1 00:00:36,671 --> 00:00:38,671 (まひろ)あっ。 2 00:00:43,345 --> 00:00:45,345 (矢が刺さる音) 3 00:01:01,363 --> 00:01:05,063 (悲鳴) 4 00:01:07,035 --> 00:01:14,709 (泣き声) 5 00:01:14,709 --> 00:01:17,612 (周明)逃げろ…。➡ 6 00:01:17,612 --> 00:01:20,582 逃げろ…。 7 00:01:20,582 --> 00:01:22,584 (泣き声) 8 00:01:22,584 --> 00:01:25,353 (乙丸)お方様。 9 00:01:25,353 --> 00:01:30,992 (泣き声) 10 00:01:30,992 --> 00:01:33,992 (かぶら矢の音) 11 00:01:39,701 --> 00:01:46,007 (かぶら矢の音) 12 00:01:46,007 --> 00:01:48,677 (双寿丸)行け! 13 00:01:48,677 --> 00:01:58,687 (泣き声) 14 00:01:58,687 --> 00:04:18,693 ♬~ 15 00:04:18,693 --> 00:04:24,566 ♬~ 16 00:04:24,566 --> 00:05:02,266 ♬~ 17 00:05:09,344 --> 00:05:13,214 (藤原行成)源 隆国を 備前介に任じます。 18 00:05:13,214 --> 00:05:15,214 (藤原頼通)うむ。 19 00:05:21,923 --> 00:05:27,162 ただいま 大宰府より飛駅にて 解文が届きました。 20 00:05:27,162 --> 00:05:29,962 大宰府? 何事だ。 21 00:05:31,633 --> 00:05:33,633 失礼。 22 00:05:42,977 --> 00:05:49,651 「刀伊の賊 対馬 壱岐に来着 殺人や放火を行う。➡ 23 00:05:49,651 --> 00:05:53,321 船50艘 50~60人が乗っており➡ 24 00:05:53,321 --> 00:06:00,662 人ごとに楯を持ち 前陣は鉾 次陣は太刀 弓箭である。➡ 25 00:06:00,662 --> 00:06:06,134 馬牛を斬っては食い 老人 子供は 全て殺され➡ 26 00:06:06,134 --> 00:06:14,676 男女を船に乗せて 穀物と共に運び去った」 とのことでございます。 27 00:06:14,676 --> 00:06:21,015 対馬 壱岐の者が どれほど あやめられたのか…。 28 00:06:21,015 --> 00:06:30,692 この解文では 人数は分かりませぬが 多くの民が殺されておるやもしれませぬ。 29 00:06:30,692 --> 00:06:33,294 このこと すぐに 太閤様にもお知らせいたします。 30 00:06:33,294 --> 00:06:36,631 待て! 31 00:06:36,631 --> 00:06:41,803 父は もはや政に関わってはおらぬ。 32 00:06:41,803 --> 00:06:43,738 心配をかけてはならぬ。 33 00:06:43,738 --> 00:06:45,938 されど…。 黙っておれ。 34 00:06:54,516 --> 00:06:57,652 (藤原道長)大宰府…。 35 00:06:57,652 --> 00:07:01,990 (藤原実資) 朝廷にも 解文は届いておりましょう。 36 00:07:01,990 --> 00:07:05,827 何故 摂政様は 太閤様に ご相談なさらぬのか。 37 00:07:05,827 --> 00:07:10,627 よく知らせてくれた。 礼を申す。 38 00:07:14,002 --> 00:07:19,340 船50艘となれば ただの海賊ではありますまい。 39 00:07:19,340 --> 00:07:25,680 隆家殿は 朝廷への解文が届かぬか 黙殺されてしまった時のことを考えて➡ 40 00:07:25,680 --> 00:07:28,516 私にも 文をよこしたと思われます。 41 00:07:28,516 --> 00:07:32,086 それだけで とんでもなきことが 起きていることが分かります。 42 00:07:32,086 --> 00:07:35,957 朝廷が 大宰府と隆家を見捨ててはなるまい。 43 00:07:35,957 --> 00:07:38,860 すぐに武者を集めて 大宰府へ送れ。 44 00:07:38,860 --> 00:07:45,633 恐れながら この文の日付は 7日 今日は 既に18日。 45 00:07:45,633 --> 00:07:53,975 10日余りの間に 敵は 大宰府を落とし 海路 都を目指しているやもしれませぬ。 46 00:07:53,975 --> 00:08:02,116 山陽道 山陰道 南海道 そして 北陸道にも 警固の武者たちを差し向けるよう➡ 47 00:08:02,116 --> 00:08:04,819 これより 陣定ではかります。 48 00:08:04,819 --> 00:08:07,121 全て 心得た。 49 00:08:07,121 --> 00:08:09,621 では これにて。 50 00:08:20,001 --> 00:08:23,001 はあ…。 51 00:08:30,945 --> 00:08:34,245 生きておれよ…。 52 00:08:39,621 --> 00:08:42,957 (藤原公季)左大臣様。 53 00:08:42,957 --> 00:08:45,793 (藤原顕光)あ…。 54 00:08:45,793 --> 00:08:51,299 ああ… そなたに任せる。 55 00:08:51,299 --> 00:08:54,202 (あくび) 56 00:08:54,202 --> 00:08:57,902 では 私が 上卿を。 57 00:08:59,641 --> 00:09:03,111 この大宰権帥の急報に対し➡ 58 00:09:03,111 --> 00:09:09,484 朝廷が何をなすべきか 下の者より順に考えを述べよ。 59 00:09:09,484 --> 00:09:12,820 (藤原資平) 前例もなきことで 分かりませぬ。 60 00:09:12,820 --> 00:09:17,325 (藤原能信)分かりませぬ。 (藤原通任)分かりませぬ。 61 00:09:17,325 --> 00:09:20,828 (藤原頼宗) すべからく 敵は討つべしと考えます。 62 00:09:20,828 --> 00:09:23,865 (藤原教通)討つべしと考えます。 63 00:09:23,865 --> 00:09:26,701 朝廷が 武力を振るってはなりませぬ。 64 00:09:26,701 --> 00:09:30,505 祈とうをして 邪気をはらうのが よろしかろうと存じます。 65 00:09:30,505 --> 00:09:36,277 (藤原公任)大宰府のことは 大宰権帥が 解決すべきでございます。 66 00:09:36,277 --> 00:09:41,950 (源 俊賢)しばらく様子を見ても よろしいのではないかと存じます。 67 00:09:41,950 --> 00:09:46,454 (藤原斉信)朝廷が 武力を振るうことは いかがかと思うが➡ 68 00:09:46,454 --> 00:09:49,954 攻め入ってくる者は 討たねばならぬ。 69 00:09:54,195 --> 00:09:56,895 (藤原道綱)同じく。 70 00:10:04,639 --> 00:10:10,511 これは… いかがなことか。 71 00:10:10,511 --> 00:10:13,982 公卿が そろってこその 陣定でありましょう。 72 00:10:13,982 --> 00:10:16,884 遅れてこられて それはありますまい。 73 00:10:16,884 --> 00:10:23,324 ただいま 大宰権帥の解文に対して いかがすべきか聞いておった。 74 00:10:23,324 --> 00:10:26,024 大納言殿は いかがか? 75 00:10:28,196 --> 00:10:31,199 敵が 都を目指した時のために➡ 76 00:10:31,199 --> 00:10:38,673 山陽道 山陰道 南海道 北陸道の守りを 固めるべし。➡ 77 00:10:38,673 --> 00:10:46,014 都の武者だけでは足りぬゆえ 急ぎ各地の武者を募るよう 手配すべし。 78 00:10:46,014 --> 00:10:48,850 面倒だな それ…。 79 00:10:48,850 --> 00:10:51,686 面倒とは 何事か! 80 00:10:51,686 --> 00:10:57,558 皆の考えは 摂政様にお伝えいたす。 本日は これまで。 81 00:10:57,558 --> 00:10:59,560 ああ…。 82 00:10:59,560 --> 00:11:02,330 お待ちください! 83 00:11:02,330 --> 00:11:04,399 事は 急を要します。➡ 84 00:11:04,399 --> 00:11:09,899 今 話し合わねば。 警固の話は またといたす。 以上。 85 00:11:28,056 --> 00:11:31,356 いかがいたしましょうか? 86 00:11:33,327 --> 00:11:37,498 いくら何でも 都までは 攻めてこぬよな…。 87 00:11:37,498 --> 00:11:42,298 分かりませぬ。 分かりませぬでは 分からぬ! 88 00:11:47,675 --> 00:11:50,511 致し方ない。 89 00:11:50,511 --> 00:11:55,711 このまま しばし様子を見よう。 (公季)はっ。 90 00:12:05,026 --> 00:12:11,699 この一大事に お前は 一体 何をやっておるのだ。 91 00:12:11,699 --> 00:12:18,372 私とて考えております。 何を考えておるのだ。 92 00:12:18,372 --> 00:12:25,713 山陽道 山陰道 南海道 北陸道まで 警固するのは やり過ぎでございます。 93 00:12:25,713 --> 00:12:29,383 武者とて 容易には集まりませぬ。 94 00:12:29,383 --> 00:12:33,083 いま少し様子を。 民が! 95 00:12:38,659 --> 00:12:41,659 あまた死んでおるのだぞ。 96 00:12:45,333 --> 00:12:53,333 お前は それで平気なのか。 97 00:12:56,344 --> 00:13:02,216 私は 摂政でございます! 98 00:13:02,216 --> 00:13:09,216 父上であろうと そのようなことを 言われる筋合いはございませぬ! 99 00:13:12,894 --> 00:13:18,594 これにて 御免を被ります。 100 00:13:22,370 --> 00:13:24,670 父は…。 101 00:13:27,241 --> 00:13:30,541 口を出さぬゆえ。 102 00:13:32,647 --> 00:13:41,656 とにかく 備えは固めてくれ。 103 00:13:41,656 --> 00:13:44,325 それだけは頼む。 104 00:13:44,325 --> 00:14:01,876 ♬~ 105 00:14:01,876 --> 00:14:08,876 (源 倫子)まあ そのような険しい顔をして どうしたの? 106 00:14:11,018 --> 00:14:17,892 父上と ぶつかりました。 あら。 107 00:14:17,892 --> 00:14:23,364 皆 父上の顔色ばかり うかがっておりますが➡ 108 00:14:23,364 --> 00:14:30,037 父上が仰せになることが 常に正しいとは限りませぬ。 109 00:14:30,037 --> 00:14:33,908 こたびのことは 過去に例のないこと。 110 00:14:33,908 --> 00:14:39,908 父上とて 実は よくお分かりになってはいないのです。 111 00:14:41,649 --> 00:14:44,986 そうね…。 112 00:14:44,986 --> 00:14:49,857 あなたの思うようにおやりなさい。 113 00:14:49,857 --> 00:14:52,157 されど…。 114 00:14:54,662 --> 00:15:05,306 父上とて お若い時は さまざまなことで 迷っておいでだったと思うわよ。 115 00:15:05,306 --> 00:15:12,606 上に立つ者は 誰よりも 苦しいものなのではないかしら。 116 00:15:15,683 --> 00:15:18,683 お気張りなさい。 117 00:15:42,643 --> 00:15:45,546 (足音) 118 00:15:45,546 --> 00:15:48,246 (藤原隆家)邪魔をするぞ。 119 00:15:57,191 --> 00:15:59,891 (隆家)どうだ? 調子は。 120 00:16:02,330 --> 00:16:07,668 前より だいぶ 顔色は よくなったようだが…。 121 00:16:07,668 --> 00:16:10,368 (ため息) 122 00:16:16,677 --> 00:16:24,018 俺も いろいろあったが 悲しくとも 苦しくとも➡ 123 00:16:24,018 --> 00:16:30,718 人生は続いてゆくゆえ しかたないな。 124 00:16:36,597 --> 00:16:46,273 周明と一緒に 私も死んでおればよかったのです。 125 00:16:46,273 --> 00:16:52,573 周明のことは 無理に忘れずともよいのではないか。 126 00:16:54,648 --> 00:17:01,122 (隆家)ここで 菩提を弔いたければ ここに ずっといてもよい。 127 00:17:01,122 --> 00:17:03,057 好きにせよ。 128 00:17:03,057 --> 00:17:27,248 (泣き声) 129 00:17:27,248 --> 00:17:52,306 ♬~ 130 00:17:52,306 --> 00:17:57,178 敵を対馬の先まで 追い払ったようにございます。 131 00:17:57,178 --> 00:18:04,178 隆家らも 無事だったのだな。 よかった。 132 00:18:06,654 --> 00:18:13,527 隆家殿が ここまで優れた将であったとは 存じませんでした。 133 00:18:13,527 --> 00:18:18,265 以前 隆家殿は 朝廷も武力を持たねば➡ 134 00:18:18,265 --> 00:18:21,202 やっていけぬようになると 申しておりましたが➡ 135 00:18:21,202 --> 00:18:24,004 まことに そうやもしれませぬ。 136 00:18:24,004 --> 00:18:26,907 武力に頼る世になってはならん。 137 00:18:26,907 --> 00:18:30,678 それは もちろんのことなれど➡ 138 00:18:30,678 --> 00:18:35,950 平 将門の乱以降 朝廷は 軍を持たなくなりました。 139 00:18:35,950 --> 00:18:43,624 それから 80年がたち まさか こうして 異国の賊に襲われることになろうとは。 140 00:18:43,624 --> 00:18:52,633 もはや 前例に こだわっておっては 政は できぬと存じました。➡ 141 00:18:52,633 --> 00:18:56,633 では これにて。 142 00:19:01,642 --> 00:19:06,313 大宰府の隆家に 文を返すか? 143 00:19:06,313 --> 00:19:08,249 は? 144 00:19:08,249 --> 00:19:13,988 消息を聞いてもらいたい者がおるのだが 頼めぬであろうか。 145 00:19:13,988 --> 00:19:16,988 誰でございますか? 146 00:19:19,860 --> 00:19:24,999 いや… いい。 は? 147 00:19:24,999 --> 00:19:28,699 よい。 すまぬ。 148 00:19:44,285 --> 00:19:49,156 刀伊撃退の功労者である 隆家たちの褒賞について➡ 149 00:19:49,156 --> 00:19:54,929 陣定が行われたのは 2か月後の6月末。 150 00:19:54,929 --> 00:20:00,929 公卿たちは 既に 大宰府への興味を失っていた。 151 00:20:03,637 --> 00:20:06,473 (資平)大宰権帥の申すとおりに➡ 152 00:20:06,473 --> 00:20:12,279 褒賞を与えるべしと考えまする。 同じく。 同じく。 153 00:20:12,279 --> 00:20:16,183 (行成)刀伊撃退は 4月13日。 154 00:20:16,183 --> 00:20:20,988 朝廷が 刀伊の襲来を知ったのは 4月17日。 155 00:20:20,988 --> 00:20:25,826 朝廷が 大宰府に 敵の追討を命じたのは 18日。 156 00:20:25,826 --> 00:20:33,626 ゆえに この13日の戦は 朝廷に 関わりなきことでございますまいか? 157 00:20:37,004 --> 00:20:42,343 次。 褒賞は 無用と存じます。 158 00:20:42,343 --> 00:20:49,216 行成殿の申されるように これは 朝廷の命なき戦。 159 00:20:49,216 --> 00:20:55,356 前例を見ても 褒賞に値する戦いではございませぬ。 160 00:20:55,356 --> 00:20:57,691 ほっておいて よろしいと思います。 161 00:20:57,691 --> 00:21:00,594 何を申すか! 162 00:21:00,594 --> 00:21:06,367 刀伊が 我が国の民 1, 000人を連れ去り 数百の民や牛馬を殺し➡ 163 00:21:06,367 --> 00:21:10,237 壱岐守をもあやめた 重大なる出来事。 164 00:21:10,237 --> 00:21:14,241 その敵を撃退した者に 褒賞を与えねば➡ 165 00:21:14,241 --> 00:21:19,241 この先 事が起きた時 奮戦する者はいなくなるであろう! 166 00:21:22,716 --> 00:21:26,387 都で あぐらをかいていた我らが➡ 167 00:21:26,387 --> 00:21:32,087 命を懸けた彼らの働きを 軽んじるなぞ あってはならぬ! 168 00:21:36,664 --> 00:21:39,364 あってはならぬ! 169 00:21:43,537 --> 00:21:56,350 力及ばず 褒賞は 僅か一人のみ。 そうであったか…。 170 00:21:56,350 --> 00:22:00,020 無念の極みであります。 171 00:22:00,020 --> 00:22:09,029 命を懸けた隆家殿と その配下の者どもに 申し訳なく 言葉もありませぬ。 172 00:22:09,029 --> 00:22:10,964 (足音) 173 00:22:10,964 --> 00:22:13,901 道長。 174 00:22:13,901 --> 00:22:16,901 いかがした。 175 00:22:19,039 --> 00:22:24,039 私は これで。 うむ。 ご苦労であった。 176 00:22:33,554 --> 00:22:40,661 大宰府の件 収まったことを知らせに参ったが➡ 177 00:22:40,661 --> 00:22:44,331 俺の出番ではなかったようだな。 178 00:22:44,331 --> 00:22:47,234 実資殿と通じておったとは。 179 00:22:47,234 --> 00:22:54,675 陣定でのやり取りを聞いて 心配しておったのだ。 180 00:22:54,675 --> 00:23:01,014 政に関わって以来 こたびほど驚いたことはない。 181 00:23:01,014 --> 00:23:09,356 フッ… 何にも動じぬ道長が 動じたのか。 182 00:23:09,356 --> 00:23:15,356 俺たちには そんな姿 見せぬのに 実資殿には見せるのだな。 183 00:23:18,031 --> 00:23:21,368 隆家は お前の敵ではなかったのか! 184 00:23:21,368 --> 00:23:25,038 ゆえに 俺は 陣定でも あいつを かばわなかった。 185 00:23:25,038 --> 00:23:27,038 お前のために! 186 00:23:29,910 --> 00:23:34,848 伊周亡きあと お前にとって 次の脅威は隆家だ。 187 00:23:34,848 --> 00:23:38,585 いっそのこと 戦いで 死んでおれば よかったのだ。 188 00:23:38,585 --> 00:23:40,988 大宰府で これ以上 力を付けぬよう➡ 189 00:23:40,988 --> 00:23:44,658 俺は お前のために あいつを認めなかった。 190 00:23:44,658 --> 00:23:48,829 国家の一大事にあっては 隆家を どうこう言う前に➡ 191 00:23:48,829 --> 00:23:53,329 起きたことの重大性を考えるべきである。 192 00:23:55,335 --> 00:24:02,009 何が起き どう対処したのか。 193 00:24:02,009 --> 00:24:07,681 こたびの公卿らのありようは➡ 194 00:24:07,681 --> 00:24:12,981 あまりに緩み切っており あきれ果てた。 195 00:24:15,022 --> 00:24:21,895 俺たちを そのように見ておったのか。 196 00:24:21,895 --> 00:24:24,731 俺たちではなく 実資殿を信じて…。 197 00:24:24,731 --> 00:24:29,369 (斉信)まあまあ まあまあ まあまあ…。 198 00:24:29,369 --> 00:24:33,069 何をもめておるのだ。 199 00:24:47,654 --> 00:24:50,654 (斉信)どうしたの? 200 00:24:54,328 --> 00:25:02,028 まあ 何があっても 俺は 道長の味方だから。 201 00:25:11,345 --> 00:25:14,345 (行成)ご無礼つかまつりまする。 202 00:25:16,216 --> 00:25:23,857 お前の字は まことに美しいのう…。 203 00:25:23,857 --> 00:25:29,363 (行成)「和漢朗詠集」は 公任様のみが なしえた 大仕事でございました。 204 00:25:29,363 --> 00:25:36,970 それで お前は 何しに参ったのだ?➡ 205 00:25:36,970 --> 00:25:42,670 道長とやり合ったことが もう うわさになっておるのか。 206 00:25:45,312 --> 00:25:48,982 斉信の おしゃべりめ…。 207 00:25:48,982 --> 00:26:00,327 ああ… されど 何で あんなことを 言ってしまったのかな…。 208 00:26:00,327 --> 00:26:07,668 それは 道長様を 大切に お思いになるゆえにございましょう。 209 00:26:07,668 --> 00:26:11,368 道長には 伝わっておらぬがのう。 210 00:26:19,012 --> 00:26:23,012 こんなことだろうと思った。 211 00:26:26,353 --> 00:26:32,353 朝廷は あれこれ申して 褒賞のことは 渋い返事しかよこさなかった。 212 00:26:33,961 --> 00:26:38,632 されど お前たちの獅子奮迅の働きなくして➡ 213 00:26:38,632 --> 00:26:42,502 この危機は 乗り越えられなかったであろう。 214 00:26:42,502 --> 00:26:48,976 私は そのことを 生涯 忘れぬ。➡ 215 00:26:48,976 --> 00:26:53,313 武力を備えることを 軽んじてはならぬ ということも思い知らされた。 216 00:26:53,313 --> 00:27:00,821 これからは 武者たちが 国守となり 各国の要となって働けるよう➡ 217 00:27:00,821 --> 00:27:11,621 この先も 朝廷に働きかけ続けるゆえ こたびのことは 許せ。 218 00:27:19,006 --> 00:27:24,678 為賢 お前を 肥前守に推挙する。 219 00:27:24,678 --> 00:27:26,713 (平 為賢)え…。 (一同)おお…。 220 00:27:26,713 --> 00:27:31,284 慣れぬ船戦で 先陣を務め 敵を 見事に撃ち破った。 221 00:27:31,284 --> 00:27:34,621 その功績は 絶大である。 222 00:27:34,621 --> 00:27:39,960 当然の褒賞だ。 ははっ! 223 00:27:39,960 --> 00:27:43,260 (平 致行)確かに よくやったでしょう。 224 00:27:56,977 --> 00:28:00,313 調子は どうだ? 225 00:28:00,313 --> 00:28:03,313 心配してくれて ありがとう。 226 00:28:05,986 --> 00:28:10,657 俺 肥前に行くこととなった。 227 00:28:10,657 --> 00:28:15,996 殿が 肥前守となられるゆえ 俺もついていく。 228 00:28:15,996 --> 00:28:21,802 平 為賢様が 肥前守になられるの? そうだ。 229 00:28:21,802 --> 00:28:26,339 こたびの戦で 大いに働かれたから 褒美らしい。 230 00:28:26,339 --> 00:28:30,944 俺も 肥前で 武功を立て続けるぞ。 231 00:28:30,944 --> 00:28:36,944 武功を立てるとは 人を あやめることではないの? 232 00:28:39,953 --> 00:28:43,623 殺さなければ 殺される。 233 00:28:43,623 --> 00:28:48,623 敵を殺すことで 民を守るのが武者なのだ。 234 00:28:50,497 --> 00:28:54,267 そんな顔するな。 235 00:28:54,267 --> 00:28:57,971 あんたも 早く健やかになってくれ。 236 00:28:57,971 --> 00:29:03,271 そうでないと 周明とて 成仏できないぞ。 237 00:29:07,314 --> 00:29:11,314 (双寿丸)乙丸も 達者でな。 238 00:29:30,337 --> 00:29:33,037 藤式部から…。 239 00:29:36,143 --> 00:29:39,143 便りはあったか? 240 00:29:40,947 --> 00:29:46,947 (藤原賢子)はい。 先頃 まだ大宰府にいると文が参りました。 241 00:29:49,289 --> 00:29:56,989 ああ… そうか…。 242 00:30:07,307 --> 00:30:16,607 太皇太后様には お目をかけていただいておるか? 243 00:30:18,919 --> 00:30:21,219 はい。 244 00:30:27,627 --> 00:30:29,996 うん。 245 00:30:29,996 --> 00:30:45,696 ♬~ 246 00:30:50,016 --> 00:30:55,689 大宰権帥の役目を終えるゆえ 都に戻る。 247 00:30:55,689 --> 00:30:59,359 そなたは どうする? 248 00:30:59,359 --> 00:31:02,059 共に帰るか? 249 00:31:06,700 --> 00:31:12,000 ここにおりたければ 次の権帥に頼んでおくが。 250 00:31:20,046 --> 00:31:21,982 お方様! 251 00:31:21,982 --> 00:31:25,682 私は きぬに会いとうございます! 252 00:31:27,387 --> 00:31:32,225 ならば 乙丸だけ お帰りなさい。 253 00:31:32,225 --> 00:31:34,995 おお… お方様! 254 00:31:34,995 --> 00:31:39,666 お方様も一緒でなければ嫌でございます! 255 00:31:39,666 --> 00:31:43,536 あんなことのあった ここにいては なりませぬ!➡ 256 00:31:43,536 --> 00:31:45,538 帰りましょう!➡ 257 00:31:45,538 --> 00:31:49,376 帰りたい… 私は 帰りたい!➡ 258 00:31:49,376 --> 00:31:51,378 都に帰りた~い!➡ 259 00:31:51,378 --> 00:31:54,014 きぬに会いた~い! 会いた~い!➡ 260 00:31:54,014 --> 00:31:58,018 帰りた~い! 帰りた~い! 帰りた~い! 261 00:31:58,018 --> 00:32:01,755 帰りた~い! 帰りた~い! 262 00:32:01,755 --> 00:32:04,724 会いた~い! きぬに会いたい!➡ 263 00:32:04,724 --> 00:32:09,562 お方様 帰りましょう! ねっ! 帰りましょう!➡ 264 00:32:09,562 --> 00:32:16,862 会いたい! 帰りたい! 帰りた~い! 会いたい! 帰りたい! 265 00:32:18,705 --> 00:32:22,375 お方様と帰りたい!➡ 266 00:32:22,375 --> 00:32:29,549 帰りたい! 帰りましょう! ねえ! 267 00:32:29,549 --> 00:32:42,996 ♬~ 268 00:32:42,996 --> 00:32:46,866 間もなくでございますね。 269 00:32:46,866 --> 00:32:49,566 そうね。 270 00:32:54,007 --> 00:32:57,307 (乙丸)お方様のお帰りでございます。 271 00:32:58,878 --> 00:33:01,681 (きぬ)お帰りなさいませ。 272 00:33:01,681 --> 00:33:05,018 (いと)よくぞ ご無事で…。 273 00:33:05,018 --> 00:33:24,371 ♬~ 274 00:33:24,371 --> 00:33:30,877 異国の賊が攻め寄せたと聞いて 太皇太后様も心配しておられました。 275 00:33:30,877 --> 00:33:33,847 太閤様も お方様も。 276 00:33:33,847 --> 00:33:38,985 (藤原為時)とにかく無事でよかった。➡ 277 00:33:38,985 --> 00:33:45,325 かの地では 恐ろしい目に遭ったのか? 278 00:33:45,325 --> 00:33:48,661 双寿丸に会ったわよ。 えっ。 279 00:33:48,661 --> 00:33:56,961 平 為賢様が 肥前守になられるので 肥前についていくと言っていたわ。 280 00:34:02,675 --> 00:34:05,345 (ため息) 281 00:34:05,345 --> 00:34:12,045 私 光るおんな君となって 生きようかしら。 282 00:34:13,686 --> 00:34:15,622 落ち着かぬか。 283 00:34:15,622 --> 00:34:21,922 双寿丸が帰ってこぬからといって そ… そのような とんでもないことを。 284 00:34:33,173 --> 00:34:36,473 何だい? きぬ。 285 00:34:46,986 --> 00:34:50,686 あんた! 286 00:35:20,353 --> 00:35:25,653 (足音) 287 00:35:30,363 --> 00:35:37,971 母上の物語 読みました。 幾度も。 288 00:35:37,971 --> 00:35:44,671 帰ってきたら どう思ったか聞かせてと 言ったこと 覚えていてくれたのね。 289 00:35:47,313 --> 00:35:54,013 人とは 何なのであろうかと 深く考えさせられました。 290 00:35:57,957 --> 00:36:05,665 母上は 私の母上としては なっていなかったけれど➡ 291 00:36:05,665 --> 00:36:10,003 あのような物語を書く才をお持ちなのは➡ 292 00:36:10,003 --> 00:36:16,303 途方もなく すばらしいことだと 敬いもいたしました。 293 00:36:20,013 --> 00:36:27,313 されど 誰の人生も 幸せではないのですね。 294 00:36:30,023 --> 00:36:36,829 政の頂に立っても 好きな人を手に入れても➡ 295 00:36:36,829 --> 00:36:39,829 よい時は つかの間。 296 00:36:41,634 --> 00:36:48,934 幸せとは 幻なのだと 母上の物語を読んで知りました。 297 00:36:51,978 --> 00:36:57,850 どうせそうなら 好き勝手に 生きてやろうかしらとも思って➡ 298 00:36:57,850 --> 00:37:02,850 さっき 光るおんな君と申したのです。 299 00:37:09,329 --> 00:37:12,329 よいではないの。 300 00:37:14,000 --> 00:37:16,903 好きにおやりなさい。 301 00:37:16,903 --> 00:37:32,603 ♬~ 302 00:37:45,298 --> 00:37:52,171 (藤原彰子)久しいのう… よく来てくれた。 303 00:37:52,171 --> 00:37:59,846 太皇太后様には ご機嫌麗しく 祝着至極にございます。 304 00:37:59,846 --> 00:38:03,316 旅の話を聞かせておくれ。 305 00:38:03,316 --> 00:38:07,016 大宰府で起きたことも。 306 00:38:08,655 --> 00:38:10,955 ああ…。 307 00:38:12,525 --> 00:38:27,340 旅でのことは まだ気持ちがまとまらず… お話しできません。 308 00:38:27,340 --> 00:38:30,677 お許しくださいませ。 309 00:38:30,677 --> 00:38:39,952 そうか… ならば いずれ 物語にすればよい。 310 00:38:39,952 --> 00:38:42,855 それを読ませてもらおう。 311 00:38:42,855 --> 00:38:48,294 もう そのような力は 残っておりませぬ。 312 00:38:48,294 --> 00:38:53,166 早速 呼び出して悪かった。 313 00:38:53,166 --> 00:38:56,969 旅の疲れを癒やしてからでよいゆえ➡ 314 00:38:56,969 --> 00:39:02,969 再び女房として 私に仕えておくれ。 315 00:39:04,844 --> 00:39:07,980 えっ…。 316 00:39:07,980 --> 00:39:11,651 賢子は いけませんでしたでしょうか…。 317 00:39:11,651 --> 00:39:15,988 越後弁は 優れた女房である。 318 00:39:15,988 --> 00:39:24,330 されど まだ若く 私の相談役とまではいかぬ。 319 00:39:24,330 --> 00:39:30,030 そなたに そばにいてもらいたいのだ。 320 00:39:35,942 --> 00:39:40,813 考える時を 賜りたく存じます。 321 00:39:40,813 --> 00:39:45,513 それでよい。 待っておる。 322 00:40:13,646 --> 00:40:28,661 ♬~ 323 00:40:28,661 --> 00:40:36,002 藤式部。 北の方様が お呼びでございます。 324 00:40:36,002 --> 00:40:41,874 は… ただいま…。 325 00:40:41,874 --> 00:41:07,366 ♬~ 326 00:41:07,366 --> 00:41:10,269 はあ…。 327 00:41:10,269 --> 00:41:37,969 ♬~ 328 00:41:43,669 --> 00:41:47,006 お帰りなさい。 329 00:41:47,006 --> 00:41:53,880 ご心配をおかけしたこと 娘から聞きました。 330 00:41:53,880 --> 00:42:00,880 今 あなたが 初めて この屋敷に来た日のことを思い出したわ。 331 00:42:03,356 --> 00:42:09,695 誰よりも聡明で 偏つぎを 一人で 皆 取ってしまって。 332 00:42:09,695 --> 00:42:12,365 フフフフフ…。 333 00:42:12,365 --> 00:42:14,700 ご無礼いたしました。 334 00:42:14,700 --> 00:42:18,571 世間知らずで お恥ずかしゅうございます。 335 00:42:18,571 --> 00:42:25,044 五節の舞にも 私の代わりに行ってくれたわね。 336 00:42:25,044 --> 00:42:30,850 倒れたと聞いて 申し訳ないことをしたと思ったものよ。 337 00:42:30,850 --> 00:42:35,150 懐かしいわね。 は…。 338 00:42:36,989 --> 00:42:40,826 それで…➡ 339 00:42:40,826 --> 00:42:44,626 あなたと殿は いつからなの? 340 00:42:49,535 --> 00:42:54,535 私が気付いていないとでも思っていた? 341 00:43:01,213 --> 00:43:04,016 私は 光るおんな君ですもの。 342 00:43:04,016 --> 00:43:06,519 男の欲望を描くことですわよ きっと。 343 00:43:06,519 --> 00:43:08,454 おう。 344 00:43:08,454 --> 00:43:10,690 よろしいかしら。 345 00:43:10,690 --> 00:43:12,725 嫌いにはなりませぬ。 346 00:43:12,725 --> 00:43:16,028 言わない方が 面白うございましょう。 347 00:43:16,028 --> 00:43:18,931 (笑い声) 348 00:43:18,931 --> 00:43:20,900 清々した。 349 00:43:20,900 --> 00:43:25,900 光る君が 死ぬ姿を描かなかったのは…。 350 00:43:32,912 --> 00:43:38,317 望月の歌を詠んだ翌年 出家した藤原道長。 351 00:43:38,317 --> 00:43:46,993 晩年は 極楽往生を願い 寺の造営に 力を注ぎました。 352 00:43:46,993 --> 00:43:51,664 土御門殿の隣に建立した法成寺。 353 00:43:51,664 --> 00:43:58,004 今は この辺りにあったことを示す 石碑が立つのみです。 354 00:43:58,004 --> 00:44:02,508 かつての法成寺は 極楽浄土を思わせる➡ 355 00:44:02,508 --> 00:44:07,680 壮麗な大伽藍だったと伝えられています。 356 00:44:07,680 --> 00:44:12,351 跡地から発掘された緑釉の瓦。 357 00:44:12,351 --> 00:44:18,024 宮殿などで使われるもので 貴族の建物では 前例がなく➡ 358 00:44:18,024 --> 00:44:22,361 贅を尽くした寺院だったと想像されます。 359 00:44:22,361 --> 00:44:27,233 東福寺の塔頭 五大堂 同聚院。 360 00:44:27,233 --> 00:44:30,036 本尊の不動明王坐像は➡ 361 00:44:30,036 --> 00:44:37,309 道長が 法成寺の仏像も手がけた仏師に 造らせたといわれています。 362 00:44:37,309 --> 00:44:41,647 「御堂関白記」に残る 最後の記述からは➡ 363 00:44:41,647 --> 00:44:47,520 道長が念仏を唱える日々を 送る姿が うかがえます。 364 00:44:47,520 --> 00:44:51,357 しかし 栄華を極めた道長にも➡ 365 00:44:51,357 --> 00:44:55,857 終わりの時が近づいていたのです。 366 00:45:32,932 --> 00:45:38,504 火の用心~! (遠吠え) 367 00:45:38,504 --> 00:45:43,704 火の用心~! (遠吠え) 368 00:45:46,378 --> 00:45:52,378 ≪火の用心~! (拍子木の音) 369 00:45:55,855 --> 00:46:01,855 ≪火の用心~! (拍子木の音)