1 00:00:21,201 --> 00:00:26,072 フランス人の手にかかれば ハンバーガーもフレンチの一皿に! 2 00:00:26,072 --> 00:00:28,372 美食魂 恐るべし! 3 00:00:33,513 --> 00:00:35,915 (カラスの鳴き声) 4 00:00:35,915 --> 00:00:40,587 まひろが 夫を失って3年目の夏。 5 00:00:40,587 --> 00:00:44,457 都を干ばつが襲った。 6 00:00:44,457 --> 00:00:56,736 ♬~ 7 00:00:56,736 --> 00:00:59,536 邪魔だ どけ! 8 00:01:01,941 --> 00:01:06,613 返せ! 返してくれ! 返せ! 返せ! 9 00:01:06,613 --> 00:01:17,257 ♬~ 10 00:01:17,257 --> 00:01:34,574 ♬ 天の河水 天の河水 天の河水 11 00:01:34,574 --> 00:01:45,585 ♬ 天の河水 天の河水 12 00:01:45,585 --> 00:01:53,285 (まひろ)あの… 渇きを癒やせるような 果物はないかしら? 13 00:01:59,932 --> 00:02:02,602 (乙丸)帰りましょう。 14 00:02:02,602 --> 00:02:08,941 動けば 我々も干上がってしまいます。 15 00:02:08,941 --> 00:02:15,448 ♬ 天の河水 16 00:02:15,448 --> 00:05:00,246 ♬~ 17 00:05:00,246 --> 00:05:05,718 (藤原道綱)はあ… 帝の雨乞いも効かなかったんだねえ…。 18 00:05:05,718 --> 00:05:10,256 (藤原実資) 帝が 御自ら雨乞いをなさるのは➡ 19 00:05:10,256 --> 00:05:13,159 200年ぶりのことであったのだが…。 20 00:05:13,159 --> 00:05:16,596 (藤原顕光)左大臣殿。➡ 21 00:05:16,596 --> 00:05:19,599 陰陽寮は 何をしておるのでしょう。 22 00:05:19,599 --> 00:05:21,734 (藤原道長)必死でやってはおりましょう。 23 00:05:21,734 --> 00:05:29,275 はあ… 晴明が務めを退いてから まるで 当てになりませぬな。 24 00:05:29,275 --> 00:05:34,881 はあ…。 なんとか いたさねば… なんとか…。 25 00:05:34,881 --> 00:05:42,555 (藤原斉信)右大臣様は 道長に 何もかも押しつけて いい気なもんだな。 26 00:05:42,555 --> 00:05:45,224 (藤原公任)今に始まったことではない。 27 00:05:45,224 --> 00:05:50,524 (顕光)困ったのう… はあ…。 28 00:05:59,572 --> 00:06:04,272 (乙丸)お方様のお戻りです。 ただいま。 29 00:06:05,912 --> 00:06:09,612 (藤原為時)井戸がかれた…。 30 00:06:13,252 --> 00:06:21,552 この夏 我らの命も もたぬやもしれぬ…。 31 00:06:23,596 --> 00:06:29,896 賢子だけは 生き延びさせたいが…。 32 00:06:35,541 --> 00:06:39,879 (安倍晴明)雨乞いなど 体がもちませぬ。 33 00:06:39,879 --> 00:06:43,215 陰陽寮には 力のある者がおらぬ。 34 00:06:43,215 --> 00:06:45,885 なんとか そなたに やってもらいたい。 35 00:06:45,885 --> 00:06:54,894 こうして お話しするだけでも 喉が渇きますのに 祈とうなぞ。 36 00:06:54,894 --> 00:06:56,894 頼む。 37 00:06:58,564 --> 00:07:01,864 何を下さいますか。 38 00:07:03,903 --> 00:07:08,774 私だけが この身をささげるのではなく➡ 39 00:07:08,774 --> 00:07:15,915 左大臣様も 何かを差し出してくださらねば➡ 40 00:07:15,915 --> 00:07:18,915 嫌でございます。 41 00:07:24,590 --> 00:07:27,590 私の寿命…。 42 00:07:29,428 --> 00:07:31,364 10年やろう。 43 00:07:31,364 --> 00:07:36,164 まことに奪いますぞ。 よい。 44 00:07:42,875 --> 00:07:45,875 お引き受けいたしましょう。 45 00:07:59,225 --> 00:08:06,098 お~! 46 00:08:06,098 --> 00:08:23,916 竜神 広くあつく 雲をつくり➡ 47 00:08:23,916 --> 00:08:35,116 甘雨を下したまえ。 ジャッ。 48 00:08:37,196 --> 00:08:49,208 民のかわきを うるおしたまえ。 49 00:08:49,208 --> 00:09:06,225 竜神 広くあつく 雲をつくり➡ 50 00:09:06,225 --> 00:09:16,025 甘雨を下したまえ。 51 00:09:18,704 --> 00:09:28,447 (晴明)雲をつくり➡ 52 00:09:28,447 --> 00:09:40,747 甘雨を下したまえ。 ヘッ。 53 00:09:42,862 --> 00:09:55,562 民のかわきを うるおしたまえ。 54 00:10:25,905 --> 00:10:44,924 (雷雨の音) 55 00:10:44,924 --> 00:10:46,859 雨だ! 56 00:10:46,859 --> 00:10:59,438 (歓喜する声) 57 00:10:59,438 --> 00:11:37,738 ♬~ (雷雨の音) 58 00:11:40,913 --> 00:11:47,253 このころ 清少納言が託した「枕草子」が 評判を呼び➡ 59 00:11:47,253 --> 00:11:51,553 貴族たちの間で広まっていった。 60 00:11:55,961 --> 00:12:02,801 (一条天皇)これを読んでおると そこに定子がおるような心持ちになる。 61 00:12:02,801 --> 00:12:08,501 (藤原伊周)まことに そこに おられるのでございましょう。 62 00:12:11,944 --> 00:12:17,116 そなたらや 定子と共に遊んだ日のことも➡ 63 00:12:17,116 --> 00:12:19,952 つい この間のように 思い出される。 64 00:12:19,952 --> 00:12:24,757 お上の后は 昔も 今も この先も➡ 65 00:12:24,757 --> 00:12:27,626 定子様 お一人にございます。 66 00:12:27,626 --> 00:12:33,899 生まれ変わって 再び定子に出会い➡ 67 00:12:33,899 --> 00:12:37,236 心から定子のために生きたい。 68 00:12:37,236 --> 00:12:43,108 お上 そのように 暗いお顔をなさらないでくださいませ。 69 00:12:43,108 --> 00:12:45,808 定子様が 悲しみます。 70 00:12:48,247 --> 00:12:51,583 (伊周)「枕草子」をお読みくださり➡ 71 00:12:51,583 --> 00:12:58,357 どうか 華やかで 楽しかった日々のことだけを➡ 72 00:12:58,357 --> 00:13:01,593 お思いくださいませ。 73 00:13:01,593 --> 00:13:09,293 笑顔のお上を 定子様は ご覧になりたいに違いございませぬ。 74 00:13:19,611 --> 00:13:28,287 まひろは 6日に一度 四条宮で女房たちに和歌を教えていた。 75 00:13:28,287 --> 00:13:36,895 この学びの会は 藤原公任の妻 敏子の主宰である。 76 00:13:36,895 --> 00:13:44,570 和歌は 人の心を種として それが さまざまな言の葉になったもので➡ 77 00:13:44,570 --> 00:13:47,406 この世で暮らしている人の思いを➡ 78 00:13:47,406 --> 00:13:52,277 見るもの 聞くものに託して 歌として表します。 79 00:13:52,277 --> 00:13:55,147 難しい…。 ねえ。 80 00:13:55,147 --> 00:13:58,117 心があってこその言葉。 81 00:13:58,117 --> 00:14:05,791 もののあわれが分からねば よい歌は詠めないということです。 82 00:14:05,791 --> 00:14:20,606 「人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける」。 83 00:14:20,606 --> 00:14:24,476 あっ それ知ってます。 84 00:14:24,476 --> 00:14:28,113 この歌は 変わってしまう人の心と➡ 85 00:14:28,113 --> 00:14:31,884 変わらない花の香を対にして 歌っています。 86 00:14:31,884 --> 00:14:36,555 唐の詩人 劉希夷の漢詩➡ 87 00:14:36,555 --> 00:14:42,428 「年年歳歳 花相似たり➡ 88 00:14:42,428 --> 00:14:49,902 歳歳年年 人同じからず」を 踏まえているとも…。 89 00:14:49,902 --> 00:14:52,237 (あかね)先生は 歌を詠む時➡ 90 00:14:52,237 --> 00:14:55,908 そんなに難しいことを お考えなんですかぁ? 91 00:14:55,908 --> 00:15:01,908 私は 思ったことを そのまま歌にしているだけですけれど。 92 00:15:04,583 --> 00:15:10,883 こちらは 後に 和泉式部と呼ばれる歌人である。 93 00:15:14,927 --> 00:15:24,269 「声聞けば あつさぞまさる 蝉の羽の➡ 94 00:15:24,269 --> 00:15:32,878 薄き衣は みに着たれども」。 95 00:15:32,878 --> 00:15:38,550 蝉の声を聞くと 暑っ苦しさが増して 嫌になってしまいますわね。➡ 96 00:15:38,550 --> 00:15:43,889 皆様も 薄着におなりなさいませよ。 97 00:15:43,889 --> 00:15:47,759 (敏子)今日も また 朝寝されましたの? 98 00:15:47,759 --> 00:15:51,563 (あかね) 親王様と お話ししておりましたら つい。 99 00:15:51,563 --> 00:15:57,069 お話? あかね様が お放しに ならなかったのではありませんの? 100 00:15:57,069 --> 00:15:59,905 あなた うまいこと言うわね。 フフフ…。 101 00:15:59,905 --> 00:16:04,076 どちらにしても そのようなお姿は いかがなものでしょうか。 102 00:16:04,076 --> 00:16:06,912 だって 暑いんですもの。 103 00:16:06,912 --> 00:16:11,612 いっそのこと 何もかも脱いでしまいたいぐらい。 104 00:16:13,585 --> 00:16:16,488 (あかね)皆様も そうしません? 105 00:16:16,488 --> 00:16:20,092 みんなで脱げば 恥ずかしくありませんわよ。 106 00:16:20,092 --> 00:16:23,292 おやめください。 107 00:16:26,265 --> 00:16:28,600 先生も ほら。 108 00:16:28,600 --> 00:16:33,205 ああ… それは ちょっと…。 109 00:16:33,205 --> 00:16:39,878 はあ… 動くと ますます暑うございますわね。➡ 110 00:16:39,878 --> 00:16:43,382 あっ そうだわ。 111 00:16:43,382 --> 00:16:49,555 親王様が これを下さいましたの。 112 00:16:49,555 --> 00:16:55,427 「枕草子」。 内裏で大はやりなのですって。 113 00:16:55,427 --> 00:16:58,697 先生 ご存じ? ええ。 114 00:16:58,697 --> 00:17:01,400 さすが。 115 00:17:01,400 --> 00:17:06,905 でも 私 読んでみましたけど さほど 面白いと思いませんでした。 116 00:17:06,905 --> 00:17:10,776 軽みのある文章で よいと思いましたが。 117 00:17:10,776 --> 00:17:12,778 面白いというなら➡ 118 00:17:12,778 --> 00:17:18,250 先生の「カササギ語り」の方が はるかに面白うございますよ。 119 00:17:18,250 --> 00:17:20,250 ああ…。 120 00:17:22,120 --> 00:17:31,263 「昔々 ある所に 男と女がいました。➡ 121 00:17:31,263 --> 00:17:36,535 男は 体が小さく 病がち。➡ 122 00:17:36,535 --> 00:17:41,406 女は ふくよかで 力持ち。➡ 123 00:17:41,406 --> 00:17:47,179 わたしの見立てでは いつの世も男というものは➡ 124 00:17:47,179 --> 00:17:50,682 女よりも 上でいたいもの。➡ 125 00:17:50,682 --> 00:17:58,223 もし この男と女が 一緒になったら 一体 どうなるのだろうか。➡ 126 00:17:58,223 --> 00:18:01,560 ぜひ見てみたいと思ったわたしは…」。 127 00:18:01,560 --> 00:18:05,063 (藤原隆家) はあ… 兄には困ったものでございます。➡ 128 00:18:05,063 --> 00:18:07,566 帝のお気弱につけ込んで。 129 00:18:07,566 --> 00:18:11,436 亡き皇后様は そなたの姉君であろう。 130 00:18:11,436 --> 00:18:17,136 帝が お懐かしみくださるのは ありがたいことではないか。 131 00:18:19,177 --> 00:18:22,581 (隆家)私は 過ぎたことは 忘れるようにしております。 132 00:18:22,581 --> 00:18:28,086 出雲に配流となった時の無念よりも 亡き姉への思いよりも➡ 133 00:18:28,086 --> 00:18:32,524 先のことが大事でございます。 134 00:18:32,524 --> 00:18:37,195 恐れながら 帝にも 前をお向きいただきたいと存じます。 135 00:18:37,195 --> 00:18:40,895 おお それは そうであるな。 136 00:18:43,535 --> 00:18:47,835 お邪魔いたしました。 また参ります。 うむ。 137 00:18:56,248 --> 00:18:59,551 (藤原行成) あの男を あまり お信じにならぬ方が➡ 138 00:18:59,551 --> 00:19:02,220 よろしいのではございませぬか。 139 00:19:02,220 --> 00:19:08,093 あれは 伊周とは違うと思うがな。 そうでございましょうか。 140 00:19:08,093 --> 00:19:10,793 俺は そう思うておる。 141 00:19:12,864 --> 00:19:15,767 策略やもしれませぬ。 ん? 142 00:19:15,767 --> 00:19:20,572 伊周殿は 帝を取り込み 隆家殿は 道長様を取り込む。 143 00:19:20,572 --> 00:19:24,910 そして いずれの時か 道長様の失脚を謀る。 144 00:19:24,910 --> 00:19:30,582 フッ… 行成は 隆家が嫌いなのか。 145 00:19:30,582 --> 00:19:32,517 そうではございませぬ。 146 00:19:32,517 --> 00:19:36,521 道長様が あまりにお優しいので お気を付けになった方がよいと…。 147 00:19:36,521 --> 00:19:42,527 疑心暗鬼は 人の目を曇らせる。 148 00:19:42,527 --> 00:19:45,227 それ あっ。 (賢子)フフフ。 149 00:19:47,199 --> 00:19:49,534 (為時)おお。 150 00:19:49,534 --> 00:19:54,206 取れた。 ハハハハハハ。 よ~し… それ。 151 00:19:54,206 --> 00:19:56,906 あっ はあ…。 152 00:19:58,543 --> 00:20:00,879 あ~ 残念。 153 00:20:00,879 --> 00:20:05,384 父上。 賢子に 読み書きを 教えてやってくださいませ。 154 00:20:05,384 --> 00:20:08,887 遊びに飽きたら やらせるゆえ。 155 00:20:08,887 --> 00:20:12,758 読み書きができないと つらい思いをするのは 賢子です。 156 00:20:12,758 --> 00:20:16,628 あまり甘やかさないでくださいませ。 はい。➡ 157 00:20:16,628 --> 00:20:18,563 あ~ 残念。 ハハハハハ。 158 00:20:18,563 --> 00:20:23,235 私は これより四条宮に参りますので。 はい。 159 00:20:23,235 --> 00:20:29,235 賢子。 おじじ様に しっかり教えていただくのよ。 160 00:20:31,576 --> 00:20:34,479 行ってまいります。 161 00:20:34,479 --> 00:20:38,779 母上を見送らぬか。 ん? 162 00:20:41,586 --> 00:20:44,586 (賢子)じじ もう一回 やろ。 163 00:20:46,258 --> 00:21:00,258 [ 心の声 ] 「人の親の 心は闇にあらねども 子を思ふ道に まどひぬるかな」。 164 00:21:06,278 --> 00:21:10,148 ハハハハ。 よいな。 165 00:21:10,148 --> 00:21:12,448 よし…。 166 00:21:27,299 --> 00:21:32,299 だんだん 定子に似てきたな。 167 00:21:44,583 --> 00:21:50,922 (源 倫子) 何故 帝は 中宮様を見てくださらないの? 168 00:21:50,922 --> 00:21:52,858 (赤染衛門)はあ…。 169 00:21:52,858 --> 00:21:57,262 中宮様が 何をなさったというの? 170 00:21:57,262 --> 00:22:03,935 中宮様も 返事をなさるだけで お話しかけになることもなく…。 171 00:22:03,935 --> 00:22:08,807 皇后様が亡くなられて もう4年だというのに…。 172 00:22:08,807 --> 00:22:16,507 このままでは… 中宮様が あまりにも惨めだわ。 173 00:22:18,950 --> 00:22:23,822 どうだ。 ハハハハハ。 174 00:22:23,822 --> 00:23:12,170 ♬~ 175 00:23:12,170 --> 00:23:15,170 酔ってらっしゃるの? 176 00:23:17,943 --> 00:23:24,243 親王様と けんかでもなさったのですか? 177 00:23:26,952 --> 00:23:31,790 そうなの 何で分かるの? 178 00:23:31,790 --> 00:23:36,490 ここでお座りになってはいけません。 179 00:23:38,897 --> 00:23:45,670 親王様が 私を疑うようなことをおっしゃるのよ。 180 00:23:45,670 --> 00:23:50,241 疑う? 181 00:23:50,241 --> 00:23:58,583 人に代わって詠んだ歌なのに 私が 別の男に懸想していて➡ 182 00:23:58,583 --> 00:24:03,283 その男に贈ろうとしているなんて おっしゃるのよ。 183 00:24:06,257 --> 00:24:16,557 扇も取り替えっこして 私の心は 親王様しかいないと言っているのに。 184 00:24:18,269 --> 00:24:26,011 親王様は よほど あかね様にご執心なのね。 185 00:24:26,011 --> 00:24:33,752 私だって 親王様に負けないくらい 親王様が好き。 186 00:24:33,752 --> 00:24:39,057 そうやって 誰の目も はばかることなく➡ 187 00:24:39,057 --> 00:24:43,557 恋に身を焦がされるのは すばらしいことです。 188 00:24:46,798 --> 00:24:52,904 まひろ様は そういう人いないの? 189 00:24:52,904 --> 00:25:03,581 私は… あかね様のように 思いのまま生きてみたかった。 190 00:25:03,581 --> 00:25:13,925 「敢て問う。 兵は率然の如くならしむ可きかと」。 191 00:25:13,925 --> 00:25:19,625 では ここから先は 頼通様がお読みくださいませ。 192 00:25:24,569 --> 00:25:28,740 (藤原頼通)「曰く可なり。➡ 193 00:25:28,740 --> 00:25:36,381 夫れ呉人と越人とは 相悪むも➡ 194 00:25:36,381 --> 00:25:44,255 其の舟を同じくして済り 風に遇うに當りて➡ 195 00:25:44,255 --> 00:25:50,929 其の相救うこと 左右の手の如し」。 196 00:25:50,929 --> 00:25:54,566 (為時)お見事でございます。 197 00:25:54,566 --> 00:25:57,402 左大臣様。 父上! 198 00:25:57,402 --> 00:25:59,437 はかどっておるようだな。 199 00:25:59,437 --> 00:26:04,909 いや~ ご聡明のほど 驚くばかりでございます。 200 00:26:04,909 --> 00:26:09,247 ハハハ… 私の子とは思えぬな。 201 00:26:09,247 --> 00:26:12,247 殿。 ん? 202 00:26:14,919 --> 00:26:17,619 お願いがございます。 203 00:26:37,876 --> 00:26:41,679 行成の字は 相変わらず美しいのう。 204 00:26:41,679 --> 00:26:45,179 お気に召してようございました。 205 00:26:48,219 --> 00:26:54,092 (一条天皇)中宮への数々の心遣い ありがたく思っておる。 206 00:26:54,092 --> 00:26:58,563 もったいないお言葉 痛み入ります。 207 00:26:58,563 --> 00:27:05,263 そのようなお言葉を どうか 中宮様におかけくださいませ。 208 00:27:07,238 --> 00:27:13,578 幼き娘を手放し お上にささげまいらせた母の➡ 209 00:27:13,578 --> 00:27:16,247 ただ一つの願いにございます。 210 00:27:16,247 --> 00:27:21,247 (一条天皇)朕を受け入れないのは 中宮の方であるが。 211 00:27:23,121 --> 00:27:29,594 (一条天皇)内裏に来てすぐの頃 朕が笛を吹いても 横を向いておった。➡ 212 00:27:29,594 --> 00:27:35,294 今も 朕の顔を まともに見ようとはせぬ。 213 00:27:38,870 --> 00:27:42,740 出過ぎたことと承知の上で申し上げます。 214 00:27:42,740 --> 00:27:51,740 どうか お上から 中宮様のお目の向く先へ お入りくださいませ。 215 00:27:53,885 --> 00:28:00,185 母の命を懸けたお願いにございます。 216 00:28:04,896 --> 00:28:09,896 そのようなことで 命を懸けずともよい。 217 00:28:33,057 --> 00:28:35,526 お前は どうかしている。 218 00:28:35,526 --> 00:28:39,030 もし これで 帝が 彰子様に お情けをかけられなければ➡ 219 00:28:39,030 --> 00:28:41,366 生涯ないということになってしまうぞ。 220 00:28:41,366 --> 00:28:44,866 ただ待っているだけより ようございます。 221 00:28:51,075 --> 00:28:53,775 分からぬ。 222 00:28:55,546 --> 00:29:01,846 殿は いつも 私の気持ちは お分かりになりませぬゆえ。 223 00:29:03,421 --> 00:29:11,896 ♬~ 224 00:29:11,896 --> 00:29:32,396 (呪詛する声) 225 00:29:36,854 --> 00:29:44,529 確かに あなた様は 今 闇の中におられます。 226 00:29:44,529 --> 00:29:50,201 まさに闇の中だ。 227 00:29:50,201 --> 00:29:57,201 お待ちなさいませ。 いずれ 必ずや光はさしまする。 228 00:30:04,215 --> 00:30:06,915 いつだ? 229 00:30:10,888 --> 00:30:18,763 いつだか分からねば 心がもたぬ。 230 00:30:18,763 --> 00:30:23,067 もたねば それまで。 231 00:30:23,067 --> 00:30:27,238 されど そこを乗り切れば➡ 232 00:30:27,238 --> 00:30:32,577 光は あなた様を 煌々と照らしましょう。 233 00:30:32,577 --> 00:30:43,577 全てが うまく回れば… 私なぞ どうでもよいのだが。 234 00:30:46,924 --> 00:30:49,224 ん? 235 00:30:52,096 --> 00:30:58,436 今 あなた様のお心の中に 浮かんでいる人に➡ 236 00:30:58,436 --> 00:31:01,272 会いにお行きなさいませ。 237 00:31:01,272 --> 00:31:08,572 それこそが あなた様を照らす光にございます。 238 00:31:13,851 --> 00:31:16,151 (賢子)「あ」。 239 00:31:23,294 --> 00:31:25,994 「め」。 240 00:31:33,571 --> 00:31:35,907 「つ」。 241 00:31:35,907 --> 00:31:38,207 違う。 242 00:31:45,249 --> 00:31:51,949 こうでしょ。 何度言えば分かるの? はい もう一度。 243 00:31:55,893 --> 00:31:58,729 よいよい。 あっちで遊んでおいで。 244 00:31:58,729 --> 00:32:02,929 母上には じいが わびておくゆえ。 245 00:32:05,269 --> 00:32:07,605 父上…。 246 00:32:07,605 --> 00:32:10,108 じいなどと仰せにならないでください。 247 00:32:10,108 --> 00:32:12,610 おじじ様と呼ぶように しつけておりますのに。 248 00:32:12,610 --> 00:32:15,446 お前の気持ちも分かるがのう…。 249 00:32:15,446 --> 00:32:19,617 学問が 女を幸せにするとは限らぬゆえ。 250 00:32:19,617 --> 00:32:29,293 それ 私のことでございますか? ああ いや それは… 少しあるな。 251 00:32:29,293 --> 00:32:34,265 父上が授けてくださった学問が 私を不幸にしたことはございませぬ。 252 00:32:34,265 --> 00:32:39,704 そうか。 それなら よかったが 宣孝殿のように➡ 253 00:32:39,704 --> 00:32:44,242 そなたの聡明さをめでてくれる殿御は そうはおらぬゆえ。 254 00:32:44,242 --> 00:32:47,145 (藤原惟規) またやられてるんですか? 父上。 255 00:32:47,145 --> 00:32:51,415 内記のつとめは どうだ? どうってことはありませんよ。 256 00:32:51,415 --> 00:32:53,451 淡々と過ぎていくだけです。 257 00:32:53,451 --> 00:32:58,189 一生懸命 学問を授けても これだからのう。 258 00:32:58,189 --> 00:33:00,424 賢子は 書物を読み➡ 259 00:33:00,424 --> 00:33:05,263 己の生き方を 己で選び取れる子に なってほしいのでございます。 260 00:33:05,263 --> 00:33:08,599 それも姉上の押しつけだけどね。 (為時)まあまあまあ。 261 00:33:08,599 --> 00:33:14,272 賢子は 姉上みたいに難しいことを言う 女にならない方がいいですよ。➡ 262 00:33:14,272 --> 00:33:16,941 その方が 幸せだから。 263 00:33:16,941 --> 00:33:20,611 お前は 昼間から何しに来たのだ。 264 00:33:20,611 --> 00:33:24,115 油小路の女のところで 寝過ごしてしまったら➡ 265 00:33:24,115 --> 00:33:30,888 勤めに行くのが嫌になり 父上のお顔を見に参りました。 266 00:33:30,888 --> 00:33:32,823 はあ…。 267 00:33:32,823 --> 00:33:36,561 父上 そんな顔をなさいますな。 268 00:33:36,561 --> 00:33:39,230 これでも 左大臣様じきじきに➡ 269 00:33:39,230 --> 00:33:42,900 位記の作成を 命じられたりしているんですよ。 270 00:33:42,900 --> 00:33:44,835 そうか…。 271 00:33:44,835 --> 00:33:49,240 さて いとの顔でも見てから 出かけようかな。 272 00:33:49,240 --> 00:33:52,577 「女のふりをしていた男は➡ 273 00:33:52,577 --> 00:33:55,913 ふりをしていた訳では なかったのです。➡ 274 00:33:55,913 --> 00:34:00,785 心から女になりたいと思っていました。➡ 275 00:34:00,785 --> 00:34:05,590 そして 男のふりをしていた女もまた➡ 276 00:34:05,590 --> 00:34:11,395 心から男になりたいと 思っていたのです。➡ 277 00:34:11,395 --> 00:34:17,201 わたしは 嘘をついていた二人に 試練を与えようと思っていたのですが➡ 278 00:34:17,201 --> 00:34:20,104 やめました。➡ 279 00:34:20,104 --> 00:34:29,280 この二人が この先どうなったかは カササギの知る所ではありませぬ」。 280 00:34:29,280 --> 00:34:33,150 何だか 今日は 難しいお話でした。 281 00:34:33,150 --> 00:34:37,888 私は 男になりたいと思ったこと ないですわ。 282 00:34:37,888 --> 00:34:43,394 男であったら 政に携われるかもしれないのですよ。 283 00:34:43,394 --> 00:34:46,230 でも 偉くならないと それも できないでしょ。➡ 284 00:34:46,230 --> 00:34:50,530 面倒なことは 男に任せていればよいではないですか。 285 00:34:53,971 --> 00:34:59,577 (斉信)左大臣も苦労が絶えないようだな。 ハハハハ。 286 00:34:59,577 --> 00:35:04,448 ああ すまん。 帝の気を引くのは 難しいな。➡ 287 00:35:04,448 --> 00:35:07,084 亡き人の思い出は 美しいままだ。 288 00:35:07,084 --> 00:35:10,121 「枕草子」の力は ますます強まっております。 289 00:35:10,121 --> 00:35:14,825 ききょうめ… あんな才があるとは思わなかったな。➡ 290 00:35:14,825 --> 00:35:17,595 手放さねばよかった。 291 00:35:17,595 --> 00:35:23,267 皇后様がなされていたように 華やかな後宮を藤壺に作ったらどうだ? 292 00:35:23,267 --> 00:35:25,736 それは 難しいと存じます。 293 00:35:25,736 --> 00:35:30,274 帝は 諸事倹約をと 常々仰せだ。 294 00:35:30,274 --> 00:35:37,882 帝は 書物がお好きなので 「枕草子」を超える面白い読み物があれば➡ 295 00:35:37,882 --> 00:35:39,817 お気持ちも和らぐのでは ございませんでしょうか。 296 00:35:39,817 --> 00:35:47,558 そのような面白い書物を書く者が どこにおるというのだ。 297 00:35:47,558 --> 00:35:53,431 我が妻 敏子がやっておる学びの会に 面白い物語を書く女がおるようだぞ。 298 00:35:53,431 --> 00:35:56,701 帝のお心を捉えるほどの物語なのか? 299 00:35:56,701 --> 00:35:59,236 (公任)それは どうかな? 300 00:35:59,236 --> 00:36:04,108 されど 四条宮の女たちの間では 大評判だ。 301 00:36:04,108 --> 00:36:06,110 どういう女なのだ。 302 00:36:06,110 --> 00:36:10,715 さきの越前守 藤原為時の娘だ。 303 00:36:10,715 --> 00:36:14,251 ん? あっ あの地味な女だ。 304 00:36:14,251 --> 00:36:20,925 所詮 女子供の読むものだが 妻も先が楽しみだと心奪われておる。 305 00:36:20,925 --> 00:36:23,260 ふ~ん…。 306 00:36:23,260 --> 00:36:54,558 ♬~ 307 00:36:54,558 --> 00:36:57,461 おはじきやろう。 308 00:36:57,461 --> 00:37:03,567 後でやるから。 今は ちょっと忙しいの。 許してね。 309 00:37:03,567 --> 00:37:07,238 (いと) 姫様 いとと おはじきいたしましょう。 310 00:37:07,238 --> 00:37:11,575 やだ 母上とやる。 311 00:37:11,575 --> 00:37:14,245 さあさあ 姫様。 312 00:37:14,245 --> 00:37:50,545 ♬~ 313 00:39:12,429 --> 00:39:15,199 誰か! 314 00:39:15,199 --> 00:39:17,134 まあ! 315 00:39:17,134 --> 00:39:19,434 (為時)何事だ! 316 00:39:36,487 --> 00:39:39,857 (泣き声) 317 00:39:39,857 --> 00:39:43,360 自分のやったことが分かっているの!? 318 00:39:43,360 --> 00:39:47,531 母が相手にしないからって 火をつけるとは どういうこと? 319 00:39:47,531 --> 00:39:50,534 家に燃え移ったら どうなっていたと思うの! 320 00:39:50,534 --> 00:39:55,272 恐ろしいことをしたのですよ 賢子は。 321 00:39:55,272 --> 00:39:58,042 謝りなさい。 322 00:39:58,042 --> 00:39:59,977 悪かったと お言いなさい。 323 00:39:59,977 --> 00:40:02,546 (為時)もうもう よいではないか。 よくありませぬ! 324 00:40:02,546 --> 00:40:05,449 悪かったな。 悪かった 悪かった。 325 00:40:05,449 --> 00:40:09,219 思いどおりにならないからといって 火をつけるなぞ➡ 326 00:40:09,219 --> 00:40:12,122 とんでもないことです! 327 00:40:12,122 --> 00:40:14,558 人のやることではありませんよ。 328 00:40:14,558 --> 00:40:16,493 ごめんなさい…。 329 00:40:16,493 --> 00:40:20,431 うん。 もう分かったな。 うん 分かった 分かった。➡ 330 00:40:20,431 --> 00:40:22,731 分かった 分かった。 331 00:40:41,585 --> 00:40:44,585 ああ…。 332 00:41:29,967 --> 00:41:34,238 はい はい はい はい…。 333 00:41:34,238 --> 00:41:39,576 気晴らしに賢子を連れて 賀茂の社に行ってまいるゆえ➡ 334 00:41:39,576 --> 00:41:44,448 お前は 一人で 書きたいだけ書け。 335 00:41:44,448 --> 00:41:46,917 お願いいたします。 336 00:41:46,917 --> 00:41:50,217 (為時)うん 行こう。 337 00:42:45,576 --> 00:43:01,592 ♬~ 338 00:43:01,592 --> 00:43:03,527 そなたは いくつだ? 6つ。 339 00:43:03,527 --> 00:43:07,397 女も人ですのよ。 根が暗くて うっとうしいところ。 340 00:43:07,397 --> 00:43:10,734 お許しくださいませ。 父上と母上は➡ 341 00:43:10,734 --> 00:43:12,803 どうかなさったのでございますか? 342 00:43:12,803 --> 00:43:15,606 「黒髪の…」。 今日は 忙しいゆえ。 343 00:43:15,606 --> 00:43:20,277 ああ…。 おかしきことこそ めでたけれにございます。 344 00:43:20,277 --> 00:43:23,180 直秀も 月におるやもしれぬな。 345 00:43:23,180 --> 00:43:26,480 「いづれの御時にか」。 346 00:43:33,490 --> 00:43:38,328 和泉式部は 数々の浮き名を流した歌人として➡ 347 00:43:38,328 --> 00:43:45,102 その情熱的な恋の歌と共に 多くの伝説が語り継がれています。 348 00:43:45,102 --> 00:43:49,907 夫と離婚し 冷泉天皇の2人の皇子と➡ 349 00:43:49,907 --> 00:43:52,810 次々に恋に落ちた 和泉式部。 350 00:43:52,810 --> 00:43:58,248 日記には 敦道親王との 逢瀬と その心情が➡ 351 00:43:58,248 --> 00:44:00,948 赤裸々に つづられています。 352 00:44:05,122 --> 00:44:08,725 圓教寺を訪ねたという伝承があり➡ 353 00:44:08,725 --> 00:44:11,525 歌塚が残されています。 354 00:44:13,263 --> 00:44:16,733 闇の中にいる 罪深い我が身を➡ 355 00:44:16,733 --> 00:44:19,603 月の明かりで 照らしてほしいと➡ 356 00:44:19,603 --> 00:44:22,903 切なる思いを 歌にしています。 357 00:44:24,942 --> 00:44:28,278 京都の奥座敷 貴船。 358 00:44:28,278 --> 00:44:32,883 清流と蛍の名所として知られています。 359 00:44:32,883 --> 00:44:40,224 2人目の夫との復縁を願い 貴船神社を訪れた和泉式部は➡ 360 00:44:40,224 --> 00:44:44,561 夫恋しさのあまり 蛍の光が➡ 361 00:44:44,561 --> 00:44:50,234 まるで我が身から抜け出した 魂のようだと詠んでいます。 362 00:44:50,234 --> 00:44:53,070 その後 復縁したことから➡ 363 00:44:53,070 --> 00:44:58,570 貴船神社は 縁結びの神様としても 知られるようになったのです。 364 00:45:33,510 --> 00:45:36,446 (伊織)ああ~ よい日和だ。 365 00:45:36,446 --> 00:45:40,083 これで 患者がいなけりゃ 旅にでも出たいところだな。 366 00:45:40,083 --> 00:45:43,720 旅といえば この空のどこかで…。 367 00:45:43,720 --> 00:45:46,423 源さんも 羽を伸ばしていることだろう。 368 00:45:46,423 --> 00:45:48,926 それはどうかな? ん? 369 00:45:48,926 --> 00:45:50,861 退屈しているのではないか? 370 00:45:50,861 --> 00:45:53,430 お勤めを辞めなきゃよかったとか 何とか。 371 00:45:53,430 --> 00:45:56,466 かもしれませんね。 (3人の笑い声) 372 00:45:56,466 --> 00:45:58,602 (橋田)お奉行! うん。