1 00:00:14,281 --> 00:00:18,151 ♬~ 2 00:00:18,151 --> 00:00:21,622 北の方様のところに 以前より出入りしておる➡ 3 00:00:21,622 --> 00:00:26,293 前蔵人式部丞 藤原為時の娘にございます。 4 00:00:26,293 --> 00:00:43,644 ♬~ 5 00:00:43,644 --> 00:00:46,547 ⚟お父上のお帰りでございますよ。 6 00:00:46,547 --> 00:00:49,550 ⚟(源 倫子)お早いお帰りだこと。 7 00:00:55,255 --> 00:00:59,192 (倫子)ほら 彰子 父上よ。 8 00:00:59,192 --> 00:01:01,128 (藤原彰子)父上。 9 00:01:01,128 --> 00:01:04,264 言えた~! 偉い 偉い。 10 00:01:04,264 --> 00:01:06,567 殿も褒めてやってくださいませ。 11 00:01:08,135 --> 00:01:10,137 (藤原道長)ん? 12 00:01:10,137 --> 00:01:13,941 いかがされましたの? 13 00:01:13,941 --> 00:01:18,946 そうか… よかったな。 14 00:01:21,815 --> 00:01:24,585 あちらで遊んでおいで。 15 00:01:24,585 --> 00:01:37,164 ♬~ 16 00:01:37,164 --> 00:01:42,469 (倫子)お着替え お手伝いいたします。 よい。 17 00:01:47,641 --> 00:01:52,946 ああ よい風だ。 18 00:02:00,921 --> 00:02:05,792 (いと)断られたのですか? 何故に…。 19 00:02:05,792 --> 00:02:08,261 (まひろ)気に入られなかったのやも…。 20 00:02:08,261 --> 00:02:12,132 (いと)されど あちらからのお話でございましたよね。 21 00:02:12,132 --> 00:02:16,136 女房としては 使いにくいのではないかしら…。 22 00:02:16,136 --> 00:02:19,873 だったら 何のための お話だったんでございましょう。 23 00:02:19,873 --> 00:02:22,809 失礼な…。 許しておくれ いと。 24 00:02:22,809 --> 00:02:26,113 いとの願いに応えられず…。 25 00:02:30,417 --> 00:05:14,614 ♬~ 26 00:05:37,938 --> 00:05:44,945 (藤原兼家)今日は 気分がよいので お前たちを呼んだ。 27 00:05:46,613 --> 00:05:49,316 出家いたす。 28 00:05:52,953 --> 00:06:03,230 望みどおり関白になったが 明日 それを辞し 髪を下ろす。 29 00:06:03,230 --> 00:06:06,533 わしの跡は…。 30 00:06:11,938 --> 00:06:15,809 道隆 お前が継げ。 31 00:06:15,809 --> 00:06:21,581 (藤原道隆) はっ… 仰せかしこまりましてございます。 32 00:06:21,581 --> 00:06:24,618 (藤原道兼)父上は 正気を失っておられる。 33 00:06:24,618 --> 00:06:28,455 父上の今日あるは 私の働きがあってこそ。 何故 兄上に! 34 00:06:28,455 --> 00:06:34,160 黙れ。 正気を失っておるのは お前の方じゃ。 35 00:06:34,160 --> 00:06:41,601 お前のような人殺しに 一族の長が務まると思うのか! 36 00:06:41,601 --> 00:06:43,937 人殺し…。 37 00:06:43,937 --> 00:06:50,810 大それた望みを抱くなぞ 許し難し。 下がれ。 38 00:06:50,810 --> 00:06:55,548 父上こそ 帝の父の円融院に毒を盛り➡ 39 00:06:55,548 --> 00:06:57,951 花山院の女御様と そのお子を呪詛し➡ 40 00:06:57,951 --> 00:07:02,656 そのあげく あやめ奉った張本人ではないか! 41 00:07:05,225 --> 00:07:09,095 道隆は 何も知らずともよい。 42 00:07:09,095 --> 00:07:14,367 お前は 真っさらな道を行け。 はっ。 43 00:07:14,367 --> 00:07:21,141 (兼家)道兼は これからも 我が家の汚れ仕事を担って➡ 44 00:07:21,141 --> 00:07:23,376 兄を支えてまいれ。 45 00:07:23,376 --> 00:07:32,185 それが嫌なら 身分を捨て どこへでも流れてゆくがよい。 46 00:07:36,957 --> 00:07:41,261 この老いぼれが…。 47 00:07:41,261 --> 00:07:43,563 とっとと死ね! 48 00:07:51,604 --> 00:07:54,607 以上である。 49 00:08:01,414 --> 00:08:04,551 あっ。 50 00:08:04,551 --> 00:08:07,887 よい。 51 00:08:07,887 --> 00:08:17,897 道隆 道長 今より 父はないものと思って生きよ。 52 00:08:27,574 --> 00:08:48,261 (兼家の歌声) 53 00:08:53,800 --> 00:08:59,806 これ以来 道兼は参内しなくなった。 54 00:09:16,890 --> 00:09:19,225 ⚟いとにございます。 55 00:09:19,225 --> 00:09:21,528 (藤原為時)入れ。 56 00:09:31,571 --> 00:09:37,911 殿様 おいとまを頂きとうございます。 57 00:09:37,911 --> 00:09:41,247 本当にお世話になりました。 58 00:09:41,247 --> 00:09:43,583 何のお役にも立てず…。 59 00:09:43,583 --> 00:09:48,087 ま… 待て。 いきなり いかがいたしたのじゃ。 60 00:09:48,087 --> 00:09:53,960 私 食べなくても 太ってしまう体でございますので➡ 61 00:09:53,960 --> 00:09:58,798 何と言うか 居場所がないというか…。 62 00:09:58,798 --> 00:10:00,800 いや 今更 何を申すか。 63 00:10:00,800 --> 00:10:06,473 されど 土御門殿での 姫様のお仕事も決まらず➡ 64 00:10:06,473 --> 00:10:10,944 私の仕立物の注文も途絶えがちで…。 65 00:10:10,944 --> 00:10:16,816 もう 私が おいとまを頂くしか あるまいと…。 66 00:10:16,816 --> 00:10:20,520 行く当てなぞ ないであろう。 67 00:10:33,633 --> 00:10:40,306 惟規の乳母となって この家に来たのは➡ 68 00:10:40,306 --> 00:10:49,983 お前が 夫と生まれたばかりの子を はやり病で亡くした直後であった。 69 00:10:49,983 --> 00:10:58,291 ゆえに お前は 惟規を我が子のように 慈しんでくれた。 70 00:11:01,928 --> 00:11:07,934 この家は お前の家である。 71 00:11:13,273 --> 00:11:16,176 ここにおれ。 72 00:11:16,176 --> 00:11:22,482 (泣き声) 73 00:11:24,284 --> 00:11:33,426 (藤原寧子) 道綱 道綱 道綱。 聞こえますか? 74 00:11:33,426 --> 00:11:37,297 (藤原道綱)母上 もうおやめください。 75 00:11:37,297 --> 00:11:41,634 (寧子)道隆様に 道綱のことを➡ 76 00:11:41,634 --> 00:11:46,973 お忘れなくと おっしゃっておいてくださいませね。➡ 77 00:11:46,973 --> 00:11:49,876 道綱。 (道綱)お加減のお悪い時に➡ 78 00:11:49,876 --> 00:11:53,179 そんなことを申されるのは…。 79 00:11:55,315 --> 00:11:59,986 あっ お気付きになられた。 80 00:11:59,986 --> 00:12:02,288 殿様。 81 00:12:06,593 --> 00:12:17,236 「嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は➡ 82 00:12:17,236 --> 00:12:22,241 いかに久しき ものとかは知る」。 83 00:12:24,611 --> 00:12:26,913 殿…。 84 00:12:29,949 --> 00:12:34,420 (道綱)今の歌 何? 85 00:12:34,420 --> 00:12:40,226 私の「蜻蛉日記」よ。 86 00:12:40,226 --> 00:12:45,531 あれは よかったのう…。 87 00:12:53,640 --> 00:12:58,344 輝かしき日々であった…。 88 00:13:02,915 --> 00:13:26,606 (源 明子の呪詛する声) 89 00:13:29,142 --> 00:13:33,880 (安倍晴明)今宵 星は落ちる。 90 00:13:33,880 --> 00:13:37,617 次なる者も長くはあるまい。 91 00:13:37,617 --> 00:15:02,769 ♬~ 92 00:15:02,769 --> 00:15:06,773 (呪詛する声) 93 00:15:11,244 --> 00:15:21,587 (雨音) 94 00:15:21,587 --> 00:15:37,303 (荒い息遣い) 95 00:16:01,894 --> 00:16:04,197 父上! 96 00:16:27,920 --> 00:16:57,617 ♬~ 97 00:16:57,617 --> 00:16:59,919 父上…。 98 00:17:05,224 --> 00:17:07,927 父上。 99 00:17:17,236 --> 00:17:20,239 父上! 100 00:17:28,848 --> 00:17:35,554 (藤原宣孝) 兼家様 3日前に身まかられたそうだ。 101 00:17:45,598 --> 00:17:50,303 激しいご生涯であったのう…。 102 00:17:52,271 --> 00:17:56,575 知らせは もう一つある。 103 00:17:58,611 --> 00:18:02,348 わしは 筑前に下ることとなった。 104 00:18:02,348 --> 00:18:05,217 筑前守におなりなのでございますか? 105 00:18:05,217 --> 00:18:10,556 さきの筑前守が 病で職を辞したそうで にわかの赴任を命じられた。 106 00:18:10,556 --> 00:18:12,491 ハハハ…。 107 00:18:12,491 --> 00:18:17,430 御嶽詣の御利益だ。➡ 108 00:18:17,430 --> 00:18:21,734 いよいよ わしも国司になるぞ。 109 00:18:21,734 --> 00:18:28,507 おめでとうございます。 さみしくなるのう。 110 00:18:28,507 --> 00:18:31,377 (宣孝)そのような顔をするな。 111 00:18:31,377 --> 00:18:38,584 わしも 為時殿の一家を置いていくのは 忍びないと思っておったが➡ 112 00:18:38,584 --> 00:18:45,458 運よく さきの関白様が身まかられて これから 家運も上向くであろう。 113 00:18:45,458 --> 00:18:47,760 ああ よかった よかった。 114 00:18:47,760 --> 00:18:50,596 下向の支度もせねばならぬゆえ これでな。 115 00:18:50,596 --> 00:18:53,899 お知らせ ありがとうございます。 ああ。 116 00:19:00,873 --> 00:19:02,808 殿様。 117 00:19:02,808 --> 00:19:07,813 一人にしてくれ。 118 00:19:10,883 --> 00:19:16,555 殿様のあれは うれし涙でございますよね? 119 00:19:16,555 --> 00:19:19,458 分からないわ。 120 00:19:19,458 --> 00:19:24,230 父上ご自身も お分かりになっていないかも。え? 121 00:19:24,230 --> 00:19:28,100 うれしくても 悲しくても 涙は出るし➡ 122 00:19:28,100 --> 00:19:34,106 うれしいか 悲しいか 分からなくても 涙は出るのよ。 123 00:19:50,923 --> 00:19:53,926 ⚟殿がお越しでございます。 124 00:20:01,934 --> 00:20:04,637 そのままでよい。 125 00:20:06,806 --> 00:20:10,609 殿のお子を…。 126 00:20:10,609 --> 00:20:14,480 お許しくださいませ。 127 00:20:14,480 --> 00:20:18,284 生まれいでぬ宿命の子もおる。 128 00:20:18,284 --> 00:20:23,589 そなたのせいではない。 ささ 休んでおれ。 129 00:20:28,294 --> 00:20:36,969 喪に服しておいでの時に あえて 穢れの身を お見舞いくださるなんて…。 130 00:20:36,969 --> 00:20:39,972 しきたりなぞ気にするな。 131 00:20:41,841 --> 00:20:44,844 ゆっくり養生いたせ。 132 00:20:53,319 --> 00:20:55,988 また参る。 133 00:20:55,988 --> 00:21:17,610 ♬~ 134 00:21:17,610 --> 00:21:20,279 お帰りなさいませ。 135 00:21:20,279 --> 00:21:22,214 うん。 136 00:21:22,214 --> 00:21:26,152 明子様は いかがでしたか? 137 00:21:26,152 --> 00:21:33,826 しっかり お慰めしてあげなければ いけませんわね。 138 00:21:33,826 --> 00:21:37,696 でも 明子様は お若いから➡ 139 00:21:37,696 --> 00:21:40,666 これから お子は いくらでも できましょう。 140 00:21:40,666 --> 00:21:44,170 私も せいぜい気張らねば。 141 00:21:48,307 --> 00:21:57,316 関白 藤原兼家の喪に服して 都は しばらく静まり返っていたが…。 142 00:21:57,316 --> 00:21:59,251 (笑い声) 143 00:21:59,251 --> 00:22:18,537 〽 世の中は 夢か 現か 現とも 144 00:22:21,507 --> 00:22:25,477 何だ? (藤原繁子)おいとまを頂戴いたします。 145 00:22:25,477 --> 00:22:27,947 尊子も連れてまいります。 146 00:22:27,947 --> 00:22:30,783 関白の妻でなければ 気に入らぬか。 147 00:22:30,783 --> 00:22:33,285 そうではございませぬ。 148 00:22:33,285 --> 00:22:36,088 好いた殿御が出来ました。 149 00:22:37,790 --> 00:22:41,126 お父上の喪にも服さぬような➡ 150 00:22:41,126 --> 00:22:45,965 あなたのお顔は もう見たくもございませぬ。 151 00:22:45,965 --> 00:22:48,634 (ため息) 152 00:22:48,634 --> 00:22:52,504 ならば 尊子は置いてゆけ。 153 00:22:52,504 --> 00:22:55,507 尊子は 先に家から出しました。 154 00:22:55,507 --> 00:22:59,812 私と参りたいと申しましたので。 155 00:23:02,915 --> 00:23:07,920 皆様 お邪魔いたしました。 156 00:23:10,789 --> 00:23:32,611 ♬~ 157 00:23:32,611 --> 00:23:34,546 (ため息) 158 00:23:34,546 --> 00:23:37,283 (藤原公任) 我が父も見る目がなかったな…。 159 00:23:37,283 --> 00:23:40,619 次は 必ず道兼様だと申したのに。 160 00:23:40,619 --> 00:23:46,292 (藤原斉信)お前に誘われて 道兼様についたりしなくてよかった。 161 00:23:46,292 --> 00:23:50,796 これからは 道隆様に真剣に取り入らねば。 162 00:23:50,796 --> 00:23:52,831 いい気なもんだ。 163 00:23:52,831 --> 00:23:58,304 (藤原行成)実の父上の喪にも服さぬ 道兼様は あまりでございます。 164 00:23:58,304 --> 00:24:02,574 こうして群れておる我らも 似たようなものだが。 165 00:24:02,574 --> 00:24:07,246 なるほど 我らも不謹慎ではあるが まだ まともな方だ。 166 00:24:07,246 --> 00:24:10,149 道兼様は 正気ではない。 167 00:24:10,149 --> 00:24:12,117 普通に考えれば➡ 168 00:24:12,117 --> 00:24:17,256 定子様を入内させた道隆様が 跡目を継がれるのが順当で➡ 169 00:24:17,256 --> 00:24:21,260 なるようになった ということでございましょう。 170 00:24:22,928 --> 00:24:29,935 摂政となった道隆の 初めての公卿会議が行われた。 171 00:24:47,619 --> 00:24:50,923 (一条天皇)蔵人頭 参れ! 172 00:25:03,569 --> 00:25:13,579 道隆は まだ17歳の息子 伊周を 一足飛びに蔵人頭に任命した。 173 00:25:20,119 --> 00:25:22,254 お美しい…。 174 00:25:22,254 --> 00:25:26,091 漢詩も和歌も笛も弓も 誰にも負けない腕前なんですってよ。 175 00:25:26,091 --> 00:25:30,596 17歳で? 出来過ぎ~。 176 00:25:30,596 --> 00:25:36,268 (藤原定子) ひい ふう みい よう いつ…。➡ 177 00:25:36,268 --> 00:25:39,772 ああ… また お上の勝ちでございます。 178 00:25:39,772 --> 00:25:42,107 (一条天皇)わ~い! 179 00:25:42,107 --> 00:25:46,278 (定子)ああ! お上 重とうございます。 180 00:25:46,278 --> 00:25:48,614 ああ 降参でございます。 お上。 181 00:25:48,614 --> 00:25:51,617 皇太后様が おいであそばしました。 182 00:26:01,894 --> 00:26:07,766 (藤原詮子)皆々 おそろいで。 にぎやかでよいのう。 183 00:26:07,766 --> 00:26:13,238 お上 そのような乱れたお姿を 見せてはなりませぬ。 184 00:26:13,238 --> 00:26:15,240 お許しくださいませ 私が…。 185 00:26:15,240 --> 00:26:17,743 そなたに言うておるのではない。 186 00:26:17,743 --> 00:26:20,946 お上に申し上げておるのです。 187 00:26:23,615 --> 00:26:25,617 出直してまいる。 188 00:26:25,617 --> 00:26:30,422 それまでに お上は お心を整えなさいませ。 189 00:26:32,591 --> 00:26:35,294 見苦しや。 190 00:26:50,142 --> 00:26:58,617 (藤原実資)まだ世に出たばかりの 17歳の伊周殿を蔵人頭にするは異常。 191 00:26:58,617 --> 00:27:01,520 全くもって異常! 192 00:27:01,520 --> 00:27:03,889 異常中の異常! 193 00:27:03,889 --> 00:27:07,359 (婉子女王)ん~… この張り具合…。 194 00:27:07,359 --> 00:27:10,062 恥を知らない身内びいきだ。 195 00:27:10,062 --> 00:27:14,366 ほっておけば 内裏の秩序は乱れよう。 196 00:27:14,366 --> 00:27:16,435 なんとかせねば…。 197 00:27:16,435 --> 00:27:18,570 ん~…。 198 00:27:18,570 --> 00:27:20,506 腹をつかむな。 199 00:27:20,506 --> 00:27:27,079 もう そのお話は 明日の朝 日記にお書きになれば よろしいでしょ。 200 00:27:27,079 --> 00:27:31,750 なんと さきの妻も 同じことを よう言うた。 201 00:27:31,750 --> 00:27:33,685 日記に書けばと。 202 00:27:33,685 --> 00:27:39,491 まあ…! さきの奥方は 私よりもはるかに身分が下。 203 00:27:39,491 --> 00:27:46,598 その方のことを 私の前で懐かしむとは 無礼千万。 204 00:27:46,598 --> 00:27:49,101 懐かしんだわけではない。 205 00:27:49,101 --> 00:27:51,937 同じだな~と言うただけじゃ。 206 00:27:51,937 --> 00:27:55,274 そなたは 為平親王の姫で➡ 207 00:27:55,274 --> 00:27:59,111 花山院の御代の女御様であった。 208 00:27:59,111 --> 00:28:05,884 私好みの高貴な高貴な妻である。 ハハ…。 209 00:28:05,884 --> 00:28:10,722 では もう あちらに参りましょ。 210 00:28:10,722 --> 00:28:12,758 ああ 分かった 分かった。 211 00:28:12,758 --> 00:28:16,228 明日 このことは日記に記そう。 212 00:28:16,228 --> 00:28:20,232 関白 藤原道隆の横暴。 213 00:28:28,574 --> 00:28:34,246 (藤原伊周) ん~… たいが おいしゅうございます。 214 00:28:34,246 --> 00:28:39,585 (高階貴子)我が家は 喪中ゆえ 祝いとは申しませんでしたけど➡ 215 00:28:39,585 --> 00:28:42,921 今朝 淡路から届きましたのよ。 216 00:28:42,921 --> 00:28:46,258 ほう… 淡路守か。 217 00:28:46,258 --> 00:28:51,763 淡路は下国ゆえ 早く都へ帰りたいのであろう。 218 00:28:51,763 --> 00:28:59,938 殿 蔵人頭ともなれば 伊周に よい婿入り先を見つけねばと思いますの。 219 00:28:59,938 --> 00:29:03,542 お前は それを望んでおるのか? 220 00:29:03,542 --> 00:29:07,412 父上と母上にお任せいたします。 221 00:29:07,412 --> 00:29:10,415 ひと事じゃのう。 222 00:29:10,415 --> 00:29:17,222 父上のため 一族のために生きる この使命は➡ 223 00:29:17,222 --> 00:29:21,893 幼い頃よりの 母上の教えにございますゆえ。 224 00:29:21,893 --> 00:29:26,765 では 和歌の会でも開きましょうか。 225 00:29:26,765 --> 00:29:28,767 和歌の会か…。 226 00:29:28,767 --> 00:29:36,441 伊周の妻となる女子であれば 和歌くらい ちゃんと詠めねばなりませぬゆえ。 227 00:29:36,441 --> 00:29:42,914 貴子の思うようにやってみよ。 お任せいたします。 228 00:29:42,914 --> 00:29:47,586 既に 母が考える姫様たちのほかに➡ 229 00:29:47,586 --> 00:29:51,757 漢詩の会の時の あの2人を呼びましょう。 230 00:29:51,757 --> 00:29:54,259 あの2人? 231 00:29:54,259 --> 00:29:57,562 ああ あの出すぎ者の…。 232 00:29:59,131 --> 00:30:07,806 和歌の会は 5年前の漢詩の会と同じく 道隆の屋敷で行われた。 233 00:30:07,806 --> 00:30:10,275 (ききょう)お待ちしておりました。 234 00:30:10,275 --> 00:30:13,612 お久しゅうございます。 235 00:30:13,612 --> 00:30:16,281 お変わりございませんでしたか? 236 00:30:16,281 --> 00:30:21,153 ああ… いえ いろいろ変わりました。 237 00:30:21,153 --> 00:30:24,956 何からお話ししていいか分からぬほど。 238 00:30:24,956 --> 00:30:29,628 お父上は お元気? はい。 つつがなく暮らしております。 239 00:30:29,628 --> 00:30:35,133 ききょう様のお父上は ご息災であられますか? 240 00:30:35,133 --> 00:30:39,638 この6月に身まかりました。 241 00:30:39,638 --> 00:30:43,975 肥後守として下向していた彼の地で…。 242 00:30:43,975 --> 00:30:50,148 それは おいたわしいことでございました。 243 00:30:50,148 --> 00:30:52,651 都を離れ難く➡ 244 00:30:52,651 --> 00:30:56,988 年老いた父を 1人で 肥後に 行かせてしまったことを悔いております。 245 00:30:56,988 --> 00:30:59,458 ご夫君のことも おありですものね。 246 00:30:59,458 --> 00:31:02,461 夫のことは どうでもよかったのですが➡ 247 00:31:02,461 --> 00:31:08,100 都にいないと 取り残されてしまいそうで…。 248 00:31:08,100 --> 00:31:10,936 愚かでした。 249 00:31:10,936 --> 00:31:16,942 生きていると 悔やむことばかりですわね。 250 00:31:19,945 --> 00:31:23,782 今日も 恐らく伊周様の妻選び。 251 00:31:23,782 --> 00:31:27,119 私たちは ただのにぎやかしですわ。 あほらしい。 252 00:31:27,119 --> 00:31:29,154 聞こえますわよ。 253 00:31:29,154 --> 00:31:33,458 ⚟お出ましを。 (2人)はい! 254 00:31:35,293 --> 00:31:38,196 聞こえたわね。 255 00:31:38,196 --> 00:31:56,314 ♬~ 256 00:31:56,314 --> 00:32:00,318 では お題を。 257 00:32:03,922 --> 00:32:08,260 お題は 「秋」にございます。 258 00:32:08,260 --> 00:32:28,246 ♬~ 259 00:32:29,948 --> 00:32:40,592 「秋風の うち吹くごとに 高砂の➡ 260 00:32:40,592 --> 00:32:50,268 尾上の鹿の 鳴かぬ日ぞなき」。 261 00:32:50,268 --> 00:32:56,274 威厳に満ちながら 秋にふさわしい 涼やかな響きのお歌でございます。 262 00:33:01,580 --> 00:33:12,924 (たね)な れ ゐ て。 263 00:33:12,924 --> 00:33:15,627 完璧! 264 00:33:19,264 --> 00:33:25,136 た つ じ。 265 00:33:25,136 --> 00:33:29,908 い わ。 266 00:33:29,908 --> 00:33:31,843 たつじ いわ…。 267 00:33:31,843 --> 00:33:34,613 トトとカカの名前。 268 00:33:34,613 --> 00:33:42,787 そっか たつじがトト様 いわがカカ様。 269 00:33:42,787 --> 00:33:47,425 なるほど。 よくできました。 270 00:33:47,425 --> 00:33:50,962 すごいじゃない。 もう 何でも書けるんじゃない? 271 00:33:50,962 --> 00:33:53,632 賢いのね たねは。 272 00:33:53,632 --> 00:33:56,301 教えたかいが あったわ。 273 00:33:56,301 --> 00:33:58,803 もう帰らないと! カカに怒られる。 274 00:33:58,803 --> 00:34:04,075 じゃあ 帰ったら トト様とカカ様に 名前書いてみせてあげて。 275 00:34:04,075 --> 00:34:07,112 じゃあ また明日。 はい! 276 00:34:07,112 --> 00:34:17,923 ♬~ 277 00:34:17,923 --> 00:34:20,592 まひろ様。 278 00:34:20,592 --> 00:34:23,595 ききょう様…。 279 00:34:25,263 --> 00:34:28,166 誰ですの? 今の汚い子。 280 00:34:28,166 --> 00:34:32,604 文字を教えている子です。 それは もう 賢くて…。 281 00:34:32,604 --> 00:34:35,106 あのような下々の子に教えているの? 282 00:34:35,106 --> 00:34:39,945 ええ。 文字を知らないために ひどい目に遭う人もおりますので。 283 00:34:39,945 --> 00:34:42,647 なんと物好きな…。 284 00:34:46,284 --> 00:34:50,622 先日の和歌の会は つまらぬものでございましたわね。 285 00:34:50,622 --> 00:34:54,292 あのような姫たちが 私は 一番嫌いでございます。 286 00:34:54,292 --> 00:34:57,796 は…。 よりよき婿を取ることしか考えられず➡ 287 00:34:57,796 --> 00:35:04,369 志を持たず 己を磨かず 退屈な暮らしも そうと気付く力もないような姫たち。 288 00:35:04,369 --> 00:35:07,272 そこまで おっしゃらなくても…。 289 00:35:07,272 --> 00:35:09,908 まひろ様だって そうお思いでしょ。 290 00:35:09,908 --> 00:35:12,243 少しは…。 291 00:35:12,243 --> 00:35:16,114 私は 宮中に女房として出仕して➡ 292 00:35:16,114 --> 00:35:19,117 広く世の中を知りたいと 思っておりますの。 293 00:35:19,117 --> 00:35:24,756 それは ききょう様らしくて すばらしいことでございます。 294 00:35:24,756 --> 00:35:28,259 まひろ様に 志はないの? 295 00:35:28,259 --> 00:35:35,133 私の志は 先ほども申しましたように➡ 296 00:35:35,133 --> 00:35:40,972 文字の読めない人を 少しでも少なくすることです。 297 00:35:40,972 --> 00:35:46,277 この国には 我々 貴族の幾万倍もの民がおりますのよ。 298 00:35:46,277 --> 00:35:49,180 そのこと ご存じ? 存じてます。 299 00:35:49,180 --> 00:35:54,152 されど それで諦めていたら 何も変わりません。 300 00:35:54,152 --> 00:35:57,155 そうでございますか…。 301 00:36:03,762 --> 00:36:12,904 私は 私の志のために 夫を捨てようと思いますの。 は? 302 00:36:12,904 --> 00:36:16,374 夫は 女房に出るなどという➡ 303 00:36:16,374 --> 00:36:19,577 恥ずかしいことは やめてくれと 申しますのよ。 304 00:36:19,577 --> 00:36:22,080 文章や和歌は うまくならずともよい。 305 00:36:22,080 --> 00:36:24,916 自分を慰める女でいよと。 306 00:36:24,916 --> 00:36:27,952 どう思われます? 307 00:36:27,952 --> 00:36:30,588 下の下でございましょ。 308 00:36:30,588 --> 00:36:36,261 されど 若君もおられますよね。 309 00:36:36,261 --> 00:36:40,598 息子も 夫に押っつけてしまうつもりです。 310 00:36:40,598 --> 00:36:49,607 息子には すまないことですが 私は 私のために生きたいのです。 311 00:36:49,607 --> 00:36:53,411 広く世の中を知り 己のために生きることが➡ 312 00:36:53,411 --> 00:36:56,281 ほかの人の役にも立つような…。 313 00:36:56,281 --> 00:37:02,287 そんな道を見つけたいのです。 314 00:37:13,231 --> 00:37:16,234 今日は 来ないのですか? 315 00:37:17,902 --> 00:37:21,239 どうしたのかしら? 316 00:37:21,239 --> 00:37:24,742 どうせ タダで教えてるんですから よろしいではないですか。 317 00:37:24,742 --> 00:37:27,579 そんな… 宣孝様みたいなこと言わないで。 318 00:37:27,579 --> 00:37:29,581 まっ…。 319 00:37:46,264 --> 00:37:48,967 (たつじ)休むんじゃねえ! 320 00:37:56,274 --> 00:37:59,177 たね。 321 00:37:59,177 --> 00:38:02,180 先生…。 322 00:38:04,549 --> 00:38:07,585 (たつじ)あんたが うちの子に文字を教えてる女子かい。 323 00:38:07,585 --> 00:38:10,889 余計なことはやめてくれ! 324 00:38:10,889 --> 00:38:16,227 うちの子は 一生 畑を耕して死ぬんだ。 325 00:38:16,227 --> 00:38:19,564 文字なんか要らねえ。➡ 326 00:38:19,564 --> 00:38:24,435 俺ら あんたら お偉方の慰み者じゃねえ! 327 00:38:24,435 --> 00:38:41,586 ♬~ 328 00:38:41,586 --> 00:38:46,457 お前は また 検非違使庁の改革案を 出しているようだな。 329 00:38:46,457 --> 00:38:48,459 はっ。 330 00:38:48,459 --> 00:38:52,230 幾度も却下したではないか。 諦めません。 331 00:38:52,230 --> 00:38:54,933 検非違使庁の下部は 裁きの手間を省くため➡ 332 00:38:54,933 --> 00:38:56,968 罪人を ひそかに あやめておりまする。 333 00:38:56,968 --> 00:39:00,205 そのような非道を許せば 国はすさみます。 334 00:39:00,205 --> 00:39:02,874 民が 朝廷を恨みます。 335 00:39:02,874 --> 00:39:06,744 罪人は 罪人である。 336 00:39:06,744 --> 00:39:13,218 どのように処されようと 我らが知ったことではない。 337 00:39:13,218 --> 00:39:18,890 身分の高い罪人は 供もつけて流刑に処し➡ 338 00:39:18,890 --> 00:39:21,359 時が過ぎれば 都に戻るようになっておる。 339 00:39:21,359 --> 00:39:26,197 身分の高い者だけが 人ではありませぬ。 340 00:39:26,197 --> 00:39:29,734 お前は もう 権中納言ぞ。 341 00:39:29,734 --> 00:39:36,507 下々のことは 下々に任せておけばよい。 342 00:39:36,507 --> 00:39:44,249 定子様を 中宮にする。 え? 343 00:39:44,249 --> 00:39:47,585 円融院の遵子様が 中宮としておられますが。 344 00:39:47,585 --> 00:39:52,390 中宮の遵子様には 皇后にお上がりいただき➡ 345 00:39:52,390 --> 00:39:55,927 定子様を中宮になし奉るつもりじゃ。 346 00:39:55,927 --> 00:40:00,098 皇后と中宮が並び立つ前例は ありませぬ。 347 00:40:00,098 --> 00:40:03,601 前例とは 何だ? 348 00:40:03,601 --> 00:40:08,473 そもそも 前例の一番初めには 前例なぞ なかったであろうが。 349 00:40:08,473 --> 00:40:10,475 されど…。 350 00:40:10,475 --> 00:40:13,177 公卿たちを説得せよ。 351 00:40:15,613 --> 00:40:19,484 できませぬ。 これは相談ではない。 352 00:40:19,484 --> 00:40:22,487 摂政の命である。 353 00:40:40,305 --> 00:40:46,177 (たつじ) 俺ら あんたら お偉方の慰み者じゃねえ! 354 00:40:46,177 --> 00:41:08,266 ♬~ 355 00:41:08,266 --> 00:41:12,136  心の声 俺は 何一つ成していない…。 356 00:41:12,136 --> 00:41:23,281 ♬~ 357 00:41:23,281 --> 00:41:28,119 皇后と中宮が並び立つなど 前例がございませぬ。 358 00:41:28,119 --> 00:41:30,621 (藤原顕光)ありえぬ。 (藤原公季)ありえぬ。(源 重信)ありえぬ。 359 00:41:30,621 --> 00:41:32,924 中納言殿…。 360 00:41:34,492 --> 00:41:39,130 ありえぬ… と存じます。 361 00:41:39,130 --> 00:41:42,800 (藤原為光)皇后は さきの さきの帝の后➡ 362 00:41:42,800 --> 00:41:47,138 中宮は 今の帝の后 ということであるならば➡ 363 00:41:47,138 --> 00:41:50,441 あるやもしれませぬがな。 (源 雅信)ありえぬ。 364 00:41:50,441 --> 00:41:53,945 断じて ありえませぬ。 365 00:41:57,648 --> 00:42:01,252 そして その数日後。 366 00:42:01,252 --> 00:42:07,392 定子様を 中宮にお立てすることといたします。 367 00:42:07,392 --> 00:42:12,930 お上 いかがでございましょう。 368 00:42:12,930 --> 00:42:18,636 朕は 定子を中宮とする。 369 00:42:23,274 --> 00:42:28,279 道隆の独裁が始まった。 370 00:42:30,615 --> 00:42:33,418 もうすぐ石山寺ですよ。 371 00:42:33,418 --> 00:42:35,787 俺に尽くすと言ったよな? 372 00:42:35,787 --> 00:42:38,289 はい! (歓声) 373 00:42:38,289 --> 00:42:41,192 この道長が お支えいたします。 374 00:42:41,192 --> 00:42:43,961 我が家より 帝が出る。 375 00:42:43,961 --> 00:42:46,864 ♬~ 376 00:42:46,864 --> 00:42:49,834  心の声 きれい…。 心にもないことを。 377 00:42:49,834 --> 00:42:52,970 今に始まったことではないがのう。 あれ? 378 00:42:52,970 --> 00:42:55,273 まことに よいかもしれません。