1 00:00:05,939 --> 00:00:40,841 ♬~ 2 00:00:40,841 --> 00:00:47,147  心の声 (まひろ)もう あの人への思いは 断ち切れたのだから…。 3 00:00:49,149 --> 00:03:34,114 ♬~ 4 00:03:34,114 --> 00:03:36,950 (笑い声) よいお日和で。 5 00:03:36,950 --> 00:03:39,853 (はなをすする音) (源 倫子)まひろさん お風邪? 6 00:03:39,853 --> 00:03:42,756 いえ… 大したことございません。 7 00:03:42,756 --> 00:03:46,293 (赤染衛門)打毬の折の雨のせいですわよ。 8 00:03:46,293 --> 00:03:48,628 皆様は つつがなく? 9 00:03:48,628 --> 00:03:52,299 (茅子)打毬が すばらしくて 心が熱くなっておりましたので➡ 10 00:03:52,299 --> 00:03:54,234 雨にぬれても平気でした。 11 00:03:54,234 --> 00:04:00,107 公任様が りりしくて…。 やはり 私は 公任様だわ。 12 00:04:00,107 --> 00:04:02,109 ねっ。 13 00:04:02,109 --> 00:04:05,745 (しをり)え? 道長様ではないの?➡ 14 00:04:05,745 --> 00:04:09,583 あの日は 何と言っても 道長様でしょう。 (茅子)公任様よ。 15 00:04:09,583 --> 00:04:13,453 私も あの日の公任様は おとなしかったように思います。 16 00:04:13,453 --> 00:04:20,460 やはり 倫子様も道長様ね。 ウフフフ…。 17 00:04:29,603 --> 00:04:33,473 道長様と 息ぴったりの公達がいらしたけれど➡ 18 00:04:33,473 --> 00:04:35,942 あの方はどなた? 19 00:04:35,942 --> 00:04:37,878 (3人)知らない。 20 00:04:37,878 --> 00:04:43,683 はあ… たけだけしくも お美しい公達でしたわ。 21 00:04:43,683 --> 00:04:47,954 衛門ったら 人妻なのに そんなことを言って。 22 00:04:47,954 --> 00:04:53,426 人妻であろうとも 心の中は 己だけのものにございますもの。 23 00:04:53,426 --> 00:04:55,362 (3人)キャ~! 24 00:04:55,362 --> 00:05:00,567 そういう自在さがあればこそ 人は 生き生きと生きられるのです。 25 00:05:00,567 --> 00:05:02,502 (3人)キャ~! 26 00:05:02,502 --> 00:05:07,440 (藤原斉信)行成の腹痛のおかげで 道長の弟に会うことができた。➡ 27 00:05:07,440 --> 00:05:09,910 いかにも やり手であったぞ。 28 00:05:09,910 --> 00:05:11,945 (藤原行成) その折は ありがとうございました。 29 00:05:11,945 --> 00:05:15,081 助かりました。 (藤原公任)行成が来ていたら➡ 30 00:05:15,081 --> 00:05:17,918 負けていたやもしれぬな。 31 00:05:17,918 --> 00:05:21,588 そうかもしれません。 体を使うのは苦手なのです。 32 00:05:21,588 --> 00:05:24,925 (直秀)兄上。 (藤原道長)ん? 33 00:05:24,925 --> 00:05:28,595 (直秀) 私は 身分の低い母親の子ですので➡ 34 00:05:28,595 --> 00:05:32,098 このようなお屋敷は 生まれて初めてです。 35 00:05:32,098 --> 00:05:35,936 是非 お屋敷の中を拝見しとうございます。 36 00:05:35,936 --> 00:05:38,605 東三条殿は広いぞ。 37 00:05:38,605 --> 00:05:42,475 東宮の御母君 詮子様も 時々 お下がりになる。 38 00:05:42,475 --> 00:05:45,779 (公任)酒のあと ゆっくり案内してもらえ。 はい。 39 00:05:45,779 --> 00:05:49,282 (公任)おっ やっと笑ったぞ。 ハハハハハハ。 40 00:05:55,956 --> 00:06:00,560 (直秀)兄上。 はあ… ここには誰もおらぬ。 41 00:06:00,560 --> 00:06:02,896 兄上はやめておけ。 42 00:06:02,896 --> 00:06:05,799 西門のほかにも 通用門はあるのか? 43 00:06:05,799 --> 00:06:09,569 なぜ そのようなことを聞く。 44 00:06:09,569 --> 00:06:16,910 なぜと言われてもな… ただ 広いな~と思っただけだ。 45 00:06:16,910 --> 00:06:21,581 今日の直秀は 別人のように見えるな。 46 00:06:21,581 --> 00:06:25,452 俺は 芸人だぞ。 何にだって化けるんだ。 47 00:06:25,452 --> 00:06:29,256 ハハ… そうであったな。 48 00:06:29,256 --> 00:06:33,560 ところで 左腕に傷があったが いかがした? 49 00:06:35,595 --> 00:06:37,931 散楽の稽古でしくじった。 50 00:06:37,931 --> 00:06:41,601 矢傷のように見えたが 何か刺さったか? 51 00:06:41,601 --> 00:06:44,104 稽古中 小枝が刺さったのだ。 52 00:06:44,104 --> 00:06:50,610 俺らしくもないことで 我ながら 情けなかった。 ふ~ん。 53 00:06:50,610 --> 00:06:54,481 東宮の御母君のご在所は どこかな? 54 00:06:54,481 --> 00:07:02,555 お前は 藤原をあざ笑いながら 何故 そのように興味を持つ。 55 00:07:02,555 --> 00:07:07,227 よく知れば よりあざ笑えるからだ。 56 00:07:07,227 --> 00:07:19,806 ♬~ 57 00:07:19,806 --> 00:07:23,109 お~。 ハハハ。 58 00:07:24,778 --> 00:07:30,250 直秀は なぜ打毬に出たの? やつらを知るためだ。 59 00:07:30,250 --> 00:07:34,921 散楽に生かすため? ああ。 60 00:07:34,921 --> 00:07:43,596 打毬の時 あいつらのくだらない話 お前も聞いただろ? 61 00:07:43,596 --> 00:07:48,935 いいところの姫の婿に入って 女子を作って 入内させて➡ 62 00:07:48,935 --> 00:07:51,771 家の繁栄を守り 次の代につなぐ。➡ 63 00:07:51,771 --> 00:07:55,275 女こそ 家柄が大事だ。 そうでなければ 意味がない。 64 00:07:55,275 --> 00:07:59,946 (直秀) あの時 お前が走っていくのが見えた。 65 00:07:59,946 --> 00:08:03,550 別に どうでもいいけど。 66 00:08:03,550 --> 00:08:07,887 そうだな。 俺も どうでもいい。 67 00:08:07,887 --> 00:08:09,823 もうすぐ都を去るし。 68 00:08:09,823 --> 00:08:12,225 都から いなくなるの? 69 00:08:12,225 --> 00:08:14,561 (直秀)ああ。 70 00:08:14,561 --> 00:08:17,063 人は いずれ 別れる定めだ。 71 00:08:17,063 --> 00:08:19,566 驚くことはない。 72 00:08:21,901 --> 00:08:25,238 (直秀)都の外は 面白いぞ。 73 00:08:25,238 --> 00:08:29,576 直秀は 都の外を知っているの? ああ。 74 00:08:29,576 --> 00:08:35,281 丹後や播磨 筑紫でも暮らしたことがある。 75 00:08:38,251 --> 00:08:43,123 都の外は どんな所? 76 00:08:43,123 --> 00:08:48,261 海がある。 海? 見たことないわ。 77 00:08:48,261 --> 00:08:52,599 海の向こうには 彼の国がある。 78 00:08:52,599 --> 00:08:59,105 晴れた日には 海の向こうに 彼の国の陸地が見える。 79 00:08:59,105 --> 00:09:05,211 海には 漁師がおり 山には きこりがおり➡ 80 00:09:05,211 --> 00:09:08,882 彼の国と商いをする商人もいる。 81 00:09:08,882 --> 00:09:14,687 都のお偉方は ここが 一番だと思って ふんぞり返っておるが➡ 82 00:09:14,687 --> 00:09:21,494 所詮 都は 山に囲まれた鳥籠だ。 83 00:09:23,229 --> 00:09:26,232 鳥籠…。 84 00:09:27,901 --> 00:09:32,906 俺は 鳥籠を出て あの山を越えていく。 85 00:09:37,577 --> 00:09:41,881 山の向こうの海がある所…。 86 00:09:43,450 --> 00:09:46,152 一緒に行くか? 87 00:09:53,927 --> 00:09:56,596 行っちゃおうかな。 88 00:09:56,596 --> 00:09:59,265 フフ…。 89 00:09:59,265 --> 00:10:02,268 行かねえよな。 90 00:10:17,283 --> 00:10:21,287 (藤原頼忠)帝は 義懐を 従二位に上げたばかりか➡ 91 00:10:21,287 --> 00:10:23,957 権中納言にまでなさるそうだ。 92 00:10:23,957 --> 00:10:25,892 (藤原兼家 源 雅信)なんと…。 93 00:10:25,892 --> 00:10:29,762 年末には 宣旨が下るであろう。 94 00:10:29,762 --> 00:10:36,536 (兼家)帝は あなた様を追いやって 義懐を 関白になさるおつもりですぞ。 95 00:10:36,536 --> 00:10:40,139 わしも もう 終わりだ…。 96 00:10:40,139 --> 00:10:42,976 弱気なことを申されるな。 97 00:10:42,976 --> 00:10:45,311 ここで 義懐ごときに負けて どうされる。 98 00:10:45,311 --> 00:10:49,149 (雅信)我々3人が しっかりと手を結んでおれば➡ 99 00:10:49,149 --> 00:10:52,986 義懐とて 勝手気ままはできぬであろう。 100 00:10:52,986 --> 00:10:56,856 今は 我々が 仲間割れせぬことが大事じゃ。 101 00:10:56,856 --> 00:11:02,095 ならば左大臣様 我が家の三男 道長を➡ 102 00:11:02,095 --> 00:11:07,267 左大臣様の姫に 婿入りさせていただけぬか。 103 00:11:07,267 --> 00:11:12,939 藤原道長は まだ従五位の下 右兵衛権佐だぞ。 104 00:11:12,939 --> 00:11:16,276 そのような下位の者を 倫子の婿にできるか。 105 00:11:16,276 --> 00:11:20,947 (藤原穆子) でも 右大臣家の三男でございましょう? 106 00:11:20,947 --> 00:11:23,783 偉くおなりになるのは 間違いありませんわ。 107 00:11:23,783 --> 00:11:27,420 義懐らが 力を持てば 何がどうなるか分からぬ。 108 00:11:27,420 --> 00:11:32,258 それに 右大臣家は好まぬ。 109 00:11:32,258 --> 00:11:36,162 関白家の嫡男 公任殿なら 考えんでもないが。 110 00:11:36,162 --> 00:11:42,302 関白家の公任殿は 見目麗しく 目から鼻に抜ける賢さで➡ 111 00:11:42,302 --> 00:11:45,805 女子にも 大層 マメとのうわさです。 112 00:11:45,805 --> 00:11:51,611 そういう遊びの過ぎる殿御は 倫子が さみしい思いをしそうで➡ 113 00:11:51,611 --> 00:11:53,546 私は 嫌ですわ。 114 00:11:53,546 --> 00:11:57,817 右大臣家の三男とて 先日の打毬の会では➡ 115 00:11:57,817 --> 00:12:00,386 姫たちに 大層 騒がれたそうではないか。 116 00:12:00,386 --> 00:12:03,189 赤染衛門が そう申していた。 117 00:12:04,924 --> 00:12:11,231 あなた 衛門と2人でお話 なさったの? 118 00:12:13,600 --> 00:12:16,502 廊で会えば 話くらいするであろう。 119 00:12:16,502 --> 00:12:21,274 何か… ホホホホ 嫌。 120 00:12:21,274 --> 00:12:24,611 わしは 今 何を言おうとしていたのだ。 121 00:12:24,611 --> 00:12:28,781 お前が 変なことを言うから 分からなくなってしまった。 122 00:12:28,781 --> 00:12:30,717 ああ そうであった。 123 00:12:30,717 --> 00:12:35,655 わしは 右大臣の あのガツガツしたふうが 何より嫌なのだ。 124 00:12:35,655 --> 00:12:38,958 父親を見れば 息子たちは おのずと分かる。 125 00:12:38,958 --> 00:12:41,995 詮子様とて 右大臣にそっくりだ。 126 00:12:41,995 --> 00:12:46,299 右大臣のひな型など この家に入れたくはないのだ。 127 00:12:46,299 --> 00:12:49,636 (倫子)小麻呂。 128 00:12:49,636 --> 00:12:53,506 小麻呂が参りませんでした? また どこかに行ってしまって。 129 00:12:53,506 --> 00:12:55,975 ああ… ここには来なかったぞ。 130 00:12:55,975 --> 00:13:00,246 あなたは 猫にしか興味がないの? へ? 131 00:13:00,246 --> 00:13:04,117 今ね 右大臣家の道長殿を➡ 132 00:13:04,117 --> 00:13:09,822 あなたの婿にどうかしらって 父上と話していましたのよ。 133 00:13:12,258 --> 00:13:17,130 何だ その まんざらでもない顔は。 134 00:13:17,130 --> 00:13:21,601 まんざらでもない顔など しておりませぬ! 135 00:13:21,601 --> 00:13:41,621 ♬~ 136 00:13:41,621 --> 00:13:44,924 道長様…。 137 00:13:53,299 --> 00:13:57,637 (藤原義懐)帝より お達しでございます。 138 00:13:57,637 --> 00:14:03,910 陣定を当分の間 開かぬこととする。 139 00:14:03,910 --> 00:14:06,946 (どよめき) 140 00:14:06,946 --> 00:14:12,919 政において 帝がお決めになったことに 異論のある者は➡ 141 00:14:12,919 --> 00:14:17,390 書面をもって申し上げるようにとも 仰せですゆえ➡ 142 00:14:17,390 --> 00:14:20,927 よい意見と判断すれば 上奏いたします。 143 00:14:20,927 --> 00:14:22,962 (小声で)判断とは 誰の判断だ…。 144 00:14:22,962 --> 00:14:27,400 ん? お声が聞こえませぬ。 145 00:14:27,400 --> 00:14:31,771 (大声で)権中納言 義懐 勘違いが過ぎるぞ! 146 00:14:31,771 --> 00:14:33,706 そのとおりだ! 147 00:14:33,706 --> 00:14:36,275 帝が そのようなことを お考えなさるはずがない! 148 00:14:36,275 --> 00:14:42,281 帝のえい慮に背くは 不忠の極み。 149 00:14:45,952 --> 00:14:48,788 不忠とは どちらのことだ。 150 00:14:48,788 --> 00:14:53,659 帝のご発議も まず 陣定にて議論するは 古来の習わし。 151 00:14:53,659 --> 00:15:01,434 また 時に帝とて 誤りを犯されることは それを おいさめ申さぬままでは➡ 152 00:15:01,434 --> 00:15:07,173 天の意に背く政となり 世が乱れかねぬ。 153 00:15:07,173 --> 00:15:14,914 帝がお分かりにならぬとあれば なぜ そなたが おいさめせぬのだ! 154 00:15:14,914 --> 00:15:20,586 これより 帝を おいさめに参る。 155 00:15:20,586 --> 00:15:23,489 関白様 左大臣様。 うむ。 156 00:15:23,489 --> 00:15:27,360 待たれよ。 帝は 本日は ご不例にて。 157 00:15:27,360 --> 00:15:29,562 どけ! (義懐)うわっ! 158 00:15:41,274 --> 00:15:43,609 (雅信)右大臣殿! いかがなされた! 159 00:15:43,609 --> 00:15:47,480 右大臣様! (藤原顕光)何をしておる! 160 00:15:47,480 --> 00:15:50,950 (花山天皇)右大臣め いい気味じゃ。 161 00:15:50,950 --> 00:15:53,619 これで 目の上のたんこぶが いなくなった。 162 00:15:53,619 --> 00:15:58,491 お上 これは 天の助けにございます。 163 00:15:58,491 --> 00:16:02,228 天の助け 天の助け… 天の助け! 164 00:16:02,228 --> 00:16:07,099 (藤原惟成)お上は どうか そのような お心を お見せになりませぬように。 165 00:16:07,099 --> 00:16:09,569 分かっておる。 166 00:16:09,569 --> 00:16:13,573 きっと 忯子が助けてくれたのじゃ…。 167 00:16:18,911 --> 00:16:21,614 忯子…。 168 00:16:29,255 --> 00:16:31,190 (藤原道隆)どうだ? 169 00:16:31,190 --> 00:16:38,931 毒を盛られた様子はありませぬが… このままでは お命は危ういかと。 170 00:16:38,931 --> 00:16:41,267 (道隆)何か手だては ないのか? 171 00:16:41,267 --> 00:16:46,105 まずは皆様で 魂が去らぬよう➡ 172 00:16:46,105 --> 00:16:49,609 呼び返されるが よろしゅうございましょう。 173 00:16:51,911 --> 00:16:55,414 父上…。 (藤原道兼)父上。父上。 174 00:16:55,414 --> 00:16:57,617 お着きでございます。 175 00:16:59,952 --> 00:17:03,556 詮子様も どうぞお声がけを。 176 00:17:03,556 --> 00:17:10,263 父上! 父上! 父上! 父上! 父上! 父上! 父上! 177 00:17:13,566 --> 00:17:19,906 これより 我が家において 父上の代理は 私が務める。 178 00:17:19,906 --> 00:17:25,578 よいな。 (2人)は…。 179 00:17:25,578 --> 00:17:29,382 (藤原詮子) 兄上は あの義懐に追い越されて➡ 180 00:17:29,382 --> 00:17:32,251 まだ参議にもなっておられませぬから➡ 181 00:17:32,251 --> 00:17:36,923 今 父上に死なれたら 困りますわね。 182 00:17:36,923 --> 00:17:40,927 (道隆) それは 詮子様とて同じでございましょう。 183 00:17:42,595 --> 00:17:47,400 父上を失えば 東宮様も後ろ盾を失います。 184 00:17:47,400 --> 00:17:54,173 帝や義懐一派が 増長すれば ご即位とて危うくなりかねません。 185 00:17:54,173 --> 00:18:00,880 今は 我ら4人 力を合わせる時にございます。 186 00:18:02,548 --> 00:18:08,220 私にも東宮にも 源の人々がついておるゆえ➡ 187 00:18:08,220 --> 00:18:12,224 父上に万が一のことがあっても 大事はない。 188 00:18:13,893 --> 00:18:20,600 左大臣 源 雅信は 東宮と私に忠誠を誓っておる。 189 00:18:24,236 --> 00:18:28,908 左大臣家に 道長が婿入りする話も 進めようと思っていたところなの。 190 00:18:28,908 --> 00:18:31,243 ねっ 道長。 そんな話は…。 191 00:18:31,243 --> 00:18:35,915 兄上方も 源と手を組む覚悟をお決めください。 192 00:18:35,915 --> 00:18:39,785 さすれば この場は しのげましょう。 193 00:18:39,785 --> 00:18:44,590 左大臣の動きを いま少し見てから 文を書きます。 194 00:18:44,590 --> 00:18:50,596 その時は 道長 あなたが土御門殿に届けなさい。 195 00:18:53,599 --> 00:18:57,303 まずは 父上のご回復だ。 196 00:18:58,938 --> 00:19:03,943 晴明を呼べ。 (2人)はい。 197 00:19:05,544 --> 00:19:08,848 (道隆)遅いではないか 晴明。 198 00:19:11,217 --> 00:19:17,023 (安倍晴明) うわあ… 障気が… 障気が強すぎる。 199 00:19:17,023 --> 00:19:20,893 これでは何も見えない ご退席を。➡ 200 00:19:20,893 --> 00:19:24,730 右大臣様と私だけにしてください。 201 00:19:24,730 --> 00:19:29,568 早う! 下がろう。 202 00:19:29,568 --> 00:19:38,244 (祈とう) 203 00:19:38,244 --> 00:19:59,932 (読経) 204 00:19:59,932 --> 00:20:13,946 (晴明の祭文) 205 00:20:13,946 --> 00:20:17,950 (読経) 206 00:20:22,955 --> 00:20:25,858 お前は 誰だ。 207 00:20:25,858 --> 00:20:30,830 うう…。 208 00:20:30,830 --> 00:20:34,567 何のために ここに降りてきたのだ。 209 00:20:34,567 --> 00:20:36,969 返せ。 210 00:20:36,969 --> 00:20:40,306 何を返してほしい。 211 00:20:40,306 --> 00:20:49,648 命を返せ… 子を… 子を返せ! 子を…。 212 00:20:49,648 --> 00:20:52,318 お前の名は! 213 00:20:52,318 --> 00:20:54,620 よしこ。 214 00:20:57,656 --> 00:20:59,992 弘徽殿の女御様か。 215 00:20:59,992 --> 00:21:01,927 うう…。 216 00:21:01,927 --> 00:21:03,929 何をなさいます! 217 00:21:07,266 --> 00:21:14,140 返せ! 返せ! 返せ! 218 00:21:14,140 --> 00:21:21,814 返せ! 返せ! 返せ! 返せ!➡ 219 00:21:21,814 --> 00:21:26,118 返せ! 返せ! 220 00:21:27,953 --> 00:21:29,889 (指を鳴らす音) 221 00:21:29,889 --> 00:21:38,898 はあ… はあ… はあ… はあ…。 222 00:21:40,533 --> 00:21:43,502 亡き 忯子様の霊が 父上に取りつかれたのは➡ 223 00:21:43,502 --> 00:21:45,804 なぜでございましょうか。 224 00:21:51,644 --> 00:21:55,147 兄上方 何かご存じなのでは…。 225 00:21:55,147 --> 00:21:57,183 父上に そんなつもりはなかったのだ。 226 00:21:57,183 --> 00:21:59,985 おなかのお子さえ 流れればよかったのだ。 227 00:21:59,985 --> 00:22:01,954 そのことを晴明に命じたら➡ 228 00:22:01,954 --> 00:22:04,823 忯子様まで お亡くなりになってしまった…。 229 00:22:04,823 --> 00:22:09,528 恐ろしいことだ。 しっかりなさいませ 兄上! 230 00:22:19,471 --> 00:22:25,611 それで どうだったのだ? 東三条殿での祈とうは。 231 00:22:25,611 --> 00:22:32,952 亡き 忯子様の霊が 右大臣様に取りついておりました。 232 00:22:32,952 --> 00:22:36,288 なんと…。 233 00:22:36,288 --> 00:22:41,961 それは まさか 忯子が成仏できていないということか? 234 00:22:41,961 --> 00:22:46,298 恐れながら そのようにございます。 235 00:22:46,298 --> 00:22:48,968 何故 成仏できぬのじゃ。 236 00:22:48,968 --> 00:22:53,806 恐らくは 右大臣様を恨むあまり…。 237 00:22:53,806 --> 00:22:58,310 右大臣が  忯子様を呪詛し お命を奪ったということか。 238 00:22:58,310 --> 00:23:00,579 それは 分かりませぬ。 239 00:23:00,579 --> 00:23:05,918 かわいそうな 忯子…。 240 00:23:05,918 --> 00:23:07,853 (泣き声) 241 00:23:07,853 --> 00:23:10,155 お上。 242 00:23:16,262 --> 00:23:20,132 右大臣こそ 死ねばよい。 243 00:23:20,132 --> 00:23:22,134 死ね! 死ね 右大臣! 244 00:23:22,134 --> 00:23:25,271 そのようなお言葉は➡ 245 00:23:25,271 --> 00:23:34,613 忯子様を この世に ますますお引き止めすることになります。 246 00:23:34,613 --> 00:23:38,918 許せ…  忯子…。 247 00:23:42,288 --> 00:23:47,159 (藤原惟規)右大臣と手を切っておいて よかったですね 父上。 248 00:23:47,159 --> 00:23:50,162 (藤原為時)そういうことを申すでない。➡ 249 00:23:50,162 --> 00:23:53,632 右大臣様には 世話にもなった。 250 00:23:53,632 --> 00:24:00,139 あの時 右大臣様に 東宮様の漢学指南役を頂かなければ➡ 251 00:24:00,139 --> 00:24:04,576 お前たちだって 飢え死にしていたやもしれぬのだぞ。 252 00:24:04,576 --> 00:24:08,247 飢え死になんて… そんな大げさでしょう。 253 00:24:08,247 --> 00:24:15,754 惟規は まだ幼すぎて 母上のご苦労も 父上のご苦労も知らなかったのよ。 254 00:24:15,754 --> 00:24:20,926 知らない方がよいでしょう 苦労なんて。 はあ…。 255 00:24:20,926 --> 00:24:28,801 右大臣様は 恐ろしいところもあったが 何より 政の名手であった。 256 00:24:28,801 --> 00:24:32,538 関白様 左大臣様では そうはいかぬ。 257 00:24:32,538 --> 00:24:35,941 義懐様とて 同じだ。 258 00:24:35,941 --> 00:24:42,614 義懐様は 帝のご寵愛をいいことに 横暴が過ぎる。 259 00:24:42,614 --> 00:24:47,953 右大臣様を追い詰めたのは 義懐様だ。 260 00:24:47,953 --> 00:24:51,790 同情しても 右大臣様は 倒れちゃったんだから➡ 261 00:24:51,790 --> 00:24:55,661 権中納言の義懐様と 仲よくした方がいいですよ。 262 00:24:55,661 --> 00:24:59,298 そう思うだろ? 姉上も。 263 00:24:59,298 --> 00:25:03,902 父上は こんな争いに 巻き込まれたくないの。 264 00:25:03,902 --> 00:25:10,242 静かに学問を究め 学問で身を立てたいだけなのよ。 265 00:25:10,242 --> 00:25:13,245 学問…。 266 00:25:15,914 --> 00:25:20,586 何で俺は 学問が嫌いなのかな…。 267 00:25:20,586 --> 00:25:24,923 父上も姉上も 学問好きなのに。➡ 268 00:25:24,923 --> 00:25:28,260 はい。 269 00:25:28,260 --> 00:25:33,265 本当に 俺 父上の子なのかな? 270 00:25:38,270 --> 00:25:40,973 (為時)はあ…。 271 00:25:42,608 --> 00:25:51,617 明日からは 宮中の書庫の整理を 主たる仕事といたそう。 272 00:25:53,252 --> 00:26:03,262 内裏のことは分かりませぬが 政での争いは 父上には似合いません。 273 00:26:12,571 --> 00:26:22,247 父上は 我々を どこに導こうとしておられるのですか。 274 00:26:22,247 --> 00:26:27,553 我らの行く先は どこなのでございましょう。 275 00:26:29,121 --> 00:26:35,828 生き延びて その答えを教えてください。 276 00:26:39,598 --> 00:26:42,935 それでは 寒かろう。 277 00:26:42,935 --> 00:27:15,234 ♬~ 278 00:27:34,920 --> 00:27:37,623 (道兼)ご苦労である。 279 00:27:48,267 --> 00:27:52,604 右大臣様は いかがおわしますか? 280 00:27:52,604 --> 00:27:57,409 時折 正気づくが ほとんど眠っておる。 281 00:27:57,409 --> 00:28:00,412 見通しは 暗い。 282 00:28:00,412 --> 00:28:06,885 為時殿には 長い間 父が世話になったことは聞いておる。 283 00:28:06,885 --> 00:28:09,221 めっそうもないことでございます。 284 00:28:09,221 --> 00:28:14,226 お世話になりましたのは 私の方でございます。 285 00:28:15,894 --> 00:28:22,234 お手伝いいたす。 蔵人所の仕事は 今日は終わったゆえ。 286 00:28:22,234 --> 00:28:27,573 ならば ご看病に帰られませ…。 287 00:28:27,573 --> 00:28:33,579 父は… 私の顔を見ると嫌がるゆえ いいのだ。 288 00:28:47,593 --> 00:28:51,296 いかがされたのですか? 289 00:28:54,266 --> 00:29:01,540 父にやられた。 え? 290 00:29:01,540 --> 00:29:07,045 昨夜も いっとき正気づいて その時に…。 291 00:29:10,215 --> 00:29:14,886 小さい時から かわいがられた覚えはない。 292 00:29:14,886 --> 00:29:17,789 いつも殴られたり 蹴られたりしておった。 293 00:29:17,789 --> 00:29:23,795 兄も弟も かわいがられておったのに…。 294 00:29:26,498 --> 00:29:37,809 病に倒れ 生死の境を さまよいつつ 私を嫌っておる。 295 00:29:42,914 --> 00:29:47,919 おつらいことでありますね。 296 00:29:51,923 --> 00:29:57,262 どこへ行っても 私は嫌われる。 297 00:29:57,262 --> 00:30:01,933 蔵人の務めとして 帝のおそばに上がっても➡ 298 00:30:01,933 --> 00:30:07,639 右大臣の子というだけで 遠ざけられる。 299 00:30:12,944 --> 00:30:15,614 邪魔をした。 300 00:30:15,614 --> 00:30:35,300 ♬~ 301 00:30:43,308 --> 00:30:47,979 (いと)お帰りなさいませ。 うん。 いかがした。 302 00:30:47,979 --> 00:30:50,282 それが…。 303 00:30:58,623 --> 00:31:01,927 誰か来ておるのか? 304 00:31:03,462 --> 00:31:06,932 顔が青いぞ。 305 00:31:06,932 --> 00:31:12,804 藤原道兼様が…。 306 00:31:12,804 --> 00:31:17,576 お酒もお持ちになり 為時殿と飲みたいと仰せになって。 307 00:31:17,576 --> 00:31:21,279 (乙丸)お戻りでございます! 308 00:31:21,279 --> 00:31:25,617 (為時)お前は いま少し 外におれ。 乙丸。 309 00:31:25,617 --> 00:31:28,520 (道兼)為時殿。 310 00:31:28,520 --> 00:31:32,290 これは 失礼をいたしました。 311 00:31:32,290 --> 00:31:35,293 ご息女か? 312 00:32:26,945 --> 00:32:33,718 ああ… そうか 息子は 間もなく大学か。 大変じゃな。 313 00:32:33,718 --> 00:32:35,654 は…。 314 00:32:35,654 --> 00:32:40,292 為時殿の息子なら 聡明であろうから 心配は要らぬか。 315 00:32:40,292 --> 00:32:45,297 いえいえ それがさっぱり。 316 00:32:46,965 --> 00:32:50,268 あ… 私は もう…。 317 00:32:52,637 --> 00:32:59,945 つまらぬな。 せっかく訪ねてまいったのに。 318 00:33:23,602 --> 00:33:28,273 このようなことしかできませぬが…。 319 00:33:28,273 --> 00:33:31,576 お耳汚しに…。 320 00:33:52,297 --> 00:34:48,286 〽 321 00:35:10,775 --> 00:35:18,483 はあ… 見事ではないか。 体中に響き渡った。 322 00:35:20,251 --> 00:35:26,925 琵琶は 誰に習ったのだ? 323 00:35:26,925 --> 00:35:29,828 母に習いました。 324 00:35:29,828 --> 00:35:33,832 母御は いかがされた? 325 00:35:39,504 --> 00:35:42,507 母は…。 326 00:35:48,113 --> 00:35:52,951 7年前に身まかりました。 327 00:35:52,951 --> 00:36:00,258 それは 気の毒であったな ご病気か? 328 00:36:05,230 --> 00:36:07,932 はい。 329 00:36:16,574 --> 00:36:20,278 失礼いたしました。 330 00:36:32,123 --> 00:36:40,598 麗しいが 無愛想じゃな。 申し訳ございません。 331 00:36:40,598 --> 00:36:45,303 おい そなたもどうじゃ。 332 00:36:47,939 --> 00:36:51,242 お捨て置きくださいませ。 333 00:36:54,279 --> 00:37:02,087 楽しく飲もうと思うたが… ハハ 真面目な家じゃ。 334 00:37:02,087 --> 00:37:06,858 ハハハハハハ…。 335 00:37:06,858 --> 00:37:22,240 ♬~ 336 00:37:22,240 --> 00:37:28,580 一族の罪をわびる。 許してくれ。 337 00:37:28,580 --> 00:37:32,450 兄は そのようなことをする人ではないと 言わないの? 338 00:37:32,450 --> 00:37:34,452 俺は…。 339 00:37:38,923 --> 00:37:41,926 まひろの言うことを信じる。 340 00:37:48,933 --> 00:37:53,938 (為時)よいか? ⚟はい。 341 00:38:05,416 --> 00:38:08,887 帰ったぞ。 342 00:38:08,887 --> 00:38:11,890 そうですか。 343 00:38:13,758 --> 00:38:18,563 すまなかった。 344 00:38:18,563 --> 00:38:22,567 なぜ おわびなされるのですか? 345 00:38:29,908 --> 00:38:35,914 よく辛抱してくれた。 346 00:38:40,552 --> 00:38:44,255 私は 道兼を許すことはありません。 347 00:38:44,255 --> 00:38:53,965 されど あの男に 自分の気持ちを 振り回されるのは もう嫌なのです。 348 00:38:56,601 --> 00:38:59,904 それだけにございます。 349 00:39:15,887 --> 00:39:20,225 お前は 右大臣の子ではないか。 近づくな。 350 00:39:20,225 --> 00:39:22,160 (義懐)早う去れ。 351 00:39:22,160 --> 00:39:24,162 は…。 352 00:39:31,836 --> 00:39:39,577 (為時)恐れながら 藤原道兼様は 右大臣様のお子ながら➡ 353 00:39:39,577 --> 00:39:43,915 右大臣様には 疎まれておいでです。 354 00:39:43,915 --> 00:39:47,585 あいつは 父と うまくいっていないのか? 355 00:39:47,585 --> 00:39:51,456 打ち据えられた傷さえあります。 356 00:39:51,456 --> 00:39:55,260 面白いのう 義懐 呼び戻せ。 357 00:39:55,260 --> 00:39:59,264 お上 それは…。 よいから呼び戻せ。 358 00:40:23,955 --> 00:40:25,957 う…。 359 00:40:27,625 --> 00:40:32,297 病に倒れても お前を殴るのか。 360 00:40:32,297 --> 00:40:36,301 地獄に落ちるな 右大臣は。 361 00:40:37,969 --> 00:40:40,271 ハハハハハハ! 362 00:40:44,642 --> 00:41:18,643 ♬~ 363 00:41:20,278 --> 00:41:22,613 上だ! 364 00:41:22,613 --> 00:41:28,953 (騒ぐ声) 365 00:41:28,953 --> 00:41:31,622 分かれたぞ! 追え! 366 00:41:31,622 --> 00:41:41,966 ♬~ 367 00:41:41,966 --> 00:41:43,901 助けろ~! 368 00:41:43,901 --> 00:41:53,311 ♬~ 369 00:41:53,311 --> 00:41:55,646 いたぞ! 370 00:41:55,646 --> 00:42:10,928 ♬~ 371 00:42:10,928 --> 00:42:14,232 盗賊を取り押さえましてございます。 372 00:42:30,281 --> 00:42:32,617 お前は 分かってくれるのか。 373 00:42:32,617 --> 00:42:35,119 私ほどの勤勉な者に向かって 怠慢とは…。 374 00:42:35,119 --> 00:42:37,422 私の秘策 お買いになりますか? 375 00:42:37,422 --> 00:42:39,791 散楽の人たちが 何をしたっていうんですか! 376 00:42:39,791 --> 00:42:42,293 歩け! 姫様! 377 00:42:42,293 --> 00:42:44,629 どこに向かった! 378 00:42:44,629 --> 00:42:47,965 もう三郎とは 呼べないわ。 379 00:42:47,965 --> 00:42:50,635 余計なことをした。 380 00:42:50,635 --> 00:42:55,339 そうね 海の見える国…。