,230 --> 00:25:26,230 少納言。 はい。 237 00:25:28,103 --> 00:25:30,403 ああ…。 238 00:25:33,842 --> 00:25:35,842 はい。 239 00:25:37,512 --> 00:25:40,212 ありがとう。 240 00:25:43,184 --> 00:25:49,484 この子が ここまで育ったのは そなたのおかげである。 241 00:25:51,059 --> 00:25:53,528 もったいないお言葉…。 242 00:25:53,528 --> 00:26:00,528 そなたを見いだした母上にも 礼を言わねばならぬな。 243 00:26:02,203 --> 00:26:08,543 内裏の登華殿に お母上様に呼ばれて 初めて参りました日➡ 244 00:26:08,543 --> 00:26:14,716 亡き関白様はじめ 皆様が あまりにも キラキラと輝いておられて➡ 245 00:26:14,716 --> 00:26:17,218 目がくらむほどにございました。 246 00:26:17,218 --> 00:26:23,218 (笑い声) 247 00:26:26,561 --> 00:26:35,370 懐かしいのう…。 はい。 248 00:26:35,370 --> 00:26:43,511 あのころが そなたの心の中で 生き生きと残っているのであれば➡ 249 00:26:43,511 --> 00:26:46,811 私も うれしい。 250 00:26:49,184 --> 00:26:57,184 しっかりと残っております。 しっかりと。 251 00:27:03,198 --> 00:27:08,002 翌日 定子は 姫皇子を産んだ。 252 00:27:08,002 --> 00:27:13,208 (行成)今朝 姫皇子がご誕生になりました。 253 00:27:13,208 --> 00:27:18,208 中宮は 無事か!? お健やかに おわしますそうで。 254 00:27:20,882 --> 00:27:23,182 よかった…。 255 00:27:25,220 --> 00:27:28,123 娘か…。 256 00:27:28,123 --> 00:27:31,123 中宮に会って ねぎらいたい。 257 00:27:41,703 --> 00:27:46,975 絹を たくさん送ってやれ。 今年は 寒いゆえ。 258 00:27:46,975 --> 00:27:49,175 承知いたしました。 259 00:27:54,516 --> 00:28:02,190 東宮 居貞親王は 道長の もう一人の姉の子である。 260 00:28:02,190 --> 00:28:05,490 左大臣様のお越しでございます。 261 00:28:07,529 --> 00:28:13,229 一条天皇より 4歳年長の東宮であった。 262 00:28:14,869 --> 00:28:20,742 東宮様には ご機嫌麗しゅう この道長も あやかりとう存じます。 263 00:28:20,742 --> 00:28:22,744 (居貞親王)珍しいな 叔父上。 264 00:28:22,744 --> 00:28:26,381 私のことなど 忘れたのかと思っておった。 あっ…。 265 00:28:26,381 --> 00:28:30,552 このところ 雑事が多く 長く参上できずにおりました。 266 00:28:30,552 --> 00:28:33,154 お許しを。 267 00:28:33,154 --> 00:28:38,826 御息所様。 敦明様は おいくつになられました? 268 00:28:38,826 --> 00:28:41,496 (藤原[外:2551F285B61976713E885D3FCD63AB5B]子)3歳にございます。 269 00:28:41,496 --> 00:28:46,167 (居貞)帝のお子は 女であったそうだな。 さようでございます。 270 00:28:46,167 --> 00:28:49,070 出家した尼が 子を産むとは ゆゆしきことだ。 271 00:28:49,070 --> 00:28:53,341 されど 産養の支度にも 事欠くと聞くゆえ 祝いを送ってやれ。 272 00:28:53,341 --> 00:28:55,376 何でもよい。 叔父上に任せる。 273 00:28:55,376 --> 00:28:59,376 はっ 承知つかまつりました。 274 00:29:02,517 --> 00:29:05,186 (居貞)でかしたぞ 晴明。 275 00:29:05,186 --> 00:29:09,057 お前が言っておったように 姫皇子であったな。 (安倍晴明)はっ。 276 00:29:09,057 --> 00:29:11,526 帝に このまま皇子ができねば➡ 277 00:29:11,526 --> 00:29:15,196 我が子 敦明が 東宮になることになる。 そう思うて よいな。 278 00:29:15,196 --> 00:29:22,070 恐れながら 帝に 皇子は お生まれになりまする。 279 00:29:22,070 --> 00:29:24,706 新しき女御の子か。 280 00:29:24,706 --> 00:29:32,506 中宮様の皇子であろうと存じます。 なんと…。 281 00:29:39,821 --> 00:29:43,157 宣孝殿は 去年➡ 282 00:29:43,157 --> 00:29:49,831 「年が明けたら 宋人を見に越前に行くか」 と文をよこしたが➡ 283 00:29:49,831 --> 00:29:52,834 とうとう来なかったな。 284 00:29:52,834 --> 00:30:00,174 もう春でございますものね。 相変わらず いいかげんなやつだ。 285 00:30:00,174 --> 00:30:05,680 愉快で お気楽なところが 宣孝様のよいところでございます。 286 00:30:05,680 --> 00:30:09,851 まあ 最初から 来るまいとは 思っておったが。 287 00:30:09,851 --> 00:30:17,525 私も 決して お見えにはならないと 思っておりました。 ハハハ…。 288 00:30:17,525 --> 00:30:20,428 宋語の勉強は 進んでいるのか? 289 00:30:20,428 --> 00:30:23,998 まだまだ父上には追いつきませぬが。 290 00:30:23,998 --> 00:30:27,535 楽しそうだな。 はい。 291 00:30:27,535 --> 00:30:31,706 宋語を学ぶのは 面白うございます。 292 00:30:31,706 --> 00:30:35,877 音を聞けば おのずから漢文が浮かんできて…。 293 00:30:35,877 --> 00:30:42,016 うむ。 お前は 覚えがよいから 周明も教えがいがあろう。 294 00:30:42,016 --> 00:30:47,221 幼い頃 漢詩も 一度聞けば覚えてしまって 驚いたものだ。 295 00:30:47,221 --> 00:30:49,891 覚えておりませぬ。 296 00:30:49,891 --> 00:30:55,229 長い間 わしが官職を得られず➡ 297 00:30:55,229 --> 00:30:59,567 そなたに よい婿を取ってやれなかったこと➡ 298 00:30:59,567 --> 00:31:06,908 すまないと思うておる。 どうなさったのですか? いきなり。 299 00:31:06,908 --> 00:31:10,745 周明は 骨のありそうな男だ。 300 00:31:10,745 --> 00:31:13,581 彼の人にとっても お前は救いであろう。 301 00:31:13,581 --> 00:31:17,919 私と周明は そのような間柄ではありませぬ。 302 00:31:17,919 --> 00:31:19,854 そうか。 303 00:31:19,854 --> 00:31:24,258 うん それなら それでもよい。 304 00:31:24,258 --> 00:31:30,598 好きにせい。 それはございませぬ。 305 00:31:30,598 --> 00:31:35,436 明日から わしは 越前国内の巡察に出る。 306 00:31:35,436 --> 00:31:39,207 ならば 私もお供しとうございます。 307 00:31:39,207 --> 00:31:42,877 そなたは ここにおれ。 308 00:31:42,877 --> 00:31:49,751 雪も解けたゆえ 心配するな。 309 00:31:49,751 --> 00:32:13,051 ♬~ 310 00:32:19,247 --> 00:32:22,583 (周明)うん。 311 00:32:22,583 --> 00:32:25,920 つがいのカモメ…。 312 00:32:25,920 --> 00:32:28,620 フーフー ハイオウ。 313 00:32:30,591 --> 00:32:34,462 夫婦のカモメだ。 314 00:32:34,462 --> 00:32:37,462 フーフー。 315 00:32:42,203 --> 00:32:48,075 周明に妻はいないの? いない。 316 00:32:48,075 --> 00:32:51,879 ほかの人たちには身寄りがあるでしょ? 317 00:32:51,879 --> 00:32:54,179 恋しくないのかしら。 318 00:32:57,752 --> 00:33:01,556 帰りたい人は帰るのがいいと思う。 319 00:33:01,556 --> 00:33:05,893 待っている人もいると思うし。 320 00:33:05,893 --> 00:33:08,796 俺に帰ってほしいのか? 321 00:33:08,796 --> 00:33:12,567 国守様の仕事の手伝いか? 322 00:33:12,567 --> 00:33:15,470 私が どうしたいかは関わりないわ。 323 00:33:15,470 --> 00:33:20,908 宋の人たちが どういうふうにしたいかが 大事だと思っただけ。 324 00:33:20,908 --> 00:33:29,250 父の力にも… なりたいけれど それが全てではないわ。 325 00:33:29,250 --> 00:33:34,522 朱様が帰ると言わない限り 俺たちは帰らない。 326 00:33:34,522 --> 00:33:38,993 なぜ朝廷は 宋と じきじきの商いを嫌がるのだ。 327 00:33:38,993 --> 00:33:40,928 分からない。 328 00:33:40,928 --> 00:33:43,865 なぜ あの人は そこまで かたくななのかしら…。 329 00:33:43,865 --> 00:33:48,002 あの人? あの人とは 誰だ? 330 00:33:48,002 --> 00:33:51,205 左大臣様。 331 00:33:51,205 --> 00:33:53,875 今 左大臣と言ったか? 332 00:33:53,875 --> 00:34:00,575 ええ。 帝の次に偉い人。 333 00:34:02,216 --> 00:34:04,151 「知り合い」は 何と言うの? 334 00:34:04,151 --> 00:34:06,087 シィァンシー。 335 00:34:06,087 --> 00:34:09,891 友は ポンヨウ。 336 00:34:09,891 --> 00:34:13,561 知り合いは シィァンシー。 337 00:34:13,561 --> 00:34:16,464 ポンヨウ シィァンシー…。 338 00:34:16,464 --> 00:34:18,464 シィァンシー…。 339 00:34:26,574 --> 00:34:29,043 ポンヨウ。 シィァンシー。 340 00:34:29,043 --> 00:34:33,843 (乙丸)姫様! 姫様! 姫様! 341 00:34:37,518 --> 00:34:40,187 (藤原宣孝)宋人を見に参った! 342 00:34:40,187 --> 00:34:43,090 本当にいらしたの? 誰? 343 00:34:43,090 --> 00:34:49,530 遠い親戚で 父の長年の友 藤原宣孝様。 344 00:34:49,530 --> 00:34:51,566 都から お見えになったみたい。 345 00:34:51,566 --> 00:34:55,202 私は周明 宋の薬師だ。 346 00:34:55,202 --> 00:34:59,373 父の病も あっという間に 治してくださった名医なの。 347 00:34:59,373 --> 00:35:03,573 そうか… それは 世話になったのう。 348 00:35:07,882 --> 00:35:10,882 え? どうして? 349 00:35:23,030 --> 00:35:25,530 ザイジィェン。 350 00:35:31,238 --> 00:35:34,508 越前は どうじゃ。 351 00:35:34,508 --> 00:35:40,181 国司の仕事ほど 楽で もうかる仕事はない と仰せになっておりましたけれど➡ 352 00:35:40,181 --> 00:35:42,683 とんでもない見込み違いでございました。 353 00:35:42,683 --> 00:35:45,720 私も 必死で 父の手助けをしております。 354 00:35:45,720 --> 00:35:49,991 それで 宋の言葉も学んだのか。 はい。 ご苦労なことだな。 355 00:35:49,991 --> 00:35:52,893 羊も食べました。 羊…。 356 00:35:52,893 --> 00:35:55,796 おいしくはございませんでした。 357 00:35:55,796 --> 00:35:59,667 分からな過ぎる…。 お前に 何が起きておる。 358 00:35:59,667 --> 00:36:03,571 文を下されば 父も巡察の日取りを変えましたのに。 359 00:36:03,571 --> 00:36:06,874 昨年 年が明けたら 宋人を見物に行くと 文は出したぞ。 360 00:36:06,874 --> 00:36:10,878 父も私も 決してお見えにはならないと 思っておりました。 361 00:36:10,878 --> 00:36:14,015 来て悪かったか? そのようなことは ございませぬ。 362 00:36:14,015 --> 00:36:19,553 されど 都でのお役目があるゆえ そう気軽には越前においでになれまいと。 363 00:36:19,553 --> 00:36:22,890 物詣と偽って来た。 364 00:36:22,890 --> 00:36:26,894 越前のことが 内裏で しきりに 取り沙汰されておったので➡ 365 00:36:26,894 --> 00:36:29,230 為時殿が 心配になってな。 366 00:36:29,230 --> 00:36:34,068 そのようなことが 内裏で明らかになれば 父まで おとがめを受けます。 367 00:36:34,068 --> 00:36:36,671 案ずるな。 明後日には たつ。 368 00:36:36,671 --> 00:36:39,974 長居して露見したら お前に叱られるゆえ。 369 00:36:39,974 --> 00:36:41,909 また そのような! 370 00:36:41,909 --> 00:36:45,780 そのプンとした顔が見たかった。 ハハハハハハ。 371 00:36:45,780 --> 00:36:49,984 これは 都で はやっておる 肌油じゃ。 372 00:36:49,984 --> 00:36:55,189 お前のプンとした顔が ますます生きるぞ。 ハハハハハ…。 373 00:36:55,189 --> 00:36:59,527 これは 為時殿に「玄怪録」。 374 00:36:59,527 --> 00:37:01,562 あっ 「玄怪録」? 375 00:37:01,562 --> 00:37:04,198 えっ! 376 00:37:04,198 --> 00:37:08,536 アハハ… 都の香りがいたします。 377 00:37:08,536 --> 00:37:10,836 アハハハハ…。 ほら。 378 00:37:14,408 --> 00:37:16,877 ウニでございます。 379 00:37:16,877 --> 00:37:20,548 越前のウニは まことに おいしゅうございますよ。 380 00:37:20,548 --> 00:37:23,548 都の塩ウニとは違うが…。 381 00:37:33,828 --> 00:37:36,497 こうやって…。 382 00:37:36,497 --> 00:37:39,834 うわ~! 今朝 採れたウニですの。 383 00:37:39,834 --> 00:37:43,534 すっかり越前の女のようになっておるな。 フフフフフ…。 384 00:37:45,172 --> 00:37:48,672 私も頂きます。 385 00:37:56,784 --> 00:38:01,784 おお…。 (笑い声) 386 00:38:03,524 --> 00:38:06,824 こうやって…。 387 00:38:12,533 --> 00:38:14,869 頂きますの。 388 00:38:14,869 --> 00:38:17,569 ん~! ハハハ…。 389 00:38:30,417 --> 00:38:36,824 おお! 磯の香りが すごいのう。 (笑い声) 390 00:38:36,824 --> 00:38:41,524 このようなウニは 帝も ご存じあるまい。 391 00:38:44,331 --> 00:38:46,331 う~ん。 392 00:38:48,502 --> 00:38:51,405 会う度に お前は わしを驚かせる。 393 00:38:51,405 --> 00:38:55,676 この生ウニには 私も 初め驚きました。 394 00:38:55,676 --> 00:38:58,179 そういうことを言ってるんではない。 は…? 395 00:38:58,179 --> 00:39:01,515 わしには 3人の妻と4人の子がおる。 396 00:39:01,515 --> 00:39:04,185 子らは もう一人前だ。 397 00:39:04,185 --> 00:39:11,485 官位も ほどほど上がり これで 人生も どうやら 落ち着いたと思っておった。 398 00:39:13,861 --> 00:39:20,734 されど お前と会うと 違う世界が かいま見える。 399 00:39:20,734 --> 00:39:23,204 新たな望みが見える。 400 00:39:23,204 --> 00:39:25,504 未来が見える。 401 00:39:27,541 --> 00:39:30,878 まだまだ生きていたいと思ってしまう。 402 00:39:30,878 --> 00:39:34,148 まだまだ生きて 私を笑わせてくださいませ。 403 00:39:34,148 --> 00:39:37,484 怒らせて… であろう? はあ…。 404 00:39:37,484 --> 00:39:41,355 どちらでも ようございますけれど➡ 405 00:39:41,355 --> 00:39:46,827 父とて 国守を力の限り務めております。 406 00:39:46,827 --> 00:39:51,498 宣孝様の人生が 先に落ち着くことなど ありえませぬ。 407 00:39:51,498 --> 00:40:03,510 ♬~ 408 00:40:03,510 --> 00:40:34,510 〽 409 00:41:23,824 --> 00:41:25,824 はっ。 410 00:42:10,571 --> 00:42:13,240 あっという間の2日間であった。 411 00:42:13,240 --> 00:42:17,044 父がいたならば どんなにか喜んだことでございましょう。 412 00:42:17,044 --> 00:42:19,913 為時殿に よろしく伝えてくれ。 413 00:42:19,913 --> 00:42:23,584 道中の糧でございます。 おお… ハハハ。 414 00:42:23,584 --> 00:42:26,420 ウニを もっともっと食べたかったのう。 415 00:42:26,420 --> 00:42:28,355 食べ過ぎは いけません。 416 00:42:28,355 --> 00:42:32,192 過ぎたるは 及ばざるがごとしと 申しますでしょ。 417 00:42:32,192 --> 00:42:35,529 まひろ。 はい。 418 00:42:35,529 --> 00:42:39,867 あの宋人が好きなのか? 419 00:42:39,867 --> 00:42:43,704 あいつと宋の国などに行くなよ。 何のことでございますか? 420 00:42:43,704 --> 00:42:46,607 前に言うておったではないか。 宋の国に行ってみたいと。 421 00:42:46,607 --> 00:42:50,010 ああ… そんなこともございましたね。 422 00:42:50,010 --> 00:42:52,880 都に戻ってこい。 423 00:42:52,880 --> 00:42:56,216 わしの妻になれ。 424 00:42:56,216 --> 00:43:01,889 ♬~ 425 00:43:01,889 --> 00:43:04,792 なんと! うう…。 私も もう よい年ですし…。 426 00:43:04,792 --> 00:43:06,760 早く まひろと宋に行きたい。 427 00:43:06,760 --> 00:43:09,563 忘れえぬ人がいても よろしいのですか? よい。 428 00:43:09,563 --> 00:43:12,900 中宮にも会わずに このまま生き続けることはできませぬ。 429 00:43:12,900 --> 00:43:16,570 世に ためしなし! 殿らしいお考えだこと。 430 00:43:16,570 --> 00:43:19,239 朕が 愚かであった。 殺される…。 431 00:43:19,239 --> 00:43:22,743 (宋語) 宋の品が入ってこない。 432 00:43:22,743 --> 00:43:26,943 脅しか。 私は まだ何も分かっていないのやも…。 433 00:43:33,821 --> 00:43:40,227 平安時代屈指の書の達人として知られる 藤原行成。 434 00:43:40,227 --> 00:43:46,100 行成ゆかりの地が 京都府の各地に点在しています。 435 00:43:46,100 --> 00:43:52,239 都の南 八幡市にある石清水八幡宮。 436 00:43:52,239 --> 00:43:54,174 一ノ鳥居のへん額は➡ 437 00:43:54,174 --> 00:44:00,747 江戸時代に行成の書を写したものであると 伝わっています。 438 00:44:00,747 --> 00:44:03,784 行成の日記「権記」には➡ 439 00:44:03,784 --> 00:44:07,621 道長や公任らと 嵐山へ 野遊び➡ 440 00:44:07,621 --> 00:44:13,260 今でいうピクニックに訪れたことが 記されています。 441 00:44:13,260 --> 00:44:16,930 行成たちが訪れた 大覚寺。 442 00:44:16,930 --> 00:44:23,230 平安時代初めに 嵯峨天皇の離宮として建立されました。 443 00:44:26,273 --> 00:44:33,973 境内にある大沢池は 日本最古の庭池であると伝わります。 444 00:44:35,883 --> 00:44:40,554 行成と共に この地を訪れた公任が➡ 445 00:44:40,554 --> 00:44:44,725 池のほとりにある滝について 歌を詠んだと➡ 446 00:44:44,725 --> 00:44:48,562 「権記」に記されています。 447 00:44:48,562 --> 00:44:53,901 政務に追われる 行成たちの心を癒やした景色が➡ 448 00:44:53,901 --> 00:44:57,201 今も残されています。 449 00:45:33,207 --> 00:45:38,378 幕府転覆の血判状 「鳴門秘帖」を求めて➡ 450 00:45:38,378 --> 00:45:42,049 阿波へと入った 法月弦之丞。 451 00:45:42,049 --> 00:45:46,920 剣山から脱出した世阿弥が 手にした秘帖ともども➡ 452 00:45:46,920 --> 00:45:50,557 見返りお綱を お十夜孫兵衛に拉致され➡ 453 00:45:50,557 --> 00:45:54,895 自らは 徳島城の牢へと押し込まれた。➡ 454 00:45:54,895 --> 00:45:58,232 だが 蜂須賀家の行く末を案じる➡