1 00:00:34,540 --> 00:00:45,485 (藤原道長) 「望月の かけたることも なしと思えば」。 2 00:00:45,485 --> 00:00:51,290 (藤原斉信)昨夜の道長の歌だが あれは 何だったのだ? 3 00:00:51,290 --> 00:00:53,993 (源 俊賢)「この世をば…」。➡ 4 00:00:53,993 --> 00:00:59,666 栄華を極めた今を 謳い上げておられるのでありましょう。 5 00:00:59,666 --> 00:01:03,336 何もかも思いのままであると。 6 00:01:03,336 --> 00:01:07,206 (藤原公任) 今宵は まことに よい夜であるな。 7 00:01:07,206 --> 00:01:10,009 …くらいの軽い気持ちではないのか? 8 00:01:10,009 --> 00:01:15,348 道長は 皆の前で おごった歌を 披露するような人となりではない。 9 00:01:15,348 --> 00:01:18,184 (藤原行成)私も そう思います。 10 00:01:18,184 --> 00:01:20,687 月は 后を表しますゆえ➡ 11 00:01:20,687 --> 00:01:26,559 3人の后は 望月のように欠けていない よい夜だ ということだと思いました。 12 00:01:26,559 --> 00:01:30,196 うん。 そうかな…。 13 00:01:30,196 --> 00:03:28,014 ♬~ 14 00:03:28,014 --> 00:03:31,050 ♬~ 15 00:03:31,050 --> 00:04:14,550 ♬~ 16 00:04:16,996 --> 00:04:21,334 (敦康親王)頼通殿 摂政になられて早半年。 17 00:04:21,334 --> 00:04:23,269 政には慣れたか? 18 00:04:23,269 --> 00:04:28,507 (藤原頼通)いいえ。 父の指図を仰がねば 何もできませぬ。 19 00:04:28,507 --> 00:04:32,111 常に 不安でございます。 20 00:04:32,111 --> 00:04:35,948 太閤には 叱られたりもするのか? 21 00:04:35,948 --> 00:04:38,751 毎日 どなられております。 22 00:04:38,751 --> 00:04:41,120 ハハハハハ。 23 00:04:41,120 --> 00:04:44,023 羨ましい限りであるな。 24 00:04:44,023 --> 00:04:49,223 私も 父上に どなられてみたかった。 25 00:04:50,830 --> 00:04:58,537 (藤原彰子)ならば 嫄子様には 父らしい父として お接しなさいませ。 26 00:04:58,537 --> 00:05:00,506 そういたしたいと思います。 27 00:05:00,506 --> 00:05:04,310 褒めたり 叱ったりしとうございます。 28 00:05:04,310 --> 00:05:09,482 (祇子女王)お叱りになるのは 難しいのではありません?➡ 29 00:05:09,482 --> 00:05:13,282 ねえ。 (笑い声) 30 00:05:16,255 --> 00:05:20,993 よい子にしておったな。 のう。 ええ。 31 00:05:20,993 --> 00:05:26,866 ハハ… おう これこれ。 ハハハハ。 32 00:05:26,866 --> 00:05:29,166 フフフフ…。 33 00:05:34,273 --> 00:05:36,208 ああ…。 34 00:05:36,208 --> 00:05:38,508 祇子。 嫄子を。 35 00:05:41,614 --> 00:05:43,549 宮様…。 36 00:05:43,549 --> 00:05:45,484 誰か! 37 00:05:45,484 --> 00:05:47,486 大事ない。 38 00:05:47,486 --> 00:05:54,627 この年の暮れ 亡き一条天皇の第一皇子 敦康親王は➡ 39 00:05:54,627 --> 00:05:58,497 21歳で 世を去った。 40 00:05:58,497 --> 00:06:04,497 道長によって 奪い尽くされた生涯であった。 41 00:06:51,817 --> 00:07:10,169 ♬~ 42 00:07:10,169 --> 00:07:16,308 (まひろ)「小君が いつ戻るのかと お待ちなされていたのですが➡ 43 00:07:16,308 --> 00:07:21,180 このように 訳のわからないまま 帰って来ましたので➡ 44 00:07:21,180 --> 00:07:24,650 がっかりした薫の君は➡ 45 00:07:24,650 --> 00:07:31,157 『かえってやらない方がよかった』などと 様々思い➡ 46 00:07:31,157 --> 00:07:35,728 『誰かに隠し置かれているのでは ないだろうか』と➡ 47 00:07:35,728 --> 00:07:38,597 思い込んでしまわれたのは➡ 48 00:07:38,597 --> 00:07:44,937 自ら浮舟を捨て置いたことが おありになったからとか➡ 49 00:07:44,937 --> 00:07:49,237 元の本には書いてあったのです」。 50 00:07:56,449 --> 00:07:59,285 はあ…。 51 00:07:59,285 --> 00:08:04,985 [ 心の声 ] 物語は これまで。 52 00:08:06,625 --> 00:08:43,625 ♬~ 53 00:08:59,979 --> 00:09:05,479 年が明け 叙位の議が行われる日…。 54 00:09:14,493 --> 00:09:18,964 左大臣 右大臣は いかがした? 55 00:09:18,964 --> 00:09:21,264 (藤原定頼)分かりませぬ。 56 00:09:25,137 --> 00:09:28,974 叙位の議は 左右の大臣がおらねば行えぬ。 57 00:09:28,974 --> 00:09:35,274 左大臣に使者を出し 参内せぬ訳を問いただせ。 はっ。 58 00:09:42,922 --> 00:09:47,259 左大臣様は 蔵人頭を介して➡ 59 00:09:47,259 --> 00:09:51,096 格別の仰せがなければ 参内せぬとのことにございます。 60 00:09:51,096 --> 00:09:53,132 何? 61 00:09:53,132 --> 00:10:02,808 ♬~ 62 00:10:02,808 --> 00:10:07,279 私には 従わぬという 当てつけにございます。 63 00:10:07,279 --> 00:10:10,979 これまでも 事あるごとに…。 うろたえるでない! 64 00:10:12,618 --> 00:10:16,121 左大臣と右大臣が来ぬなら➡ 65 00:10:16,121 --> 00:10:19,959 この度に限っては 内大臣のお前がやればよい。 66 00:10:19,959 --> 00:10:23,629 嫌がらせなどには屈せぬ姿を見せよ。 67 00:10:23,629 --> 00:10:26,329 叙位の議も 止めてはならぬ。 68 00:10:28,500 --> 00:10:30,500 は…。 69 00:10:41,780 --> 00:10:44,580 はあ…。 70 00:11:00,199 --> 00:11:04,899 (藤原賢子)母上…。 何? 71 00:11:21,353 --> 00:11:28,027 私 宮仕えをしたいと思います。 72 00:11:28,027 --> 00:11:31,630 夫を持ちたいとは 全く思わないし➡ 73 00:11:31,630 --> 00:11:37,436 21にもなって 母上を 頼りに 生きているのも 何だか情けないゆえ➡ 74 00:11:37,436 --> 00:11:39,936 働こうと思うのです。 75 00:11:42,274 --> 00:11:46,178 それは頼もしいこと。 76 00:11:46,178 --> 00:11:52,318 母上は 太皇太后様にも 覚えがめでたいのでしょ? 77 00:11:52,318 --> 00:11:58,018 私を 内裏か土御門殿の 女房にしてください。 78 00:11:59,658 --> 00:12:04,530 分かりました お願いしてみる。 79 00:12:04,530 --> 00:12:07,399 父上。 (藤原為時)ん? 80 00:12:07,399 --> 00:12:12,004 賢子が宮仕えをする覚悟を 決めてくれましたの。 81 00:12:12,004 --> 00:12:15,874 ほう… それは よかった。 82 00:12:15,874 --> 00:12:20,179 おじじ様は 私と離れて さみしくありません? 83 00:12:20,179 --> 00:12:25,984 さみしいことは さみしいが 案ずることはない。 84 00:12:25,984 --> 00:12:35,284 わしは ちやはと惟規の菩提を弔いながら 静かに生きてゆくゆえ。 85 00:12:46,972 --> 00:12:52,311 賢子が この家を支えてくれるなら➡ 86 00:12:52,311 --> 00:12:56,011 私は 旅に出たいと思いますの。 87 00:12:58,650 --> 00:13:02,521 長い間 働いてきたゆえ 好きにしたらよいが➡ 88 00:13:02,521 --> 00:13:05,524 一体 どこへ旅するつもりなのだ? 89 00:13:05,524 --> 00:13:11,663 物語の中で描いた 須磨や明石に行ってみとうございます。 90 00:13:11,663 --> 00:13:14,566 須磨や明石なら近いな。 91 00:13:14,566 --> 00:13:20,005 それから 亡き宣孝様が お勤めになられていた大宰府や➡ 92 00:13:20,005 --> 00:13:23,809 さわさんが亡くなった松浦にも 参りとうございます。 93 00:13:23,809 --> 00:13:26,345 (為時)そんな遠くに…。 94 00:13:26,345 --> 00:13:30,516 若くもないのに 大事なかろうか。 95 00:13:30,516 --> 00:13:32,716 (きぬ)お方様。 96 00:13:35,287 --> 00:13:40,287 (きぬ)この人が お供いたしますゆえ 安心でございますよ。 97 00:13:42,961 --> 00:13:47,633 あんたが お方様を 無事に連れて帰ってくるんだよ。 98 00:13:47,633 --> 00:13:50,933 私は ここで待ってるから。 99 00:13:53,305 --> 00:13:59,305 (乙丸)おお… お方様… お供いたします。 100 00:14:02,981 --> 00:14:08,320 昔から 思い立ったら 言うことを聞かぬ娘であった。 101 00:14:08,320 --> 00:14:11,020 好きにするがよい。 102 00:14:13,659 --> 00:14:21,959 賢子。 女房の仕事は 楽ではないゆえ 覚悟してね。 103 00:14:24,002 --> 00:14:27,673 母上ができたのですもの。 104 00:14:27,673 --> 00:14:30,576 怖くはありません。 105 00:14:30,576 --> 00:14:32,511 そうだ そうだ。 106 00:14:32,511 --> 00:14:37,282 (笑い声) 107 00:14:37,282 --> 00:14:49,628 ♬~ 108 00:14:49,628 --> 00:14:55,133 まだ世にも人にも慣れぬ ふつつかな娘でございますが➡ 109 00:14:55,133 --> 00:15:00,305 どうぞ よしなにお導きくださいませ。 110 00:15:00,305 --> 00:15:13,318 ♬~ 111 00:15:13,318 --> 00:15:19,658 藤式部 確かに娘は預かった。 112 00:15:19,658 --> 00:15:25,330 されど そなたも必ず生きて帰ってまいれ。 113 00:15:25,330 --> 00:15:30,630 そして 私に 土産話を聞かせておくれ。 114 00:15:32,137 --> 00:15:35,607 (彰子)これを持ってゆくがよい。 115 00:15:35,607 --> 00:15:54,293 ♬~ 116 00:15:54,293 --> 00:15:59,993 ありがたきお言葉とお心遣い 痛み入ります。 117 00:16:03,302 --> 00:16:09,002 そなたに似て 賢そうな顔をしておる。 118 00:16:10,642 --> 00:16:14,980 私のよき話し相手となりそうだ。 119 00:16:14,980 --> 00:16:19,280 どうか よろしくお願い申し上げます。 120 00:16:28,994 --> 00:16:38,804 太閤様 北の方様。 娘の賢子でございます。 121 00:16:38,804 --> 00:16:44,276 太皇太后様の御ために 精いっぱい つとめることと存じます。 122 00:16:44,276 --> 00:16:51,950 何とぞ お引き立てのほど よろしくお願い申し上げます。 123 00:16:51,950 --> 00:16:56,455 (源 倫子) 藤式部は これから どうするのです? 124 00:16:56,455 --> 00:17:01,293 私は これから 旅に出ようと存じます。 125 00:17:01,293 --> 00:17:05,163 (倫子)旅… 誰と行くの? 126 00:17:05,163 --> 00:17:07,463 一人で参ります。 127 00:17:09,167 --> 00:17:13,872 何故 そのような心持ちに…。 128 00:17:13,872 --> 00:17:17,843 太皇太后様は すっかりご立派になられ➡ 129 00:17:17,843 --> 00:17:24,316 私が お役に立てることは もうありません。 130 00:17:24,316 --> 00:17:31,590 それで 物語に出てきた 須磨や明石を この目で見てみたいと思いまして。 131 00:17:31,590 --> 00:17:36,928 まあ すてきだこと。 132 00:17:36,928 --> 00:17:42,267 亡き夫が かつて おりました 大宰府にも 行きたいと思っております。 133 00:17:42,267 --> 00:17:50,567 私と殿も 2人で旅に行きたいわねと 語り合っておりましたのよ。 ねえ。 134 00:17:53,879 --> 00:18:02,954 大宰府への使いの船があるゆえ それに乗ってゆくがよかろう。 135 00:18:02,954 --> 00:18:05,457 気を付けて参れ。 136 00:18:05,457 --> 00:18:07,657 はい。 137 00:18:14,633 --> 00:18:16,933 (倫子)藤式部。 138 00:18:24,643 --> 00:18:29,343 あのこと 考えてくれたか? 139 00:18:30,982 --> 00:18:32,982 は…。 140 00:18:34,853 --> 00:18:39,257 心の闇に惹かれる性分でございますので➡ 141 00:18:39,257 --> 00:18:45,430 「枕草子」のように 太閤様の栄華を輝かしく書くことは➡ 142 00:18:45,430 --> 00:18:51,236 私には 難しいと存じます。 あらま。 143 00:18:51,236 --> 00:18:54,236 どうか お許しくださいませ。 144 00:18:55,941 --> 00:19:02,814 しかたないわね 旅に出てしまうし…。 145 00:19:02,814 --> 00:19:07,514 長い間 お世話になりました。 146 00:19:09,287 --> 00:19:14,459 くれぐれも 気を付けてお行きなさい。 147 00:19:14,459 --> 00:19:16,459 はい。 148 00:19:34,579 --> 00:19:39,918 これが 「源氏の物語」。 149 00:19:39,918 --> 00:19:45,257 これが 新しく書いた その続き。 150 00:19:45,257 --> 00:19:48,557 母のしてきたことよ。 151 00:19:55,267 --> 00:19:58,267 これを あなたに託します。 152 00:20:00,138 --> 00:20:07,138 そんな… 形見みたいに言わないで。 ハハ…。 153 00:20:09,281 --> 00:20:15,581 これを読んで どう思ったか 帰ってきたら聞かせておくれ。 154 00:20:17,155 --> 00:20:19,624 はい。 155 00:20:19,624 --> 00:20:29,634 ♬~ 156 00:20:29,634 --> 00:20:34,973 1人で帰れますね? はい。 157 00:20:34,973 --> 00:20:36,908 これを。 158 00:20:36,908 --> 00:20:55,660 ♬~ 159 00:20:55,660 --> 00:20:57,996 重たい…。 160 00:20:57,996 --> 00:21:14,996 ♬~ 161 00:21:37,969 --> 00:21:40,669 何があったのだ? 162 00:21:43,308 --> 00:21:47,145 私の役目は終わったと申しました。 163 00:21:47,145 --> 00:21:49,781 行かないでくれ。 164 00:21:49,781 --> 00:21:55,281 船に乗っていけと 仰せになったではありませんの。 165 00:21:58,523 --> 00:22:04,996 これ以上 手に入らぬお方のそばにいる意味は➡ 166 00:22:04,996 --> 00:22:07,996 何なのでございましょう。 167 00:22:12,337 --> 00:22:16,207 私は 十分やってまいりました。 168 00:22:16,207 --> 00:22:22,347 その見返りも 十分に頂きました。 169 00:22:22,347 --> 00:22:28,687 道長様には 感謝申し上げても し切れないと思っております。 170 00:22:28,687 --> 00:22:40,387 されど ここらで 違う人生も 歩んでみたくなったのでございます。 171 00:22:52,877 --> 00:22:58,877 私は去りますが 賢子がおります。 172 00:23:00,618 --> 00:23:05,318 賢子は あなた様の子でございます。 173 00:23:16,201 --> 00:23:20,201 賢子を よろしくお願いいたします。 174 00:23:28,680 --> 00:23:39,380 お前とは… もう会えぬのか? 175 00:23:55,840 --> 00:23:59,140 会えたとしても…。 176 00:24:04,983 --> 00:24:08,853 これで終わりでございます。 177 00:24:08,853 --> 00:25:22,553 ♬~ 178 00:25:24,996 --> 00:25:29,501 (倫子)そなたに たっての頼みがある。 179 00:25:29,501 --> 00:25:31,936 (赤染衛門)何でございましょう。 180 00:25:31,936 --> 00:25:36,274 殿のことを書いておくれ。 181 00:25:36,274 --> 00:25:43,948 「枕草子」が 皇后 定子様のお姿を キラキラと描いたように➡ 182 00:25:43,948 --> 00:25:50,822 殿の すばらしさを 輝かしき物語にしてほしいのよ。 183 00:25:50,822 --> 00:25:55,560 それ… それを 私に書けと…。 184 00:25:55,560 --> 00:26:01,299 衛門の筆で。 殿の栄華を。 185 00:26:01,299 --> 00:26:05,470 なんという 重いお役目でございましょう…。 186 00:26:05,470 --> 00:26:07,972 やってくれるか? 187 00:26:07,972 --> 00:26:15,313 まこと恐れ多いことながら 謹んでお受けいたします。 188 00:26:15,313 --> 00:26:22,086 されど まことに 私でよろしいのでございましょうか? 189 00:26:22,086 --> 00:26:25,586 衛門がいいのよ。 190 00:26:27,892 --> 00:26:30,592 お方様…。 191 00:26:36,601 --> 00:26:54,953 ♬~ 192 00:26:54,953 --> 00:27:00,253 (宮の宣旨)今日より そなたを 越後弁と呼ぶことにいたす。 193 00:27:03,294 --> 00:27:05,230 は…。 194 00:27:05,230 --> 00:27:09,100 そなたの祖父は さきの越後守で➡ 195 00:27:09,100 --> 00:27:14,305 その前は 左少弁であったろう。 さようでございますが…。 196 00:27:14,305 --> 00:27:22,180 越後弁。 太皇太后様の御ために 共に尽くしましょうぞ。 197 00:27:22,180 --> 00:27:24,315 は…。 198 00:27:24,315 --> 00:27:28,615 心して相つとめます。 199 00:27:32,590 --> 00:27:36,461 (宮の宣旨) あちらにも 我らのつとめの場がある。 200 00:27:36,461 --> 00:27:38,461 (賢子)は…。 201 00:28:15,967 --> 00:28:17,967 (せきばらい) 202 00:28:24,642 --> 00:28:26,642 はあ…。 203 00:29:19,630 --> 00:29:25,970 今日は お加減いかがでございますか? 204 00:29:25,970 --> 00:29:28,670 話がある。 205 00:29:35,780 --> 00:29:38,780 出家いたす。 206 00:29:42,253 --> 00:29:47,953 頼通が独り立ちするためにも その方がよいと思う。 207 00:29:50,595 --> 00:29:57,468 殿が 頼通のために ご出家なさるのでございますか? 208 00:29:57,468 --> 00:30:02,306 体も衰えた。 休みたい。 209 00:30:02,306 --> 00:30:10,748 お休みになりたければ 私のもとで 現世で お休みくださいませ。 210 00:30:10,748 --> 00:30:16,248 いまわの際でもありませんのに ご出家なぞ ありえませぬ。 211 00:30:38,843 --> 00:30:41,843 気持ちは変わらぬ。 212 00:30:52,657 --> 00:30:56,657 藤式部がいなくなったからですの? 213 00:30:59,530 --> 00:31:02,333 何を言うておる。 214 00:31:02,333 --> 00:31:05,333 出家は おやめください。 215 00:31:11,342 --> 00:31:13,342 許せ。 216 00:31:15,012 --> 00:31:17,348 お待ちくださいませ! 217 00:31:17,348 --> 00:31:21,018 太皇太后様に申し上げてくる。 218 00:31:21,018 --> 00:32:48,818 ♬~ 219 00:32:55,646 --> 00:34:31,342 (読経) 220 00:34:31,342 --> 00:36:06,971 ♬~ 221 00:36:06,971 --> 00:36:08,906 気持ちはどうだ? 222 00:36:08,906 --> 00:36:11,642 ん~…。 223 00:36:11,642 --> 00:36:17,314 涼しくて よい。 224 00:36:17,314 --> 00:36:21,652 寂しいこと この上ないな~。 225 00:36:21,652 --> 00:36:25,322 死んだように言うな。 226 00:36:25,322 --> 00:36:31,195 こうしておれば 昔と変わらぬのに… やりきれぬ。 227 00:36:31,195 --> 00:36:36,433 50過ぎまで 誰一人欠けることなく来れたことは➡ 228 00:36:36,433 --> 00:36:38,433 感慨深いのう…。 229 00:36:40,104 --> 00:36:44,275 あっという間に 何もかも過ぎていった。 230 00:36:44,275 --> 00:36:49,975 あっけないものだな 人の一生とは。 231 00:36:57,621 --> 00:36:59,557 泣くな。 232 00:36:59,557 --> 00:37:05,129 出家されて 道長様のお心が お楽になるのであれば➡ 233 00:37:05,129 --> 00:37:08,966 それで よいと思っておりました。 されど…➡ 234 00:37:08,966 --> 00:37:15,306 お姿を拝見しましたら 込み上げてきてしまって…。 235 00:37:15,306 --> 00:37:20,978 昔も今も 行成は 道長一筋だからな。 236 00:37:20,978 --> 00:37:23,881 何のお役にも立てませんでした。 237 00:37:23,881 --> 00:37:25,881 何を言うか。 238 00:37:31,322 --> 00:37:36,927 お前には 随分と助けられた。 239 00:37:36,927 --> 00:37:39,227 いくら礼を言っても足らぬ。 240 00:37:40,798 --> 00:37:45,798 いろいろと すまなかった。 241 00:37:49,273 --> 00:37:54,973 泣くな。 俺まで泣けてくるではないか。 242 00:37:59,283 --> 00:38:03,621 頼みがある。 243 00:38:03,621 --> 00:38:10,494 これより先は どうか頼通の力になってやってほしい。 244 00:38:10,494 --> 00:38:15,232 左大臣も 右大臣も 足を引っ張るばかりで➡ 245 00:38:15,232 --> 00:38:18,168 何の支えにもならぬ。 246 00:38:18,168 --> 00:38:24,475 頼通は 心は優しいが いまだ肝が据わっておらぬゆえ➡ 247 00:38:24,475 --> 00:38:31,715 上に立つには お前たちの力添えがなくてはならぬ。 248 00:38:31,715 --> 00:38:37,087 その言いようでは 心は 全く出家しておらぬな。 249 00:38:37,087 --> 00:38:42,593 ん? 頼通殿の政を 後ろから操るためか。 250 00:38:42,593 --> 00:38:47,431 ああ… いやいや そのようなつもりはない。 251 00:38:47,431 --> 00:38:50,100 いや それでよい。 252 00:38:50,100 --> 00:38:53,604 道長が その気なら 俺も力が湧く。 253 00:38:53,604 --> 00:38:56,604 もう ひとふんばりしようではないか。 254 00:38:59,276 --> 00:39:01,976 よしなに頼む。 255 00:39:21,298 --> 00:39:28,072 左大臣 顕光殿は 帝の前で 居眠りをする 訳の分からぬことを言う➡ 256 00:39:28,072 --> 00:39:33,243 的外れなことに固執して 陣定を長引かせるなどの失態が続き➡ 257 00:39:33,243 --> 00:39:35,179 たまりませぬ。 258 00:39:35,179 --> 00:39:38,582 皆 うんざりしております。 259 00:39:38,582 --> 00:39:42,252 このままでは 公卿らの士気も落ちますので➡ 260 00:39:42,252 --> 00:39:46,724 顕光殿に 左大臣を辞めていただきたいのですが➡ 261 00:39:46,724 --> 00:39:49,093 どうしたら ようございましょうか。 262 00:39:49,093 --> 00:39:56,600 大臣が辞める時は 本人が辞めると言うか 身まかるしかない。 263 00:39:56,600 --> 00:39:58,535 されど このままでは…。 264 00:39:58,535 --> 00:40:00,835 ん~…。 265 00:40:03,941 --> 00:40:13,283 どうすればよいか 己で分からんのか…。 は…。 266 00:40:13,283 --> 00:40:21,158 失態の度 皆の前で 左大臣を厳しく難じよ。 え…。 267 00:40:21,158 --> 00:40:26,630 そのうち いたたまれなくなって 辞めるやもしれぬ。 268 00:40:26,630 --> 00:40:28,632 そのようなこと 私には…。 269 00:40:28,632 --> 00:40:31,132 それが政だ! 270 00:40:35,973 --> 00:40:42,973 そのくらいできねば 何もできぬ。 271 00:40:52,322 --> 00:40:55,622 お前は 摂政だぞ。 272 00:40:59,663 --> 00:41:02,963 肝を据えろ。 273 00:41:05,002 --> 00:41:07,302 は…。 274 00:41:23,020 --> 00:41:43,640 ♬~ 275 00:41:43,640 --> 00:41:48,340 (乙丸)西の果てに このような所が…。 276 00:41:55,252 --> 00:41:59,990 (乙丸)お方様 宋人が 何人も…。➡ 277 00:41:59,990 --> 00:42:03,327 越前を思い出しますね。 278 00:42:03,327 --> 00:42:17,875 ♬~ 279 00:42:17,875 --> 00:42:20,575 (宋語) 280 00:42:23,347 --> 00:42:26,647 (宋語) 281 00:42:48,505 --> 00:43:01,652 ♬~ 282 00:43:01,652 --> 00:43:04,321 敵は 異国の者なのか? 283 00:43:04,321 --> 00:43:06,256 妻はいるの? いない。 284 00:43:06,256 --> 00:43:08,192 心配をかけたな。 285 00:43:08,192 --> 00:43:10,994 出陣じゃ~! (一同)お~っ! 286 00:43:10,994 --> 00:43:15,499 私が なすべきことは何か…。 そこからで よいのではないかしら? 287 00:43:15,499 --> 00:43:18,168 決して無駄死にはするな! 話したいことがある。 288 00:43:18,168 --> 00:43:21,668 私は もう 終わってしまったの…。 あの…。 289 00:43:24,675 --> 00:43:26,675 まひろ! 290 00:43:33,550 --> 00:43:37,487 滋賀県大津市に建つ園城寺。 291 00:43:37,487 --> 00:43:46,463 境内に 天智 天武 持統天皇の産湯に 使われたとされる霊泉があることから➡ 292 00:43:46,463 --> 00:43:50,963 御井の寺 三井寺と呼ばれました。 293 00:43:52,636 --> 00:44:01,311 この寺で 紫式部の父 藤原為時は 出家しました。 294 00:44:01,311 --> 00:44:07,511 為時親子とのつながりを示すものが 寺に伝わっています。 295 00:44:09,052 --> 00:44:13,323 寺の歴代の僧侶の名が書かれた書には➡ 296 00:44:13,323 --> 00:44:16,994 「紫式部の母方のおじ」と➡ 297 00:44:16,994 --> 00:44:20,994 「異母きょうだい」の名が 記されています。 298 00:44:24,868 --> 00:44:30,540 為時出家後の寛仁2年 正月。 299 00:44:30,540 --> 00:44:36,947 藤原頼通の摂政就任のうたげに用意された 屏風詩歌に➡ 300 00:44:36,947 --> 00:44:43,947 公任や斉信に並んで 為時の漢詩も選ばれました。 301 00:44:46,623 --> 00:44:51,962 紫式部を育てた 藤原為時の名は➡ 302 00:44:51,962 --> 00:44:58,662 当時を代表する漢詩人としても 語り継がれているのです。 303 00:45:33,570 --> 00:45:39,376 桜草や 桜草~! 304 00:45:39,376 --> 00:45:45,782 <売り声高く町を行く 桜草売りは 春のお江戸の名物です> 305 00:45:45,782 --> 00:45:48,151 まあ かわいらしい。 306 00:45:48,151 --> 00:45:51,054 おばば様 これがよいのではありませんか? 307 00:45:51,054 --> 00:45:55,325 うん… あっ 花付きは でも こちらがよさそうですよ。 308 00:45:55,325 --> 00:45:57,661 そうですねえ。 でも 色みは こちらが…。